JP4854518B2 - 堅木ストランド製品 - Google Patents

Description

本発明は堅木製品に関し、特にユーカリノキから形成したストランド木材及び板製品に関するが、それらのみに関するものではない。

パーティクルボード（ＰＢ）、中密度繊維板（ＭＤＦ）、合板、単板積層材（ＬＶＬ）、及び配向性ボード（ＯＳＢ）を含む多数の人造木材製品が知られている。

パーティクルボードは大部分の構造用途に充分な強度に欠ける。合板は比較的高品質の丸太からのベニヤ薄板を必要とする。ＭＤＦ製品は、多数の用途を有するが、一般的に構造強度及び防湿性に欠ける。ＯＳＢ及びＬＶＬ製品は、広範囲の用途を有するが、やはり比較的低い防湿性が欠点である。それらの構造強度及び締結用収容力がやはり望まれる。

ＬＶＬは、合板工業からの古い技術を適応させたものであり、古い又は直径の比較的大きな木、典型的には樹齢４０年以上で直径が約５００ｍｍの木に同様に依存している。このため、丸太からＬＶＬ製品への転換率は比較的低くなっている。

ストランド積層材（ＬＳＬ）は、もう一つの人造木材製品であるが、ポプラ及び黄色ポプラのような軟材に基づいている。これらの種は比較的速く成長するので、この製品は又建築木材としての商業的用途を見出している。

本発明の目的は、１種以上の堅木から形成された改良ストランド木材又は板製品を提供すること、又は少なくとも既存製品の代替物を提供することである。

一局面において本発明は、イソシアネート又はフェノール樹脂を含む結合剤で接合された、１種以上のユーカリノキ種の、実質的に一直線に揃えられたストランドを含むストランド木材又は板製品に在ると言うことが出来る。

好ましい態様において、該ユーカリノキ種はブルーガム（イー・グロビュラス）、カリ（イー・ディバーシカラー）、シドニー・ブルーガム（イー・サリグナ）、マリ（イー・キャロフィラ）、又はジャラー（イー・マルギナータ）であり、該結合剤はメタンジイソシアネート・ポリマー（ＰＭＤＩ）樹脂を含む。該結合剤は好ましくはパラフィン乳濁液のようなワックスをも含む。

好ましくは該ストランドは、１４５ｍｍと１８０ｍｍの間の平均長さ、約１０〜２５ｍｍの平均幅、及び０．５ｍｍと１．５ｍｍの間の平均厚さを有する。好ましくは、該ストランドの少なくとも７０％が充分一直線に揃えられている。

〔好ましい態様の詳細な説明〕
図面を参照すると、様々な目的用の種々の異なる製品において本発明を実施できることが理解されるであろう。ここに概説された方法は、Ｓｉｅｍｐｅｌｋａｍｐ ＣｏｎｔｉＲｏｌｌ（登録商標）方式に基づいており、ほんの一例として示されている。ストランド木材又は板製品を製造する他の方法も適しているであろう。

図面に示されているように、該方法はユーカリ属の収穫丸太及び多分他の同様な堅木丸太１０から開始する。好ましいユーカリノキ種はブルーガム（イー・グロビュラス）、カリ（イー・ディバーシカラー）、シドニー・ブルーガム（イー・サリグナ）、マリ（イー・キャロフィラ）、又はジャラー（イー・マルギナータ）である。ブルーガム（イー・グロビュラス）及びシドニー・ブルーガム（イー・サリグナ）のような栽培樹木の場合、該樹木は好ましくは樹齢約８〜１２年であり約１５０〜２００ｍｍの直径を有する。カリ（イー・ディバーシカラー）、マリ（イー・キャロフィラ）、又はジャラー（イー・マルギナータ）のような森林間伐材の場合、該樹木は好ましくは樹齢３０年未満であり直径４００ｍｍ未満である。特定の製品において単一種を使用しても良いし、或いは複数種を組合せても良い。

該丸太はストランダ１２を通過する前に皮を剥がされる（１１）。固定した又は不揃いの長さの丸太を特定の長さ、幅及び厚さのストランドに切るために、環状ストランダを典型的に使用する。該ストランドは好ましくは、約１４５ｍｍ〜１８０ｍｍの長さ、約１０〜２５ｍｍの幅、及び約０．５ｍｍ〜１．５ｍｍの厚さで形成される。

該ストランドを好ましくは水分５％未満まで乾燥させて（１３）から、製品規格によりふるい１４において分類する。乾燥され分類された該ストランドを、必要とされるまで、貯蔵容器１６が保持する。

樹皮廃棄物又は拒否されたストランド及び微粉は、乾燥器や該方法の他の部分用に熱を発生する加熱設備１５用の燃料を提供する。最初の丸太の約７０％を製品の形成に使用することが出来る。残る３０％の大部分は該加熱設備に使用することが出来る。

貯蔵容器１６から該ストランドが要求に応じて樹脂混合器１７に運ばれ、そこで樹脂及びワックスが必要な割合で、典型的には夫々約６〜１０％の乾物及び２％の乾物で添加される。混合されたストランド、樹脂及びワックスは「ファーニッシュ」として知られ、保持用貯蔵容器１８中に保持される。

好ましい樹脂は、メタンジイソシアネート・ポリマー（ＰＭＤＩ）のようなイソシアネート結合剤である。フェノール樹脂又は他の樹脂も使用できるであろうが、一般的により好ましくない性質を有する。好ましいワックスは、Ｍｏｂｉｌｅ Ａｕｓｔｒａｌｉａから入手できるＭｏｂｉｌｃｅｒ（登録商標）のようなパラフィン乳濁液、又はＤｙｎｅａ及びＯｅｓｔから入手できる同様の製品である。殺虫剤、殺カビ剤及び難燃剤のような他の添加剤は、この時点で添加し混合して完成生成物マトリックスの全体にわたって均一な分布を確実にすることが出来る。

貯蔵容器１８から、該ファーニッシュをマット形成器１９に供給し、そこで該ストランドを一直線に揃え堆積させて必要とされる質量のマットを形成する。一致度と質量の組合せにより、製造されるマットの機械的性質が制御される。該ストランドは、実質的に一直線に揃えられた又は一方向性の配列で形成される。典型的には、該ストランドの少なくとも７０％が一直線に揃えられる。いくつかの板製品は、頂部及び（又は）底部層に対して直角にストランドが一直線に揃えられた中央層を必要とすることが出来る。

次に該マットは、重量、水分及び金属検出を行う点検装置２０を通過する。拒否されたいかなる材料も、廃棄物として加熱設備に運ばれるか、或いは特殊処理用に脇に置かれる。

該点検装置を通過するマットは、連続プレス２１の前に予備加熱装置を通過して、典型的にビレットに対しては厚さが約３０〜９０ｍｍで板に対しては厚さが約８〜３０ｍｍで、すべてに対して幅が２．７ｍまで長さが１５ｍまでの、ビレット又は板を形成する。該プレスは該材料を１００℃より上に少なくとも１分間加熱する。該ビレットを冷却し（２２）、縁取りし（２３）、そして（又は）のこぎりで切って（２４）建築木材製品にする。

この種の方法を用いてユーカリノキから形成された製品は、完全な構造的等級で、且つ節、反り、捩れ、及び丸身なしで製造することが出来る。該材料の密度分布はやはり実質的に均一である。それは、板製品の場合、床、コンクリート型枠、敷板材料のような用途に適し、木材の場合、例えば、桁と柱、小口とまぐさ、梁と垂木、壁、間柱と平板、及び造作製品のような構造用木材製品に適するであろう。

該製品は、大部分の他の軟材及び堅木製品に優る多数の利点を提供することが示されている。それは、高い表面安定性及び防湿性を発揮し、水分の存在下で低い膨張割合を示す。更に、ねじ及び釘の保持性能はあらゆる平面において高い。

ブルーガム（イー・グロビュラス）丸太及びカリ（イー・ディバーシカラー）間伐材を用いた試験製品は、以下の特性を有していた。
１． ブルーガムの場合約１４，０００Ｎ／ｍｍ^２でカリの場合約２０，０００Ｎ／ｍｍ^２の弾性率
２． 両方の製品とも標準２４時間水分膨張試験で２％未満の膨張
３． １．２１Ｎ／ｍｍ^２の内部接着強度
４． あらゆる平面におけるねじ及び釘の高い固定性能
５． 均一な密度分布
６． ２．４２Ｎ／ｍｍ^２の表面安定性

これらの特性、特に弾性率は、Ｒａｄｉａｔａ ｇｌｕｌａｍ，Ｄｏｕｇｌａｓ ｆｉｒ ｇｌｕｌａｍ，Ｈｙｓｐａｎ ＬＶＬ及びＭＧＰ１２ Ｐｉｎｅのような代りの製品のものより実質的に良く、それらの弾性率は夫々、例えば、約１２，５００Ｎ／ｍｍ^２、１３，５００Ｎ／ｍｍ^２、１３，５００Ｎ／ｍｍ^２、及び１２，７００Ｎ／ｍｍ^２である。

前述の記載は限られた数の製品態様のみを説明しているに過ぎず、本発明の範囲から離れることなく変更を加えることが出来る。

ストランド木材製品を形成する方法を概略的に示した図である。（実施例１）

符号の説明

１０ 丸太貯蔵場
１１ 樹皮剥ぎ
１２ ストランド処理装置
１３ 乾燥システム
１４ ストランド選別システム
１５ 熱発生装置
１６ 乾燥ストランド保持用貯蔵容器
１７ 樹脂混合装置
１８ ファーニッシュ保持用貯蔵容器
１９ マット形成
２０ 点検装置
２１ 連続プレス
２２ ビレット冷却
２３ 板縁取り
２４ 複数鋸装置

Claims (13)

1. メタンジイソシアネート・ポリマーおよびワックスを含む結合剤で接合された、１種以上のユーカリノキの、実質的に一直線に揃えられたストランドを含む堅木ストランド製品であって、１４，０００Ｎ／ｍｍ ^２ より大きい弾性率を有し、標準２４時間水分膨張試験で２％未満の膨張を有する製品。
2. 該ユーカリノキが以下から選択される１種または２種以上である請求項１に記載された製品：
   ａ）ブルーガム（イー・グロビュラス）；
   ｂ）カリ（イー・ディバーシカラー）；
   ｃ）シドニー・ブルーガム（イー・サリグナ）；
   ｄ）マリ（イー・キャロフィラ）；および
   ｅ）ジャラー（イー・マルギナータ）。
3. 該ストランドが１４５ｍｍと１８０ｍｍの間の平均長さを有する、請求項１に記載された製品。
4. 該ストランドが約１０〜２５ｍｍの平均幅を有する、請求項１に記載された製品。
5. 該ストランドが０．５ｍｍと１．５ｍｍの間の平均厚さを有する、請求項１に記載された製品。
6. 該ストランドの少なくとも７０％が充分一直線に揃えられている、請求項１に記載された製品。
7. ６００ｋｇ／ｍ^３〜８５０ｋｇ／ｍ^３の密度を有する、請求項１に記載された製品。
8. 下記のいずれか一方である請求項１による製品：
   ａ）木材；および
   ｂ）板製品。
9. 製品を形成するためのストランドの水分が５％未満に乾燥されている請求項１に記載された製品。
10. 実質的に一直線に揃えられた樹齢８〜１２年のユーカリノキのストランドを１つまたは２つ以上含む、請求項１に記載された製品。
11. 以下を含む、１４，０００Ｎ／ｍｍ ^２ より大きい弾性率を有し、標準２４時間水分膨張試験で２％未満の膨張を有する堅木ストランド製品の製造方法：
    ａ）ユーカリノキの丸太から複数のストランドを生成せしめること；
    ｂ）メタンジイソシアネート・ポリマーおよびワックスを含む結合剤を前記複数のストランドに添加すること；
    ｃ）前記結合剤および実質的に一直線に揃えられた前記複数のストランドによってマットを生成すること；および
    ｄ）プレスを用いて前記マットから前記堅木ストランド製品を生成すること。
12. 丸太が、樹齢８〜１２年の栽培樹木を伐採したものである請求項１１に記載の方法。
13. 結合剤を加える前にストランドの水分を５％未満に乾燥する工程をさらに含む請求項１１に記載の方法。

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