JPH079479A - 樹脂結合繊維成型体の射出成形法 - Google Patents
樹脂結合繊維成型体の射出成形法Info
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- JPH079479A JPH079479A JP20441093A JP20441093A JPH079479A JP H079479 A JPH079479 A JP H079479A JP 20441093 A JP20441093 A JP 20441093A JP 20441093 A JP20441093 A JP 20441093A JP H079479 A JPH079479 A JP H079479A
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- Japan
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- pellets
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- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明はインジェクションマシンなどの射出
成形機により所要の製品を製造するに当たり、パルプ繊
維を主成分にした製品を通常の技術で容易に製造できる
ことを目的としたものである。 【構成】射出成形用の原料において、熱可塑性合成樹脂
を全体量の10乃至49重量%、故紙類の解繊により製
したパルプ繊維90乃至51重量%の配合から成り、こ
の原料による粗粉またはペレットを、含まれる熱可塑性
合成樹脂の一次転移点温度以上に発熱する加熱面に接触
させつつ転がして粗粉またはペレット外周面に突出する
繊維端末枝を押さえ込んで解消し、この粗粉またはペレ
ットを使用して射出成形を行うことを特徴とする樹脂結
合繊維成型体の射出成形法。
成形機により所要の製品を製造するに当たり、パルプ繊
維を主成分にした製品を通常の技術で容易に製造できる
ことを目的としたものである。 【構成】射出成形用の原料において、熱可塑性合成樹脂
を全体量の10乃至49重量%、故紙類の解繊により製
したパルプ繊維90乃至51重量%の配合から成り、こ
の原料による粗粉またはペレットを、含まれる熱可塑性
合成樹脂の一次転移点温度以上に発熱する加熱面に接触
させつつ転がして粗粉またはペレット外周面に突出する
繊維端末枝を押さえ込んで解消し、この粗粉またはペレ
ットを使用して射出成形を行うことを特徴とする樹脂結
合繊維成型体の射出成形法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインジェクションマシン
などの射出成形法において、通常使用される熱可塑性合
成樹脂の組成量よりも多量のパルプ繊維を配合しても、
成形を可能にした方法に関するものである。
などの射出成形法において、通常使用される熱可塑性合
成樹脂の組成量よりも多量のパルプ繊維を配合しても、
成形を可能にした方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の射出成形法に使用される熱可塑性
合成樹脂(以下熱可塑性樹脂と略称する)には、強度、
靱性などの物理的強度を高めるために、天然、合成を問
わず粉体、繊維体を混合していた。しかるに、物理的強
度を一層高め且つ軽量化を図るために混合する粉体、繊
維体の組成率を増加した場合、インジェクションマシン
などの射出成形機において、送り込みスクリューに対す
る摩擦抵抗が著しく減退し、言うところの「喰い込み」
が極めて悪く、成形が不可能な状態であった。また、射
出成形法で製造された成型体は前記の如く熱可塑性樹脂
が殆ど大部分を占めているために廃棄処分に当たり、焼
却することが出来ず、公害対策上大きな問題が提起され
ていた。
合成樹脂(以下熱可塑性樹脂と略称する)には、強度、
靱性などの物理的強度を高めるために、天然、合成を問
わず粉体、繊維体を混合していた。しかるに、物理的強
度を一層高め且つ軽量化を図るために混合する粉体、繊
維体の組成率を増加した場合、インジェクションマシン
などの射出成形機において、送り込みスクリューに対す
る摩擦抵抗が著しく減退し、言うところの「喰い込み」
が極めて悪く、成形が不可能な状態であった。また、射
出成形法で製造された成型体は前記の如く熱可塑性樹脂
が殆ど大部分を占めているために廃棄処分に当たり、焼
却することが出来ず、公害対策上大きな問題が提起され
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の従来欠
陥を解決するものであって、熱可塑性樹脂を全体重量の
半分、またはそれ以下の結合材程度の少量使用となし、
組成の主要部分を繊維体とするも射出成形が可能にした
ことであり、また繊維体をパルプ繊維となして、故紙の
使用を行い、資源の再利用と廃棄物の減少化及び燃焼処
理の達成をしようとするものである。
陥を解決するものであって、熱可塑性樹脂を全体重量の
半分、またはそれ以下の結合材程度の少量使用となし、
組成の主要部分を繊維体とするも射出成形が可能にした
ことであり、また繊維体をパルプ繊維となして、故紙の
使用を行い、資源の再利用と廃棄物の減少化及び燃焼処
理の達成をしようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明における最も重要
な手段は次の三つである。
な手段は次の三つである。
【0005】その一つはインジェクションマシンなどを
使用して射出成形を行うに当たり、原料の組成を熱可塑
性樹脂が全体量の10乃至49重量%の範囲、パルプ繊
維が全体量の90乃至51重量%の範囲に規定すること
であり。
使用して射出成形を行うに当たり、原料の組成を熱可塑
性樹脂が全体量の10乃至49重量%の範囲、パルプ繊
維が全体量の90乃至51重量%の範囲に規定すること
であり。
【0006】次の一つは、パルプ繊維として新聞紙、雑
誌、紙箱、段ボール紙などの使用済みの故紙類を細断・
水中解繊・乾燥若しくは乾燥状態下での粉砕・解繊の公
知の工程により処理して製造したものを使用することで
あり。
誌、紙箱、段ボール紙などの使用済みの故紙類を細断・
水中解繊・乾燥若しくは乾燥状態下での粉砕・解繊の公
知の工程により処理して製造したものを使用することで
あり。
【0007】さらに次の一つは射出成形機に投入するに
当たり、まず熱可塑性樹脂、パルプ繊維、公知の添加材
などの所要配合比の原料を加熱・軟化・混練・粒状成形
の工程により5mm程度の大きさの粗粉またはペレット
を形成するが、その粗粉またはペレットを形成後に表面
温度が含有する熱可塑性樹脂固有の一次転移点温度以上
に設定した網若しくは板などの加熱面上などの加熱雰囲
気中に粗粉またはペレットを転がしつつ通過させて粗粉
またはペレットの表面に突出する繊維枝を無くする工程
を追加することである。
当たり、まず熱可塑性樹脂、パルプ繊維、公知の添加材
などの所要配合比の原料を加熱・軟化・混練・粒状成形
の工程により5mm程度の大きさの粗粉またはペレット
を形成するが、その粗粉またはペレットを形成後に表面
温度が含有する熱可塑性樹脂固有の一次転移点温度以上
に設定した網若しくは板などの加熱面上などの加熱雰囲
気中に粗粉またはペレットを転がしつつ通過させて粗粉
またはペレットの表面に突出する繊維枝を無くする工程
を追加することである。
【0008】この三つの最も重要な手段は互いに相互関
係を持ち、1つの条件が欠落しても本発明の目的は有効
に達成されない。
係を持ち、1つの条件が欠落しても本発明の目的は有効
に達成されない。
【0009】さて、前記の条件における最初の一つにお
いて、熱可塑性樹脂とはポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニール、など加熱により軟化して所要の
形状に成形可能な可塑性を有する樹脂の総称である。熱
可塑性樹脂とパルプ繊維の配合比率は、全体量に対して
10乃至49重量%の量に熱可塑性樹脂を規定し、全体
量に対して90乃至51重量%の量にパルプ繊維を規定
するが、本発明の意図する目的を達成するには、熱可塑
性樹脂10乃至40重量%、パルプ繊維90乃至60重
量%の範囲が最も良い結果が得られる。また、熱可塑性
樹脂とパルプ繊維を所定比率で配合するには、粗粉また
はペレット製造以前において、夫々別個に製造された粉
末状又は繊維状の熱可塑性樹脂と解繊・乾燥したパルプ
繊維を混合し、その混合原料を公知の粗粉またはペレッ
ト製造法(例えば押出成形した紐状のものを粒状に分断
するか、若しくは加熱圧縮した板状・帯状のものを粒状
に分断する。)により粗粉またはペレット化する方法
と、あらかじめ故紙裁断物及び粉末状・繊維状の熱可塑
性樹脂の両方を水中に投入混合し、攪拌解繊して脱水乾
燥した後に公知の粗粉またはペレット製造法により粗粉
またはペレット化する方法がある。また、故紙、抄紙な
どの紙品を乾燥状態において粉砕、細断、などの機械手
段によって得られたパルプ繊維解繊物に所要量の熱可塑
性樹脂を混合して粗粉またはペレットに生成する方法も
ある。なお、粗粉またはペレットの大きさはほぼ5mm
程度以下が作業性、物性に最も適当である。さらに、前
記の三通りの粗粉またはペレット化方法のうち、いずれ
の一つを採用するも、本発明の効果は同様に得られる。
いて、熱可塑性樹脂とはポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニール、など加熱により軟化して所要の
形状に成形可能な可塑性を有する樹脂の総称である。熱
可塑性樹脂とパルプ繊維の配合比率は、全体量に対して
10乃至49重量%の量に熱可塑性樹脂を規定し、全体
量に対して90乃至51重量%の量にパルプ繊維を規定
するが、本発明の意図する目的を達成するには、熱可塑
性樹脂10乃至40重量%、パルプ繊維90乃至60重
量%の範囲が最も良い結果が得られる。また、熱可塑性
樹脂とパルプ繊維を所定比率で配合するには、粗粉また
はペレット製造以前において、夫々別個に製造された粉
末状又は繊維状の熱可塑性樹脂と解繊・乾燥したパルプ
繊維を混合し、その混合原料を公知の粗粉またはペレッ
ト製造法(例えば押出成形した紐状のものを粒状に分断
するか、若しくは加熱圧縮した板状・帯状のものを粒状
に分断する。)により粗粉またはペレット化する方法
と、あらかじめ故紙裁断物及び粉末状・繊維状の熱可塑
性樹脂の両方を水中に投入混合し、攪拌解繊して脱水乾
燥した後に公知の粗粉またはペレット製造法により粗粉
またはペレット化する方法がある。また、故紙、抄紙な
どの紙品を乾燥状態において粉砕、細断、などの機械手
段によって得られたパルプ繊維解繊物に所要量の熱可塑
性樹脂を混合して粗粉またはペレットに生成する方法も
ある。なお、粗粉またはペレットの大きさはほぼ5mm
程度以下が作業性、物性に最も適当である。さらに、前
記の三通りの粗粉またはペレット化方法のうち、いずれ
の一つを採用するも、本発明の効果は同様に得られる。
【0010】前記の条件における次の一つにおいてパル
プ繊維は一般的に湿式法と称される方法により製造する
ことは次の通りである。新聞紙、雑誌、包装箱など、あ
らゆる紙類製品の使用ずみのものを細断し、その紙類細
断物を水中に公知の解繊促進剤と共に投入して攪拌すれ
ば解膠分離し解繊される。そして水中に分散している紙
解繊物(粉末状、繊維状の熱可塑性樹脂が混合されてい
る場合もある。)を抄造により所要の形状にすると共に
加熱圧縮加工して脱水・乾燥することによる湿式法によ
るパルプ繊維を製造する。
プ繊維は一般的に湿式法と称される方法により製造する
ことは次の通りである。新聞紙、雑誌、包装箱など、あ
らゆる紙類製品の使用ずみのものを細断し、その紙類細
断物を水中に公知の解繊促進剤と共に投入して攪拌すれ
ば解膠分離し解繊される。そして水中に分散している紙
解繊物(粉末状、繊維状の熱可塑性樹脂が混合されてい
る場合もある。)を抄造により所要の形状にすると共に
加熱圧縮加工して脱水・乾燥することによる湿式法によ
るパルプ繊維を製造する。
【0011】また、さらに故紙、抄紙などの紙品を通常
の乾燥環境下において、粉砕手段、細断手段、引掻き手
段などの公知の機械的、物理的手段により解繊すること
による乾式法によるパルプ繊維を製造する。
の乾燥環境下において、粉砕手段、細断手段、引掻き手
段などの公知の機械的、物理的手段により解繊すること
による乾式法によるパルプ繊維を製造する。
【0012】前記の条件における、さらに次の一つにお
いて、パルプ繊維の多量成分と熱可塑性樹脂の少量成分
による粗粉またはペレットを、使用されている熱可塑性
樹脂の一次転移点温度以上に加熱された網若しくは板状
の面に接触しつつ転がすが、これにより粗粉またはペレ
ット表面に微細且つ無数に突出しているパルプ繊維の端
末枝が粗粉またはペレットの面に止着または埋没し、粗
粉またはペレット表面の微細な凹凸と互いの引掛かりが
解消する。これは熱可塑性樹脂が軟化して突出している
繊維端末枝を表面に接着するためである。この条件の実
施により粗粉またはペレットの周囲面は滑らかに修正さ
れるが、これは本発明の構成中、最も重要な部分であ
る。なお、熱可塑性樹脂の一次転移点温度とは、その樹
脂が夫々持っている固有の軟化開始温度であり、ポリエ
チレンにおいては、高密度、低密度と差があるものの、
凡そ60℃以上の温度である。二次転移点温度は通常は
熱可塑性樹脂が流動化(液状化)現象を起こす温度であ
る。
いて、パルプ繊維の多量成分と熱可塑性樹脂の少量成分
による粗粉またはペレットを、使用されている熱可塑性
樹脂の一次転移点温度以上に加熱された網若しくは板状
の面に接触しつつ転がすが、これにより粗粉またはペレ
ット表面に微細且つ無数に突出しているパルプ繊維の端
末枝が粗粉またはペレットの面に止着または埋没し、粗
粉またはペレット表面の微細な凹凸と互いの引掛かりが
解消する。これは熱可塑性樹脂が軟化して突出している
繊維端末枝を表面に接着するためである。この条件の実
施により粗粉またはペレットの周囲面は滑らかに修正さ
れるが、これは本発明の構成中、最も重要な部分であ
る。なお、熱可塑性樹脂の一次転移点温度とは、その樹
脂が夫々持っている固有の軟化開始温度であり、ポリエ
チレンにおいては、高密度、低密度と差があるものの、
凡そ60℃以上の温度である。二次転移点温度は通常は
熱可塑性樹脂が流動化(液状化)現象を起こす温度であ
る。
【0013】本発明の構成において、熱可塑性樹脂に
「フイブリ化された繊維状樹脂」を使用すれば、一層に
効果が増大する。「フイブリ化された繊維状樹脂」(商
品名、三井化学工業製・三井−SWP)とは液晶樹脂が
成分中に含有されるものであり、製品の形姿として短繊
維を形作り、夫々の短繊維に枝分かれ端末が突出し、小
枝状の様相を呈する。さらに熱可塑性樹脂の一部または
全部を芯サヤ樹脂(通称)に置き換えても、その効果を
発揮する。芯サヤ樹脂とはポリエチレンまたはポリプロ
ピレンなどの熱可塑性樹脂を核とし、それより低融点で
軟化、流動化する低融点ポリエチレンなどの熱可塑性樹
脂により核を包覆した構造を持つ樹脂粒である。その
他、添加材として、ガラス、アスベストなどの無機質繊
維、綿、ポリアミドなどの有機質繊維、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、などの無機質粉、澱粉などの有機質材
を製品用途により混合するも差し支えないが、添加して
も本発明の構成で条件づけられたパルプ繊維の規定量
か、熱可塑性樹脂の規定量のいづれか一方の範囲内でな
ければならない。
「フイブリ化された繊維状樹脂」を使用すれば、一層に
効果が増大する。「フイブリ化された繊維状樹脂」(商
品名、三井化学工業製・三井−SWP)とは液晶樹脂が
成分中に含有されるものであり、製品の形姿として短繊
維を形作り、夫々の短繊維に枝分かれ端末が突出し、小
枝状の様相を呈する。さらに熱可塑性樹脂の一部または
全部を芯サヤ樹脂(通称)に置き換えても、その効果を
発揮する。芯サヤ樹脂とはポリエチレンまたはポリプロ
ピレンなどの熱可塑性樹脂を核とし、それより低融点で
軟化、流動化する低融点ポリエチレンなどの熱可塑性樹
脂により核を包覆した構造を持つ樹脂粒である。その
他、添加材として、ガラス、アスベストなどの無機質繊
維、綿、ポリアミドなどの有機質繊維、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、などの無機質粉、澱粉などの有機質材
を製品用途により混合するも差し支えないが、添加して
も本発明の構成で条件づけられたパルプ繊維の規定量
か、熱可塑性樹脂の規定量のいづれか一方の範囲内でな
ければならない。
【0014】
【作用】本発明の構成において、パルプ繊維の配合比を
過半分に設定したことにより、製品として軽量となり、
引張り、曲げ、耐衝撃性などの物理的強度が熱可塑性樹
脂主成分のものより高く、熱変形温度、線膨張率などは
小さく、しかも音響、振動を吸収することが出来る。さ
らに成形時における収縮率は小さく改善され、たとえ
ば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフイ
ン系樹脂が主要成分の場合、収縮率が0.15%程度で
あるが、本発明の構成の場合、収縮率が0.05%とな
る。また、本発明ではパルプ繊維として故紙廃材の紙類
を使用するために、資源の再利用はもとより、成形体製
品の使用後における廃棄処分としての焼却が可能とな
る。例えば本発明の構成に基づく成形体製品が燃焼する
際に発生する発熱量は4000カロリーと極めて小さ
い。本発明の構成中、最も重要な部分である粗粉または
ペレットの表面の再処理追加工程により、インジェクシ
ョンマシンなどの射出成形機における原料の圧送が可能
となった。従来、繊維が主要成分となる成形体の製造を
射出成形機により行うことが試みられたが、粗粉または
ペレットの表面に突出する無数の繊維分岐枝が互いに絡
み合い、スクリューにて成形機構方面に押し出そうとし
ても、粗粉またはペレットはスクリュー溝内で滞留して
前進せず、射出成形法による製造は不可能であった。し
かるに、粗粉またはペレットの表面追加工程により、互
いの絡み合いは無くなり、粗粉またはペレット粒子相互
の摩擦抵抗が極めて小さくなるために回転するスクリュ
ーの溝内を完全なスクリュー効果により前進圧送され、
前部の成形機構部分に到達して、完全な形状に形成され
る。
過半分に設定したことにより、製品として軽量となり、
引張り、曲げ、耐衝撃性などの物理的強度が熱可塑性樹
脂主成分のものより高く、熱変形温度、線膨張率などは
小さく、しかも音響、振動を吸収することが出来る。さ
らに成形時における収縮率は小さく改善され、たとえ
ば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフイ
ン系樹脂が主要成分の場合、収縮率が0.15%程度で
あるが、本発明の構成の場合、収縮率が0.05%とな
る。また、本発明ではパルプ繊維として故紙廃材の紙類
を使用するために、資源の再利用はもとより、成形体製
品の使用後における廃棄処分としての焼却が可能とな
る。例えば本発明の構成に基づく成形体製品が燃焼する
際に発生する発熱量は4000カロリーと極めて小さ
い。本発明の構成中、最も重要な部分である粗粉または
ペレットの表面の再処理追加工程により、インジェクシ
ョンマシンなどの射出成形機における原料の圧送が可能
となった。従来、繊維が主要成分となる成形体の製造を
射出成形機により行うことが試みられたが、粗粉または
ペレットの表面に突出する無数の繊維分岐枝が互いに絡
み合い、スクリューにて成形機構方面に押し出そうとし
ても、粗粉またはペレットはスクリュー溝内で滞留して
前進せず、射出成形法による製造は不可能であった。し
かるに、粗粉またはペレットの表面追加工程により、互
いの絡み合いは無くなり、粗粉またはペレット粒子相互
の摩擦抵抗が極めて小さくなるために回転するスクリュ
ーの溝内を完全なスクリュー効果により前進圧送され、
前部の成形機構部分に到達して、完全な形状に形成され
る。
【0015】
【実施例】槽の中の水に、粉末状または繊維状の低密度
ポリエチレン20重量部と故紙細断分80重量部と若干
の硫酸バンドの様な定着剤などを投入して、充分に攪拌
混合する。そして、混合が均一となり、故紙が解繊した
ならば、厚さ10mm程度の板状に抄造した後に脱水乾
燥して板状素材を形成し、この板状素材を凡そ5mm以
下に粉砕して粗粉またはペレットを作成する。このペレ
ットを、面温度を80乃至120℃に設定した網上を接
触・転がせながら所定速度で送り出し、冷却する。表面
処理を施した粗粉またはペレットをインジェクションマ
シンの原料受口に送り込み、所要形状の射出成型品を形
成する。本発明の構成に基づいて形成した射出成型品
と、低密度ポリエチレンを主成分とする従来の射出成型
品との物性を比較すると、次の通りである。
ポリエチレン20重量部と故紙細断分80重量部と若干
の硫酸バンドの様な定着剤などを投入して、充分に攪拌
混合する。そして、混合が均一となり、故紙が解繊した
ならば、厚さ10mm程度の板状に抄造した後に脱水乾
燥して板状素材を形成し、この板状素材を凡そ5mm以
下に粉砕して粗粉またはペレットを作成する。このペレ
ットを、面温度を80乃至120℃に設定した網上を接
触・転がせながら所定速度で送り出し、冷却する。表面
処理を施した粗粉またはペレットをインジェクションマ
シンの原料受口に送り込み、所要形状の射出成型品を形
成する。本発明の構成に基づいて形成した射出成型品
と、低密度ポリエチレンを主成分とする従来の射出成型
品との物性を比較すると、次の通りである。
【0016】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来不可能とさ
れていたパルプ繊維を主成分とした射出成型品の製造
が、極めて容易に行うことが出来ると共に故紙類の再利
用による資源節約と射出成型品の使用後の焼却が可能と
なって公害問題の解決に大きな役割を果たすものであ
る。しかも、パルプ繊維を主成分にしたことにより軽量
に仕上がることはもとより、各種物性値も実用面から言
って大きく改善され、制振効果はもとより共鳴作用が解
消し、その上静電気の発生は解消され、自動車部品、電
子機器部品などの製造に本発明の方法を採用すれば、高
い効果を発揮する。また、パルプ繊維が廃材であるとこ
ろの故紙類であるため、原料価格は極めて安く、経済上
有利である。
れていたパルプ繊維を主成分とした射出成型品の製造
が、極めて容易に行うことが出来ると共に故紙類の再利
用による資源節約と射出成型品の使用後の焼却が可能と
なって公害問題の解決に大きな役割を果たすものであ
る。しかも、パルプ繊維を主成分にしたことにより軽量
に仕上がることはもとより、各種物性値も実用面から言
って大きく改善され、制振効果はもとより共鳴作用が解
消し、その上静電気の発生は解消され、自動車部品、電
子機器部品などの製造に本発明の方法を採用すれば、高
い効果を発揮する。また、パルプ繊維が廃材であるとこ
ろの故紙類であるため、原料価格は極めて安く、経済上
有利である。
Claims (3)
- 【請求項1】インジェクションマシンなどにより射出成
形を行うに当たり、熱可塑性合成樹脂を全体量の10乃
至49重量%、故紙類を解繊して得たパルプ繊維を全体
量の90乃至51重量%により配合した原料を使用し、
その原料により製造した5mm程度の大きさの粗粉また
はペレットを、含有する熱可塑性合成樹脂の一次転移点
温度以上に発熱する加熱雰囲気中に接触させつつ転がし
て、粗粉またはペレット外周面に突出する繊維端末枝を
解消し、このペレットを使用して射出成形を行うことを
特徴とする樹脂結合繊維成型体の射出成形法。 - 【請求項2】粗粉またはペレットの製造原料において、
熱可塑性合成樹脂の一部または全部を芯サヤ樹脂、フイ
ブリ化樹脂に置き換えることを特徴とする請求項1記載
の樹脂結合繊維成型体の射出成形法。 - 【請求項3】粗粉またはペレットの製造原料において、
有機質又は無機質の粉末状又は繊維状の物質を添加混合
することを特徴とする請求項1記載の樹脂結合繊維成型
体の射出成形法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20441093A JPH079479A (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 樹脂結合繊維成型体の射出成形法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20441093A JPH079479A (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 樹脂結合繊維成型体の射出成形法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH079479A true JPH079479A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=16490088
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20441093A Pending JPH079479A (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 樹脂結合繊維成型体の射出成形法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH079479A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR960037963A (ko) * | 1995-04-17 | 1996-11-19 | 김의경 | 펄프 슬러지를 주원료로 한 인조대리석의 제조방법 |
JP2002052563A (ja) * | 2000-08-07 | 2002-02-19 | Key Tranding Co Ltd | 樹脂成形品 |
WO2002094529A1 (fr) * | 2001-05-24 | 2002-11-28 | Toray Industries, Inc. | Comprime, procede de production de ce comprime, et article moule obtenu a partir de ce comprime |
US11718057B2 (en) * | 2016-02-19 | 2023-08-08 | Regreen Technologies, Inc. | Apparatus for pressing and dehydrating of waste |
-
1993
- 1993-06-25 JP JP20441093A patent/JPH079479A/ja active Pending
Cited By (6)
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