JP2015223782A - 繊維ボードおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量で十分な不燃性を備え、耐火住宅の建材や車両の壁材等に用いることが好適である安価な繊維ボードおよびこの繊維ボードを生産性よく製造することができる製造方法を提供することを目的としている。【解決手段】天然植物繊維を80重量%以上含み、残部が低融点樹脂繊維である繊維からなる不織布マットに、水系熱硬化性樹脂接着剤水溶液を含浸させて接着剤含浸不織布マットを得る工程と、接着剤含浸不織布マットの含水率を15重量%以下にする第1乾燥工程と、第1乾燥工程後のマットにホウ砂とホウ酸が溶解した不燃剤混合水溶液を含浸する不燃剤含浸処理工程と、不燃剤含浸処理工程後のマットを乾燥する第2乾燥工程を経て不燃処理マットを得た後、この不燃処理マットを単独であるいは複数枚積層して熱プレスする工程を備えていることを特徴としている。【選択図】 図1
Description
本発明は、難燃性あるいは不燃性が要求されるところに用いられるのに好適な繊維ボードおよびその製造方法に関する。
不燃木材は、不燃剤を含む液を入れたタンク内に木材を浸漬するとともに、タンク内の液を高圧にして、木材に不燃剤を浸透させたのち、木材を乾燥させて得られる。
しかし、建築基準法を満足する十分な不燃性を備えた不燃木材を得るには、上記浸透工程に通常1日以上かけなければならない上、上記タンクや液送管等を高圧に耐えるものにしなければならず、非常に製造コストがかかる。
したがって、不燃木材は、高価でその使用場所が限定されてしまうという問題がある。
しかし、建築基準法を満足する十分な不燃性を備えた不燃木材を得るには、上記浸透工程に通常1日以上かけなければならない上、上記タンクや液送管等を高圧に耐えるものにしなければならず、非常に製造コストがかかる。
したがって、不燃木材は、高価でその使用場所が限定されてしまうという問題がある。
また、不燃木材は、薄肉化すると、その強度が低下し、割れ等が生じやすいため、ある程度の厚みが必要であり、軽重量化に限界がある。
一方、ケナフ繊維や竹繊維などの植物繊維は、針葉樹や広葉樹といった木材繊維の数倍の強度を有している上、木材に比べ安価に入手することができる。そこで、それらの植物繊維からなる不織布マットに水溶性の熱硬化型接着剤(フェノール樹脂接着剤)を含浸し、熱圧成形した繊維ボードが薄型住宅用ボードなどに実用化されている(特許文献1)。
一方、ケナフ繊維や竹繊維などの植物繊維は、針葉樹や広葉樹といった木材繊維の数倍の強度を有している上、木材に比べ安価に入手することができる。そこで、それらの植物繊維からなる不織布マットに水溶性の熱硬化型接着剤(フェノール樹脂接着剤)を含浸し、熱圧成形した繊維ボードが薄型住宅用ボードなどに実用化されている(特許文献1)。
しかしながら、上記従来の繊維ボードの場合、不燃性が考慮されておらず、不燃性を必要とする耐火住宅の壁材、床材、天井材、車両用壁材等などに使用できるものはなく、用途範囲が狭いという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みて、軽量で十分な不燃性を備え、耐火住宅の建材や車両の壁材等に用いることが好適である安価な繊維ボードおよびこの繊維ボードを生産性よく製造することができる製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかる繊維ボード(以下、「本発明の繊維ボード」と記す)は、天然植物繊維のみからなる不織布マット、または、天然繊維を80重量%以上含み、残部が低融点樹脂繊維である混合繊維からなる不織布マットが、熱硬化性樹脂により繊維同士が固着されるようにプレス成形されてなる繊維ボードであって、ホウ砂およびホウ酸がボード中に分散され、不燃性を有することを特徴としている。
一方、本発明にかかる繊維ボードの製造方法(以下、「本発明の製造方法」と記す)は、
天然植物繊維のみからなる不織布マット、または、天然繊維を80重量%以上含み、残部が低融点樹脂繊維である混合繊維からなる不織布マットに、水系熱硬化性樹脂接着剤水溶液を含浸させて接着剤含浸不織布マットを得る工程と、接着剤含浸不織布マットの含水率を15重量%以下にする第1乾燥工程と、第1乾燥工程後のマットにホウ砂とホウ酸が溶解した不燃剤混合水溶液を含浸する不燃剤含浸処理工程と、不燃剤含浸処理工程後のマットを乾燥する第2乾燥工程を経て不燃処理マットを得た後、この不燃処理マットを単独であるいは複数枚積層して熱プレスする工程を備えていることを特徴としている。
天然植物繊維のみからなる不織布マット、または、天然繊維を80重量%以上含み、残部が低融点樹脂繊維である混合繊維からなる不織布マットに、水系熱硬化性樹脂接着剤水溶液を含浸させて接着剤含浸不織布マットを得る工程と、接着剤含浸不織布マットの含水率を15重量%以下にする第1乾燥工程と、第1乾燥工程後のマットにホウ砂とホウ酸が溶解した不燃剤混合水溶液を含浸する不燃剤含浸処理工程と、不燃剤含浸処理工程後のマットを乾燥する第2乾燥工程を経て不燃処理マットを得た後、この不燃処理マットを単独であるいは複数枚積層して熱プレスする工程を備えていることを特徴としている。
本発明において、天然植物繊維としては、特に限定されないが、ケナフ繊維、ジュート、繊維、サイザル麻繊維等の麻系繊維や竹繊維が好適である。
天然植物繊維の径は、特に限定されないが、平均径で100μm〜200μmが好ましい。
天然植物繊維の径は、特に限定されないが、平均径で100μm〜200μmが好ましい。
また、天然植物繊維として竹繊維を用いれば、放置竹林等の有効利用につながる。
なお、竹繊維は、たとえば、伐採した竹を、破砕、切削等して得た竹チップを熱水処理、あるいは弱アルカリで前処理したのち、コーミング、捻りローラー等を用いて繊維化したのち、解繊機(反毛機)を用いて解繊する事によって得られる。
なお、竹繊維は、たとえば、伐採した竹を、破砕、切削等して得た竹チップを熱水処理、あるいは弱アルカリで前処理したのち、コーミング、捻りローラー等を用いて繊維化したのち、解繊機(反毛機)を用いて解繊する事によって得られる。
本発明において、熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂などが挙げられ、フェノール樹脂が好適である。
本発明の繊維ボードは、特に限定されないが、密度を1g/cm3以上とすることが好ましい。すなわち、密度が1g/cm3未満であると、不燃剤の分散量が少ないため、繊維ボードの用途によっては、その不燃性能の規格を十分に満足できなくなるおそれがある。
なお、耐火建築に用いる繊維ボードは密度を1.2g/cm3以上とすることが好ましく、1.3g/cm3以上より好ましい。
なお、耐火建築に用いる繊維ボードは密度を1.2g/cm3以上とすることが好ましく、1.3g/cm3以上より好ましい。
本発明の繊維ボードは、不織布マットが、天然植物繊維のみ、または、天然植物繊維を80重量%以上含み、残部が低融点樹脂繊維である混合繊維からなる。
なお、天然植物繊維のみでは、細かくニードルパンチ加工すれば、得られる不織布マットのハンドリング性に問題なくなるが、細かくニードルパンチしようとすると不織布マットの製造スピードが遅くなる可能性がある。
一方、上記混合繊維を用いるようにすると、解繊機やカード機等を用いてフリース化したのち、得られたフリースを加熱処理するだけで、低融点樹脂繊維と天然植物繊維との交絡部が融着状態になるため、ニードルパンチ加工を粗めにするあるいはニードルパンチ加工することがなくてもハンドリング性が確保でき、不織布マットの製造スピードを上げることができる。
なお、天然植物繊維のみでは、細かくニードルパンチ加工すれば、得られる不織布マットのハンドリング性に問題なくなるが、細かくニードルパンチしようとすると不織布マットの製造スピードが遅くなる可能性がある。
一方、上記混合繊維を用いるようにすると、解繊機やカード機等を用いてフリース化したのち、得られたフリースを加熱処理するだけで、低融点樹脂繊維と天然植物繊維との交絡部が融着状態になるため、ニードルパンチ加工を粗めにするあるいはニードルパンチ加工することがなくてもハンドリング性が確保でき、不織布マットの製造スピードを上げることができる。
混合繊維を用いる場合、天然植物繊維の割合は80重量%以上(好ましくは85重量%以上)に限定されるが、その理由は、天然植物繊維の割合が少なくなると、得られる繊維ボードの強度が低下し、天然植物繊維の割合が、80重量%未満になってくると建築材料としての強度に問題がでてくるためである。
上記低融点樹脂繊維としては、特に限定されないが、たとえば、融点100〜140℃の低融点ポリエステル繊維が好ましい。
本発明の製造方法において、第1乾燥工程および第2乾燥工程での乾燥方法は、特に限定されず、常温乾燥させてもよいし、接着剤が熱硬化しない程度の温度(たとえば、80〜90℃)で熱乾燥させてもよい。
なお、各工程を連続的に行うのであれば、乾燥時間を短縮するために熱乾燥させることが好ましい。
なお、各工程を連続的に行うのであれば、乾燥時間を短縮するために熱乾燥させることが好ましい。
また、第1乾燥工程での乾燥度合いは、次工程で接着剤が流れ落ちずに、接着剤の不織布マットへの付着状態が確保でき、次工程でのハンドリング性などを阻害しなければ、特に限定されないが、接着剤含浸不織布マット全体で含水率が10〜15重量%になるまで乾燥することが好ましい。
第2乾燥工程での乾燥度合いは、乾燥後の不燃剤含浸不織布マットの含水率が、2〜10重量%とすることが好ましく、3〜8重量%がより好ましく、4〜8重量%がさらに好ましい。
すなわち、不燃剤含浸不織布マットの含水率が少ない過ぎると、熱プレス工程において、接着剤の流動性が悪くなり、繊維同士の接着が不十分で、得られる繊維ボードの厚みが不均一になるとともに、強度の低下を招くおそれがある。また、接着剤によって不燃剤がうまく囲まれた状態にならず、繊維ボードとなった状態で溶出したり、不燃剤が剥がれ落ちたりしやすくなる。一方、含水率が多すぎると、熱プレス作業に時間がかかるおそれがある。
すなわち、不燃剤含浸不織布マットの含水率が少ない過ぎると、熱プレス工程において、接着剤の流動性が悪くなり、繊維同士の接着が不十分で、得られる繊維ボードの厚みが不均一になるとともに、強度の低下を招くおそれがある。また、接着剤によって不燃剤がうまく囲まれた状態にならず、繊維ボードとなった状態で溶出したり、不燃剤が剥がれ落ちたりしやすくなる。一方、含水率が多すぎると、熱プレス作業に時間がかかるおそれがある。
なお、不燃剤水溶液含浸工程と、第2乾燥工程は、必要に応じて繰り返し行うようにしてもよい。
不燃剤水溶液含浸工程と、第2乾燥工程を繰り返し行うことで、ホウ砂、ホウ酸濃度が低い不燃剤水溶液を用いても、不燃剤が高濃度の不燃処理マットを得ることができる。
したがって、不燃剤水溶液の濃度および 不燃剤水溶液含浸工程と、第2乾燥工程を繰り返しの回数は、得ようとする繊維ボードが要求される不燃性のレベルに応じて予め経験的に求めておく。
不燃剤水溶液含浸工程と、第2乾燥工程を繰り返し行うことで、ホウ砂、ホウ酸濃度が低い不燃剤水溶液を用いても、不燃剤が高濃度の不燃処理マットを得ることができる。
したがって、不燃剤水溶液の濃度および 不燃剤水溶液含浸工程と、第2乾燥工程を繰り返しの回数は、得ようとする繊維ボードが要求される不燃性のレベルに応じて予め経験的に求めておく。
本発明の製造方法において、不燃剤混合水溶液には、ホウ砂、ホウ酸以外に上記熱硬化性樹脂接着剤を混合しておくことが好ましい。
すなわち、接着剤含浸工程において、接着剤水溶液を不織布マットに含浸させると、分子量の小さい樹脂はマットを構成する各繊維内部に入り込むが、分子量の大きい樹脂は、繊維表面にとどまりやすい。したがって、不燃剤を含浸させても分子の大きい不燃剤は、繊維の内部まで入り込まず、繊維表面部分を覆うように分布すると思われる。
すなわち、接着剤含浸工程において、接着剤水溶液を不織布マットに含浸させると、分子量の小さい樹脂はマットを構成する各繊維内部に入り込むが、分子量の大きい樹脂は、繊維表面にとどまりやすい。したがって、不燃剤を含浸させても分子の大きい不燃剤は、繊維の内部まで入り込まず、繊維表面部分を覆うように分布すると思われる。
そこで、不燃剤混合水溶液中に上記と同様の熱硬化性樹脂接着剤を添加混合しておけば、不燃剤の周囲に接着剤が存在しており、熱プレスにより接着剤が硬化する際に、予め繊維表面に留まった接着剤とともに、不燃剤を繊維表面にしっかりと定着させることができる。
また、不燃剤の周囲が接着剤で包まれた状態になるので、不燃剤の溶出も防止できる。
また、不燃剤の周囲が接着剤で包まれた状態になるので、不燃剤の溶出も防止できる。
なお、不燃剤混合水溶液中に添加混合する熱硬化性樹脂接着剤の濃度は、不燃剤の固形量に対し、接着剤の固形分が1.5〜2.5重量%程度が好ましい。
本発明の製造方法において、熱硬化性樹脂接着剤は、水で希釈して用いることができるもの(水系熱硬化性樹脂接着剤あるいは水分散型熱硬化性樹脂接着剤)で、特に限定されないが、たとえば、レゾールタイプのフェノール樹脂接着剤、メラミン樹脂接着剤、尿素樹脂接着剤が挙げられる。また、レゾールタイプのフェノール樹脂接着剤としては、たとえば、アイカ工業社の品番PX−341を用いることができる。
本発明の製造方法において、不燃剤混合水溶液は、ホウ砂とホウ酸を重量比で4:6〜6:4の割合で80℃以上の温度の水に溶解させて得ることが好ましい。
すなわち、ホウ砂およびホウ酸が高濃度の不燃剤混合水溶液が得られ、少ない含浸処理回数(例えば一度の含浸処理)でホウ砂およびホウ酸が高濃度に分散された状態にすることができる。
すなわち、ホウ砂およびホウ酸が高濃度の不燃剤混合水溶液が得られ、少ない含浸処理回数(例えば一度の含浸処理)でホウ砂およびホウ酸が高濃度に分散された状態にすることができる。
本発明の製造方法において、用いられる不織布マットは、目付け重量が、350〜700g/m2であることが好ましい。
すなわち、目付け重量が大きくなると、熱プレス時にプレス盤にかかる反力が大きくボードを押し切れない。そして、密度を上げるため不燃剤の添加量を増加すると、プレス時に膨れが生じるとともにボード表面がぱさつくようになる。
一方、目付け重量が小さくなると、十分な強度や釘打ち性能が得られなくなるおそれがある。
すなわち、目付け重量が大きくなると、熱プレス時にプレス盤にかかる反力が大きくボードを押し切れない。そして、密度を上げるため不燃剤の添加量を増加すると、プレス時に膨れが生じるとともにボード表面がぱさつくようになる。
一方、目付け重量が小さくなると、十分な強度や釘打ち性能が得られなくなるおそれがある。
本発明の繊維ボードは、上記のように、天然植物繊維のみからなる不織布マット、または、天然繊維を80重量%以上含み、残部が低融点樹脂繊維である混合繊維からなる不織布マットが、熱硬化性樹脂により繊維同士が固着されるようにプレス成形されてなる繊維ボードであって、ホウ砂およびホウ酸がボード中に分散され、不燃性を有する。そして、軽量で生産性よく不燃化を図ることができ、耐火建築物の建材や車両の壁材等として用いることができる。また、薄肉であっても厚い木材と同じような強度が得られるので、壁の厚さを薄くすることができ、建築物や車両の室内空間を広くすることが可能となる。
一方、本発明にかかる繊維ボードの製造方法(以下、「本発明の製造方法」と記す)は、天然植物繊維のみからなる不織布マット、または、天然繊維を80重量%以上含み、残部が低融点樹脂繊維である混合繊維からなる不織布マットに、熱硬化性樹脂接着剤水溶液を含浸させて接着剤含浸不織布マットを得る工程と、接着剤含浸不織布マットの含水率を15重量%以下にする第1乾燥工程と、第1乾燥工程後のマットにホウ砂とホウ酸が溶解した不燃剤混合水溶液を含浸する不燃剤含浸処理工程と、不燃剤含浸処理工程後のマットを乾燥する第2乾燥工程を経て不燃処理マットを得た後、この不燃処理マットを単独であるいは複数枚積層して熱プレスする工程を備えているので、上記本発明の繊維ボードを生産性よく製造することができる。すなわち、不織布マットに熱硬化性樹脂接着剤水溶液と、不燃剤混合水溶液を含浸させるだけであるので、木材のように含浸に長時間有することがない。また、その後の乾燥工程も短時間で完了させることができる。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は、本発明の製造方法の1つの実施の形態をあらわしている。
図1は、本発明の製造方法の1つの実施の形態をあらわしている。
図1に示すように、この製造方法は、以下に詳述するように、不織布マット化工程と、接着剤含浸工程と、第1乾燥工程と、不燃剤含浸工程と、第2乾燥工程と、熱プレス工程とを備えている。
(不織布マット化工程)
天然植物繊維を80重量%以上、残部が低融点合成樹脂繊維となるようにフリース装置で連続的にフリース化するとともに、フリースを熱処理およびニードルパンチの少なくともいずれかを実施し、目付け重量350〜700g/m2の長尺の不織布マットを得る。
天然植物繊維を80重量%以上、残部が低融点合成樹脂繊維となるようにフリース装置で連続的にフリース化するとともに、フリースを熱処理およびニードルパンチの少なくともいずれかを実施し、目付け重量350〜700g/m2の長尺の不織布マットを得る。
(接着剤含浸工程)
図2に示すように、不織布マット1にフェノール樹脂接着剤水溶液2をシャワーリングするとともに、シャワーリング後に不織布マット1を第1絞りローラー3、3で不織布マット1を押し拡げながら圧縮し、フェノール樹脂接着剤水溶液2を第1接着剤水溶液含浸不織布マット4としたのち、第2絞りローラー5,5間で余剰の接着剤水溶液を搾り取り,第2接着剤含浸不織布マット6を得る。
図2に示すように、不織布マット1にフェノール樹脂接着剤水溶液2をシャワーリングするとともに、シャワーリング後に不織布マット1を第1絞りローラー3、3で不織布マット1を押し拡げながら圧縮し、フェノール樹脂接着剤水溶液2を第1接着剤水溶液含浸不織布マット4としたのち、第2絞りローラー5,5間で余剰の接着剤水溶液を搾り取り,第2接着剤含浸不織布マット6を得る。
(第1乾燥工程)
第2接着剤含浸不織布マット6の含水率が10重量%〜15重量%になるまで乾燥させる。
乾燥は、接着剤含浸工程後に設けられた連続乾燥炉中で連続的に行うことが好ましいが、棚等で自然乾燥させても構わない。
第2接着剤含浸不織布マット6の含水率が10重量%〜15重量%になるまで乾燥させる。
乾燥は、接着剤含浸工程後に設けられた連続乾燥炉中で連続的に行うことが好ましいが、棚等で自然乾燥させても構わない。
(不燃剤含浸工程)
80〜90℃の水に、重量比でホウ砂:ホウ酸=4:6〜6:4の割合となるようにホウ砂、ホウ酸を溶解(好ましくは、ほぼそれぞれが飽和状態)させるとともに、固形分が不燃剤の固形重量の2%となるように水溶液中に上記フェノール樹脂接着剤を添加した接着剤添加不燃剤水溶液7を得る。
図3に示すように、得られた接着剤添加不燃剤水溶液7を第2接着剤含浸不織布マット6にロールコーター装置8等によって塗布含浸させて不燃剤含浸不織布マット9を得る。
80〜90℃の水に、重量比でホウ砂:ホウ酸=4:6〜6:4の割合となるようにホウ砂、ホウ酸を溶解(好ましくは、ほぼそれぞれが飽和状態)させるとともに、固形分が不燃剤の固形重量の2%となるように水溶液中に上記フェノール樹脂接着剤を添加した接着剤添加不燃剤水溶液7を得る。
図3に示すように、得られた接着剤添加不燃剤水溶液7を第2接着剤含浸不織布マット6にロールコーター装置8等によって塗布含浸させて不燃剤含浸不織布マット9を得る。
(第2乾燥工程)
上記不燃剤含浸不織布マットを乾燥して、含水率を2〜10重量%、好ましくは3〜8重量%にする。
上記不燃剤含浸不織布マットを乾燥して、含水率を2〜10重量%、好ましくは3〜8重量%にする。
(熱プレス工程)
第2乾燥工程を経て得られた乾燥不燃剤含浸不織布マットをプレス装置の上下の熱盤で挟んで熱プレスして、フェノール樹脂接着剤を熱硬化させて繊維ボードを得る。
なお、乾燥不燃剤含浸不織布マットを複数枚重ねることによって、繊維ボードの厚みを制御することができる。
第2乾燥工程を経て得られた乾燥不燃剤含浸不織布マットをプレス装置の上下の熱盤で挟んで熱プレスして、フェノール樹脂接着剤を熱硬化させて繊維ボードを得る。
なお、乾燥不燃剤含浸不織布マットを複数枚重ねることによって、繊維ボードの厚みを制御することができる。
このようにして得られた繊維ボードは、ホウ砂およびホウ酸がボード中に分散され、不燃性を有する。そして、軽量で生産性よく不燃化を図ることができ、耐火建築物の建材や車両の壁材等として用いることができる。また、薄肉であっても厚い木材と同じような強度が得られるので、壁の厚さを薄くすることができ、建築物や車両の室内空間を広くすることが可能となる。
さらに、天然植物繊維が絡み合い、圧縮状態で熱硬化したフェノール樹脂によって
繊維同士がしっかりと固着されているので、釘打ちも可能である。そして、表面をサンディングして天然木の単板をはり合わせれば、不燃性の軽量な化粧壁材として用いることができる。
また、上記繊維ボードの製造方法は、80〜90℃の水に、重量比でホウ砂:ホウ酸=4:6〜6:4の割合でほぼそれぞれが飽和となるように溶解させて不燃剤水溶液を得るようにすれば、ホウ砂およびホウ酸の合計濃度、すなわち、不燃剤濃度を高くして含浸により多量の不燃剤を不織布マット中に含浸分散させることができる。
繊維同士がしっかりと固着されているので、釘打ちも可能である。そして、表面をサンディングして天然木の単板をはり合わせれば、不燃性の軽量な化粧壁材として用いることができる。
また、上記繊維ボードの製造方法は、80〜90℃の水に、重量比でホウ砂:ホウ酸=4:6〜6:4の割合でほぼそれぞれが飽和となるように溶解させて不燃剤水溶液を得るようにすれば、ホウ砂およびホウ酸の合計濃度、すなわち、不燃剤濃度を高くして含浸により多量の不燃剤を不織布マット中に含浸分散させることができる。
また、不燃剤水溶液中にフェノール樹脂接着剤を添加するようにしたので、不燃剤の周囲に接着剤が存在した状態で接着剤含浸不織布マットに含浸されるので、接着剤含浸不織布マットの表面に付着した接着剤と、不燃剤の周囲に存在する接着剤とによって包まれた状態で表面に不燃剤(ホウ砂、ホウ酸)が定着し、その状態で硬化されるため、表面付近の不燃剤がしっかりと固定される。勿論、不織布マットの内部まで含浸した不燃剤は、マット内部でしっかりと固着される。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
たとえば、上記の実施の形態では。接着剤水溶液をシャワーリングしていたが、不織布マットを接着剤水溶液中に潜らせる、あるいは、浸漬状態で保持するようにしてもよい。
たとえば、上記の実施の形態では。接着剤水溶液をシャワーリングしていたが、不織布マットを接着剤水溶液中に潜らせる、あるいは、浸漬状態で保持するようにしてもよい。
以下に、本発明の具体的な実施例を説明する。
(実施例1)
ケナフ繊維(バングラデシュ産平均径約100μm)が85重量%、低融点ポリエステル繊維(リサイクル繊維、繊度1.4d)が15重量%からなる厚さ15〜20mmの不織布マット(目付け350〜400g/m2)を用意した。
水系フェノール樹脂接着剤(アイカ工業社製商品名PX341、固形分45重量%)100重量部に対し、水150重量部を加え、接着剤希釈液を得た。
上記不織布マットの両面から不織布マットに上記接着剤希釈液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させたのち、この接着剤含浸マットを約10分間90℃の雰囲気中で乾燥(第1乾燥工程)させて含水率が10〜15%の乾燥接着剤含浸マットを得た。
重量比で1:1の混合割合であるホウ砂およびホウ酸を、80〜90℃に加熱したホウ砂およびホウ酸の総重量の3倍量の水に溶解させて、不燃剤水溶液を得た。
この不燃剤水溶液を上記乾燥接着剤含浸マットの両面から乾燥接着剤含浸マットに上記80〜90℃に保たれた不燃剤水溶液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させた。
得られた不燃剤含浸マットを約60分間90℃の雰囲気中で乾燥(第2乾燥工程)させて含水率が8%の乾燥不燃剤含浸マットを得た。
得られた乾燥不燃剤含浸マットを2枚重ね、以下の熱プレス条件で熱プレスして繊維ボードを得た。
〔熱プレス条件〕
上熱盤温度:160℃
下熱盤温度:160℃
上熱盤と下熱盤とのスペーサ厚み:1.4mm
プレス時間:3分
ケナフ繊維(バングラデシュ産平均径約100μm)が85重量%、低融点ポリエステル繊維(リサイクル繊維、繊度1.4d)が15重量%からなる厚さ15〜20mmの不織布マット(目付け350〜400g/m2)を用意した。
水系フェノール樹脂接着剤(アイカ工業社製商品名PX341、固形分45重量%)100重量部に対し、水150重量部を加え、接着剤希釈液を得た。
上記不織布マットの両面から不織布マットに上記接着剤希釈液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させたのち、この接着剤含浸マットを約10分間90℃の雰囲気中で乾燥(第1乾燥工程)させて含水率が10〜15%の乾燥接着剤含浸マットを得た。
重量比で1:1の混合割合であるホウ砂およびホウ酸を、80〜90℃に加熱したホウ砂およびホウ酸の総重量の3倍量の水に溶解させて、不燃剤水溶液を得た。
この不燃剤水溶液を上記乾燥接着剤含浸マットの両面から乾燥接着剤含浸マットに上記80〜90℃に保たれた不燃剤水溶液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させた。
得られた不燃剤含浸マットを約60分間90℃の雰囲気中で乾燥(第2乾燥工程)させて含水率が8%の乾燥不燃剤含浸マットを得た。
得られた乾燥不燃剤含浸マットを2枚重ね、以下の熱プレス条件で熱プレスして繊維ボードを得た。
〔熱プレス条件〕
上熱盤温度:160℃
下熱盤温度:160℃
上熱盤と下熱盤とのスペーサ厚み:1.4mm
プレス時間:3分
(実施例2)
ケナフ繊維(バングラデシュ産平均径約100μm)が85重量%、低融点ポリエステル繊維(リサイクル繊維、繊度1.4d)が15重量%からなる厚さ15〜20mmの不織布マット(目付け350〜400g/m2)を用意した。
水系フェノール樹脂接着剤(アイカ工業社製商品名PX341、固形分45重量%)100重量部に対し、水150重量部を加え、接着剤希釈液を得た。
上記不織布マットの両面から不織布マットに上記接着剤希釈液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させたのち、この接着剤含浸マットを90℃の雰囲気中で乾燥(第1乾燥工程)させて含水率が10〜15%の乾燥接着剤含浸マットを得た。
重量比で1:1の混合割合であるホウ砂およびホウ酸を、80〜90℃に加熱したホウ砂およびホウ酸の総重量の3倍量の水に溶解させて、不燃剤水溶液を得た。
この不燃剤水溶液を上記乾燥接着剤含浸マットの両面から乾燥接着剤含浸マットに上記80〜90℃に保たれた不燃剤水溶液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させた。
得られた不燃剤含浸マットを90℃の雰囲気中で乾燥(第2乾燥工程)させて含水率が6%の乾燥不燃剤含浸マットを得た。
得られた乾燥不燃剤含浸マットを2枚重ね、以下の熱プレス条件で熱プレスして繊維ボードを得た。
〔熱プレス条件〕
上熱盤温度:160℃
下熱盤温度:160℃
上熱盤と下熱盤とのスペーサ厚み:1.4mm
プレス時間:3分
ケナフ繊維(バングラデシュ産平均径約100μm)が85重量%、低融点ポリエステル繊維(リサイクル繊維、繊度1.4d)が15重量%からなる厚さ15〜20mmの不織布マット(目付け350〜400g/m2)を用意した。
水系フェノール樹脂接着剤(アイカ工業社製商品名PX341、固形分45重量%)100重量部に対し、水150重量部を加え、接着剤希釈液を得た。
上記不織布マットの両面から不織布マットに上記接着剤希釈液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させたのち、この接着剤含浸マットを90℃の雰囲気中で乾燥(第1乾燥工程)させて含水率が10〜15%の乾燥接着剤含浸マットを得た。
重量比で1:1の混合割合であるホウ砂およびホウ酸を、80〜90℃に加熱したホウ砂およびホウ酸の総重量の3倍量の水に溶解させて、不燃剤水溶液を得た。
この不燃剤水溶液を上記乾燥接着剤含浸マットの両面から乾燥接着剤含浸マットに上記80〜90℃に保たれた不燃剤水溶液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させた。
得られた不燃剤含浸マットを90℃の雰囲気中で乾燥(第2乾燥工程)させて含水率が6%の乾燥不燃剤含浸マットを得た。
得られた乾燥不燃剤含浸マットを2枚重ね、以下の熱プレス条件で熱プレスして繊維ボードを得た。
〔熱プレス条件〕
上熱盤温度:160℃
下熱盤温度:160℃
上熱盤と下熱盤とのスペーサ厚み:1.4mm
プレス時間:3分
(実施例3)
ケナフ繊維(バングラデシュ産平均径約100μm)が85重量%、低融点ポリエステル繊維(リサイクル繊維、繊度1.4d)が15重量%からなる厚さ15〜20mmの不織布マット(目付け350〜400g/m2)を用意した。
水系フェノール樹脂接着剤(アイカ工業社製商品名PX341、固形分45重量%)100重量部に対し、水150重量部を加え、接着剤希釈液を得た。
上記不織布マットの両面から不織布マットに上記接着剤希釈液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させたのち、この接着剤含浸マットを90℃の雰囲気中で乾燥(第1乾燥工程)させて含水率が10〜15%の乾燥接着剤含浸マットを得た。
重量比で1:1の混合割合であるホウ砂およびホウ酸を、80〜90℃に加熱したホウ砂およびホウ酸の総重量の3倍量の水に溶解させて、不燃剤水溶液を得た。
この不燃剤水溶液を上記乾燥接着剤含浸マットの両面から乾燥接着剤含浸マットに上記80〜90℃に保たれた不燃剤水溶液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させた。
得られた不燃剤含浸マットを90℃の雰囲気中で乾燥(第2乾燥工程)させて含水率が3%の乾燥不燃剤含浸マットを得た。
得られた乾燥不燃剤含浸マットを2枚重ね、以下の熱プレス条件で熱プレスして繊維ボードを得た。
〔熱プレス条件〕
上熱盤温度:160℃
下熱盤温度:160℃
上熱盤と下熱盤とのスペーサ厚み:1.4mm
プレス時間:3分
ケナフ繊維(バングラデシュ産平均径約100μm)が85重量%、低融点ポリエステル繊維(リサイクル繊維、繊度1.4d)が15重量%からなる厚さ15〜20mmの不織布マット(目付け350〜400g/m2)を用意した。
水系フェノール樹脂接着剤(アイカ工業社製商品名PX341、固形分45重量%)100重量部に対し、水150重量部を加え、接着剤希釈液を得た。
上記不織布マットの両面から不織布マットに上記接着剤希釈液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させたのち、この接着剤含浸マットを90℃の雰囲気中で乾燥(第1乾燥工程)させて含水率が10〜15%の乾燥接着剤含浸マットを得た。
重量比で1:1の混合割合であるホウ砂およびホウ酸を、80〜90℃に加熱したホウ砂およびホウ酸の総重量の3倍量の水に溶解させて、不燃剤水溶液を得た。
この不燃剤水溶液を上記乾燥接着剤含浸マットの両面から乾燥接着剤含浸マットに上記80〜90℃に保たれた不燃剤水溶液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させた。
得られた不燃剤含浸マットを90℃の雰囲気中で乾燥(第2乾燥工程)させて含水率が3%の乾燥不燃剤含浸マットを得た。
得られた乾燥不燃剤含浸マットを2枚重ね、以下の熱プレス条件で熱プレスして繊維ボードを得た。
〔熱プレス条件〕
上熱盤温度:160℃
下熱盤温度:160℃
上熱盤と下熱盤とのスペーサ厚み:1.4mm
プレス時間:3分
(実施例4)
ケナフ繊維(バングラデシュ産平均径約100μm)が85重量%、低融点ポリエステル繊維(リサイクル繊維、繊度1.4d)が15重量%からなる厚さ15〜20mmの不織布マット(目付け350〜400g/m2)を用意した。
水系フェノール樹脂接着剤(アイカ工業社製商品名PX341、固形分45重量%)100重量部に対し、水150重量部を加え、接着剤希釈液を得た。
上記不織布マットの両面から不織布マットに上記接着剤希釈液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させたのち、この接着剤含浸マットを90℃の雰囲気中で乾燥(第1乾燥工程)させて含水率が10〜15%の乾燥接着剤含浸マットを得た。
重量比で1:1の混合割合であるホウ砂およびホウ酸と、上記水系フェノール樹脂接着剤(アイカ工業社製商品名PX341、固形分45重量%)を、上記水系フェノール樹脂接着剤がホウ砂、ホウ酸の総量の11重量%の割合で加えるとともに、水系フェノール樹脂接着剤、ホウ砂およびホウ酸の総量の4倍量の80〜90℃に加熱した水に溶解させて、接着剤入り不燃剤水溶液を得た。
この接着剤入り不燃剤水溶液を上記乾燥接着剤含浸マットの両面から乾燥接着剤含浸マットに上記80〜90℃に保たれた不燃剤水溶液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させた。
得られた不燃剤含浸マットを90℃の雰囲気中で乾燥(第2乾燥工程)させて含水率が8%の乾燥不燃剤含浸マットを得た。
得られた乾燥不燃剤含浸マットを2枚重ね、以下の熱プレス条件で熱プレスして繊維ボードを得た。
〔熱プレス条件〕
上熱盤温度:160℃
下熱盤温度:160℃
上熱盤と下熱盤とのスペーサ厚み:1.4mm
プレス時間:3分
ケナフ繊維(バングラデシュ産平均径約100μm)が85重量%、低融点ポリエステル繊維(リサイクル繊維、繊度1.4d)が15重量%からなる厚さ15〜20mmの不織布マット(目付け350〜400g/m2)を用意した。
水系フェノール樹脂接着剤(アイカ工業社製商品名PX341、固形分45重量%)100重量部に対し、水150重量部を加え、接着剤希釈液を得た。
上記不織布マットの両面から不織布マットに上記接着剤希釈液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させたのち、この接着剤含浸マットを90℃の雰囲気中で乾燥(第1乾燥工程)させて含水率が10〜15%の乾燥接着剤含浸マットを得た。
重量比で1:1の混合割合であるホウ砂およびホウ酸と、上記水系フェノール樹脂接着剤(アイカ工業社製商品名PX341、固形分45重量%)を、上記水系フェノール樹脂接着剤がホウ砂、ホウ酸の総量の11重量%の割合で加えるとともに、水系フェノール樹脂接着剤、ホウ砂およびホウ酸の総量の4倍量の80〜90℃に加熱した水に溶解させて、接着剤入り不燃剤水溶液を得た。
この接着剤入り不燃剤水溶液を上記乾燥接着剤含浸マットの両面から乾燥接着剤含浸マットに上記80〜90℃に保たれた不燃剤水溶液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させた。
得られた不燃剤含浸マットを90℃の雰囲気中で乾燥(第2乾燥工程)させて含水率が8%の乾燥不燃剤含浸マットを得た。
得られた乾燥不燃剤含浸マットを2枚重ね、以下の熱プレス条件で熱プレスして繊維ボードを得た。
〔熱プレス条件〕
上熱盤温度:160℃
下熱盤温度:160℃
上熱盤と下熱盤とのスペーサ厚み:1.4mm
プレス時間:3分
上記実施例1〜4で得られた繊維ボードの平均ボード厚、密度、比重を計測し、その結果を表1に示した。
なお、平均ボード厚は、220mm×220mmの面積中、任意の8箇所の厚みを測定しその平均値である。密度は、JIS A5905 の密度測定方法を用いて測定した。
なお、平均ボード厚は、220mm×220mmの面積中、任意の8箇所の厚みを測定しその平均値である。密度は、JIS A5905 の密度測定方法を用いて測定した。
上記表1から第2乾燥工程で含水率を低くすると、熱プレス工程で接着剤の流動性がわるく、プレスを解除すると、膨れが大きく密度の低い繊維ボードとなることがわかる。
また、不燃剤含浸工程のおいて、不燃剤水溶液中に接着剤を添加しておくことによって、よりしっかりと不燃剤が付着した密度の高い繊維ボードを得られることがよくわかる。
また、不燃剤含浸工程のおいて、不燃剤水溶液中に接着剤を添加しておくことによって、よりしっかりと不燃剤が付着した密度の高い繊維ボードを得られることがよくわかる。
(実施例5)
ケナフ繊維(バングラデシュ産平均径約100μm)が85重量%、低融点ポリエステル繊維(リサイクル繊維、繊度1.4d)が15重量%からなる厚さ15〜20mmの不織布マット(目付け500〜550g/m2)を用意した。
水系フェノール樹脂接着剤(アイカ工業社製商品名PX341、固形分45重量%)100重量部に対し、水150重量部を加え、接着剤希釈液を得た。
上記不織布マットの両面から不織布マットに上記接着剤希釈液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させたのち、この接着剤含浸マットを約10分間90℃の雰囲気中で乾燥(第1乾燥工程)させて含水率が10〜15%の乾燥接着剤含浸マットを得た。
重量比で1:1の混合割合であるホウ砂およびホウ酸を、80〜90℃に加熱したホウ砂およびホウ酸の総重量の3倍量の水に溶解させて、不燃剤水溶液を得た。
この不燃剤水溶液を上記乾燥接着剤含浸マットの両面から乾燥接着剤含浸マットに上記80〜90℃に保たれた不燃剤水溶液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させた。
得られた不燃剤含浸マットを約60分間90℃の雰囲気中で乾燥(第2乾燥工程)させて含水率が8%の乾燥不燃剤含浸マットを得た。
得られた乾燥不燃剤含浸マットを2枚重ね、以下の熱プレス条件で熱プレスして繊維ボードを得た。
〔熱プレス条件〕
上熱盤温度:160℃
下熱盤温度:160℃
上熱盤と下熱盤とのスペーサ厚み:1.4mm
プレス時間:3分
ケナフ繊維(バングラデシュ産平均径約100μm)が85重量%、低融点ポリエステル繊維(リサイクル繊維、繊度1.4d)が15重量%からなる厚さ15〜20mmの不織布マット(目付け500〜550g/m2)を用意した。
水系フェノール樹脂接着剤(アイカ工業社製商品名PX341、固形分45重量%)100重量部に対し、水150重量部を加え、接着剤希釈液を得た。
上記不織布マットの両面から不織布マットに上記接着剤希釈液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させたのち、この接着剤含浸マットを約10分間90℃の雰囲気中で乾燥(第1乾燥工程)させて含水率が10〜15%の乾燥接着剤含浸マットを得た。
重量比で1:1の混合割合であるホウ砂およびホウ酸を、80〜90℃に加熱したホウ砂およびホウ酸の総重量の3倍量の水に溶解させて、不燃剤水溶液を得た。
この不燃剤水溶液を上記乾燥接着剤含浸マットの両面から乾燥接着剤含浸マットに上記80〜90℃に保たれた不燃剤水溶液をはけ塗りして含浸(含水率100%以上)させた。
得られた不燃剤含浸マットを約60分間90℃の雰囲気中で乾燥(第2乾燥工程)させて含水率が8%の乾燥不燃剤含浸マットを得た。
得られた乾燥不燃剤含浸マットを2枚重ね、以下の熱プレス条件で熱プレスして繊維ボードを得た。
〔熱プレス条件〕
上熱盤温度:160℃
下熱盤温度:160℃
上熱盤と下熱盤とのスペーサ厚み:1.4mm
プレス時間:3分
上記実施例1および実施例5で得られた繊維ボードからのそれぞれについて、鉄道車両の壁材としての不燃性能をそなえているか否かを以下の鉄道車両用非金属材料の試験方法を用いて調べたところ、実施例1の実施例1および実施例5のいずれの繊維ボードもアルコール燃焼中にわずかに煙がみられたものの、着火、着火炎とも認められなかった。
そして、エチルアルコールが燃え尽きたのち、繊維ボード試料を治具から取り外して炎があたって炭化した部分の最大径部分の寸法を測定したところ、実施例1の繊維ボード試料は55mm、実施例5の繊維ボード試料は45mmであった。
すなわち、いずれも鉄道車両の壁材としての十分な不燃性能を備えていることがわかった。
そして、エチルアルコールが燃え尽きたのち、繊維ボード試料を治具から取り外して炎があたって炭化した部分の最大径部分の寸法を測定したところ、実施例1の繊維ボード試料は55mm、実施例5の繊維ボード試料は45mmであった。
すなわち、いずれも鉄道車両の壁材としての十分な不燃性能を備えていることがわかった。
〔鉄道車両用非金属材料の試験方法〕
B5判(182mm×257mm)の繊維ボード試料を作製し、得られた試料ボードを治具にて長手方向を上下方向にして傾斜角45°に傾斜させて保持した。アルコール燃料容器(鉄製17.5φ×7.1 0.8t)の底の中心が試料ボードの下面中心の垂直下方25.4mm(1インチ)のところにくるように、台(コルク)の台にのせ、純エチルアルコール0.5ccを上記容器に入れて着火させた。
そして、燃え尽きるまでアルコールを燃焼させて、アルコール燃焼中の試料ボードの、着火、着火炎、発煙状態、炎の状態等を観察し、燃焼後は、残炎、残じん、炭化、変形状態を調査した。
B5判(182mm×257mm)の繊維ボード試料を作製し、得られた試料ボードを治具にて長手方向を上下方向にして傾斜角45°に傾斜させて保持した。アルコール燃料容器(鉄製17.5φ×7.1 0.8t)の底の中心が試料ボードの下面中心の垂直下方25.4mm(1インチ)のところにくるように、台(コルク)の台にのせ、純エチルアルコール0.5ccを上記容器に入れて着火させた。
そして、燃え尽きるまでアルコールを燃焼させて、アルコール燃焼中の試料ボードの、着火、着火炎、発煙状態、炎の状態等を観察し、燃焼後は、残炎、残じん、炭化、変形状態を調査した。
(実施例6)
実施例4と同様の方法で、実施例4の3枚重ね厚の繊維ボードを製造した。
そして、実施例6の繊維ボードと、9.0mm厚の針葉樹合板と、壁倍率、透湿抵抗、吸水長さ変化率(%)を比較検討し、その結果を表2に示した。
なお、壁倍率は、筋交い〔壁倍率1.0〕を基準として壁の耐力倍率を示した。
透湿抵抗については、針葉樹合板の透湿抵抗を1とした。
吸水長さ変化率は、24時間水に浸けたときの伸びる長さの変化率である。
実施例4と同様の方法で、実施例4の3枚重ね厚の繊維ボードを製造した。
そして、実施例6の繊維ボードと、9.0mm厚の針葉樹合板と、壁倍率、透湿抵抗、吸水長さ変化率(%)を比較検討し、その結果を表2に示した。
なお、壁倍率は、筋交い〔壁倍率1.0〕を基準として壁の耐力倍率を示した。
透湿抵抗については、針葉樹合板の透湿抵抗を1とした。
吸水長さ変化率は、24時間水に浸けたときの伸びる長さの変化率である。
上記表2から、本発明の繊維ボードは、針葉樹合板の半分の厚さでも針葉樹合板より高強度で、高い耐震性を確保できることがわかる。
また、針葉樹合板に比べ、透湿抵抗が1/10以下であるので、壁内結露が発生しにくいこと、吸湿長さ変化率が非常に少ないため、吸湿や吸水時の反りが小さくなることから建物の耐久性が向上することがわかる。
なお、透湿抵抗の測定は、JIS A 1324(建築材料の透湿性測定方法)に示すカップ法に基づいて行った。
また、針葉樹合板に比べ、透湿抵抗が1/10以下であるので、壁内結露が発生しにくいこと、吸湿長さ変化率が非常に少ないため、吸湿や吸水時の反りが小さくなることから建物の耐久性が向上することがわかる。
なお、透湿抵抗の測定は、JIS A 1324(建築材料の透湿性測定方法)に示すカップ法に基づいて行った。
1 不織布マット
2 フェノール樹脂接着剤水溶液
3 第1絞りローラー
4 第1接着剤水溶液含浸不織布マット
5 第2絞りローラー
6 第2接着剤含浸不織布マット
7 接着剤添加不燃剤水溶液
8 ロールコーター装置
9 不燃剤含浸不織布マット
2 フェノール樹脂接着剤水溶液
3 第1絞りローラー
4 第1接着剤水溶液含浸不織布マット
5 第2絞りローラー
6 第2接着剤含浸不織布マット
7 接着剤添加不燃剤水溶液
8 ロールコーター装置
9 不燃剤含浸不織布マット
Claims (10)
- 天然植物繊維を80重量%以上含み、残部が低融点樹脂繊維である繊維からなる不織布マットが、熱硬化性樹脂により繊維同士が固着されるようにプレス成形されてなる繊維ボードであって、ホウ砂およびホウ酸がボード中に分散され、不燃性を有することを特徴とする繊維ボード。
- 天然植物繊維が、ケナフ繊維、竹繊維、ジュート繊維、サイザル麻繊維からなる群より選ばれたいずれか1種である請求項1に記載の繊維ボード。
- 密度が1g/cm3以上である請求項1または請求項2に記載の繊維ボード。
- 低融点樹脂繊維が、融点100〜140℃の低融点ポリエステル繊維である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の繊維ボード。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の繊維ボードの製造方法であって、
天然植物繊維を80重量%以上含み、残部が低融点樹脂繊維である繊維からなる不織布マットに、水系熱硬化性樹脂接着剤水溶液を含浸させて接着剤含浸不織布マットを得る工程と、
接着剤含浸不織布マットの含水率を15重量%以下にする第1乾燥工程と、
第1乾燥工程後のマットにホウ砂とホウ酸が溶解した不燃剤混合水溶液を含浸する不燃剤含浸処理工程と、
不燃剤含浸処理工程後のマットを乾燥する第2乾燥工程を経て不燃処理マットを得た後、
この不燃処理マットを単独であるいは複数枚積層して熱プレスする工程を備えていることを特徴とする繊維ボードの製造方法。 - 第2乾燥工程でマットの含水率が2〜10重量%になるように乾燥させる請求項5に記載の繊維ボードの製造方法。
- 不燃剤混合水溶液が水系熱硬化性樹脂接着剤を含む請求項5または請求項6に記載の繊維ボードの製造方法。
- 水系熱硬化性樹脂接着剤が水系フェノール樹脂接着剤である請求項5〜請求項7のいずれかに記載の繊維ボードの製造方法。
- 不燃剤混合水溶液をホウ砂とホウ酸を重量比で4:6〜6:4の割合で80℃以上の温度の水に溶解させて得る請求項5〜請求項8のいずれかに記載の繊維ボードの製造方法。
- 繊維マットの目付け重量が、350〜700g/m2である請求項5〜請求項9のいずれかに記載の繊維ボードの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014110834A JP2015223782A (ja) | 2014-05-29 | 2014-05-29 | 繊維ボードおよびその製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101875579B1 (ko) * | 2016-03-28 | 2018-07-09 | 주식회사 서연이화 | 자동차 내장 부품용 복합소재의 제조방법 |
KR20180107524A (ko) * | 2017-03-22 | 2018-10-02 | 김문옥 | 섬유재 초지 조성물, 준불연성 섬유판재의 제조 방법 및 준불연성 섬유판재 |
CN115464740A (zh) * | 2022-10-27 | 2022-12-13 | 湖南航天康达新材料有限公司 | 防水高密度纤维板及其制备方法 |
-
2014
- 2014-05-29 JP JP2014110834A patent/JP2015223782A/ja active Pending
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KR102425845B1 (ko) | 2017-03-22 | 2022-07-28 | 김문옥 | 섬유재 초지 조성물, 준불연성 섬유판재의 제조 방법 및 준불연성 섬유판재 |
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