JPH08290409A - 廃木材を有効に再利用する木質材の製造方法 - Google Patents

廃木材を有効に再利用する木質材の製造方法

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JPH08290409A
JPH08290409A JP12062495A JP12062495A JPH08290409A JP H08290409 A JPH08290409 A JP H08290409A JP 12062495 A JP12062495 A JP 12062495A JP 12062495 A JP12062495 A JP 12062495A JP H08290409 A JPH08290409 A JP H08290409A
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  • Debarking, Splitting, And Disintegration Of Timber (AREA)
  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 木材をチップ状に加工してボードを製造する
方法を改良し、廃木材や古紙、廃棄プラスチックを資源
として有効に再利用して物性の優れた木質材を安価に量
産できる製造方法を提供する。 【構成】 廃木材を小片状に加工し、摩砕シリンダー1
0と摩砕軸7の間の摩砕隙間6に供給する。摩砕軸7は
摩砕シリンダー10の内側にあって回転している。回転
する摩砕軸7は、摩砕隙間6に供給された小片状の廃木
材を押圧状態で摩砕して繊維化された木質素材とする。
繊維状の木質素材をバインダーで結合して所定の形状に
成形し、木質材とする。原料には廃木材に加えて、古
紙、廃棄プラスチックも混入できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木造家屋の廃材や間伐
材等の廃木材を利用して木質材を製造する方法に関す
る。この明細書において『木質材』とは、木材を小さく
加工した木質素材をバインダーで結合して所定の形状に
成形したもので、木材やプラスチックに代わって、建築
用材料、家具や仏壇等に使用されるものを意味するもの
とする。
【0002】
【従来の技術】木材を小さく切断してチップ状に加工
し、このチップにバインダーを混合して板状にプレス
し、この状態でバインダーを硬化させて建築用のボード
を製造する方法は開発されている。この方法で製造され
るボードは、パーチクルボードと呼ばれている。パーチ
クルボードは、木材の砕片や削片を、ユリア樹脂やフェ
ノール樹脂をバインダーとして結合したもので、建築用
の内装材や家具、あるいは種々の用途の芯材として使用
されている。パーチクルボードは、木材を0.1〜3m
mの厚さの短い棒状に加工して砕片とし、あるいは、木
材を0.1〜0.5mmと薄くして10〜30mmの全
長に加工した削片として、これをバインダーで結合した
ものである。
【0003】さらに、木材の砕片や削片に代わって、植
物繊維を板状に成形したファイバーボードも建築用材料
に多用されている。ファイバーボードは、天井板や壁板
に多く使用されている。ファイバーボードは、廃材チッ
プ、バカス、パルプ屑、大鋸屑等を原料として製造され
る。これ等の原料は、チップ化された後、繊維化され、
水溶性フェノール樹脂等をバインダーに使用して板状に
成形される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】木材チップを結合して
製造されるパーチクルボードは、木材を砕片や削片に加
工してバインダーで結合したものであるから、充分な強
度とするためには、多量のバインダーを使用する必要が
ある。ばらばらに分散する砕片や削片を、バインダーで
結合して強度を持たせるからである。さらに、砕片や削
片を結合したものであるから、表面を凹凸のない平滑面
とするのが難しい欠点もある。さらに、木材を、決めら
れた大きさの砕片や削片に加工する必要があり、この処
理工程に手間と経費がかかる欠点もある。
【0005】ファイバーボードは、繊維を結合したもの
であるから、バインダーの使用量を少なくして、板状に
成形できる特徴がある。しかしながら、ファイバーボー
ドは、廃木材やパルプ屑等を繊維化する処理工程に手間
と経費がかかる欠点がある。
【0006】本発明は、従来のこれらの欠点を解決する
ことを目的に開発されたもので、本発明の重要な目的
は、廃木材を資源として有効に再利用して、簡単かつ高
能率に、優れた物性の木質材を安価に多量生産できる廃
木材を有効に再利用する木質材の製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
される廃木材を有効に再利用する木質材の製造方法は、
木材を小片状に加工して木質素材とし、この木質素材に
バインダーを添加して、木質材の形状に成形する木質材
の製造方法を改良したものである。本発明の廃木材を有
効に再利用する木質材の製造方法は、廃木材を小片状に
加工し、小片状に加工した廃木材を、摩砕シリンダー1
0と摩砕軸7との間の摩砕隙間6に供給する。摩砕軸7
は摩砕シリンダー10の内側にあって回転している。回
転する摩砕軸7は、摩砕隙間6に供給された小片状の廃
木材を押圧状態で摩砕して繊維化された木質素材とす
る。繊維状の木質素材をバインダーで結合して所定の形
状に成形する。
【0008】さらに、本発明の請求項2に記載される廃
木材を有効に再利用する木質材の製造方法は、小片状に
加工した廃木材に古紙を混合する。本明細書において
『古紙は段ボール』を含む広い意味に使用する。廃木材
と古紙は、摩砕シリンダー10と、回転している摩砕軸
7との間の摩砕隙間6に供給される。回転する摩砕軸7
は、摩砕隙間6に供給された小片状の廃木材と古紙を押
圧状態で摩砕して繊維化して木質素材とする。廃木材と
古紙が混合状態で繊維化された木質素材はバインダーに
結合されて所定の形状に成形される。
【0009】さらに、本発明の請求項3に記載される廃
木材を有効に再利用する木質材の製造方法は、小片状に
加工した廃木材に古紙を加え、プラスチックも混合す
る。廃木材と古紙とプラスチックは、摩砕シリンダー1
0と回転している摩砕軸7との間の摩砕隙間6に供給さ
れる。回転する摩砕軸7は、摩砕隙間6に供給された廃
木材と古紙とプラスチックを押圧状態で摩砕する。廃木
材と古紙は繊維化され、プラスチックは溶融され、繊維
化された廃木材と古紙に混合されて、廃木材と古紙とプ
ラスチックとが混合された木質素材となる。プラスチッ
クの混合された木質素材は所定の形状に成形されて木質
材となる。
【0010】
【作用】本発明の廃木材を有効に再利用する木質材の製
造方法は、廃木材をチップの状態で結合するものではな
い。廃木材は、小片状に加工された後、摩砕シリンダー
10と、その内側に配設されている回転している摩砕軸
7との間の摩砕隙間6に供給されて繊維化される。摩砕
隙間6に供給された廃木材は、回転する摩砕軸7と摩砕
シリンダー10とで押圧されながら摩砕されて繊維化さ
れた木質素材となる。この状態で摩砕される廃木材は、
決められた形状の小片状に加工する必要がない。摩砕シ
リンダー10と回転する摩砕軸7の摩砕隙間6は、形状
の不揃いな廃木材を摩砕して繊維化できるからである。
廃木材を小片状に加工する形状は、摩砕隙間6に供給で
きる形状にすれば足りる。このため、廃木材を小片状に
加工する処理を簡素化できる。
【0011】さらに、小片状の廃木材は、摩砕シリンダ
ー10と摩砕軸7の間の摩砕隙間6に供給されて、摩砕
され繊維化される。摩砕隙間6に供給された廃木材は、
摩砕シリンダー10の内面と摩砕軸7の表面とに押圧状
態で摺り潰されて木材繊維となる。このようにして、廃
木材を木材繊維に加工してバインダーで結合する本発明
の木質材の製造方法は、種々の廃木材を有効利用して木
質材とすることができる。とくに、本発明の廃木材を有
効に再利用する木質材の製造方法は、廃木材を摩砕隙間
6で摩砕し木材繊維の状態に加工してバインダーで結合
するので、優れた強度にできる特長がある。木材繊維
は、小片状のチップ等のように単に集合するのではな
く、繊維を絡ませる状態で結合できるからである。
【0012】さらに、本発明の請求項2に記載される廃
木材を有効に再利用する木質材の製造方法は、廃木材と
古紙とを一緒に摩砕隙間6に供給して繊維化された木質
素材とする。この状態で摩砕された木質素材は、廃木材
を繊維化した木材繊維と、古紙を繊維化したパルプ繊維
とが互いに絡まったものとなる。廃木材と古紙を一緒に
摩砕隙間6に押し付けて摩砕するからである。廃木材の
木材繊維と古紙のパルプ繊維とが絡まる木質素材は、両
繊維が充分に混合されると共に、強固に結合する。この
ため、廃木材と古紙を使用して、充分な強度の木質材と
できる。
【0013】さらにまた、本発明の請求項3に記載され
る廃木材を有効に再利用する木質材の製造方法は、廃木
材と古紙とプラスチックとを混合して、摩砕隙間6で摩
砕して繊維化する。この状態で得られる木材繊維は、廃
木材の木材繊維と古紙のパルプ繊維とが互いに絡まって
混合され、さらに、摩砕工程でプラスチックが溶融され
て繊維の間に均一に分散される。プラスチックの混在さ
れる繊維は、バインダーを添加することなく、これを加
熱成形して木質材とすることができる。このため、極め
て能率よく木質材を製造できる。さらに、廃木材と古紙
に添加するプラスチックには、廃棄プラスチックを使用
して有効利用できる。とくに、紙等の付着している廃棄
プラスチックを、紙を分離することなく使用して、木質
素材に使用できるので、この製造方法は、廃木材と、古
紙と、廃棄プラスチックとを有効に再利用して、木質材
に加工できる特長がある。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想
を具体化するための廃木材を有効に再利用する木質材の
製造方法を例示するものであって、本発明の製造方法
は、構成部品の種類、材質、形状、構造、処理工程等を
下記のものに特定するものでない。本発明の製造方法
は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で変更することが
できる。
【0015】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、「作用の欄」、および
「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付
記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、
実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0016】廃木材や古紙を繊維化する摩砕装置を図1
と図2に示す。これらの図に示す摩砕装置は、廃木材や
古紙等の原料を供給する供給手段1と、供給された原料
を、摩砕シリンダー10と摩砕軸7とで摩砕して繊維化
する摩砕手段2とを備えている。
【0017】供給手段1は、供給シリンダー3と、2本
のスクリュウ軸4と、スクリュウ軸4を回転するモータ
ー5とを備えている。
【0018】摩砕手段2は、摩砕シリンダー10と、摩
砕シリンダー10の開口部17に回転自在に配設されて
いる摩砕軸7と、摩砕軸7を回転自在に装着している移
動台12と、移動台12を移動させる隙間調整手段15
とを備えている。
【0019】供給シリンダー3は水平に配設され、その
排出側に摩砕シリンダー10を連結して、供給シリンダ
ー3と摩砕シリンダー10とを直列に接続している。供
給シリンダー3は、内部に2本のスクリュウ軸4を内蔵
する筒状に加工されている。供給シリンダー3の内面
は、スクリュウ軸4のフィン8の外周縁に接近する内径
に加工されている。供給シリンダー3の内面と、スクリ
ュウ軸4のフィン8外周縁の隙間は、通常0.1〜30
mm、好ましくは0.3〜20mmの範囲に調整され
る。
【0020】供給シリンダー3は、上面を開口して、開
口部17に原料の供給ホッパー9を連結している。供給
ホッパー9は、2本のスクリュウ軸4の上に廃木材、古
紙、廃棄プラスチック等の原料を供給するように、2本
のスクリュウ軸4の間に連結されている。2本のスクリ
ュウ軸4は、供給シリンダー3の内部に、回転自在に配
設されている。2本のスクリュウ軸4は、モーター5で
もって互いに反対方向に回転され、供給ホッパー9に投
入された原料を摩砕シリンダー10に圧送する。スクリ
ュウ軸4の表面には、螺旋状のフィン8を設けている。
フィン8は、互いに逆ピッチの螺旋状をしている。フィ
ン8を互いに噛み合わせる状態で2本のスクリュウ軸4
は回転され、供給ホッパー9の原料を摩砕シリンダー1
0に移送する。
【0021】2本のスクリュウ軸4は、フィン8の噛み
合い部分で、廃木材や古紙等を押し潰し、あるいは、切
断して、摩砕隙間6に効率よく圧送する。供給ホッパー
9に投入された小片状の廃木材と、紐状、シート状、袋
状、あるいは、種々の形状の廃棄プラスチックを、摩砕
隙間6で効率よく摩砕する形状にして移送する。
【0022】互いに噛み合う部分のフィン8の最小隙間
は、通常10mm以下、好ましくは、接触する状態から
5mm以下の範囲に調整される。さらに好ましくは、フ
ィン8の最小間隔は、摩砕隙間6の最大間隔にほぼ等し
く、あるいはこれより狭く調整される。
【0023】2本のスクリュウ軸4は、上端に、互いに
噛み合って反対方向に回転される歯車11を固定してい
る。一方のスクリュウ軸4を、歯車11を介してモータ
ー5に連結し、モーター5でもって歯車11の作用によ
り、両方のスクリュウ軸4を回転駆動する。ただ、図示
しないが、2本のスクリュウ軸に別々にモーターを連結
して駆動することも可能である。
【0024】図1と図2とに示す供給手段1は、2本の
スクリュウ軸4を内蔵しているが、この発明は、3本以
上のスクリュウ軸を内蔵した供給手段も使用できる。ま
た、図に示す摩砕装置は供給シリンダーを水平に配設し
ているが、図3と図4に示すように、垂直に配設するこ
ともでき、あるいは図示しないが傾斜して配設すること
もできる。垂直の供給シリンダー3は、側面に連結され
た供給ホッパー9の原料を、側面から掻き取るようにし
て、フィン8の間に取り込んで摩砕隙間6に送る。
【0025】垂直の供給シリンダー3は、側面に供給ホ
ッパー9を連結する。供給ホッパー9の底面は、供給シ
リンダー3に向けて下り勾配に傾斜している。供給ホッ
パー9に投入された廃木材、古紙、廃棄プラスチック等
の原料は、それ自体の自重でスクリュウ軸4の側面に押
圧され、スクリュウ軸4が原料を側面から掻き取って摩
砕隙間6に押し込んで供給する。原料がスクリュウ軸4
の側面に押圧される力は、供給ホッパー9の底面に対し
て勾配で調整できる。供給ホッパー9の底面が垂直に近
付くと、原料がスクリュウ軸4に押圧される力が強くな
り、反対に、供給ホッパー9の底面が水平に近付くと押
圧力は弱くなる。
【0026】摩砕シリンダー10は、廃木材や古紙等の
原料を、摩擦、加熱、摩砕して繊維化する。摩砕シリン
ダー10は、内側に配設された回転する摩砕軸7で原料
を繊維化された木質素材として排出する。摩砕シリンダ
ー10は円筒状で、内側に開口部17がある。開口部1
7は、開口端に向かって断面積が大きくなるテーパー状
になっている。この形状の開口部17は、原料を能率よ
く摩砕して繊維化でき、また、供給された原料の種類等
を考慮して、最適な状態に繊維化できる特長がある。
【0027】開口部17の横断面形状を図5に示してい
る。この図に示すように、開口部17には、複数条の溝
14を設けている。溝14は、開口部17の内面に軸方
向に延長して設けられている。溝14は、開口部17の
内面に、5〜50条設けられる。溝14の深さと幅とは
1〜10mmの範囲に設計される。溝14の断面形状
は、図5に示すように、横断面形状を半円状、あるい
は、図示しないが、方形状、台形状とすることができ
る。このように、溝14が設けられた開口部17は、原
料のスリップを少なくして、効率よく繊維化できる。
【0028】この構造の摩砕装置は、原料に混合された
プラスチックを摩擦熱で溶融させて、廃木材や古紙の繊
維に分散させる。したがって、摩砕装置は、原料のプラ
スチックを溶融して、繊維に分散させるのを理想とす
る。ただ、原料のプラスチックは、必ずしも、溶融温度
以上に加熱して完全に溶融させる必要はない。プラスチ
ックを、半溶融状態とし、あるいは、一部溶融する状態
としても、繊維に均一に分散できるからである。
【0029】摩砕シリンダー10の開口部17には、こ
れと同軸に摩砕軸7を配設している。摩砕軸7を図7に
示している。この図に示す摩砕軸7は、表面に、軸方向
に延長して4本の凸条13を設けている。凸条13は、
摩砕隙間6に送り込まれた廃木材や古紙等の原料を摩擦
して繊維化し、プラスチックを溶融して木質素材として
強制的に排出する。凸条13は、図7に示すように、摩
砕軸7の軸方向に対して傾斜している。傾斜角は、摩砕
隙間6で繊維化された木質素材の排出状態を決定する。
傾斜角が大きいと、木質素材は摩砕隙間6から速やかに
排出される。このため、処理能力が大きくなる。反対
に、傾斜角が小さいと、摩砕隙間6における木質素材の
通過時間が長くなる。このため、廃木材や古紙を充分に
繊維化し、プラスチックを充分に溶融して混合できる。
凸条13の傾斜角は、原料の処理能力と木質素材の排出
状態とを考慮して最適値に調整される。傾斜角は通常1
〜15度、好ましくは2〜10度範囲に設計される。
【0030】さらに、傾斜した凸条13は、回転する摩
砕軸7が、摩砕隙間6から木質素材を強制的に排出する
ように、傾斜方向を、図7に示すように、摩砕軸7が回
転すると、摩砕隙間6から木質素材を強制的に排出する
方向に設計されている。
【0031】凸条13の横断面の拡大図を図6に示して
いる。この図に示す凸条13は、前側面13Aと後側面
13Bとで勾配が異なり、前側面13Aは緩やかな上り
勾配の傾斜面で、後側面13Bは前側面13Aよりも急
峻な下り勾配の降下面をしている。
【0032】前側面13Aは、次第に勾配が急峻となる
曲面状をしている。好ましくは、凸条13の前側面13
Aは、所定の曲率半径で湾曲する曲面をしている。凸条
13の前側面13Aの傾斜部分の長さLは、凸条13の
高さHを考慮して最適値に調整される。また、凸条13
の高さHは、摩砕軸7の先端に向かって次第に低くなる
が、最も高い部分で、3〜40mmに設計される。
【0033】摩砕軸7は、スクリュウ軸4の先端に連結
されている。摩砕軸7は、スクリュウ軸4とは別のモー
ターで回転駆動される。摩砕軸7とスクリュウ軸4とは
異なる回転速度で回転できるように、スクリュウ軸4の
先端は、摩砕軸7の中心に回転自在で、しかも、軸方向
に移動できるように挿入されている。従って、摩砕軸7
の中心には、スクリュウ軸4の先端を回転自在に挿通で
きる円柱状の孔が設けられている。スクリュウ軸4の先
端は、摩砕軸7の孔に回転自在に挿入できる円柱状をし
ている。
【0034】摩砕軸7とスクリュウ軸4とは、一直線状
に連結されている。摩砕軸7は、軸方向に移動できるよ
うに移動台12に支承されている。摩砕軸7は、移動台
12によって軸方向に移動される。従って、摩砕軸7
は、移動台12に支承されている。
【0035】移動台12は、基台16に移動自在にセッ
トされている。移動台12は、基台16に設けられたア
リ溝(図示せず)に摺動自在に搭載されている。アリ溝
は、摩砕軸7及びスクリュウ軸4の軸方向に延長して設
けられている。移動台12は、隙間調整手段15によっ
て軸方向に移動される。移動台12によって摩砕軸7が
摩砕シリンダー10に挿入されると、摩砕隙間6が狭く
なる。反対に移動台12によって摩砕軸7が摩砕シリン
ダー10から引き抜かれると、摩砕隙間6が広くなる。
移動台12の停止位置は、原料を最適な木質素材にでき
る位置に調整される。摩砕隙間6を狭くすると、廃木材
と古紙を充分に繊維化して、プラスチックを高温に加熱
して、摩砕軸7の回転トルクが大きくなる。反対に、摩
砕隙間6を広くすると、摩砕軸7の回転トルクが低く、
多量の木質素材を排出できる。
【0036】図1〜図4に示す摩砕手段2は、原料を自
己発熱させて、繊維化された木質素材とするので、摩砕
シリンダー10には必ずしもヒータ等の加熱手段を必要
としない。ただ、この部分にヒータを装備することによ
って、原料をより効率よく加熱することはできる。
【0037】以上の図に示す摩砕装置は、2本のスクリ
ュウ軸に2本の摩砕軸を同軸に配設している。ただ、複
数のスクリュウ軸で原料を移送し、これを1カ所に集合
して1本の摩砕軸で摩擦、摩砕することも可能である。
さらに、1本のスクリュー軸で原料を移送して、1本の
摩砕軸で原料を木質素材とすることもできる。
【0038】以上の図に示す摩砕装置は、下記のように
して原料を繊維化して木質素材とする。 供給手段1の供給ホッパー9に、小片状に切断した
廃木材を供給する。廃木材には、建物を壊したときにで
きる廃材や間伐材を使用する。廃木材は、チッパー機等
を使用して小片状に加工できる。廃木材を小片状に加工
するのは、摩砕装置に供給できるようにするためであ
る。したがって、廃木材は必ずしも、チップ状に加工す
る必要はなく、摩砕装置に供給して繊維化できる全ての
形状とすることができる。 供給された小片状の廃木材は、回転するスクリュウ
軸4のフィン8に移送されて、供給シリンダー3から摩
砕シリンダー10に圧送される。 摩砕シリンダー10に供給された廃木材は、摩砕シ
リンダー10と回転している摩砕軸7との間に設けられ
た摩砕隙間6に圧入される。 廃木材は、摩砕隙間6を通過するときに、回転する
摩砕軸7の表面と、摩砕シリンダー10の内面とに摩擦
され、加熱状態で摺り潰されて摩砕されながら繊維化さ
れる。摩砕隙間6を通過する廃木材を、より効率よく摩
砕して繊維化するには、廃木材と一緒に水分を添加し、
あるいは、小片状に加工して吸水させた廃木材を供給す
る。廃木材と一緒に供給される水分は、廃木材を湿潤状
態として軟化しやすくする。水分で軟化された廃木材
は、摩砕隙間6を通過するときにスムーズに摺り潰され
て効率よく繊維化される。繊維化された木質素材は、回
転する摩砕軸7で摩砕隙間6から押し出される。
【0039】この構造の摩砕装置は、廃木材と一緒に水
を供給して繊維化できるので、濡れた廃木材を能率よく
処理できる特長がある。廃木材は、雨晒しに放置されて
いるので、濡れたものが多い。さらに、廃木材を小片状
に加工したものも、屋外に放置しておくと、雨で濡れ
る。濡れた廃木材を効率よく繊維化できることは、繊維
化する前処理工程、すなわち、廃木材と、これを小片状
に加工した後の保管を簡単にできる。
【0040】廃木材は以上のようにして繊維化された木
質素材となる。廃木材は、古紙と一緒に供給して、廃木
材の木材繊維と古紙のパルプ繊維とが混在している木質
素材とすることもできる。廃木材に添加される古紙に
は、新聞紙、雑誌等のあらゆる種類の紙が使用できる。
さらに、紙の付着した廃木材を、紙を分離しないで小片
状に加工したものも使用できる。廃木材と一緒に摩砕装
置に供給される古紙は、廃木材と充分に混合する必要は
ない。摩砕隙間6を通過するときに、小片状の廃木材と
古紙とが充分に混合されるからである。
【0041】廃木材に古紙を添加する場合、古紙の添加
量は廃木材100重量部に対して、200重量部以下、
好ましくは150重量部以下、さらに好ましくは100
重量部以下、最適には50重量部以下とする。古紙の添
加量が多くなると、軽く、柔らかくなって木材から紙に
近い物性となる。安価な芯材等の用途には多量の古紙を
添加した木質材も使用できる。ただ、表面に硬度の要求
される用途には、古紙の添加量を50重量部以下とした
ものが最適である。
【0042】廃木材と一緒に古紙を摩砕装置に供給し
て、繊維化して木質素材とする場合も、廃木材を繊維化
するのと同様に、多少の水を添加するのがよい。水を添
加するのに代わって、水分を含んで濡れた古紙を供給す
ることもできる。さらに、製紙工場や製薬工場等からで
る、水分率の高い産業廃棄物であるパルプ繊維を含むも
のを供給して水を補給することもできる。濡れた古紙を
供給して、廃木材と古紙とを効率よく繊維化できること
は、雨晒しにして放置した古紙を有効利用できる特長が
ある。
【0043】廃木材を繊維化した木質素材、あるいは、
廃木材と古紙を一緒に繊維化した木質素材は、バインダ
ーを添加し、プレス成形して所定の形状に成形する。バ
インダーには、例えば、ポリ酢酸ビニルとその共重合
体、アクリル共重合体、ポリビニールアセタール、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ニトロセルロース等の熱可
塑性接着剤、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性接着
剤、アラビヤゴム、ニトリルゴム等のゴム系接着剤、で
んぷん、にかわ、たんぱく等の動植物系接着剤が使用さ
れる。
【0044】バインダーに水硬化性のウレタン樹脂を使
用すると、繊維化した木質素材が水分を含有していても
強固に接着できる特長がある。バインダーとして添加さ
れる水硬化性のウレタン樹脂が、水を介して反応して硬
化するからである。ただ、木質素材のバインダーには、
水硬化性のウレタン樹脂以外の前記の接着剤が使用でき
るのは言うまでもない。
【0045】バインダーの添加量は、成形方法とバイン
ダーの種類によって大幅に変化する。木質素材にバイン
ダーを添加したものを射出成形、あるいは押出成形して
木質材を製造する場合、バインダーの添加量を多くす
る。それは、バインダーと木質素材の混合物を加熱し
て、射出成形機等の内部でスムーズに流動させる必要が
あるからである。バインダーには熱可塑性の合成樹脂を
使用する。熱可塑性の合成樹脂は加熱すると溶融して流
動できる状態になる。流動状態の合成樹脂に木質素材を
混合すると、流れ難くなる。このため、木質素材の添加
量が制限される。いいかえると、バインダーの添加量を
多くする必要がある。
【0046】100重量部の熱可塑性樹脂に、100重
量部の木質素材を添加したものは、問題なく射出成形、
押出成形できる。バインダーである熱可塑性樹脂の割合
が少なくなると、成形機の内部での流動性が悪くなる。
成形機の内部で流動させて、成形できる限界は、木質素
材100重量部に対して、バインダー50重量部であ
る。したがって、木質素材とバインダーの混合物を射出
成形、あるいは押出成形する場合、バインダーの添加量
は木質素材100重量部に対して50重量部以上とす
る。バインダーの添加量が多すぎると、木材からプラス
チックの物性に近付く。このため、木質素材を射出成形
して木質材とする製造方法は、バインダーの添加量を、
木質素材100重量部に対して、50〜200重量部、
好ましくは75〜150重量部、最適には100重量部
とする。バインダーを添加した木質素材を射出成形、あ
るいは押出成形する方法は、たとえば、建物の鴨居や敷
居のように、複雑な形状のものの製造に便利である。溝
等を設けた形状に成形できるからである。
【0047】射出成形によらず、木質素材にバインダー
を添加したものを、成形室に充填してプレス成形する方
法は、極めて少量のバインダーで木質素材を結合して木
質材に成形できる。この方法は、射出成形機のように、
バインダーを溶融して成形室に流入させないからであ
る。この製造方法は、バインダーと木質素材の混合物を
開放した成形室に均一に充填し、加熱状態でプレスして
木質材とすることができる。この製造方法は、板状の木
質材の製造に最適である。
【0048】この製造方法は、木質素材に対するバイン
ダーの添加量を相当に少なくできる。たとえば、木質素
材100重量部に対して、5重量部のバインダーを使用
して木質素材を結合して板状に成形することもできる。
ただ、バインダーの使用量が少ないと、木質材の強度が
低下すると共に、木質材の表面を綺麗な平滑面に成形で
きなくなる。この方法で木質材を成形する方法は、バイ
ンダーの添加量を、木質素材100重量部に対して、5
〜200重量部とすることができる。ただ、強度や表面
状態を考慮すると、バインダーの添加量は、木質素材1
00重量部に対して、好ましくは、20〜150重量
部、さらに好ましくは30〜120重量部、最適には、
50〜100重量部とする。
【0049】本発明者は、廃木材のみを摩砕し繊維化し
て、木質素材100重量部に100重量部の水硬化性の
ウレタン樹脂をバインダーとして添加し、これを成形室
に充填し、プレス状態でバインダーを硬化させて厚さを
10mmとする木質材を製作した。試作した木質材は、
15mmのベニヤ合板製のコンクリートパネルに勝ると
も劣らない強度を備えていた。さらに、廃木材と古紙と
を同じ重量比で混合して木質素材とし、この木質素材に
同重量の水硬化性のウレタン樹脂をバインダーとして添
加して厚さを15mmとする木質材を試作した。この木
質材も、コンクリートパネルに匹敵する強度を示した。
【0050】さらに、本発明の木質材の製造方法は、廃
木材と古紙に加えて、プラスチックを一緒に摩砕装置に
供給して、木質素材とすることもできる。プラスチック
には新しいプラスチックも使用できるが、廃棄プラスチ
ックも使用できる。とくに、紙等の付着した廃棄プラス
チックを、紙を剥離しないで使用できる。廃棄プラスチ
ックには紙の付着したものが多くある。たとえば、プラ
スチックテープに剥離紙を付着したもの、あるいはプラ
スチックシートに紙を接着した包装用のシート等があ
る。紙の付着した廃棄プラスチックを使用できると、紙
を剥離する必要がなく、摩砕装置に供給する廃棄プラス
チックの前処理を簡単にできる。
【0051】廃木材と一緒に、古紙と廃棄プラスチック
を摩砕装置に供給して木質素材とする場合も、多少の水
を添加するのがよい。水を添加するために、水に濡れた
廃棄プラスチックを廃木材と一緒に添加できる。濡れた
廃棄プラスチックを供給して、廃木材と古紙とを効率よ
く繊維化できることは、雨晒しにして放置した廃棄プラ
スチックを乾燥させることなく使用できる特長がある。
【0052】廃木材と古紙の総量に対するプラスチック
の添加量は、廃木材と古紙の総量100重量部に対し
て、好ましくは100重量部以下とする。プラスチック
の添加量が多くなると、木材からプラスチックに近い物
性となるからである。本発明の木質材は、天然の木材に
代わって使用されるもので、プラスチックの代用品でな
い。プラスチックの添加量が多すぎると、天然木材の物
性が失われる。したがって、プラスチックの添加量は、
廃木材と古紙の総量100重量部に対し、多くても20
0重量部以下、好ましくは150重量部以下、さらに好
ましくは100重量部以下に制限される。
【0053】廃木材と古紙と一緒に摩砕装置に供給され
たプラスチックは、廃木材と古紙を摩砕して繊維化する
摩砕隙間6で摩擦されて、摩擦熱で発熱して溶融、軟化
される。溶融したプラスチックは、繊維化された木材繊
維とパルプ繊維に混合して、均一に分散される。したが
って、摩砕装置から排出される木質素材は、木材繊維と
パルプ繊維にプラスチックが混在したものとなる。木材
繊維とパルプ繊維とプラスチックの混在した木質素材
は、粒状に分離されて摩砕装置から排出される。粒状の
木質素材は、成形室に充填し、加熱状態でプレスして、
混在するプラスチックを溶融させてバインダーに使用し
て、木質材に成形できる。このため、プラスチックの混
在する木質素材は、バインダーを添加しないで、所定の
形状の木質材にできる。ただ、プラスチックの添加量の
少ない木質素材は、バインダーを添加して、木質材に成
形する。
【0054】木質素材に添加するバインダーには、廃木
材と古紙とからなる木質素材と同様に、前述した熱可塑
性接着剤、熱硬化性接着剤、動植物系接着剤が使用でき
る。さらに、バインダーとプラスチックの総量も、廃木
材と古紙とからなる木質素材と同じように、木質素材1
00重量部に対して、好ましくは100重量部とする。
ただ、プラスチックとバインダーの総量は、木質材に要
求される物性とコストとを考慮して、たとえば、木質素
材100重量部に対して、50〜200重量部、好まし
くは75〜150重量部、最適には100重量部とする
ことができる。
【0055】さらに、本発明の木質材の製造方法は、木
質材とバインダーに加えて、難燃剤や無機質粉体を添加
して難燃化することができる。添加される難燃剤には、
たとえば、リン化合物、ホウ砂とホウ酸、酸化タングス
テンや酸化スズ等の水和物が使用できる。リン化合物に
は、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リ
ン酸メラミン、リン酸トリエチル等が使用できる。難燃
剤の添加量は、難燃剤の種類によって異なるが、例えば
ホウ砂とホウ酸を使用する場合、木質素材100重量部
に対して、好ましくは4〜30重量部、さらに好ましく
は5〜20重量部の範囲に調整される。難燃剤の混合率
を多くすると、難燃材としての耐熱特性が改善される。
ただ、コストが高くなる。
【0056】さらに、無機質粉体を添加する場合、無機
質粉体には、たとえば、セッコウ、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、シリカ、アルミナ、セメント等の粉体
が使用できる。無機質粉体の混合率は、木質素材100
重量部に対して、好ましくは10〜300重量部、さら
に好ましくは30〜200重量部の範囲に調整される。
無機質粉体の混合率を多くすると、難燃材としての耐熱
特性が改善されるが、コストが高くなると共に、比重が
重くなる。
【0057】廃木材と古紙と廃棄プラスチックとからな
る木質素材を使用して、下記の木質材が製作できる。 [実施例1] 水に濡れた小片状の廃木材を摩砕装置に供給して繊
維化した木質素材とする。 木質素材100重量部に、60重量部の水硬化性の
ウレタン樹脂をバインダーとして添加して混合する。 バインダーの混合された木質素材を、開放された成
形室に充填する。 プレス状態に保持してバインダーを硬化させる。 このようにして、厚さを10mmとする木質材を試作し
た。この木質材は、15mmのベニヤ合板製のコンクリ
ートパネルに勝るとも劣らない強度がある。
【0058】この方法で製造される木質材は、バインダ
ーを添加する工程で、木質素材に難燃剤を添加して難燃
処理することもできる。難燃剤には、たとえば、ホウ砂
(Na247・10H2O)7重量部と、ホウ酸(H3
BO3)3重量部とを混合したものを使用する。難燃剤
の添加量は、木質素材100重量部に対して10重量部
とする。難燃剤に加えて、あるいは難燃剤に代わって、
セメント等の無機質粉体を添加して難燃性の木質材とす
ることもできる。難燃処理した木質材は、建物の内装板
等に最適である。
【0059】[実施例2]乾燥状態の廃木材を摩砕装置
に供給して木質素材とし、この木質素材にバインダーと
してフェノール樹脂を使用する以外、実施例1と同様に
して、木質素材を試作した。この実施例で試作された木
質材も、実施例1で試作した木質材に匹敵する強度を備
えていた。さらに、バインダーの添加量を、木質素材1
00重量部に対して20重量部とし、さらに、100重
量部とする木質材も試作した。バインダーの添加量を2
0重量部とする木質材は、表面の滑らかさが多少悪くな
り、バインダーの添加量を100重量部とする木質材は
表面が綺麗な鏡面となった。バインダーの添加量を10
0重量部とするものは、コンクリートパネルに勝る強度
を有し、バインダーの添加量を20重量部とするもの
は、家具等の芯材として使用できる充分な強度を示し
た。
【0060】[実施例3]乾燥状態の廃木材を繊維化し
た木質素材100重量部に、100重量部のポリエチレ
ン樹脂をバインダーとして添加し、これを押出成形して
溝のある敷居を製造した。試作された木質材は、表面が
綺麗な平滑面で敷居として充分な強度を示した。
【0061】[実施例4]水に濡れた廃木材と古紙とを
同じ重量比で混合して木質素材とし、この木質素材10
0重量部に、80重量部の水硬化性のウレタン樹脂をバ
インダーとして添加して厚さを15mmとする木質材を
試作した。この木質材も、コンクリートパネルに匹敵す
る強度を示した。
【0062】さらに、水に濡れていない廃木材と古紙を
繊維化して木質素材とし、この木質素材に同量のユリア
樹脂、またはフェノール樹脂を添加し、プレス成形して
木質材を試作した。この木質材も、表面が綺麗な平滑面
となり、コンクリートパネルに匹敵する強度を示した。
【0063】[実施例5]乾燥状態にある廃木材と古紙
を繊維化して木質素材とし、この木質素材100重量部
に、バインダーとして120重量部のポリエチレン樹脂
を添加し、押出成形して敷居を製作すると、この木質材
は敷居として充分な強度を示した。
【0064】[実施例6]乾燥状態にある廃木材と、古
紙と、廃棄プラスチックであるポリエチレンフィルムと
をほぼ同じ比率で摩砕装置に供給して木質素材とし、こ
の木質素材100重量部に、バインダーとして、50重
量部のポリエチレン樹脂を添加し、これを押出成形して
敷居を試作した。試作された木質材は、表面が平滑面で
敷居として充分な強度があった。
【0065】さらに、廃木材100重量部と、古紙10
0重量部と、廃棄プラスチックであるポリエチレンフィ
ルム200重量部とを摩砕装置に供給して、木材繊維と
パルプ繊維とにプラスチックの混在された木質素材を製
作し、この木質素材を押出成形して敷居を試作した。製
作された木質材は、表面が平滑で敷居として充分な強度
があった。
【0066】以上の実施例は、スクリュウ軸で原料を強
制的に摩砕隙間に押し込む摩砕装置で、原料を木質素材
に加工したものを使用して木質材とした。廃木材や古紙
等の原料は、スクリュー軸で強制的に摩砕隙間に供給す
ることなく、自然に落下させて摩砕隙間で繊維化するこ
ともできる。図8と図9はその具体的な装置を示す。こ
れ等の図に示す摩砕装置で繊維化された木質素材は、前
記の摩砕装置で繊維化された木質素材と同じようにし
て、木質材とすることができる。
【0067】図8と図9に示す摩砕装置は、供給された
原料を繊維状の木質素材として排出する縦型の摩砕手段
2を備えている。摩砕手段2は、摩砕シリンダー10と
摩砕軸7とを備える。
【0068】摩砕シリンダー10は円筒状で、原料を摩
砕して下端から排出する開口部17を開口している。開
口部17は円柱状で、内面には、図8の右下の拡大断面
図に示すように、摩砕軸7の軸と平行に縦に延長して多
数の細溝18を設けている。細溝18は、好ましくは、
幅を約5mm、深さを約3mmに設計する。ただし、細
溝18は、例えば幅を1〜15mm、深さを1〜10m
mとすることもできる。図8に示す摩砕シリンダー10
は、右下の拡大断面図に示すように、下端に向かって細
溝18を次第に浅くすると共に、開口部17の下端に設
けられる狭幅リングスリット6Aまでは細溝18を延長
していない。ただ、図10の拡大断面図に示すように、
細溝18は、下端を狭幅リングスリット6Aまで延長す
ることもできる。細溝18を狭幅リングスリット6Aま
で延長する装置は、細溝18によって摩砕された原料の
排出量を多くできる。狭幅リングスリット6Aまで細溝
18を延長した装置で、原料の排出量を少なくするに
は、狭幅リングスリット6Aの幅を狭くする。図8に示
す装置は、細溝18の下端で溝を浅くしているが、下端
まで同じ深さとすることもできる。ただし、下端まで同
じ深さとする細溝18は、全体を浅く設計される。
【0069】摩砕軸7は、摩砕シリンダー10の開口部
17に垂直の姿勢で、円筒状の摩砕シリンダー10の開
口部の中心にこれと同軸に配設される。摩砕軸7の断面
を図8の右下の拡大断面図に、平面図を図9に、斜視図
を図11に示す。これらの図に示す摩砕軸7は、供給さ
れる原料をガイド溝19に案内し、ガイド溝19に沿っ
て落下させながら、強制引込凸条20で繊維化して排出
する。
【0070】摩砕軸7は、供給される原料を下方に落下
させながら摩砕して繊維化する。摩砕軸7は、半径方向
に延長する4条の強制引込凸条20を有し、この強制引
込凸条20の間にガイド溝19を設けている。ただ、摩
砕軸7の強制引込凸条20は、原料の種類を考慮して、
例えば3〜8条とすることもできる。ガイド溝19は、
供給される原料をスムーズに案内して、能率よく繊維化
できるように、図8の右下に示す拡大断面図と図11に
示すように、上方を深く、下部を浅く形成している。ガ
イド溝19を上部で深くするために、摩砕軸7は全体の
形状を円錐状として外周に強制引込凸条20を設けてい
る。この形状の摩砕軸7は、強制引込凸条20の間に、
上部で深く、下部に向かって次第に浅くなるガイド溝1
9を形成している。ガイド溝19の下端は、図8の拡大
断面図に示すように、幅の狭い狭幅リングスリット6A
となっている。
【0071】ガイド溝19に落下された原料は、摩砕軸
7の回転によって強制的に引き込まれる。したがって、
強制引込凸条20は、図11に示すように、摩砕軸7の
回転方向と反対の方向に向かって下り勾配に対して傾斜
している。図11に示す摩砕軸7は、矢印で示すように
左に回転して原料を摩砕する。
【0072】強制引込凸条20の回転軸21に対する傾
斜角は、強制引込凸条20から落下する原料の引き込み
状態を決定する。傾斜角が大きいと、原料の引き込み作
用が強くなる。反対に、傾斜角が小さいと、原料の引き
込みが少なくなる。強制引込凸条20が摩砕軸7の回転
軸21となす傾斜角は、好ましくは10度〜60度、さ
らに好ましくは12〜50度の範囲に設計される。
【0073】強制引込凸条20の外周面9Aは、摩砕シ
リンダー10の開口部17の内面に接近し、開口部17
の内面と強制引込凸条20の外周面9Aとの間に摩砕隙
間6を形成する。ガイド溝19に供給された原料は、摩
砕隙間6と狭幅リングスリット6Aとを通過するときに
摺り潰されて繊維化される。ガイド溝19に供給された
原料は、ガイド溝19から摩砕隙間6に、摩砕隙間6か
らガイド溝19に移送されながら摩砕されて次第に下方
に移送される。ガイド溝19の下部に移送された後は、
摩擦隙間6の下端に設けられる狭幅リングスリット6A
を通過し、通過するときにさらに、繊維化されて摩擦隙
間6から排出される。摩砕隙間6と狭幅リングスリット
6Aの間隔は、ここで原料を効率よく十分に繊維化でき
るように、好ましくは、0.3〜4mm、さらに好まし
くは0.4〜3.5mmの範囲に設定される。摩砕隙間
6と狭幅リングスリット6Aの最適間隔は、原料の種類
と、要求される木質素材の繊維化の程度とによって変化
する。たとえば、廃木材と古紙の両方を繊維状に摩砕す
る摩砕装置は、摩砕隙間6と狭幅リングスリット6Aの
隙間を約0.3〜3mmに設定する。
【0074】摩砕軸7は、中心に回転軸21を固定して
いる。回転軸21はベアリング22を介して基台16に
垂直に支承されている。回転軸21の下端には、プーリ
ー23が固定される。プーリー23は、タイミングベル
ト24を介してモーター5のプーリー25に連結され
る。モーター5は変速モーターで、摩砕軸7の回転速度
を理想の回転数に調整する。摩砕軸7の理想的な回転数
は、摩砕軸7の半径と摩砕する原料の種類によって異な
る。摩砕軸7の外径が360mmφ、原料を古紙とする
とき、摩砕軸7の理想的な回転数は、約150〜100
0rpmである。原料を、廃木材と古紙と廃棄プラスチ
ックの混合物とするとき、摩砕軸7の理想的な回転数は
約300〜600rpmである。摩砕軸7の回転数を速
くすると、時間当りの処理能力は著しく増大する。反対
に、摩砕軸7の回転数を遅くすると、処理能力は低下す
るが静かになる。回転速度が速くなると、摩砕軸7と摩
砕シリンダー10の温度が高くなる。したがって、摩砕
軸7の回転数は、時間当りの処理能力と原料の温度上昇
とを考慮して、たとえば、250〜2000rpm、好
ましくは300〜1800rpmの範囲に設定される。
ところで、摩砕軸7と摩砕シリンダー10とは、図8に
示すように、内部にキャビティー26を設けて、強制的
に冷却できる。強制冷却される摩砕軸7と摩砕シリンダ
ー10は、原料を摩砕して繊維化する温度が低くなるの
で、摩砕軸7の回転速度を速くできる。
【0075】さらに、図8に示す摩砕装置は、摩砕隙間
6の下方に、粉砕排出羽根27を配設している。粉砕排
出羽根27は、円盤28の上面に固定されている。粉砕
排出羽根27は円盤28で回転される。粉砕排出羽根2
7は、摩砕軸7の回転軸21から半径方向に延長される
共に、図9に示すように、回転方向に対して後退する方
向に湾曲させている。粉砕排出羽根27は、摩砕隙間6
から押し出される木質素材をさらに小さく粉砕しなから
円周方向に加速し、摩砕シリンダー10の下部に接線方
向に開口される排出口から勢いよく排出する。
【0076】摩砕シリンダー10は、図12に示すよう
に、開口部17の上部にポケット29を設けることもで
きる。ポケット29は、摩砕シリンダー10と摩砕軸7
との間に供給された原料を一時的に蓄える。ポケット2
9に蓄えられる原料は、摩砕軸7の強制引込凸条20に
引き込まれて摩砕隙間6で摩砕されて排出される。ポケ
ット29に原料を貯溜して摩砕する装置は、能率よく原
料を繊維化できる特長がある。
【0077】さらに、摩砕シリンダーにポケットを設け
ている摩砕装置は、図13に示すように、ガイド溝19
を浅くする摩砕軸7とすることもできる。この図の摩砕
軸7は、螺旋状の強制引込凸条20の間に浅いガイド溝
19を設けている。この構造の摩砕装置は、ガイド溝1
9とポケット29とに供給された原料を蓄えて、回転す
る摩砕軸7の強制引込凸条20で原料を摩砕隙間6に供
給して摩砕して繊維化し、繊維化された木質素材を排出
する。
【0078】以上の実施例は、摩砕軸7の表面に強制引
込凸条20とガイド溝19とを設けている。摩砕装置
は、図14の断面図と図15の平面図とに示すように、
摩砕シリンダー10の開口部17に強制引込凸条20と
ガイド溝19を設けることもできる。これらの図に示す
摩砕装置は、図8の断面図と図9の平面図に示す装置と
は反対に、摩砕軸7に細溝18を、摩砕シリンダー10
に強制引込凸条20とガイド溝19とを設けている。細
溝18は、図8と図9に示す装置と同じように、摩砕軸
7の軸方向に延長して設けられる。細溝18の幅、深
さ、下端の構造は、図8と図9に示す装置と同じに設計
できる。
【0079】摩砕軸7が回転されると、供給される原料
は、強制引込凸条20で下方に落下させながら摩砕して
繊維化される。摩砕シリンダー10の強制引込凸条20
は、開口部17の内面に半径方向に延長して設けられて
おり、強制引込凸条20の間にガイド溝19を設けてい
る。ガイド溝19は、供給される原料をスムーズに案内
して、能率よく摩砕して繊維化できるように、図14に
示すように、上方を深く、下部を浅く形成している。ガ
イド溝19を上部で深くするために、摩砕シリンダー1
0は、開口部17の全体形状を、上方で内径が大きくな
る円錐状として、内面に突出して強制引込凸条20を設
けている。この形状の摩砕シリンダー10は、強制引込
凸条20の間に、上部で深く、下部に向かって次第に浅
くなるガイド溝19を形成している。ガイド溝19の下
端は、図14の右に示す拡大断面図のように、幅の狭い
狭幅リングスリット6Aとなっている。
【0080】ガイド溝19に落下された原料は、摩砕軸
7の回転によって強制的に引き込まれる。したがって、
摩砕シリンダー10の強制引込凸条20は、図15に示
すように、摩砕軸7の回転方向と反対の方向に向かって
下り勾配に対して傾斜している。図15に示す摩砕軸7
は、矢印で示すように左に回転して原料を摩砕する。
【0081】強制引込凸条20の回転軸21に対する傾
斜角は、図8と図9に示す装置と同じように設計され
る。
【0082】強制引込凸条20の内周面9Bは、摩砕軸
7の外周面に接近し、摩砕軸7の外周面と強制引込凸条
20の内周面9Bとの間に摩砕隙間6を形成している。
ガイド溝19に供給された原料は、摩砕隙間6と狭幅リ
ングスリット6Aとを通過するときに摺り潰されて摩砕
して繊維化される。ガイド溝19に供給された原料は、
ガイド溝19から摩砕隙間6に、摩砕隙間6からガイド
溝19に移送されながら摩砕されて次第に下方に移送さ
れる。ガイド溝19の下部に移送された後は、摩砕隙間
6の下端に設けられる狭幅リングスリット6Aを通過
し、通過するときにさらに摩砕されて繊維化された木質
素材が摩擦隙間6から排出される。摩砕隙間6と狭幅リ
ングスリット6Aの間隔は、図8と図9に示す装置と同
じように設計される。
【0083】摩砕シリンダー10と摩砕軸7とは冷却し
て、摩砕温度を低くできる。図8と図9に示す装置、お
よび図14と図15に示す装置は、摩砕軸7と摩砕シリ
ンダー10とに冷却用のキャビティー26を設けてい
る。キャビティー26には冷却水が循環される。
【0084】キャビティー26に冷却水を循環させるた
めに、摩砕軸7は、回転軸21の下端にロータリージョ
イント30を連結している。摩砕軸7のキャビティー2
6は、回転軸21の中心に開口された循環路31を介し
てロータリージョイント30に連結されている。回転軸
21は、二重管の循環路31を内蔵している。回転軸2
1の二重管である循環路31は、キャビティー26の流
入側と排出側に連結されている。二重管の循環路31は
ロータリージョイント30を介して、冷却水の流入路
と、排出路に連結されている。摩砕軸7、摩砕シリンダ
ー10のキャビティー26は、冷却水の流入路と排出路
に連結されている。冷却水の流入路から供給される冷水
は、摩砕軸7と摩砕シリンダー10のキャビティー26
を循環して、摩砕軸7と摩砕シリンダー10とを冷却す
る。
【0085】さらに、図8と図14に示す摩砕装置は、
供給シリンダー3を垂直に立てて配設している。垂直の
摩砕シリンダーは、もっとも効率よく、原料を摩砕隙間
に供給できる。ただ、摩砕シリンダーを垂直な姿勢から
多少傾斜して配設することもできるのは言うまでもな
い。
【0086】
【発明の効果】本発明の廃木材を有効に再利用する木質
材の製造方法は、廃木材を資源として有効に再利用し
て、簡単かつ高能率に、優れた物性の木質材を安価に多
量生産できる特長がある。それは、本発明の廃木材を有
効に再利用する木質材の製造方法が、廃木材を小片状に
加工した後、摩砕シリンダーと、その内側に配設されて
いる回転する摩砕軸との間の摩砕隙間に供給し、繊維化
して木質素材とし、これをバインダーで成形して、木質
材とするからである。摩砕シリンダーと回転する摩砕軸
の間の摩砕隙間に廃木材を供給して木質素材とする本発
明の方法は、廃木材を、決められた形状の小片状に加工
する必要がない。摩砕隙間で、形状の不揃いな廃木材を
繊維化して木質素材にできるからである。さらに、本発
明の方法は、摩砕隙間に供給された廃木材を、摩砕シリ
ンダーの内面と摩砕軸の表面とで摺り潰して繊維化する
ので、建物の廃材や間伐材等の種々の廃木材を有効利用
して木質素材から木質材とすることができる。特に、本
発明の木質材の製造方法は、廃木材を能率よく長繊維に
でき、これを絡ませた状態としてバインダーで結合して
木質材とするので、種々の廃木材を有効に利用して安価
に、優れた強度のものが多量生産できる特長がある。
【0087】さらに、本発明の請求項2に記載される廃
木材を有効に再利用する木質材の製造方法は、廃木材と
一緒に古紙を繊維化して木質素材とし、これを結合して
木質材とするので、廃木材と古紙の両方を有効に再利用
できる。さらに、この木質材の製造方法は、廃木材の木
材繊維と、古紙のパルプ繊維とを互いに絡ませた状態と
して、強固に結合できるので、古紙を使用して充分な強
度の木質材にできる特長がある。
【0088】さらにまた、本発明の請求項3に記載され
る廃木材を有効に再利用する木質材の製造方法は、廃木
材と古紙に加えて、廃棄プラスチックを使用して木質材
を製造するので、廃棄プラスチックも有効に再利用でき
る。さらに、この発明の方法は、廃木材と古紙と廃棄プ
ラスチックとを一緒にして、摩砕隙間で繊維化するの
で、木質素材は、廃木材の木材繊維と、古紙のパルプ繊
維とが互いに絡まった状態にあり、さらに、これにプラ
スチックが溶融されて繊維の間に均一に分散されたもの
となる。この木質素材は、バインダーを添加することな
く、あるいは、少量のバインダーを添加して、木質材と
することができる。このため、バインダーの使用量を少
なくし、しかも、廃棄プラスチックを有効に利用して、
能率よく安価に木質材を多量生産できる。さらに、紙等
の付着している廃棄プラスチックを、紙を分離しないで
使用できるので、種々の用途に使用されていたプラスチ
ックを有効利用して木質材にできる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の廃木材を有効に再利用す
る木質材の製造方法にかかる摩砕装置を示す平面断面図
【図2】 図1に示す摩砕装置の側面断面図
【図3】 本発明の他の実施例の廃木材を有効に再利用
する木質材の製造方法にかかる摩砕装置を示す平面断面
【図4】 図3に示す摩砕装置の側面断面図
【図5】 図3に示す摩砕装置の摩砕シリンダーの開口
部の断面図
【図6】 図3に示す摩砕装置の摩砕軸の側面図
【図7】 図5に示す摩砕軸の凸条を示す要部拡大断面
【図8】 本発明の他の実施例の廃木材を有効に再利用
する木質材の製造方法にかかる摩砕装置を示す平面断面
【図9】 図8に示す摩砕装置の一部断面平面図
【図10】 図8に示す摩砕装置の要部拡大断面図
【図11】 図8に示す摩砕装置の摩砕軸を示す斜視図
【図12】 図8に示す摩砕装置の摩砕軸と摩砕シリン
ダーを示す斜視図
【図13】 本発明の他の実施例にかかる摩砕装置の摩
砕軸と摩砕シリンダーを示す斜視図
【図14】 本発明の他の実施例の廃木材を有効に再利
用する木質材の製造方法にかかる摩砕装置を示す平面断
面図
【図15】 図14に示す摩砕装置の一部断面平面図
【符号の説明】
1…供給手段 2…摩砕手段 3…供給シリンダー 4…スクリュウ軸 5…モーター 6…摩砕隙間 6A…狭幅リ
ングスリット 7…摩砕軸 8…フィン 9…供給ホッパー 10…摩砕シリンダー 11…歯車 12…移動台 13…凸条 13A…前
側面 13B…後側面 14…溝 15…隙間調整手段 16…基台 17…開口部 18…細溝 19…ガイド溝 20…強制引込凸条 20A…外
周面 20B…内周面 21…回転軸 22…ベアリング 23…プーリー 24…タイミングベルト 25…プーリー 26…キャビティー 27…粉砕排出羽根 28…円盤 29…ポケット 30…ロータリージョイント 31…循環路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材を小片状に加工して木質素材とし、
    この木質素材にバインダーを添加して、木質材の形状に
    成形する木質材の製造方法において、 廃木材を小片状に加工し、小片状の廃木材を、摩砕シリ
    ンダー(10)と回転している摩砕軸(7)との間の摩砕隙間
    (6)に供給し、回転する摩砕軸(7)で、摩砕隙間(6)に供
    給された小片状の廃木材を押圧状態で摩砕して繊維化し
    て木質素材とし、この木質素材をバインダーで結合して
    所定の形状に成形することを特徴とする廃木材を有効に
    再利用する木質材の製造方法。
  2. 【請求項2】 木材を小片状に加工して木質素材とし、
    この木質素材にバインダーを添加して、木質材の形状に
    成形する木質材の製造方法において、 廃木材を小片状に加工し、この小片状の廃木材と古紙
    を、摩砕シリンダー(10)と回転している摩砕軸(7)との
    間の摩砕隙間(6)に供給し、回転する摩砕軸(7)で、摩砕
    隙間(6)に供給された小片状の廃木材と古紙を押圧状態
    で摩砕して繊維化し、廃木材と古紙が摩砕された木質素
    材をバインダーで結合して所定の形状に成形することを
    特徴とする廃木材を有効に再利用する木質材の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 木材を小片状に加工して木質素材とし、
    この木質素材にバインダーを添加して、木質材の形状に
    成形する木質材の製造方法において、 廃木材を小片状に加工し、小片状の廃木材と古紙とプラ
    スチックを、摩砕シリンダー(10)と回転している摩砕軸
    (7)との間の摩砕隙間(6)に供給し、回転する摩砕軸(7)
    で、摩砕隙間(6)に供給された小片状の廃木材と古紙と
    プラスチックを押圧状態で摩砕して廃木材と古紙とを繊
    維化し、プラスチックを加熱、溶融してプラスチックが
    繊維に混合された木質素材とし、この木質素材を所定の
    形状に成形することを特徴とする廃木材を有効に再利用
    する木質材の製造方法。
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