JP3410551B2 - スクイズボトル用キャップ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液状物を充填したスク
イズボトルに設けられる自動開閉弁機構を備えたスクイ
ズボトル用キャップに関する。

【０００２】

【従来の技術】内容物の注ぎ出しをボトル内壁の押圧に
より行うスクイズボトルは、シャンプー等の液状物用の
容器として広く使用されており、この種のボトル用のキ
ャップとしては自動開閉弁機構が設けられたものが知ら
れている。かかる自動開閉弁機構は、ボトル内圧が実質
的に大気圧に等しい時には、キャップに設けられた注出
口を閉じており、スクイズボトル壁を手で押圧して凹ま
せ、ボトル内圧が増大した時には、該注出口を開放し、
これによりボトル内に充填された液状物の注出が行われ
るというものである。一方、ボトル壁の押圧を解除した
時には、前記注出口は開放された状態にあるが、ボトル
壁の弾性復帰によりボトル内圧が負圧となるため、該注
出口を介してボトル内に空気が流入し、ボトル内圧が大
気圧に等しくなるまで上昇し、この時点で再び注出口は
閉じられる。このような自動開閉弁機構を有するキャッ
プとしては、特開昭６４−９１６８号公報や実公昭３−
３９４１０号公報等に開示されているものが知られてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、上述した
先行技術のキャップ等には未だ解決すべき問題がある。
例えば、特開昭６４−９１６８号公報のキャップは、自
動開閉弁機構が第１及び第２の弁部材とプラグ部材とか
ら構成されている。この機構は、前述した自動開閉作用
を安定して行うことができるという点では優れている
が、自動開閉弁機構の構成部品数が３点もあり、これら
がキャップ（外蓋）内に組み込まれるものであるから、
その組み立てが煩雑とならざるを得ない点で未だ改善の
余地がある。特に、この構成部品数が多いという欠点
は、従来公知の多くのスクイズボトル用のキャップにも
当てはまる。

【０００４】一方、実公昭３−３９４１０号公報に開示
されているキャップは、外蓋に中栓を設けたものであ
り、内容液の排出通路の開閉弁として作用する周状の突
起と、内容液の排出停止後の気流の流入通路の開閉弁と
して作用する周状の突起とが、この中栓に一体的に設け
られている。即ち、このキャップは、自動開閉弁機構が
中栓のみによって構成されており、構成部品点数が少な
いという点では優れている。しかし、このキャップにお
いては、内容液の排出停止後の気流の流入通路が、外蓋
とボトル口部とのネジ係合部との間の空間に形成される
ものであるため、この空間に内容液が逆流したような場
合には、該空間が閉塞してしまい、前述した自動開閉弁
機構が有効に行われなくなるという問題がある。しか
も、このキャップでは、内容液の排出通路及び気流の流
入通路の閉塞が、中栓に設けられている周状突起先端と
外蓋内壁との接触で行われるため、シール性が極めて不
満足であるという欠点もある。

【０００５】従って本発明の課題は、自動開閉弁機構が
少ない部品数で構成され、しかも弁の自動開閉作用が安
定に行われ、且つシール性も良好なスクイズボトル用キ
ャップを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、スクイ
ズボトルの口部に固定されるキャップ本体と、該キャッ
プ本体内に組み込まれた自動開閉弁機構とから成るスク
イズボトル用キャップにおいて、前記キャップ本体は、
内容物注出口を備えた天面と、該天面周縁部から垂下し
た筒状側壁とから成り、前記自動開閉弁機構は、第１の
弁体と、第２の弁体とから成り、第１の弁体は、キャッ
プ本体の天面内壁の周縁部と嵌合しており且つキャップ
本体をスクイズボトルの口部に固定させた状態において
該口部と密着し得る面を有する環状壁と、該環状壁内空
間の中央部に位置し且つ少なくとも１個の弾性ブリッジ
を介して環状壁に連結されている弁部材と、環状壁の内
側面から径方向内側に延びており且つ弁部材とは非接触
に設けられている少なくとも１個の支持片とから成り、
前記弁部材は、前記弾性ブリッジが連結され且つ少なく
とも平滑面を有する基部と、該基部上に間隔をおいて設
けられている複数の直立片とから成り、該直立片の各上
端は、キャップをボトルの口部に固定させた状態におい
て、天面の内容物注出口を間に挟む様にして天面内壁に
当接しており、第２の弁体は、中心に開口が形成されて
いるドーナッツ形状の弾性板から成り、且つ中心開口部
周縁には下側に平滑面を有する肉厚の内周フランジが形
成され、該第２の弁体は、第１の弁体の環状壁内空間に
配置され、第１の弁体の弁部材に形成されている直立片
が第２の弁体の開口を通過しており、且つ第２の弁体の
内周フランジ下面の平滑面と第１の弁体の基部の平滑面
とが密接し、第２の弁体の外周縁には、肉厚の外周フラ
ンジが形成され、該外周フランジがキャップ本体の天面
内壁と当接して位置固定されており、キャップ本体をス
クイズボトルの口部に固定させた状態において、ボトル
壁面を押圧すると、第２の弁体の内周フランジは、ボト
ル内圧による第２の弁体の弾性変形により上昇し、一
方、前記第１の弁体の弁部材は、その直立片の上端とキ
ャップ本体の天面内壁との当接により当該位置が保持さ
れ、これにより、第２の弁体の内周フランジ下面の平滑
面と第１の弁体の基部の平滑面との密接が解除されて、
天面の内容物注出口とボトル内空間とが連通して内容物
の注出が行われると共に、ボトル壁面の押圧を停止する
と、ボトル内が負圧となるため、前記第２の弁体は一定
位置まで降下すると第１の弁体の支持片に当接して位置
固定されるが、前記弁部材は、弾性ブリッジの弾性変形
によりさらに降下し、天面の内容物注出口とボトル内空
間とが連通して気流がボトル内に流入し、ボトル内圧が
上昇すると弾性ブリッジの弾性復帰により弁部材が上昇
し、各部材が初期の位置に復帰して、再び第１の弁体の
基部の平滑面と第２の弁体の内周フランジ下面の平滑面
とが密接し、ボトル内空間と天面の内容物注出口との連
通が遮断されることを特徴とするスクイズボトル用キャ
ップが提供される。

【０００７】

【作用】本発明においては、自動開閉弁機構が第１の弁
体と第２の弁体と２種類の部品から構成されており、構
成部品数が少なく、これらのキャップ本体への組み込み
が容易であるという利点を有する。

【０００８】また、内容物注出口の遮断は、第１の弁体
に形成されている平滑面と第２の弁体に形成されている
平滑面との「面接触」により行われており、しかも、こ
の面接触は弾性力によって補強されている。さらに、キ
ャップ本体とボトル口部壁とのシールは、第１の弁体の
構成部である環状リングによって確実に行われ、しか
も、このシールが内容物の注ぎ出し或いは気流の流入に
際して解除されることもない。従って、本発明のキャッ
プのシール性は極めて良好である。

【０００９】本発明において、自動開閉弁作用は、第１
の弁体の構成部である弁部材と、第２の弁体とを、弾性
力を利用して前記平滑面同士の密接を自動的に制御する
ことによって行われる。即ち、前記弁部材は、弾性ブリ
ッジによって環状壁に連結されており、常態において、
弾性ブリッジの弾性力により、弁部材が上方に付勢さ
れ、弁部材の平滑面上に形成されている直立片の上端が
キャップ本体の天面内壁に当接した状態に位置固定され
ている。一方、第２の弁体は、その内周フランジ下面の
平滑面が、前記弁部材の平滑面に当接して上方に持ち上
げられるが、その外周縁がキャップ本体の天面内壁に当
接して位置固定されるため、第２の弁体自体の弾性力に
よって、内周フランジ下面の平滑面は下方に付勢され
る。この結果として、前記平滑面同士の密接が補強さ
れ、ボトル内部とキャップ本体の天面に形成されている
注出口とは完全且つ確実に遮断されることになる。

【００１０】しかるに、ボトル壁を押圧して凹ませる
と、ボトル内圧が増大するため、第２の弁体の内周フラ
ンジは上方に移動するが、第１の弁体の弁部材の直立片
上端がキャップ本体の天面内壁に当接して位置固定され
ているため、該弁部材の位置はそのままである。従っ
て、内周フランジ下面の平滑面と弁部材の平滑面とは離
隔し、ボトル内部とキャップ本体の天面に形成されてい
る注出口とは連通し、内容物の注出が行われる。

【００１１】またボトル壁の押圧を中止すると、ボトル
壁は弾性復帰して凹みがなくなるため、ボトル内部は減
圧状態となるため、第１の弁体の弁部材及び第２の弁体
は何れも降下する。しかし、第２の弁体は、第１の弁体
に設けられている支持片に当接し、その位置よりも降下
することはないが、第１の弁体の弁部材はさらに降下
し、結局、第２の弁体の内周フランジ下面の平滑面と弁
部材の平滑面とは離隔した状態となる。従って、この状
態においても、ボトル内部とキャップ本体の天面に形成
されている注出口とは連通しており、ボトル内部に外気
が流入する。

【００１２】ボトル内部に外気が流入してボトル内圧が
大気圧まで増大すると、弁部材を保持している弾性ブリ
ッジの弾性復帰により、第１の弁体の弁部材及び第２の
弁体は上昇して初期の状態に戻り、再び平滑面同士の密
接により、ボトル内部と注出口との連通が遮断されるこ
ととなる。

【００１３】尚、第２の弁体の降下を制限するために設
けられている第１の弁体の支持片は、第１の弁体の弁部
材の降下乃至上昇を妨げない様にするために、弁部材と
は非接触に形成されていることが必要である。

【００１４】

【実施例】以下、本発明を添付図面に示す具体例に基づ
いて詳細に説明する。図１は、本発明のスクイズキャッ
プの一例をボトル口部と共に示す側断面図であり、図２
は、図１のスクイズキャップの分解斜視図、図３は、図
１のスクイズキャップ中の第１の弁体の平面図及び側断
面図、図４は、図１のスクイズキャップ中の第２の弁体
の平面図及び側断面図、図５は、図１のスクイズキャッ
プにおいて、ボトル壁を押圧して内容物の注出を行って
いる状態を示す図、図６は、図１のスクイズキャップに
おいて、ボトル壁の押圧を中止して外気がボトル内に流
入している状態を示す図である。

【００１５】（キャップの構造）特に図１及び図２を参
照して、本発明のスクイズキャップは、スクイズボトル
の口部５０に固定されているキャップ本体１と、キャッ
プ本体１内に設けられている第１の弁体２及び第２の弁
体３とから成っている。

【００１６】キャップ本体１は、天面５と、該天面周縁
部から垂下した筒状側壁６とから成っている。天面５に
は、その中央部に内容物注出口７が形成され、該注出口
７には、必要により、カバー８が設けられる。また筒状
側壁６は、その内壁とボトル口部５０の外壁とネジ係合
し、これによりキャップ本体１はボトル口部５０に固定
される。勿論、キャップ本体１のボトル口部５０への固
定は、ネジ係合によらず、例えば筒状側壁６とボトル口
部５０との嵌合等の手段で行うことは可能である。

【００１７】第１の弁体２は、キャップ本体１の筒状側
壁６の上部内壁面と天面５の内壁の周縁部との嵌合によ
りキャップ本体１の内部に組み込まれ、ボトル口部５０
の上端に密着してシール部が形成されている。一方、第
２の弁体３は、第１の弁体２上に載置される。本発明に
おいては、第１の弁体２と第２の弁体３との組み立て構
造により自動開閉弁機構が構成されるものであり、この
作用については後述するが、簡単に説明しておくと、第
１の弁体２と第２の弁体３とは部分的に密着し得るもの
であり、この密着を弾性力で制御することにより、前記
注出口７とボトル内部との通路の遮断乃至開放、すなわ
ち、自動開閉機能を持たせたものである。

【００１８】（第１の弁体) 第３図を併せて参照して、第１の弁体２は、環状壁１０
と、弾性ブリッジ１１を介して環状壁１０に連結されて
いる弁部材１２と、環状壁１０に直接連結されている支
持片１３とから構成されている。

【００１９】環状壁１０は、外周壁１０ａと、外周壁１
０ａの下端から容器口部５０の内壁に沿って下方に延び
ている内周壁１０ｂとから形成され、内周壁１０ｂの厚
み分だけ内側に突出した段差形状を有している。特に図
１から理解される様に、外周壁１０ａは、ボトル口部５
０の上端に密着して載置されてキャップ本体１の内側コ
ーナー部に位置しており、且つキャップ本体１の筒状側
壁６の内面上部から天面５の内側周縁にかけて密着嵌合
しており、また内周壁１０ｂの一部は、容器口部の内面
に密着しており、これにより、キャップ本体１とボトル
内部との間に基本的に密封構造が形成されている。また
内周壁１０ｂの下端からは、弁部材１２に連なる弾性ブ
リッジ１１が延びている。さらに内周壁１０ｂの上端面
には、後述する第２の弁体３の位置決めを行うための周
状突起１０ｃが形成されていることが好適である。

【００２０】弁部材１２は、環状壁１０内空間の中央部
分に位置し、全体としてキャップ形状の基部１５を有し
ている。この基部１５は、上端に閉塞面１５ａを有し且
つ閉塞面周縁部から下方に延びている筒状足部１５ｂを
有するものであり、また閉塞面１５ａは平滑面となって
おり、この閉塞面１５ａ上には、一対の直立片１６，１
６が設けられている。この直立片１６，１６間の間隙
は、天面５に設けられている注出口７とボトル内空間と
の連通路を形成するものであり、閉塞面１５ａの直立片
１６の外側部分１５ａ’がシール面として機能するもの
である。即ち、この外側部分１５ａ’上に後述する第２
の弁体３の平滑面が密着して、注出口７とボトル内空間
との連通路が遮断される。従って、閉塞面１５ａは、必
ずしも全面が平滑となっている必要はなく、少なくとも
直立片１６の外側部分１５ａ’が平滑となっていればよ
い。また直立片１６，１６間の間隔は、注出口７を完全
に含み得るようなものとすることが理解される。尚、図
示した態様では、直立片１６は２個設けられているが、
これに限定されるものでなく、３個以上設けることも勿
論可能である。

【００２１】一方、筒状足部１５ｂの下端には、前述し
た弾性ブリッジ１１が連結されている。従って、弁部材
１２は、弾性ブリッジ１１によって保持されているた
め、上下動可能となっており、この上下動を利用して、
弁の自動開閉が行われるものである。特に第１の弁体２
及び第２の弁体３をキャップ本体１内に組み込んだ状態
（図１に示されている内容物の注出等を行っていない状
態と同様）においては、弾性ブリッジ１１の弾性力によ
って上方に付勢され、前記直立片１６の上端がキャップ
本体１の天面５の内面に当接することにより、弁部材１
２は位置固定されている。

【００２２】本発明においては、上記弾性ブリッジ１１
は、弁部材１２を水平に保持し且つ水平状態を維持させ
ながら弁部材１２の上下動を行うために、一定間隔で複
数個設けることが好ましい。因みに添付図面に示す態様
では３個設けられている。また、本発明のキャップを構
成する各部材は、それぞれポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のプラスチックの一体成形で形成され、弾性ブリッ
ジ１１は、その厚みや長さ等を調整してプラスチックの
可撓性を大きくすることにより、弾性を持たせたもので
ある。従って、弾性ブリッジ１１は、例えば図３等に示
されている如く、屈曲した形状を有していることが好ま
しい。

【００２３】また支持片１３は、環状壁１０の内周壁１
０ｂから径方向内側に延びており、弁部材１２の上下動
を妨げない様にするために、弁部材１２や弾性ブリッジ
１１とは非接触に設けられる。この支持片１３は、第２
の弁体３の移動を制限するためのものであり、例えば図
１に示されている様に、第２の弁体３が弁部材１２の平
滑面と密着している状態においては、支持片１３と第２
の弁体３とは非接触であり、弁部材１２の降下に伴って
第２の弁体３も降下した時には、第２の弁体３が支持片
１３に当接することにより、それ以上の降下を制限す
る。この支持片１３は、これが第２の弁体３に当接した
時に、該弁体３を安定に保持するために一定間隔で複数
個設けることが好ましく、例えば図３では３個設けられ
ている。

【００２４】（第２の弁体）図１及び図２と共に図４を
併せて参照して、第２の弁体３は、ドーナツ形状の弾性
板であり、中心部に開口２０が形成され、開口２０の周
縁には肉厚の内周フランジ３ａが形成され、外周縁には
肉厚の外周フランジ３ｂが形成され、両者の間の環状面
３ｃが、弾性面となっている。

【００２５】内周フランジ３ａの内面には平滑面３ａ’
が形成され、この平滑面３ａ’がバルブとして作用する
ものである。即ち、第２の弁体３は、第１の弁体２の直
立片１６を開口２０を通して弁部材１２上に載置され、
内周フランジ３ａの下側の平滑面３ａ’が、弁部材１２
の閉塞面１５ａに形成されている平滑面１５ａ’に密着
するように設けられ、外周フランジ３ｂは、天面５の内
面と環状壁１０の内周壁１０ｂの上端面との間に位置し
ている。（図１参照）。この場合、天面５の内面には、
第２の弁体３を組み込む際に外周フランジ３ｂの位置決
めを有効に行い得る様に、周状突起３０を設けておくこ
とが好適である。

【００２６】本発明では、第２の弁体３の環状面３ｃが
弾性を有しているため、外周フランジ３ｂが天面５の内
面に当接して位置固定されていても、内周フランジ３ａ
が上下動可能となっている。従って、この弾性力を利用
して、平滑面３ａ’と閉塞面１５ａに形成されている平
滑面１５ａ’との開閉をコントロールすることが可能と
なっている。この弾性力による内周フランジ３ａの上下
動をスムーズに行うようにするために、環状面３ｃは、
その側面でみて上側に凸の屈曲形状を有していることが
好適である。さらに、図１に示されている様に、外周フ
ランジ３ｂが当接している天面５の内面と、内周フラン
ジ３ａが位置している部分の上方の天面５の内面との間
には段差があり、内周水平フランジ３ａの上下動を許容
し得る構造となっている。

【００２７】（自動開閉弁作用）本発明のキャップにお
ける弁の自動開閉作用は、以下のように行われる。ま
ず、上述した本発明のキャップを容器口部５０に設けた
状態（図１参照）において、弁体３の内周フランジ３ａ
は弁体２の弾性ブリッジ１１による弾性押圧力を受けて
上方に付勢されて、一方、弁体３の外周フランジ３ｂは
天面５の内面に当接して位置決めされているため、弁体
３の内周フランジ３ａの平滑面３ａ’は、弾性の環状面
３ｃによって下方に付勢されている。従って、該平滑面
３ａ’と平滑面１５ａ’との密着が補強されていること
が理解されよう。かくして注出口７とボトル内空間との
連通路は完全且つ確実に遮断された状態にある。

【００２８】次いで、図４に示す通り、ボトル壁を押圧
して凹ませると、ボトル内圧が増大し、この結果、第２
の弁体３の内周フランジ３ａは上昇するが、第１の弁体
２の弁部材１２は、天面５の内面と直立片１６との当接
により位置固定されたままの状態にある。従って、内周
フランジ３ａの平滑面３ａ’と、第１の弁体２の弁部材
１２の平滑面１５ａ’とは完全に離隔し、注出口７とボ
トル内空間とは、１対の直立片１６間を介して連通し、
矢印Ａで示す経路でボトル内容物が外部に注出される。

【００２９】次いでボトル壁の押圧を停止すると、ボト
ル壁は形状復帰して凹みがなくなるためボトル内圧が負
圧となり、図５に示す通り、弁部材１２及び第２の弁体
３は共に降下するが、第２の弁体３は支持片１３に当接
し、その降下が制限される。従って、この状態において
も、内周フランジ３ａの平滑面３ａ’と弁部材１２の平
滑面１５ａ’とは完全に離隔し、注出口７とボトル内空
間との間が連通するので、矢印Ｂで示す経路でボトル内
に外気が流入する。

【００３０】ボトル内に外気が流入してボトル内圧が大
気圧に戻ると、第１の弁体２の弾性ブリッジ１１の弾性
復帰により、弁部材１２が上昇し、同時に第２の弁体３
も押し上げられて、再び図１の状態に戻り、内周水平フ
ランジ３ａの平滑面３ａ’と弁部材１２の平滑面１５
ａ’とが密着して保持され、注出口７とボトル内空間と
の連通は再び遮断されることになる。

【００３１】

【発明の効果】本発明によれば、自動開閉弁機構が第１
の弁体と第２の弁体と２種類の部品から構成されてお
り、構成部品数が少なく、これらのキャップ本体への組
み込みが容易であるという利点を有する。しかも、第１
の弁体に設けられた弾性ブリッジ及び第２の弁体の弾性
力により、内容物注出口とボトル内空間との連通及びそ
の遮断はスムーズに行われ、内容物の注出、その停止に
よる外気の流入を連続的に速やかに行うことができる。

【００３２】また、内容物注出口とボトル内空間との連
通の遮断は、第１の弁体に形成されている平滑面と第２
の弁体に形成されている平滑面との密着により行われて
おり、しかも、この密着は弾性力によって補強されてい
るので、本発明のキャップのシール性は極めて良好であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のスクイズキャップの一例をボトル口部
と共に示す側断面図。

【図２】図１のスクイズキャップの分解斜視図。

【図３】図１のスクイズキャップ中の第１の弁体の平面
図及び側断面図。

【図４】図１のスクイズキャップ中の第２の弁体の平面
図及び側断面図。

【図５】図１のスクイズキャップにおいて、ボトル壁を
押圧して内容物の注出を行っている状態を示す図。

【図６】図１のスクイズキャップにおいて、ボトル壁の
押圧を中止して外気がボトル内に流入している状態を示
す図。

【符号の説明】

１：キャップ本体，２：第１の弁体，３：第２の弁体，
３ａ：内周水平フランジ，３ａ’：平滑面，７：注出
口，１０：環状壁，１１：弾性ブリッジ，１２：弁部
材，１５ａ’：平滑面，１３：支持片，５０：ボトル口
部

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65D 47/20

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スクイズボトルの口部に固定されるキャ
   ップ本体と、該キャップ本体内に組み込まれた自動開閉
   弁機構とから成るスクイズボトル用キャップにおいて、 前記キャップ本体は、内容物注出口を備えた天面と、該
   天面周縁部から垂下した筒状側壁とから成り、 前記自動開閉弁機構は、第１の弁体と、第２の弁体とか
   ら成り、 第１の弁体は、キャップ本体の天面内壁の周縁部と嵌合
   しており且つキャップ本体をスクイズボトルの口部に固
   定させた状態において該口部と密着し得る面を有する環
   状壁と、該環状壁内空間の中央部に位置し且つ少なくと
   も１個の弾性ブリッジを介して環状壁に連結されている
   弁部材と、環状壁の内側面から径方向内側に延びており
   且つ弁部材とは非接触に設けられている少なくとも１個
   の支持片とから成り、 前記弁部材は、前記弾性ブリッジが連結され且つ少なく
   とも平滑面を有する基部と、該基部上に間隔をおいて設
   けられている複数の直立片とから成り、該直立片の各上
   端は、キャップをボトルの口部に固定させた状態におい
   て、天面の内容物注出口を間に挟む様にして天面内壁に
   当接しており、 第２の弁体は、中心に開口が形成されているドーナッツ
   形状の弾性板から成り、且つ中心開口部周縁には下側に
   平滑面を有する肉厚の内周フランジが形成され、該第２
   の弁体は、第１の弁体の環状壁内空間に配置され、第１
   の弁体の弁部材に形成されている直立片が第２の弁体の
   開口を通過しており、且つ第２の弁体の内周フランジ下
   面の平滑面と第１の弁体の基部の平滑面とが密接し、第
   ２の弁体の外周縁には、肉厚の外周フランジが形成さ
   れ、該外周フランジがキャップ本体の天面内壁と当接し
   て位置固定されており、 キャップ本体をスクイズボトルの口部に固定させた状態
   において、ボトル壁面を押圧すると、第２の弁体の内周
   フランジは、ボトル内圧による第２の弁体の弾性変形に
   より上昇し、一方、前記第１の弁体の弁部材は、その直
   立片の上端とキャップ本体の天面内壁との当接により当
   該位置が保持され、これにより、第２の弁体の内周フラ
   ンジ下面の平滑面と第１の弁体の基部の平滑面との密接
   が解除されて、天面の内容物注出口とボトル内空間とが
   連通して内容物の注出が行われると共に、 ボトル壁面の押圧を停止すると、ボトル内が負圧となる
   ため、前記第２の弁体は一定位置まで降下すると第１の
   弁体の支持片に当接して位置固定されるが、前記弁部材
   は、弾性ブリッジの弾性変形によりさらに降下し、天面
   の内容物注出口とボトル内空間とが連通して気流がボト
   ル内に流入し、ボトル内圧が上昇すると弾性ブリッジの
   弾性復帰により弁部材が上昇し、各部材が初期の位置に
   復帰して、再び第１の弁体の基部の平滑面と第２の弁体
   の内周フランジ下面の平滑面とが密接し、ボトル内空間
   と天面の内容物注出口との連通が遮断されることを特徴
   とするスクイズボトル用キャップ。
2. 【請求項２】 前記第１の弁体の弾性ブリッジ及び支持
   片は、それぞれ、一定間隔を置いて複数個設けられてい
   る請求項１に記載のスクイズボトル用キャップ。
3. 【請求項３】 前記第１の弁体の弾性ブリッジは、屈曲
   した形状を有している請求項１に記載のスクイズボトル
   用キャップ。
4. 【請求項４】 前記第２の弁体を構成する弾性板は、側
   面で見て、上に凸の屈曲形状を有している請求項１に記
   載のスクイズボトル用キャップ。