JP2763188B2 - 厚単板化粧板材の製造方法 - Google Patents

厚単板化粧板材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、例えば床材、壁材、家具用材等に使用さ
れる厚単板化粧板材、即ち厚さが0.5mm以上の厚物の木
質単板を化粧材として、これを合板等よりなる基板面上
に貼着した厚物化粧単板による化粧板材の製造方法に関
する。
従来の技術と技術課題 従来、とくに床材等に使用される化粧板材として、合
板等の基板上に、厚さ0.20〜0.35mm程度の寄木模様(市
松模様、乱尺模様等)の薄い木質単板を貼着したものが
多く用いられている。かゝる化粧板材の製造は、特公昭
52−6329号公報に示されるように、湿潤な複数個の板材
や木片を湿気硬化型の例えばポリウレタン系接着剤を用
いて寄せ合せ状に積層接着し、得られた集合フリッチを
その積層断面が得られる方向に薄く切削して寄木模様を
有する化粧用薄単板に製作し、次いでこれを湿潤状態の
まゝ基板に貼着することによって行われている。
一方、近時、建材類の更なる高級化志向に伴い、より
一層優れた木質感を有し、土足床用としても耐久性に一
段と優れた化粧板材として、表面の化粧材に厚さ0.5mm
以上、とくに0.6〜3.0mm程度の厚物の木質単板を用いた
板材であって、好ましくは更に寄木模様を有する化粧板
材の提供が強く求められている。
ところがこのような化粧材に厚単板を用いた化粧板材
は、薄単板を用いる前記のような製造方法によっては工
業生産することが困難である。即ち、厚単板を湿潤状態
のまゝに基板上に熱圧接着すると、その保有水分量が多
いために、熱圧接着後の解圧時において、接着層部分に
水蒸気が飽和し、部分的に浮きとかパンクと呼ばれるよ
うな接着不良を生じる。
このため、湿潤材フリッチから切り出された通常の1
枚物の厚単板を貼着する場合でさえ、該厚単板は事前に
十分乾燥し、含水率を約4〜10%にしてから基板に貼着
するものとしなければならなかった。従って、乾燥工程
に多くの時間とエネルギー、更には大がかりな乾燥設備
をも必要とするのみならず、乾燥時に厚単板に割れや反
り等を生じるおそれが大で、必ずしも良好な化粧板材を
得ることができなかった。
まして、前記従来法に準じて湿潤材を所望の寄木模様
になるように積層接着し、鋸断またはスライス切削して
製作した寄木模様の厚単板を化粧材として用いるような
場合、これを乾燥すると、材の収縮変形によって著しい
反り、狂い、アバレ、割れ、接着ハズレ等を生じ、到底
所期する製品を得ることができない。
このため、従来、厚単板による寄木模様の化粧単板の
製造は、次のような方法で行われていた。
先ず、十分に乾燥した木材からの挽板を用いて、これ
を寄木模様の1単位となる所定形状にカットし、あるい
はまた湿潤材からのロータリー単板やハーフラウンド単
板を十分に乾燥したのち、上記所定形状にカットして乾
燥状態の厚さ3.0mm程度の多数個の小さな木材ピースを
つくる。そして、直貼り法によるときは、この木材ピー
スを直接基板上で所定の模様を形成するように配列して
貼着する方法である。またパーケット法によるときは、
木材ピースを予め所定の模様になるように配列して貼着
テープで止めたり、クラフト紙や不織布等の台紙に貼着
し、あるいは網状のホットメルト接着糸で繋合して、所
定面積の寄木模様の仕組みシートをつくり、次いでこれ
を基板に貼着したのち、テープや台紙をサンディング等
の方法で除去することによって製造していた。
しかしながら、従来の上記いずれの方法によるとき
も、乾燥状態の木材ピースをつくるための乾燥工程はも
とより、該木片ピースを個々に所定模様を構成するよう
に配列する仕組みの作業において多大の時間と労力を要
し、生産能率が悪いものであった。また、上記パーケッ
ト法において、寄木模様の仕組みシートは、木片ピース
の木口面が相互に接着されていないため、もともと含水
率の低い(通常4%以下)ものであることも相俟って、
基板への貼着工程中、大気中の水分及び接着剤中の水分
を吸収して木材ピースが変形する。このため、第5図に
やゝ誇張して示すように、台紙(10)上に貼着した木材
ピース(11)の個々の吸湿変形により、寄木模様の仕組
みシート(12)に不規則な反りを生じ、あるいはまた第
6図に示すように、ホットメルト糸(13)や粘着テープ
で木材ピース(11)を繋合した仕組シート(14)にあっ
ては、木材ピース(11)のハズレをも生じ易く、いずれ
にあっても基板への正確な貼着と模様精度の保持が困難
であった。加えて、上記のような厚物の乾燥木材ピース
を基板に貼着した板材は、施工後長期間にわたる温湿度
の変化による木材ピースの吸放湿の繰返しにより、表面
に微細な割れを生じ、更には相互に接着されていない隣
接の木材ピース間にスキを生じる等の欠点もある。
この発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑み、
化粧材として厚さ0.5mm以上の厚物の木質単板を用いる
場合の化粧板材の製造に関し、製造工程の簡素化をはか
り、もって生産能率の向上をはかりうるものとなすこ
と、特に寄木模様を有する化粧板材にあっても模様精度
の優れたものを高能率に生産しうるものとなすこと、そ
して又、製品において、厚単板の接着欠陥を有さず、か
つ経時的に表面にヒワレとかスキ等を生じることが少な
く、長期に亘って外観体裁を良好に保持しうる一段と耐
久性に優れたものとなすこと、を主たる技術課題とす
る。
課題を解決するための手段 この発明は、上記のような技術課題のもと、第1には
化粧材として用いる厚単板を湿潤なまゝ、これに軟質合
成樹脂の含浸による寸法安定化処理を施して使用するこ
と、そして第2には、この安定化処理した厚単板を基材
に熱圧接着するに際し、該接着工程中に一時加圧力を減
少しあるいは解除する脱気処理を介在させるものとする
ことの2事項を主たる解決手段の要素とする。
而して、この発明の基本とするところは、化粧材とし
て厚さ0.5mm以上の湿潤な厚単板を用い、該厚単板に軟
質合成樹脂を主成分とする処理剤を含浸せしめる安定化
処理を施したのち、該厚単板を基板に接着剤を介して熱
圧接着するものとし、しかも該熱圧接着工程を、その工
程中に少なくとも1回以上の減圧ないし解圧下に所定時
間保持する脱気処理を介在させて行うことを特徴とする
厚単板化粧板材の製造方法を要旨とする。
また、上記方法により寄木模様を有する厚単板化粧板
材を製造する場合においては、上記の化粧用厚単板とし
て、湿潤な木片を寄せ合せ状に積層接着して集合フリッ
チを形成し、この集合フリッチをその積層断面が得られ
る方向に切削して製作された寄木模様の厚単板を用いる
ものとする。
さらに、上記いずれの場合にあっても、熱圧接着工程
中に行う脱気処理は、その好適処理条件として、加圧力
を3.0kg/cm2以下の減圧ないし解圧下に、5秒以上保持
することによって行うものとすることが望ましい。
解決手段の詳細な説明 化粧材として用いる木質厚単板は、厚さが0.5mm以上
のものであり、一般的には0.6〜3.0mmのものが用いられ
る。こゝに厚さを0.5mm以上に限定するのは、それ未満
の薄い単板を用いるときは、前記した従来の製法、即ち
湿潤な単板をそのまゝ基板に支障なく貼着することが可
能であり、この発明の方法を採用することに格別の実益
がないからである。また、厚単板の含水率は特に制限さ
れるものではないが、通常該厚単板には湿潤なものが用
いられる。要は格別の乾燥処理を施すことなく、通常の
湿潤な木材フリッチから鋸断、スライス切削等で得られ
る単板をそのまゝ用いることができるものである。この
ような単板は、20%以上の含水率を有するのが普通であ
り、乾燥に伴う有害な反り、歪をほとんど有しない。特
に、化粧用厚単板として、後述のような寄木模様厚単板
を用いる場合、その含水率の好適範囲は、樹種によって
も異るが、一般的には20〜35%程度である。20%未満で
は、単板が収縮によって変形しているおそれがあり、後
に後述の寸法安定化処理を施しても、もとの正しい寸法
に復元しにくいものとなる。もっとも、後掲のような1
枚物の通常の単板を用いる場合、その出発材料としての
含水率は各別問題にならない。乾燥による割れ等の欠陥
を有しないものであれば、含水率は20%未満のものでも
良く、更には15%以下の乾燥材であっても使用可能であ
る。
化粧用厚単板は、単一材からなる湿潤材フリッチか
ら、ロータリー切削、スライス切削、鋸断等によって得
られる1枚物の通常の単板を用いても良いが、この発明
による利点は、寄木模様厚単板を用いる場合に最も有益
に享受することができる。かゝる寄木模様単板は、前記
の特公昭52−6329号公報に記載の方法に準じて製作しう
るものである。即ち、第1図に示すように、湿潤な複数
枚の板材(1)を相互間に該湿潤な木材の接着を可能と
する接着剤、例えば湿気硬化型のポリウレタン系接着剤
を介して寄せ集め状に積層接着して集合フリッチ(2)
を形成し、次いでこの集合フリッチを、その積層断面が
得られる方向にスライス、あるいは鋸断して厚さ0.5mm
以上の乱尺模様を有する厚単板(3)に製作する。ある
いはまた、第2図に示すように、上記集合フリッチ
(2)を長さ方向に所定寸法に切断して小ブロック
(4)をつくり、この小ブロックの複数個を市松模様を
構成するように組合わせ積層接着して2次集合フリッチ
(2′)を形成し、これを前記同様積層断面が得られる
方向にスライスあるいは鋸断して所定厚みの市松模様を
有する厚単板(5)に製作する。その他上記以外の更に
複雑な寄木模様を有する厚単板に製作することも勿論自
由であり、いずれも上記方法に準じて容易に行うことが
できる。
次に、上記の湿潤な化粧用厚単板(3)(5)は、こ
れに予め寸法安定化処理を施す。この寸法安定化処理
は、軟質合成樹脂を主成分とする水溶液を処理剤とし
て、これを厚単板に含浸せしめるものである。これに用
いる軟質合成樹脂としては、具体的には例えばポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニ
ルアルコール、ポリオキシエチレン誘導体(例えばポリ
オキシアルキレン、アルキルエーテル、アルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル
等)、炭酸エステル類(例えば、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、それらの重合物、炭酸ジ
フェニル等)等であり、これらが単独または2種以上を
混合して用いられる。尚、ポリエチレングリコールの場
合、平均分子量1,000〜10,000、好適には2,000〜8,000
のものが好適に用いられる。そして、処理剤はこれらの
樹脂成分濃度を15〜60%、好適には20〜50%程度に調整
した水溶液が用いられる。また、処理剤は、上記のよう
なポリオール類と架橋反応する熱反応型水溶性ウレタン
樹脂を併用しても良い。例えば、ポリオール類100重量
部に対し、熱反応型水溶性ウレタン樹脂を10〜40重量部
の割合で併用するものとしても良い。更には、処理剤に
染料(例えば酸性染料等)と染色助剤(例えばポリオキ
シエチレン誘導体)を加え、安定化処理時に同時に厚単
板を染色するものとしてもよい。更にまた、処理剤は鉄
汚染防止のためのキレート剤、浸透性向上のための界面
活性剤等を添加するものとしても良い。
厚単板への上記寸法安定化処理剤の含浸操作は、塗
布、常温浴または温浴での浸漬、加圧注入、減圧注入、
減圧加圧注入等の公知の任意の手段を1種または2種以
上の組合わせにおいて用いることができる。好適な含浸
処理例を挙げれば、例えば厚単板を収容した圧力容器内
を300〜730torrの減圧下に30〜120分間保持したのち、
液温25〜40℃程度の処理液を圧力容器内に投入して減圧
注入を行い、次いで常圧または3〜7kg/cm2の加圧下に
3〜12分間程度保持するものとする操作を挙げることが
できる。
いずれの含浸処理による場合にあっても、安定化処理
による樹脂成分の含浸量は、厚単板の重量(含水率4%
以下の乾燥材としての重量)に対し、固形分換算で10%
以上であることが必要であり、好ましくは15〜50%であ
ることが望ましい。これが10%未満では、厚単板に所期
する十分な寸法安定化効果を付与することができない。
上記により寸法安定化処理した厚単板は、その後にお
いて乾燥せられても、あるいは温湿度の変化により吸放
湿を繰返しても、単板自体において寸法変化を生じるこ
とが少ない。即ち、収縮、膨脹が少なくなり、結果的に
反りや割れを生じるのが軽減される。
そこで、次に上記厚単板(3)(5)を基板(6)に
貼着するが、その予備的工程として、要すれば厚単板
(3)(5)に付着している余分な水分を取除き更には
含水率を調整するための水切り処理を行うものとする。
この水切り処理は、最も簡易な方法としては水切り傾斜
台上に厚単板を立てゝ置き、所定時間放置することによ
って行うことができる。この場合、放置の途中で厚単板
の傾斜の向きを変えるものとすれば、厚単板中の全体の
含水率の均一化をはかりうる点で好ましい。その他、水
切り処理は、厚単板を1枚ずつ、挾搾ロールあるいはヒ
ートロール間に通す方法、送風乾燥機に通す方法、高周
波乾燥機を用いる方法、高周波減圧乾燥機による方法
等、任意の手段を1ないし複数の組合わせにおいて採用
することができる。
基板(6)は、最も一般的には合板が採用されるが、
これに限定されるものではなく、例えば中質繊維板、硬
質繊維板、パーティクルボード、単板積層材、ウエハー
ボード、オリエンテッドストランドボード(OSB)等の
木質板、鋼板、アルミニウム板等の金属板のほか、更に
は塩化ビニル板等の合成樹脂板ないしシート、スレート
等の無機質板等を用いることもできる。その厚さは、化
粧板材の用途との関係において、一般的には5.0〜15mm
程度の範囲内で任意に選定される。
化粧用厚単板(3)(5)の基板(6)への貼着は、
基板(6)面上に接着剤(7)を塗布し、厚単板(3)
(5)を正しく位置決めして貼付けたのち、加熱加圧に
よる熱圧操作で接着することによって行うものである。
こゝに用いる接着剤は特に限定されるものではなく、
尿素系、尿素メラミン共縮合型、フェノール系、レゾル
シノール系、酢酸ビニル系、ポリウレタン系、水性高分
子イソシアネート系、合成ゴム系、天然ゴム系、変性ゴ
ムラテックス系、酸硬化型変性酢酸ビニル系、エポキシ
系、エポキシフェノール系等、公知任意の接着剤を選択
使用しうる。
そして、接着のための前記熱圧操作ば、基本的には第
4図(イ)に示すように、上下に対向する熱盤(8)
(9)間に上記基板(6)と厚単板(5)との貼合わせ
物を挾み、熱盤(8)(9)から80〜160℃、好適には9
0〜130℃の熱をかけ、かつ3〜15kg/cm2、好適には4〜
10kg/cm2に加圧し、この熱圧下に所定時間保持すること
によって行うものであるが、この発明においては、上記
熱圧接着工程中に、少なくとも1回以上の脱気処理を介
在させることを必須の要件とする。
この脱気処理は、第4図(ロ)に一例を示すように、
熱盤(9)を厚単板(5)面上から離すことによって加
圧力を解除する解圧下、または熱盤(9)による加圧力
を3.0kg/cm2以下、とくに好ましくは2.0kg/cm2以下に減
少せしめる減圧下に、5秒以上、特に好ましくは7秒以
上で2分以下の時間そのまゝ保持する操作である。而し
て、この処理操作は、湿潤な厚単板(5)をそのまゝ用
いていることゝの関係において、それに含まれる水分を
急速に蒸発させるために行われるものであり、該処理操
作を行うことによって、前記の従来技術において説明し
たような浮き、パンク等の接着不良の発生を防止しうる
ものである。従って、この脱気処理中に送風して水分の
蒸発を助けるようにしても良い。また、この脱気処理操
作の回数、及び保持時間等の処理条件は、厚単板(5)
の厚さ、含水率により適宜に設定されるが、一般的には
該脱気処理操作は、熱圧工程中に1回ないし3回行うこ
とで、十分に所期の目的を達成することができる。脱気
処理の加圧力が3.0kg/cm2以上で、かつ保持時間が5秒
以下であると、厚単板からの水分の蒸発による除去が不
十分なものとなり、接着不良の原因となり易い。
上記のことから明らかなように、各脱気処理工程の前
に行われる第1次から第n次の熱圧工程は、本来的な接
着のためのものではなく、湿潤な厚単板(5)の材温を
上昇させ、次に行わせる脱気処理時に厚単板内の水分を
急速に蒸発させるために行われるものである。そして、
1回ないし複数回の脱気処理後に行われる最終の熱圧処
理工程こそが、本来の接着のためのものである。従っ
て、初期熱圧工程は必ずしも高い加圧力を付与する必要
はなく、前記した熱圧加圧力より低いものであっても構
わない。
そこで、この発明による熱圧接着工程中における加
圧、脱気処理条件の一般的な好適範囲を示せば次のとお
りである。もとより、この条件は一般的な一例であり、
厚単板の厚さ、含水率等によって下記範囲から逸脱する
条件に設定されることもある。
〔1回脱気による場合〕 〔2回脱気による場合〕 1次加圧 1〜8kg/cm2×10〜60秒 1次脱気 0〜2kg/cm2×20〜60秒 2次加圧 1〜8kg/cm2×10〜40秒 2次脱気 0〜2kg/cm2×20〜60秒 最終加圧 3〜8kg/cm2×1〜6分 上記によって基板(6)上に厚単板(5)を貼着一体
化した化粧板材は、用途に応じて、適宜表面塗装、周縁
の接合部形成加工等所要の加工を施して製品となされ
る。
実施例 (実施例1〜3) ナラ材による厚さ1.0mm、含水率35%の第1図に示さ
れるような寄木模様厚単板を化粧材として用い、これを
圧力容器内にて700torrの減圧下に30分間保持したの
ち、平均分子量4,000のポリエチレングリコール水溶液
(濃度35%、液温30℃)を投入し、次いで常圧にもどし
たのち、5kg/cm2に加圧して5時間保持する寸法安定化
処理を行った。
次いで、この処理後の厚単板を水切り用の傾斜台(角
度35゜)上に立てゝ40時間保持する水切り処理を行い、
厚単板の含水率を約30%とした。
一方、基板として厚さ12mmの合板を採用し、その表面
に変性ゴムラテックスと多官能性エポキシ系との混合接
着剤を140g/m2の割合に塗布したのち、その上に上記水
切り後の厚単板を重ね合わせ状に載置し貼合わせた。
次いで、この貼合わせ物を、プレス機の上下熱盤間に
セットし、温度を110℃の一定に設定した状態のもと
に、第1表を示すNo.1〜3(実施例1〜3)の加圧条件
で熱圧接着を行い、寄木模様化粧板材を得た。
この実施例1〜3の化粧板材は、いずれも厚単板と基
板とが全面に亘って良好に接着され、浮き、パンク等の
接着欠陥を有しないものであった。かつ表面の化粧用の
厚単板層において、その表面は平坦であり、寄木模様の
構成単位片に反り、割れ等の欠陥を有さず、かつ上記単
位片相互間のスキも有しない品位の優れたものであっ
た。
(実施例4〜6) 化粧材として、ナラ材からなる厚さ2.5mm、含水率23
%の第1図に示されるような寄木模様厚単板を用いた。
そして、これを前記実施例1と同様の安定化処理剤を用
い、400torrで120分間の減圧し、処理液を投入して常温
にもどし、180分間静置して含浸処理(安定化処理)を
行った。
次いで、実施例1と同様にして水切りを行い(但し、
水切り後の厚単板の含水率40%)、基板上に接着剤を介
して重ね合わせたのち、第2表のNo.4〜6(実施例4〜
6)の処理条件によって熱圧接着処理を行った。
これによって得られた厚単板化粧板材も、実施例1に
よるものと同様に接着不良、反り、スキ等の欠陥のない
品質特性の優れたものであった。
(比較例1) 実施例1と同じ厚さ1.0mmの寄木模様厚単板を化粧材
として用い、これを寸法安定化処理を施すことなく、含
水率35%の湿潤材のまゝ、1回だけの熱圧操作(7kg/cm
2×3分30秒−脱気なし)により基板に熱圧接着した。
基板および接着剤は実施例1と同様とした。
これによって得られた化粧板材は、表面の化粧厚単板
に接着不良による部分的な浮きを有し、かつ表面に多数
の微細な割れを有しており、実用に供し得ないものであ
った。
(比較例2) 実施例4と同じ厚さ2.5mmの寄木模様厚単板を化粧材
として用い、これに同実施例4と同条件による寸法安定
化処理を行った。
しかるのち、該化粧厚単板を、基板上に、1回だけの
熱圧操作(7kg/cm2×6分間−脱気なし)により熱圧接
着した。その他は、実施例4と同一条件によるものとし
た。
その結果、得られた化粧板材は、前記比較例1の場合
と同じく、接着不良による部分的な浮きを発生している
ものであった。たゞ、化粧厚単板の表面の割れはほとん
ど認められないものであった。
(比較例3) 実施例1と同様の厚さ1.0mmの厚単板を化粧材とし、
これを寸法安定化処理を施すことなく、実施例1と同じ
1回の脱気処理を含む熱圧接着処理工程(加圧7kg/cm2
×20秒→脱気0kg/cm2×30秒→加圧7kg/cm2×2分)で基
板に貼着した。
これによって得られた化粧板材は、厚単板の接着状態
において浮きとかパンクを有しないものであったが、厚
単板の表面に多数の細かい割れを有するものであった。
〔対 比〕
上記実施例1〜6及び比較例2で得られた各厚単板化
粧板材につき、その耐久性を調べるために寒熱繰返しB
試験を行った。この試験は、上記板材から1辺が150mm
の正方形状の試験片を各6枚ずつ作成し、これを80℃の
恒温器中に2時間放置後、−20℃の恒温器通中に2時間
放置する操作を2回繰返し、その後室温に達するまで放
置したのち、試験片表面の割れの個数を調べることによ
り行った。
その結果を、第3表に熱圧後の表面欠陥の発生の有無
と併せて示した。
発明の効果 この発明によれば、上述のように、厚さ0.5mm以上の
木質の厚単板を表面化粧材として用いる板材の製造にお
いて、上記厚単板を湿潤材の状態のまゝ、これを基板に
支障なく接着して製品化することができる。この効果
は、厚単板に予め所定の寸法安定化処理を施すことによ
って、後の熱圧接着工程中に表面の割れ、反り、アバレ
等を生じさせないものとしていること、及び熱圧接着工
程において、その途中に脱気処理をはさみ、所謂息抜き
をさせることによって、湿潤厚単板を用いるに拘らず、
浮きとかパンク等の接着不良を生じさせないものとして
いることにより達成されるものである。
従って、この発明によれば、化粧用厚単板を事前に乾
燥状態にまで乾燥する必要を排除でき、しかもその乾燥
に伴って生じる材の反りやアバレによる基材への接着の
困難性をも排除でき、厚単板化粧板材の生産能率を向上
することができる。
とりわけ、請求項(2)のように、化粧材に寄木模様
厚単板を用いる場合においては、該厚単板を乾燥させな
いことによって、基板への貼着工程中においても反り、
アバレ、ハズレ等を生じることがなく、複雑な寄木模様
のものにあっても当該模様形状を正確に保持しつゝ基板
に貼着することができると共に、木材ピースの面倒な仕
組み工程も排除して、模様精度に優れた寄木模様の厚単
板化粧板材を愈々高能率に生産することができる。
しかも、通常の一枚物の厚単板を用いる場合はもとよ
り、上記のような寄木模様厚単板を化粧材に用いる場合
にあっても、上記厚単板が寸法安定化処理されたもので
あることにより、経時的な温湿度の変化によっても著し
い膨脹・収縮を繰返すことがなく、その結果表面にヒワ
レを生じにくゝなり、化粧材層の浮き、反り等を生じる
こともない。かつ寄木模様厚単板によるものにあって
は、その模様構成単位片相互が木口面で接着されている
ことも相俟って、上記単位片相互間に経時的にスキを生
じることも防止でき、耐久性に一段と優れた化粧板材を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図はこの発明の実施例を示すもので、
第1図及び第2図はいずれも寄木模様厚単板の製作工程
を示す斜視図、第3図は厚単板を基板に貼着する状態を
示す斜視図、第4図(イ)(ロ)は熱圧接着工程中にお
ける加圧工程及び脱気工程の断面図である。 第5図及び第6図は従来の製造工程における木材ピース
の仕組工程後における仕組シートの変形状態を誇張して
示した斜視図である。 (3)(5)……厚単板、(6)……基板、(7)……
接着剤。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B27D 5/00 B27M 3/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化粧材として厚さ0.5mm以上の厚単板を用
    い、該厚単板に軟質合成樹脂を主成分とする処理剤を含
    浸せしめる安定化処理を施したのち、該厚単板を基板に
    接着剤を介して熱圧接着するものとし、しかも該熱圧接
    着工程を、その工程中に少なくとも1回以上の減圧ない
    し解圧下に所定時間保持する脱気処理を介在させて行う
    ことを特徴とする厚単板化粧板材の製造方法。
  2. 【請求項2】化粧用厚単板として、湿潤な木片を寄せ合
    せ状に積層接着して集合フリッチを形成し、この集合フ
    リッチをその積層断面が得られる方向に切削して製作さ
    れた寄木模様の厚単板を用いる請求項(1)記載の厚単
    板化粧板材の製造方法。
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