JPH0722958U - スポイト容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容器体口頸部への螺合、螺脱だけで自動的に
スポイト内へ容器体内液体が吸入されるよう設けた、ス
ポイト容器において、ゴム製等弾性ドーム状部材の移り
香、および弾性疲労を防止し、かつスポイト上端開口面
密閉により容器体内液体の香料散失を防止可能とした。 【構成】 ガス不透過性材質の容器体１と、容器体内へ
垂設したスポイト７を、容器体口頸部外面へ螺合させた
第１周壁５中間の内向きフランジ６内周から垂設し、該
フランジからシリンダ８を起立し、第１周壁上部対向位
置に割溝９, ９を穿設した内キャップ４と、上記割溝内
へ第２周壁17下部から突出する係合子18,18を挿入さ
せ、かつ頂壁19から上記シリンダ内へ嵌合させたピスト
ン21を垂下する、上方付勢された押釦16と、上記第１、
第２周壁外面へ回動可能に嵌合させたカム付きの外キャ
ップ25とからなり、ピストン下面にスポイト密閉用パッ
キング22を付設した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案は、化粧水或いは薬液等の取出し等に用いるスポイト容器に係る。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、実開平５−１０２５８号の考案が知られている。該容器は、口頸部を 起立する容器体と、その口頸部へ螺合させたキャップとからなり、該キャップは 、容器体口頸部外面へ下半を螺合させた周壁の中間部から、口頸部上端面へ載置 させて突出する内向きフランジを介して上記容器体内へスポイトを垂下すると共 に、該スポイト上端に弾性ドーム状部の下部を嵌着させ又上記周壁上部の左右両 部に割溝を縦設した内キャップと、上記割溝内へ頂板周縁から垂下する筒部下端 の左右両部から外方突出するピンを上下動自在に挿通させると共に頂板中央部か ら垂下する押棒を上記弾性ドーム状部上へ載置させた押釦と、上記内キャップ周 壁の外面へ外筒を、その周壁の左右外面へ所定角度範囲で設けた凹部内へ外筒内 面に付設した係合突条を凹部内での回動が可能に、かつ凹条内への凸条嵌合によ り上下動不能に嵌合させた外キャップとからなり、上記押釦の筒部の外面と外キ ャップの外筒内面とにはカム機構を設けて、内キャップに対する外キャップ回動 で係合突条が凹部の締め方向側端部に接したとき、押釦が押下げられて該押釦の 押棒が弾性ドーム状部を押下げ圧搾し、又上記係合突条が凹部の弛め方向側端部 に接したとき、弾性ドーム状部が弾性復元して押釦を押上げ可能となし、該状態 から更に外キャップを弛め方向へ回動させることで、上記係合突条を介して内キ ャップ周壁が容器体口頸部から螺脱するよう設けている。尚上記弾性ドーム状部 の圧搾によりスポイト内の空気が排出され、その弾性復元により容器体内液体が 吸込みされ、キャップを螺脱させた後、押釦を押下げることでスポイト内液体を 注出するものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来例のスポイト容器は、スポイト付きのキャップを容器体口頸部へ螺合 し締付けた状態から、キャップを外すだけで自動的にスポイト管内へ容器体内液 体を吸込みできる便利があるが、容器体口頸部へキャップを螺合し締付けを完了 した状態でスポイト上端の弾性ドーム状部が押釦の押下げ棒で押下げられ圧搾さ れているため、その弾性ドーム状部の弾性疲労が大となる欠点があった。又上記 弾性ドーム状部は通常ゴムで形成するが、このようにするとそのゴム臭が液体に 移る欠点があった。尚ゴムに代えて無臭のエラストマーを選ぶことで上記欠点を 除くことが出来るが、このようにすると、その材質が限定されることによる不利 益を免れない。

【０００４】 本案は上記弾性ドームに代えて、内キャップからシリンダを起立すると共に、 押釦からピストンを垂下し、更に該ピストン下面に不透過性のパッキングを付設 し、内キャップに対して外キャップがキャップ締め方向へ移動したときは、スポ イト上端開口面を上記パッキングが密閉して、上記臭い移りだけでなく、容器内 化粧水等の香料洩れも防止可能としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

口頸部２を起立するガス不透過性材質の容器体１と、その口頸部へ螺合させた キャップ３とからなり、該キャップは、上記口頸部外面へ下半を螺合させた第１ 周壁５の中間部から口頸部上端面へ載置させて突出する内向きフランジ６を介し て容器体内へスポイト７を垂下すると共に、内向きフランジ中間部からシリンダ ８を起立し、かつ第１周壁５上半対向位置に割溝９, ９を縦設したスポイト付き 内キャップ４と、上記割溝９, ９内へ第２周壁17下方対向位置から突設した係合 子18, 18を挿入させると共に、第２周壁上面の頂壁19下面から垂設したピストン 棒20下端のピストン21を上記シリンダ内へ嵌合させた押釦16と、該押釦の第２周 壁17上部を、外筒26上端から内向きフランジ27を介して垂下する短筒28内へ、か つ第１周壁５を外筒26内面へ、又第１周壁および外筒26のうちの一方壁面へ所定 角度範囲で設けた凹部12, 12内に、他方壁面に縦設した係合突条29, 29を凹部内 での回動が可能に、更に一方壁面下部に周設した凹溝12内へ他方壁面下部に周設 した突条30を係合させることで上下動不能に、それぞれ嵌合させた外キャップ25 と、上記押釦16を上方付勢するスプリング35とで形成し、上記ピストン下面へ不 透過性のパッキング22を付設すると共に、短筒28の下部内面と押釦第２周壁の下 部外面とには、内キャップに対する外キャップ回動で凹部の締め方向端部に係合 突条29, 29が接したときはピストン21が下降して上記パッキング22がスポイト７ 上端開口面を密閉し、かつ係合突条29, 29が凹部の弛め方向端部へ接したときは ピストン21がシリンダ上部内へ上昇可能とするカム31, 31と縦動子23, 23とを付 設した。

【０００６】

【作用】

図１が示すピストン21下降状態で、ピストン下面に付設した不透過性のパッキ ング22は、スポイト７の上端開口面を密閉して容器体内液体の香り洩れを防止す る。該状態から外キャップ25を内キャップ４に対してキャップ弛め方向へ回し、 図５のように外キャップ25の係合突条29, 29を内キャップ周壁の凹部12の弛め方 向端部まで移動させることで、図４のように押釦と共にピストン21がスプリング 35の付勢により上昇し、スポイト７内へ容器体内液体を吸込む。該状態から更に 外キャップ25を弛め方向へ回すと、係合突条29, 29が内キャップ４を共に回すこ とで、キャップ３全体が容器体から外れ、該状態からの押釦16押下げでスポイト 内液体を注出できる。

【０００７】

【実施例】

１は口頸部２を起立するガス不透過性材質の容器体、３はその口頸部に螺合さ せたスポイト付きのキャップである。

【０００８】 上記キャップは内キャップと押釦と外キャップとスプリングとで形成している 。

【０００９】 内キャップ４は、上記口頸部２外面へ螺合させた第１周壁５の中間部から、口 頸部上端面へ載置させて突出する内向きフランジ６を介して容器体１内へスポイ ト７を垂下すると共に、内向きフランジ中間部からシリンダ８を起立し、かつ第 １周壁４上半対向位置に割溝９, ９を縦設している。

【００１０】 スポイト７は、図示のように内向きフランジ６内周部を下面開口の嵌合筒部10 に形成してその嵌合筒部内へスポイト上端管部を嵌着させるとよく、又図示例で はスポイト上部に外向きフランジを付設して該フランジを上記内向きフランジの 内周部下面に凹設した凹部内へ嵌着させている。又上記外向きフランジ直下部分 にはパッキング11を嵌合させ、該パッキングを口頸部２上端面と内向きフランジ ６下面とで挾持させている。

【００１１】 第１周壁５の下部外周には凹溝12を周設し、又凹溝上方周壁部分の対向位置に は図２が示すように、所定角度範囲で凹部13, 13を穿設している。

【００１２】 16は押釦で、上記割溝９, ９内へ第２周壁17の下方対向位置から突設した係合 子18, 18を挿入させると共に、第２周壁上面の頂壁19下面中央部から垂設したピ ストン棒20下端のピストン21を上記シリンダ８内へ嵌合させている。ピストン棒 は図示のように頂壁から垂下した嵌合筒20ａ内へピストン21から起立する内筒20 ｂを抜出し不能に嵌着させて形成するとよく、ピストン下面にはガスバリヤ性に 富む不透過性のパッキング22を付設している。又第２周壁17の下半対向位置外面 には後述カム用の縦動子23, 23を縦設している。

【００１３】 外キャップ25は、上記押釦16の第２周壁17上部を、外筒26上端から内向きフラ ンジ27を介して垂下する短筒28内へ、かつ第１周壁５を外筒26内面へ、又外筒外 面対向位置に縦設した係合突条29, 29を、図２のように既述凹部12, 12内へ、更 に外筒26の下部内面へ周設した突条30を既述凹溝12内へ、それぞれ嵌合させてい る。該外キャップ25は、内キャップ４及び押釦16に対して、上記係合突条29, 29 が凹部12, 12の周方向一端から他端に接するまでの範囲で回動可能であり、かつ 上記凹溝12内への突条30嵌合により抜出し不能である。又上記短筒28の内壁面に はカム31, 31を設ける。該カムについては後述する。

【００１４】 35は既述押釦16を上方付勢するスプリングで、内キャップ４の内向きフランジ ６と、押釦第２周壁17の中間部内面に設けた下向き段部との間に介装している。

【００１５】 上記カム31, 31は、図３、図５が展開図で示すように、低く設けた下向き段部 が形成する水平下方カム面32と、高く設けた下向き段部が形成する水平上方カム 面33と、それ等両カム面を連続する傾斜下向き段部が形成する傾斜カム面34とが 形成する。既述縦動子23, 23は、既述スプリング35による押釦上方付勢と内キャ ップ体に対する外キャップ体の回動とによって、上記上下カム面間を移動し、該 移動により押釦16は上記両キャップ体に対して上下動する。即ち、図１、図２、 図３が示すように係合突条29, 29が凹部12, 12の締め方向端部に接する状態では 縦動子23, 23上端は下方カム面32に接してピストン21下面のパッキング22でスポ イト上端開口面を密閉するが、該状態から外キャップ25を弛め方向へ回して係合 突条29, 29を図４、図５のように凹部の弛め方向端部まで移動させると、縦動子 23, 23は傾斜カム面34, 34を滑動することで上方カム面33, 33に接することとな り、両キャップ体に対して押釦16は上昇し、ピストン21も共に上昇してシリンダ 内上方へ移動する。

【００１６】

【考案の効果】

本案は既述構成とするもので、既述従来例の弾性ドーム状部に代えて、内キャ ップの内向きフランジからシリンダ８を起立し、又スプリングで上方付勢させた 押釦16からはピストン21を垂下させて、それ等シリンダとピストンとでスポイト 内へ液体を吸込み、又注出するよう設けたから、上記弾性ドーム状部の場合に比 べて弾性疲労が少く、又弾性ドーム状部の材質臭がスポイト内液体に移り香する ようなこともなく、ピストン下面には不透過性のパッキング22を付設し、係合突 条29, 29が凹部13, 13の締め方向端部に位置する状態で、上記パッキング22がス ポイト７の上端開口面を密閉するよう設けたから容器体内液体の香料がピストン 21を通って散逸するようなこともない。

【図面の簡単な説明】

【図１】スポイト上端開口面密閉状態で示す本案容器の
縦断面図である。

【図２】図１II−II線の端面図である。

【図３】図１状態における、内キャップと押釦と外キャ
ップと外キャップとの関係を展開状態で示す説明図であ
る。

【図４】スポイト上端開口面の開口状態で示す、図１容
器の縦断面図である。

【図５】図４状態における、内キャップと押釦と外キャ
ップとの関係を展開状態で示す説明図である。

【符号の説明】

４ 内キャップ 16 押釦 25 外キャップ 35 スプリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 口頸部２を起立するガス不透過性材質の
   容器体１と、その口頸部へ螺合させたキャップ３とから
   なり、該キャップは、上記口頸部外面へ下半を螺合させ
   た第１周壁５の中間部から口頸部上端面へ載置させて突
   出する内向きフランジ６を介して容器体内へスポイト７
   を垂下すると共に、内向きフランジ中間部からシリンダ
   ８を起立し、かつ第１周壁５上半対向位置に割溝９, ９
   を縦設したスポイト付き内キャップ４と、上記割溝９,
   ９内へ第２周壁17下方対向位置から突設した係合子18,
   18を挿入させると共に、第２周壁上面の頂壁19下面から
   垂設したピストン棒20下端のピストン21を上記シリンダ
   内へ嵌合させた押釦16と、該押釦の第２周壁17上部を、
   外筒26上端から内向きフランジ27を介して垂下する短筒
   28内へ、かつ第１周壁５を外筒26内面へ、又第１周壁お
   よび外筒26のうちの一方壁面へ所定角度範囲で設けた凹
   部12, 12内に、他方壁面に縦設した係合突条29, 29を凹
   部内での回動が可能に、更に一方壁面下部に周設した凹
   溝12内へ他方壁面下部に周設した突条30を係合させるこ
   とで上下動不能に、それぞれ嵌合させた外キャップ25
   と、上記押釦16を上方付勢するスプリング35とで形成
   し、上記ピストン下面へ不透過性のパッキング22を付設
   すると共に、短筒28の下部内面と押釦第２周壁の下部外
   面とには、内キャップに対する外キャップ回動で凹部の
   締め方向端部に係合突条29, 29が接したときはピストン
   21が下降して上記パッキング22がスポイト７上端開口面
   を密閉し、かつ係合突条29, 29が凹部の弛め方向端部へ
   接したときはピストン21がシリンダ上部内へ上昇可能と
   するカム31, 31と縦動子23, 23とを付設したことを特徴
   とするスポイト容器。