JP2017136811A - ウッドウール断熱材の加工・製造方法と利用について - Google Patents

ウッドウール断熱材の加工・製造方法と利用について Download PDF

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Abstract

【課題】木皮・木材・竹・笹などを有効利用する。【解決手段】本発明は、我が国のスギ、ヒノキ、カラマツ、モミ、ツガ等に代表される針葉樹の木皮や木片・木材及び、広葉樹の木片・木材及び、竹、笹などの木化植物体を綿状に乾式解繊する。建築・住宅用断熱材の基本性能を高める為に熱伝導率を下げる工夫として古紙、新聞紙、段ボールなどの紙質の物を同時に投入した複合綿状解繊加工物を利用する手段を得る。綿状に解繊加工された加工物に、建築・住宅用断熱材として要求される防腐、防虫、防蟻、難燃化に必要なホウ素含有水溶液に含浸または噴霧し、その後加工物を乾燥して得られる製造方法である。得られた加工物は、現場での施工を考えて現場吹込み材として利用可能とし、敷込・張り付けマット材として、ボード状加工材として利用を可能とする。【選択図】なし

Description

本発明は、木質材料から乾式処理により綿状の繊維物を得る方法および得られた綿状の繊維物を用いてなる建材に関する。
わが国には極めて多くの森林資源がある。『地球環境温暖化対策』、『持続可能な資源』、『循環型社会の構築』等々、重要なキーワードに関連した課題を解決する手段として、特に近年、木材の国産材利用率50%目標に「地域木材の利用拡大」が叫ばれている。
新築住宅の新規着工の減少や既存住宅の空き家の増加から住宅に対する地域木材の現象が予想される。そして、住宅に関係する合板や繊維ボードの利用数量の落ち込みも並行して起きる。そして、紙パルプも近年のリサイクル技術により新規製造パルプの生産量は落ち込む一方である。地域木材の新規利用先は、何れもの既存利用先の利用数量の落ち込みをカバーし、伸び率をも賄う新規利用先の開拓を必要としている。燃料化はカーボンオフセットには有効な手段ではあるものの、有効利用としてはモッタイナイ一面もある。
気候変動対策・省エネルギー対策も具体的目標が掲げられ、住宅の新断熱基準『H25省エネ基準』が、平成27年4月1日より『長期優良住宅』から施行され、5年後に新築住宅・既存住宅改修の基準使用となる。性能住宅基準からすると2ランクアップで、最高等級の施工が義務付けられる。住宅用断熱材の選択肢と、その施工法の検討が課題となり、そもそも本発明は、国土交通省の『長期優良住宅先導モデル提案事業』に合わせて研究開発を進めてきた。
木材は建築材料として極めて有用な性能を持ち利用されている。
又、合板・ボード材料としても広く利用され、パルプ原料としても多く利用されてきた。しかし、新需要の減少とリサイクル利用から消費量は、近年減少の一途を辿っている。
竹や笹などは、様々な生活の場に利用されていたが、合成樹脂や金属による工業製品に活躍の場を奪われ放置に近い状況にある。
何れもの資源も、住宅用断熱材とする新分野で利用したい材料として、大きな期待を持たれている。緑豊かな日本のイメージは、近くの山の資源を活用して継続維持されるものである。現在の近くの山の資源のある場所は荒れている実情を知る人が少ない。荒廃して、水源涵養地として維持されてきた緑地は、災害を産み出す状況にある。循環し更新することで『緑あふれる美しい国日本』が維持できる。本発明は、その実現の一助であり、一つの手段であると考える。
地域木材を代表するスギやヒノキの皮は、古くは屋根の材料や壁の材料として利用された。時代の変化で利用されることが少なく、厄介者扱いにされている。他の木材に比べ耐水性、防腐性、防虫性に優れ、スギ皮は難燃成分も持っている、大量に需要を産み出せる建築・住宅用断熱材として綿状化させるにふさわしい材料と考えた。未利用で豊富に発生するスギの外皮は、新分野でウッドウールとし最も優先して利用したい原材料として、最初に挑戦し優れた性能を示す検査の値を得ることができた。
木片・木材の木質部分と、竹及び笹の木化部分は乾燥比重が高いため、嵩比重を下げて建築・住宅用断熱材とし、その性能を向上させる方法として、又、施工方法の一つの手法とする吹込み工法のハンドリングを向上させる手段の一手法として、古紙や新聞紙やダンボールの紙質リサイクル資源を利用した、木質材とのハイブリッド化を思いついた。本来、特許刃物構造を装着した乾式解繊機械装置は、紙の乾式解繊装置の刃物構造として開発されたものである。その加工特性から、投入時の含水率の確認と工程出口のスクリーンの交換・調整という加工装置運転時の操作技術を熟練することにより、有セルロース資源のセルロースを、綿状に乾式で取り出せることに気付いた。多パターンのスクリーン排出口の組み合わせで、多パターンの加工物を取り出せた、データ−の積み重ねでより性能の高い建築・住宅用断熱材の開発・商品化ができる。
木材を代表とする木質材料には共通して腐りやすい、虫やシロアリに喰われやすい、燃えやすいという欠点をもつ。防腐・防虫・防蟻剤として、ホウ素含有材の利用技術は30年以上前から行われている。新たに木質材料不燃化に対する特許技術が平成21年に登録され、木質系断熱材の性能評価に必要な難燃性を付加させるための、加工処理技術を施すことで、JIS基準を満たす木質系の建築・住宅用断熱材の性能の確立を実現した。
本技術による加工・製造物は、建築・住宅用断熱材として大量に消費されるためには、現場での施工性を満足させるものでなくてはならない。既存の他製品と同様な吹込み工法、マット工法、ボード化等の一次加工材料としての性質・性状を持ち、二次商品化材料として優れたハンドリングをもつものでなければならない。試作実験・実用化試験をも行いその実現を期待させるものだった地域木材を利用した建築・住宅をウリにする建設業者や地域木材の利用をウリとしている製材業・木材業者・木工加工業者等には取組願いたい。
わが国において、過去に取り組まれた木材の綿状繊維の事例が特許文献1にある。木材チップを高温高圧化で蒸煮し、2つのディスクからなる加圧型木材解繊機により多く空気層を有する綿状の状態を呈する木質ファイバーを得たとある。加工の状況からは単なる変形した繊維同士が絡まった状況と考える。国内には主として木材の解繊は、湿式リファイナーが存在している。開発に当たり大分県科学産業技術センターに設置されている「ディスク・リファイナー」で試みたが、セルロースは上手く取り出せるが綿状に絡むことはなかった。木質バイオマスの粉砕機械もしゅじゅあるものの、実用化に必要な、安定した綿状解繊物を大量に安定して加工できなければ実用化に至らないと判断し、特許文献2の刃物構造を装着した「乾式解繊装置」に出会った。元々、紙のリサイクル利用として開発された装置であるが、開発者と打ち合わせを進める中で期待する「木質未利用バイオマス綿状解繊物」を得られる可能性を見出した。
木質材及び紙質材の共通の欠点である防腐、防虫、防蟻、難燃については、特許文献3及び4の利用で克服することを選んだ。
特開平9−314521号公報 特許第3051981号公報 特許第4274993号公報 特許第4369411号公報
本発明の目的は、地域木材の木皮及び木片・木材部及び竹や笹などの未利用木質バイオマスの利用拡大のための新たな分野での消費を創り出すための加工及び製造方法である。本発明の目的は、地球環境・温暖化対策に有効かつ森林資源の持続可能な循環型社会の構築のための一方策として、有効なリサイクル紙質材の有効利用を行い、省エネで快適な生活の実現を図る基盤となる住宅の、断熱構造化を実現し、保温力と低輻射により付加価値を有する、木質断熱材の加工及び製造方法を与えるものである。
現在の我が国における木材の利用方法は限られている。木材には大きく分けて木皮と木質部分がある。木質部分は昔は丸太の姿で使用されることもあったが現在は、製材され正角、平角、板材加工され利用されたり、合板工場でロータリースライスされ合板材料と利用されたり、チップ加工され製紙や木質繊維ボードの材料として利用されている。問題は、この利用先に材料として販売できない、三等級以外の利用されていない未利用木材と、林野に放置される木材が沢山ある。これら未利用木質バイオマスの燃料・発電への利用が推進されていますが、回収コストの問題から解決が進まない。
一方、建築・住宅用断熱材の製品価格から考えると、材料費としての価格からコスト吸収が十分行える。木皮や未利用木材や、木材以上に利用されず放置されている竹や笹を綿状に加工して、建築・住宅用断熱材とすれば、他の資源で製造されているグラスウール、ロックウールと称されるものと比べ断熱、保温、吸音性に優れたものが生まれ、樹脂断熱材に比べ蓄熱性に優れた製品が作れる。ウッドウールの加工・製造・製品・商品化の手段を提供するものである。
すなわち、本発明でつぎのものを提供するものである。
請求項1の木皮については、好ましくはスギやヒノキのように大量に伐採・加工される原木を、剥皮処理する段階で回収し長さ20〜30センチメートルで切断し、木材に於いても大量に伐採される好ましくはスギ、ヒノキ、カラマツなどの木材をチップ状態に、竹や笹については好ましくはチップ状態に、或いは20〜30センチメートルの長さに割いた状態に加工し、表乾状態・含水率20〜25%を適度な含水率とした原料を、特許刃物構造を装着した乾式解繊機械装置に投入することで綿状解繊加工物を得られる手段を提供するものである。
特許刃物構造を装着した乾式解繊機械装置に、好ましくは表乾状態・含水率20〜25%の、好ましくは大量に伐採されるスギやヒノキの木皮或いは、好ましくは大量に伐採されるスギやヒノキやカラマツなどの、好ましくは表乾状態・含水率20〜25%のもの或いは、竹や笹は好ましくはチップ状又は、20〜30センチメートルの割いた状態に加工し、表乾状態・含水率20〜25%の物を投入する際に古紙、新聞紙、段ボールなどの紙質材好ましくはダンボールを重量比20%〜40%を霧状の水の散布を受けながら投入することにより、複合材綿状解繊物が得られる。施工の際の流動性が良くなり、嵩の安定性を増す技術手段を提供するものである。
特許刃物構造を装着した乾式解繊機械装置により得られた綿状解繊物は、木質材共通の腐食、虫害、蟻害が起きやすく燃えやすい状態にある。この欠点を克服しなければ建築・住宅資材としては利用できない。乾式解繊機械装置で得られた綿状解繊物に、ホウ素系水溶液を好ましくは均等に噴霧し重量比5%以上含有させることにより防腐性、防虫性、防蟻性、難燃性能を得ることができる。これは、特許文献で明らかにされているし、防腐・防虫・防蟻効果については過去、ホウ酸による加工で多くの経験が得られている。
建築・住宅用断熱材の分野に使用するには不可欠な処理技術の手段を提供するものである。
特殊刃物構造を装着した乾式解繊機械装置により得られた、木皮や木材や竹や笹単独材あるいは紙質材との複合綿状解繊物に防腐、防虫、防蟻、難燃加工処理済のものを、吹込み材として使用する場合木皮の場合は単独材で流動性に問題はないものの、木質材と竹や笹等は比重も重たく流動性にも欠けるので、紙質材好ましくはダンボールとの混合綿状解繊物に防腐、防虫、防蟻、難燃加工することで流動性が得られ、嵩比重も軽く断熱性も単独材料で得られるものより向上する。得られたものは、セルロースファイバー・ブローイング機械で、建築・住宅用断熱材として吹込み施工を可能とする施工技術の手段を提供するものである。
特許刃物構造を装着した乾式解繊機械装置により得られた木皮や木材や竹や笹等の単独材、或いは紙質材との複合綿状解繊物に防腐、』防虫、防蟻、難燃加工処理済みのものを不織布や透湿シート等でいくつかの定格寸法に袋詰めをして、袋内での嵩の維持と、新法安定化の為に水性コーティング剤とシランカップリング剤を混合し、容易に取扱い可能なマット状の建築・住宅用断熱材として使用・施工を可能とする技術の手段を提供するものである。
特許刃物構造を装着した乾式解繊機械装置により得られた木皮や木材や竹や笹等の単独材、或いは紙質材との複合綿状解繊物に防腐、防虫、防蟻、難燃加工処理済の物を、適度なバインダーを混合しフォーミング技術を確立し、ローラープレスで少量の加圧を加え成形し、定格寸法でボード状の建築・住宅用断熱材として使用・施工を可能とする技術の手段を提供するものである。
特許刃物構造を装着した乾式解繊機械装置により得られた、竹の綿状解繊物と、熱伝導率が低く断熱材として優位な立場にある発泡フェノール樹脂や硬質発泡ウレタン樹脂を、樹脂発泡中に混入しハイブリッド化することにより脆い性質の改善につなげることができる。
国土交通省平成25年断熱基準が標準化される2020年までに、厚みを増した商品の開発が必要になる。既存商品の貼り合わせなどで対策は取れるもののコストパフォーマンス等も含めた対策が必至である。樹脂現場吹込み工法で紙質材を補強材とする改善も見られるが、建築・住宅用断熱材として代表的な、性能を誇る熱硬化樹脂である硬質発泡ウレタンや、燃焼ガスの最も少なく高断熱性能を併せ持つ、フェノール発泡樹脂断熱材の改善のための手段を提供するものである。
本発明は、地域木質未利用バイオマスを利用した建築・住宅用の断熱材を提供しようと考えるものである。今まで地域木材は製材品、繊維を利用した紙パルプと合板と繊維ボードが主な用途として利用され、社会構造の変化と充足度から地域木材の利用数量は減じている。地域木質バイオマスの新たな分野に利用する機運は非常に高いものである。発明者は、平成22年度林野庁補助事業『地域木材利用拡大事業 省エネ断熱等新分野への利用』に端を発し、地域木材の利用に資する目的で開発に着手した。
本発明は、地域木材を代表するスギ、ヒノキ、カラマツ、モミ、ツガの木皮や木片・木材、広葉樹の木片・木材、竹や笹等の木化植物の茎・枝葉等から、特許刃物構造を装着した乾式解繊装置で綿状解繊物を得て、建築・住宅用断熱材に利用しようとするものである。
本発明で得られる建築・住宅用断熱材として利用可能な綿状解繊加工物は、投入する材料の種類と状態により、乾式解繊装置の前工程の排出部スクリーンの篩目と、後工程の排出部スクリーンの篩目の調整により、綿状解繊の質を求めることができ、加工量にも変化を求める事ができる。
本発明で材料とする地域未利用木質バイオマスは、樹種によりそれぞれの繊維に特徴があり皮部、幹の部位、枝部によっても性質が違い、含水率も大きな差がある。表乾状態の含水率20%〜含水率25%位が得られる綿状加工物が一番良好であることを確認できた。乾燥しすぎて含水量が不足する材料には、投入前にスプレー等を行い含水率調整をすることが望ましい。
本発明は、地域木質バイオマスの、特許刃物構造を装着した乾式解繊装置により得られた加工物・製造物の特性から、建築・住宅用断熱材としてより高性能に、より軽量に、より施工しやすいものにするため、本来この特許装置の目的とされた古紙、新聞紙、段ボール等を同時に投入することで混合物(ハイブリッド製品)を得る事が可能ではないかと考え投入してみた。重量比20〜40%の範囲で予想以上の複合加工物を得る事ができた。効率よく良好なハイブリッド綿状解繊物を得る為には、紙質材にも10〜15%程度の含水をさせる事が望ましいことが判明した。
本発明は、綿状解繊加工材の防腐、防虫、防腐、難燃化を図る為に有効な加工処理を、特許文献に基づき特許成果物を利用して行うものである。使用するものは四価以上のホウ素化合物である。
綿状加工原料の質重量1に対して、5%以上のホウ素化合物を浸漬又は噴霧により含有させ、その後保存性を考えて含水率9%以下に乾燥させることが望ましい。綿状解繊物の線径は150μm程度なので溶剤の浸透は短時間で実現し、乾燥も風送ダクト中で実現が得られるものである。
本発明により得られる木質綿状解繊物ホウ素用材処理済材は、建築住宅用断熱材として利用する手段としては、まず吹込み材料として利用する事が可能である。スギ、ヒノキなどの木皮の場合は細くて、軽く、強度もあり流動性も良いのでブローイングし易い。木片・木材、竹、笹などは木皮から得られた解繊に比べ比重が高く流動性に劣る為、断熱性能と施工性を改善するために、紙質材好ましくはダンボール材との混合物(ハイブリッド品)を得ることで実現できることが判明した。吹き込まれた綿状ハイブリッド断熱材の嵩の安定には、水性コーティング剤とシランカップリング剤による架橋をさせ安定させるなどの手段が考えられる。優れた性能を有する建築・住宅用断熱材として利用できると考えた。
本発明により得られる木質綿状解繊物ホウ素処理材は、建築・住宅用断熱材として利用するための手段として、木質材料の特性を利用するために不織布、透湿シートなどで必要な幅、長さ、厚みの袋状の物に、必要な質量をブローイング等の手段で充填し、安定した寸法を維持するために軽度の架橋・接着を相互の繊維材で行われるようにすることで、製綿状解繊加工物ホウ素処理済材を利用した、建築住宅用断熱材として利用できる手段である。
本発明はハイブリッド綿状解繊加工ホウ素処理材を利用し、少量のバインダーと少量の加圧によりボード様の成形物を作ることができる。最も建築・住宅用として向上及び現場で利用されやすい手段と考えられる。
本発明は竹や笹の乾式綿状解繊加工物質量1に対して、ホウ素系水溶液5%以上の質量をあらかじめ含有させた加工物を、あらかじめ決められた寸法の金型に、発泡フェノール樹脂又は、発泡硬質ウレタン樹脂の発泡過程に、用意された加工物を定められた分量を投入して得られる高性能な木質バイオマスと発泡樹脂の、ハイブリッド住宅用断熱ボードの実現をするものである。既存のボードの破損しやすい欠点を補う補強の効果と木質未利用バイオマスの保温・蓄熱特性をもつ、優れた性能を有する建築・住宅用断熱材を実現させるものである。
本発明の実施のスタートに当たって2010年秋、大分県産業科学技術センターにおいて古紙のパルプ化、木材樹皮の繊維化を可能とするディスク・リファイナーによりヒノキ木皮、スギおよびヒノキの木部、古紙を加工処理した。紙工業のパルプ、木質繊維板工業における木材の繊維化を行う機械装置と同様の構造をもつとされる。湿式であるため原材料は前もって水に浸漬しておく必要があり、加工解繊物は水の中にあるため水を濾して乾燥させた。得られたものはまさしくセルロースでありパルプであった。しかし、乾燥物は凝集されカチカチになり、解しても綿状の解繊物は得られなかった。
ヒノキ木皮を製材所で購入し、特許刃物構造を装備した乾式解繊機械装置の山口県光市立野にある有限会社西日本技術開発の試験機を使用して、含水率調整の為天日干しを行い、長さ約20センチメートルに押切裁断を行った。機械装置の前工程のスクリーンは10φとし、後工程のスクリーンは6φをセットし解繊を試み綿状解繊物を得ることができた。電動の噴霧器に20%の八ホウ酸二ナトリウム水溶液を、乾燥時予想重量の5%以上にあたる分量を入れ、約10分間ミキサーを回転させながら噴霧し撹拌した。乾燥後にライターの炎を当てると、少量の煙は発生したものの、炭化し燃焼には到らなかった。ホウ素系水溶液の浸漬に対する不燃効果を確認した。この加工物は、開発補助事業として作製し、地域行政法人山口県産業技術センターで「嵩比重」、「熱伝導率測定」を行い、一般財団法人建材試験センター山口試験所で防火性試験をJISA9523及び、JISA1321に既定する難燃3級の表面試験に準拠して行った。
ヒノキのチップを製材所で購入した。寸法は、厚さが5〜10メートルでタテ、ヨコ3〜5センチメートル程度の切削チップであった。実施例1と同時期に、前工程のスクリーンを6φと後工程のスクリーンを3φにセットし解繊を試み綿状の加工物を取り出した。実施例2と同様の方法でホウ素系水溶液を噴霧・浸漬させて、実施例2の試験体と共に試験を行い、建築・住宅用断熱材として利用できることを確認した。
実施例3と同じヒノキのチップ重量比80%と、新聞紙を15センチメートル四方程度の大きさで押切裁断し、噴霧器により水を噴霧したもの重量比20%を、前工程のスクリーンを6φと後工程のスクリーンを3φにセットし同時投入し解繊を試み見事な綿状の加工物を取出した。実施例2と同様の方法でホウ素系水溶液を噴霧・浸漬させて、実施例2の試験体と共に試験を行い、建築・住宅用断熱材として利用できることを確認した。
実施例2および実施例3について、ブローイング機を試作して山口市仁保の住宅において、山口県産業技術センターの職員立会の元施工試験を行った。天井面に対しては、マットに吹き込み敷き込み実験を行った。
2011年10月に竹およびスギ木皮およびダンボールを材料とした、材単独および複合した15種類の綿状解繊加工物を取り出し、実施例2と同様のホウ素系水溶液を噴霧・浸漬し、天日乾燥をさせた後に、山口県産業技術センターへ15サンプルすべてを持ち込み、ホウ素無加工物と加工物の性状変化のデーターを得て、嵩密度別の熱伝導率のデーターを得る事により、多くの数値データーを得た。
優れた数値を得られたホウ素加工物3サンプルを選択し、材料試験センター山口試験所に持ち込み難燃3級の表面試験を行いデーターを得た。
2012年2月に山口県美祢市に於いて壁面構造体を作成し、既存セルロースファイバー住宅用断熱材の施工機械により、山口県産業技術センターの職員立会の元施工試験を行った。この結果、竹単体の綿状解繊加工物は比重が他より少し高く、流動性も劣るのか機械装置のジョイント部分で詰まることが多く改良の余地があることが判った。竹とダンボールの複合綿状解繊加工物は、流動性が向上した結果が得られた。スギ木皮の綿状解繊加工物は単体でも優れた流動性を示した。
2015年8月に竹の綿状解繊加工物を有効な手段で、建築・住宅用断熱材として利用するための試行錯誤の上、硬質発泡ウレタンの一液剤を入手し試験を行った。硬質発泡ウレタン一液剤を投入した中に、竹の綿状解繊加工材を投入してかき混ぜ、発泡硬化時間を経過した複合混合物を取り出すと、綿状化となる縮れた状態の繊維が硬質ウレタン樹脂が発泡・いわば立体的膨張拡大する中では、線材は伸長する性状を示し、目的とした補強材としての役割に好都合にハイブリッド化する現象が現れていた。樹脂発泡により脆くなる樹脂版として相応しいことが判った。熱伝導率が低く断熱性能の優れた硬質発泡ウレタン樹脂と、より高い断熱性能値を示す発泡フェノール樹脂板の優れた性能を活かせる手段として提供できる。
本発明は、我が国の地球温暖化対策と環境保護の観点から、地域木材の利用拡大を目指す政策課題にも合致する商品の製造方法を提供するものである。
以上説明したように本発明は、木質材料から乾式処理により綿状の繊維物を得る方法および得られた綿状の繊維物を用いてなる建材であり、環境保全、木質バイオマス利用に関する技術分野ならびに建築に関する技術分野において利用可能である。

Claims (7)

  1. 特許刃物構造を装着した乾式解繊機械装置にスギ、ヒノキ、カラマツ、モミ、ツガ等に代表される針葉樹の木皮や木片・木材及び、広葉樹の木片・木材及び、竹、笹などの木化植物体を投入し、適度な含水率により綿状解繊物が得られる加工・製造方法を提供する。
  2. 特許刃物構造を装着した乾式解繊機械装置に適度な含水率のスギ、ヒノキ、カラマツ、モミ、ツガ等に代表される針葉樹の木皮や木片・木材及び、広葉樹の木片・木材及び、竹、笹などの木化植物体と、古紙、新聞紙、段ボールなどの紙質材を重量比20〜40%同時投入して複合綿状解繊物を得られる加工・製造方法を提供する。
  3. 請求項1及び請求項2により得た加工・製造物に、重量比5%以上のホウ素系水溶液を噴霧又は、含浸法により浸透・含有させることにより防腐、防虫、防蟻、難燃処理の性能を有する建築・住宅用断熱材を得られる加工・製造方法を提供する。
  4. 請求項1及び請求項2で得た加工・製造物を、請求項3の加工・製造物は、建築・住宅用断熱材として、吹込み施工法を可能とする材料を得られる製造方法を提供する。
  5. 請求項1及び請求項2で得た加工・製造物を、請求項3の加工・製造物は、不織布や透湿シートなどで作られた袋に詰める事により、容易に取り扱い可能なマット状の建築・住宅断熱材に使用することができる。
  6. 請求項1及び請求項2で得た加工・製造物を、請求項3の加工を施した後に、水性コーティング剤とシランカップリング剤を投入し、軽圧力で成形を行うとボード状の建築・住宅用断熱材として使用できる。
  7. 竹及び笹による請求項1及び請求項2及び請求項3により得た加工・製造物は、発泡硬質ウレタン又は発泡フェノール樹脂と混合し成形板にすることにより、強度と保温性を付加した複合建築・住宅断熱材として使用することができる。
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