JPH051191B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、車両の駐車ブレーキの解除装置に
関する。

〔従来の技術〕

従来の車両用駐車ブレーキの解除装置として
は、ラチエツト歯を有するパーキングペダルを踏
み込むことによつて駐車ブレーキが効き、インス
トルメントパネル等に設置したノブを操作するこ
とによつて、駐車ブレーキを解除するもの（実開
昭58−50054号公報など）や、パーキングペダル
に解除用のレバーを設けて、足の爪先で解除操作
するもの（実開昭58−75154号公報など）がある。

また、他の従来例としては、実開昭56−40056
号公報に開示されるものがある。

この公報記載の発明にあつては、駐車ブレーキ
の制動及び制動解除するための構成を、車体側に
固定され、ラチエツト歯を有するラチエツトプレ
ートと、該ラチエツトプレートに回動自在に枢支
され一端にパーキングケーブルを連結した第１レ
バーと、一端にペダルを有し踏み込み方向に所定
量の遊びをもって前記第１レバーと同軸上に枢支
されて、ペダルの所定量以上の踏み込みによつて
第１レバーを一体に回動させる第２レバーと、第
１レバー上に枢支され、スプリング力により先端
爪がラチエツトプレートのラチエツト歯と噛合す
るボールと、前記第２レバー又はボールのいずれ
か一方に突設され、第２レバーの踏み込みによつ
てラチエツト歯とポールとの噛合を解除させるリ
リース突起とを具備して構成したものであつて、
ペダル操作のみによつて制動動作と解除動作を可
能となしたものである。

さらに、他の従来例としては、実開昭59−
97153号公報に開示されているものがある。

この装置は、解除操作部材を、車体のフロアパ
ネルに足による回動操作可能に取りつけた解除ペ
ダルとして、手で操作する煩わしさを解消するよ
うにしている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来の駐車ブレーキ
操作装置にあつては、以下の不都合を有してい
た。

すなわち、上記したインストルメントパネル等
に設置したノブを体を前傾しながら操作して駐車
ブレーキを解除する構成の従来例にあつては、操
作の都度に、体を曲げて手をのばすことを要請さ
れるため、運転者に煩わしさを感じさせる不都合
があつた。

また、パーキングペダルに解除用のレバーを併
設したものにあつては、解除の際、足の細かい動
きが要請されるため、操作の円滑性を欠くもので
あつた。

さらに、実開昭56−40056号公報記載の発明に
あつては、ラチエツト歯に噛合するボールを解除
させるリリース突起は、第２レバーを僅かに押す
ことにより解除動作をするため、駐車ブレーキが
効いている時は、不用意に第２レバーのペダルに
触れないようにすることが要請されるものであつ
た。

次いで、実開昭59−97153号公報記載の発明に
あつては、フロアーボードに駐車ブレーキ解除用
のペダルを設けてあるため、通常の運転時におい
て、運転者の足の邪魔になる問題点があつた。ま
た、該ペダルは、足を載せた場合に揺動するた
め、安定性が悪く、カーブ走行時に足を載せて踏
ん張ることができずフツトレストとして使用でき
ない問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は、このような従来技術の問題点に着
目してなされたものであつて、駐車ブレーキ用の
作動用部材に連動する係合部と、前記作動用部材
による制動動作は許容するが復帰動作は許容しな
いように前記係合部に係脱可能に設けられた係合
解除レバーと、運転席側に向きフツトレストを構
成する支持板の踏み面に出没可能に設けられてな
る解除用ペダルと、前記解除用ペダルの踏み込み
時に係合解除レバーが係合部から離脱するように
前記解除用ペダルと前記係合解除レバーとを連結
してなる伝動機構と、により駐車ブレーキの解除
装置を構成している。

〔作用〕

駐車ブレーキ用の作動用部材を操作することに
よつて係合部を動作させる。該係合部は、係合解
除レバーによつて係止されて駐車ブレーキの制動
状態を保持する。該係合解除レバーは、フツトレ
ストを構成する支持板に設けられた解除用ペダル
の操作をもつて、前記係合部より離脱されて駐車
ブレーキを解除する。

〔実施例〕

以下、この発明の実施例を図に基づいて説明す
る。

第１図は、この発明の一実施例を示す作動用ペ
ダル６並びにフツトレスト部Ｂに設けられた解除
用ペダル１４及びブレーキペダルｂ及びアクセル
ペダルａの配置を示す斜視図である。

第２図は、この発明にかかる駐車ブレーキの解
除装置の一実施例を示す断面図である。

まず、構成を説明すると、図中１は、駐車ブレ
ーキブラケツトであつて、ダツシユロアパネル２
に螺子３止めされると共に、ダツシユアツパーパ
ネル４にも連結部材５をもつて固定されている。
７はペダルレバーであり、この発明の構成要素で
ある作動用部材に相当するものであつて、その一
端部に駐車ブレーキの作動用ペダル６が設けら
れ、他端部にはラチエツト歯からなる係合歯部９
を有する。この係合歯部９は、この発明の構成要
素である係合部に相当する。そして、このペダル
レバー７は軸８をもつて回動可能となるように前
記駐車ブレーキブラケツト１に軸支されている。
このペダルレバー７における軸８の近傍部には、
駐車ブレーキケーブル１０を連結し、該ペダル６
を踏み込むことによつて、これが引つ張られて駐
車ブレーキが効くようにしている。

１１はストツパであつて、前記駐車ブレーキブ
ラケツト１に軸１２をもつて軸支された杆状をな
し、一端部には前記係合歯部９と噛合する爪部１
１ａを設けている。このストツパ１１が、この発
明の構成要素である係合解除レバーに相当する。
爪部１１ａは係合歯部９に対する係合によりペダ
ルレバー７の戻りを阻止するようになつている。
かかる駐車ブレーキ機構Ａによつて容易な制動動
作が可能とされている。

次に、この駐車ブレーキ機構Ａを解除する解除
装置について、詳細に説明する。

第３図中、Ｂはフツトレストを示している。こ
のフツトレストＢは、車体に溶接等の手段をもつ
て固定される支持板１３と、この支持板１３に対
して回動可能に設けられた解除用ペダル１４とか
らなつている。支持板１３の踏み面の中央には、
略長方形の開口部１３ａを設けてあり、この開口
部１３ａ内には、この開口部１３よりもやや縮寸
の略長方形の解除用ペダル１４が回動可能に軸支
され、この解除用ペダル１４が回動した場合に、
該開口部１３ａの内周壁に当接しないようにされ
ている。

第４図はフツトレストＢを裏面から見た斜視図
である。前記支持板１３裏面の開口部１３ａ周縁
に軸受１３ｂ，１３ｂを設けている。また、前記
解除用ペダル１４の周縁部には前記支持板１３に
おける軸受１３ｂと対応する２箇所に軸受１４
ａ，１４ａを設けている。１５は金属製のリリー
スレバーであつて、相対向して立ち上がる軸受板
１５ａ，１５ｂが設けられている。

これらリリースレバー１５及び解除用ペダル１
４及び支持板１３は、軸受板１５ａ，１５ａ、軸
受１４ａ，１４ａ，１３ｂ，１３ｂに挿通された
ペダルシヤフト１６によつて軸支されている。

該解除用ペダル１４において前記ペダルシヤフ
ト１６をもつて前後に二分される部分のうち前記
駐車ブレーキ機構Ａと反対方向に位置する後半部
に、ワイヤー連結用の突起１４ｂを突設してい
る。

前記リリースレバー１５は、前記ペダルシヤフ
ト１６をもつて前後二分される解除用ペダル１４
の該駐車ブレーキ機構Ａ寄りに位置する前半部側
に位置するようにされ、このリリースレバー１５
のペダルシヤフト１６と対向して立ち上がる固定
板１５ｃを設けている。なお、該解除用ペダル１
４と該リリースレバー１５とは、該ペダルシヤフ
ト１６を巻回して該リリースレバー１５の軸受板
１５ｂに一端が固定され他端が解除用ペダル１４
に圧接するスプリング１７をもつて、互いに面を
接するように付勢されている。

前記駐車ブレーキ機構Ａと該フツトレストＢ部
とは、インナーワイヤー１８及びアウターワイヤ
ー１９及び、この発明の伝動機構を形成するリリ
ースロツド２０で連結されている。該アウターワ
イヤー１９は、その一端を該リリースレバー１５
の固定板１５ｃに固定されており、他端は前記駐
車ブレーキブラケツト１の所定箇所の固定片２１
に固定されている。このアウターワイヤー１９に
は、インナーワイヤー１８が摺動自在に挿通され
ており、そのインナーワイヤー１８の一端は、該
固定片２１部より出て前記ペダルレバー７におけ
る軸８の近傍部分に係止しており、他端は、第４
図に示すように該リリースロツド１５の固定板１
５ｃより出て該ペダルシヤフト１６の該解除用ペ
ダル１４と反対側を通つて前記突起１４ｂに連結
している。このため、前記作動用ペダル６を踏み
込むことによつて、該ペダルレバー７が回動した
場合に、該インナーワイヤー１８が引つ張られ
て、該固定板１５ｃと該突起１４ｂが前記スプリ
ング１７の力に抗して近づき、第５図に示す点線
の位置に該解除用ペダル１４が該支持板１３の踏
み面に所定角度をなして起き上がる。そして、前
記係合歯部９には、該ストツパ１１の爪部１１ａ
が噛合して、前記ペダルレバー７の復帰動作を防
止する。このストツパ１１には、図示しないが、
ばねをもつて係合歯部９に当接するよう付勢して
おくことも勿論可能である。

つぎに、該ストツパ１１の作動機構について説
明する。

第６図において、点線は駐車ブレーキが効いて
いない状態を示している。図中、２０はストツパ
１１の一端と前記リリースレバー１５を連結する
リリースロツドである。そして、作動用ペダル６
を踏み込むと実線で示す状態に移行し、解除用ペ
ダル１４は前記するように該支持板１３の踏み面
より起き上がつて該支持板１３と所定角度αをな
す。そして、この解除用ペダル１４を踏み込む
と、この解除用ペダル１４の踏み面は、前記支持
板１３の踏み面と面一の状態となる。この際、解
除用ペダル１４と該リリースレバー（点線で示
す）は、依然所定角度αを保つている。そのた
め、該リリースロツド２０は実線の状態から一点
鎖線の状態に移行してストツパ１１の一端を引き
下げ、このストツパ１１は軸１２を中心に回動
し、該爪部１１ａは係合歯部９から離脱し、ペダ
ルレバー７の復帰動作を許容する。このためペダ
ルレバー７は駐車ブレーキケーブル１０の復帰力
によつて、元の位置（点線で示す）に戻る。

なお、上記実施例においては、ペダルレバー７
を軸支して回動するように設けているが、これに
限らず、該ペダルレバー７が昇降動作して作動用
ペダル６を踏んで引き下げることにより、駐車ブ
レーキを効くようにすることも可能であり、この
場合、係合歯部は昇降方向に沿つて、ラチエツト
歯を並べるようにすることは、勿論である。

また、上記実施例は、作動用ペダルを用いた例
を説明したが、作動用のレバーを引くことによつ
て、係合歯部を連動させる態様の駐車ブレーキ機
構に適用することも勿論可能である。

さらに、上記実施例においては、解除用ペダル
１４をフツトレストにおける支持板に対して回動
するように設けているが、該支持板の踏み面に対
して常に平行状態を保ちながら出没する態様とす
ることも勿論可能である。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなように、この発明にあ
つては、運転席に向いたフツトレストに駐車ブレ
ーキ解除用のペダルを設けたことによつて、運転
席のフロアーボード付近のアクセルペダル、ブレ
ーキペダル、クラツチペダル等の通常の運転操作
に支障を来すことが無く、発進する際に、フツト
レストに足を載せるだけで駐車ブレーキを容易に
解除することが出来、運転者に煩わしさを感じさ
せることがない。

また、駐車ブレーキが解除されると、係合解除
レバーは再び係合部に係合するため、解除用ペダ
ルが揺動することがなく安定する。このため、フ
ツトレストの機能を十分に満足し、車両がカーブ
する際などに、足を載せて踏ん張ることが出来る
ことも従来のフツトレストと変わるところは無
い。

さらに、この発明にあつては解除用ペダルをフ
ツトレストに設けたから、特別に設置場所を必要
としないため、快適な運転空間を確保することが
出来る効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明における作動用ペダル並びに
解除用ペダルの配置状態を示す斜視図、第２図は
この発明にかかる駐車ブレーキの解除装置を示す
断面図、第３図はこの発明に係る解除用ペダルを
示す斜視図、第４図は同一部切断斜視図、第５図
は駐車ブレーキの状態に応じた解除用ペダルの動
作を示す説明図、第６図は解除用ペダルの動作に
応じたストツパの動作を示す説明図である。 １……駐車ブレーキブラケツト、６……作動用
ペダル、７……ペダルレバー（作動用部材）、９
……係合歯部（係合部）、１０……駐車ブレーキ
ケーブル、１１……ストツパ、１３……支持板、
１４……解除用ペダル、１５……リリースレバ
ー、１６……ペダルシヤフト、１７……スプリン
グ、１８……インナーワイヤー、１９……アウタ
ーワイヤー、２０……リリースロツド（伝動機
構）、Ａ……駐車ブレーキ機構、Ｂ……フツトレ
スト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 駐車ブレーキ用の作動用部材に連動する係合
   部と、前記作動用部材による制動動作は許容する
   が復帰動作は許容しないように前記係合部に係脱
   可能に設けられた係合解除レバーと、運転席側に
   向きフツトレストを構成する支持板の踏み面に出
   没可能に設けられてなる解除用ペダルと、前記解
   除用ペダルの踏み込み時に係合解除レバーが係合
   部から離脱するように前記解除用ペダルと前記係
   合解除レバーとを連結してなる伝動機構とからな
   ることを特徴とする駐車ブレーキの解除装置。