JP3085797U - 木質様成形品 - Google Patents

木質様成形品

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JP3085797U JP2001007184U JP2001007184U JP3085797U JP 3085797 U JP3085797 U JP 3085797U JP 2001007184 U JP2001007184 U JP 2001007184U JP 2001007184 U JP2001007184 U JP 2001007184U JP 3085797 U JP3085797 U JP 3085797U
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正行 上手
孝司 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木質廃材及び樹脂廃材とを再利用して容易に
形成できるとともに十分に強度の有する木質様成形品を
提供する。 【解決手段】 不純物を含む木質廃材Cから得られた木
質廃材粉砕粉と、不純物を含む廃プラ材Aから得られた
樹脂廃材粉砕粉とを混錬して、押出若しくは射出成形に
よって成形してなり、不純物Bが成形品全体に対して合
計で20wt%以下含まれているものとした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、回収した木質廃材から得られた木質廃材粉砕粉と、回収した樹脂廃 材から得られた樹脂廃材粉砕粉とを押出若しくは射出成形等によって成形してな る木質様成形品に関するものである。
【0002】
【背景の技術】
従来より、セルロース材を粉砕して得た粉砕粉と、樹脂等とを混合し、押出成 形または射出成形により所望形状に成形して、手触り感等の風合いも天然の木に 近い木質様成形品を形成することが行われていた。そして、上述したセルロース 材は、建築用木質部材の端材や、おが屑を使用していたが、資源の有効利用や環 境保護の観点から建築部材として、一度使用した建築パネル等を回収して、この 回収した建築部材を粉砕して再度、原料として使用することが望まれるようにな った。
【0003】 このような回収された建築パネル等の建築部材から得られた粉砕粉を原料とし て使用する木質様成形品の製造方法の一例として、例えば、特開平11−129 233号公報に記載の技術が知られている。 この技術は、建築部材から木質の回収木質部材と、樹脂からなる回収樹脂部材 とを回収し、回収木質部材と回収樹脂部材とを混合する混合工程と、この混合工 程において混合したものを粉砕して粉砕粉を形成する粉砕工程と、この粉砕工程 により得られた粉砕粉を混練する混練工程と、この混練工程において混練したも のを押出若しくは射出成形により成形する成形工程とを備えたものである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記のような回収木質部材と回収樹脂部材は、元々建築部材や樹脂 製品として使用されていたものであるため、これら回収木質部材と回収樹脂部材 には、建築部材や樹脂製品に必要とされる機能に応じて、石膏、断熱材、炭酸カ ルシウム、タルク、顔料等が適宜添加されている。 一方、木質様成形品を例えば押出成形によって得る場合には、木粉と樹脂粉と を混錬・溶融した混合材料を押し出すことによって行われるが、この混合材料に 、上述した石膏、断熱材、炭酸カルシウム、タルク、顔料等の不純物がある一定 以上含まれると、押出成形が困難になるという問題がある。 しかし、資源の有効利用や環境保護の観点からすると、前記不純物を含めた状 態で、押出成形する方が望ましい。
【0005】 そこで、本考案者等が鋭意研究を重ねた結果、不純物の濃度を20wt%以下 に設定すれば、押出成形等の成形を容易に行うことができるという知見を得るに 至ったのである。 また、考案者等は、木質部分の濃度を51〜55wt%に設定すれば、木質の 風合いを十分に得ることができるとともに成形性もよく、さらに樹脂部分の濃度 を25〜30wt%に設定すれば、十分な強度や硬度が得られるとともに成形性 もよいという知見を得るに至ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記知見に基づいて行われたもので、請求項1の考案は、例えば図3 に示すように、不純物を含む木質廃材(例えば、木質廃材C)から得られた木質 廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材(廃プラ材A)から得られた樹脂廃材粉砕 粉とを混錬して成形してなり、 前記不純物(図3のB領域)が成形品全体に対して合計で20wt%以下含ま れていることを特徴としている。
【0007】 請求項1の考案によれば、不純物Bが成形品全体に対して合計で20wt%以 下含まれているので、押出成形等の成形性が良くなるとともに、不純物Bを比較 的多く含んでいるので、資源の有効利用や環境保護の観点からも優れた木質様成 形品となる。
【0008】 ここで、前記木質廃材としては、住宅等の建物を解体した際に排出される木質 廃材や、家具を解体した際に排出される木質廃材、建物建築中に排出される木材 の端材、おが屑等が挙げられ、これら木質廃材には、木質部分の他、石膏、断熱 材、樹脂部材等の不純物が含まれている。 また、前記樹脂廃材としては、飲料物を含む食品の容器や包装等に使用される 樹脂製品や、その他の樹脂製品、さらには、住宅等の建物を解体した際に排出さ れる樹脂廃材や、家具を解体した際に排出される樹脂廃材等が挙げられ、これら 樹脂廃材には、樹脂部分の他、樹脂の温度変化等に伴う膨張収縮を防止するため の炭酸カルシウムや、補強材や充填材として用いられるタルク(例えば、含水ケ イ酸マグネシウムを微紛化して焼成することで得られるもの)、顔料、ガラス繊 維で補強された強化プラスチック(FRP)等の不純物が含まれている。 また、前記樹脂部分を構成する樹脂としては、ポリプロピレン樹脂(PP)、硬 質または軟質のポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレ ンテレフタレート樹脂(PET)、ポリスチレン樹脂(PC)、ポリエチレン樹脂、 フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ABS樹脂などが挙げられる。
【0009】 請求項2記載の考案は、請求項1記載の木質様成形品において、 前記混練された前記木質廃材粉砕粉及び樹脂廃材粉砕粉は押出若しくは射出成 形により成形されることを特徴とする。
【0010】 請求項2の考案によれば、前記混練された前記木質廃材粉砕粉及び樹脂廃材粉 砕粉は押出若しくは射出成形により容易に成形することができる。
【0011】 請求項3の考案は、請求項1または2記載の木質様成形品において、例えば、 図3に示すように、 前記木質廃材Cのうちの木質部分Eが成形品全体に対して51〜55wt%含 まれていることを特徴としている。
【0012】 請求項3の考案によれば、木質廃材Cのうちの木質部分Eが成形品全体に対し て51〜55wt%含まれているので、木質廃材粉砕粉のうちの木粉を、成形品 全体に対して51〜55wt%含ませることができる。したがって、本物の木材 により近い手触り等の風合いを出すことができるとともに、利用する木質部分が 多いので、木質廃材の再利用率を向上させることができる。
【0013】 ここで、木質部分の濃度を51〜55wt%に設定したのは、51wt%未満 では、本物の木材により近い手触り等の風合いを出すことが難しく、また55w t%を超えると、木質過多となって押出成形等の成形性が低下するためである。 また、前記木粉の粒径は1〜300μmに設定して、成形品全体に均一に分散さ せるようにし、木粉間に樹脂が充填することで、木粉を成形品内に保持すること ができる。また、樹脂の一部が木粉に含浸することによって、木粉の保持性がさ らに向上するとともに、木粉への湿気の侵入を防止することもできる。
【0014】 請求項4の考案は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の考案において、例え ば図3に示すように、 前記樹脂廃材Aのうちの樹脂部分Dが成形品全体に対して25〜30wt%含 まれていることを特徴としている。
【0015】 請求項4の考案によれば、樹脂廃材Aのうちの樹脂部分Dが成形品全体に対し て25〜30wt%含まれているので、樹脂廃材粉砕粉Aのうちの樹脂粉を、成 形品全体に対して25〜30wt%含ませることができる。したがって、成形品 の強度や硬度を十分に得ることができるとともに、押出成形等の成形性を向上さ せることができる。
【0016】 ここで、樹脂部分の濃度を25〜30wt%に設定したのは、25wt%未満 では、樹脂分が少なすぎて、押出成形等の成形性が低下するためであり、また3 0wt%を超えると、樹脂過多となって十分な強度や硬度が得られ難いためであ る。
【0017】 請求項5の考案は、請求項1〜4のいずれか一つにおいて、例えば、図1に示 すように、 前記木質廃材粉砕粉のうちの木質部分は木粉により構成され、該木粉の粒径が 1〜300μmであることを特徴としている。
【0018】 請求項5の考案によれば、木粉の粒径が1〜300μmであるので、押出成形 等の成形性がよく、木粉を成形品全体に均一に分散させることができる。また、 成形品の表面に木粉の細かい粒子が出現するので、該表面が滑らかになり、成形 後の表面処理を容易に行うことができる。
【0019】 請求項6の考案は、請求項1〜5のいずれか一つにおいて、例えば、図5に示 すように、 前記不純物を含む木質廃材から得られた木質廃材粉砕粉のうちの、木粉2Aの 表面に、この木粉2Aより小径でかつ硬い微粉末6を担持させて固定粒10とし 、 この固定粒10を含む木質廃材粉砕粉と、不純物(例えば、FRP7など)を 含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉とを混錬して成形してなることを特徴 としている。
【0020】 請求項6の考案によれば、木粉2Aの表面に微粉末6を担持させて固定粒10 とし、この固定粒10を含む木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得ら れた樹脂廃材粉砕粉とを混錬して成形しているので、通常の木質材料よりも水分 を吸収し難く、メンテナンスを容易にすることができるものである。すなわち、 外観上は木目模様を呈することができて木製品と同様の外観を形成することがで きるが、耐水性に関しては木製品と比較してはるかに水に強い木質様成形品を提 供できる。
【0021】 ここで、前記微粉末としては、酸化チタン、フェライト、アルミニウム、ニッ ケル、銀、セラミック、炭酸カルシウム等の微粉末が挙げられる。 また、前記固定粒を含む木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られ た樹脂廃材粉砕粉とを混錬する際において、顔料を添加してこの顔料とともに混 錬してもよい。この場合、顔料によって成形品の表面に色彩や模様を呈すること もできる。 顔料は、有色顔料であり、例えば酸化鉄、カドミウムイエロー、カーボンブラ ック等の無機顔料である。
【0022】 請求項7記載の考案は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の木質様成形品に おいて、 前記木質廃材は、住宅等の建物を解体した際に排出されるものであることを特 徴とする。
【0023】 請求項7記載の考案によれば、建物を解体した際に排出されたものが再利用さ れるので、請求項1〜6のいずれかと同様に、資源の有効利用や環境保護を図る ことができる。
【0024】 請求項8記載の考案は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の木質様成形品に おいて、 前記木質廃材は、家具を解体した際に排出されるものであることを特徴とする 。
【0025】 請求項8記載の考案によれば、家具を解体した際に排出されたものが再利用さ れるので、請求項1〜6のいずれかと同様に、資源の有効利用や環境保護を図る ことができる。
【0026】 請求項9記載の考案は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の木質様成形品に おいて、 前記木質廃材は、建物建築中に排出される木材の端材、おが屑であることを特 徴とする。
【0027】 請求項9記載の考案によれば、前記木材の端材、おが屑が再利用されるので、 請求項1〜6のいずれかと同様に、資源の有効利用や環境保護を図ることができ る。
【0028】 請求項10記載の考案は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の木質様成形品 において、 前記木質廃材に含まれる不純物には、石膏、断熱材、樹脂部材のうち少なくと も一つが含まれることを特徴とする。
【0029】 請求項10記載の考案によれば、前記石膏、断熱材、樹脂部材のうち少なくと も一つが再利用されることになり、請求項1〜6のいずれかの考案と同様に、資 源の有効利用や環境保護を図ることができる。
【0030】 請求項11記載の考案は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の木質様成形 品において、 前記樹脂廃材は、飲料物を含む食品の容器や包装に使用される樹脂製品を含む ことを特徴とする。
【0031】 請求項11記載の考案によれば、飲料物を含む食品の容器や包装に使用される 樹脂製品が再利用され、請求項1〜10いずれかの考案と同様に、資源の有効利 用や環境保護を図ることができる。
【0032】 請求項12記載の考案は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の木質様成形 品において、 前記樹脂廃材は、住宅等の建物を解体した際に排出されるものであることを特 徴とする。
【0033】 請求項12記載の考案によれば、建物を解体した際に排出されたものが再利用 されるので、請求項1〜10のいずれかと同様に、資源の有効利用や環境保護を 図ることができる。
【0034】 請求項13記載の考案は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の木質様成形 品において、 前記樹脂廃材は、家具を解体した際に排出されるものであることを特徴とする 。
【0035】 請求項13記載の考案によれば、家具を解体した際に排出されたものが再利用 されるので、請求項1〜10のいずれかと同様に、資源の有効利用や環境保護を 図ることができる。
【0036】 請求項14記載の考案は、請求項1〜13のいずれか一つに記載の木質様成形 品において、 前記樹脂廃材の不純物は、樹脂の温度変化等に伴う膨張収縮を防止するための 炭酸カルシウムや、補強材や充填材として用いられるタルク、顔料、ガラス繊維 で補強された強化プラスチックのうち少なくとも一つであることを特徴とする。
【0037】 前記タルクとしては、例えば、含水ケイ酸マグネシウムを微紛化して焼成する ことで得られるものが挙げられる。 強化プラスチックとしては、例えば繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced P lastic)等が挙げられる。
【0038】 請求項14記載の考案によれば、前記樹脂廃材の不純物として、前記炭酸カル シウムや、補強材や充填材として用いられるタルク、顔料、ガラス繊維で補強さ れた強化プラスチックのうち少なくとも一つを含んでいるので、請求項1〜13 と同様に、資源の有効利用や環境保護を図ることができる。
【0039】 請求項15記載の考案は、請求項1〜14のいずれか一つに記載の木質様成形 品において、 前記樹脂廃材の樹脂部分を構成する樹脂は、ポリプロピレン樹脂(PP)、硬質 または軟質のポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレン テレフタレート樹脂(PET)、ポリスチレン樹脂(PC)、ポリエチレン樹脂(P E)、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ABS樹脂のうち少なくとも一つを含む ことを特徴とする。
【0040】 請求項15記載の考案によれば、ポリプロピレン樹脂(PP)、硬質または軟質 のポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレ ート樹脂(PET)、ポリスチレン樹脂(PC)、ポリエチレン樹脂(PE)、フェ ノール樹脂、ウレタン樹脂、ABS樹脂のうち少なくとも一つの溶融し易い樹脂 が前記樹脂廃材の樹脂部分を構成しているので、これら溶融し易い樹脂が含む樹 脂廃材粉砕粉と前記木質廃材粉砕粉とを混錬する際に所要形状に成型することが 容易となるとともに、請求項1〜14のいずれかと同様に、資源の有効利用や環 境保護を図ることができる。
【0041】 請求項16記載の考案は、請求項6記載の木質様成形品において、 前記微粉末は、酸化チタン、フェライト、アルミニウム、ニッケル、銀、セラ ミック、炭酸カルシウムの微粉末のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする 。
【0042】 請求項16記載の考案によれば、不純物を含む木質廃材から得られた木質廃材 粉砕粉のうちの、木粉2Aの表面に担持させて固定粒10とされる、前記木粉2 Aより小径でかつ硬い微粉末6が、酸化チタン、フェライト、アルミニウム、ニ ッケル、銀、セラミック、炭酸カルシウムの微粉末のうち少なくとも一つを含む ので、通常の木質材料よりも水分を吸収し難く、メンテナンスを容易にすること ができ、すなわち、外観上は木目模様を呈することができて木製品と同様の外観 を形成することができるが、耐水性に関しては木製品と比較してはるかに水に強 いものとなる。
【0043】 請求項17記載の考案は、請求項6または16記載の木質様成形品において、 前記固定粒を含む木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂 廃材粉砕粉とを混錬する際に、顔料が添加され、前記木質廃材粉砕粉及び樹脂廃 材粉砕粉は前記顔料とともに混錬されていることを特徴とする。
【0044】 請求項17記載の考案によれば、顔料によって成形品の表面に色彩や模様を呈 することができ、成形品の外観を木質態様を有するものとして向上させることが できる。
【0045】 請求項18記載の考案は、請求項17の木質様成形品において、 前記顔料は、有色顔料であり、酸化鉄、カドミウムイエロー、カーボンブラッ クの無機顔料であることを特徴とする。
【0046】 請求項18記載の考案によれば、有色顔料であり、且つ酸化鉄、カドミウムイ エロー、カーボンブラックの無機顔料によって成形品の表面に所望の色彩や模様 を呈することができ、成形品の外観を木質態様を有するものとして向上させるこ とができる。
【0047】 請求項19記載の考案は、請求項1記載の木質様成形品において、例えば、図 4の配合例としての配合番号99007で示すように、 前記木質廃材及び樹脂廃材の不純物Bの合計は、成形品全体の20wt%であ り、 前記不純物Bの内訳は、石膏・断熱材の成形品全体に対する割合が5wt%、 炭酸カルシウム及びタルクの成形品全体に対する割合が11wt%、顔料その他 の成形品全体に対する割合が4wt%であることを特徴とする。
【0048】 請求項19記載の考案によれば、木質廃材及び樹脂廃材の不純物Bの合計は、 成形品全体の20wt%であり、前記不純物としては、石膏・断熱材の成形品全 体に対する割合が5wt%、炭酸カルシウム及びタルクの成形品全体に対する割 合が11wt%、顔料その他の成形品全体に対する割合が4wt%であるので、 住宅などの建物を解体した際に排出される石膏・断熱材や炭酸カルシウム、タル クなどの不純物が含まれていても押出成形等の成形性が良く、不純物が比較的多 く含まれることで資源の有効利用や環境保護の観点からも優れた木質様成形品と なる。
【0049】 請求項20記載の考案は、請求項19記載の木質様成形品において、例えば、 図4の配合例としての配合番号99007で示すように、 前記樹脂部分Dはポリプロピレン樹脂からなり、このポリプロピレン樹脂の成 形品全体に対する割合が25wt%であることを特徴とする。
【0050】 請求項20記載の考案によれば、樹脂部分Dがポリプロピレン樹脂からなり、 このポリプロピレン樹脂の成形品全体に対する割合が25wt%であるので、成 形品の強度や硬度を十分に得ることができるとともに、押出成形等の成形性を向 上させることができる。
【0051】 請求項21記載の考案は、請求項19または20記載の木質様成形品において 、例えば、図4の配合例としての配合番号99007で示すように、 前記木質部分Eは木粉からなり、該木粉の成形品全体に対する割合は55wt %であることを特徴とする。
【0052】 請求項21記載の考案によれば、木質廃材粉砕粉のうちの木粉Eが、成形品全 体に対して55wt%であるので、本物の木材により近い手触り等の風合いを出 すことができるとともに木質過多にならず成形性が良く、さらに利用する木質部 分が多いので、木質廃材の再利用率を向上させることができる。
【0053】 請求項22記載の考案は、請求項1または2記載の木質様成形品において、例 えば、図4の配合例としての配合番号99016で示すように、 前記木質廃材及び樹脂廃材の不純物Bの合計は、成形品全体の15wt%であ り、 前記不純物Bの内訳は、炭酸カルシウム及びタルクの成形品全体に対する割合 が11wt%、顔料その他の成形品全体に対する割合が4wt%であることを特 徴とする。
【0054】 請求項22記載の考案によれば、木質廃材及び樹脂廃材の不純物の合計が成形 品全体の15wt%であり、前記不純物としては、炭酸カルシウム及びタルクの 成形品全体に対する割合が11wt%、顔料その他の成形品全体に対する割合が 4wt%であるので、押出成形等の成形性が良く、炭酸カルシウムやタルク等の 不純物を比較的多く含み、資源の有効利用や環境保護の観点からも優れた木質様 成形品となる。
【0055】 請求項23記載の考案は、請求項22記載の木質様成形品において、例えば、 図4の配合例としての配合番号99016で示すように、 前記樹脂部分Dは軟質ポリ塩化ビニル樹脂及び硬質ポリ塩化ビニル樹脂からな り、軟質ポリ塩化ビニル樹脂の成形品全体に対する割合は15wt%、硬質ポリ 塩化ビニル樹脂の成形品全体に対する割合は15wt%であることを特徴とする 。
【0056】 請求項23記載の考案によれば、樹脂部分Dは軟質ポリ塩化ビニル樹脂及び硬 質ポリ塩化ビニル樹脂からなり、軟質ポリ塩化ビニル樹脂の成形品全体に対する 割合は15wt%、硬質ポリ塩化ビニル樹脂の成形品全体に対する割合は15w t%であるので、成形品の強度や硬度を十分に得ることができるとともに、押出 成形等の成形性を向上させることができる。
【0057】 請求項24記載の考案は、請求項22及び23記載の木質様成形品において、 例えば、図4の配合例としての配合番号99016で示すように、 前記樹脂部分D全体では成形品全体に対する割合は30wt%であるとともに 、木質部分Eを構成する木粉の成形品全体に対する割合は55wt%であること を特徴とする。
【0058】 請求項24記載の考案によれば、請求項22または23と同様の効果を得るこ とができるとともに、木質廃材C(図1参照)のうちの木質部分Eが成形品全体 に対して55wt%含まれているので、木質廃材粉砕粉のうちの木粉を、成形品 全体に対して51〜55wt%含ませることができる。したがって、本物の木材 により近い手触り等の風合いを出すことができるとともに、利用する木質部分が 多いので、木質廃材の再利用率を向上させることができる。
【0059】 請求項25記載の考案は、請求項1または2記載の木質様成形品において、例 えば、図4の配合例としての配合番号0006で示すように、 前記木質廃材及び樹脂廃材の不純物Bの合計が、成形品全体の19wt%であ り、不純物Bの内訳は、強化プラスチック及び顔料その他からなり、前記強化プ ラスチックの成形品全体に対する割合は15wt%、顔料その他の成形品全体に 対する割合は4wt%であることを特徴とする。
【0060】 請求項25記載の考案によれば、前記木質廃材及び樹脂廃材の不純物の合計B が成形品全体の19wt%であり、不純物Bの内訳として、強化プラスチック及 び顔料その他からなり、前記強化プラスチックの成形品全体に対する割合は15 wt%、顔料その他の成形品全体に対する割合は4wt%であるので、押出成形 等の成形性が良くなるとともに、全体の19wt%というように強化プラスチッ ク、顔料などの不純物を比較的多く含んでいるので、資源の有効利用や環境保護 の観点からも優れた木質様成形品となる。
【0061】 請求項26記載の考案は、請求項25記載の木質様成形品において、例えば、 図4の配合例としての配合番号0006で示すように、 前記樹脂部分Dはポリプロピレン樹脂からなり、ポリプロピレン樹脂の成形品 全体に対する割合が30wt%であるとともに、木質部分Eを構成する木粉の成 形品全体に対する割合は51wt%であることを特徴とする。
【0062】 請求項26記載の考案によれば、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂部分が成形 品全体の30wt%であることから成形品の強度や硬度を十分に得ることができ るとともに、押出成形等の成形性を向上させることができ、さらに、前記木粉の 成形品全体に対する割合が51wt%と成形品全体の半分以上の割合を占めるこ とになり、本物の木材により近い手触り等の風合いを出すことができるとともに 利用される木質部分が多くなり、木質廃材の再利用率を向上させることができる 。
【0063】 請求項27記載の考案は、請求項1記載の木質様成形品において、 前記木質廃材粉砕粉と前記樹脂廃材粉砕粉との混錬に際し、さらに弱陰イオン 交換樹脂を加え、これら前記木質廃材粉砕粉、前記樹脂廃材粉砕粉及び弱陰イオ ン交換樹脂とを混錬し溶融させて成形してなることを特徴とする。
【0064】 請求項27記載の考案によれば、前記木質廃材粉砕粉と、前記樹脂廃材粉砕粉 と、前記弱陰イオン交換樹脂とを混錬し溶融させて成形してなるので、つまり、 溶融して成形してなる樹脂中に、木質廃材粉砕粉が存在するので、弱陰イオン交 換樹脂はその全てが樹脂によって覆われてイオン交換樹脂としての機能を損なう ことなく、木質廃材粉砕粉に近接もしくは接している部分はイオン交換樹脂とし ての機能を有することになる。そして、木質廃材粉砕粉中の水分によって弱陰イ オン交換樹脂中の陰イオンが電離し、この陰イオンと樹脂廃材粉砕粉中に含まれ る陰イオンとが交換される。
【0065】 すなわち、例えば、前記樹脂廃材粉砕粉中に臭いを発生する硝酸系イオンが含 まれている場合には、この硝酸系イオンが前記弱陰イオン交換樹脂の陰イオンと 交換されて除去される。したがって、脱臭効果を得る木質様成形品となり、これ を住宅の建材として使用することができる。
【0066】 請求項28記載の考案は、請求項27記載の木質様成形品において、 前記樹脂廃材粉砕粉となる前記樹脂廃材は、回収された農業用ビニルであるこ とを特徴とする。
【0067】 請求項28記載の考案によれば、前記不純物を含む樹脂廃材は、回収された農 業用ビニルであるので、該農業用ビニルに付着している窒素肥料に含まれる硝酸 系イオンを、弱陰イオン交換樹脂により除去することができ、よって脱臭効果を 得ることができる。したがって、脱臭効果を有するものとなり、これを住宅の建 材として利用することができるとともに廃材の利用率を向上させることができ、 資源の有効利用や環境保護を図ることができる。 また、大量に使用される農業用ビニルを回収して再利用しているので、材料単 価が安くコストの削減につながる。
【0068】 請求項29記載の考案は、請求項1〜28のいずれか一つに記載の木質様成形 品において、 前記木質廃材粉砕粉が、前記木質廃材を3段階の粉砕工程で粉砕することによ って得られたものであることを特徴とする。
【0069】 請求項29記載の考案によれば、大きさの異なる前記木質廃材を効率良く微粉 状に粉砕することができる。
【0070】 請求項30の考案は、請求項1〜29のいずれか一つに記載の木質様成形品に おいて、 160〜220℃の成形温度で成形してなることを特徴としている。
【0071】 請求項30の考案によれば、請求項1〜29のいずれか一つに記載の考案と同 様の効果を得ることができるとともに、成形における成形温度が160〜220 ℃であるので、木質廃材粉砕粉のうちの木粉を成形する際に熱で変化させること なく、しかも、樹脂廃材粉砕粉のうちの樹脂粉を十分に溶融し軟化させて、木粉 と均等に混錬することができ、これによって、容易かつ確実に製造される。
【0072】 ここで、成形温度を160〜220℃に設定したのは、160℃未満では、樹 脂粉の軟化が不充分で、木粉と均等に混錬し難く、また220℃以上では木粉が 熱で炭化等の変化を起すためである。成形温度は、160〜220℃であればど の温度に設定しても良いが、特に185°Cとすることが望ましい。
【0073】
【考案の実施の形態】
以下に、本考案に係る実施の形態例を図1から図5に基づいて説明する。
【0074】 <第1実施の形態例> まず、本実施の形態に係る木質様成形品は、不純物を含む木質廃材から得られ た木質廃材粉砕粉と、不純物を含む廃プラスチック材から得られた樹脂廃材粉砕 粉とを混錬して、押出若しくは射出成形によって成形してなり、不純物が成形品 全体に対して合計で20wt%以下含まれているものである。
【0075】 図1は本考案に係る木質様成形品の一部を10倍に拡大した際の部分断面図で あり、図2は、同500倍に拡大した部分拡大図であり、図1中、木質廃材に含 まれる木粉が図示され、ここではその大きさを200μmとしている。なお、木 粉はこの大きさに限定されるものではなく、1〜300μmであれば、いかなる 大きさのものであってもよい。
【0076】 図2に示すように、本実施の形態における木質様成形品1には、木質廃材内の 木粉2と、廃プラ材内の樹脂3とを備え、樹脂3には、木質廃材や廃プラ材内に 含まれる不純物7,8が含有している。
【0077】 廃プラ材(樹脂廃材)としては、容器包装リサイクル法によるプラスチックゴ ミであるペットボトル、人工大理石等の水酸化アルミニウムを含んだアクリル樹 脂、ガラス繊維で補強された強化プラスチック(FRP)、ナイロン等が挙げら れる。さらに、廃プラ材は、食品等の包装に用いられた後回収されたトレイ、食 品コンテナ等のポリプロピレン包装部材や、ポリプロピレン包装部材を形成した 際に出るポリプロピレンの端材等を含んでいてもよい。また、廃プラ材は、住宅 等の建物を解体した際に排出されるものであってもよく、家具を解体した際に排 出されるものであってもよい。このように、廃プラ材は、飲料物を含む食品の容 器や包装等に使用される樹脂製品や、建物や家具を解体した際に排出されるもの のうち少なくとも一つを含んでいればよい。 前記木質廃材は、住宅等の建物を解体した際に排出される木質廃材や家具を解 体した際に排出される木質廃材、建物建築中に排出される木材の端材、おが屑等 を使用する。
【0078】 不純物7,8は、不純物を含む木質廃材から得られた木質廃材粉砕粉と、不純 物を含む廃プラスチック材から得られた樹脂廃材粉砕粉とを混錬して、押出若し くは射出成形によって成形した際の不純物である。 木質廃材に含まれる不純物8として、例えば、パネル工法で使用される壁パネ ルに耐火材として取り付けられた石膏ボードの石膏、壁パネルや床パネル等に充 填された断熱材等が挙げられる。
【0079】 また、具体的に廃プラ材に含まれる不純物としては、例えば、炭酸カルシウム 、タルク、顔料、ポリエチレン(polyethylene:以下PEという)、(繊維)強 化プラスチック(fiber reinforced plastic:FRP)などが挙げられる。なお 、廃プラ材において不純物を除いたものとしては、ポリプロピレン(polypropyl ene:以下PPという)、軟質ポリ塩化ビニル(軟質PVC)、硬質ポリ塩化ビ ニル(硬質PVC)等が挙げられる。軟質ポリ塩化ビニルは、例えば回収された 農業用ビニル等である。この農業用ビニルの一例としてはビニルハウス用ポリ塩 化ビニルシートなどが挙げられる。さらに農業用ビニルは材料単価が安く、この 農業用ビニルを用いて木質様成形品を成形すればコスト削減を図ることができる 。
【0080】 また、多数の木粉2は、互いに樹脂3により結合されており、樹脂との接触部 分では、樹脂が浸食した状態(図では樹脂含浸で示す部分)となっている。 こ のように木粉2の周縁部には樹脂3が浸透した状態となっているので、樹脂3と 木粉2との接合力が高められ、木粉2に湿気が帯びにくいようになっている。ま た、樹脂3には、木質廃材や廃プラ材に含まれた、石膏、断熱材、炭酸カルシウ ム、タルク、顔料、PE、FRP等が不純物として含まれた状態となっている。 図2では、不純物であるFRP7、石膏8が図示されている。
【0081】 図3は、本実施の形態における木質様成形品1の原料となっている廃プラ材( 樹脂廃材)、木質廃材及びこれら廃プラ材及び木質廃材に含まれていた不純物と の配合の割合をベン図で示している。 図3に示すように、本実施の形態における木質様成形品1は、不純物が成形品 全体に対して合計で20wt%以下含まれているとともに、木質廃材Cに含まれ る木質部分E、つまり木粉の部分の割合が手触り等の成形品全体に対し51〜5 5%、廃プラ材Aに含まれる樹脂部分Dの割合が全体に対し25〜30%となっ ている。
【0082】 ここで、木質部分の木質様成形品全体に対する割合(濃度)が51〜55wt %に設定されているのは、51wt%未満では、本物の木材により近い手触り等 の風合いを出すことが難しく、また55wt%を超えると、木質過多となって押 出成形等の成形性が低下するためである。さらに、樹脂部分の割合が25〜30 wt%に設定したのは、25wt%未満では、樹脂分が少なすぎて、押出成形等 の成形性が低下するためであり、また30wt%を超えると、樹脂過多となって 十分な強度や硬度が得られ難いためである。
【0083】 本実施の形態の木質様成形品によれば、不純物が成形品全体に対して合計で2 0wt%以下含まれ、押出成形等の成形性が良くなるとともに、不純物を比較的 多く含んでいるので、資源の有効利用や環境保護の観点からも優れた木質様成形 品となる。 また、木質廃材粉砕粉のうちの木粉を、成形品全体に対して51〜55wt% 含ませているので、本物の木材により近い手触り等の風合いを出すことができる とともに、利用する木質部分が多いので、木質廃材の再利用率を向上させること ができる。さらに、樹脂廃材Aのうちの樹脂部分Dが成形品全体に対して25〜 30wt%含まれているので、樹脂廃材粉砕粉Aのうちの樹脂粉を、成形品全体 に対して25〜30wt%含ませることができ、成形品の強度や硬度を十分に得 ることができるとともに、押出成形等の成形性を向上させることができる。
【0084】 図4にその配合例の具体例を示す。 図4では、木質様成形品における樹脂部分D、不純物部分B及び木質部分Eの 割合の具体例を4つの配合番号とともに示している。 まず、配合番号「99007」では木質廃材C(図3参照)及び樹脂廃材A( 図3参照)の不純物の合計Bが、成形品全体の20wt%である場合の一例を示 している。このときの不純物Bの内訳は、石膏・断熱材の成形品全体に対する割 合が5wt%、炭酸カルシウム及びタルクの成形品全体に対する割合が11wt %、顔料その他の成形品全体に対する割合が4wt%となっている。この配合例 における樹脂部分DはPPからなり、このPPの成形品全体に対する割合が25 wt%となり、木質部分E、つまり、木粉の成形品全体に対する割合は55wt %となっている。
【0085】 配合番号「99016」では、木質廃材C(図3参照)及び樹脂廃材A(図3 参照)の不純物の合計Bが、成形品全体の15wt%である場合の一例を示して いる。このときの不純物の内訳は、炭酸カルシウム及びタルクの成形品全体に対 する割合が11wt%、顔料その他の成形品全体に対する割合が4wt%となっ ている。このとき、樹脂部分は軟質PVC及び硬質PVCからなり、軟質PVC の成形品全体に対する割合は15wt%、硬質PVCの成形品全体に対する割合 は15wt%となっており、樹脂部分D全体では成形品全体に対する割合は30 wt%となっている。また、木質部分E、つまり、木粉の成形品全体に対する割 合は55wt%となっている。
【0086】 また、配合番号「99020」でも、木質廃材C(図3参照)及び樹脂廃材A (図3参照)の不純物の合計Bが、成形品全体の20wt%である場合の一例を 示している。このときの不純物Bの内訳は、PE、炭酸カルシウム・タルク及び 顔料その他を含有し、PEの成形品全体に対する割合が5wt%、炭酸カルシウ ムの成形品全体に対する割合が5wt%、タルクの成形品全体に対する割合が6 wt%、顔料その他の成形品全体に対する割合が4wt%となっている。また、 樹脂部分DはPPからなり、成形品全体に対する割合が25wt%となっており 、木質部分E、つまり、木粉の成形品全体に対する割合は55wt%となってい る。
【0087】 配合番号「0006」では、木質廃材C(図3参照)及び樹脂廃材A(図3参 照)の不純物の合計Bが、成形品全体の19wt%である場合の一例を示してい る。このときの不純物Bの内訳は、FRP及び顔料その他からなり、FRPの成 形品全体に対する割合は15wt%、顔料その他の成形品全体に対する割合は4 wt%となっている。このとき、樹脂部分DはPPからなり、PPの成形品全体 に対する割合が30wt%となっており、木質部分E、つまり、木粉の成形品全 体に対する割合は51wt%となっている。
【0088】 次に、本実施の形態に係る木質様成形品の製造方法について説明する。先ず、 建物躯体等として使用した建築部材を、建物の建て直し等の際、木質からなる回 収木質部材すなわち、木質廃材と、樹脂からなる回収樹脂部材、つまり樹脂廃材 とに分別して回収する。もちろん、回収する建築部材は、老朽化した建物の解体 廃材のみではなく、新築現場において発生する廃材等も含まれる。なお、この分 別作業は、人力による分別作業や、各材質の物性の違いを利用する機械分別等が 用いられる。また、この分別作業が終了した段階では、建築部材の取り外し作業 や、分解作業等において、建築部材はかなり分断された塊状となっている。
【0089】 次に塊状の木質廃材と樹脂廃材とを、次工程である混合工程において、中心に 複数の回転羽根を有する混合機械の内部に投入し、両者を混合する。もちろん、 混合機械は他の種類のものでも良いものである。
【0090】 この混合工程において、混合機械の内部に投入する前に、それぞれの廃材を構 成する部材の重量を計測する。例えば、まず、回収した木質廃材及び樹脂廃材を 混合機械に投入可能な投入容器にそれぞれ収容する。 なお、例えば、木質廃材の一例として例えば、パネル工法において用いられる 木質パネルなどがある。木質パネルは縦横の框材を矩形枠状に組み、この矩形枠 内に補助桟材を縦横に設けることで構成された枠体と、この枠体の表裏面のうち 少なくとも一方の面に取り付けられた合板などの面材とを備えている。 このように木質廃材としてパネルを投入容器に入れる際には、その前段階で釘 などを自動分別機などによって引き抜いておく。
【0091】 そして、それぞれの投入容器に入れられたそれぞれの廃材の重量と、それぞれ の廃材における不純物の重量とを調べる。 それぞれの廃材に含まれ、それぞれの廃材に対する不純物の重量は、各廃材を 構成する各構成部材の重量を予め確認しておくことで割りだせる。
【0092】 つまり、木質廃材の場合における全体の重量は、木質廃材を構成する各構成部 材の総重量であり、木質廃材における不純物の重量は、前記各構成部材のうち、 木質部材を除いた部材の総重量となる。例えば、不純物を含む木質廃材が壁パネ ルよりなる壁体である場合、不純物の重量は、不純物を含む木質廃材の全体重量 から、木質部分(木質パネル)の重量を除いた石膏ボードや、枠体内に設けられ る断熱材の重量となり、木質廃材全体の重量は、石膏ボード、断熱材といった不 純物の総重量に木質パネルの重量を加えたものとなる。
【0093】 また、同様に投入容器に投入される樹脂廃材では、その総重量と、樹脂廃材の うち、樹脂製材でないものの重量を予め確認しておくことで割り出すことができ る。なお、樹脂廃材の前の樹脂製品状態において、その構成部材の割合と重量が 予め判っているものは、それを利用して樹脂部分の重量と不純物の重量とを割り 出すことができる。
【0094】 そして、木質廃材と樹脂廃材の総重量に対する両者の不純物の合計重量の割合 が20wt%以下となるようにする。すなわち、木質廃材に含まれる不純物、例 えば、木質廃材が壁パネルであれば、不純物は石膏及び断熱材となり、これら石 膏及び断熱材と、樹脂廃材に含まれる不純物、例えば、炭酸カルシウム、タルク 、顔料、PEやFRP等との合計重量が、壁パネルと樹脂廃材との合計重量の2 0wt%以下となるように調節する。このとき、木質廃材に樹脂が含まれる場合 、その樹脂の重量は両者の不純物の重量から外す。また、樹脂廃材に木粉などの 木質部分が含まれる場合は、その重量は、不純物としての重量から外す。
【0095】 次に、粉砕工程において、混合工程で混合したものを粉砕して粉砕粉を形成す る。なお、この粉砕工程は、一次粉砕、二次粉砕及び三次粉砕の三段階から形成 されている。もちろん、この粉砕形態は、効率的に行うために各段階に分けたも ので特にこれに限定されることはなく、一種類の粉砕工程で行うことも充分可能 である。
【0096】 先ず、一次粉砕工程において使用される粉砕装置は、一つの塊の大きさが数セ ンチメートル程度のものからなる大塊状にすることができる粉砕機能を有するも のであって、具体的には、二個の対向するローラーの表面に多数の突起を形成し 、このローラー間を加圧させながらローラーを回転させることにより、この間を 通過するものを破砕するような粉砕装置である。もちろん、粉砕装置は、これに 限定されるものではなく、同様の機能を有するものであれば他の粗粉砕用の粉砕 装置を使用しても良い。例えば、上向きV型に開いたジョーと振動アゴの間に原 料を入れ、加圧することにより原料を粉砕するジョークラッシャや、固定破砕面 の中を可動破砕面が旋回し、連続的に破砕するジャイレントリクラッシャ等の他 の粗粉砕装置を使用しても良いものである。
【0097】 次に、二次粉砕工程において、一次粉砕工程を終えた一次粉砕材料に対して細 粉状に粉砕を施す。この二次粉砕工程に使用される粉砕装置は、大塊状のものを 数ミリメートル以下にまで、細粉状に粉砕することができるものであって、具体 的には、高速回転するハンマチップで材料を打ち砕き、ハンマチップの外周にあ るスクリーンの丸穴を通過するまで打砕作用を繰り返すハンマミルを使用するも のである。もちろん、使用する粉砕装置は、上述したハンマミルに限定されるも のではなく、同様の機能を有するものであれば他の粉砕装置でも良いものである 。例えば、カッターにより細断するカッターミルや、ローラーにより圧砕するロ ールミル等を使用しても良い。
【0098】 次に、三次粉砕工程において、二次粉砕工程を終えた二次粉砕材料に対して微 粉状に粉砕を施す。この三次粉砕工程に使用される粉砕装置は、二次粉砕工程に より得られた材料を更に細かい微粉状に粉砕することができるものである。具体 的には、いわゆるピンミルであって、円盤に取り付けられたピンによって、衝撃 、反発の相互作用を受けて微粉砕を施すことができるものである。
【0099】 更に具体的には、このピンミルは、垂直方向に多数のピンを有する円盤状の回 転ディスクと、この回転ディスクに向かい合う面に多数のピンを有する固定ディ スクとを備え、二次粉砕工程により得られた材料を回転ディスクの中心部へ投入 すると、遠心力によって回転ディスクと固定ディスクに取り付けられたピンの間 隙に入り込み、ピンによる衝撃や反発の相互作用を受けて微粉状に粉砕すること ができるものである。この三次粉砕工程では、上述したピンミルにより、約60 ミクロンメートル程度の大きさの粒に粉砕される。もちろん、粉砕装置は、上述 したピンミルに限定されるものではなく、同様の機能を有する他の細粉砕装置、 例えば、ボールミルや石臼等でも良いものである。
【0100】 上述したような粉砕工程において、回収した建築部材を三段階に分けて、粉砕 が段階的に効率的に行われる。なお、特に図示していないが、一次粉砕及び二次 粉砕後にふるいをかけて、既に所定の粒度に微粉砕されているものは、直接、粉 砕粉の貯留場所に送給されるように設定されている。次に、混練工程において、 粉砕工程で得られた粉砕粉を各部材からの粉砕粉が均一に分布するように混練す る。その際、必要に応じて、複数の顔料や回収材でない樹脂粉を投入して混練し ても良いものである。その際、木粉の粒径が1〜300μmとなるように粉砕さ れる。なお、この実施の形態では200μmとなるように、木質廃材を粉砕して いる。このように前記木粉の粒径は1〜300μmに設定することで、成形品全 体に均一に分散させるようにし、木粉間に樹脂が充填することで、木粉を成形品 内に保持することができる。また、樹脂の一部が木粉に含浸することによって、 木粉の保持性がさらに向上するとともに、木粉への湿気の侵入を防止することも できる。
【0101】 そして、成形工程において、混練したものに所定の温度及び圧力を加えて、押 出成形機または射出成形機により所望の形状に成形する。 この成形工程においては、成形温度を160〜220℃(特に185°C前後 であることが望ましい)に設定し、この成形温度で成形されている。ここで、成 形工程における成形温度を160〜220℃に設定したのは、160℃未満では 、樹脂粉の軟化が不充分で、木粉と均等に混錬し難く、また220℃以上では木 粉が熱で炭化等の変化を起すためである。 このように成形温度を160〜220℃に設定したので、粉砕工程において得ら れた木質廃材粉砕粉のうちの木粉を成形工程において熱で変化させることなく、 しかも、樹脂廃材粉砕粉のうちの樹脂粉を十分に溶融し軟化させて、木粉と均等 に混錬することができ、これによって、木質様成形品を容易かつ確実に得ること ができる。
【0102】 このような作業工程を経ることで回収した木質廃材及び樹脂廃材を用いた木質 様成形品を得ることができ、製造工程が終了する。 以上のように成形された木質様成形品は、不純物が成形品全体に対して合計で 20wt%以下含まれているので、押出成形等の成形性が良くなるとともに、不 純物を比較的多く含んでいるので、資源の有効利用や環境保護の観点からも優れ ている。また、木質廃材のうちの木質部分が成形品全体に対して51〜55wt %含まれているので、木質廃材粉砕粉のうちの木粉を、成形品全体に対して51 〜55wt%含ませることができ、本物の木材により近い手触り等の風合いを出 すことができるとともに、利用する木質部分が多いので、木質廃材の再利用率を 向上させることができる。
【0103】 さらに、樹脂廃材のうちの樹脂部分が成形品全体に対して25〜30wt%含 まれているので、樹脂廃材粉砕粉のうちの樹脂粉を、成形品全体に対して25〜 30wt%含ませることができ、成形品の強度や硬度を十分に得ることができる とともに、押出成形等の成形性を向上させることができる。 また、木粉の粒径が1〜300μmであるので、押出成形等の成形性がよく、 木粉を成形品全体に均一に分散させることができるとともに、成形品の表面に木 粉の細かい粒子が出現するので、該表面が滑らかになり、成形後の表面処理を容 易に行うことができる。
【0104】 さらに、木粉の表面に微粉末を担持させて固定粒6とし、この固定粒6を含む 木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉とを混錬 して成形しているので、通常の木質材料よりも水分を吸収し難く、メンテナンス を容易にすることができるものである。すなわち、外観上は木目模様を呈するこ とができて木製品と同様の外観を形成することができるが、耐水性に関しては木 製品と比較してはるかに水に強い木質様成形品を提供できる。
【0105】 また、上述したように本実施の形態にかかる木質様成形品の製造方法は、木質 廃材と樹脂廃材とを混合した後に粉砕しているため、木質廃材粉砕粉と樹脂廃材 粉砕粉とを、それぞれ専用の製造ラインを形成する必要がなく、混合工程から成 形工程までを一つのラインとして形成することができる。これにより、木質廃材 粉砕粉と樹脂廃材粉砕粉との専用ラインを設ける場合と比較して、工程ラインを 設置するスペースを減少させることができ、粉砕機械等の使用機械も少なくする ことができる。さらに、各工程ラインを管理する作業者も減少させることができ て、製造コストを減少させることができる。また、一つの粉砕機械を使用して、 木質廃材の粉砕と、樹脂廃材の粉砕とを時間をずらして行う場合と比較して、工 程に必要な時間を短縮することができ、木質廃材と樹脂廃材とで両者の切替時の 清掃作業も不要となって作業効率を向上させることができる。 また、木質様成形品を容易に製造することができる。
【0106】 さらに、混合工程において、不純物の濃度を20wt%以下に設定し、木質部 分の濃度を51〜55wt%に設定し、樹脂部分の濃度を25〜30wt%に設 定しているので、木質廃材粉砕粉のうちの木粉を、成形品全体に対して容易かつ 確実に51〜55wt%含ませることができるとともに、樹脂廃材粉砕粉のうち の樹脂粉を、成形品全体に対して容易かつ確実に25〜30wt%含ませること ができ、本物の木材により近い手触り等の風合いを出すことができるとともに、 成形品の強度や硬度を十分に得ることができ、さらには、押出成形等の成形性を 向上させることができる。
【0107】 また、成形工程における成形温度を160〜220℃に設定したので、粉砕工 程において得られた木質廃材粉砕粉のうちの木粉を成形工程において熱で変化さ せることなく、しかも、樹脂廃材粉砕粉のうちの樹脂粉を十分に溶融し軟化させ て、木粉と均等に混錬することができ、これによって、木質様成形品を容易かつ 確実に得ることができる。
【0108】 なお、上述した木質用成形品の製造方法は、木質廃材と樹脂廃材とを混合工程 において、混合した後、粉砕工程において、一次粉砕、二次粉砕及び三次粉砕と 粉砕し、次の混練工程に進めているが、木質廃材と樹脂廃材とを混合する前に各 部材毎に一次粉砕のみ施して、その後、混合し、二次粉砕及び三次粉砕と粉砕を 進めて、次の混練工程に進めるようにしても良いものである。これにより、混合 工程において、投入容器に充填する各部材の塊の大きさが均一となり、各部材を 投入容器内部に均一かつ密に充填することができ、投入容器の容量による測定精 度を格段に向上させることができる。
【0109】 <第2実施の形態例> 図5は、第2の実施の形態を示す木質様成形品の部分拡大図である。 第2の実施の形態に係る木質様成形品20は、不純物を含む木質廃材から得ら れた木質廃材粉砕粉のうちの、木粉2Aの表面に、この木粉2Aより小径でかつ 硬い微粉末6を担持させて固定粒10とし、この固定粒10を含む木質廃材粉砕 粉と、不純物(例えば、FRP7など)を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉 砕粉とを混錬して、押出若しくは射出成形によって成形されたものである。 この木質様成形品20は、第1の実施の形態と同様に、不純物を含む木質廃材 と、不純物を含む樹脂廃材とを備え、前記微粉末6は、木質廃材と樹脂廃材とを 一緒に混合して粉砕することにより、木質廃材と樹脂廃材とが混合した状態で形 成されているものである。そして、第1の実施の形態で説明した製造工程と略同 様の製造工程により得ることができるものである。
【0110】 このように木粉2の表面に微粉末6を担持させて固定粒10とし、この固定粒 10を含む木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕 粉とを混錬して成形しているので、通常の木質材料よりも水分を吸収し難く、メ ンテナンスを容易にすることができるものである。すなわち、外観上は木目模様 を呈することができて木製品と同様の外観を形成することができるが、耐水性に 関しては木製品と比較してはるかに水に強い木質様成形品となっている。 また、本実施の形態に係る考案に係る木質様成形品20は、第1の実施の形態 の作用及び効果に加えて、上述したような材質からなるため、外部から見える木 質様成形品20の表面に木目模様を出すことができる。また、木質材料と異なり 、原料となる天然木材の違いや、含有水分の違い等による品質のバラツキが発生 することがなく、製品のバラツキを抑えることができる。 すなわち、本実施の形態の木質様成形品20は、複雑な断面形状をなしていて も木目模様を呈するので、建物内部の表面を化粧する部材等に用いるのに適して いる。換言すれば、天然の木材を切削加工したのでは手間がかかるような断面形 状の部材であっても、木目模様を呈する成形品として提供することができる。
【0111】 なお、上述した各実施の形態の木質様成形品では、不純物を含む木質廃材から 得られた木質廃材粉砕粉と、不純物を含む廃プラスチック材から得られた樹脂廃 材粉砕粉とを混錬して、押出若しくは射出成形によって成形することで、不純物 が成形品全体に対して合計で20wt%以下含まれているものとして製造されて いるが、前記木質廃材粉砕粉と前記樹脂廃材粉砕粉とを混錬する際に、さらに弱 陰イオン交換樹脂を加え、これら前記木質廃材粉砕粉、前記樹脂廃材粉砕粉及び 弱陰イオン交換樹脂とを混錬し溶融させて成形してもよい。
【0112】 以下にその一例を変形例として示す。 この変形例としての木質様成形品は、木質廃材を粉砕することによって得られ た木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉と、弱 陰イオン交換樹脂とを混合して混合材料とし、この混合材料を溶融させて成形し てなるものである。 なお、前記不純物を含む廃材樹脂には、回収された農業用ビニルを使用する。 この農業用ビニルは、例えば、ビニルハウス用ポリ塩化ビニルシート等であり、 硝酸系イオンを含有する窒素肥料が付着しているものである。 前記弱陰イオン交換樹脂としては、例えば、ジエチルアミノエチル基を結合さ せた樹脂等が挙げられる。
【0113】 この変形例における木質様成形品の製造方法としては、まず、木質廃材を上述 した粉砕工程により粉砕し木質廃材粉砕粉とする。そして、回収された農業用ビ ニルを、例えばハンマーミルを使用して粉砕して樹脂廃材粉砕粉を得る。一方、 弱陰イオン交換樹脂も同様にハンマーミルを使用して粉砕する。
【0114】 そして、上述のようにして得られた木質廃材粉砕粉、樹脂廃材粉砕粉、弱陰イ オン交換樹脂を均一に分布するように混練する。 その後、混練した木質廃材粉砕粉と樹脂廃材粉砕粉と弱陰イオン交換樹脂とを 押出成形機のホッパ内に投入し、加熱シリンダ内で溶融させて押出成形すること によって木質様成形品を製造する。
【0115】 この成形工程においては、成形温度を160〜220℃に設定し、この成形温 度で成形されている。ここで、成形工程における成形温度を160〜220℃に 設定したのは、160℃未満では樹脂廃材粉砕粉および弱陰イオン交換樹脂の軟 化が不十分で木質廃材粉砕粉と均等に混練し難く、また220℃以上では木質廃 材粉砕粉が熱で炭化等の変化を起こすためである。 このように成形温度を160〜220℃に設定したので、粉砕工程において得 られた木質廃材粉砕粉を成形工程において熱で変化させることなく、しかも樹脂 廃材粉砕粉および弱陰イオン交換樹脂を十分に溶融し軟化させて、木質廃材粉砕 粉と均等に混練することができ、これによって木質様成形品を容易かつ確実に得 ることができる。
【0116】 本実施の形態における変形例としての木質様成形品によれば、第1の実施の形 態と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、木質廃材から得られた木質 廃材粉砕粉と、回収された農業用ビニルから得られた樹脂廃材粉砕粉と、弱陰イ オン交換樹脂とを混合し、この混合した材料を溶融させて成形してなるので、木 質廃材粉砕粉中の水分によって弱陰イオン交換樹脂中の陰イオンが電離して、農 業用ビニルに付着している窒素肥料に含まれている硝酸系イオンとイオン交換反 応を行う。したがって、臭いを生じる硝酸系イオンを除去することができ、脱臭 効果を得ることができ、これを住宅の建材として使用することができる。
【0117】 また、木質廃材や回収された農業用ビニルを再利用しているので再利用率を向 上させることができる。 さらに、材料単価の安い農業用ビニルを使用しているのでコストの削減につな がる。なお、より脱臭効果を得るために例えば、モレキュラーシーブ、ゼオライ ト、発泡シラス土、活性炭等を、セルロース系微粉粒、樹脂廃材粉砕粉、弱陰イ オン交換樹脂と一緒に混練しかつ溶融させ、固形化すると良い。
【0118】 また、木質廃材と樹脂廃材と弱陰イオン交換樹脂との混合は、粉砕前に行って も良い。すなわち、破砕していない木質廃材と樹脂廃材と弱陰イオン交換樹脂と を混合し、この混合材料を上述した方法と同様に、木質廃材が木質廃材粉砕粉と なり、樹脂廃材および弱陰イオン交換樹脂が粉末状となるまで粉砕て、この粉砕 された混合材料を混練しかつ溶融させ、押出成形して製造するものとなる。 また、上述した変形例では、木質廃材粉砕粉と樹脂廃材粉砕粉との混錬に際し 、弱陰イオン交換樹脂を加えて、これらを混錬するようにしたが、同様にして、 不純物を含む木質廃材から得られた木質廃材粉砕粉のうちの、木粉の表面に、こ の木粉より小径でかつ硬い微粉末を担持させて固定粒とし、この固定粒を含む木 質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉との混錬に 際し、弱陰イオン交換樹脂を加えて混合し、押出若しくは射出成形によって成形 してもよいことは勿論である。この場合、上述した変形例の作用効果ととともに 、第2の実施の形態の構成による作用効果と同様の効果を得る木質様成形品とな る。
【0119】
【考案の効果】
以上のように、請求項1の考案によれば、不純物が成形品全体に対して合計で 20wt%以下含まれているので、押出成形等の成形性が良くなるとともに、不 純物を比較的多く含んでいるので、資源の有効利用や環境保護の観点からも優れ た木質様成形品となる。 請求項2の考案によれば、請求項1記載と同様の効果を得ることができるとと もに、前記混練された前記木質廃材粉砕粉及び樹脂廃材粉砕粉は押出若しくは射 出成形により容易に成形することができる。
【0120】 請求項3の考案によれば、請求項1または2と同様の効果を得ることができる とともに、木質廃材のうちの木質部分が成形品全体に対して51〜55wt%含 まれているので、木質廃材粉砕粉のうちの木粉を、成形品全体に対して51〜5 5wt%含ませることができ、本物の木材により近い手触り等の風合いを出すこ とができるとともに、利用する木質部分が多いので、木質廃材の再利用率を向上 させることができる。
【0121】 請求項4の考案によれば、請求項1〜3のいずれか一つと同様の効果を得るこ とができるとともに、樹脂廃材のうちの樹脂部分が成形品全体に対して25〜3 0wt%含まれているので、樹脂廃材粉砕粉のうちの樹脂粉を、成形品全体に対 して25〜30wt%含ませることができる。したがって、成形品の強度や硬度 を十分に得ることができるとともに、押出成形等の成形性を向上させることがで きる。
【0122】 請求項5の考案によれば、請求項1〜4のいずれかと同様の効果を得ることが できるとともに、木粉の粒径が1〜300μmであるので、押出成形等の成形性 がよく、木粉を成形品全体に均一に分散させることができる。また、成形品の表 面に木粉の細かい粒子が出現するので、該表面が滑らかになり、成形後の表面処 理を容易に行うことができる。
【0123】 請求項6の考案によれば、請求項1〜5のいずれかと同様の効果を得ることが できるとともに、木粉の表面に微粉末を担持させて固定粒とし、この固定粒を含 む木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉とを混 錬して成形しているので、通常の木質材料よりも水分を吸収し難く、メンテナン スを容易にすることができるものである。すなわち、外観上は木目模様を呈する ことができて木製品と同様の外観を形成することができるが、耐水性に関しては 木製品と比較してはるかに水に強い木質様成形品を提供できる。
【0124】 請求項7記載の考案によれば、建物を解体した際に排出されたものが再利用さ れるので、請求項1〜6と同様に、資源の有効利用や環境保護を図ることができ る。 請求項8記載の考案によれば、家具を解体した際に排出されたものが再利用さ れるので、請求項1〜6と同様に、資源の有効利用や環境保護を図ることができ る。 請求項9記載の考案によれば、前記木材の端材、おが屑が再利用されるので、 請求項1〜6と同様に、資源の有効利用や環境保護を図ることができる。
【0125】 請求項10記載の考案によれば、前記石膏、断熱材、樹脂部材のうち少なくと も一つが再利用されることになり、請求項1〜6の考案と同様に、資源の有効利 用や環境保護を図ることができる。 請求項11記載の考案によれば、飲料物を含む食品の容器や包装に使用される 樹脂製品が再利用され、請求項1〜10の考案と同様に、資源の有効利用や環境 保護を図ることができる。 請求項12記載の考案によれば、建物を解体した際に排出されたものが再利用 されるので、請求項1〜10と同様に、資源の有効利用や環境保護を図ることが できる。
【0126】 請求項13記載の考案によれば、家具を解体した際に排出されたものが再利用 されるので、請求項1〜10と同様に、資源の有効利用や環境保護を図ることが できる。 請求項14記載の考案によれば、前記樹脂廃材の不純物として、前記炭酸カル シウムや、補強材や充填材として用いられるタルク、顔料、ガラス繊維で補強さ れた強化プラスチックのうち少なくとも一つを含んでいるので、請求項1〜13 と同様に、資源の有効利用や環境保護を図ることができる。
【0127】 請求項15記載の考案によれば、ポリプロピレン樹脂、硬質または軟質のポリ 塩化ビニル樹脂、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ スチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ABS樹脂 のうち少なくとも一つの溶融し易い樹脂が前記樹脂廃材の樹脂部分を構成してい るので、これら溶融し易い樹脂が含む樹脂廃材粉砕粉と前記木質廃材粉砕粉とを 混錬する際に所要形状に成型することが容易となるとともに、請求項1〜14と 同様に、資源の有効利用や環境保護を図ることができる。
【0128】 請求項16記載の考案によれば、請求項6と同様の効果を得ることができると ともに、不純物を含む木質廃材から得られた木質廃材粉砕粉のうちの、木粉の表 面に担持させて固定粒とされる、前記木粉より小径でかつ硬い微粉末が、酸化チ タン、フェライト、アルミニウム、ニッケル、銀、セラミック、炭酸カルシウム の微粉末のうち少なくとも一つを含むので、通常の木質材料よりも水分を吸収し 難く、メンテナンスを容易にすることができ、すなわち、外観上は木目模様を呈 することができて木製品と同様の外観を形成することができるが、耐水性に関し ては木製品と比較してはるかに水に強いものとなる。
【0129】 請求項17記載の考案によれば、請求項6または16と同様の効果を得ること ができるとともに、顔料によって成形品の表面に色彩や模様を呈することができ 、成形品の外観を木質態様を有するものとして向上させることができる。
【0130】 請求項18記載の考案によれば、請求項17と同様の効果を得ることができる とともに、有色顔料であり、且つ酸化鉄、カドミウムイエロー、カーボンブラッ クの無機顔料によって成形品の表面に所望の色彩や模様を呈することができ、成 形品の外観を木質態様を有するものとして向上させることができる。
【0131】 請求項19記載の考案によれば、請求項1と同様の効果を得ることができると ともに、木質廃材及び樹脂廃材の不純物の合計は、成形品全体の20wt%であ り、前記不純物としては、石膏・断熱材の成形品全体に対する割合が5wt%、 炭酸カルシウム及びタルクの成形品全体に対する割合が11wt%、顔料その他 の成形品全体に対する割合が4wt%であるので、押出成形等の成形性が良くな るとともに、不純物を比較的多く含むことになり、資源の有効利用や環境保護の 観点からも優れた木質様成形品となる。
【0132】 請求項20記載の考案によれば、請求項19と同様の効果を得ることができる とともに、樹脂部分がポリプロピレン樹脂からなり、このポリプロピレン樹脂の 成形品全体に対する割合が25wt%であるので、成形品の強度や硬度を十分に 得ることができるとともに、押出成形等の成形性を向上させることができる。
【0133】 請求項21記載の考案によれば、請求項19または20と同様の効果を得るこ とができるとともに、木質廃材粉砕粉のうちの木粉が、成形品全体に対して55 wt%であるので、本物の木材により近い手触り等の風合いを出すことができる とともに木質過多にならず成形性が良く、さらに利用する木質部分が多いので、 木質廃材の再利用率を向上させることができる。
【0134】 請求項22記載の考案によれば、請求項1または2と同様の効果を得ることが できるとともに、木質廃材及び樹脂廃材の不純物の合計が成形品全体の15wt %であり、前記不純物としては、炭酸カルシウム及びタルクの成形品全体に対す る割合が11wt%、顔料その他の成形品全体に対する割合が4wt%であるの で、押出成形等の成形性が良くなるとともに、不純物を比較的多く含むことにな り、資源の有効利用や環境保護の観点からも優れた木質様成形品となる。
【0135】 請求項23記載の考案によれば、請求項22と同様の効果を得ることができる とともに、樹脂部分は軟質ポリ塩化ビニル樹脂及び硬質ポリ塩化ビニル樹脂から なり、軟質ポリ塩化ビニル樹脂の成形品全体に対する割合は15wt%、硬質ポ リ塩化ビニル樹脂の成形品全体に対する割合は15wt%であるので、成形品の 強度や硬度を十分に得ることができるとともに、押出成形等の成形性を向上させ ることができる。
【0136】 請求項24記載の考案によれば、請求項22または23と同様の効果を得るこ とができるとともに、木質廃材Cのうちの木質部分Eが成形品全体に対して55 wt%含まれているので、木質廃材粉砕粉のうちの木粉を、成形品全体に対して 51〜55wt%含ませることができる。したがって、本物の木材により近い手 触り等の風合いを出すことができるとともに、利用する木質部分が多いので、木 質廃材の再利用率を向上させることができる。
【0137】 請求項25記載の考案によれば、請求項1または2と同様の効果を得ることが できるとともに、前記木質廃材及び樹脂廃材の不純物の合計が成形品全体の19 wt%であり、不純物の内訳として、強化プラスチック及び顔料その他からなり 、前記強化プラスチックの成形品全体に対する割合は15wt%、顔料その他の 成形品全体に対する割合は4wt%であるので、押出成形等の成形性が良くなる とともに、全体の19wt%というように不純物を比較的多く含んでいるので、 資源の有効利用や環境保護の観点からも優れた木質様成形品となる。
【0138】 請求項26記載の考案によれば、請求項25と同様の効果を得ることができる とともに、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂部分が成形品全体の30wt%であ ることから成形品の強度や硬度を十分に得ることができるとともに、押出成形等 の成形性を向上させることができ、さらに、前記木粉の成形品全体に対する割合 が51wt%と成形品全体の半分以上の割合を占めることになり、本物の木材に より近い手触り等の風合いを出すことができるとともに利用される木質部分が多 くなり、木質廃材の再利用率を向上させることができる。
【0139】 請求項27記載の考案によれば、請求項1と同様の効果を得ることができると ともに、前記木質廃材粉砕粉と、前記樹脂廃材粉砕粉と、前記弱陰イオン交換樹 脂とを混錬し溶融させて成形してなるので、つまり、溶融して成形してなる樹脂 中に、木質廃材粉砕粉が存在するので、弱陰イオン交換樹脂はその全てが樹脂に よって覆われてイオン交換樹脂としての機能を損なうことなく、木質廃材粉砕粉 に近接もしくは接している部分はイオン交換樹脂としての機能を有することにな る。そして、木質廃材粉砕粉中の水分によって弱陰イオン交換樹脂中の陰イオン が電離し、この陰イオンと樹脂廃材粉砕粉中に含まれる陰イオンとが交換される 。すなわち、例えば、前記樹脂廃材粉砕粉中に臭いを発生する硝酸系イオンが含 まれている場合には、この硝酸系イオンが前記弱陰イオン交換樹脂の陰イオンと 交換されて除去される。したがって、脱臭効果を得る木質様成形品となり、これ を住宅の建材として使用することができる。
【0140】 請求項28記載の考案によれば、請求項27と同様の効果を得ることができる とともに、前記不純物を含む樹脂廃材は、回収された農業用ビニルであるので、 該農業用ビニルに付着している窒素肥料に含まれる硝酸系イオンを、弱陰イオン 交換樹脂により除去することができ、よって脱臭効果を得ることができる。した がって、脱臭効果を有するものとなり、これを住宅の建材として利用することが できるとともに廃材の利用率を向上させることができ、資源の有効利用や環境保 護を図ることができる。 また、大量に使用される農業用ビニルを回収して再利用しているので、材料単 価が安くコストの削減につながる。
【0141】 請求項29記載の考案によれば、請求項1〜28のいずれか一つと同様の効果 を得ることができるとともに、大きさの異なる前記木質廃材を効率良く微粉状に 粉砕することができる。 請求項30の考案によれば、請求項1〜29のいずれか一つと同様の効果を得 ることができるとともに、成形における成形温度が160〜220℃であるので 、木質廃材粉砕粉のうちの木粉を成形する際に熱で変化させることなく、しかも 、樹脂廃材粉砕粉のうちの樹脂粉を十分に溶融し軟化させて、木粉と均等に混錬 することができ、これによって、木質様成形品を容易かつ確実に製造されること になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る第1の実施の形態の木質様成形品
の一部を10倍に拡大した際の部分断面図である。
【図2】同500倍に拡大した部分拡大図である。
【図3】本実施の形態における木質様成形品1の原料配
合例の割合を示すベン図である。
【図4】木質様成形品における樹脂部分、不純物部分及
び木質部分の割合の具体例を示す図である。
【図5】本考案に係る第2の実施の形態の木質様成形品
の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 木質様成形品 2 木粉(木質部分) 3 樹脂 7 FRP(不純物) A 廃プラスティック材(樹脂廃材) B 不純物 C 木質廃材 D 樹脂部分 E 木質部分

Claims (30)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物を含む木質廃材から得られた木質
    廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂
    廃材粉砕粉とを混錬して成形してなり、 前記不純物が成形品全体に対して合計で20wt%以下
    含まれていることを特徴とする木質様成形品。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の木質様成形品において、 前記混練された前記木質廃材粉砕粉及び樹脂廃材粉砕粉
    は押出若しくは射出成形により成形されることを特徴と
    する木質様成形品。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の木質様成形品に
    おいて、 前記木質廃材のうちの木質部分が成形品全体に対して5
    1〜55wt%含まれていることを特徴とする木質様成
    形品。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一つに記載の木
    質様成形品において、 前記樹脂廃材のうちの樹脂部分が成形品全体に対して2
    5〜30wt%含まれていることを特徴とする木質様成
    形品。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つに記載の木
    質様成形品において、 前記木質廃材粉砕粉のうちの木質部分は木粉により構成
    され、該木粉の粒径が1〜300μmであることを特徴
    とする木質様成形品。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一つに記載の木
    質様成形品において、 前記不純物を含む木質廃材から得られた木質廃材粉砕粉
    のうちの、木粉の表面に、この木粉より小径でかつ硬い
    微粉末を担持させて固定粒とし、 この固定粒を含む木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂
    廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉とを混錬して成形して
    なることを特徴とする木質様成形品。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一つに記載の木
    質様成形品において、 前記木質廃材は、住宅等の建物を解体した際に排出され
    るものであることを特徴とする木質様成形品。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか一つに記載の木
    質様成形品において、前記木質廃材は、家具を解体した
    際に排出されるものであることを特徴とする木質様成形
    品。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか一つに記載の木
    質様成形品において、前記木質廃材は、建物建築中に排
    出される木材の端材、おが屑であることを特徴とする木
    質様成形品。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6のいずれか一つに記載の
    木質様成形品において、 前記木質廃材に含まれる不純物には、石膏、断熱材、樹
    脂部材のうち少なくとも一つが含まれることを特徴とす
    る木質様成形品。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか一つに記載
    の木質様成形品において、 前記樹脂廃材は、飲料物を含む食品の容器や包装に使用
    される樹脂製品を含むことを特徴とする木質様成形品。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10のいずれか一つに記載
    の木質様成形品において、 前記樹脂廃材は、住宅等の建物を解体した際に排出され
    るものであることを特徴とする木質様成形品。
  13. 【請求項13】 請求項1〜10のいずれか一つに記載
    の木質様成形品において、 前記樹脂廃材は、家具を解体した際に排出されるもので
    あることを特徴とする木質様成形品。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか一つに記載
    の木質様成形品において、 前記樹脂廃材に含まれる不純物は、樹脂の温度変化に伴
    う膨張収縮を防止するための炭酸カルシウムや、補強材
    や充填材として用いられるタルク、顔料、ガラス繊維で
    補強された強化プラスチックのうち少なくとも一つであ
    ることを特徴とする木質様成形品。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか一つに記載
    の木質様成形品において、 前記樹脂廃材の樹脂部分を構成する樹脂は、ポリプロピ
    レン樹脂、硬質または軟質のポリ塩化ビニル樹脂、発泡
    塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポ
    リスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、フェノール樹脂、
    ウレタン樹脂、ABS樹脂のうち少なくとも一つを含む
    ことを特徴とする木質様成形品。
  16. 【請求項16】 請求項6記載の木質様成形品におい
    て、 前記微粉末は、酸化チタン、フェライト、アルミニウ
    ム、ニッケル、銀、セラミック、炭酸カルシウムの微粉
    末のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする木質様
    成形品。
  17. 【請求項17】 請求項6または16記載の木質様成形
    品において、 前記固定粒を含む木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂
    廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉とを混錬する際に顔料
    が添加され、前記木質廃材粉砕粉及び樹脂廃材粉砕粉は
    前記顔料とともに混錬されていることを特徴とする木質
    様成形品。
  18. 【請求項18】 請求項17の木質様成形品において、 前記顔料は、有色顔料であり、酸化鉄、カドミウムイエ
    ロー、カーボンブラックの無機顔料であることを特徴と
    する木質様成形品。
  19. 【請求項19】 請求項1記載の木質様成形品におい
    て、 前記木質廃材及び樹脂廃材の不純物の合計は、成形品全
    体の20wt%であり、 前記不純物の内訳は、石膏・断熱材の成形品全体に対す
    る割合が5wt%、炭酸カルシウム及びタルクの成形品
    全体に対する割合が11wt%、顔料その他の成形品全
    体に対する割合が4wt%であることを特徴とする木質
    様成形品。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の木質様成形品におい
    て、 前記樹脂部分はポリプロピレン樹脂からなり、このポリ
    プロピレン樹脂の成形品全体に対する割合が25wt%
    であることを特徴とする木質様成形品。
  21. 【請求項21】 請求項19または20記載の木質様成
    形品において、 前記木質部分は木粉からなり、該木粉の成形品全体に対
    する割合は55wt%であることを特徴とする木質様成
    形品。
  22. 【請求項22】 請求項1または2記載の木質様成形品
    において、 前記木質廃材及び樹脂廃材の不純物の合計は、成形品全
    体の15wt%であり、 前記不純物の内訳は、炭酸カルシウム及びタルクの成形
    品全体に対する割合が11wt%、顔料その他の成形品
    全体に対する割合が4wt%であることを特徴とする木
    質様成形品。
  23. 【請求項23】 請求項22記載の木質様成形品におい
    て、 前記樹脂部分は軟質ポリ塩化ビニル樹脂及び硬質ポリ塩
    化ビニル樹脂からなり、軟質ポリ塩化ビニル樹脂の成形
    品全体に対する割合は15wt%、硬質ポリ塩化ビニル
    樹脂の成形品全体に対する割合は15wt%であること
    を特徴とする木質様成形品。
  24. 【請求項24】 請求項22及び23記載の木質様成形
    品において、 前記樹脂部分全体では成形品全体に対する割合は30w
    t%であるとともに、木質部分を構成する木粉の成形品
    全体に対する割合は55wt%であることを特徴とする
    木質様成形品。
  25. 【請求項25】 請求項1または2記載の木質様成形品
    において、 前記木質廃材及び樹脂廃材の不純物の合計は、成形品全
    体の19wt%であり、 不純物の内訳は、強化プラスチック及び顔料その他から
    なり、強化プラスチックの成形品全体に対する割合は1
    5wt%、顔料その他の成形品全体に対する割合は4w
    t%であることを特徴とする木質様成形品。
  26. 【請求項26】 請求項25記載の木質様成形品におい
    て、 樹脂部分はポリプロピレン樹脂からなり、ポリプロピレ
    ン樹脂の成形品全体に対する割合が30wt%であると
    ともに、木質部分を構成する木粉の成形品全体に対する
    割合は51wt%であることを特徴とする木質様成形
    品。
  27. 【請求項27】 請求項1記載の木質様成形品におい
    て、 前記木質廃材粉砕粉と前記樹脂廃材粉砕粉との混錬に際
    し、さらに弱陰イオン交換樹脂を加え、これら前記木質
    廃材粉砕粉、前記樹脂廃材粉砕粉及び弱陰イオン交換樹
    脂とを混錬し溶融させて成形してなることを特徴とする
    木質様成形品。
  28. 【請求項28】 請求項27記載の木質様成形品におい
    て、 前記樹脂廃材粉砕粉となる前記樹脂廃材は、回収された
    農業用ビニルであることを特徴とする木質様成形品。
  29. 【請求項29】 請求項1〜28のいずれか一つに記載
    の木質様成形品において、 前記木質廃材粉砕粉が、前記木質廃材を3段階の粉砕工
    程で粉砕することによって得られたものであることを特
    徴とする木質様成形品。
  30. 【請求項30】 請求項1〜29のいずれか一つに記載
    の木質様成形品において、 160〜220℃の成形温度で成形してなることを特徴
    とする木質様成形品。
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KR101404095B1 (ko) 2013-10-15 2014-06-05 박준남 황토를 활용한 친환경 합성목재 제조용 조성물
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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