JP4169989B2 - 異種プラスチック混合成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は異種プラスチック混合成形方法に関するもので、プラスチック廃棄物の有効利用と、低コストな建築土木資材・梱包資材・物流資材・緩衝材・自動車又は家具等の内装複資材等への活用を目的とする、プラスチックにセルロース成分を混合した複合プラスチック成形体を得るようにしたものである。
【0002】
産業上の利用分野
最近の住宅構造は、高断熱・高気密が要求され、エアコン等により室内循環が一般に活用される密閉型住宅構造となっている。快適な室内空間が演出される反面、アトピー・ダニ・カビ等の発生が増加傾向にあり、そのためアトピー性皮膚炎、湿疹、喘息など健康被害の増加に繋がっている。
【0003】
その要因として考えられるのは、住宅資材からのホルムアルデヒド等の有害物質の発生が主な原因として考えられている。中でも住居の壁・床・浴室等に多く活用されている構造用合板、とりわけベニヤ合板からのホルムアルデヒドの発生は多量に確認されている。
【0004】
そのため、有害物質の発生がなく、ダニ・カビ等の発生を抑え、かつ、低コストな建築・土木資材の開発が求められている。そこで、本発明では、ホルムアルデヒド等の有機物質の発生を抑え、かつ、廃プラスチックの有効活用を求めることで、建築・土木資材に利用可能とする低コストな構造用木材を新たに提供するものである。
【0005】
【従来の技術】
従来から廃プラスチックを原料として再生品を提供する技術は、幾多も存在する所であった。例えば、特開平9−123169号公報には、廃棄物とされたペットボトル等を原料に、古紙等の混入を求め、混合成形を施すことで成形品を求めるための考案が開示されている。また、特開平7−205149号公報には、熱可塑性樹脂廃棄物に植物繊維廃棄物を混合し、混練押出し機により押し出すことで、棒状の樹脂ペレットを求めるための考案が開示されている。
【0006】
その他幾多の方法が既に提案されているが、いずれもプラスチックと古紙又は植物繊維等を押出し機又は混練機へ同時に投入を試み、プラスチックと古紙等の溶融・混練・賦形・冷却といった一連の処理工程を一度に施すものであった。さらに、特開平9−1513号公報には、古紙にポリプロピレン等のポリ・オレフィン系熱可塑性樹脂の添加に限定した接着法の考案が開示されている。これらいずれの方法においても、PVC(ポリ塩化ビニール)等の他の種類とする異種プラスチックの混在する状態でのポリマーブレンドを可能とするものではなかった。仮に同方法によりPVC(ポリ塩化ビニール)とPE(ポリエチレン)等の異種混合したプラスチックから成形品を求めた場合、冷却工程に生じる収縮や亀裂等の熱歪の影響から、安定した成形体を得ることはできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
廃プラスチックは、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PVC(ポリ塩化ビニール)等の幾多の種類が混在した状態で存在している。それらプラスチックの成分については、外見からの識別では区別を求めることは非常に困難とする所であります。そのため、仮にPE(ポリエチレン)とPVC(ポリ塩化ビニール)の混在したプラスチック廃棄物を同時に溶融・混練を施し、成形品を求めようと試みても、成形品は冷却過程においてにPE/PVCの界面張力の相違に起因する相分離現象が発生し、収縮や亀裂等の熱歪が顕れることとなる。
【0008】
さらに、特開平9−123169号公報又は特開平7−205149号公報等に開示されるように古紙又は植物繊維の混入を試みても、溶融と混練を同時に求めた溶融混練方式では、ポリマーの相分離現象の発生を抑えることは困難とされるところであった。
【0009】
仮に従来までの溶融混練方法とするPE(ポリエチレン)とPVC(ポリ塩化ビニール)等の異種プラスチックにポリマーブレンドを求めた場合、溶融と同時に溶融混練装置に内蔵されたスクリュー軸によって各々のプラスチックに切断と混練を同時に繰り返しを求める事で、均一した混合状態を求めていた。しかし、この様な溶融混練方法からは、いかに細かく切断と混練を求めても、母材とするPE(ポリエチレン)の溶融領域にPVC(ポリ塩化ビニール)の微粒子が混在した状態(図1参照)となる。成形加工においては、この様な状態から次第に海島構造体へと進化する為、プラスチックの相分離現象へと繋がり、安定した成形体を得る事ができなかった。
【0010】
異種類からなるプラスチックは、全てが水と油の関係とする相溶性の関係が確立される為、溶融混練を同時に施す方法からは、相分離現象に抑制を求める事は出来なかった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
プラスチックに溶融紡糸を施してプラスチック単繊維となし、古紙・木片等を解繊してセルロース繊維となし、プラスチック単繊維とセルロース繊維を、対流混合による撹拌操作を施すことにより複合繊維体として構成させた後、パレット又はシート上面に一定量を積層した状態で圧縮成形を施す。その際、溶融を施す溶融工程と、固形化を施す冷却・固形化工程を各々、別工程として構成し、かつ、両工程間をパレット又はシート上面に積層された状態で複合繊維体が瞬時に移送することで、異種プラスチックの混在する高分子網目を構成した複合プラスチック成形体を得る。
【0012】
このように、本発明は、異種プラスチックが混在するところで発生するポリマーの相分離現象を抑制するため、一旦、延伸性を備えたプラスチック単繊維となし、かつ、界面張力の相違に起因したポリマーの凝集エネルギーの吸収を抑制 と物理的強度の補足を求めるためにセルロース成分を関与させ、プラスチック単繊維と植物繊維の相互繊維を絡み合わせ 又は 均一に附着させた後、溶融・固形化を施すことで、異種の高分子網目を構築させ、冷却時に発生するポリマーの相分離現象又は収縮や亀裂等の熱歪発生を抑制し、括 物理的強度の補足に務めるようにしたものである。
【0013】
請求項1の発明は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニールのうちの少なくとも二種類からなる異種類の廃プラスチックを溶融紡糸して単繊維と成し、かつ、古紙・木片等の天然植物繊維体を解繊してセルロース繊維と成し、前記両繊維を攪拌・混合して相互に絡み合った複合繊維体と成し、熱を与えることによりプラスチック繊維の一部又は全部を溶融させた後冷却することにより、異種類のプラスチックが混合し、高分子編目を構成した成形体を得る、異種プラスチック混合成形方法であって、溶融紡糸されたプラスチック繊維に再度軟化を施した後、回転する切断刃と隣接する熱板との摩擦抵抗により、プラスチック繊維の延伸と切断を施すことで、微細なプラスチック繊維を得る切断延伸工程を具備したことを特徴とする。異種類のプラスチックをポリマーブレンドとする溶融と混練を施した場合に起因するポリマーの凝集エネルギーの変化を抑制又は制御する為、各々のプラスチックを一旦溶融紡糸を施す事で、プラスチック単繊維と成す。ポリマーの凝集エネルギーの吸収を求める為に、古紙・木片等の天然植物繊維体を解繊してセルロース繊維と成す。前記両繊維を攪拌・混合して相互に絡み合い又は附着した複合繊維体と成し、熱を与えることによりプラスチック繊維の一部又は全部を溶融させた後冷却することにより異種類のプラスチックが混在し、高分子編目を構成した成形体を得る。
切断延伸工程では、溶融紡糸されたプラスチック繊維に熱媒体からの外部放熱を加えることによりプラスチックを再度軟化させた後、回転する切断刃と隣接する熱板との摩擦抵抗により、プラスチック繊維の延伸と切断を施すことで、微細なプラスチック繊維を得る。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の異種プラスチック混合成形方法において、プラスチックを溶融させるための溶融工程と、軟化・溶融したプラスチックを冷却・固形化する冷却工程を別工程として備え、溶融工程と冷却工程との間を移送するためのパレット又はシートを具備したことを特徴とする。異種プラスチックに起因するポリマーの凝集エネルギーの変化を抑制又は制御する為に、プラスチックを溶融・固形化させるための溶融工程と、軟化・溶融したプラスチックを冷却・固形化する冷却工程を各々を別工程として備え、かつ、冷却・固形化を施す為の冷却板には、冷却時間と冷却温度を任意に制御する為の冷却機能を備え、溶融工程と冷却工程との間をパレット又はシートで移送する。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1の異種プラスチック混合成形方法において、プラスチック繊維とセルロース繊維の複合繊維体を得るため、単位容積当たりの繊維重量を3kg/m 〜70kg/m とした容器の中で相互繊維を浮遊させた状態により攪拌・混合を施し、対流混合を求めることにより、相互繊維が均一に絡み合った複合繊維体を得ることを特徴とする。プラスチック繊維とセルロース繊維の相互繊維を均一な状態として絡み合わせる為には、低密度な状態又は低密度な体積比率の中での拡散と混合が必要とされる。その為、攪拌槽の底面に設置した攪拌翼によ強制的に渦巻状の循環流を発生させる事で、各々の繊維を浮遊させ低密度な状況を確保する密閉型の攪拌槽を具備し、相互繊維が均一に絡み合い又は付着した複合繊維体を得る。
【0017】
請求項の発明は、請求項1の異種プラスチック混合成形方法において、異種類のプラスチックが混在する状態で、プラスチックを軟化・溶融させ、遠心力の作用によりプラスチック繊維として吐出する回転型溶融紡糸工程を具備していることを特徴とする。回転型溶融紡糸工程では、異種類のプラスチックが混在する状態で、回転体内に投入し、隣接する熱媒体からの放熱によりプラスチックを軟化・溶融させ、回転体の遠心力の作用により吐出させることで延伸性を備えた、プラスチック単繊維となす。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図4 および 図5に従って本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
まず、図5に示す装置の概略構成を説明する。
【0020】
プラスチックは細かく粉砕した後に定量供給装置1のホッパから予熱乾燥装置2を経て回転メルダ3に投入される。回転メルダ3は遠心力を利用した溶融紡糸装置であって、外周に吐出口を配設した中空体を構成し垂直な回転軸を中心として回転させるようになっている。中空体の外壁面に複数の高周波加熱コイル4を離接して設置してある。この回転メルダ3によってプラスチックは単繊維に変換される。
【0021】
回転メルダ3で得られたプラスチック繊維は、供給コンベア11によって延伸ドラム7へ送られる。供給コンベア11と、延伸ドラム7の押さえ込みローラ6部分には、熱送風管5から熱風が供給される。
【0022】
延伸ドラム7を経たプラスチック繊維は回収コンベア12により計量装置8へ送られる。計量装置8を出たプラスチック繊維はスクリューコンベアにより攪拌装置25,26へ送られる。
【0023】
一方、古紙・木片等の植物性原材料は、機械的解繊装置9で解繊されてセルロース繊維と化した後、集塵装置13を経て供給コンベア15により計量装置16へ送られる。集塵装置13はバグフィルタ10と熱風発生装置14を備えている。計量装置16を出たセルロース繊維はスクリューコンベア17により攪拌装置25,26へ送られる。
【0024】
図5には二機の攪拌装置25,26を使用する場合を例示してあるが、構成はいずれも同じである。攪拌装置25について説明すると、略円筒形の撹拌容器を構成し、下部には撹拌翼18を備えている。略円筒形の撹拌容器の内壁面には、複数の突起が一定間隔で張り出された構成で設けられている。撹拌翼18の旋回により、底面から巻き上げられる気流は、複数の突起により、渦巻状の乱流として撹拌槽の内部を循環する気流として発生する。上部の供給口から投入された相当の繊維は、渦巻状の循環流によって、分散と混合が繰り返し施される事で、相互の繊維が絡み合い 又は 付着した複合繊維体として構成された後、底面の排出口から搬出される。
【0025】
撹拌装置25.26の排出口から搬出された複合繊維は、計量装置19.27を経てパレット24上面に積載される。パレットはテフロン(登録商標)シート24 又は コンベアーにより、次工程へと移動する様に構成されている。
【0026】
パレット上面には、回転翼20,21が配置してある。テフロン(登録商標)シートと回転翼の協働作用により、パレット上面に積載された複合繊維体を回転翼の回転により払い飛ばし、均一に整える事でフェルト状に整えながら移動 又は 左右に往復するパレット上面に複合繊維をフェルト状に均一に整え、積層した後、次工程へパレットを移動する。図5の実施の形態の場合、計量装置19.27により供給する繊維の量を調整し、パレット上面に積層することで、複合繊維層を2層に積層する。
【0027】
コンベア22上に積層された複合繊維は、予熱圧縮装置29によって予熱される。予熱圧縮装置29はオイルヒータ等の熱媒発生装置23と、熱送風管28と、回転翼またはブロアを備えていて、オイルヒータとブロアで熱風を発生させ、テフロン(登録商標)シート22上の複合繊維に吹き付けるようになっている。
【0028】
予熱された複合繊維は、パレット24により、熱圧成形装置31に送られる。熱圧成形装置31は上下一対の熱板32.33を備えていて、熱板32.33の間で複合繊維を加圧することにより熱圧成形を行い、成形体を得る。
【0029】
成形体はテフロン(登録商標)シート22により冷却固形化装置34に送られる。ここではテフロン(登録商標)シート22は、熱圧成形装置31と冷却固形化装置34との間を走行するテフロン(登録商標)シート 又は コンベア−で構成されている。冷却固形化装置34は上下一対の冷却板35.36を有し、冷却板35.36間に成形体全体を覆い被せて、さらに加圧した状態で冷却を行う。
【0030】
冷却固形化装置34で冷却され、固形化した成形体は、鋸歯38でトリミングを施した後、材料取り出し装置39で取り出される。
【0031】
異種プラスチック混合成形方法を構成する工程のうち、主な工程、具体的には、溶融紡糸工程、切断・延伸工程、解繊工程、攪拌・混合工程、定量供給工程、予熱工程、溶融・固形化工程、切断・取り外し工程について順に説明する。
【0032】
溶融紡糸工程
まずプラスチックを一旦・回転型溶融紡糸装置 又は 溶融紡糸装置により溶融紡糸を施す。溶融紡糸により延伸性を備えたプラスチックとして分子配向性を改める事で、プラスチック単繊維へと構成を変化させる事となる。しかし、回転型溶融紡糸装置より吐出されるプラスチック繊維は、廃プラスチックの素性 又は 種類によっては、蜘蛛の巣状 又は 細い糸状として様々な構成により吐出されるところとなる。具体的な回転型溶融紡糸方法としては、プラスチック廃棄物を細かく粉砕 又は 切断した粉砕片へと施した後、回転型溶融紡糸装置に投入を求める。
【0033】
回転型溶融紡糸装置の中央では円板状の回転皿が上下2枚に分割され張合わされた中空体として回転体を構成する。
【0034】
回転メルダー3の中央軸下面では回転用のモーターが設けられており、中空体を回転と成し、高速回転が求められる。
【0035】
回転メルダー3の外周側壁面には多数のプラスチック吐出孔が設けられている。
【0036】
回転メルダーの上、下に離接してプラスチックに溶融、軟化を求める為の高周波過熱コイル4 又は 熱媒体が装備されている。
【0037】
回転メルダーの内部に投入されたプラスチックは回転メルダーに離接した熱媒体からの放熱を受ける事でプラスチックは次第に軟化、溶融が施された後、高速回転する回転体の延伸力に起因して溶融紡糸が施される事で延伸性、分子配向性を備えたプラスチック繊維として構成を変化され吐出することとなる。
【0038】
プラスチックの溶融温度、軟化点、成分が異なったプラスチックが混在した状態から軟化、ゲル状へと化したプラスチックが回転体の延伸力によって吐出させ、溶融紡糸を求める事で一旦プラスチック単繊維へと構成を変化させる事を本願発明の特徴とする。しかし、プラスチックの溶融と混練が強制的に施される従来迄の溶融混練では、押出紡糸方法では、溶融温度・軟化点・成分等が異なった異種プラスチックが混在した状態からは、延伸性を備えたプラスチック繊維を紡糸することが出来ないが、ポリオレフィン系同種類 又は 単一素材等の一部のプラスチックに対しては、従来迄の押出し機 又は 溶融混練機からも十分に延伸性を備えたプラスチック繊維を溶融紡糸することが出来、本願発明では、その何れのプラスチック繊維も再生資材としての活用を望む事が出来る。
【0039】
切断・延伸工程
回転メルダー3から吐出されたプラスチック繊維は、異種プラスチックが混在する状況又は状態の影響により、単繊維として吐出せず、蜘蛛の巣状又は網目状の複合プラスチック繊維として吐出することとなる。この実施の形態では最終工程となる熱圧成形工程で、高分子網目の構成を求めることが必要とされる。そのため、一旦、プラスチックを延伸性を備えたプラスチック単繊維へと改めることを必要とする。
【0040】
回転型切断延伸装置7へ投入を求めることで、蜘蛛の巣状又は網目状として吐出したプラスチック繊維を、切断と延伸又は解繊を繰り返し施すことにより、延伸性を備えたプラスチック単繊維へと改めることができる。回転型切断延伸装置7では、紡糸装置から吐出したプラスチック繊維に再度、熱板又は熱ヒーター等の熱送風管5からの外部放熱により予熱を与えることでプラスチックを一旦軟化させた後、鋭い切断刃を具備した延伸ドラムを高速回転させる。高速回転する切断刃の外周側壁面には複数の熱板42又はプレートが隣接された状態で具備されており、熱板と高速回転する切断刃との間隙に投入されたプラスチック繊維は熱板42との摩擦抵抗に起因する延伸と切断が繰り返し施されることで、単繊維と化す微細なプラスチック単繊維を蜘蛛の巣状又は網目状とした複合プラスチック繊維から求めることができる。
【0041】
既に押し出し機等で溶融紡糸が施されたプラスチック繊維や不織布等を、同工程の回転型切断延伸装置へ直接投入を試みることで、さらに延伸と切断又は解繊が施されることで微細なプラスチック繊維を同様に得ることも出来る為、リサイクル資材としての活用を幅広く求めることが出来る。
【0042】
解繊工程
次いで、木片・古紙等からなる天然植物繊維体を高速回転する機械的解繊機で細かく解繊又は粉砕することで、セルロース成分を有した植物繊維毛へと施すための天然植物繊維体の解繊工程から構成される。
【0043】
解繊方法としては、株式会社山本百馬製作所リファイナー 名称:アトムズ型式:14-1200型シュレッダー又はその他機械的解繊装置9により古紙又は木片等の植物繊維体を機械的、かつ、強制的な方法で解繊することによりセルロース繊維を得る乾式の機械的解繊方法、あるいは、古紙等の再生工場に活用されている所の溶剤又は水分を活用することで古紙繊維を溶解し、分離・解繊を求める分離パルパー装置等を活用した湿式の解繊方法とがあるが、いずれの解繊方法より得られた植物繊維であってもセルロース成分を含有した繊維であれば別段問題はない。しかし、溶融・固形化工程に求められる植物繊維に混入する水分含有量は10%以内に留めるのが望ましいことから、水分を使用しない機械的解繊方法が後工程の処理には効果的であると考えられる。
【0044】
機械的解繊方法としては、円筒状の容器の内壁面に複数の切断又は解繊を施すための針状の解繊刃が具備されており、その内側を同様な針状の解繊刃が高速回転する。円筒状の容器に投入された天然植物繊維体は、内壁面に設置された解繊刃と、対向するように内側を高速回転する解繊刃との衝突又は強制的な切断抵抗が繰り返し施されることにより、細かく粉砕されながら微細な繊維毛として解繊が施される事でセルロース成分を有した植物繊維毛を得る事が出来る。
【0045】
撹拌・混合工程
プラスチック単繊維と、古紙又は木片等を解繊して得たセルロース繊維の相互繊維を対流混合による撹拌・混合操作を施すことにより、相互繊維が一体化した複合繊維体を得ることができる。
具体的な操作方法としては、撹拌容器を略円筒形の密閉型の撹拌装置25とし、底面には対流を発生させる為の大型の回転翼18が設けられている。さらには、撹拌容器の内壁面には、乱流を引き起こす為の突起物が設けられている。撹拌槽の底面に設置した回転翼を旋回させる事でプラスチック繊維とセルロース繊維は、低密度な状況を構築した密閉型の撹拌容器の内での渦巻状の気流と乱流による循環流によって分散と混合・撹拌が繰り返し施される事によって相互の繊維毛は絡み合い 又は 附着した複合繊維体としての構成を効率的に得る事が出来る。
【0046】
本発明では各々が繊維として構成される為、従来からの粉体攪拌方法であるダルトン製又は大盛工業製等攪拌容器内に容積が充填又は積層された状態での攪拌方法では各々の繊維が分散、混合される以前に各々の繊維が縄状に絡み合ってしまう。この場合、600kg/m〜1300kg/m程度の密度(単位容積当たりの繊維重量)の状況下で分散と混合が繰り返し施される為、粉砕片の様な粒状の混合・攪拌に適しており、本発明に必要とする綿毛又は繊維毛のように本来の姿が既に絡み合ったような構成とした場合は、各々の繊維を一、分散又は拡散させる事が予め必要とされる。その為、低密度な状態を構成する略円筒形の密閉型の攪拌容器内での分散と混合を施す事により対流混合による攪拌、混合操作を必要とし、この場合の密度は3kg/m〜70kg/m程度分散と混合が繰り返し施される。
【0047】
撹拌容器に投入された原材料は、撹拌槽の底面に設置した回転翼の旋回する乱流により、撹拌槽の上部へ舞い上がり、浮遊する事で低密度な状態として分散が施される。その折、撹拌槽の内壁面に設置した突起物により乱流が起こることによって、渦巻状の乱流作用によって撹拌と混合が合わせて施されることとなる。撹拌槽の上空を舞い上がり低密度な状況下での拡散と混合を繰り返し施す事によりプラスチック繊維とセルロース繊維の相互繊維を絡み合わせ 又は 均一に付着した複合繊維体を得る事が出来る。
【0048】
例えば、PE(ポリエチレン)から成るプラスチック繊維とPVC(ポリ塩化ビニール)からなるプラスチック繊維の相互繊維が絡み合った状態に、さらにセルロース繊維毛が絡み合い 又は 付着した状態とする三体一体化した複合繊維体としての構成を得る事が出来る。(図2参照)
【0049】
定量供給
撹拌工程によりセルロース繊維とプラスチック繊維を任意の割合で撹拌・混合することで得た複合繊維体は、計量装置19.27により、一定量を複合体としてパレット24又はテフロン(登録商標)シート22上面に搬出・供給を求めることとなる。その際には、パレット上面には乾燥した綿状の塊とする複合繊維体としてスクリューの回転 又はコンベアー等の計量装置19.27により、一定量を効率良く供給を求めることができる。複合繊維体は定量容器又はパレット下面に取り付けられた計量器によって常に一定量を計量し、確保することとなる。
【0050】
パレットの上面では、常に高速回転する回転翼20.21により、複合繊維体の密嵩サを均一に調える。パレット24に積層された余分な複合繊維体 及び 微粉砕片を払い飛ばし、均一な積層高さに調整を求めるためにテフロン(登録商標)シート22は、回転ブラシの回転と複合繊維体の密高サの調整にあわせて 移動 又は 左右に往復移動を施すことで、複合繊維体はパレット24上に薄く引き延ばされた状態として均一に積層されることで積層複合体として構築を改めることができる。
【0051】
スクリュー 又は コンベアー等の計量装置19.27と合わせて、高速回転する回転翼20.21を複数組み合わせ、計量供給と積層を施すことでパレット上面には薄く引き伸ばし幾重にもフェルト状又は複合繊維体とする積層を構成することができる。幾重にも積み重ねた複合化では、製品の表面又は芯の部分に対する複合繊維体の構成比率を任意に変化させた積層を幾重にも施すことで吸音性・緩衝性・耐水性等の様々な付加価値と、品質・機能性の向上を新たに求めることもできる。
【0052】
予熱工程
古紙・木片等を細かく解繊して得たセルロース繊維は、表面積の増加に伴い、外気の気温・湿度等の影響に左右され易くなる。プラスチック繊維と次工程において溶融・熱圧成形を施す場合、セルロース繊維に混入した水分は、プラスチックと反応することでプラスチック強度の劣化に大きく繋がることが確認された。そのため、解繊工程後又は撹拌・混合後においてセルロース繊維を十分に乾燥させ、繊維に混在した水分を除去することで、プラスチックの劣化を防ぐことができる。予熱乾燥方法としては、予熱・乾燥を施す熱圧成形装置31へ搬入する以前に熱媒発生装置23又は赤外線等の熱媒体等による放射又は間接的に温熱又は熱風を発生させ、フェルト状に積層された複合繊維体内を通気させることで、予熱乾燥を施すことができる。複合繊維体を通気した熱風は、熱送風管28により吸引され、再び熱媒体に還元を求めることで効率良く熱風を循環させることもできる。さらに、熱ヒーター・遠赤外線・高周波加熱装置等を予熱工程内に組み込み、または併用利用を求めることで、より均一な温度・湿度の管理に務めることができる。
【0053】
具体例としては、オイルヒーター等の熱媒発生装置23に対して、回転翼による熱風作用を併用させることで熱風を発生させ、フェルト状に積層された複合繊維体内に熱風を吹き付け、通気させることでセルロース繊維に混在した水分除去とプラスチック繊維の軟化を求めることで予熱乾燥を合わせて施す。予熱圧縮装置29内では、通気度を20〜60mmAq、予熱温度60℃〜250℃の熱風を約1分〜20分間程度の予熱乾燥を施すことで、セルロース繊維に含水する水分含水量を3%以内にとどめ、複合繊維体の温度を100℃〜250℃まで予熱させ保温させることで、次工程での溶融時間の短縮を図ることができる。
【0054】
溶融・固形化工程
異種類からなるプラスチック繊維とセルロース繊維の各々が絡み合い 又は 付着した状態から成る三者一体化した複合繊維体に溶融と固形化を求める。
【0055】
仮に、従来までの熱圧成形方法によりPE(ポリエチレン)とPVC(ポリ塩化ビニール)の微粒子 又は 粉砕片を均一に混合し、溶融と固形化を施した場合、PEとPVCは互いに溶融した状態から冷却による固形化にいたる状態の変化でPE/PVCのポリマーの界面張力の相異に起因して各々の同一ポリマーが凝集し海島構造へと変化することとなる。この様な成形体は、剥離 又は 熱歪の発生に繋がる。そこで、本願発明では、ポリマーの凝集変化に抑制を求める為、各々のプラスチックを一旦プラスチック単繊維と化す。
【0056】
その後、各々のプラスチック単繊維を絡み合わせ、括 押さえ込む事で、ポリマーの凝集エネルギーと物理的な構造によって抑制を求めると共に、プラスチック繊維の線膨張の収縮に変化を求める事で、ポリマーの凝集エネルギーを吸収する。
【0057】
しかし、プラスチックの種類 又は 成分によっては、プラスチック繊維と化した線膨張の収縮変化のみでは、ポリマーの凝集エネルギーの吸収を求める事が出来ず、成形体には熱歪の発生に繋がる事が確認される。そこで本願発明では、セルロース成分を添加させる事で、ポリマーの凝集エネルギーの吸収を補佐すると共に、成形体の物理的強度の増加にも繋がる事を特徴とする。セルロース繊維の添加は、各々のプラスチック繊維に絡み合った状態 又は 付着した状態とする三者一体化による複合繊維体を構成させた後、熱圧成形を施す事で、異種プラスチックが混在した高分子網目(図3参照)を構成した成形体を得る事を特徴とする。
【0058】
セルロース繊維の添加によって成形体に熱歪が無く、括 剥離 又は 相分離の発生が無い安定した成形体を得る事が確認できた。
【0059】
添付資料 図3 は、PE:PVC:セルロースを30:30:40に配合した後、溶融・固形化を求めた高分子網目を示す。
【0060】
プラスチックを熱板からの放熱により溶融し、圧縮成形化を施す熱圧成形装置31と冷却板からの吸熱により、固形化を求めるための冷却固形化装置34とを別々に構成し、さらに原材料をパレット24又はシートの上面に積層して溶融工程と冷却工程の間を瞬時に移送することをなすための移載工程から構築される。移載工程とするパレット24は、アルミ・真鍮・銅等の熱伝導率が80kcal/mh℃以上を確保した物質より構成され、かつ、その表面には界面張力を30dync/Cm以下にとどめるように表面コーティング処理又は剥離シート41等で保護し、熱伝導率と界面張力の効率を併せ持つ各々の構成から構築されたパレット24又はシートを具備した移載工程を特徴とする。溶融工程・冷却工程・移載工程のそれぞれが独立した構成を併せ持つ工程を具備したことを特徴とする。
【0061】
複合繊維体による構成を成した原材料をパレット24上面に一定量を積層させた後、熱圧成形装置31へと移載され、上下熱板により圧縮成形が施されると共に、プラスチック繊維の一部又は全部を軟化溶融状態に達する迄の一定時間を上下一体とする熱板32・33」の型締めと放熱を繰り返し求める。
【0062】
パレットに積層された状態で、軟化溶融状態に達した複合繊維体をすばやく固形化を求めるために冷却工程へ移送して、上下一体とする冷却板35・36により複合繊維体の全体を均一に挟み覆い被せると同時に、さらに圧縮成形を求めることにより、異種プラスチックの凝集変化に抑制を求めることが可能となる。溶融工程と冷却工程を別々に構成した溶融・固形化工程により、異種類のプラスチックが混在する高分子網目(図3参照)を構成した任意の成形体へと施す。
【0063】
従来のプラスチック成形を代表する射出成形・圧縮成形では、溶融から冷却迄を一体した金型内で溶融と冷却を一連として施すことで成形加工を施していた。仮にその都度繰り返される冷却効果によって複合プラスチックの処理を求めた場合は、相分離又は剥離等の原因となることが永年の研究により確認された。そのため、この実施の形態では、既に十分に冷却機能を高めた冷却板35.36を成形体の表面全体に素早く覆い被せることで、成形体の全体に熱吸収と冷却効果を均一に高め、高分子網目(図2・3参照)を構成した成形体を得ることができる。
【0064】
具体例としては、溶融工程31における熱圧成形温度160℃〜300℃、加圧力5〜45kgf/Cm2、加圧時間 1〜20分、脱気0〜10回程度を繰り返し行い、プラスチックが溶融後、すばやく冷却工程34に移載を求めた後、冷却工程では冷却温度0〜40℃、加圧力5〜45kgf/Cm2、冷却時間1〜30分を施し、冷却時には加圧力を保持又は加圧した状態で冷却を施す。冷却板の均一な機能の向上に務める為に、冷却板には、複数に分割された冷却機能を具備し、各々の冷却機能の均一性を求める為の冷却パイプが複数個別に埋設してあり、括 各々の冷却パイプのIN・OUT側の口径には、流量を調整する為の流量調整バルブが設置されている。任意な冷却を調整する事で、均一な冷却板としての機能向上に務めることが可能とする冷却機能を複数に分割した機能を具備した事により、冷却板 又は 製品の中央部から次第に冷却作用を求める事が可能となり、異種プラスチックに起因するポリマーの凝集エネルギーの移動と抑制を任意に制御する事が可能となった事を特徴とする。(図6参照)
【0065】
コンクリート型枠材等の平面形の成形加工の場合等は量産性の向上と工程時間の短縮を図るために、溶融工程と冷却工程の各工程をさらに細かく多工程に分離又は分割することで、各工程時間の短縮が可能となり、量産化への対応としては効果的であるが、冷却板による均一な熱吸収と冷却効果を施す事を怠ってはならない。さらに、分割した各工程に熱伝導率を確保したパレット又はプレートを上・下金型に固定し、固定したプレートの代わりにテフロン(登録商標)シート22上面に原材料を積載して、上下一体の剥離シート41 又は テフロン(登録商標)シート22.30により原材料を挟み込んだ状態での移動により、原材料を瞬時に移送することも量産化への対応策として効果的であることが確認された。
【0066】
切断・取り外し工程
プラスチック繊維とセルロース繊維を絡み合わせることで複合繊維体と成した後、溶融・冷却・固形化を施すことで、高分子網目を構成した成形体を得ることができるが、成形体を構成した外殻部分は、溶融・固形化の時に発生又は起因する熱影響により、一部分が強度不足となる場合もある。そこで、高品質の完成品を確保するため、成形体の外殻部分の一部を切断又は打ち抜きを施し、成形体に占める中央部の安定した部分のみを完成品として取り外すことで、廃プラスチックを原材料として新たな製品を提供することができる。具体的には、製材工場で使用する回転鋸歯38による切断作業で、成形体の外殻部分の切断除去を施した後、完成品は、材料取出し装置39によって取り出される。さらに切れ端等の切断除去された成形体の外殻部分は細かく粉砕 又は 解繊された後、古紙 又は 木片等のセルロース成分として再度含入を求め有効活用する事を可能とする。
【0067】
具体的実施例
廃プラスチックは幾多の種類が混在した状態で存在している。そのため、ここでは、再生処理が最も困難とされるPVC(ポリ塩化ビニール)とPE(ポリエチレン)から成る複合プラスチック成形体の再生処理について代表例として報告する。当技術で処理可能なプラスチックは、融点が320℃以下の熱可塑性プラスチックであれば、特に限定することを必要としない。単一素材はもちろん、表面にPU(熱硬化性ポリウレタン)塗装が施されたPP(ポリプロピレン)バンパーのような、母体を熱可塑性樹脂とする複合構成材も処理可能である。
【0068】
粉砕工程
PVC/PEが50:50割合で混合又は張り合わされた複合プラスチック成形体を細かく破砕又は粉砕して一辺10〜3mm程度の粉砕片とする。細かく粉砕することで、複合体内に組み込まれたボルト・ナット・ガラス・陶磁器等の異物も一様に破砕を施すことで、成形体とする構造体から剥離又は分離が容易となり、比重分離・磁力分離等によりプラスチックのみを分離・選別して溶融紡糸工程へ供給する。
【0069】
溶融紡糸工程
工程プラスチック粉砕片を既存のプラスチック乾燥装置により十分に乾燥させ、水分含有率を3%以内に低減させる。十分に乾燥したプラスチック片は、回転メルダー3溶融紡糸装置又は押出溶融紡糸装置へ供給する。異種類のプラスチックが混在した状態では、従来の押出し溶融紡糸装置ではプラスチックの劣化が発生するため、高周波過熱コイル4により、高周波出力75kw、回転数750rpm、溶融温度180 ℃ の条件下でプラスチック繊維を吐出させ、繊維径2.5〜0.01mm程度の延伸性を備えたプラスチック繊維を得る。
【0070】
切断・延伸工程
溶融紡糸により吐出した繊維径2.5〜0.01mm程度のプラスチックの繊維を120℃の熱風内を通過させることにより、予めプラスチック繊維を軟化させた後、高速回転する切断刃と複数の熱板との間隙に投入する。熱板の温度を120℃、切断刃との間隙を0.5〜0.1mmに調整することによって、プラスチック繊維に切断と延伸が施され、繊維径0.2〜0.01mm、繊維長5〜50mmの短繊維が得られる。
【0071】
解繊工程
古紙・木片等を細かく解繊することで、セルロース成分を含有した植物繊維毛として解すことができる。
【0072】
ここでは、解繊機(山本鉄工所製、型式YA−01)によって古紙の解繊を行ない、繊維径0.01〜0.5mm、繊維長0.1〜20mm程度の繊維毛を得た。
【0073】
撹拌・混合工程
製品の要求に応じて、全体質量と配合比率を任意に変化させることにより、プラスチック繊維とセルロース繊維とが相互に一体化した複合繊維体を得る。たとえば、土木資材への活用先を望む場合は、全体質量に対してプラスチック繊維を60%、セルロース繊維を40%とする。所望の配合比率になるように計量・調整をした後、撹拌容器に投入して、1200回転の回転翼で3分間、7kg/m3とする低密度な状況下での対流混合による撹拌・混合操作を施すことにより、各々の繊維が均一に絡み合い、付着した一体化した複合繊維体を得た。同様な方法により、プラスチック繊維80%、セルロース繊維毛20%の複合繊維体も得た。
【0074】
定量供給工程
テフロン(登録商標)シートの上面にプラスチック繊維とセルロース繊維80:20の複合繊維体を全質量の10%になるよう供給した後、回転ブラシにより回転数750回転/分で複合繊維体の上面を数回往復することでフェルト状に薄く引き敷めた繊維層を得た後、プラスチック繊維とセルロース繊維60:40の複合繊維体を全質量の80%になるようにしてさらにその上面に積層・供給した後、往復移動させ、均一に積層面を整えた繊維層を得た。次いで、プラスチック繊維とセルロース繊維80:20の複合繊維体を全質量の10%になるようにして積層・供給した後、前述と同様に回転ブラシで均一に積層し、積層面を整えた。以上の工程により、テフロン(登録商標)シート上面に各々配合比率が異なる三層に積層された複合繊維体を得た。複合繊維体を、上下一体のテフロン(登録商標)シートで挟み込み予熱工程へと移載した。
【0075】
予熱工程
三層に均一に積層された複合繊維体を予熱温度110℃、熱風量40mmAqの予熱乾燥内に投入し、5分間の予熱時間を与えることにより、セルロース繊維の水分含有率を3%迄に乾燥を求めると共に、複合繊維体の温度を110℃に確保した複合繊維体を得た。
【0076】
溶融・固形化工程
上下熱板温度210℃、加圧力25kgf/Cm2、加圧時間10分、上下の型締めと脱気3回を繰り返し行い、複合繊維体の温度190℃迄上昇を施すことにより、プラスチック繊維の軟化と溶融が確認された状態で、上下熱板を開放した後、10秒以内の間で素早く冷却工程へ移載し、上下冷却板の温度15℃、加圧力35kgf/Cm2、冷却時間20分で成形品の全体に覆い被せた状態で圧縮・冷却を施すことにより、溶融したプラスチックの固形化を素早く求める。この場合の冷却温度は±1℃以内に留めた。複合繊維体の温度が25℃迄低下したことを確認して、上下冷却板を開放して製品をテフロン(登録商標)シートから剥離して取り外す。
【0077】
切断・取り外し工程
冷却固形化装置から取り外され常温まで低下した製品の外殻を30〜50mm程度、木工用の回転鋸歯により切断・除去することで、土木資材に活用するコンクリート型枠材の製品化を求めることができた。
【0078】
以上の方法により、PVC/PE複合成形体とするプラスチック廃棄物に再生処理を施すことで、土木資材に活用するコンクリート型枠材を製作し、製品に要求される物理的強度を測定したところ、品質に損傷のない強度を確保したことが確認された。測定した各種の物理的強度の測定値を表1に示す。
【0079】
【表1】
Figure 0004169989
【0080】
【発明の効果】
廃プラスチック・古紙・木片等の廃棄物資源の有効活用先として、土木建築資材・梱包資材・緩衝材等へ広く求めることで、現在、熱帯雨林等で伐採が施されている木質資源の保護に繋げる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の技術による成形体の顕微鏡写真である。
【図2】高分子網目の模式図である。
【図3】高分子網目の顕微鏡写真である。
【図4】異種プラスチック混合成形方法の実施の形態を説明する工程図である。
【図5】異種プラスチック混合成形方法の実施をするための装置の概略構成図である。
【図6】冷却板の概略構成図である。
【符合の説明】
1 定量供給装置
2 予熱乾燥装置
3 回転メルダ
4 高周波加熱コイル
5 熱送風管
6 押さえ込みローラ
7 回転型切断延伸装置
8 計量装置
9 機械的解繊装置
10 バグフィルタ
11 供給コンベア
12回収コンベア
13 集塵装置
14 熱風発生装置
15 供給コンベア
16 計量装置
17 スクリューコンベア
18 攪拌翼
19 計量装置
20 回転翼
21 回転翼
22 テフロン(登録商標)シート
23 熱媒発生装置
24 パレット
25 攪拌装置
26 攪拌装置
27 計量装置
28 熱送風管
29 予熱圧縮装置
30 テフロン(登録商標)シート
31 熱圧成形装置
32熱板(上型)
33熱板(下型)
34冷却固形化装置
35冷却板(上型)
36冷却板(上型)
37テフロン(登録商標)シート
38鋸歯
39材料取出し装置
40冷却板
41表面コーティング処理(剥離シート)
42熱板

Claims (4)

  1. ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニールのうちの少なくとも二種類からなる異種類の廃プラスチックを溶融紡糸して単繊維と成し、かつ、古紙・木片等の天然植物繊維体を解繊してセルロース繊維と成し、前記両繊維を攪拌・混合して相互に絡み合った複合繊維体と成し、熱を与えることによりプラスチック繊維の一部又は全部を溶融させた後冷却することにより、異種類のプラスチックが混合し、高分子編目を構成した成形体を得る、異種プラスチック混合成形方法であって、溶融紡糸されたプラスチック繊維に再度軟化を施した後、回転する切断刃と隣接する熱板との摩擦抵抗により、プラスチック繊維の延伸と切断を施すことで、微細なプラスチック繊維を得る切断延伸工程を具備したことを特徴とする異種プラスチック混合成形方法。
  2. プラスチックを溶融させるための溶融工程と、軟化・溶融したプラスチックを冷却・固形化する冷却工程を別工程として備え、溶融工程と冷却工程との間を移送するためのパレット又はシートを具備したことを特徴とする請求項1の異種プラスチック混合成形方法。
  3. プラスチック繊維とセルロース繊維の複合繊維体を得るため、単位容積当たりの繊維重量を3kg/m〜70kg/mとした容器の中で相互繊維を浮遊させた状態により攪拌・混合を施し、対流混合を求めることにより、相互繊維が均一に絡み合った複合繊維体を得ることを特徴とする請求項1の異種プラスチック混合成形方法。
  4. 異種類のプラスチックが混在する状態で、プラスチックを軟化・溶融させ、遠心力の作用によりプラスチック繊維として吐出する回転型溶融紡糸工程を具備していることを特徴とする請求項1の異種プラスチック混合成形方法。
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