JPH0721886Y2 - 自動車用手動式アクセル操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （１）考案の目的 ［産業上の利用分野］ 本案は自動車のアクセルを足動操作と併用して手動操作
可能な自動車用手動式アクセル操作装置に関するもので
ある。

［従来の技術］ 従来の軽自動車、小型車、普通車、大型車（以下自動
車）はマニュアル車とオートマチック車の２種類が普及
しており、マニュアル車はアクセル、ブレーキ、クラッ
チの３つのペダルをオートマチック車はアクセル、ブレ
ーキの２つのペダルを足で操作して作動させるが、マニ
ュアル車は発進、加速、減速、停止する際には必ず３つ
のペダルを操作しなければならず、渋滞時はブレーキペ
ダルからアクセルペダルへの踏み変え及びクラッチペダ
ルのつなぎとを何度も繰り返し行わなければならず、登
り坂の発進においては前記の動作を迅速に行わなければ
ならないが、その操作は複雑で、エンジンストップを起
こしたり、登り坂では後方に下がって後方車との接触事
故、又は後方に歩行者がいた場合の人身事故の原因とな
る等問題があった。また、マニュアル車、オートマチッ
ク車ともに長距離運転又は高速道路での運転はアクセル
ペダルを踏む時間が長く、運転者の足にかなりの負担が
掛かるものであり、特に高速道路の運転においては常に
アクセルペダルを踏んでいなければならず、しかも運転
にも神経を遣うので、運転者の疲労度は多大なものであ
るとともに、脚力の弱い女性や老人にとっても苦痛なも
のであった。

手動式のアクセルは、身体障害者用の自動車又は特殊車
両用の装置としては利用されているが、一般の自動車用
としては皆無である。

［考案が解決しようとする問題点］ 本案は上記の問題点に鑑み運転者の足への負担を軽減
し、長距離運転、高速道路での運転、登り坂や渋滞時で
の運転に最適な自動車用手動アクセル操作装置を提供せ
んとするものである。

（２）考案の構成 ［問題点を解決するための手段］ 前記問題点の解決は、本案が次の新規な構成手段を採用
することにより達成される。

即ち、本案の特徴は、ギヤボックスをスライド自在かつ
回転不能に貫通したスライド軸の片側寄りに固着したば
ね受フランジと前記ギヤボックス片側内側面間の前記ス
ライド軸に圧縮コイルばねを介在捲装してスライド軸に
常時前記ギヤボックス他片側に移行習性を付勢するとと
もに前記スライド軸の他側寄りに一方向ブレーキ平歯車
を取付け、前記ばね受フランジに作用端を当圧して前記
圧縮コイルばねの弾発力を抑圧固定自在かつ解除自在な
ばね抑圧固定機構を有するスライドレバーを挺動自在に
枢架する一方、前記スライド軸に並行に前記ギヤボック
スに両端を支持固定した固定軸の前記スライドレバーの
前記ばね抑圧固定機構を解除し前記圧縮コイルばねの弾
発力で前記スライド軸と一体に前記一方向ブレーキ平歯
車がスライド移動する位置に対応する位置に当該一方向
ブレーキ平歯車と噛合自在な調整平歯車を空転自在に取
付け、他方アクセルと連動自在かつ当該調整平歯車の歯
にロックレバーにより一体係合するロック機構を有する
アクセルレバーを前記調整平歯車片側面に添接して前記
固定軸に挺動自在に枢着し、ブレーキシリンダーとクラ
ッチシリンダーに出没摺動自在にそれぞれ内挿した各プ
ランジャーのアウトヘッドを前記スライド軸の前記ギヤ
ボックス他片側貫通外端に固着したシリンダー受板に前
記圧縮コイルばねの弾発力に抗して突押自在に臨ませて
なる自動車用手動式アクセル操作装置である。

［作用］ 本案は前記のような手段を講じたので、従来同様のアク
セルペダルの足動操作と併用しながら必要に応じスライ
ドレバーとアクセルレバーを適宜手動操縦して渋滞時、
長距離、高速道路での運転における運転者の足に掛かる
負担を軽減し、登り坂の発進を簡単に行えるとともに、
脚力の弱い女性や老人の運転における負担をも軽くする
ことも可能である。

［実施例］ 本案の実施例を図面につき詳説する。

第１図は本実施例を示す自動車用手動式アクセル操作装
置の一部省略正面図、第２図は第１図中II線視横断面
図、第３図は本実施例における平歯車の噛合状態を示す
一部省略断面図、第４図（ａ）（ｂ）は同・スライドレ
バーのOFF状態,ON状態をそれぞれ示す要部拡大側面図で
ある。

図中、Ａは本実施例の手動式アクセル操作装置、αはロ
ック機構、βはばね抑圧固定機構、γは歯車噛合解除機
構、１は調整平歯車、1aは固定軸、２は一方向ブレーキ
平歯車、2aは回転不能スライド軸、３はボス部、４はギ
アボックス、５はアクセルレバー、６はロックバー、７
はロック解除クランクレバー、7aはクランクレバー圧縮
コイルばね、7bはクランクレバー枢支ピン、８は大略７
形連結バー、8aは連結ピン、8bは連結バー枢着ピン、９
は圧縮コイルばね、9aはばね受フランジ、10はスライド
レバー、10aは二股作用端、11は操作ボタン、11aはロッ
ク鈎端、11bはバックアップコイルばね、11cは枢支ピ
ン、11dは連動バー、12は枢着ピン、13は支持ブラケッ
トアーム、14はブレーキシリンダー、14a,15aはプラン
ジャ、14b,15bはアウトヘッド、15はクラッチシリンダ
ー、16はシリンダー受板、17はカーフレーム、17aはピ
ン溝、18はアクセル、18aはアクセルペダルである。

本実施例の仕様はこのような具体的実施態様を呈する
が、その動作につき図面を参照しながら説明する。

まず、図１および図３に示すように二股作用端10aが圧
縮コイルばね９の弾発力に抗してばね受フランジ9aを抑
圧固定したスライドレバー10のOFF状態の時、操作ボタ
ン11をバックアップコイルばね11bの弾発力に抗して第
３図中矢印方向に押し込み枢支ピン11cを中心に連動バ
ー11dを介してピン溝17aからロック鈎端11aを外しスラ
イドレバー10を図１中矢印反時計方向に倒し圧縮コイル
ばね９の抑圧力を解除しON状態となりスライドレバー10
が固定されるまで揺動すると、圧縮コイルばね９がばね
受フランジ9aを押し、その力によってスライド軸2aとも
どもこれと一体の一方向ブレーキ平歯車２が調整平歯車
１の方向にスライドし一方向ブレーキ平歯車２が調整歯
車１と噛合する。

この時のスライドバー10の動きは図４（ａ）から（ｂ）
へと示すように枢軸ピン12によってそれぞれOFF状態、O
N状態の位置でスライドレバー10を固定する。

また、スライドレバー10をOFFからONに揺動する場合は
操作ボタン11を押さないとロック鈎端11aがバックアッ
プコイルばね11bの力によってカーフレーム17に設けた
ピン溝17aに侵入してスライドレバー10が動かないよう
にしている。ONからOFFへは安全確保のため操作ボタン1
1に関係なく揺動できる。

次に図３に示すようにアクセルレバー５と調整平歯車１
をロック機構αにて一体化させアクセルレバー５を第３
図中矢印反時計方向に移動させると自動車のアクセル18
に連結バー８を経て伝動して加速状態になる。このとき
一方向ブレーキ平歯車２は矢印時計一方向にしか回転し
ないので、アクセルレバー５は固定され、自動車は一定
の速度を保つことができる。更に加速したい時はアクセ
ルレバー５を矢印反時計方向に再び移動すると、その場
所にアクセルレバー５が固定され一定速度を保つことが
できる。

減速するときはロック解除クランクレバー７をクランク
レバー圧縮コイルばね7aの弾発力に抗して握ることによ
りクランクレバー枢支ピン7bを中心に回転しロックバー
６が上方向に上がり、調整平歯車１との一体化が解除さ
れ、アクセルレバー５は自動車のアクセル18と連接して
いるので、第３図中矢印と逆方向に力が働き減速とな
る。減速途中でロック解除クランクレバー７を離すとク
ランクレバー圧縮コイルばね7aの弾発作用でロックレバ
ー６が再び調整平歯車１の歯間に侵入し、一体化するの
でその時の速度でアクセルレバー５を固定する。

また、図示しない自動車のブレーキペダル及びクラッチ
ペダルを踏むと、図１に示すブレーキシリンダー14又は
クラッチシリンダー15のプランジャー14a,15aが突出動
しアウトヘッド14b,15bがシリンダー受板12を突押し
し、スライド軸2aを圧縮コイルばね９の弾発力に抗して
左方にスライドさせ、平歯車1,2の噛合を解除するの
で、調整平歯車１は自由回転可能となり、一体化してい
るアクセルレバー５とともに第３図中矢印と逆方向に戻
され、自動車のアクセルペダル18aを全く踏んでいない
状態となり、ブレーキペダル及びクラッチペダルを離す
と再び圧縮コイルばね９のばね作用力により調整平歯車
１と一方向ブレーキ平歯車２が噛合する。即ち、スライ
ドレバー10をON状態にしておけば、ブレーキペダル及び
クラッチペダルを踏んでも、一時的に解除はするもの
の、ブレーキペダル及びクラッチペダルの両方を離せば
自動的に再びON状態となる。

図示しない自動車のブレーキペダル又はクラッチペダル
を踏まなくても、第１図に示すようスライドレバー10を
OFF状態に揺動させることによっても平歯車1,2の噛合が
解除され、自動車のアクセルペダル18aを全く踏んでい
ない状態となる。

また、平歯車1,2を噛合させなくともアクセルレバー５
をアクセルペダルの代わりとして利用できる。例えば登
り坂での発進時ではブレーキペダルを踏んだままでアク
セルレバー５を第３図に示す矢印反時計方向に移動さ
せ、徐々にブレーキペダルを離すことによってペダルの
迅速な踏み変えをせずに、登り坂発進が行える。

（３）考案の効果 かくして本案によれば、自動車運転者の足に掛かる負担
を軽減できるので運転の疲労度を抑えることが可能であ
り、脚力の弱い女性や老人も気軽に運転できるととも
に、様々な車種に設置できる。また、純機械式で構成が
簡明なので小型化が可能な上、取付けが簡単で故障も起
り難いとともに、低コストで作製できる間経済性におい
ても優れた実用性、有用性を具有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の実施例を示す自動車用手動式アクセル操
作装置の一部省略正面図、第２図は第１図中II−II線視
横断面図、第３図は本案の実施例における平歯車の噛合
状態を示す一部省略断面図、第４図（ａ）（ｂ）は同・
スライドレバーのOFF状態,ON状態をそれぞれ示す要部拡
大側面図である。 Ａ…手動式アクセル操作装置 α…ロック機構 β…ばね抑圧固定機構 γ…歯車噛合解除機構 １…調整平歯車 1a…固定軸 ２…一方向ブレーキ平歯車 2a…スライド軸 ３…ボス部 ４…ギアボックス ５…アクセルレバー ６…ロックバー ７…ロック解除クランクレバー 7a…クランクレバー圧縮コイルばね 7b…クランクレバー枢支ピン ８…連結バー 8a…連結ピン 8b…連結バー枢着ピン ９…圧縮コイルばね 9a…ばね受フランジ 10…スライドレバー 11…操作ボタン 11a…ロック鈎端 11b…バックアップコイルばね 11c…枢支ピン 11d…連動バー 12…枢軸ピン 13…支持ブラケットアーム 14…ブレーキシリンダー 14a,15a…プランジャ 14b,15b…アウトヘッド 15…クラッチシリンダー 16…シリンダー受板 17…カーフレーム 17a…ピン溝 18…アクセル 18a…アクセルペダル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ギヤボックスをスライド自在かつ回転不能
   に貫通したスライド軸の片側寄りに固着したばね受フラ
   ンジと前記ギヤボックス片側内側面間の前記スライド軸
   に圧縮コイルばねを介在捲装してスライド軸に常時前記
   ギヤボックス他片側に移行習性を付勢するとともに前記
   スライド軸の他側寄りに一方向ブレーキ平歯車を取付
   け、前記ばね受フランジに作用端を当圧して前記圧縮コ
   イルばねの弾発力を抑圧固定自在かつ解除自在なばね抑
   圧固定機構を有するスライドレバーを挺動自在に枢架す
   る一方、前記スライド軸に並行に前記ギヤボックスに両
   端を支持固定した固定軸の前記スライドレバーの前記ば
   ね抑圧固定機構を解除し前記圧縮コイルばねの弾発力で
   前記スライド軸と一体に前記一方向ブレーキ平歯車がス
   ライド移動する位置に対応する位置に当該一方向ブレー
   キ平歯車と噛合自在な調整平歯車を空転自在に取付け、
   他方アクセルと連動自在かつ当該調整平歯車の歯にロッ
   クレバーにより一体係合するロック機構を有するアクセ
   ルレバーを前記調整平歯車片側面に添接して前記固定軸
   に挺動自在に枢着し、ブレーキシリンダーとクラッチシ
   リンダーに出没摺動自在にそれぞれ内挿した各プランジ
   ャーのアウトヘッドを前記スライド軸の前記ギヤボック
   ス他片側貫通外端に固着したシリンダー受板に前記圧縮
   コイルばねの弾発力に抗して突押自在に臨ませたことを
   特徴とする自動車用手動式アクセル操作装置。