JPH079404A

JPH079404A - 床材

Info

Publication number: JPH079404A
Application number: JP12966893A
Authority: JP
Inventors: Tatsuo Iwata; 立男岩田; Satoshi Suzuki; 敏鈴木; Hirotoshi Takahashi; 宏寿高橋; Kazuyuki Endo; 和志遠藤
Original assignee: Yamaha Corp
Current assignee: Yamaha Corp
Priority date: 1993-04-28
Filing date: 1993-05-31
Publication date: 1995-01-13
Anticipated expiration: 2013-10-30
Also published as: JP2817572B2

Abstract

(57)【要約】【目的】方向性木材薄片集成板や木質繊維集積板等の
材料を用い、軽量で、なおかつ十分な強度、剛性を有す
る床材を提供することにある。【構成】方向性木材薄片集成板の両面に中密度木質繊
維集積板を積層し、この中密度木質繊維集積板のうちの
一方の表面に、化粧単板を接合して形成され、その密度
が０．４〜０．６５ｇ／ｃｍ³であり、ＪＡＳに基づく
曲げたわみが３．５ｍｍ以下であることを特徴とする床
材。【効果】方向性木材薄片集成板に中密度木質繊維集積
板を積層することにより、平滑な表面が得られ、軽量
で、強さ、剛性が向上した床材が得られる。さらに、従
来廃材とされていた原料を有効利用でき、木材資源を保
護する効果がある。また、原料コストの削減も図ること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は床材に関し、特に、木質
繊維や木材薄片等を原料とする板材から構成され、軽量
であり、なおかつ十分な強度及び剛性を有する床材に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来の床材としては、図３に示すよう
に、合板３１の片面に化粧単板３を接着して形成された
ものが一般的であった。そのような床材の原料となる合
板は、ベニヤ単板等の複数枚を、その木理方向が直行す
るように接着積層した板材であり、床材として使用する
のに十分な強度、剛性を有している。しかし、そのよう
な合板を製造するには、多くの原料木材を必要としてい
た。

【０００３】近年、木材資源の不足や、森林の保護が問
題となってきており、森林伐採は今後益々困難になるこ
とは明かである。従って、原料木材を大量に使用して製
造される合板は、その供給が不安定あるいは供給不足と
なり、それにともなって、そのような合板を使用した従
来の床材は、材料不足あるいは材料コストの高騰によっ
て、その製造が困難になることが予想される。よって、
製造に多量の木材を必要とせず、従来廃材とされていた
木材薄片や、木材片の木質繊維などを有効に利用して得
られる材料の床材への応用が強く望まれている。

【０００４】木材薄片を利用した板材としては、木材薄
片を、ほぼ一定方向に配列させ、バインダーで接着し、
成形一体化した方向性木材薄片集成板が知られている。
このような方向性木材薄片集成板においては、その木材
薄片の配列方向での強度が改善されている。また、木材
を解繊して得られる木質繊維を原料とする板材として
は、その木質繊維をバインダーにより接着して成形一体
化した木質繊維集積板が、既に知られている。これらの
板材を用いれば、従来廃材とされていた木材薄片等を有
効利用できるため、その供給も安定するが、これらの材
料は、各々単独に用いた場合、いずれも床材としては強
度不足であるという問題があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、方向性木材薄片集成板や木質繊維集積板等の
材料を用い、軽量で、なおかつ十分な強度、剛性を有す
る床材を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】かかる課題は、方向性木
材薄片集成板の両面に中密度木質繊維集積板を積層し、
この中密度木質繊維集積板のうちの一方の表面に、化粧
単板を接合して形成され、その密度が０．４〜０．６５
ｇ／ｃｍ³であり、ＪＡＳに基づく曲げたわみが３．５
ｍｍ以下である床材によって解決できる。前述の方向性
とは、木材薄片の木目方向についての方向を指称するも
のであり、木材薄片の形状の長手方向を指称するもので
はない。

【０００７】以下に、本発明の床材を詳細に説明する。
図１は、本発明の床材の断面を示す図であり、図中１は
方向性木材薄片集成板からなる芯材である。その芯材１
の両面には、中密度木質繊維集積板からなる表層材２が
積層されている。さらに、その表層材２のうちの一方の
表面には、化粧単板３が接着されている。

【０００８】本発明の床材の芯材１としては、方向性木
材薄片集成板が用いられる。図２は、このような方向性
木材薄片集成板の一例の構造を示す図であり、薄く、細
長い木材薄片２１が、図における左右方向に、ほぼ揃え
られて配列され、それらが発泡性バインダーで接着さ
れ、成形一体化されている。なお、方向性については長
手方向に平行な一方向性に限られず、直交方向性のタイ
プでもよい。その木材薄片２１は、長さが２０〜１００
ｍｍ、幅が３〜５０ｍｍ、厚さが０．２〜０．８ｍｍの
範囲内であることが好ましい。これらの木材薄片２１と
しては、アカマツ、カラマツ、エゾマツ、トドマツ、ア
スペン、ロッジポールパイン等の薄片が好適に用いられ
るが、樹種は特に限られるものではない。

【０００９】これらの木材薄片２１は、発泡バインダー
により接着され成形一体化されている。ここで用いられ
る発泡性バインダーは、方向性木材薄片集成板中で木材
薄片を相互に結合させるとともに、それ自体が発泡する
ものであって、好ましくは、木材薄片同志の交差点にの
み樹脂分を存在させ、木材薄片の小さな隙間を、発泡セ
ルで押し広げるようにすることにより、樹脂分の使用量
を少なくし、方向性木材薄片集成板を低密度化させるも
のが用いられる。なお、本明細書では、発泡する性質を
有するバインダーを「発泡性バインダー」と呼称し、発
泡済みの発泡性バインダーを「発泡バインダー」と呼称
するものとする。

【００１０】このような発泡性バインダーは、自己発泡
する樹脂から構成されていてもよく、または非発泡性の
樹脂と発泡剤によって構成されていてもよい。自己発泡
する樹脂の例としては、発泡性ポリウレタン樹脂を挙げ
ることができる。発泡剤によって発泡する非発泡性樹脂
の例としては、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、
エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、
ユリア樹脂またはそれらの混合物などを挙げることがで
きる。また、発泡剤としては、揮発性発泡剤、例えばＣ
Ｃｌ₃Ｆ、ＣＣｌ₂Ｆ₂、またはＣＣｌ₂Ｆ−ＣＣｌＦ
₂などや、または熱分解性発泡剤、例えばアゾジカルボ
ンアミド、アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、２，２’
−アゾイソブチロニトリル、ベンゼンスルホヒドラジ
ド、またはＮ，Ｎ’−ジニトロソ−Ｎ，Ｎ’−ジメチル
テレフタルアミドなどを挙げることができる。また、こ
れらの発泡性バインダーは、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、フェノール樹脂等の非発泡性バインダーを含んでい
てもよい。これらの混合比は、目的とする方向性木材薄
片集成板の密度に応じて適宜調整することができる。

【００１１】この方向性木材薄片集成板における、木材
薄片に対する発泡性バインダーの割合は、木質繊維１０
０重量部に対して１０〜３０重量部とするのが好まし
い。さらに、この方向性木材薄片集成板の厚さは、５ｍ
ｍ〜１３ｍｍとするのが好ましく、その密度は、０．４
０〜０．６５ｇ／ｃｍ³とするのが好ましい。密度が
０．４０ｇ／ｃｍ³より小さいと、板の強度が不十分に
なり、逆に密度が０．６５ｇ／ｃｍ³より大きい場合
は、材料全体の重量が増加して取扱い難くなる。この方
向性木材薄片集成板の曲げヤング係数は４０〜８０×１
０²ＭＰａであるのが好ましい。曲げヤング係数が４０
×１０²ＭＰａ未満では、床材としたときのたわみが規
定値よりも大きくなる。８０×１０²ＭＰａを越える
と、歩行時に必要とする適度の弾性が不足する。

【００１２】本発明の床材で使用される表層材２は、木
材を解繊して得られた木質繊維を原料とし、それをバイ
ンダーにより接着して成形一体化した木質繊維集積板で
あって、特に中密度で高剛性のものが好ましい。この中
密度木質繊維集積板を形成する木質繊維としては、木材
チップを常法によって解繊して得られるものであって、
その繊維長が１〜３０ｍｍ程度、好ましくは３ｍｍ以上
の長さの繊維を全体の５０％以上含み、繊維幅が０．１
〜２ｍｍ程度であるものが好ましい。これらの木質繊維
は、予めアセチル化しておくのが好ましい。木質繊維を
アセチル化する場合は、その木質繊維を含水率３％以
下、好ましくは１％以下になるまで乾燥した後、酢酸、
無水酢酸、クロル酢酸等の気化蒸気に接触させて気相中
でアセチル化（アセチル化度１２〜２０％）するのが好
ましい。

【００１３】このような木質繊維は、バインダーにより
接着一体化されている。この表層材に用いられるバイン
ダーとしては、前記したような発泡性バインダーでもよ
いし、非発泡性バインダーあるいはそれらの混合物のい
ずれでもよいが、実用的には、成形用の金型からの離型
性の点で、非発泡性バインダーを主体とするものが好ま
しい。それらの混合比は、目的とする木質繊維集積板の
密度と離型性を考慮して、適宜設定することができる。

【００１４】また、この中密度木質繊維集積板におけ
る、木質繊維に対するバインダーの割合は、木質繊維１
００重量部に対して５重量部以上とすることが好まし
い。木質繊維１００重量部に対しバインダーの添加量を
５重量部以下とすると、得られた中密度木質繊維集積板
の強度が不十分になる。また、この中密度木質繊維集積
板の厚さは、１〜５ｍｍで、好ましくは１〜２ｍｍとす
る。さらに、この中密度木質繊維集積板の密度は、０．
４０〜０．６５ｇ／ｃｍ³とするのが好ましい。密度が
０．４０ｇ／ｃｍ³より小さいと、板の強度が不十分に
なり、逆に密度が０．６５ｇ／ｃｍ³より大きい場合
は、材料全体の重量が増加して取扱い難くなる。この木
質繊維集積板の曲げヤング係数は２０〜４０×１０²Ｍ
Ｐａであるのが好ましい。

【００１５】本発明の床材では、上記方向性木材薄片集
成板の両面に同種の中密度木質繊維集積板を積層するの
が好ましい。また、これら方向性木材薄片集成板と中密
度木質繊維集積板の積層体は、同時熱圧成形するのが好
ましい。本発明の床材に用いられる化粧単板は、特に限
定されず、従来から使用されている厚さ０．２〜０．８
ｍｍ程度の化粧単板が使用でき、特に中密度木質繊維集
積板の表面が平滑、平坦であるので、薄い化粧単板が使
用できる。

【００１６】本発明にあっては、表層材用の木質繊維に
バインダーを塗布したものと、芯材用の木材薄片に発泡
性バインダーを塗布したものを乾式フォーミングし、そ
れを同時熱圧成形するのが好ましい。具体的には、ま
ず、熱圧板上に、一方の表層材２となる木質繊維にバイ
ンダーを塗布したものを散布し、次に、芯材１となる木
材薄片に発泡性バインダーを塗布したものを、その木材
薄片がほぼ同方向に並ぶようにして散布する。さらに、
他方の表層材２となる木質繊維にバインダーを塗布した
ものを散布し、３層積層体とする。この際、表層材用の
木質繊維へのバインダーの塗布工程は、熱圧成形する工
程の直前に、ほぼ該工程に連続して行なう方法が用いら
れるし、その代わりに、熱圧成形する工程とは異なる時
期に、別の設備で塗布工程を行い、それを乾燥させてシ
ート状に形成した、いわゆるプリプレグ状物を、熱圧成
形時に芯材用木材薄片と合体させる方法も好適に用いら
れる。

【００１７】次に、熱圧成形機中でこの積層体に熱圧を
加えて熱圧同時成形する。その熱圧条件は、圧力が１〜
２ＭＰａ、温度が１５０〜２００℃、時間が、目的とす
る厚み（ｍｍ）×５〜１２０秒とすることが好ましい。
次に、このようにして成形した板材の表面に、別に用意
しておいた化粧単板を接着剤で貼付け、本発明の床材を
得る。その際、板材表面を従来から行われている方法に
よって研磨し、その研磨した面に化粧単板を接着するよ
うにしてもよい。このようにして得られる本発明の床材
は、その密度が０．４〜０．６５ｇ／ｃｍ³であり、Ｊ
ＡＳに基づく曲げたわみが３．５ｍｍ以下である。

【００１８】本発明で芯材として使用した方向性木材薄
片集成板は、木材薄片がほぼ同一方向に配列されている
ため、その配列方向の強度が大きくなっている。また、
この方向性木材薄片集成板においては、発泡性バインダ
ーを用いて成形一体化しているので樹脂の使用量が少な
く、得られる床材の密度は低くなり、発泡バインダー自
体は微小気泡を含んでいるので柔軟化され、外力に対す
る緩衝作用があり破壊され難い。本発明の床材では、こ
れらの方向性木材薄片集成板と中密度木質繊維集積板を
積層することにより、軽量であり、なおかつ強度、剛性
が向上し、床材として十分に使用できるようになる。さ
らに、表層材として木質繊維集積板を用いて、それらを
同時成形しているので、芯材の方向性木材薄片集成板表
面の凹凸が消去され、表層材表面は平滑になる。

【００１９】次に本発明の床材を実施例に基づいて具体
的に説明する。（実施例１）芯材の方向性木材薄片集成板の材料とし
て、長さが２０〜１００ｍｍ、幅が３〜５０ｍｍ、厚さ
が０．２〜０．８ｍｍの範囲内にある木材薄片１００重
量部を用意し、発泡性バインダーとして、未濃縮タイプ
のユリア樹脂１０重量部と発泡性ウレタン樹脂１０重量
部の混合物を、その木材薄片とともに混練し、木材薄片
に発泡性バインダーを塗布した。表層材の中密度木質繊
維集積板の原料は、繊維長３ｍｍ以上のものを５０％以
上含む木質繊維（カナディアンフォレストプロダクツ社
製、Ｆ４−１７）を１００重量部意し、発泡性バインダ
ーとしてのウレタン樹脂（住友バイエルウレタン社製の
粗ＭＤＩ）１０重量部と、非発泡性バインダーとして
の、未濃縮タイプのユリア樹脂１０重量部の混合物を、
その木質繊維とともに混練し、木質繊維にバインダーを
塗布した。

【００２０】まず、バインダーを塗布した木質繊維のう
ちの半分を、熱圧板上に均一に散布し、その上に、発泡
性バインダーを塗布した木材薄片を、木材薄片の配列方
向がほぼ一方向になるように均一に散布した。さらにそ
の上に、残りの木質繊維を散布し、厚さ２８０ｍｍの積
層体とした。その積層体を、厚さ１２ｍｍとなるよう
に、温度１５０℃、圧力２ＭＰａで１５分間熱圧同時成
形した。このようにして成形した板材の表面は平滑であ
り、その比重は０．５９ｇ／ｃｍ³、曲げ強さは５５Ｍ
Ｐａ、曲げヤング係数は６０×１０²ＭＰａであった。
次に、その板材の表面に、厚さ０．３ｍｍの化粧単板を
接着した。３層積層板の表面は平滑であるので、化粧単
板は良好に接着され、得られた全厚１２ｍｍの床材の表
面も平滑であった。

【００２１】（試験例１）実施例１で作製した床材の曲
げ強さと曲げたわみを評価した。まず、曲げ強さに関し
ては、ＪＩＳ−Ａ５９０８に基づいて評価したところ、
５０〜６０ＭＰａであった。また、曲げたわみの大きさ
は、試料寸法を３００ｍｍ（幅）×１８００ｍｍ（長
さ）×１２ｍｍ（厚さ）として、スパン７００ｍｍで支
持し、スパンの中央に直交して置いた荷重棒の上に、２
１ｋｇ重の荷重をかけたときの変位（Ａ）と、同様に９
ｋｇ重の荷重をかけたときの変位（Ｂ）との差（Ａ−
Ｂ）によって評価した。この差が小さいほど剛性が強い
ことを表しており、床材のＪＡＳ規格では、この曲げた
わみの値が３．５ｍｍ以下である必要がある。０．３ｍ
ｍの厚さの化粧単板を含み、１２ｍｍの厚さを有する実
施例１の床材について、上記に試験を行ったところ、曲
げたわみの大きさは、２．５ｍｍであり、床材として十
分な剛性を有していた。

【００２２】（試験例２）実施例１の床材と同様の厚み
を有する、合板を用いた従来の床材について、試験例１
と同様の評価を行った。その結果、曲げ強さは４０〜５
０ＭＰａであり、曲げたわみの大きさは２．７ｍｍであ
った。これらの結果から、本発明の床材は、従来合板品
と同等以上の剛性を有し、従来品を凌ぐ剛性を有してい
ることがわかる。

【００２３】（実施例２）芯材の方向性木材薄片集成板
の材料として、長さが２０〜１００ｍｍ、幅が３〜５０
ｍｍ、厚さが０．２〜０．８ｍｍの範囲内にある木材薄
片１００重量部を用意し、発泡性バインダーとして、未
濃縮タイプのユリア樹脂１０重量部と発泡性ウレタン樹
脂１０重量部の混合物を用意し、低速で回転する回転ド
ラム内に木材薄片を入れて、ドラム内で自然落下する際
にスプレーにより散布することにより、木材薄片に発泡
性バインダーを塗布した。表層材の中密度木質繊維集積
板の原料は、繊維長３ｍｍ以上のものを５０％以上含む
木質繊維（カナディアンフォレストプロダクツ社製、Ｆ
４−１７）を１００重量部意し、発泡性バインダーとし
てのウレタン樹脂（住友バイエルウレタン社製の粗ＭＤ
Ｉ）１０重量部と、非発泡性バインダーとしての、未濃
縮タイプのユリア樹脂１０重量部の混合物を用意し、低
速で回転する回転ドラム内に木質繊維を入れて、ドラム
内で自然落下する際にスプレーにより散布することによ
り、木質繊維にバインダーを塗布した。

【００２４】まず、バインダーを塗布した木質繊維のう
ちの半分を、熱圧板上に均一に散布し、その上に、発泡
性バインダーを塗布した木材薄片を、木材薄片の配列方
向がほぼ一方向になるように均一に散布した。さらにそ
の上に、残りの木質繊維を散布し、これらの積層体を、
厚さ２５ｍｍとなるように、温度１５０℃、圧力２ＭＰ
ａで１５分間熱圧同時成形した。このようにして成形し
た板材の表面は平滑であり、その比重は０．５９ｇ／ｃ
ｍ³、曲げ強さは６３．２ＭＰａ、曲げヤング係数は６
１×１０²ＭＰａであった。

【００２５】（比較例１）芯材の発泡性バインダーの代
わりに、非発泡性ユリア樹脂１０重量部を使用し、表層
材の原料として、繊維長３ｍｍ以下のものを９５％以上
含む木質繊維（カナディアンフォレストプロダクツ社
製、Ｆ３−５）を使用した以外は、実施例２と同様にし
て、３層積層した板材を同時熱圧成形した。その板材の
表面は平滑であったが、その比重は０．７０ｇ／ｃｍ³
と大きく、曲げ強さは３３．０ＭＰａ、曲げヤング係数
は３４×１０²ＭＰａであり、ともに実施例２の板材よ
り劣っていた。

【発明の効果】本発明の床材は、芯材として方向性木材
薄片集成板を用い、その両面に中密度木質繊維集積板を
積層したものである。従って、それらを単独で使用した
場合より強度、剛性を大幅に改善することができる。さ
らに、化粧単板を接着して形成された床材によれば、従
来の合板を使用した床材に比較して、同等以上の剛性を
有し、曲げ強さ、曲げたわみ等を改善することができ、
床材として十分に使用できる特性を有している。特に、
バインダーとして発泡性樹脂を用いることにより、板材
を低密度化することができ、軽量、高強度の床材を得る
ことができる。また、表層材の原料として、例えば長さ
３ｍｍ以上の長繊維を５０％以上含む木質繊維を採用す
ることにより、強度をさらに向上させることができる。
また、本発明の床材は、芯材と表層材を同時成形するの
で、各々の層に部分的硬軟や厚薄があっても、互いに相
殺されて、板材全体としては均一平滑となり、その影響
が現出しにくく、化粧単板を貼る下地材としての平滑性
も良好である。さらに、本発明の床材によれば、従来廃
材とされていた原料を有効利用でき、木材資源を保護す
る効果がある。また、そのような原料は低価格であり、
原料コストの削減も図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の床材の構造を示す断面図である。

【図２】本発明の床材の芯材に用いる方向性木材薄片
集成板の構造を示す表面図である。

【図３】従来の床材の構造を示す断面図である。

【符号の説明】

１…芯材、２…表層材、３…化粧単板、３１…合板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者遠藤和志静岡県浜松市中沢町10番１号ヤマハ株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】方向性木材薄片集成板の両面に中密度木
質繊維集積板を積層し、この中密度木質繊維集積板のう
ちの一方の表面に、化粧単板を接合して形成され、その
密度が０．４〜０．６５ｇ／ｃｍ³であり、ＪＡＳに基
づく曲げたわみが３．５ｍｍ以下であることを特徴とす
る床材。
【請求項２】前記方向性木材薄片集成板と中密度木質
繊維集積板が、同時成形されたことを特徴とする請求項
１記載の床材。
【請求項３】前記方向性木材薄片集成板が、木材薄片
が発泡バインダーで接着され成形一体化されたものであ
って、その密度が０．４〜０．６５ｇ／ｃｍ³であり、
曲げヤング係数が４０〜８０×１０²ＭＰａであること
を特徴とする請求項１記載の床材。
【請求項４】前記木材薄片が、長さ２０〜１００ｍ
ｍ、幅３〜５０ｍｍ、厚さ０．２〜０．８ｍｍのもので
あることを特徴とする請求項３記載の床材。
【請求項５】前記中密度木質繊維集積板が、木質繊維
がバインダーで接着され成形一体化されたものであっ
て、その密度が０．４〜０．６５ｇ／ｃｍ³であり、曲
げヤング係数が２０〜４０×１０²ＭＰａであることを
特徴とする請求項１記載の床材。
【請求項６】前記木質繊維が、長さ１〜３０ｍｍ、幅
０．１〜２ｍｍであることを特徴とする請求項５記載の
床材。
【請求項７】前記木質繊維が、アセチル化されたもの
であることを特徴とする請求項５記載の床材。