JP3090067B2 - 木質パネル及びその製造方法 - Google Patents
木質パネル及びその製造方法Info
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Description
板などに好適に用いられる木質パネル及びその製造方法
に関し、木質繊維またはアセチル化した木質繊維あるい
はこれら両方の木質繊維を粉砕して得られた木質粉末の
大きさを選別し、ついで大きさが揃えられた木質粉末に
バインダーを塗布し、成形一体化することによって、釘
打ち性が良好で、かつ釘保持力を向上させることがで
き、しかも湿度変化に起因する反りやねじれを低減でき
るようにしたものである。
いられており、その用途の一つにパチンコ台のゲージ板
がある。この種の用途に用いられる木質パネルとしては
合板があり、この合板は、複数枚のブナ単板を各単板の
繊維方向が1枚ごと直交するように積み重ね、接着した
ものや、あるいは表層のみブナ単板を使用し、芯層は他
の樹種の単板を使用したものである。ところが前記合板
は、単板に矧ぎ線があったり、節、割れなどがあると、
釘を真っ直に打つのが困難で、釘保持力が小さく、ま
た、この合板は湿度変化により反りやねじれが発生し易
く、寸法安定性が不良でパチンコ台のゲージ板として用
いるには都合の悪い点もあった。さらに、近年、木材資
源の不足や、森林の保護が問題となってきており、森林
伐採は今後益々困難になることは明らかで、原料木材を
大量に使用して製造される合板は、その供給が不安定あ
るいは供給不足となり、価格も高騰することが予想され
る。そこで、従来廃材とされていた木材薄片や、木材片
の木質繊維を有効に利用して得られる木質パネルの使用
が検討されている。
る木質繊維集積板(ファイバーボード)や、木材小片か
らなる木材小片集成板(パーティクルボード)、木材薄
片(ストランド)からなる木材薄片集成板(OSB)な
どが知られている。しかしながら前記木質繊維集積板に
あっては、フォーミング工程後の熱圧成形によって表層
を密にして岩盤層を形成し、一方、芯層を粗に形成する
ため、パチンコ台のゲージ板として用いるには表層が非
常に硬いため釘が打てないという欠点があった。また、
釘が打てるようになるまで密度を下げて低密度にする
と、必要とされる釘保持力が得られなかった。また、前
記木材小片集成板や木材薄片集成板にあっては、木材薄
片などのエレメント(構成要素)が大きく、エレメント
によって硬さもまちまちであり、またエレメント同士の
隙間が大きくこの隙間に異物が入り易いため、均質なパ
ネルが得られず、釘を真っ直打とうとしても1本1本異
る方向を向いてしまい、釘打ち性が不良であった。
鑑みてなされたもので、釘打ち性が良好で、かつ釘保持
力を向上させることができ、しかも湿度変化に起因する
反りやねじれを低減できる木質パネル及びその製造方法
を提供することにある。
チル化した木質繊維および/または該アセチル化した木
質繊維を粉砕して得られた木質粉末の大きさが選別さ
れ、この大きさが揃えられた木質繊維および/または木
質粉末にイソシアネート化合物及びポリエーテルポリオ
ールからなるバインダーが塗布され、成形一体化されて
なることを特徴とする木質パネルを前記課題の解決手段
とした。また、請求項2の発明は、前記大きさが揃えら
れた木質繊維および/または木質粉末は目開き150μ
m〜500μmの篩を通過したものであることを特徴と
する請求項1記載の木質パネルを前記課題の解決手段と
した。また、請求項3の発明は、前記アセチル化した木
質繊維および/または該アセチル化した木質繊維を粉砕
して得られた木質粉末100重量部に対して、イソシア
ネート化合物の塗布量が固形分で4〜18重量部であ
り、ポリエーテルポリオールの塗布量が3〜12重量部
であることを特徴とする請求項1又は2記載の木質パネ
ルを前記課題の解決手段とした。また、請求項5の発明
は、アセチル化した木質繊維および/または該アセチル
化した木質繊維を粉砕して得られた木質粉末の大きさを
選別し、ついで大きさが揃えられた木質繊維および/ま
たは木質粉末にイソシアネート化合物を塗布すると同時
にまたは塗布後、ポリエーテルポリオールを塗布し、熱
圧成形する工程を備えることを特徴とする木質パネルの
製造方法を前記課題の解決手段とした。
するため、本発明の木質パネル及びその製造方法の実施
形態について説明する。かかる実施形態は、本発明の一
態様を示すものであり、この発明を限定するものではな
く、本発明の範囲で任意に変更可能である。図1は、本
発明の木質パネルの実施形態の例を示す断面図であり、
図中符号1は、木質パネルである。このような木質パネ
ル1は、例えば以下のようにして製造することができ
る。まず、木質繊維を用意する。ここで用いられる木質
繊維としては、木材をチッパーでチップ化し、得られた
チップを解繊したものが用いられる。解繊には、150
℃程度の高圧蒸気により蒸射したのちディスクリファイ
ナーなどによって、解繊する方法などが用いられる。こ
の木質繊維の大きさは、太さが0.1〜1.0mm程
度、長さが0.2〜50mm程度である。また、木質繊
維としては、太さが細いものがアセチル化反応がよく進
行して好ましい。
を気相中または液相中でアセチル化するが、アセチル化
は気相状態で行うのがコストの点から好ましい。アセチ
ル化に先立ち、木質繊維を乾燥し、含水率を3%以下、
好ましくは1%以下としておくことが好ましい。含水率
が高すぎると、アセチル化剤蒸気の無水酢酸が該水分と
先に反応して無水酢酸を消費してしまい、アセチル化剤
の使用量が増えるか、あるいは、無水酢酸の供給が不足
してアセチル化の程度が低下しやすい。
ては、例えば反応容器の底部にアセチル化剤の供給源と
して無水酢酸とキシレンとの混合物を満し、この上方に
ステンレスワイヤなどで作ったネットを張り、このネッ
ト上に木質繊維を載せ、無水酢酸とキシレンを加熱して
無水酢酸とキシレンの蒸気を発生させて、無水酢酸とキ
シレンの蒸気と木質繊維とを接触させる方法などがあ
る。反応時間は15分〜3時間程度とされるが、要求さ
れるアセチル化度によって適宜変更できる。また、反応
温度は、120〜160℃程度とされ、反応圧力は常圧
から2気圧程度で十分である。
をこれと反応しない不活性な溶媒であるキシレンで希釈
するときのキシレン使用量は、無水酢酸との合計量の7
0重量%以下とされる。このような無水酢酸とキシレン
との混合物を用いることで、無水酢酸とキシレンとを混
合して気化させるときに、無水酢酸の沸点(B.P.1
39.5℃)と近似する沸点を有するキシレン(B.
P.138〜144℃)が反応温度の安定に役立ち、す
なわち、アセチル化剤の温度を一定の温度範囲に維持す
ることによって、アセチル反応時の反応温度を一定の温
度範囲約120〜160℃程度、特に約140℃程度に
維持し易くなるので、発熱反応であるアセチル反応を温
和な状態で進めることができ、反応操作が容易となり、
木質繊維の過度のアセチル化や熱劣化を抑えることがで
きる。
チル化に先立って、木質繊維を触媒で前処理することも
できる。この前処理は、解繊されて得られた木質繊維を
酢酸ナトリウム,酢酸カリウムなどの酢酸塩の1〜10
%水溶液中に、10分〜2時間程度浸漬する方法や上記
水溶液を木質繊維に減圧加圧注入する方法などによって
行うことができる。この前処理が施された木質繊維は、
乾燥後上述のアセチル化反応を受けることになる。この
触媒による前処理を施すことにより、次工程でのアセチ
ル化反応が促進され、短時間で反応を終えることがで
き、アセチル化度も高いものが得られる。ただし、アセ
チル化反応は発熱反応であるため、この発熱が蓄積され
ると、木質繊維が高温になりすぎて炭化してしまうこと
があるので、その反応をマイルドにしで、急激な発熱を
避けるためには、触媒を使用しないことが効果的であ
る。また、触媒の使用は、アセチル化時間の短縮や、ア
セチル化程度の向上のためには好適であるが、触媒を使
用すると、処理後に木質繊維中に、触媒成分が残留しや
すいので、該木質繊維を使用してなるパネルを接着又は
塗装する際に、接着力、塗装密着力等に悪影響を与える
恐れがありあまり好ましくない。上述のアセチル化によ
る木質繊維のアセチル化度は、重量増加率で通常8〜2
5%程度、好ましくは15〜25%程度とされるが、要
求される耐湿性に応じて適宜変更することもできる。つ
いで、アセチル化反応が施された木質繊維を水または温
水で洗浄し、付着しているアセチル化剤を除去したの
ち、所定の含水率まで乾燥する。
木質繊維を粉砕機を用いて粉砕して木質粉末を得、この
後、木質粉末の大きさを選別する。ここでの大きさの選
別には篩が好適に用いられ、篩を通過した方の木質粉末
が後工程に用いられる。篩の目開きは、150μm〜5
00μm程度、好ましくは150μm〜425μm程度
のものが用いられる。篩の目開きが150μm未満であ
ると、剛性強度低下及び釘保持力低下になってしまう。
500μmを越えると、篩を通過する木質粉末が大きす
ぎて、パーティクルボードや木材薄片集成板のように板
材の厚み方向が不均質となり、釘を真っ直打ち難くなっ
てしまう。
質粉末を塗布機に入れてバインダーを塗布する。その塗
布方法は特に限られないが、スプレー方式で塗布するの
が好ましく、例えば、低速で回転する回転ドラム(ブレ
ンダー)内に上記の木質粉末を入れ、ドラム内で木質粉
末が自然落下する際にバインダーをスプレー塗布する方
法等が好適に用いられる。ここで塗布するバインダー
は、ポリウレタン樹脂系などの接着剤が用いられる。ま
た、接着剤としては軟質系の接着剤を用いるのが望まし
い。バインダーの塗布量は木質粉末100重量部に対し
て固形分で7〜30重量部程度、好ましくは15〜25
重量部程度である。バインダーの塗布量が7重量部未満
であると耐湿性が低下してしまい、吸湿に起因して木質
パネルに反りやねじれが生じ易くなる。また、30重量
部を越えてバインダーを塗布してももはや耐湿性の増大
は期待できず、密度も増加してしまい、また、経済的に
も不利ととなってしまう。また、バインダーとしては、
特に、粗ポリメチレン・ジフェニル・ジイソシアネート
(粗PMDI)などのイソシアネート化合物及びポリエ
ーテルポリオールを用いる。このイソシアネート化合物
はバインダーとして接着性が強靭である。イソシアネー
ト化合物とポリエーテルポリオールの割合(重量比)
は、9対6であることが好ましい。このポリエーテルポ
リオールは、バインダーを軟らかくする効果をもつ。ポ
リエーテルポリオールとしては、分子量200〜200
0のものを用いるのが望ましい。ポリエーテルポリオー
ルの分子量が200以下であると熱圧成形後のバインダ
ーが硬過ぎてしまい、逆に分子量が2000以上である
と熱圧成形後のバインダーが軟らか過ぎてしまうからで
ある。
限られないが、スプレー方式が好ましく、例えば、前述
のバインダーの塗布時に用いた回転ドラム(ブレンダ
ー)内でポリウレタン樹脂系接着剤であるイソシアネー
ト化合物が塗布された木質粉末を攪拌しながらポリエー
テルポリオールをスプレー塗布する方法が好適に用いら
れる。前記ポリエーテルポリオールの塗布量は、アセチ
ル化した木質繊維および/または該アセチル化した木質
繊維を粉砕して得られた木質粉末100重量部に対して
3〜12重量部、好ましくは6〜10重量部とすると熱
圧成形後の木質パネルの硬さをパチンコ等のゲーム台の
ゲージ板用として好適な硬さにすることができる。前記
イソシアネート化合物の塗布量は、アセチル化した木質
繊維および/または該アセチル化した木質繊維を粉砕し
て得られた木質粉末100重量部に対して、固形分で4
〜18重量部とすることが好ましいが、ポリエーテルポ
リオールは3〜12重量部とすることが好ましい。ポリ
エーテルポリオールの塗布量が3重量部未満であると、
熱圧成形後のバインダーが硬く、木質パネルに釘をまっ
すぐ打とうとしてもバインダーの硬さにより釘が曲って
しまうことがあり、また、木質パネルにエアドライバー
を用いて長さ5mm〜7mm程度の平皿ビス(金具固定
用)を打つときに回転が円滑にいかずネジ頭がとんでし
まう場合がある。また、塗布量が12重量部を越える
と、柔らかすぎて、釘の保持力がなくなってしまうから
である。
テルポリオールが塗布された木質粉末のバインダーの溶
媒を乾燥して除去したのち、木質粉末をフォーミングマ
シンを用いてフォーミングしてマットを作製する。ここ
での木質粉末の乾燥方法としては、例えば、木質粉末を
熱風でパイプ中を輸送しながら乾燥する方法等が好適に
用いられる。フォーミング方法としては、木質粉末を熱
板上に散布する乾式フォーミングを用いるのが好まし
い。このフォーミングには、従来から用いられている方
法、装置をそのまま使用することができる。
アセチル化木質粉末にイソシアネート化合物が塗布さ
れ、さらにポリエーテルポリオールが塗布され、成形一
体化されてなり、比重が約0.06〜0.08、厚さ方
向の密度が均一で、全体の硬さも均一で、エレメントで
ある木質粉末間が狭いのでイソシアネート化合物やポリ
エーテルポリオール以外に異物がなく、25℃の水中に
24時間浸漬後の吸水厚さ膨張率(JIS A 590
5−1994 5.10項)0.5〜2%程度の寸法安
定性が優れたものである。この木質パネル1の好ましい
比重としては、0.65〜0.75程度である。このよ
うにして得られた木質パネル1は、必要に応じて表面に
サンディング等の仕上げ加工が施されて、製品とされ
る。
アセチル化した木質繊維が用いられたことにより、耐湿
性が優れたものとなるので、湿度変化に起因する反りや
ねじれを低減でき、寸法安定性が良好であり、また、湿
度の影響を受けにくいため釘保持力が安定している。ま
た、アセチル化木質繊維を粉砕して得られた木質粉末の
大きさが選別され、大きさが揃えられた木質粉末が用い
られたことにより、木質パネル1を構成するエレメント
である木質粉末が小さく、かつ大きさが揃っていて、木
質粉末間にバインダー以外に異物がなく、しかも厚み方
向の密度が均一であり、また、従来の木質繊維集成板の
ように岩盤層がないので、釘打ち時に釘を真っ直に打つ
ことができ、釘打ち性が良好であるので、連続して釘を
打つ自動釘打ち機の使用が可能である。また、厚み方向
の密度が均一であり、従来の木質繊維集成板のように芯
層の密度が低くなっていないため、高い釘保持力が得ら
れる。さらに、この木質パネル1にあっては、バインダ
ーを塗布する際、パチンコ等のゲーム台のゲージ板用と
して好適な硬さのバインダーを選択することができ、よ
り硬さが均一なパネルとなり、バインダーの硬さが釘や
平皿ビスの打ち込みを阻害することがなく、釘打ち性が
優れる。従って、このような木質パネル1は、パチンコ
台のゲージ板等として好適に用いることができる。
ル化した木質繊維を粉砕して得られた木質粉末を篩分け
し、この篩分けにより大きさが揃えられた木質粉末を用
いて木質パネルを製造する例について説明したが、アセ
チル化した木質繊維の大きさが小さい場合は粉砕せずに
そのまま篩等にかけて大きさを選別し、この大きさが揃
えられた木質繊維を用いて木質パネルを製造するように
してもよい。
ル化した木質繊維を粉砕して得られた木質粉末にイソシ
アネート化合物を塗布後、ポリエーテルポリオールを塗
布し、熱圧成形して木質パネルを製造する例について説
明したが、アセチル化した木質繊維および/または該ア
セチル化した木質繊維を粉砕して得られた木質粉末にイ
ソシアネート化合物を塗布すると同時にポリエーテルポ
リオールを塗布後、
り、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみ
に限定されるものではない。 (実施例)太さが0.1〜1.0mm程度、長さが0.
2〜50mm程度の木質繊維(商品名F4−17、キャ
ンフォー社製)を住友ケミカルエンジニアリング社製の
気相アセチル化処理装置を用いてアセチル化した。ここ
で用いたアセチル化剤は、無水酢酸を用いた。木質繊維
のアセチル化度は、重量増加率で20%であった。つい
で、アセチル化した木質繊維をパワーミル(商品名;ダ
ルトン社製)を用いて粉砕し木質粉末を得た。この後、
木質粉末を目開き425μmの篩を用いて大きさを選し
た。
回転する回転ドラム内に入れ、ドラム内で木質粉末が自
然落下する際にバインダーをスプレー塗布した。バイン
ダーとしては、粗ポリメチレン・ジフェニル・ジイソシ
アネート(商品名スミジュール44V20、住友バイエ
ルウレタン社製)を、木質粉末100重量部に対して1
2重量部(固形分)用い、これをアセトンに溶かして用
いた。この後、ドラム内の木質粉末にバインダーとして
ポリエーテルポリオール(商品名ポリオール0705、
住友バイエルウレタン社製)を、木質粉末100重量部
に対して8重量部用い、これをアセトンに溶かして塗布
した。ついで、バインダーが塗布された木質粉末のバイ
ンダーの溶媒を乾燥して除去したのち、木質粉末をホー
ミングマシンを用いてフォーミングして厚さ500mm
のマットを得た。
を200mmにした後、さらにプレス機を用いて熱圧成
形し、厚さ20mmの木質パネルを得た。ここでの熱圧
条件としては、熱板の温度150℃、プレス圧力5.6
MPa、圧締時間は20分、であった。さらにこの木質
パネルの表面に仕上げとしてサンディングを施して、縦
500mm、横500mm、厚さ18.5mmの成形品
を得た。
調べたところ、後述する比較例1の合板に比べて湿度変
化に対する寸法安定性が優れることが分った。また、実
施例の成形品に釘を打ち、雰囲気温度35℃で相対湿度
95%中に1週間放置後の釘保持力の保持率について調
べたところ、保持率は98%であり、比較例1の合板や
比較例2の成形品(木質繊維集成板)に比べて釘保持力
が優れることが分った。また、実施例の成形品の釘打ち
性について調べたところ釘打ち性も良好であった。
m、厚さ1.5mmのブナの単板を13枚、繊維方向が
直交するように積層、接着して厚さ19.0mmのブナ
合板を得た。そして、このブナ合板について寸法安定性
と釘保持力について実施例と同様の方法により調べたと
ころ、反り量は最大7mmであり釘保持力の保持率は約
95%であった。
度、長さが0.2〜50mm程度の木質繊維を実施例で
用いたものと同様の回転ドラム内に入れ、ドラム内で木
質繊維が自然落下する際にバインダーをスプレー塗布し
た。バインダーとしては、粗ポリメチレン・ジフェニル
・ジイソシアネートを含むポリウレタン系接着剤を木質
繊維100重量部に対して固形分で20重量部用いた。
ついでバインダーが塗布された木質繊維のバインダーの
溶媒を乾燥して除去したのち、木質繊維をホーミングマ
シンを用いてフォーミングして厚さ500mmのマット
を得た。ついで、このマットを予備プレスして厚さを2
00mmにした後、さらにプレス機を用いて熱圧成形
し、厚さ20mmの木質繊維集成板を得た。ここでの熱
圧条件としては、熱板の温度150℃、プレス圧力5.
6MPa、圧締時間は20分であった。さらにこの木質
繊維集成板の表面に仕上げとしてサンディングを施し
て、縦500mm、横500mm、厚さ18.5mmの
成形品を得た。そして、比較例2の成形品(木質繊維集
成板)について釘保持力について実施例と同様の方法に
より調べたところ、釘保持力の保持率は約54%であ
り、実施例の成形品に比べて釘保持力が悪いことが分っ
た。
パネルにあっては、アセチル化した木質繊維が用いられ
たことにより、耐湿性が優れたものとなるので、湿度変
化に起因する反りやねじれを低減でき、寸法安定性が良
好であり、また、湿度の影響を受けにくいため釘保持力
が安定する。また、アセチル化木質繊維を粉砕して得ら
れた木質粉末および/またはアセチル化木質繊維の大き
さが選別され、この大きさが揃えられた木質粉末および
/または木質繊維が用いられたことにより、木質パネル
を構成するエレメントの大きさを揃えることができるの
で、厚み方向の密度が均一であり、また、従来の木質繊
維集成板のように岩盤層がないので、釘打ち性が良好で
あり、自動釘打ち機の使用が可能である。また、厚み方
向の密度が均一であるので、従来の木質繊維集成板のよ
うに芯層の密度が低くなっていないため、高い釘保持力
が得られる。
は、特に、大きさが揃えられた木質繊維および/または
木質粉末が目開き150μm〜500μmの篩を通過し
たものであるので、木質繊維および/または木質粉末の
大きさが大き過ぎることがなく、適当であり、エレメン
トの大きさを小さく揃えたので、エレメント間にバイン
ダー以外に異物が入らず、パネルの厚み方向がより均質
となる。また、本発明の木質パネルにおいて、特に、バ
インダーの塗布量が木質繊維および/または木質粉末1
00重量部に対して固形分で7〜30重量部としたもの
にあっては、耐湿性が良好であり、湿度変化に起因する
反りやねじれを低減できる。また、請求項1記載の木質
パネルにあっては、特に、イソシアネート化合物が塗布
された木質繊維および/または木質粉末に、さらに軟化
バインダーとしてポリエーテルポリオールが塗布された
ことにより、バインダーを軟らかくすることができるの
で、パチンコなどのゲーム台のゲージ板用として好適な
硬さのバインダーを選択することができ、かつ硬さのば
らつきが少ない木質パネルとなり、バインダーの硬さが
釘や平皿ビスの打ち込みを阻害することがなく、釘打ち
性が向上する。
は、特に、バインダーとしてイソシアネート化合物およ
びポリエーテルポリオールが用いられ、該バインダーの
塗布量が木質繊維および/または木質粉末100重量部
に対して固形分で7〜30重量部とされたことにより、
耐湿性が良好であり、バインダーの接着性が強靭となる
うえ成形後の離型性が良好である。また、前記バインダ
ー中でイソシアネート化合物の塗布量が固形分で4〜1
8重量部及びポリエーテルポリオールの塗布量が3〜1
2重量部とされたことにより、熱圧成形後にパチンコ台
のゲージ板として好適な硬さで、かつより硬さが均一な
パネルとなり、釘打ち性が優れる。従って、本発明の木
質パネルは、釘打ち性が良好で、かつ高釘保持力を有
し、しかも湿度変化に起因する反りやねじれを低減でき
るのでパチンコ台のゲージ板や、遊具台板、建材などに
好適に用いることができる。また、請求項5記載の木質
パネルの製造方法にあっては、前述の構成としたことに
より、本発明の木質パネルの製造に好適に用いることが
できる。
面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 アセチル化した木質繊維および/または
該アセチル化した木質繊維を粉砕して得られた木質粉末
の大きさが選別され、この大きさが揃えられた木質繊維
および/または木質粉末にイソシアネート化合物及びポ
リエーテルポリオールからなるバインダーが塗布され、
成形一体化されてなることを特徴とする木質パネル。 - 【請求項2】 前記大きさが揃えられた木質繊維および
/または木質粉末は目開き150μm〜500μmの篩
を通過したものであることを特徴とする請求項1記載の
木質パネル。 - 【請求項3】 前記アセチル化した木質繊維および/ま
たは該アセチル化した木質繊維を粉砕して得られた木質
粉末100重量部に対して、イソシアネート化合物の塗
布量が固形分で4〜18重量部であり、ポリエーテルポ
リオールの塗布量が3〜12重量部であることを特徴と
する請求項1又は2記載の木質パネル。 - 【請求項4】 前記ポリエーテルポリオールの分子量が
200〜2000であることを特徴とする請求項1、2
又は3に記載の木質パネル。 - 【請求項5】 アセチル化した木質繊維および/または
該アセチル化した木質繊維を粉砕して得られた木質粉末
の大きさを選別し、ついで大きさが揃えられた木質繊維
および/または木質粉末にイソシアネート化合物を塗布
すると同時にまたは塗布後、ポリエーテルポリオールを
塗布し、熱圧成形する工程を備えることを特徴とする木
質パネルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08288845A JP3090067B2 (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 木質パネル及びその製造方法 |
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---|---|---|---|
JP08288845A JP3090067B2 (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 木質パネル及びその製造方法 |
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JPH10128711A JPH10128711A (ja) | 1998-05-19 |
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