JPH0721784Y2 - 自動車用ドアロックの施錠装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車用ドアロックの施錠装置に係り、特
に、車室外からキーを使用することなく運転席のドアを
施錠することができる自動車用ドアロックの施錠装置に
関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の装置の操作としては、ドアを開いた状態
で、ドアの車室内側に設けたロックノブを施錠状態にし
た後、ドアのアウターハンドルを解除操作しながらドア
を閉じることによって、キーを使用することなく車室外
からドアを施錠することができる、いわゆるキーレスロ
ック操作ができるようになっている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上述のような従来のキーレスロック操作においては、ド
アを閉じる前にロックノブを施錠操作したり、また、ド
アを閉じる際はアウターハンドルの解除操作を保持し続
けなければならないため、特に、手荷物を持っているよ
うな場合は、操作がしずらいという問題点があった。

また、キーを使用することなく、車室外側からドアを施
錠できる関係上、キーをイグニッション・キーシリンダ
に挿入したまま、ドアを施錠してしまう、いわゆるキー
忘れを発生させる問題点を有していた。

本考案は、従来技術の有する上記のような諸問題を解消
するためになされたもので、その目的とするところは、
車室外からの施錠操作を簡略化して操作性を向上させ、
かつキー忘れを防止した自動車用ドアロックの施錠装置
を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するため、本考案の装置は、運転席のド
アに設けられ、該ドアの施錠、解錠を行なう施解錠機構
を有するドアロックと、該ドアロックの施解錠機構を施
錠、解錠作動させる電動式のアクチュエータと、車室内
に設けたキーレスロック操作スイッチと、イグニッショ
ン・キーシリンダにキーが挿入されていないことを検出
可能なイグニッション・キー検出スイッチと、前記ドア
が閉じている状態を検出可能なドアスイッチと、前記イ
グニッション・キー検出スイッチの検出時に、前記キー
レスロック操作スイッチの操作により、所定時間ON信号
出力可能なキーレスロック・タイマー回路を有するとと
もに、該タイマー回路の設定時間内に前記ドアが開いた
状態から閉じたことを前記ドアスイッチが検出したと
き、前記アクチュエータを施錠方向に作動させて、前記
ドアロックの施解錠機構を施錠させる制御回路とを備え
ることを特徴としている。

〔作用〕

イグニッション・キーシリンダにキーが挿入されていな
いとき、車室内に設けたキーレスロック操作スイッチを
操作すると、タイマー回路は、設定時間だけ動作し続け
る。

このタイマー回路の設定時間内において、ドアを開いて
降車した後に、そのまま、ドアを閉じると、ドアの閉止
によるドアスイッチの閉成信号により、アクチュエータ
が作動して、ドアロックの施解錠機構は施錠状態に作動
し、ドアは自動的に施錠される。

イグニッション・キーシリンダにキーが挿入されている
ときは、キーレスロック装置スイッチを操作しても、タ
イマー回路は動作しないので、ドアは自動的に施錠され
ることはなく、キー忘れを未然に防止することができ
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を、図面に基づいて説明する。

（１）は、運転席のドア（２）に設けられたドアロック
で、ドア（２）の車室内側に設けられたロックノブ
（３）、及び車室外側に設けられたキーシリンダ（４）
に連係され、アウターハンドル（５）又はインナーハン
ドル（図示略）の解除操作により、ドア（２）を開ける
ことを可能にする解錠状態と、同じ不能にする施錠状態
とに作動する施解錠機構（６）を備えている。

尚、ここでは前記施解錠機構（６）の構成は、周知のも
のなので、詳細な説明は省略する。

（７）は、前記ドアロック（１）の施解錠機構（６）に
連係された電動式のアクチュエータで、ケース（7a）内
に内蔵されたモータの回転を減速歯車を介して出力部材
（7b）に伝達し、この出力部材（7b）の施錠方向（第３
図において矢示方向）の作動により、前記施解錠機構
（６）を施錠状態を作動させることができる。

（８）は、前記ドアロック（１）のベースプレート（1
a）に固定され、施解錠機構（６）の施錠、解錠状態を
検出する施解錠検出スイッチで、施錠検出時にはOFF、
解錠検出時にはON動作をするようになっている。

（９）は、運転席近傍の車室内側に設けられた常開成の
キーレスロック操作スイッチで、後述するように、キー
を使用しないで車室外からドア（２）を施錠するときの
キーレスロック操作を行なうときに操作される。

（10）は、イグニッション・キーシリンダ（11）にキー
が挿入されているか、否かを検出するイグニッション・
キー検出スイッチで、キーが挿入されているときはON
で、挿入されていないときはOFF動作するようになって
いる。

（12）は、ドア（２）の開閉状態を検出するドアスイッ
チで、ドア（２）が閉じている時にはOFF、開いている
時にはON動作するようになっている。

第３図は、制御回路の一例を示す。

（13）は、前記アクチュエータ（７）のモータ、（14）
は、アウターハンドル（５）の解除作動を検出し、ON動
作する常開成のリセット・スイッチを示す。

モータ（13）の一方の端子は、リレー（15）の常開成の
接点（15a）を介して電源に接続され、他方の端子は接
地されている。

リレー（15）は、スイッチング・トランジスタ（16）に
接続され、スイッチング・トランジスタ（16）のベース
端子は、アンドゲート回路（17）の出力端子に接続され
ている。アンドゲート回路（17）からのON信号出力によ
り、スイッチング・トランジスタ（16）が動作すること
によって、リレー（15）が励磁され、モータ（13）が施
錠方向に回転する。

アンドゲート回路（17）の入力端子（ａ）、（ｂ）、
（ｃ）は、キーレスロック・タイマー回路（18）、アン
ドゲート回路（19）、施解錠検出スイッチ（８）にそれ
ぞれ接続されている。

キーレスロック・タイマー回路（18）のセット入力端子
（Ｓ）は、アンドゲート回路（20）の出力端子に接続さ
れ、リセット端子（Ｒ）は、リセット・スイツチ（14）
に接続されている。

アンドゲート回路（20）の一方の入力端子は、インバー
タ（21）を介してイグニッション・キー検出スイッチ
（10）の接点に、他方の入力端子は、キーレスロック操
作スイッチ（９）の接点に、それぞれ接続されている。

すなわち、イグニッション・キーシリンダ（11）にキー
が挿入されているときは、キーレスロック操作スイッチ
（９）をON操作してもアンドゲート回路（20）の論理積
を得ることはできないが、イグニッション・キーシリン
ダ（11）にキーが挿入されていないときは、キーレスロ
ック操作スイッチ（９）をON操作することによって、ア
ンドゲート回路（20）の論理積を得て、キーレスロック
・タイマー回路（18）のセット端子（Ｓ）にON信号を入
力し、タイマー回路（18）を設定時間だけ動作させて、
その出力端子から、設定時間だけON信号を出力し続ける
ことができるようになっている。

前記アンドゲート回路（19）の一方の入力端子（ａ）
は、復帰時遅延のタイマー回路（22）を介してドアスイ
ッチ（12）の接点に、他方の入力端子（ｂ）は、インバ
ータ（23）を介してドアスイッチ（12）の接点にそれぞ
れ接続され、ドア（２）を開いてドアスイッチ（12）が
ONすると、タイマー回路（22）は動作して、アンドゲー
ト回路（19）の入力端子（ａ）にON信号を入力するが、
他方の入力端子（ｂ）にはON信号が入力されないので、
アンドゲート回路（19）の論理積を得ることができない
が、この状態からドア（２）を閉じてドアスイッチ（1
2）がOFFすると、アンドゲート回路（19）の論理積を得
て、所定時間ON信号を出力できるようになっている。

すなわち、ドア（２）を開いた後に、閉じることによっ
て、所定時間だけアンドゲート回路（19）からON信号が
出力される。

次に、上述のように構成された自動車用ドアロックの施
錠装置の実施例の作用を説明する。

車室内外からキーを使用しないで、ドア（２）を施錠す
るキーレスロック操作を行なう場合は、イグニッション
・キーシリンダ（11）にキーが挿入されていないことを
確認して、キーレスロック操作スイッチ（９）をON操作
する。

この操作により、アンドゲート回路（20）の論理積によ
り、キーレスロック・タイマー回路（18）は動作を開始
して設定時間だけON信号を出力し続ける。

前記設定時間内において、ドア（２）を閉じて降車した
後に、そのまま、ドア（２）を閉じると、アンドゲート
回路（19）の出力端子からON信号が出力される。これに
より、アンドゲート回路（17）の入力端子（ａ）には、
キーレスロック・タイマー回路（18）からのON信号、入
力端子（ｂ）には、ドア閉止信号によるアンドゲート回
路（19）からのON信号、入力端子（Ｃ）には、ドアロッ
ク（１）が解錠状態のときの施解錠検出スイッチ（８）
からON信号がそれぞれ入力され、アンドゲート回路（1
7）の論理積を得て、モータ（13）が始動し、アクチュ
エータ（７）は施錠方向に作動して、ドアロック（１）
の施解錠機構（６）は施錠状態に作動し、ドア（２）は
自動的に施錠される。

ドアロック（１）が施錠されると、施解錠検出スイッチ
（８）は、OFFになり、モータ（13）の回転を停止す
る。

上述のように、車から降りる前に、キーレスロック操作
スイッチ（９）を操作してドア（２）を閉じると、ドア
ロック（１）は自動的に施錠される。

なお、キーレスロック・タイマー回路（18）の設定時間
経過後に、ドア（２）を閉じても、アクチュエータ
（７）は作動せず、ドアロック（１）が施錠されること
はない。

また、キーレスロック・タイマー回路（18）の設定時間
内において、ドア（２）を閉じる前に、アウターハンド
ル（５）を解除操作して、リセット・スイッチ（14）を
ONすると、キーレスロック・タイマー（18）は瞬時にし
て復帰し、キーレスロック操作スイッチ（９）の操作に
よるキーレスロック操作はリセットされ、その後、ドア
（２）を閉じても施錠されることはない。

イグニッション・キーシリンダ（11）にキーが挿入され
ているときは、キーレスロック操作スイッチ（９）を操
作しても、キーレスロック・タイマー回路（18）は動作
しないので、この状態ではキーレスロック操作はでき
ず、キーをイグニッション・キーシリンダ（11）に挿入
したままドア（２）を施錠してしまうことはない。

〔考案の効果〕

本考案によると、次ぎのような効果を奏することができ
る。

（ａ） 従来は、キーレスロック操作を行なう場合、ド
アを開いた状態で、ドアの車室内側に設けたロックノブ
を施錠状態にした後、ドアのアウターハンドルを解除操
作しながらドアを閉じる等の複雑な操作が必要であった
が、本願考案によると、イグニッション・キーシリンダ
からキーを抜き出した後、キーレスロック操作スイッチ
を押し、一定時間内にドアを開閉するという簡単な操作
を行なうだけで、キーレスロックが行なわれる。

したがって、例えば、雨天時に、荷物をもって車外へ出
ようとするような場合、従来はキーレスロック操作がき
わめて困難であったが、本願考案によると、車内でキー
レスロックに必要な操作をほぼ済ませた後に、荷物や傘
を手にもって降車し、その後体の一部を利用してドアを
閉めるだけで簡単にキーレスロックを行なうことがで
き、便利である。

（ｂ） また、イグニッション・キーシリンダからキー
を抜かなければキーレスロックができないので、キーを
イグニッション・キーシリンダに挿入したまま、ドアを
施錠してしまうキー忘れを未然に防止することができ
る。

（ｃ） さらに、キーレスロック・タイマー回路の設定
時間内に上記の操作を完了しなければ、キーレスロック
が無効になるので、キーレスロック操作を行っているこ
とを失念しても安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を備える自動車の斜視図、 第２図は、ドアロック及びアクチュエータの側面図、 第３図は、制御回路図である。 （１）ドアロック、（２）運転席側のドア （５）アウターハンドル、（６）施解錠機構 （７）アクチュエータ、（８）施解錠検出スイッチ （９）キーレスロック操作スイッチ、（10）イグニッシ
ョン・キー検出スイッチ （12）ドアスイッチ、（14）リセット・スイッチ （17）（19）（20）アンドゲート回路、（18）キーレス
ロック・タイマー回路 （21）（23）インバータ、（22）タイマー回路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】運転席のドアに設けられ、該ドアの施錠、
   解錠を行なう施解錠機構を有するドアロックと、該ドア
   ロックの施解錠機構を施錠、解錠作動させる電動式のア
   クチュエータと、車室内に設けたキーレスロック操作ス
   イッチと、イグニッション・キーシリンダにキーが挿入
   されていないことを検出可能なイグニッション・キー検
   出スイッチと、前記ドアが閉じている状態を検出可能な
   ドアスイッチと、前記イグニッション・キー検出スイッ
   チの検出時に、前記キーレスロック操作スイッチの操作
   により、所定時間ON信号出力可能なキーレスロック・タ
   イマー回路を有するとともに、該タイマー回路の設定時
   間内に前記ドアが開いた状態から閉じたことを前記ドア
   スイッチが検出したとき、前記アクチュエータを施錠方
   向に作動させて、前記ドアロックの施解錠機構を施錠さ
   せる制御回路とを備えることを特徴とする自動車用ドア
   ロックの施錠装置。