JPH039491Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車両に取付けられる足踏み式パーキン
グブレーキの解除装置、特に、解除レバーの戻り
作動を向上させた足踏み式パーキングブレーキの
解除装置に関する。

〔従来の技術〕

車両のパーキングブレーキの操作形式として
は、一般的なレバー式のほかに、パーキングブレ
ーキ用ペダルを運転者が踏み込むことにより操作
するものがある。この足踏み式ブレーキのペダル
部分の構造は本出願人による実願昭58−31522号
に開示されるように、他のペダル類と同様に運転
席のフロア前部に取付けられる。この概略構造
は、第１図に示すように、ボデー側に固定される
ペダルブラケツト１にシヤフト２を介しペダル３
を枢着し、このペダルの一端にパーキングブレー
キケーブル４を連結し、ペダル３のパツド５とシ
ヤフト２のほぼ中間部にロツク手段６を取付け、
ロツク手段６とケーブル７を介し、第２図に示す
解除装置８を連結したものである。ロツク手段６
はペダルブラケツト１に形成されると共に、シヤ
フト２を中心として円弧状の爪歯９と、この爪歯
に噛合うと共にピン１０を介しペダル３に枢着さ
れるラチエツト１１と、このラチエツトを常にス
トツパ１２に当接するよう付勢するスプリング１
３とで形成される。

なお、ケーブル７はラチエツト１１を爪歯９よ
り離脱作動させ得るよう、そのアウタケーブルを
ペダル３に固定し、インナケーブルをラチエツト
１１に連結している。ここでは以後、ケーブル７
とはインナケーブルを指すものとする。

一方、解除装置８としては本出願人による実願
昭58−113031号に開示されるものがある。この種
解除装置は、常通、センターコンソール部分に取
付けられる。たとえば第２図に示すように、解除
装置８は上述のロツク手段６から延びるケーブル
７の他端が解除レバー１４の下端のピン１５に連
結される。このピン１５は解除レバー１４の上端
のリリースノブ１６が運転者により操作される
際、ガイドプレート１７上のガイド溝１８に沿つ
て摺動する。なお、ピン１５は、同じく解除レバ
ー１４の下端に連結されるリターンスプリング２
１により、ガイド溝１８の後端部１８４に弾性的
に引き寄せられている。ガイドプレート１７はボ
デー側に固着されるフレーム２５と一体のブラケ
ツト１９にボルト止めされている。このブラケツ
ト１９は一対あり、40つのボルト２０に各々外嵌
する筒状のスペーサ２４を介し対設され、各ブラ
ケツト１９にガイドプレート１７が取付けられ
る。

このような解除装置８は、運転者がリリースノ
ブ１６を後方スペースからなる支点部材２４を支
点に回動させ、解除レバー１４の下端のピン１５
をＬ字状のガイド溝１８の内の水平溝１８１に沿
つて摺動させ、さらに、折曲部１８２より垂直溝
１８３に沿つて引き上る。これにより、ケーブル
７を引き、爪歯９よりラチエツト１１を離脱作動
させ、パーキングブレーキをロツク状態より解除
させる。この後リリースノブ１６を運転者が離す
と、リターンスプリング２１の働きでピン１５は
ガイド溝１８に沿つて降下し後端部１８４に保持
される。

〔考案が解決しようとする課題〕 ところがこのようなガイド溝１８の場合、ピン
１５はリターンスプリング２１のばね力を垂直溝
１８３と交差する方向に受けるため、ピン１５の
すべりが悪くなると戻り作動が不良となり、特
に、リターンスプリング２１のばね力が弱いと、
折曲部１８２の上側位置（第２図に破線で示す位
置）でピン１５は停止してしまい、ロツク手段６
は解除されたままとなり、次のパーキングブレー
キ操作が行なわれなくなる不具合を生じる。

本考案はパーキングブレーキの解除作動の信頼
性を向上させることのできる足踏式パーキングブ
レーキの解除装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案による足踏式パーキングブレーキの解除
装置は、ペダル側のロツク手段に連結するケーブ
ルの他端を解除レバーの下端に連結し、この解除
レバーの下端のピンを車体側に支持されるガイド
プレートのガイド溝に嵌合させ、上記ピンをガイ
ド溝の水平溝より垂直溝の上端部側に移動させる
ことによりロツク手段を解除させるものであり、
特に垂直溝の中間位置より下端部までの間が折曲
部として形成され、折曲部の溝壁面が下位置ほど
水平溝の後端部側への傾きを増すように湾曲して
形成されたことを特徴としている。

〔作用〕

折曲部の溝壁面が下位置ほど後端部側への傾き
を増すので、この折曲部に達したピンに加わる摺
動抵抗は比較的低く押えられ、ピンに戻し力を与
えるリターンスプリングのばね力を低く押えられ
る。

〔実施例〕

以下、本考案を添付図面と共に説明する。

第４図には本考案の一実施例としての足踏式パ
ーキングブレーキの解除装置（以後単にブレーキ
の解除装置と記す）を示した。このブレーキの解
除装置は、第１図に示したと同様のロツク手段６
にケーブル７を介し連結され、しかも、第２図に
示したガイドプレート１７に代えて取付けられる
ガイドプレート２２以外は同一部材を備える。こ
のため、以後の説明では混同を生じない範囲で同
一部材には同一符号を付し、その重複説明を略
す。

一対のブラケツト１９にボルト止めされる一対
のガイドプレート１７は硬質の合成樹脂で形成さ
れ、その中ほどに形成されるガイド溝２３の溝壁
面と解除レバー１４の下端のピン１５との間の摩
擦力の低減を計つている。このガイド溝２３は第
５図に示すように上下方向に沿つて延設された垂
直溝２３２と、垂直溝２３２の下端部から略水平
に後方へ延設された水平溝２３４とからなり、全
体はＬ字状を呈すように形成されている。特に、
垂直溝２３２は、直状をなすが、その中間位置よ
り下端部まで（第５図及び第６図参照）が折曲部
２３３として形成される。この折曲部２３３はそ
の溝壁面が下位置ほど水平溝の後端部２３５側へ
の傾きを増すように湾曲して形成される。

更に、水平溝２３４は折曲部２３３の下端より
後端部２３５まで連続形成されるが、折曲部２３
３の下端部に続く位置に下向凸部２３６を形成さ
れる。これにより、水平溝２３４にあるピン１５
が垂直溝２３２側へ移動する際、この下向凸部を
乗り越えるために所定量の抵抗力を受けるよう形
成しており、これにより、解除レバー１４の誤操
作によるパーキングブレーキの解除を防止してい
る。

このようなブレーキの解除装置を備えた自動車
のペダル３を踏み込みパーキングブレーキを作動
させた場合、第１図で示したラチエツト１１が爪
歯９に噛合い、ロツク手段６がパーキングブレー
キの作動状態をロツクする。この後、運転者が解
除レバー１４を手動操作し、リターンスプリング
２１の弾性力に抗してガイド溝２３内の下端部２
３５より上端部２３１にピンを移動させ、このピ
ン１５に連結するケーブル７を引き、ロツク手段
６のロツク状態を解除作動させる。この時、解除
レバー１４は第４図において垂直溝２３２の右側
（水平溝２３４と同方向側）の支点部材２４ａを
支点に回動するが、この時下向凸部２３６にピン
１５が当り、抵抗力を受ける。この抵抗力に抗し
て更に解除レバーが回動されることにより折曲部
２３３を通過し上端部２３１に達する。この解除
操作の後、解除レバーのピン１５はリターンスプ
リング２１により後端部２３５に引き戻される。
この時、第６図に示すように、ピン１５は折曲部
２３３に達する。この折曲部２３３の溝壁面は下
位置ほど後端部２３５側への傾きを増している。
このためピン１５が折曲部の下端部に近付くに従
い、ピン１５の弾性力を受ける方向と摺接する溝
壁面との交角（第６図に示した）θが小さくなり
（あるいは一定としてもよい）、スムーズに折曲部
２３３を通過でき、下端部２３５に戻ることがで
きる。

〔考案の効果〕

このように本考案によるブレーキの解除装置
は、ガイド溝の折曲部の溝壁面を通過するピンが
受ける摺動抵抗を比較的低減できるので、リター
ンスプリングのばね力を低減でき、このため、ピ
ンが後端部に戻る時の衝撃音を低減でき、装置の
商品価値を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はパーキングブレーキ用のペダルの概略
側面図、第２図は従来の解除装置の側面図、第３
図は第２図のＸ−Ｘ線断面図、第４図は本考案の
一実施例としてのブレーキの解除装置の側面図、
第５図は第４図中のガイドプレートの拡大側面
図、第６図は第５図のガイドプレートとピンとの
当接状態説明図をそれぞれ示している。 ３……ペダル、６……ロツク手段、７……ケー
ブル、１４……解除レバー、１５……ピン、２１
……リターンスプリング、２２……ガイドプレー
ト、２３……ガイド溝、２３１……上端部、２３
２……垂直溝、２３３……折曲部、２３４……水
平溝、２３５……後端部、２３６……下向凸部、
２４ａ……支点部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 足踏み操作によりケーブルを介してブレーキを
   作動するパーキングブレーキ用ペダルと、同ペダ
   ルを踏み込まれた位置に保持するロツク手段と、
   手操作により他のケーブルを介して上記ロツク手
   段を解除する解除レバーとを備えた足踏み式パー
   キングブレーキにおいて、車体に固着されると共
   に上下方向に沿つて延設された垂直溝及び同垂直
   溝の下端部から略水平に後方へ延設された水平溝
   からなるＬ字状のガイド溝が形成されたガイドプ
   レートと、上記解除レバーの下端部近傍に固着さ
   れると共に上記ガイド溝に挿入され同ガイド溝に
   沿い移動可能なピンと、上記車体と解除レバーと
   の間に架設され上記ピンが上記水平溝の後端部へ
   移動されるよう上記解除レバーを付勢するリター
   ンスプリングと、上記ピンより上方の上記解除レ
   バーに当接すると共に上記ガイドプレート上であ
   つて上記垂直溝に対して水平溝と同位置側に支持
   されて上記解除レバーの回動支点を構成する支点
   部材とを備え、上記垂直溝の中間位置より下端部
   までの間が折曲部として形成され、上記折曲部の
   溝壁面が下位置ほど上記水平溝の後端部側への傾
   きを増すように湾曲して形成されたことを特徴と
   する足踏み式パーキングブレーキの解除装置。