JPH0723118U - ユニット建物の建物ユニット間の耐火構造 - Google Patents

ユニット建物の建物ユニット間の耐火構造

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JPH0723118U JP5433793U JP5433793U JPH0723118U JP H0723118 U JPH0723118 U JP H0723118U JP 5433793 U JP5433793 U JP 5433793U JP 5433793 U JP5433793 U JP 5433793U JP H0723118 U JPH0723118 U JP H0723118U
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(57)【要約】 【目的】 下階の建物ユニットから上階の建物ユニット
への延焼を防止することができるユニット建物の建物ユ
ニット間の耐火構造を提供する。 【構成】 水平方向に隣合う住宅ユニットの隣合う柱19
間の隙間26を耐火性部材であるケイ酸カルシウム板27と
ロックウール28で塞ぐと共に、上下方向に隣合う住宅ユ
ニットの上下の柱19間に形成された隙間26に耐火性仕切
り板であるセラミック板31を配置する。また、水平方向
に隣合う柱19間の隙間26を耐火性部材で塞いだ状態で、
上階と下階の住宅ユニットにそれぞれ設けられた耐火性
部材間に隙間が形成されている場合には、この隙間もセ
ラミック板31で塞ぐようにする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ユニット建物の建物ユニット間の耐火構造に関し、2階建て以上の ユニット住宅等に利用できる。
【0002】
【背景技術】
近年、工場で居室等を建物ユニットとして作製し、これらの建物ユニットを現 場に輸送して組み立てるようにしたユニット建物が施工されている。 このようなユニット建物において、複数の建物ユニットが水平及び垂直方向に 組み合わされて建てられた2階建て又は3階建て以上のものがある。 通常、水平方向の建物ユニット間には、若干の隙間が形成されている。そして 、建築基準法に則り、耐火構造が要求される場合には、水平方向に隣合う建物ユ ニットの隣合う柱間に耐火性部材が被覆されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
複数の建物ユニット間には、水平方向の隣合う柱間に形成された前記隙間の他 、上下方向に隣合う2個又は4個の建物ユニットの上下の柱間にも隙間が形成さ れている。 火災の際、このような隙間へは、前記耐火性部材によって火炎の進入が防止さ れる筈であるが、火炎の勢いによっては耐火性部材が破損したり、又は上階と下 階の建物ユニットにそれぞれ設けられた前記耐火性部材間の隙間を通ったりして 、上階の建物ユニットにも燃え拡がる虞れがあった。 そこで、本考案は、下階の建物ユニットから上階の建物ユニットへの延焼を防 止することができるユニット建物の建物ユニット間の耐火構造を提供することを 目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案は、複数の建物ユニットが水平及び垂直方向に組み合わされて建てられ るユニット建物の建物ユニット間の耐火構造において、水平方向に隣合う建物ユ ニットの隣合う柱間の隙間を耐火性部材で塞ぐと共に、上下方向に隣合う建物ユ ニットの上下の柱間に形成された隙間に耐火性仕切り板を配置したことを特徴と する。 また、水平方向に隣合う建物ユニットの隣合う柱間の隙間を耐火性部材で塞い だ状態で、上階の建物ユニットと下階の建物ユニットにそれぞれ設けられた前記 耐火性部材間に隙間が形成されている場合には、この隙間を耐火性材料で塞ぐよ うにする。
【0005】 前記耐火性部材及び耐火性材料としては、セラミック(炭化ケイ素、窒化ケイ 素、酸化アルミニウム等)、ロックウール、ケイ酸カルシウム、ALC、耐火性 鋼材等を使用できる。 前記耐火性仕切り板としても、同様にセラミック、ロックウール、ケイ酸カル シウム、ALC等よりなる板を使用できる。 また、耐火性を有しない仕切り板に耐火性材料を被覆して耐火性仕切り板を構 成してもよい。この場合、耐火塗料等を塗布するのが実施上容易である。
【0006】 更に、耐火性を有しない仕切り板の前記隙間に位置する部分だけに耐火性材料 を被着して耐火性仕切り板を構成することもできる。 前記上下方向に隣合う建物ユニットには、垂直方向で上下階となっている建物 ユニットのみならず、下階の建物ユニットに対して同じ下階で隣合った建物ユニ ットの垂直方向に上階となる建物ユニットも含む。 また、前記上下の柱についても、同様に垂直方向で上下となっている柱に限ら ない。
【0007】
【作用】
本考案においては、上下方向に隣合う建物ユニットの上下の柱間に形成された 隙間に耐火性仕切り板を配置したことにより、水平方向に隣合う建物ユニットの 隣合う柱間の隙間を塞ぐ耐火性部材が破損した場合であっても、この耐火性仕切 り板によって下階の建物ユニットから上階の建物ユニットへの火炎の進入を防止 することができるようになる。
【0008】 また、上階の建物ユニットと下階の建物ユニットにそれぞれ設けられた前記耐 火性部材間の隙間を耐火性材料で塞ぐことにより、この隙間から上下方向に隣合 う建物ユニット間に形成された隙間への火炎の進入を防止することができるよう になる。
【0009】
【実施例】
図1〜図5を参照して本考案の一実施例に係るユニット住宅11の住宅ユニット 12間の耐火構造を説明する。 図1,2に示すように、前記ユニット住宅11は、6個の住宅ユニット12が水平 方向に組み合わされた1階部分13、この1階部分13の上に同様の6個の住宅ユニ ット12が設置された2階部分14及びこの2階部分14の上に同様の6個の住宅ユニ ット12が設置された3階部分15を有する3階建てである。
【0010】 図1,2に示すように、前記住宅ユニット12のユニットフレーム16は、床フレ ーム17と天井フレーム18及びこれらの上下のフレーム17,18 の四隅に連結された 柱19を備えて構成される。 図3に示すように、前記ユニットフレーム16の外面側には、オートクレーブ養 生気泡コンクリートパネルのような外壁材21が張られている。 図3,4に示すように、下階側のユニットフレーム16の柱19の上面には、上下 のユニットフレーム16同士を連結させるためのガイドピン22が取り付けられてい る。
【0011】 前記床フレーム17と天井フレーム18は、長短各一対の梁23が四角に組まれたも のであり、床フレーム17には図示しない根太が、また天井フレーム18には小梁が 架け渡されている。 そして、床フレーム17の上面には、床面材24が張られ、天井フレーム18の下面 には、天井面材25が張られている。
【0012】 図3に示すように、例えば1階の水平方向に2つの住宅ユニット12が隣合った 部分(図1,2中、Aで示す)においては、梁23の下方の隣合う2本の柱19が柱 19間の隙間26を含んで耐火性部材であるケイ酸カルシウム板27で被覆され、また 梁23の位置にある隣合う柱19間の隙間26が耐火性部材であるロックウール28で塞 がれている。更に、梁23と外壁材21との間にもロックウール28が充填されている 。
【0013】 一方、図4に示すように、例えば1階の水平方向に4つの住宅ユニット12が隣 合った部分(図1,2中、Bで示す)においては、梁23の下方の隣合う4本の柱 19が柱19間の隙間26を含んでケイ酸カルシウム板27で被覆され、また梁23の位置 にある隣合う柱19間の隙間26がロックウール28で塞がれている。
【0014】 これらは、下階となる1階の住宅ユニット12の隣合う柱19間の場合であるが、 図5に示すように、上階となる2階の住宅ユニット12の隣合う柱19間も同様に、 ケイ酸カルシウム板27又はロックウール28による耐火性部材で塞がれている。 そして、図3に示すように、例えば1階の水平方向に2つの住宅ユニット12が 隣合った部分においては、隣合う2本の柱19の上面間に架け渡されるようにして 耐火性仕切り板であるセラミック板31が設けられている。
【0015】 前記セラミック板31は、隣合う2本の柱19の上面間の隙間26に跨がり、かつ前 記ロックウール28に及ぶ大きさで形成された長方形状のものである。このセラミ ック板31には、前記ガイドピン22の挿通用孔部32が2箇所に形成されている。 一方、図4に示すように、例えば1階の水平方向に4つの住宅ユニット12が隣 合った部分においては、隣合う4本の柱19の上面間に架け渡されるようにして耐 火性仕切り板であるセラミック板31が設けられている。
【0016】 前記セラミック板31は、隣合う4本の柱19の上面間の隙間26に跨がり、かつ前 記ロックウール28に及ぶ大きさで形成された略正方形状のものである。このセラ ミック板31には、前記ガイドピン22の挿通用孔部32が4箇所に形成されている。
【0017】 上記住宅ユニット12間の耐火構造は、ユニット住宅11の建築において次のよう に設けることができる。 先ず、通常通り、工場で作製した所要の住宅ユニット12を建築現場に輸送し、 これらの住宅ユニット12を基礎上に配置することにより、1階部分13を作る。
【0018】 次に、2つの住宅ユニット12が隣合った部分Aにおける隣合う2本の柱19の梁 23の下方をケイ酸カルシウム板27で被覆すると共に、梁23の位置にある隣合う柱 19間の隙間26をロックウール28で塞ぐ。 また、梁23と外壁材21との間にもロックウール28を充填する。この梁23と外壁 材21との間のロックウール28の充填は、工場で行っておいてもよい。
【0019】 同様に、4つの住宅ユニット12が隣合った部分Bにおける隣合う4本の柱19の 梁23の下方をケイ酸カルシウム板27で被覆すると共に、梁23の位置にある隣合う 柱19間の隙間26をロックウール28で塞ぐ。 次に、2つの住宅ユニット12が隣合った部分Aにおける隣合う2本の柱19の上 面間にセラミック板31を設置すると共に、4つの住宅ユニット12が隣合った部分 Bにおける隣合う4本の柱19の上面間にセラミック板31を設置した後、6個のユ ニット住宅12をこの1階部分13上に載置することにより2階部分14を作る。
【0020】 次に、この2階部分14の住宅ユニット12に対しても、1階部分13と同様にケイ 酸カルシウム板27やロックウール28を設け、更に柱19の上面間にセラミック板31 を設置する。 この後は上記と同様にして、3階部分15の住宅ユニット12を設置することによ り、本実施例に係る3階建てのユニット住宅11を建築する。
【0021】 本実施例に係るユニット住宅11の住宅ユニット12間の耐火構造によれば、上下 方向に隣合う住宅ユニット12の上下の柱19間に形成された隙間26に耐火性仕切り 板であるセラミック板31を配置したことにより、火災の際、水平方向に隣合う住 宅ユニット12の隣合う柱19間を塞ぐ耐火性部材であるケイ酸カルシウム板27又は ロックウール28が破損した場合であっても、このセラミック板31によって下階の 住宅ユニット12から上階の住宅ユニット12への火炎の進入を防止することができ る。
【0022】 また、前記セラミック板31は、上階の住宅ユニット12と下階の住宅ユニット12 にそれぞれ設けられたロックウール28間の隙間を塞ぐものでもあるため、この隙 間から上下方向に隣合う住宅ユニット12間の隙間26への火炎の進入を防止するこ とができ、これによって上階の住宅ユニット12への延焼を防止できる。 更に、ユニット住宅11の建築において、下階部分の住宅ユニット12上に上階部 分の住宅ユニット12を載置する際、隣合う2本の柱19の上面間又は隣合う4本の 柱19の上面間にセラミック板31を設置するだけでよいため、セラミック板31の設 置作業が容易である。
【0023】 なお、上記実施例では、耐火性仕切り板として1枚のセラミック板31を使用し たが、図6に示すように、金属板33を耐火性のセラミック層34で被覆したものを 使用してもよい。 また、上記実施例では、前記セラミック板31によって下階の隙間26から上階の 隙間26への火炎の進入防止とケイ酸カルシウム板27間の隙間から前記隙間26への 火炎の進入防止を兼ねさせたが、ケイ酸カルシウム板27間の隙間から前記隙間26 への火炎の進入防止だけを目的とするのであれば、図7に示すように、金属板35 のケイ酸カルシウム板27間の隙間に位置する部分だけに耐火性材料であるセラミ ック材36を形成するようにしてもよい。
【0024】
【考案の効果】
本考案に係るユニット建物の建物ユニット間の耐火構造によれば、下階の建物 ユニットから上階の建物ユニットへの延焼を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例が適用されるユニット住宅の
平断面図である。
【図2】同じ実施例のユニット住宅の側断面図である。
【図3】同じ実施例に係る住宅ユニット間の耐火構造の
要部を示す斜視図である。
【図4】同じ実施例に係る住宅ユニット間の耐火構造の
要部を示す斜視図である。
【図5】同じ実施例に係る住宅ユニット間の耐火構造の
要部を示す断面図である。
【図6】他の実施例に係る住宅ユニット間の耐火構造の
要部を示す断面図である。
【図7】他の実施例に係る住宅ユニット間の耐火構造の
要部を示す断面図である。
【符号の説明】
11 ユニット建物であるユニット住宅 12 建物ユニットである住宅ユニット 13 ユニットフレーム 17 床フレーム 18 天井フレーム 19 柱 26 隙間 27 耐火性部材であるケイ酸カルシウム板 28 耐火性部材であるロックウール 31 耐火性仕切り板であるセラミック板 33 金属板 34 セラミック層 36 耐火性材料であるセラミック材

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の建物ユニットが水平及び垂直方向
    に組み合わされて建てられるユニット建物の建物ユニッ
    ト間の耐火構造において、 水平方向に隣合う建物ユニットの隣合う柱間の隙間を耐
    火性部材で塞ぐと共に、上下方向に隣合う建物ユニット
    の上下の柱間に形成された隙間に耐火性仕切り板を配置
    したことを特徴とするユニット建物の建物ユニット間の
    耐火構造。
  2. 【請求項2】 複数の建物ユニットが水平及び垂直方向
    に組み合わされて建てられるユニット建物の建物ユニッ
    ト間の耐火構造において、 水平方向に隣合う建物ユニットの隣合う柱間の隙間を耐
    火性部材で塞ぐと共に、上階の建物ユニットと下階の建
    物ユニットにそれぞれ設けられた前記耐火性部材間の隙
    間を耐火性材料で塞いだことを特徴とするユニット建物
    の建物ユニット間の耐火構造。
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