JP2657209B2 - 改良木質繊維板及びその製造方法 - Google Patents

改良木質繊維板及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、寸法安定性能に優れた改良木質繊維板及び
その製造方法に関する。
[従来技術およびその課題] 従来、各種の針葉樹材又は広葉樹材をチップにした後
解繊して得られる木質繊維を、圧締成型することにより
製造される木質繊維板は公知である。しかし、木質繊維
中への水分の吸湿および乾燥に伴って膨張又は収縮する
ために木質繊維板の寸法安定性に欠け、その影響により
反りや割れが生じ、またこの水分の浸透に伴って腐敗菌
が入り込むため、板の内部から腐食が生じる等の問題を
有していた。
このような問題点を解決するため、従来の木材および
解繊して得られる木質繊維を改良する方法として、木繊
維マットに、無水酢酸を被覆し、密封空間において加熱
することにより木繊維マットをアセチル化し、副生物の
酢酸および残留無水酢酸を除去してなるアセチル化木質
繊維マットを製造し、このマットを加熱圧縮することに
より熱可塑性ハードボードを製造する方法(公表特許昭
57−501915号公報参照)は公知である。
この方法は、従来の気相法に変えて密封空間内という
特別な設備内で加熱反応させることにより、木質繊維の
アセチル化率を12%以上に上げ、水分の吸収に伴うハー
ドボードの膨張を防止する効果を向上させている。しか
し、アセチル化反応に特別な密封空間が必要である点、
アセチル化処理したマットを接着剤を用いず、単に加熱
圧縮することによりハードボードを得ているため、加熱
圧縮する際の、温度、圧力および時間のコントロールが
煩雑である点、また出来上がったハードボードは、無処
理のハードボードに比べ耐水性は向上したものの、長期
間の浸水に対する耐水性においては十分満足できるもの
ではない等の問題点を有していた。
[問題点を解決するための手段] このような現状に鑑み、本発明者は、水分の吸収・放
出に対する寸法安定性に優れた木質繊維板を工業的に製
造する方法を提供すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明
を完成するに至った。
すなわち本発明は、 1) 木質繊維中の水酸基を、アセチル化反応によりア
セチル化率5〜10%まで反応させた木質繊維に、耐水性
サイジング剤を0.5〜5重量%添加し接着剤を介して成
型された改良木質繊維板。
2) 木質繊維に酢酸無水物溶液を含浸させた後、気相
中で加熱反応させることにより、木質繊維中の水酸基を
アセチル化率5〜10%まで反応させると共に、木質繊維
に対し0.5〜5重量%の耐水性サイジング剤を添加混合
し、さらに、接着剤を添加し風送した後、フォーミング
を行い、熱圧成型してなる改良木質繊維板の製造方法。
である。
本発明の改良木質繊維板は、5〜10%と低いアセチル
化率の木質繊維に耐水性サイジング剤が0.5〜5重量
%、好ましくは2〜5重量%添加されたものを常法に従
い熱圧成型した木質繊維板であり、木質繊維中の水酸基
がアセチル基に置換されることにより水分子と結合しに
くくなる効果を有するものの、アセチル化率が5〜10%
という範囲はまだ十分に効果を示す添加率ではない。し
かしこのアセチル化処理木質繊維板に耐水性サイジング
剤を添加することにより耐水性サイジング剤の有する水
を弾く効果とが相まって水分の影響に対する寸法安定性
に優れた性質を有するものである。さらに、サイジング
剤の添加量として、一般には、サイジング剤が木質繊維
表面に付着することにより滑りが生じ曲げ強度が低下す
るため、最大でも2重量%程度しか添加することができ
なかった。しかし、本願発明のアセチル化処理された木
質繊維は親油性に近づくため、耐水性サイジング剤が浸
透しやすく、5重量%添加しても、木質繊維の表面への
付着に留まらず内部へ浸透するためサイジング剤量が過
剰とならず耐水性が向上し、しかも木質繊維間の滑りに
より発生する繊維板の強度低下を発現させることもな
く、優れた強度及び寸法安定性を有する改良木質繊維板
である。
次にその製造方法について説明する。
本発明において用いる木質繊維としては、例えば、
松、杉、桧等の針葉樹材または、ラワン、カポール、
栗、ポプラ等の広葉樹材をチップにした後、常法に従い
解繊し、含水率20%以下好ましくは10%以下に乾燥した
木質繊維を用いることができる。これら繊維は長さ1〜
30mm,太さ直径2〜300μ程度のものが大半を占める。こ
の木質繊維は、導管及び仮導管または細胞が束になった
ような形をしており、繊維外周部の細胞壁は引き裂かれ
たり、割れ目を生じたりしているものが多い。
前記木質繊維を、無触媒下で又は触媒として例えば酢
酸ナトリウムや酢酸カリウム等の酢酸金属塩水溶液を含
浸させ、乾燥させた後、無水酢酸,無水クロル酢酸等の
酢酸無水物反応液槽中に浸漬する。付いで、酢酸無水物
を含浸した木質繊維を反応液槽から取りだし、又は反応
槽から酢酸無水物を排出することにより木質繊維に対し
約50〜80重量%の酢酸無水物を含浸させる。この木質繊
維に酢酸無水物を含浸させる方法としては、反応液槽中
に浸漬するほかに、木質繊維に酢酸無水物を噴霧等によ
り添加含浸させることもできる。
次いで酢酸無水物を含浸させた木質繊維を、別の反応
器中で70〜150℃で数分ないし数時間加熱し、副生物の
酢酸を除去しながら反応させることにより木質繊維中の
水酸基をアセチル基と置換したアセチル化繊維を得るこ
とができる。このアセチル化反応が終了した木質繊維
を、水洗することにより副生した酢酸及び未反応の無水
酢酸を除去した後、乾燥させる。この際アセチル化に伴
うアセチル化率(重量増加率)は、約5〜10%である。
このアセチル化処理木質繊維を、混合機(ブレンダ
ー)に投入し、耐水性サイジング剤を添加する。この際
用いる耐水性サイジング剤としては、パラフィン、ワッ
クス、ロジン、クマロン・ロジンサイズ等を用いること
ができる。この添加量は、木質繊維に対して0.5〜5重
量%好ましくは2〜5重量%の範囲で添加する。この耐
水性サイジング剤を添加することにより、木質繊維のア
セチル化率が5〜10%と低いものであっても、耐水性サ
イジング剤の耐水性効果との相乗効果により吸水及び放
湿による木質繊維板の寸法安定性が向上される。さら
に、アセチル化処理された木質繊維は親油性に近づくた
め、耐水性サイジング剤を添加した際、表面に付着する
だけでなく、木質繊維層内に浸透するため、耐水性サイ
ジング剤の添加量を5%と多く添加しても、過剰に表面
に付着した耐水性サイジング剤に起因する木質繊維同志
の滑りが発生することがなく強度低下することがない。
次いで、接着剤を添加する。着剤としては、尿素樹脂
系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接
着剤、エポキシ樹脂系接着剤、イソシアネート、酢酸ビ
ニル樹脂系接着剤あるいはそれらの変性樹脂等の合成樹
脂接着剤が好適に用いられる。この際の接着剤の添加量
は、木質繊維に対して10〜15重量%,その樹脂率は30〜
60%であって概して低樹脂率の方が木質繊維に対して均
一に混入できる。
接着剤を付着された木質繊維を、ダクトにより風送す
る。この際の風送は必要に応じ熱風により行いその速度
は約15〜20m/秒であるが、木質繊維の比重、送り量、前
後の工程の処理能力などによって広範囲に調整されるも
のである。
この風送後の木質繊維は6〜8%水分量である。
風送された木質繊維は通常の方法でフォーミングさ
れ、一定厚さの繊維マットとされた後、ホットプレスに
より熱圧成型されアセチル化された改良木質繊維板が得
られる。
[効果] 本発明の改良木質繊維板は、アセチル化処理により木
質繊維中の水酸基をアセチル基で置換し、水分との接触
による木質繊維の膨張を防止しようとするものである
が、アセチル化率が5〜10%と低いものでは、木質繊維
の膨張を防止する効果は不十分であるため、さらに木質
繊維に耐水性サイジング剤を添加することにより耐水性
サイジング剤の有する水を弾く効果と併せて、水分の影
響に対する寸法安定性に優れた性質を生じさせるもので
ある。さらに、アセチル化処理された木質繊維は親油性
に近づくため、耐水性サイジング剤が浸透しやすくな
り、5重量%もの耐水性サイジング剤を添加しても、木
質繊維の表面へ付着するに留まらず内部へも浸透するた
め、サイジング剤量が過剰になることもない。このため
木質繊維間の滑りに起因する繊維板の強度低下が生ずる
こともない。したがって得られる木質繊維板の強度を低
下させることなく耐水性サイジング剤の添加量を増加さ
せることができ耐水性を向上させることができ、総合的
に水分の影響に対する寸法安定性に優れた性質を生じさ
せるものである。
また、本発明の製造方法は、木質繊維に無水酢酸を含
浸させた後、気相中で加熱反応させるため、従来、大過
剰の無水酢酸溶液中に木質材を浸漬した状態で、溶液全
体を加熱させる方法と比べ、使用する無水酢酸量が非常
に少量ですみ、反応終了後の無水酢酸の回収も不要であ
る。さらに、反応は特に密封空間等の特別な施設を必要
とせず、アセチル化率も5〜10%と低いため、木質繊維
中のヘミセルロース及びリグニン等の構造を破壊するこ
ともない。さらにアセチル化処理により木質繊維が親油
性を有するため、木質繊維板の強度に悪影響を与えるこ
となく、容易に耐水性サイジング剤を5重量%まで添加
することができるものである。
[実施例] 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 ラジアータパインのチップを160℃,7kg/cm2で3分間
煮沸し、デファイブレーター式リファイナーで解繊した
後、乾燥した木繊維を、液体無水酢酸反応液槽に2分間
浸漬し、反応液層から取りだし、過剰の無水酢酸を木繊
維から5分間排出した。
この木繊維を120℃で副生物の酢酸を排出しながら1
時間加熱反応させアセチル化を行った。反応終了後、水
洗し乾燥した。アセチル化率は重量増加率で7.8%であ
った。
得られたアセチル化処理木質繊維を混合機内におい
て、木質繊維に対し4.5重量%のワックスをスプレーに
より添加混合した。次いで、別の混合機内において、木
質繊維に対し10重量%のフェノール樹脂接着剤を添加混
合した。
これをダクト中に投入し風送し、フォーミング装置に
てスクリーンコンベアー上に落下堆積させ木質繊維マッ
トを形成した。
この木質繊維マットを所定寸法に切断した後、ホット
プレスに投入して200℃にて2分間熱圧成型し改良木質
繊維板を得た。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木質繊維中の水酸基を、アセチル化反応に
    よりアセチル化率5〜10%まで反応させた木質繊維に、
    耐水性サイジング剤を0.5〜5重量%添加し接着剤を介
    して成型された改良木質繊維板。
  2. 【請求項2】木質繊維に酢酸無水物溶液を含浸させた
    後、気相中で加熱反応させることにより、木質繊維中の
    水酸基をアセチル化率5〜10%まで反応させると共に、
    木質繊維に対し0.5〜5重量%の耐水性サイジング剤を
    添加混合し、さらに、接着剤を添加し風送した後、フォ
    ーミングを行い、熱圧成型してなる 改良木質繊維板の製造方法。
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