JP2573145B2 - 古紙を使用した不燃材 - Google Patents

古紙を使用した不燃材

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JP2573145B2 JP5176161A JP17616193A JP2573145B2 JP 2573145 B2 JP2573145 B2 JP 2573145B2 JP 5176161 A JP5176161 A JP 5176161A JP 17616193 A JP17616193 A JP 17616193A JP 2573145 B2 JP2573145 B2 JP 2573145B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、古紙を有効に再利用し
て商品価値の高い製品とした古紙の不燃材に関する。本
明細書において、不燃材は、難燃材と不燃材とを含む
広い意味に使用する。
【0002】
【従来の技術】古紙の多くは再生紙に使用されている。
古紙を再生紙とするには、古紙を湿式、あるいは乾式で
繊維状に解繊した後、これを抄紙して紙とする。このよ
うにして、古紙を有効に再利用できる。ただ、この方法
で古紙を処理するには、古紙を選別して使用する必要が
ある。全ての古紙を再生紙として使用することはできな
い。たとえば、紙の表面にポリエチレンや塩化ビニル等
のプラスチックをコーティングした古紙、または、表面
に金属箔、布、網等を接着した古紙は、再生紙の原料と
して使用できない。全ての古紙を再生紙として使用でき
ないことが、膨大な発生量の古紙を、有効に再利用する
ことを阻害している。
【0003】再生紙以外に古紙を使用した商品として、
古紙を解繊して綿状とし、これを成形して、卵の容器や
緩衝材等に使用するものがある。この用途には古紙を選
別することなく、ほとんどの古紙を有効に再利用でき
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この用
途は、古紙を高付加価値の再生品として使用できない。
製品の商品価値は低く、また、この製品は、従来から使
用されているプラスチック製品に比較して必ずしも優れ
た製品とはならない。また、古紙を解繊して古紙パルプ
繊維とし、これを成形した卵容器は、使用後に焼却でき
る特長はあっても、プラスチックシートを真空成形した
容器に比較して製造コストが高くなる欠点がある。
【0005】また、古紙を解繊して古紙パルプ繊維と
し、これを成形した緩衝材も、卵容器と同じように、作
用後に焼却できる特長はあるが、発泡スチロールのよう
に簡単かつ安価に多量発生できず、製造コストが高くな
る欠点がある。
【0006】本発明は、古紙を付加価値の高い商品とし
て有効に再利用することを目的に開発されたものであ
る。本発明の重要な目的は、古紙を選別することなくほ
とんどの古紙を原料として使用でき、しかも、優れた物
性を有する不燃材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の古紙を使用した
不燃材は、前述の目的を達成するために下記の構成を備
える。古紙を使用した不燃材は粒状に成形したものと、
古紙粒体をバインダーで結合して所定の形状に成形した
ものとがある。粒状に成形した不燃材は、建物家具、キ
ャビネット等の空隙に充填する不燃材として最適であ
る。また、粒状の不燃材は、可撓性の袋に充填して、建
物、家具、キャビネット等の空隙に充填する不燃材とし
ても使用できる。古紙粒体を成形した不燃材は、例えば
板状成形して、建物の壁、ドア、間仕切り等に固定して
不燃材に使用できる。
【0008】古紙を粒状に成形した不燃材は、シリンダ
ーと回転する摩砕軸の間の狭い隙間で古紙を摩砕して綿
状にした古紙パルプ繊維を、立体的に方向性なく空隙が
できる状態に集合しており、この古紙パルプ繊維の空隙
に無機質粉体を混在させている。さらに古紙パルプ繊維
の空隙に無機質粉体を混合した古紙原料を粒状に造粒し
て古紙粒体としている。
【0009】無機質粉体には、好ましくは、セッコウ、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、アルミ
ナ、セメント等の粉体が使用できる。無機質粉体の混合
率は、古紙パルプ繊維100重量部に対して、好ましく
は10〜900重量部、さらに好ましくは30〜400
重量部の範囲に調整される。無機質粉体の混合率を多く
すると、不燃材としての耐熱特性が改善される。ただ、
コストが高くなると共に、比重が重くなる。したがっ
て、無機質粉体の添加量は、要求される耐熱特性と比重
とコストとを考慮して用途に最適な値に調整される。
【0010】さらに、本発明の古紙を粒状に成形した不
燃材は、立体的に方向性なく空隙ができる状態に集合し
て古紙パルプ繊維の表面まはた空隙に難燃剤を充填して
いる。古紙パルプ繊維の表面または空隙に難燃剤を充填
した古紙原料を粒状に造粒して古紙粒体としている。
【0011】難燃剤には、好ましくは、リン化合物、ホ
ウ砂とホウ酸、酸化タングステンや酸化スズ等の水和物
が使用できる。リン化合物には、リン酸アンモニウム、
ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、リン酸トリ
エチル等が使用できる。難燃剤の添加量は、難燃剤の種
類によって異なるが、例えばホウ砂とホウ酸を使用する
場合、古紙パルプ繊維100重量部に対して、好ましく
は4〜30重量部、さらに好ましくは5〜20重量部の
範囲に調整される。難燃剤の混合率を多くすると、不燃
材としての耐熱特性が改善される。ただ、コストが高く
なる。したがって、難燃剤の添加量は、要求される耐熱
特性とコストとを考慮して用途に最適な値に調整され
る。
【0012】古紙を所定の形状に成形した不燃材は、以
上のようにして造粒した古紙粒体を、バインダーを介し
て接着して所定の形状に成形している。バインダーに
は、例えば、セメント、水ガラス等の無機質の接着剤、
ポリ酢酸ビニルとその共重合体、アクリル共重合体、ポ
リビニールアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合、
ニトロセルロース等の熱可塑性接着剤、ポリウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂等の熱硬化性接着剤、アラビヤゴム、ニトリルゴ
ム等のゴム系接着剤、でんぷん、にかわ、たんぱく等の
動植物系接着剤が使用される。
【0013】バインダーにセメントを使用する場合、こ
れを無機質粉体に併用することもできる。バインダーの
添加量は、古紙粒体100重量部に対して、好ましくは
2〜100重量部、さらに好ましくは3〜50重量部の
範囲に調整される。バインダーの添加量を少なくする
と、古紙粒体の空隙を大きくして軽くできると共に、原
料コストを低減できる。反対にバインダーの添加量を多
くすると、成形品の強度を向上できるが、比重が大きく
なって原料コストが高くなる。
【0014】
【作用】本発明の不燃材は、古紙をシリンダーと回転す
る摩砕軸の間の狭い隙間で摩砕して綿状の古紙パルプ繊
維とし、これに無機質粉体と難燃剤のいずれかまたは両
方を添加して古紙粒体としている。古紙パルプ繊維を立
体的に方向性なく集合させて、その隙間または表面に無
機質粉体や難燃剤を添加した古紙粒体は、古紙パルプ繊
維によって比重の軽い粒体を形成し、無機質粉体や難燃
剤によって優れた耐熱性を実現する。
【0015】さらに、古紙粒体をバインダーで結合して
所定の形状に成形した不燃材は、古紙粒体によって、軽
くて耐熱特性に優れた成形品となる。また、古紙粒体を
集合して成形すると、大きい古紙粒体の隙間に小さい古
紙粒体が充填されるので、耐荷重性に優れて十分な強度
とすることもできる。たとえば、板状に成形した不燃材
は、建物の壁、床、天井等に固定して断熱特性に優れた
不燃材として使用できる。また、畳の芯材に不燃性の断
熱材として使用することもできる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 [実施例1] 本発明の古紙を使用した粒状の不燃材は、図1に示すよ
うに、古紙を解繊した古紙パルプ繊維1を立体的に方向
性なく集合させて古紙粒体2としている。古紙粒体2
は、古紙パルプ繊維1を空隙ができる状態に集合させて
粒状に成形している。さらに、古紙パルプ繊維1の隙間
に無機質粉体3を充填して、耐熱特性を改善している。
古紙粒体2は、古紙パルプ繊維1を絡ませて所定の粒径
に造粒している。この構造の不燃材は、建物の壁や間仕
切り、あるいは、家具やキャビネットの隙間に充填し
て、断熱、難燃処理することができる。また、可撓性の
袋に充填して、前記の隙間に固定することもできる。古
紙パルプ繊維1からなる古紙粒体2の不燃材は、下記の
ようにして製造される。
【0017】図2に示すリファイナー4を使用して、古
古紙パルプ繊維1に解繊される。この図に示すリフ
ァイナー4は、古紙を粉砕しながら押し出すスクリュウ
コンベア5と、スクリュウコンベア5で押し出される古
紙を摩砕して古紙パルプ繊維1とする摩砕部6と、スク
リュウコンベア5の軸を歯車を介して回転させるモータ
ー7とを備える。
【0018】スクリュウコンベア5は、シリンダー8の
上方を開口し、開口部に、古紙を供給するホッパー9を
固定している。スクリュウコンベア5は、圧送する古紙
を破砕できるように、2軸のスクリュウを水平に平行に
並べたものが最適である。2軸のスクリリュは、フィン
の外周縁を互いに0.5〜1mmの隙間で接近させ、多
少異なる回転速度で回転させる。フィンは、隙間で供給
された古紙を破砕し、螺旋状のフィンで粉砕した古紙を
摩砕部6に圧送する。
【0019】摩砕部6は、シリンダー8と、摩砕軸10
とで構成される。摩砕軸10は、シリンダー8の内面と
の間に狭い隙間ができる円柱状としている。図示しない
が、摩砕軸10の外周に、軸方向に対して傾斜する凸条
を設けることもできる。摩砕軸の凸条は、摩砕軸を回転
して、古紙を強制的に排出できる。図2に示す装置は、
摩砕軸10を、左右に移動させることによって、シリン
ダー8から引き出すことができる。摩砕軸10は、軸方
向に移動できるように、回転軸をベアリングを介して移
動台11に取り付けている。摩砕軸10は、スクリュウ
コンベア5の先端に軸方向に移動できるが、互いに回転
しないように連結されている。したがって、摩砕軸10
とスクリュウコンベア5とは、スプライン、またはキー
を介して軸方向に移動できるように連結されている。摩
砕軸は、スクリュウコンベアの先端に固定して軸方向に
移動しない構造とすることもできる。
【0020】図2に示すリファイナー4は、ホッパー9
に供給された古紙を摩砕して、パルプ繊維に解繊する。
本発明の不燃材は、古紙全体を完全なパルプ繊維に解繊
する必要はない。古紙の一部を解繊して古紙パルプ繊維
とし、残りの古紙を小さく裁断した小片状とし、小片状
の古紙と古紙パルプ繊維1とが混在したもので、不燃材
とすることもできる。
【0021】図2に示すリファイナー4は、ホッパー9
に、多少の水と一緒に、あるいは、水分を含んで濡れた
古紙を供給する。水と一緒に供給された古紙は、摩砕部
6で理想的な状態に摩砕されて古紙パルプ繊維1とな
る。ホッパー9には、水に代わって、製紙工場や製薬工
場等からでる水分率の高い産業廃棄物を供給することも
できる。
【0022】製紙工場の産業廃棄物として、紙に添加す
る無機質粉体やパルプ繊維等が含まれているものが使用
できる。製薬工場の産業廃棄物として、水分と無機質粉
体等が含まれるものも使用できる。これ等の工場から排
出される産業廃棄物を古紙と一緒に、図2のリファイナ
ー4で供給して摩砕すると、産業廃棄物を不燃材として
有効に再利用できると共に、産業廃棄物の水分によっ
て、古紙をスムーズに摩砕できる特長がある。また、摩
砕された古紙パルプ繊維1に、後の工程で無機質粉体3
を添加する必要もない。
【0023】図2に示すリファイナー4に、無機質粉体
3を含有しない水分を供給して解繊するとき、図2に示
すリファイナー4のホッパー9に、古紙と一緒に無機質
粉体3を添加する。リファイナー4に添加された無機質
粉体3は、古紙を解繊するときに、パルプ繊維の隙間に
分散して混合される。このように、古紙を摩砕するリフ
ァイナー4に無機質粉体3を供給すると、無機質粉体3
を古紙パルプ繊維1に均一に拡散して混合できる特長が
ある。
【0024】古紙パルプ繊維1に添加される無機質粉体
3として、石膏、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
セメント、シリカ、アルミナ等を、単独であるいはこれ
等を混合して使用する。無機質粉体の添加量は、古紙パ
ルプ繊維100重量部に対して100重量部とする。た
だ、無機質粉体の添加量は、古紙パルプ繊維100重量
部に対して、10〜900重量部、好ましくは30〜4
00重量部の範囲に調整することもできる。無機質粉体
3の混合量が多くなると、耐熱性が改善される。添加量
が少なくなると、軽量になる。無機質粉体3の添加量
は、要求される耐熱性と重量とを考慮して最適値に調整
する。
【0025】解繊された古紙パルプ繊維1は、無機質粉
体3を添加して古紙粒体2とする。
【0026】リファイナー4で解繊された古紙パルプ繊
維1は、図3に示す造粒機12で造粒して古紙粒体2と
なる。この図に示す造粒機12は、トロンメル13を水
平面に対して多少下り勾配に配設している。トロンメル
13は、回転できるように支承れ、モーター(図示せ
ず)に連結されて回転する。
【0027】この造粒機12は、回転しているトロンメ
ル13の一端に、古紙パルプ繊維1を供給して造粒す
る。古紙パルプ繊維1は、水分を含む状態で供給され
る。水分を含まない古紙パルプ繊維1を供給するとき
は、トロンメル13に水分を噴霧する。供給された古紙
パルプ繊維1は、トロンメル13の内部で回転されて造
粒される。すなわち、古紙パルプ繊維1は、トロンメル
13の内部でころころと転動されながら、互いに絡まり
あって造粒される。造粒された古紙パルプ繊維1は、古
紙粒体2となる。古紙粒体2の粒径は、トロンメル13
の回転数、直径、全長傾斜角度等で調整できる。古紙粒
体2の粒径は、好ましくは1〜10mmの範囲に設定さ
れる。この構造の造粒機12は、古紙パルプ繊維1を能
率よく造粒できる。
【0028】古紙パルプ繊維1は、繊維を絡ませて造粒
するので、必ずしもバインダー14を混合する必要がな
い。ただ、古紙パルプ繊維1にバインダー14を混合
し、バインダー14で造粒した古紙粒体2を分散しない
ように固化することもできる。古紙パルプ繊維1をバイ
ンダー14で造粒すると、無機質粉体3の添加量を多く
して造粒できる。バインダー14が絡まった古紙パルプ
繊維1を結合して造粒するからである。
【0029】以上の造粒方法は、無機質粉体3を混合し
た古紙パルプ繊維1をトロンメル13で造粒する。無機
質粉体が混合されない古紙パルプ繊維1は、造粒すると
きに無機質粉体3を混合する。この場合、古紙パルプ繊
維1と無機質粉体3とを造粒機12に供給する。造粒機
12は、古紙パルプ繊維1と無機質粉体3とを混合しな
がら造粒する。さらにまた、古紙粒体2で解繊された古
紙パルプ繊維1に、別の混合機を使用して無機質粉体3
を混合し、これを造粒機12で造粒することもできる。
【0030】このようにして製造された古紙粒体2の不
燃材は、古紙パルプ繊維1を絡ませて、立体的に方向性
なく集合したものである。古紙パルプ繊維1の間には空
隙があり、隙間には無機質粉体3が分散して混合されて
いる。隙間に充填された無機質粉体3は、不燃材の耐熱
性を向上する。
【0031】さらに、図4は、無機質粉体3を含有する
不燃性の古紙粒体2を板状に成形した不燃材である。板
状の不燃材は、古紙粒体2をバインダー14で結合して
板状に成形したもので、図5の拡大断面図に示すよう
に、古紙粒体2がバインダー14で結合されている。こ
の形状の不燃材は、下記のようにして製造される。
【0032】 古紙粒体2にバインダー14を添加し
て攪拌し、古紙粒体2の表面にバインダー14を付着さ
せる。バインダー14には、水分硬化型のウレタン樹脂
が最適である。ただ、水分硬化型の無機質または有機質
のバインダー、あるいは、常温硬化、または加熱硬化型
のバインダーに硬化促進剤を添加するもの、またはセメ
ント等も使用できる。バインダー14に水分硬化型のウ
レタン樹脂を使用する場合、その添加量は、100重量
部の古紙粒体2に対して、5重量部とする。ただし、バ
インダー14の添加量は、成形された不燃材の物性を考
慮して最適値に調整される。バインダー14の添加量を
多くすると、成形品の強度は向上する。ただ、バインダ
ー14の添加量が多くなると、比重が大きくなり、ま
た、バインダー14にプラスチック製のものを使用する
と耐熱性が低下する。したがって、バインダー14の添
加量は、成形した不燃材の強度と、比重と、耐熱性とを
考慮して最適値に調整される。
【0033】 バインダー14を添加した古紙粒体2
を成形金型に注入して成形する。バインダー14である
水分硬化型のウレタン樹脂を効率よく硬化させるため
に、成形金型には、蒸気を通過させる無数の貫通穴を開
口しておく。成形金型の貫通穴から蒸気を噴射して、バ
インダー14を硬化させる。
【0034】 バインダー14が硬化した後、板状の
不燃材を成形金型から脱型する。
【0035】バインダー14にセメントを使用する不燃
材は、古紙粒体2とセメントとを混練りし、これを成形
型に充填してセメントを硬化させる。セメントを使用し
た不燃材は、バインダー14が優れた耐熱性を有するの
で、比重は多少重くなるが、優れた耐熱特性を示す。
【0036】以上の不燃材は、全体の形状を板状に成形
している。板状の不燃材は、所定の大きさに裁断し、あ
るいは、裁断することなく、種々の用途に不燃材として
使用できる。さらに、図示しないが、この発明の不燃材
は、成形する形状を板状に特定することなく、例えば、
円筒を縦に2分割した形状として、配管を被覆する不燃
材として使用することもできる。
【0037】[実施例2] 無機質粉体3に代わって、古紙パルプ繊維1に難燃剤を
添加して古紙粒体2を製作する。難燃剤は、古紙を解繊
するリファイナー4のホッパー9に、水と一緒に添加す
る。古紙と一緒に添加される難燃剤は、リファイナー4
で均一に分散されて解繊された古紙パルプ繊維1の表面
に、あるいは空隙に充填される。難燃剤には、ホウ砂
(Na・10HO)7重量部と、ホウ酸
(HBO)3重量部とを混合したものを使用する。
難燃剤の添加量は、乾燥状態の古紙100重量部に対し
て7重量部とする。
【0038】ただし、難燃剤の添加量は、4〜30重量
部の範囲で調整することもできる。また、難燃剤には、
ホウ砂とホウ酸に代わって、リン酸アンモニウム、ポリ
リン酸アンモニウム、リン酸メラミン、リン酸トリエチ
ル等のリン系難燃剤も使用できる。とくに、リン酸アン
モニウムは低コストである特長がある。
【0039】また、古紙パルプ繊維1の表面に酸化タン
グステンや酸化スズ等の水和物を付着させることもでき
る。タングステンと錫の酸化物は、下記の反応式で古紙
パルプ繊維1の表面に付着できる。 2NaWO+SnCl+(2x+y)HO→ 4NaCl+2WO・xHO+SnO・yHO この反応式で古紙パルプ繊維1の表面に、酸化タングス
テンと酸化スズ等の水和物を付着させるには、酸化タン
グステンをナトリウム化合物として水に溶解しやすい状
態とし、錫は塩化物の状態で水と一緒に添加する。
【0040】難燃剤を添加した古紙パルプ繊維1は、実
施例1と同様にして造粒機12で造粒して古紙粒体2の
不燃材とする。また、バインダー14で古紙粒体2を接
着、成形して板状あるいは、その他の形状に成形して不
燃材とすることもできる。
【0041】実施例1は古紙パルプ繊維1に無機質粉体
3を、実施例2は難燃剤を添加して不燃材を製作してい
る。ただ、古紙パルプ繊維1に無機質粉体3と難燃剤の
両方を添加して、不燃材とすることもできる。
【0042】
【発明の効果】本発明の不燃材は、原料に古紙を使用す
る。古紙は、シリンダーと回転する摩砕軸の間の狭い隙
間で摩砕されて古紙パルプ繊維に加工される。このよう
にして古紙から得られた古紙パルプ繊維は、古紙を摺り
潰して繊維とするので、繊維が互いに絡まり合う綿状と
なる。繊維が絡まり合う古紙パルプ繊維は、水に均一に
分散させて再生紙として使用するのに都合のよい状態で
はない。ただ、本発明の不燃材のように、古紙パルプ繊
維を立体的に方向性なく集合して古紙粒体とするために
は、正に理想的な状態である。このため、本発明の不燃
材は、古紙パルプ繊維を極めて簡単に、しかも能率よく
粒状化して安価に多量生産できる特長があ る。さらに、
本発明は、原料に膨大な発生量の古紙を使用して、しか
も多量の古紙を能率よく、粒状化しやすい古紙パルプ繊
維に加工して不燃材の原料として使用しているので、古
紙を有効に利用できることに加えて、商品価値の高い不
燃材を安価に多量生産できる特長がある。古紙のように
膨大な発生量の廃棄物を有効に再利用するためには、い
かに能率よく、また、いかに低コストに、さらにいかに
して商品価値の高い製品に加工できるかが大切である。
廃棄物の有効利用は、そのほとんどが、経済性を無視し
て行われているのが実状であるからである。廃棄物を有
効利用する技術は、原料コストを低減できる特長はあっ
ても、処理コストが相当に高くなって、トータルでは新
しい原料を使用するのが安価になるのがほとんどであ
る。本発明の不燃材は、古紙を能率よく古紙パルプ繊維
に加工して原料として使用し、さらに、古紙パルプ繊維
を粒状化しやすい状態とするので、古紙を古紙パルプ繊
維に処理するコストと、古紙パルプ繊維を粒状化するコ
ストを低減して、トータルの製造コストを著しく低減す
る。
【0043】さらに、本発明の不燃材は、古紙パルプ繊
維を、立体的に方向性なく集合し古紙粒体とし、古紙パ
ルプ繊維の表面あるいは隙間に無機質粉体と難燃剤のい
ずれかまたは両方を添加して耐熱特性を改善している
この用途に使用される古紙は、ほとんど全てのものを選
別することなく、有効に再利用できる。このため、本発
明の不燃材は、膨大な発生量の古紙を有効に再利用し
て、付加価値の極めて高い商品とすることができる。
【0044】さらに、古紙パルプ繊維を隙間ができるよ
うに立体的に集合させた本発明の不燃材は、古紙パルプ
繊維を絡ませて古紙粒体とするので、空隙率を相当に高
くして軽くできる特長がある。また、空隙や古紙パルプ
繊維の表面に分散して充填した無機質粉体や難燃剤によ
って、耐熱特性を著しく改善できる特長もある。
【0045】さらにまた、本発明の不燃材は、古紙パル
プ繊維を造粒して、無機質粉体や難燃剤で耐熱特性に優
れた古紙粒体とするので、優れた特性の不燃材を、安価
に多量生産できる特長も実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例にかかる粒状不燃材の平面
【図2】 古紙を解繊するリファイナーの一例を示す概
略断面図
【図3】 古紙パルプ繊維を造粒する造粒機を示す斜視
【図4】 板状に成形した不燃材の斜視図
【図5】 図4に示す不燃材の拡大断面図
【符号の説明】
1…古紙パルプ繊維 2…古紙粒体 3…無機質粉体 4…リファイナー 5…スクリュウコンベア 6…摩砕部 7…モーター 8…シリンダー 9…ホッパー 10…摩砕軸 11…移動台 12…造粒機 13…トロンメル 14…バインダー

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダーと回転する摩砕軸の間の狭い
    隙間で古紙を摩砕して綿状にした古紙パルプ繊維を立体
    的に方向性なく空隙ができる状態に集合していると共
    に、古紙パルプ繊維の空隙に無機質粉体を混合してお
    り、さらに全体の形状を粒状としてなる古紙を使用した
    不燃材。
  2. 【請求項2】 シリンダーと回転する摩砕軸の間の狭い
    隙間で古紙を摩砕して綿状にした古紙パルプ繊維を立体
    的に方向性なく空隙ができる状態に集合していると共
    に、古紙パルプ繊維の表面または空隙に難燃剤が充填さ
    れており、さらに全体の形状を粒状としてなる古紙を使
    用した不燃材。
  3. 【請求項3】 シリンダーと回転する摩砕軸の間の狭い
    隙間で古紙を摩砕して綿状にした古紙パルプ繊維を立体
    的に方向性なく空隙ができる状態に集合しており、か
    つ、古紙パルプ繊維の空隙には無機質粉体を混合してお
    り、さらに古紙パルプ繊維の空隙に無機質粉体を混合し
    た古紙原料を粒状に造粒し古紙粒体としており、この古
    紙粒体はバインダーを介して結合されて所定の形状に成
    形されてなる古紙を使用した不燃材。
  4. 【請求項4】 シリンダーと回転する摩砕軸の間の狭い
    隙間で古紙を摩砕して綿状にした古紙パルプ繊維を立体
    的に方向性なく空隙ができる状態に集合しており、か
    つ、古紙パルプ繊維の表面または空隙には難燃剤が充填
    されており、さらに古紙パルプ繊維の表面または空隙に
    難燃剤を充填した古紙原料を粒状に造粒し古紙粒体とし
    ており、この古紙粒体はバインダーを介して結合されて
    所定の形状に成形されてなる古紙を使用した不燃材。
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