JPH0723221B2 - 導電性チタン酸アルカリ金属塩の製造法 - Google Patents

導電性チタン酸アルカリ金属塩の製造法

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JPH0723221B2
JPH0723221B2 JP15173985A JP15173985A JPH0723221B2 JP H0723221 B2 JPH0723221 B2 JP H0723221B2 JP 15173985 A JP15173985 A JP 15173985A JP 15173985 A JP15173985 A JP 15173985A JP H0723221 B2 JPH0723221 B2 JP H0723221B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の利用分野) 本発明は、プラスチックス等に対する補強効果が優れ、
かつ導電性を有するチタン酸アルカリ金属塩及びその製
造法に関する。
(背景技術) 近年、エレクトロニクス産業の著しい発展に伴い、関連
材料としての導電性材料の開発が望まれている。本発明
者等は、先に特開昭59-6235号公報記載の発明をし、表
面が酸化第二錫で覆われた繊維状チタン酸カリウムを主
成分とする白色導電性物質を、また特開昭59-102820号
公報記載の発明をして、チタン酸アルカリ金属塩の水分
散液に、 錫、インヂウム、アンチモン、銅及びニッケルからな
る金属群から選ばれた金属化合物の一種又は複数種の溶
液、及び 水酸化アルカリ又はハロゲン化アルカリの水溶液 の両者を同時に添加し、両溶液間の反応により生成する
水不溶性金属酸化物をチタン酸アルカリ金属塩の表面に
沈着させること等を要旨とする導電性チタン酸アルカリ
金属塩の製造技術を公開した。
さらに本発明者は、繊維状チタン酸アルカリ金属塩の水
分散液に、錫、インヂウム、アンチモン、ニオブ、タン
グステン及びモリブデンからなる金属群から選ばれた金
属化合物の一種又は複数種を溶液状態で添加し、次いで
不溶物を分離、熱処理することを特徴とする繊維状導電
性チタン酸アルカリ金属塩の製造技術に関しても特許出
願中である。本発明は、これら公開技術及び出願中の技
術の改良に係るものである。
(発明の目的) 本発明の目的は、チタン酸アルカリ金属塩本来の特性を
保持した導電性チタン酸アルカリ金属塩を提供すること
及び産業上有利な導電性チタン酸アルカリ金属塩の製造
法を提供することである。
(発明の概要) 本発明者は、上記公知技術等の改良について、その後も
鋭意研究を進めた結果、錫、インヂウム等の元素の化合
物を主成分とした混合化合物で被覆されたチタン酸アル
カリ金属塩に関する本発明に到達したものである。本発
明に係る改良されたチタン酸アルカリ金属塩は、本金属
塩本来の特性を保持すると同時に、しかも優れた導電性
を備える。
また本発明者は、チタン酸アルカリ金属塩の水系分散液
中で、周期律表II〜VIII族(但し、Mg,Ca,Ba,Zn,C,Si,T
i,N,O,S,F,Cl,Br及びIを除く)から選ばれた二種以上
の元素からなる化合物の水系溶液をアルカリ性水溶液又
はアンモニアガス、尿素、有機アミンにより加水分解さ
せた後、不溶物を分離、熱処理することにより、全反応
を全て水系中で実施することができる導電性チタン酸ア
ルカリ金属塩の製造法を開発した。
(発明の構成) 本発明は下記A液、B液及びアルカリを混合して加水分
解した後、不溶物を分取し熱処理することを特徴とする
導電性チタン酸アルカリ金属塩の製造法に係る。
A液:チタン酸アルカリ金属塩の水分散液。
B液:(1)錫のハロゲン化物と(2)インヂウム、ア
ンチモン、セレン、ビスマス、ニオブ、パラジウム及び
モリブデンから選ばれる少なくとも1種の元素のハロゲ
ン化物に酸を添加した水溶液。
本発明において、原料のチタン酸アルカリ金属塩は公知
の化合物であり、従来大別して水熱合成法、融剤法(フ
ラックス法)及び焼成法等で製造されているが、本発明
では、公知のどのチタン酸アルカリ金属塩をも使用する
ことができ、例としてチタン酸ナトリウム、チタン酸カ
リウム、チタン酸リチウムを挙げることができる。
特に式、K2O 6TiO2で表わされるチタン酸カリウムは、
耐火、断熱性及び機械的強度に優れ、しかも充填剤とし
て用いたとき、表面平滑性が優れている等の諸点で目的
上有利である。
チタン酸アルカリ金属塩は、一般に粉末又は繊維状の単
結晶体であるが、本発明ではこれらいずれの形態でも使
用可能である。しかしとりわけ繊維状物質が好ましく、
一般的には繊維状のチタン酸カリウムが実用上好適であ
って、このうち繊維長5μm以上、アスペクト比20以
上、特に100以上のものが補強性充填剤として適してい
る。
本発明に係る導電性チタン酸アルカリ金属塩は、下記A
液、B液及びアルカリを混合して加水分解した後、不溶
物を分取し熱処理することにより得られる。
A液:チタン酸アルカリ金属塩の水分散液。
B液:(1)錫のハロゲン化物と(2)インヂウム、ア
ンチモン、セレン、ビスマス、ニオブ、パラジウム及び
モリブデンから選ばれる少なくとも1種の元素のハロゲ
ン化物に酸を添加した水溶液。
上記B液に添加される酸源としては、塩酸、弗化水素
酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸等の無機酸、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、シュウ酸等の有機酸の一種又は二種
以上の混合物などが例示される。
さらに本発明では、溶液Bの安定化のための安定剤、可
溶化剤等一般に常用されているものを併用してもよく、
これらの剤の例として、界面活性剤、アルコール、セロ
ソルブ等の水溶性有機溶媒、キレート化剤、イオン濃度
調整用の緩衝剤等を例示することができる。
本発明の方法においては、加水分解時、酸化剤又は還元
剤を共存させ、本発明に係る元素の酸化又は還元を加水
分解と同時に進行させてもよい。
チタン酸アルカリ金属塩の水系分散液(溶液A)の調整
にあたっては、見掛濃度が0.01〜50重量%、好ましくは
0.1〜30重量%となるようにする。かつ、本溶液Aの調
整に際しても、溶液Bの調整時と同様、分散安定剤、水
溶性有機溶媒、キレート化剤、緩衝剤等常用の任意の添
加剤を併用することができ、また溶液Bの濃度も自由に
選定できるが、濃度が低すぎると液量が多くなって取扱
いに不便であり、生産性も低下する。反対に溶解度以上
の本発明に係る元素からなる化合物を添加した溶液を用
いた場合には、これら化合物の加水分解物によるチタン
酸アルカリ金属塩上への被覆が不均一になり、このた
め、目的の導電性チタン酸アルカリ金属塩の導電性にバ
ラツキを生じる恐れがある。
本発明において、溶液Aに溶液Bを添加する方法とし
て、本発明に係る元素からなる化合物の全種、全量を溶
解したもの、あるいは一部の元素からなる化合物の一部
又は全量を別個に溶解した数種の酸性溶液とし、これら
を速やかに又は数時間を要し添加しても良く、溶液Bが
二種以上ある場合には、これらを定量的に同時に、又は
一つの溶液を添加した後、別成分の溶液を添加してもよ
い。しかし、生成物の均質化を計るためには、使用する
溶液Bの全種を、本発明に係る化合物が溶液A中に均質
に共有するよう定量的に添加するのが好ましい。
本発明においてはB液のハロゲン化物の水溶液に酸を添
加する事が重要であり、酸を添加することにより、A液
のチタン酸アルカリ金属塩の表面にB液の元素の水酸化
物が均一に被覆される。一方、酸を用いない場合はチタ
ン酸アルカリ金属塩の表面に沈着しないフリーの水酸化
物の微粒子の集まった凝集物が生じ、粉体としての導電
性はほぼ同程度であるが、実使用での例えば塗料にして
コーテイング後の塗膜の通電性を比較してみると、均一
に被覆される本発明の方が平均的に2ケタ位導電性が良
くなる。
本発明は、チタン酸アルカリ金属塩の水系分散液(溶液
A)に酸性水溶液(溶液B)を添加し分散させ、該分散
液にアルカリ性水溶液又はアンモニアガス等の加水分解
剤(加水分解剤と略す)を添加することにより本発明に
係る化合物を加水分解させた後、不溶物を分離、熱処理
することにより得られる。ここに加水分解剤としては、
ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属又はカルシウ
ム、バリウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属等の
水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩等、さらにはア
ンモニア、アルカノールアミン、アルキルアミン、尿素
等の塩基性化合物の一種又は二種以上の混合物が例示さ
れる。これらの加水分解剤は、原体のまま又は水溶液若
しくは気体(ガス状)として使用されることができる。
本発明において、加水分解を完結させる方法として、 溶液Aと溶液Bを予め混合後、加水分解剤を添加し、
加水分解を完結する方法。
溶液Aに溶液Bと加水分解剤を同時に添加し、かつ最
終的にpH調整を行い、加水分解を完結させる方法。
溶液Aに予め加水分解剤の全量を添加した系に溶液B
を添加後、最終的にpH調整を行ない、加水分解を完結さ
せる方法。
溶液Aに予め加水分解剤の一部を添加して系をアルカ
リ性とした後、溶液Bと加水分解剤を同時に添加後、最
終的に加水分解を完結させる方法。
溶液Aに酸性物質を添加して系を酸性とした後、溶液
Bと加水分解剤を同時に添加し、最終的に加水分解を完
結させる方法。
溶液Bにチタン酸アルカリ金属塩を添加してスラリー
化した後、加水分解剤を添加し、最終的に加水分解を完
結させる方法。
等の任意の方法の実施が可能である。これらの諸方法に
おいて、若しpH調整が必要であれば、アルカリ性中和剤
としては前述の加水分解剤が、また酸性中和剤として
は、塩酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、酢酸等の酸性物質を
使用することができる。
本発明方法では、本発明に係る化合物を中和反応により
最終的に加水分解を完了させ、チタン酸アルカリ金属塩
の表面に本発明の元素からなる化合物の加水分解物を沈
着、被覆させた後、熱処理することにより、本発明に係
る導電性チタン酸アルカリ金属塩が得られる。この場
合、加水分解反応を完結させるための中和反応時のpH、
即ち、溶液中へ加水分解剤を添加、混合するときのpH領
域に格別の制限はないが、強酸性又は強アルカリ性の領
域は、製造に際し使用される機器の耐蝕性の観点から、
またpH3〜5未満の領域では、溶液Aが見掛上増粘し、
攪拌が困難になることがあるので、弱酸性又は弱アルカ
リ性の領域内であるのが好ましい。従って、通常pH5〜1
0の範囲に保持しながら中和反応を実施する。しかし反
応用機器の耐蝕性が充分であれば、pH3以下又はpH10以
上の領域で行うことも可能であり、また強力な攪拌が可
能であればpH3〜5未満の領域で実施することもでき
る。
本発明の方法は、通常、所定量の溶液A、溶液B、加水
分解剤及び必要により添加される酸性又はアルカリ性中
和剤等をバッチ式で順次反応容器に添加することにより
行なわれるが、攪拌機を付した連続反応槽内に定量ポン
プで順次、上記各成分を供給しながら行なう連続反応を
採用することもできる。
本発明方法においては、溶液Aに溶液B及び加水分解剤
を添加するに際し、通常、発熱反応を伴うことが多いの
で、格別加熱を必要としないが、以後の操作を経て均質
な混合酸化物を得るためには、反応系を50〜100℃、好
ましくは60〜90℃に保持しつつ、溶液Aに溶液B及び加
水分解剤を添加するのが好ましく、かつ溶液Bの全量を
添加後、系のpHを中和点付近に調整してから60〜90℃で
熟成するのが好ましい。なお、本発明におけるpH管理
は、所望のpH領域を示す指示薬の一種又は二種以上の混
合物を共存させて行なわすのが簡単である。勿論、直読
式pHメータ若しくは自記式pHメーター又は自動pH調整装
置を用いて行なってもよい。但し、本発明方法において
は、最終的にpHを中性付近に調整するのが好ましい。こ
れは、本発明の導電性チタン酸アルカリ金属塩は一般に
他材料と複合されて使用される場合が多いため、強酸性
又は強アルカリ性の系から沈澱せしめられた酸化物によ
り被覆された導電性チタン酸アルカリが該材料中の共存
成分を劣化させる恐れがあること、及び後述する熱処理
条件でのpH変動を可及的低減させることにより、品質管
理を容易化すること等の理由によるものである。
上述方法により、溶液Aに溶液Bを添加後、加水分解さ
れたものは、スラリー状の分散状態を呈するから、上方
に従って、不溶物を濾別、傾瀉又は遠心分離等の慣用手
段を用いて分離後、水洗、乾燥する。次いで、目的物の
導電性及び安定性を向上させるため、ここに分離された
不溶物を200〜1200℃、好ましくは600〜1000℃で熱処理
する。この熱処理に際し、必要に応じ還元処理を行なう
ことにより、さらに導電性を向上させることができる。
(実施例) 以下、実施例により発明実施の態様を説明するが、例示
は当然説明用のものであって、発明精神の限定を意味す
るものではない。
実施例1 繊維状チタン酸カリウム[大塚化学(株)製、ティスモ
(TISMO)D]10gを水100ml中に分散させ、攪拌機にて3
0分間攪拌してスラリー化した。次に、この分散スラリ
ーを油浴中にて90℃に加熱し、この熱スラリー中に、塩
化第二錫[半井化学薬品(株)製、SnCl4・xH2O,x=4.8,
SnCl475%含有]17g及び塩化アンチモン[半井化学薬品
(株)製、SbCl3]1.7gを3.7規定の塩酸水溶液30g中に
溶解した混合塩溶液と3.7規定の水酸化ナトリウム水溶
液92mlとを、熱スラリーの液温を90℃、pHを8〜9に保
持しながら攪拌下に1時間をかけて同時に添加後、3.7N
塩酸水溶液を用いてpH6.5に調整し、さらに液温を90℃
に保持しつつ1時間静置した。後、反応液を室温まで放
冷し、固形物を濾取、水洗、乾燥した後、次いで600℃
にて2時間加熱処理した。かくして、SnO2 87%、Sb2O3
13%からなる被覆組成物8.5gがチタン酸カリウム10gを
被覆している、白色の導電性繊維状チタン酸カリウム2
0.5gが得られた。
以上のチタン酸塩を、100kg/cm2の荷重下で測定したと
きの体積抵抗率(特記しない限り以下同様)は、1.9×1
03Ω・cmであった。なお比較のため、塩化アンチモンを
用いない以外は実施例1と同様に実施して得た対照チタ
ン酸カリウムの体積抵抗率は、7.4×104Ω・cmであっ
た。
実施例2〜5 実施例1と同様に、繊維状チタン酸カリウム10g及び水1
00mlを用いて熱スラリーを調製すると共に、下表−1に
示す溶液Bを用い、以下実施例1と同法で行った結果を
下表−2に示す。
実施例6 繊維状チタン酸カリウム(前掲)16gを水100ml中に分散
後、2Mヘキサメチレンテトラミン水溶液(濃度2モル/
l)100mlを加え、攪拌機にて30分間攪拌してスラリー化
した。
次に、この分散スラリーを油浴中にて90℃に加熱し、こ
の熱スラリー中に塩化第二錫27g及び塩化アンチモン2.7
gを、3.7規定塩酸水溶液45gに溶解したものを約1時間
を要して添加後、濃アンモニア水約15gを加えて、pH7に
調整し、液温を90℃に保持しつつ、1時間静置後室温ま
で放冷し、以下実施例1と同様に、不溶物を濾取、水
洗、乾燥及び熱処理することにより、SnO2 86%、Sb2O3
14%からなる被覆組成物13gがチタン酸カリウム15.5g
を被覆している白色の導電性繊維状チタン酸カリウム2
8.5gを得た。
上の目的物の体積抵抗率は、2.5×103Ω・cmであった。
実施例7 繊維状チタン酸カリウム(前掲)16gを水100ml中に分散
後、2M尿素水溶液200mlを加え、攪拌機にて30分間攪拌
してスラリー化した。次に、この分散スラリーを油浴中
にて90℃に加熱しつつ、これに塩化第二錫27g及び塩化
アンチモン2.7gを3.7N塩酸水溶液45gに溶解した溶液を
約1時間かけて添加後、濃アンモニア水約15gを加えてp
H7に調整した。次いで、液温を90℃に保持しつつ、1時
間静置後、室温まで放冷し、以下実施例1と同様に濾
取、水洗、乾燥及び熱処理することにより、SnO2 86
%、Sb2O3 14%からなる被覆組成物13gがチタン酸カリ
ウムに18.5gを被覆している、白色の導電性繊維状チタ
ン酸カリウム28.5gを得た。
上の目的物の体積抵抗率は、2.0×103Ω・cmであった。
実施例8 繊維状チタン酸カリウム(前掲)33.4gを水200ml中に分
散し、攪拌機にて30分間攪拌してスラリー化した後、こ
の分散スラリーを油浴中で90℃に加熱した。この熱スラ
リー中に3.7規定の水酸化ナトリウム71.8mlを添加し、
混合、均質化後、このホモジネートに、塩化第一錫の45
%(SnCl2として)水溶液67.6gに三塩化アンチモン5.9g
を3.7規定塩酸71.8mlに溶解した溶液を加えてなる塩化
第一錫と塩化アンチモンとを含む酸性混合塩溶液及び8.
4規定の水酸化ナトリウムの水溶液68mlを実施例1と同
様に約1時間を要して添加したところ、最終混合物のpH
は12であった。次に、この熱スラリーを攪拌下に90℃で
1時間熟成後、3.7規定塩酸を用いてpH9.5に調整し、不
溶物を濾取、水洗、乾燥後、800℃で2時間熱処理する
ことにより、SnO2 85%、Sb2O3 15%からなる被覆組成
物23gがチタン酸カリウム33gを被覆している、白色の導
電性繊維状チタン酸カリウム56gを得た。この目的チタ
ン酸塩の体積抵抗率は、2.9×102Ω・cmであった。ま
た、これをウレタン塗料[大日本塗料(株)製、Vトッ
プクリア]に25wt%の割に分散、混合後、75μm厚のシ
ート状に成形し、このシートを100Wの蛍光灯下に、照射
距離60cm、照射時間24時間の条件で曝露して耐光性を検
査したところ、照射前後の色差は、ΔE1.5以下であり、
良好な耐光性を有することが示された(なお以下に述べ
るΔEの測定は、全て本例の方法に準じる)。
実施例9〜12 実施例8において、三塩化アンチモンを溶解させるため
の塩酸として7.7規定のものを用い、塩化第一錫、三塩
化アンチモン、7.7規定塩酸及び加水分解剤として用い
た水酸化ナトリウム水溶液等の使用量を下表−3に示す
通りとした以外は実施例8と同法で実施した。結果を下
表−4に示す。
尚、実施例9〜12で得られた目的物を実施例8同様の耐
光性試験結果は、全てΔE1.5以下であった。
実施例13〜20 下表−5に示す種々の条件及び配合で行った結果を下表
−6として示す。
実施例21 繊維状チタン酸カリウム(前掲)10gを、塩化第二錫(S
nCl4・xH2O,SnCl4 75%)17g及び塩化アンチモン1.7gを
3.7N塩酸水溶液30g中に溶解した溶液中に添加し、油浴
中加熱して90℃に昇温させながら充分攪拌してスラリー
化した。この熱酸性スラリー液に、3.7規定水酸化ナト
リウム水溶液92mlを、反応温度90〜95℃にて滴下、加水
分解反応を行わせ、滴下完了後、さらに30分間熟成反応
を行わせて反応を終えた。反応終了後、反応液のpHを9.
5に調整し、次いで、不溶物を濾別、水洗、乾燥後、600
℃にて2時間熱処理した。得られた生成物は、灰白色で
体積抵抗率1.0×103Ω・cmの導電性繊維状チタン酸カリ
ウムであった。
試験例1 実施例1と同様にして体積抵抗率が1.9×103Ω・cmの導
電性チタン酸カリウム(A)を得た。次に実施例1にお
ける塩化第二錫及び塩化アンチモンを塩酸水溶液中に溶
解させる代りに、単に水を用いて他は同様にして比較用
の導電性チタン酸カリウム(B)を得た。得られたチタ
ン酸カリウム(B)の体積抵抗率は3.1×103Ω・cmと上
記(A)のものと大差はなかった。
しかし次に上記(A)及び(B)のチタン酸カリウムを
用いて下記配合及び分散方法にて、塗料を作成し75μm
のアプリケーターを用いてアート紙上に塗工し、80℃×
30分で塗膜を乾燥硬化させた後に絶縁抵抗計を用いて塗
膜の表面抵抗値の測定を行った。
アクローゼスーパー(固型分40%) 100g チタン酸カリウム(A)又は(B) 17.1g 固型分中のチタン酸カリウムの含量 30wt% 高速回転分散機 2,000rpm×15分 チタン酸カリウム(A)を用いた塗膜の表面抵抗値 5.3
×107Ω チタン酸カリウム(B)を用いた塗膜の表面抵抗値 3.5
×109Ω であった。
(発明の効果) 本発明は、下記の諸利点を具備することにより、導電性
及び半導電性を要求される広範な産業分野及びその製品
等に対して貢献しうる。
本発明によれば、プラスチックス等に対し補強効果が
優れ、かつ導電性を有するチタン酸アルカリ金属塩が産
業利用上有利な方法で提供される。
本発明に係る導電性チタン酸アルカリ金属塩は、一般
に白色又は淡彩色であるため、調色が容易である。
本発明によれば、導線性チタン酸アルカリ金属塩を完
全に水系にて生産することができるから、排水処理等の
面で工業生産上有利であり、ひいては安価な導電性チタ
ン酸アルカリ金属塩を提供することができる。
(4)本発明によれば、B液のハロゲン化物の水溶液に
酸を添加することにより、A液のチタン酸アルカリ金属
塩の表面にB液の元素の水酸化物が均一に被覆され、酸
を用いない場合に比べて、実使用での例えば塗料にして
コーテイング後の塗膜の通電性を比較してみると、均一
に被覆される本発明の方が平均的に2ケタ位導電性が良
くなる。
フロントページの続き (72)発明者 晴山 幸哉 徳島県徳島市川内町加賀須野463番地 大 塚化学株式会社徳島工場内 (56)参考文献 特開 昭59−102820(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記A液、B液及びアルカリを混合して加
    水分解した後、不溶物を分取し熱処理することを特徴と
    する導電性チタン酸アルカリ金属塩の製造法。 A液:チタン酸アルカリ金属塩の水分散液。 B液:(1)錫のハロゲン化物と(2)インヂウム、ア
    ンチモン、セレン、ビスマス、ニオブ、パラジウム及び
    モリブデンから選ばれる少なくとも1種の元素のハロゲ
    ン化物に酸を添加した水溶液。
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