JPH07224759A - 段階可変容量型斜板式圧縮機 - Google Patents

段階可変容量型斜板式圧縮機

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JPH07224759A
JPH07224759A JP6016581A JP1658194A JPH07224759A JP H07224759 A JPH07224759 A JP H07224759A JP 6016581 A JP6016581 A JP 6016581A JP 1658194 A JP1658194 A JP 1658194A JP H07224759 A JPH07224759 A JP H07224759A
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chamber
pressure
passage
valve
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Sokichi Hibino
惣吉 日比野
Masaki Ota
太田  雅樹
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Toyota Industries Corp
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製造コストの高騰を生じることなく、早期に起
動トルク等の低減を実現する。 【構成】前部吐出室12Fと後部吐出室12Rとは外部
冷凍回路との間に主逆止弁30を有して吐出通路19に
よって連通され、吐出通路19と後部吸入室11Rとは
絞り32を有する制御通路35によって連通されてい
る。また、容量制御圧室23と吐出圧力室20とは前部
吐出弁8Fの開閉と同期して開閉される給圧通路33に
よって連通され、かつ絞り32より吐出通路19側の制
御通路35と容量制御圧室23との間には、前部吐出圧
力Pdfが制御圧力より設定圧力未満であるときに開弁
する開閉弁31が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両空調用として好適
な圧縮容量を段階的に変化させることのできる段階可変
容量型斜板式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平4−91379号公
報に段階可変容量型斜板式圧縮機が開示されている。こ
の圧縮機では、一対のシリンダブロックのそれぞれに複
数対のシリンダボアが貫設され、各シリンダブロック
は、各シリンダボアを前後に整合させて対設され、両者
間に斜板を収納する斜板室を形成している。対設された
シリンダブロックの前端面は内側から吸入弁、弁板、吐
出弁及びガスケット一体リテーナを介して前部ハウジン
グにより閉塞され、同シリンダブロックの後端面は内側
から吸入弁、弁板及びガスケットを介して後部ハウジン
グにより閉塞されており、前後のハウジングにはそれぞ
れ吸入室及び吐出室が形成されている。こうして、各シ
リンダボアは、弁板に貫設された吸入ポートにより吸入
弁を介して前後の吸入室と連通されているとともに、弁
板に貫設された吐出ポートにより吐出弁を介して前後の
吐出室と連通されている。
【0003】前部ハウジングからは駆動軸が延出されて
おり、この駆動軸には斜板室内において斜板が固着され
ている。そして、各シリンダボア内には両頭ピストンが
摺動可能に嵌挿されており、各両頭ピストンはシューを
介して斜板と係留されている。こうして、各両頭ピスト
ンは、駆動軸の回転で斜板の傾角に応じて摺動可能にな
され、シリンダボア内において前後の圧縮室を構成して
いる。
【0004】さらに、後部吐出室には後部吐出弁を作動
位置(ロード状態)と非作動位置(アンロード状態)と
で移動させるプランジャが後部ハウジングに進退動可能
に配設されている。プランジャの背面には容量制御圧室
が形成され、プランジャの前面には復帰ばねが配設され
ている。そして、容量制御圧室は、高圧通路によって前
部吐出室に連通されているとともに、低圧通路によって
後部吸入室に連通されており、高圧通路及び低圧通路に
は信号によって開閉される電磁弁が設けられている。
【0005】この圧縮機では、電磁弁により容量制御圧
室を前部吐出室と連通させた場合には、プランジャが後
部吐出弁をロード状態とするため、前部圧縮室とともに
後部圧縮室が有能化され、圧縮容量が100%とされ
る。一方、電磁弁により容量制御圧室を後部吸入室と連
通させた場合には、プランジャが後部吐出弁をアンロー
ド状態とするため、後部圧縮室が無能化され、圧縮容量
が50%とされる。
【0006】こうして、この圧縮機では、電磁弁の操作
により早期に、起動トルクの低減を実現することが可能
になるとともに、冷房負荷に応じて圧縮容量の低減を実
現することが可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記圧縮機で
は、容量制御圧室と前部吐出室又は後部吸入室との選択
的な連通を電磁弁によって行っていた。このため、この
圧縮機では、起動トルク等の低減を実現するために、比
較的高価な電磁弁と、この電磁弁を駆動するためのやは
り比較的効果な信号処理装置とを採用しなければなら
ず、製造コストの高騰を生じていた。
【0008】本発明は、製造コストの高騰を生じること
なく、早期に起動トルク等の低減を実現することを解決
すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】 (1)請求項1の圧縮機は、上記課題を解決するため、
複数対のシリンダボアが貫設され、各該シリンダボアを
前後に整合するとともに間に斜板室を形成すべく対設さ
れたシリンダブロックと、各該シリンダボアにそれぞれ
吸入弁を介して連通する吸入ポート及び各該シリンダボ
アにそれぞれ吐出弁を介して連通する吐出ポートをもつ
弁板と、各該吸入ポートにそれぞれ対置された吸入室及
び各該吐出ポートにそれぞれ対置された吐出室を有する
前後のハウジングと、各該シリンダボア内を摺動可能に
嵌挿された両頭ピストンと、該斜板室に収納され、該前
部ハウジングより延出された駆動軸の回転により各該両
頭ピストンが摺動すべく揺動運動を行う斜板とを備え、
該後部吐出室に該後部吐出弁を作動位置と非作動位置と
で移動させるプランジャが進退動可能に配設され、該プ
ランジャをその背面の容量制御圧室に作用する制御圧力
と同前面に作用する復帰ばね力とによって作動せしめる
圧縮機において、前記前部吐出室と前記後部吐出室とは
外部冷凍回路との間に主逆止弁を有して吐出通路によっ
て連通され、該吐出通路と低圧域とは絞りを有する制御
通路によって連通され、前記容量制御圧室と該前部吐出
室とは前記前部吐出弁の開閉と同期して開閉される給圧
通路によって連通され、かつ該絞りより該吐出通路側の
該制御通路と該容量制御圧室との間には、前部吐出圧力
が前記制御圧力より設定圧力未満であるときに開弁する
開閉弁が設けられていることを特徴とする。
【0010】(2)請求項2の圧縮機は、請求項1記載
の圧縮機において、給圧通路の一部は、各シリンダブロ
ックに貫設されたボルト穴と、該ボルト穴に挿通されて
各該シリンダブロックを締結するボルトとの間隙である
ことを特徴とする。 (3)請求項3の圧縮機は、請求項1又は2記載の圧縮
機において、後部ハウジングには後部吐出室と吐出通路
との間に吐出圧力室が形成され、該吐出圧力室と後部吐
出室との間には副逆止弁が設けられていることを特徴と
する。
【0011】
【作用】
(1)請求項1の圧縮機では、通常運転中は、前部圧縮
室が常に圧縮仕事を行っており、前部吐出室及び吐出通
路内は前部圧縮室で圧縮された冷媒ガスにより高圧の前
部吐出圧力に保たれている。このため、開閉弁は、制御
通路によって供給される前部吐出圧力が制御圧力よりも
設定圧力以上となることから、閉弁されている。なお、
制御通路は低圧域に連通されているが、ここには絞りが
設けられているため、前部吐出圧力が制御圧力よりも設
定圧力以上であることは絞り径によって維持される。
【0012】この間、前部圧縮室が圧縮仕事を行ってい
ることから、駆動軸の一回転毎の圧縮・吐出工程時に
は、給圧通路が前部吐出弁の開弁と同期して開弁し、前
部吐出室内の高圧の前部吐出圧力が給圧通路を経て容量
制御圧室に導入される。このため、プランジャは制御圧
力が復帰ばね力にうち勝って進動することにより後部吐
出弁をロード状態とする。よって、この圧縮機では、前
部圧縮室とともに後部圧縮室が有能化され、100%の
圧縮容量で運転される。
【0013】一方、停止時は、前部圧縮室が圧縮仕事を
終了することから、給圧通路が前部吐出弁の閉弁と同期
して閉弁し、前部吐出室内の高圧の前部吐出圧力は給圧
通路を経て容量制御圧室に導入されない。そして、前部
吐出室と後部吐出室とが連通される吐出通路は制御通路
によって絞りを介して低圧域に連通されているため、前
部吐出圧力が低下する。このとき、吐出通路は外部冷凍
回路との間に主逆止弁を有するため、外部冷凍回路から
の高圧の冷媒ガスの逆流を生じることはない。このた
め、開閉弁は、前部吐出圧力が制御圧力よりも設定圧力
未満になった時点で開弁される。
【0014】そして、容量制御圧室及び給圧通路内の冷
媒ガスのみを開閉弁を介して低圧域に逃がすことで、プ
ランジャは制御圧力が復帰ばね力に負けて退動すること
により後部吐出弁をアンロード状態とする。よって、こ
の圧縮機では、後部圧縮室が停止後早期に無能化され
る。こうして、起動時には、50%の圧縮容量で運転が
開始されることから、起動トルクの低減が実現される。
【0015】そして、起動によって前部圧縮室が圧縮仕
事を開始し、前部吐出室内は前部圧縮室で圧縮された冷
媒ガスにより高圧に保たれる。このため、開閉弁は、前
部吐出圧力が制御圧力よりも設定圧力以上となった時点
で閉鎖される。この間、前部圧縮室が圧縮仕事を行って
いることから、前部吐出室内の高圧の前部吐出圧力が給
圧通路を経て徐々に容量制御圧室に導入される。ここ
で、前部吐出圧力が高いときの給圧通路の開弁時間は、
前部吐出圧力が低いときの給圧通路の開弁時間よりも短
くなる。このため、前部吐出圧力が高くても、容量制御
圧室内が徐々に昇圧される。このため、プランジャは制
御圧力が復帰ばね力にうち勝った時点で進動することに
より後部吐出弁をロード状態とする。よって、この圧縮
機では、前部圧縮室とともに後部圧縮室が有能化され、
100%の圧縮容量に復帰する。
【0016】こうして、起動後には、プランジャが作動
する設定圧力の設定値によって、冷房負荷に応じた圧縮
容量の低減が実現される。 (2)請求項2の圧縮機では、給圧通路の一部がボルト
穴とボルトとの間隙であるため、給圧通路における前部
吐出室への導入口と、この導入口をこの間隙に連通させ
る案内通路との両者以外の管路を設けることなく、前部
ハウジング側の前部吐出圧力を後部ハウジング側に導く
ことができる。
【0017】(3)請求項3の圧縮機では、後部ハウジ
ングにおいて後部吐出室と吐出通路との間に吐出圧力室
が形成されているため、プランジャが後部ハウジングに
設けられていても、前部吐出圧力を後部ハウジング側に
導く管路を要することなく、前部吐出圧力を容易に容量
制御圧室に導入することができる。また、吐出通路は外
部冷凍回路に接続されるが、吐出圧力室と後部吐出室と
の間には副逆止弁が設けられているため、後部吐出室が
無能時でも前部吐出室から吐出通路を介した後部吐出室
への冷媒ガスの逆流は生じない。
【0018】
【実施例】以下、請求項1〜3を具体化した実施例を図
面を参照しつつ説明する。この圧縮機では、図1に示す
ように、一対のシリンダブロック1F、1Rのそれぞれ
に5対のシリンダボア2F、2Rが貫設されている。各
シリンダブロック1F、1Rは、通しボルト3(図2及
び図4参照)によって各シリンダボア2F、2Rを前後
に整合させて対設され、両者1F、1R間に斜板4を収
納する斜板室5を形成している。斜板室5は、後部シリ
ンダブロック1Rに形成されたフランジ取付部1より、
図示しない外部冷凍回路の蒸発器に接続されている。
【0019】対設されたシリンダブロック1F、1Rの
前端面は内側から前部吸入弁6F、前部弁板7F、前部
吐出弁8F及び前部ガスケット一体リテーナ9Fを介し
て前部ハウジング10Fにより閉塞され、同シリンダブ
ロック1F、1Rの後端面は内側から後部吸入弁6R、
後部弁板7R及び後部ガスケット8を介して後部ハウジ
ング10Rにより閉塞されている。そして、前部ガスケ
ット一体リテーナ9F、前部吐出弁8F、前部弁板7
F、前部吸入弁6F、前部シリンダブロック1F、後部
シリンダブロック1R、後部吸入弁6R、後部弁板7R
及び後部ガスケット8には吐出通路19が貫設されてい
る。
【0020】前部ハウジング10Fには、内周側に吸入
室11Fが形成され、外周側にリング状の吐出室12F
が形成されている。また、後部ハウジング10Rには、
図4にも示すように、内周側に吐出室12Rが形成さ
れ、外周側にC字形状の吸入室11Rと、吸入室11R
の両端間に前部吐出室12Fと吐出通路19により連通
する吐出圧力室20とが形成されている。そして、後部
吐出室12Rと吐出圧力室20との間には副逆止弁34
が設けられている。
【0021】こうして、図1に示すように、各シリンダ
ボア2F、2Rは、弁板7F、7Rに貫設された吸入ポ
ート13F、13Rにより吸入弁6F、6Rを介して前
後の吸入室11F、11Rと連通されているとともに、
弁板7F、7Rに貫設された吐出ポート14F、14R
により吐出弁8F、8R(後述)を介して前後の吐出室
12F、12Rと連通されている。また、吐出通路19
は、後部シリンダブロック1Rに形成されたフランジ取
付部1の吐出フランジ室1aに連通され、主逆止弁30
を介して図示しない外部冷凍回路の凝縮器に接続されて
いる。さらに、前部吸入室11Fは、図2に示すよう
に、前部シリンダブロック1F側において内周側に貫設
された5本の吸入通路15Fにより斜板室5に連通され
ており、後部吸入室11Rは、図4に示すように、後部
シリンダブロック1R側において外周側に貫設された1
本の吸入通路15Rにより斜板室5に接続されている。
【0022】また、図1に示すように、前部ハウジング
10Fからは駆動軸16が延出されており、この駆動軸
16はシリンダブロック1F、1Rにラジアル軸受を介
して支承されている。駆動軸16には斜板室5内におい
て斜板4が固着されており、斜板4はシリンダブロック
1F、1Rにスラスト軸受を介して支承されている。そ
して、各シリンダボア2F、2R内には両頭ピストン1
7が摺動可能に嵌挿されており、各両頭ピストン17は
シュー18、18を介して斜板4と係留されている。こ
うして、各両頭ピストン17は、駆動軸16の回転で斜
板4の傾角に応じて摺動可能になされ、シリンダボア2
F、2R内において前後に圧縮室を構成している。
【0023】さらに、後部吐出室12Rにはプランジャ
22が後部ハウジング10Rに進退動可能に配設されて
いる。プランジャ22の背面には容量制御圧室23が形
成され、プランジャ22の前面には復帰ばね24が配設
されている。プランジャ22には、図4に示すように、
後部吐出弁8R及び後部リテーナ9Rが固着されてい
る。後部吐出弁8R及び後部リテーナ9Rは後部ハウジ
ング10Rに固着されたピン25により回り止めされ、
後部吐出弁8Rはリング状に形成された後部ガスケット
8の中心孔に遊嵌されている。なお、図1は図4のI−
I矢視断面図であるが、後部吐出弁8R及び後部リテー
ナ9Rについては直線状の断面を示している。
【0024】また、図1に示すように、吐出圧力室20
と後部吸入室11Rとは絞り32を有する制御通路35
によって連通され、容量制御圧室23と前部吐出室12
Fとは給圧通路33によって連通されている。給圧通路
33は、図2及び図3(A)、(B)に示すように、前
部弁板7Fに刻設された導入口33aと、導入口33a
と連通し、前部弁板7Fに刻設及び貫設された案内通路
33bと、案内通路33bと連通し、各シリンダブロッ
ク1F、1Rに貫設された貫通路33cとからなる。導
入口33aは、前部吐出ポート14F近傍で前部吐出室
12F側に開口されており、前部吐出弁8Fのリード部
が開弁した時に同時に開弁され、前部吐出弁8Fのリー
ド部が閉弁した時に同時に閉弁される。案内通路33b
は図2のA点において前部吐出弁側から前部吸入弁側に
貫設されており、前部吐出弁8F又は前部吸入弁6Fに
よって常に閉鎖されている。貫通路33cは、各シリン
ダブロック1F、1Rに貫設されたボルト穴と、このボ
ルト穴に通されて各シリンダブロック1F、1Rを締結
するボルト3との間隙である。
【0025】また、絞り32より吐出圧力室20側の制
御通路35と容量制御圧室23との間には開閉弁31が
設けられている。この開閉弁31は、ボール31aが常
にはばね31bにより弁座31cに着座されている。以
上のように構成されたこの圧縮機では、通常運転中は、
前部圧縮室が常に圧縮仕事を行っており、前部吐出室1
2F、吐出通路19及び吐出圧力室20内は前部圧縮室
で圧縮された冷媒ガスにより高圧の前部吐出圧力Pdf
に保たれている。このため、開閉弁31は、制御通路3
5によって供給される前部吐出圧力Pdfによりボール
31aが弁座31cに着座し、閉弁されている。なお、
制御通路35は後部吸入室11Rに連通されているが、
ここには絞り32が設けられているため、前部吐出圧力
Pdfが制御圧力より設定圧力(1kg/cm2 )以上
であることは絞り径によって維持される。
【0026】この間、前部圧縮室が圧縮仕事を行ってい
ることから、駆動軸16の一回転毎の圧縮・吐出工程時
には、給圧通路33の導入口33aが前部吐出弁8Fの
開弁と同期して開弁し、前部吐出室12F内の高圧の前
部吐出圧力Pdfが給圧通路33を経て容量制御圧室2
3に導入される。この間、図6に示すように、前部吐出
圧力Pdfが高いときの導入口33aの開弁時間t
1 は、前部吐出圧力Pdfが低いときの導入口33aの
開弁時間t2 よりも短くなる。このため、前部吐出圧力
Pdfが高くても、図1に示す容量制御圧室23内が徐
々に昇圧される。このため、プランジャ22は制御圧力
が復帰ばね力にうち勝って進動することにより後部吐出
弁8Rをロード状態とする。よって、この圧縮機では、
前部圧縮室とともに後部圧縮室が有能化され、図5に示
すように、100%の圧縮容量で運転される。
【0027】一方、停止時は、前部圧縮室が圧縮仕事を
終了することから、給圧通路33の導入口33aが前部
吐出弁8Fの閉弁と同期して閉弁し、前部吐出室12F
内の高圧の前部吐出圧力Pdfは給圧通路33を経て容
量制御圧室23に導入されない。そして、前部吐出室1
2Fと後部吐出室12Rとが連通される吐出通路19は
制御通路35によって絞り32を介して後部吸入室11
Rに連通されているため、前部吐出圧力Pdfが低下す
る。このとき、吐出通路19は外部冷凍回路との間に主
逆止弁30を有するため、外部冷凍回路からの高圧の冷
媒ガスの逆流を生じることはない。このため、開閉弁3
1は、制御通路35によって供給される前部吐出圧力P
dfが制御圧力よりも1kg/cm2 未満になった時点
で開弁される。
【0028】そして、容量制御圧室23及び給圧通路3
3内の冷媒ガスのみを開閉弁31を介して後部吸入室1
1Rに逃がすことで、プランジャ22は制御圧力が復帰
ばね力に負けて退動することにより後部吐出弁8Rをア
ンロード状態とする。よって、この圧縮機では、後部圧
縮室が停止後早期に無能化される。こうして、図5に示
すように、起動時には、50%の圧縮容量で運転が開始
されることから、起動トルクの低減が実現される。
【0029】そして、起動によって前部圧縮室が圧縮仕
事を開始し、前部吐出室12F内は前部圧縮室で圧縮さ
れた冷媒ガスにより高圧に保たれる。このとき、開閉弁
31は、前部吐出圧力Pdfにより閉鎖される。この
間、前部圧縮室が圧縮仕事を行っていることから、前部
吐出室12F内の高圧の前部吐出圧力Pdfが給圧通路
33を経て容量制御圧室23に徐々に導入される。この
ため、プランジャ22は制御圧力が復帰ばね力にうち勝
った時点で進動することにより後部吐出弁8Rをロード
状態とする。よって、この圧縮機では、前部圧縮室とと
もに後部圧縮室が有能化され、図5に示すように、10
0%の圧縮容量に復帰する。
【0030】こうして、起動後には、プランジャ22が
作動する設定圧力の設定値によって、冷房負荷に応じた
圧縮容量の低減が実現される。したがって、この圧縮機
では、比較的高価な電磁弁や信号処理装置を採用するこ
となく、起動トルク等の低減を早期に実現することがで
きる。そして、この圧縮機では、省動力、電磁クラッチ
の断続回数の低減を実現することができる。
【0031】また、この圧縮機では、給圧通路33の一
部である貫通孔33cがボルト穴とボルト3との間隙で
あるため、給圧通路33における前部吐出室12Fへの
導入口33aと、この導入口33aをこの間隙に連通さ
せる案内通路33bとの両者以外の管路を設けることな
く、前部ハウジング10F側の前部吐出圧力Pdfを後
部ハウジング10R側に導くことができる。
【0032】さらに、この圧縮機では、後部ハウジング
10Rにおいて後部吐出室12Rと吐出通路19との間
に吐出圧力室20が形成されているため、プランジャ2
2が後部ハウジング10Rに設けられていても、前部吐
出圧力Pdfを後部ハウジング10R側に導く管路を要
することなく、前部吐出圧力Pdfを容易に容量制御圧
室23に導入することができる。
【0033】したがって、これら構造の簡易化により、
より一層製造コストの低廉化を実現することができる。
また、吐出通路19は外部冷凍回路に接続されるが、吐
出圧力室20と後部吐出室12Rとの間には副逆止弁3
4が設けられているため、後部吐出室12Rが無能時で
も前部吐出室12Fから吐出通路19を介した後部吐出
室12Rへの冷媒ガスの逆流は生じない。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜3の圧
縮機では、各請求項の構成を採用しているため、次のよ
うな優れた効果を発揮することができる。 (1)請求項1の圧縮機では、比較的高価な電磁弁や信
号処理装置を採用することなく、起動トルク等の低減を
早期に実現することができる。そして、この圧縮機で
は、省動力、電磁クラッチの断続回数の低減を実現する
ことができる。
【0035】(2)請求項2の圧縮機では、給圧通路に
おける前部吐出室への導入口と、この導入口をボルト穴
とボルトとの間隙に連通させる案内通路との両者以外の
管路を設けることなく、前部ハウジング側の前部吐出圧
力を後部ハウジング側に導くことができるので、構造の
簡易化を実現することができる。このため、この場合に
は、一層製造コストの低廉化を実現することができる。
【0036】(3)請求項3の圧縮機では、プランジャ
が後部ハウジングに設けられていても、前部吐出圧力を
後部ハウジング側に導く管路を要することなく、前部吐
出圧力を容易に容量制御圧室に導入することができるの
で、構造の簡易化を実現することができる。このため、
この場合には、一層製造コストの低廉化を実現すること
ができる。
【0037】また、後部吐出室が無能時でも前部吐出室
から吐出通路を介した後部吐出室への冷媒ガスの逆流は
生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の圧縮機の縦断面図である。
【図2】実施例の圧縮機に係り、図1のII−II断面
図である。
【図3】実施例の圧縮機に係り、給圧通路の一部を示す
断面展開図である。(A)は閉弁時、(B)は開弁時を
示す。
【図4】実施例の圧縮機に係り、図1のIV−IV断面
図である。
【図5】実施例の圧縮機に係り、時間と圧縮容量との関
係を示すグラフである。
【図6】実施例の圧縮機に係り、回転角と一前部吐出圧
力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2F、2R…シリンダボア 5…斜板室 1F、1R…シリンダブロック 6F、6R…吸入弁 13F、13R…吸入ポート 8F、8R…吐出弁 14F、14R…吐出ポート 7F、7R…弁板 11F、11R…吸入室 12F、12R…吐
出室 10F、10R…ハウジング 17…両頭ピストン 16…駆動軸 4…斜板 22…プランジャ 23…容量制御圧室 24…復帰ばね 30…主逆止弁 19…吐出通路 32…
絞り 35…制御通路 33…給圧通路(33a…導入口、33b…案内通路、
33c…貫通路) Pdf…前部吐出圧力 31…開閉弁 3…ボルト 20…吐出圧力室 34…
副逆止弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数対のシリンダボアが貫設され、各該シ
    リンダボアを前後に整合するとともに間に斜板室を形成
    すべく対設されたシリンダブロックと、各該シリンダボ
    アにそれぞれ吸入弁を介して連通する吸入ポート及び各
    該シリンダボアにそれぞれ吐出弁を介して連通する吐出
    ポートをもつ弁板と、各該吸入ポートにそれぞれ対置さ
    れた吸入室及び各該吐出ポートにそれぞれ対置された吐
    出室を有する前後のハウジングと、各該シリンダボア内
    を摺動可能に嵌挿された両頭ピストンと、該斜板室に収
    納され、該前部ハウジングより延出された駆動軸の回転
    により各該両頭ピストンが摺動すべく揺動運動を行う斜
    板とを備え、該後部吐出室に該後部吐出弁を作動位置と
    非作動位置とで移動させるプランジャが進退動可能に配
    設され、該プランジャをその背面の容量制御圧室に作用
    する制御圧力と同前面に作用する復帰ばね力とによって
    作動せしめる段階可変容量型斜板式圧縮機において、 前記前部吐出室と前記後部吐出室とは外部冷凍回路との
    間に主逆止弁を有して吐出通路によって連通され、該吐
    出通路と低圧域とは絞りを有する制御通路によって連通
    され、前記容量制御圧室と該前部吐出室とは前記前部吐
    出弁の開閉と同期して開閉される給圧通路によって連通
    され、かつ該絞りより該吐出通路側の該制御通路と該容
    量制御圧室との間には、前部吐出圧力が前記制御圧力よ
    り設定圧力未満であるときに開弁する開閉弁が設けられ
    ていることを特徴とする段階可変容量型斜板式圧縮機。
  2. 【請求項2】給圧通路の一部は、各シリンダブロックに
    貫設されたボルト穴と、該ボルト穴に挿通されて各該シ
    リンダブロックを締結するボルトとの間隙であることを
    特徴とする請求項1記載の段階可変容量型斜板式圧縮
    機。
  3. 【請求項3】後部ハウジングには後部吐出室と吐出通路
    との間に吐出圧力室が形成され、該吐出圧力室と後部吐
    出室との間には副逆止弁が設けられていることを特徴と
    する請求項1又は2記載の段階可変容量型斜板式圧縮
    機。
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KR101104283B1 (ko) * 2006-05-03 2012-01-11 한라공조주식회사 압축기

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