JPH07215878A - 骨粗そう症治療剤及び骨形成促進剤 - Google Patents

骨粗そう症治療剤及び骨形成促進剤

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JPH07215878A
JPH07215878A JP6031798A JP3179894A JPH07215878A JP H07215878 A JPH07215878 A JP H07215878A JP 6031798 A JP6031798 A JP 6031798A JP 3179894 A JP3179894 A JP 3179894A JP H07215878 A JPH07215878 A JP H07215878A
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osteoporosis
bone
therapeutic agent
mepithiostane
epithiostanol
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JP6031798A
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Kazuyoshi Iwai
一義 岩井
Hitoshi Arita
斉 有田
Hisato Kakushi
壽人 嘉久志
Masahiro Tougane
正博 頭金
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Shionogi and Co Ltd
Original Assignee
Shionogi and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 既知の骨粗そう症治療剤を凌駕する優れた骨
粗そう症治療作用を有する薬物を提供する。 【構成】 メピチオスタン(式I)及びエピチオスタノ
ール(式II)のうち少なくとも1つを有効成分とする骨
粗そう症治療剤及び骨形成促進剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、次の式(I)で表され
るメピチオスタン又はその体内代謝物である次の式(I
I)で表されるエピチオスタノールを主成分とする骨形
成促進剤及び骨粗そう症治療剤に関する。
【0002】
【化2】
【0003】
【従来の技術】骨粗そう症は、骨量が異常に減少するこ
とにより、骨折、骨破壊がほとんどの場合何の前兆もな
く発現する病気である。骨粗そう症は、日本人の最も多
くが罹患する病気であり、多くは壮年期以降の人に発現
するため、平均年齢の延長に伴う将来の老人化社会にお
いて特に問題視される病気として注目されている。
【0004】骨は生体内にあって、骨を作る骨芽細胞と
骨を壊す破骨細胞とが並行して働きながら骨形成と骨吸
収とを繰り返して骨のリモデリングを行うことが知られ
ている。骨吸収は、休止期にある骨の表面がホルモンや
サイトカイン等の刺激物質により刺激を受けると未知の
機序により破骨細胞に情報が伝達されて開始される。一
方、骨形成は、この破骨細胞によって吸収され破壊され
た骨が骨芽細胞によって修復されることにより行われ
る。正常な状態にある生体内では骨吸収の量と骨形成の
量とが平衡しており、この生体内の調和により骨は現状
を維持しつつ新しく生まれ変わることとなる。
【0005】しかしながら、壮年期以降においては、何
らかの原因により生理的に骨吸収の量が骨形成の量を上
回ることとなり、これが蓄積するか又は他の要因により
骨吸収量が骨形成量を異常に上回ることにより骨粗そう
症が発症する。従って、骨吸収を抑制し又は阻害するこ
とができれば骨粗そう症の治療に役立つことが予想さ
れ、また骨形成を促進することができれば骨粗そう症の
治療に役立つことが予想された。更に骨吸収抑制作用と
骨形成促進作用を同時に併せ持つ薬物は骨粗そう症治療
に極めて有用であることも予想された。
【0006】骨粗そう症治療剤は、既に上市されてお
り、例えば、カルシウム摂取量の低いことに起因してお
こる骨量減少に対しては、カルシウム摂取量を上げる目
的で例えば、アルファカルシドール等の活性型ビタミン
Dが用いられている。しかしながら、上記活性型ビタミ
ンDは、単にカルシウムを効率的に摂取させる効果しか
なく、食物として摂取されるビタミンDの量不足や腸管
でのカルシウム吸収障害に対する補充的療法に過ぎなか
った。また、用量を高くすると高カルシウム血症や腎毒
性等の毒性が問題となっていた。
【0007】上記破骨細胞から血中へのカルシウム放出
(すなわち骨吸収)を抑制する作用のある薬剤として、
体内に存在するペプチドであるカルシトニンが知られて
いる。カルシトニンはヒトに由来するヒトカルシトニ
ン、サケに由来するサケカルシトニンのほか、ブタ、ウ
ナギ型も上市されている。しかしながら、ヒトカルシト
ニンは精製するのが困難であり、バイオテクノロジー手
法による生産を模索している段階である。ヒトカルシト
ニンに類似したキメラ型カルシトニンの研究も行われて
いるが、確かな成果を上げるまでに至っていない。ま
た、ヒトカルシトニン以外のカルシトニンは抗原性が強
く、嘔吐、体重減少等の副作用が発現する問題点があっ
た。
【0008】副甲状腺ホルモン(PTH)は、血中カル
シウム濃度の低下を起因として副甲状腺から分泌される
生体物質であり、古くから骨量を増加させる作用のある
ことが知られていた単鎖ペプチドである。しかしながら
このものは、間欠投与においては骨量を増加させるもの
の、持続的に投与すると骨吸収を著しく増加させてしま
う。骨粗そう症の近年の研究により、骨粗そう症を骨生
検からみて、骨吸収及び骨形成が活発に行われている高
回転型骨粗そう症と、骨吸収及び骨形成が乏しい低回転
型骨粗そう症とに分類されることが判ってきた。上記の
PTHは、骨の代謝回転を昂進させ、骨量を増加させる
作用があり、このことから低回転型骨粗そう症にのみ適
用しうるものとされている。
【0009】ピロリン酸は石灰化抑制作用を有する物質
として知られていたが、このものの酸素を置換炭素で置
き換えたビスホスホネート誘導体(PO3 2 −C(R
1 )R2 −PO3 2 。R1 、R2 は水酸基、ハロゲ
ン、置換アルキル、置換アミノ、置換フェニルチオ等を
表す。)は、石灰化抑制作用のほか骨量減少抑制作用を
有していて骨粗そう症治療剤として期待されているが、
骨中濃度の半減期が極めて長く、骨軟化症の原因となる
問題点がある。
【0010】上記のほか、骨芽細胞から産生される骨中
ビタミンK依存蛋白質を活性化してカルシウム排泄を抑
制する作用があるとされるビタミンKを骨粗そう症治療
剤として適用する試みがあり、植物ムラサキウマゴヤシ
(アルファルファ)の有効成分(フラボノイド)の合成
誘導体であるイプリフラボンを骨量減少の改善の補助療
法として用いることも行われており、更にふっ素、ビタ
ミンD、カルシウム剤等を投与する試み等もあるが、骨
粗そう症を根本的に治療する有効な手段とはなり得てい
ない。
【0011】一方、生体内物質であるホルモンと骨粗そ
う症との関連が指摘されることは古くから行われてい
た。例えば、女性ホルモンであるエストロゲンが骨粗そ
う症治療効果があることはよく知られていた。しかしな
がらエストロゲンは、閉経後の異常不正出血の副作用が
知られ、また子宮内膜癌、乳癌等の発生に関与しており
その発癌性から骨粗そう症治療剤として使用することが
忌避されている。
【0012】エストロゲンに骨粗そう症治療作用がある
ところから、エストロゲンに化学構造が類似したステロ
イド系ホルモン及びこの誘導体に骨粗そう症治療作用を
維持しかつエストロゲンが有する副作用を軽減する物質
の創成が期待された。しかしながら、実質的にはこのよ
うな研究はまだ具体化されるに至っていない。
【0013】アンドロゲン、インスリン等の蛋白同化ホ
ルモンは、窒素蓄積を増加させ蛋白質合成を促進させる
作用があり、尿中へのカルシウム排泄の抑制作用により
骨量を増加させる効果があると思われているが、有効な
骨粗そう症治療作用は確認されていない。
【0014】特開平4−352795号公報には、ステ
ロイド系ホルモンを化学構造の一部として有するビスホ
スホネート誘導体が骨疾患の治療に有用である旨が開示
されている。しかしながら、当該公報には、この化合物
がいかなる骨疾患に有効であるのか、どのような具体的
化合物がどの程度の骨疾患治療作用を有するのかの試験
例の開示が全くない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記骨粗そう症治療剤
の現状に鑑み、本発明者らは、上記各種薬物を凌駕する
優れた骨粗そう症治療作用を有する薬物の創成を企図し
た。本発明の目的はここにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、偶然にも
式(I)で表されるメピチオスタン及び式(II)で表
されるエピチオスタノールが強力な骨粗そう症治療作用
を有することを見いだし本発明を完成した。本発明の要
旨は、骨粗そう症治療剤として、メピチオスタン及びエ
ピチオスタノールのうち少なくとも一つを有効成分とし
て使用するところにある。
【0017】本発明に係るメピチオスタンは、経口腎性
貧血用剤・抗乳腺腫瘍剤として公知の化合物である。メ
ピチオスタンは、骨髄に直接作用して造血効果を発揮す
るとともに、抗エストロゲン作用を発揮し、これにより
腎性貧血治療作用、乳腺腫瘍治療作用を発現するもので
ある。
【0018】メピチオスタンは、体内において代謝され
て式(II)で表されるエピチオスタノールに変化す
る。メピチオスタンは、エピチオスタノールのいわゆる
プロドラッグとして経口可能用剤としたものであって、
生体内においてはエピチオスタノールに変化して薬理作
用を発現するものと考えられている。エピチオスタノー
ルは、公知の化合物であって、筋注用剤としてメピチオ
スタンと同様、腎性貧血用剤・抗乳腺腫瘍剤として用い
られている。
【0019】メピチオスタン及びエピチオスタノール
は、既に医薬品として上市され、副作用及び臨床有効量
が認められた化合物であって、透析施行中の腎性貧血、
乳癌の治療に有効に用いられている。
【0020】メピチオスタン及びエピチオスタノールの
上記薬理作用は既に公知であるが、本発明に係る骨粗そ
う症治療作用は、その作用機序が全く異なり作用効果も
類推することができないことから、これら薬理作用から
は全く想到することができないものであった。本発明
は、メピチオスタン及びエピチオスタノールに関する第
二医薬用途発明に相当するものである。
【0021】本発明に係るメピチオスタン及びエピチオ
スタノールは、後に試験例を示して詳述するように、卵
巣摘出ラットの大腿骨灰化重量及びカルシウム含量の減
少を著しく抑制した。また本発明に係るメピチオスタン
及びエピチオスタノールは、坐骨神経切断ラットの大腿
骨カルシウム含量を著しく増加させた。本発明に係るメ
ピチオスタン及びエピチオスタノールが骨形成促進作用
を有することは明白である。
【0022】本発明に係るメピチオスタン及びエピチオ
スタノールの骨粗そう症治療作用がいかなる機序に基づ
くものであるかは必ずしも明確にはなっていないが、骨
形成を促進する作用があることは明確である。本発明に
係るメピチオスタン及びエピチオスタノールは、従っ
て、骨形成促進剤としても使用することができる。本発
明に係るメピチオスタン及びエピチオスタノールを骨粗
そう症治療剤又は骨形成促進剤として用いるときは、そ
れぞれ単独で用いてもよいし、併せて用いることもでき
る。
【0023】本発明に係るメピチオスタン及びエピチオ
スタノールを医薬として投与する場合、そのまま又は医
薬的に許容される無毒性かつ不活性の担体中に、例えば
0.1%〜99.5%、好ましくは、0.5%〜90%
含有する医薬組成物として、人を含む動物に投与され
る。
【0024】担体としては、固形、半固形、又は液状の
希釈剤、充填剤、及びその他の処方用の助剤一種以上が
用いられる。骨粗そう症治療剤は、投与単位形態で投与
することが望ましい。本発明の骨粗そう症治療剤は、静
脈内投与、経口投与、組織内投与、局所投与(点鼻、点
眼投与等)又は経直腸的に投与することができる。これ
らの投与方法に適した剤型で投与されるのはもちろんで
ある。経口投与が特に好ましい。
【0025】骨粗そう症治療剤としての用量は、年齢、
体重等の患者の状態、投与経路、病気の性質と程度等を
考慮した上で設定することが望ましいが、通常は、成人
に対して本発明の有効成分量として、1日あたり、経口
投与の場合、1〜50mg/ヒトの範囲、好ましくは5
〜20mg/ヒトの範囲が一般的である。場合によって
は、これ以下で充分であるし、また逆にこれ以上の用量
を必要とすることもある。また1日2〜4回に分割して
投与することもできる。
【0026】経口投与は固形又は液状の用量単位、例え
ば、末剤、散剤、錠剤、糖衣剤、カプセル剤、顆粒剤、
懸濁剤、液剤、シロップ剤、ドロップ剤、舌下錠その他
の剤型によって行うことができる。
【0027】末剤は活性物質を適当な細かさにすること
により製造される。散剤は活性物質を適当な細かさと
し、ついで同様に細かくした医薬用担体、例えば澱粉、
マンニトールのような可食性炭水化物その他と混合する
ことにより製造される。必要に応じ風味剤、保存剤、分
散剤、着色剤、香料その他のものを混じてもよい。
【0028】カプセル剤は、まず上述のようにして粉末
状となった末剤や散剤又は錠剤を顆粒化したものを、例
えばゼラチンカプセルのようなカプセル外皮の中へ充填
することにより製造される。滑沢剤や流動化剤、例えば
コロイド状のシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウム、固形のポリエチレングリ
コールのようなものを粉末状態のものに混合し、その後
充填操作を行うこともできる。崩壊剤や可溶化剤、例え
ばカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロ
ース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシスタ
ーチナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム等を
添加すれば、カプセル剤が摂取されたときの医薬の有効
性を改善することができる。
【0029】また、本品の微粉末を植物油、ポリエチレ
ングリコール、グリセリン、界面活性剤中に懸濁分散
し、これをゼラチンシートで包んで軟カプセル剤とする
ことができる。錠剤は粉末混合物を作り、顆粒化又はス
ラグ化し、ついで崩壊剤又は滑沢剤を加えたのち打錠す
ることにより製造される。
【0030】粉末混合物は、適当に粉末化された物質を
上述の希釈剤やベースと混合し、必要に応じ結合剤(例
えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロ
キシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルアルコール等)、溶解遅延化剤
(例えば、パラフィン、ワックス、硬化ヒマシ油等)、
再吸収剤(例えば、四級塩等)や吸着剤(例えばベント
ナイト、カオリン、リン酸ジカルシウム等)を併用して
もよい。
【0031】粉末混合物は、まず結合剤、例えばシロッ
プ、澱粉糊、アラビアゴム、セルロース溶液又は高分子
物質溶液で湿らせ、ついで篩を強制通過させて顆粒とす
ることができる。このように粉末を顆粒化するかわり
に、まず打錠機にかけたのち、得られる不完全な形態の
スラグを破砕して顆粒にすることもできる。
【0032】このようにして作られる顆粒は、滑沢剤と
してステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、ミネラル
オイルその他を添加することにより、互いに付着するこ
とを防ぐことができる。ついで、このように滑沢化され
た混合物を打錠する。こうして製造した素錠にフィルム
コーティングや糖衣を施すことができる。
【0033】また薬物は、上述のように顆粒化やスラグ
化の工程を経ることなく、流動性の不活性担体と混合し
た後直接打錠してもよい。シェラックの密閉被膜からな
る透明又は半透明の保護被覆、糖や高分子材料の被覆、
及び、ワックスよりなる磨上被覆等も用いることができ
る。
【0034】他の経口投与剤型、例えば溶液、シロッ
プ、エリキシル等もまたその一定量が薬物の一定量を含
有するように用量単位形態にすることができる。シロッ
プは、化合物を適当な香味水溶液に溶解して製造され、
またエリキシルは非毒性のアルコール性担体を用いるこ
とにより製造される。懸濁剤は、化合物を非毒性担体中
に分散させることにより処方される。可溶化剤や乳化剤
(例えば、エトキシ化されたイソステアリルアルコール
類、ポリオキシエチレンソルビトールエステル類)、保
存剤、風味賦与剤(例えば、ペパミント油、サッカリ
ン)その他もまた必要に応じ添加することができる。
【0035】必要に応じて、経口投与のための用量単位
処方はマイクロカプセル化してもよい。この処方はまた
被覆をしたり、高分子・ワックス等中に埋めこんだりす
ることにより作用時間の延長や持続放出をもたらすこと
もできる。
【0036】組織内投与は、皮下、筋肉又は静脈内注射
用とした液状用量単位形態、例えば溶液や懸濁剤の形態
を用いることによって行うことができる。これらのもの
は、化合物の一定量を、注射の目的に適合する非毒性の
液状担体、例えば水性や油性の媒体に懸濁し又は溶解
し、ついで該懸濁液又は溶液を滅菌することにより製造
される。又は、化合物の一定量をバイアルにとり、その
後バイアルとその内容物を滅菌し密閉してもよい。
【0037】投与直前に溶解又は混合するために、粉末
又は凍結乾燥した有効成分に添えて、予備的のバイアル
や担体を準備してもよい。注射液を等張にするために非
毒性の塩や塩溶液を添加してもよい。さらに安定剤、保
存剤、乳化剤のようなものを併用することもできる。
【0038】直腸投与は、化合物を低融点の水に可溶又
は不溶の固体、例えばポリエチレングリコール、カカオ
脂、高級エステル類(例えばパルミチン酸ミリスチルエ
ステル)及びそれらの混合物を混じた坐剤を用いること
によって行うことができる。
【0039】
【実施例】以下に本発明に係る化合物の試験例及び製剤
例を掲げて本発明をさらに詳しく説明する。
【0040】試験例 1)使用動物 動物はJcl−Wistar系及びJcl−Sprag
ue Dawley(SD)系の生後4ケ月齢及び7ケ
月齢の雌性ラット(日本クレア)を用い、飼料(市販
品、CE−2、日本クレア)及び飲料水は自由に摂取さ
せた。 2)被検薬及び比較薬 被検薬のメピチオスタン及びエピチオスタノールはゴマ
油に溶解した。比較薬のテストステロン・プロピオン酸
(東京化成工業社製)はゴマ油に溶解し、オキシメトロ
ン(Syntex Pharmacueticals
International Ltd.社製)はゴマ油
に縣濁した。ビタミンK2 は市販品(10mg/ml;
エーザイ社製)をそのまま、そして1α,25(OH)
2 3 は市販品(和光純薬工業社製)を1mg/mlの
濃度にエタノールに溶解し、用時注射用蒸留水(大塚製
薬社製)で希釈した。エストラジオール−17β(Si
gma社製)は生理食塩水に縣濁した。
【0041】3)投与方法及び投与方式 メピチオスタン、オキシメトロン及びビタミンK2 は1
日1回、連続経口投与、エストラジオール−17βは1
日1回、連続皮下注射した。エピチオスタノール及びテ
ストステロン・プロピオン酸は隔日の週3回、皮下注射
し、1α,25(OH)2 3 は隔日の週3回、経口投
与した。なお、投与容量はいずれの薬物とも1ml/k
gであった。
【0042】4)実験的骨量減少モデルの作製 a)卵巣摘出モデル 動物はペントバルビタール・ナトリウム(Somnop
entyl;Pitman Moore)を腹腔内投与
し麻酔下にて背部より両側卵巣を摘出した。生後4ケ月
齢ラット(Wistar系及びSD系)は卵巣摘出、1
ケ月後から被検薬又は比較薬を1日1回、60日間連続
又は隔日の週3回、9週間投与した。生後7ケ月齢ラッ
ト(SD系)は卵巣摘出後、大腿骨カルシウム量の低下
した3ケ月後から被検薬又は比較薬を1日1回、90日
間連続又は隔日の週3回、13週間投与した。最終投与
の翌日、大腿骨を摘出し筋肉組織を除去し湿重量を測定
した。 b)卵巣摘出及び坐骨神経切断モデル 生後7ケ月齢ラット(Wistar系)の両側卵巣を摘
出し、さらに右側坐骨神経を大腿骨中央部で約5〜10
mm切除した。被検薬及び対照薬物は手術日から1日1
回、90日間連続投与した。 5)大腿骨の灰化重量及びカルシウム含量の測定 大腿骨はクロロホルム・エタノール(2:1)溶液で脱
脂(3時間、2回)後、110℃で24時間乾燥した。
乾燥した大腿骨は電気炉(250℃、400℃、600
℃、各1時間、800℃で5時間)で灰化し重量を測定
した後、1N塩酸に溶解した。大腿骨のカルシウム量は
カルシウム測定用試薬(カルシウムC−テストワコー;
和光純薬工業社製)を用いて比色定量した。
【0043】実験結果 1)卵巣摘出ラット(生後4ケ月齢)の大腿骨カルシウ
ム含量に対する被検薬及び比較薬の効果 SD系ラット(体重296〜356g)の卵巣摘出1ケ
月後からメピチオスタン及びオキシメトロンを60日間
連続経口投与した場合の成績を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】メピチオスタンは0.2mg/kg/日及
び1mg/kg/日の投与で卵巣摘出による大腿骨灰化
重量及びカルシウム含量の減少を有意に抑制した。一
方、オキシメトロンも10及び50mg/kg/日で有
意に抑制した。Wistar系ラット(体重228〜2
73g)の卵巣摘出1ケ月後からエピチオスタノール、
テストステロン、プロピオン酸及び1α,25(OH)
2 3を週3回、9週間投与した場合の成績を表2に示
した。いずれの薬物とも卵巣摘出による大腿骨の灰化重
量及びカルシウム含量の減少を有意に抑制した。
【0046】
【表2】
【0047】2)卵巣摘出ラット(生後7ケ月齢)の大
腿骨カルシウム含量に対する被検薬及び比較薬の効果 SD系ラット(体重333〜468g)の卵巣を摘出
し、大腿骨カルシウム含量の減少した3ケ月後からメピ
チオスタン、オキシメトロン及びビタミンK2 を90日
間連続経口投与、そして1α,25(OH)2 3 は週
3回、13週間経口投与した場合の成績を表3に示し
た。
【0048】
【表3】
【0049】メピチオスタンは1mg/kg/日投与で
卵巣摘出対照群に対し大腿骨カルシウム含量を有意に増
加させた。オキシメトロン(10mg/kg/日)及び
ビタミンK2 (10mg/kg/日)も有意な増加を示
したが、1α,25(OH)2 3 の本投与量では増加
はみられなかった。
【0050】3)卵巣摘出及び坐骨神経切断ラット(生
後7ケ月齢)の大腿骨カルシウム含量に対する被検薬及
び比較薬の効果 Wistar系ラット(体重248〜298g)の卵巣
摘出及び右側坐骨神経切断当日からメピチオスタン及び
エストラジオール−17βを90日間連続投与した場合
の成績を表4に示した。
【0051】
【表4】
【0052】メピチオスタンは1mg/kg/日投与で
卵巣摘出及び坐骨神経切断対照群に対して大腿骨カルシ
ウム含量を有意に増加させた。一方、エストラジオール
−17β(10μg/kg/日)もメピチオスタンと同
様に有意な増加を示した。
【0053】製剤例1 メピチオスタン 5.0mg マクロゴール400 134.7mg パラオキシ安息香酸エチル 0.2mg パラオキシ安息香酸プロピル 0.1mg ポリオキシエチレン硬化ひまし油60 10.0mg 計 150.0mg マクロゴール400にパラオキシ安息香酸エチル、パラ
オキシ安息香酸プロピル及びポリオキシ硬化ひまし油を
溶解した溶液にメピチオスタンを加えて溶解した液を、
軟カプセルに常法により充填し、カプセル剤とした。
【0054】製剤例2 メピチオスタン 5mg 乳糖 530mg マンニトール 220mg ヒドロキシプロピルセルロース 40mg 含水二酸化ケイ素 10mg 計 805mg ヒドロキシプロピルメチルセルロースを除く上記処方成
分を均一に混合する。これにヒドロキシプロピルセルロ
ース8%(w/w)水溶液を結合剤として湿式造粒を行
い、細粒剤とした。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式(I)で表されるメピチオスタン
    及び次の式(II)で表されるエピチオスタノールのう
    ち少なくとも1つを有効成分とする骨粗そう症治療剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載のメピチオスタン及びエピ
    チオスタノールのうち少なくとも一つを有効成分とする
    骨形成促進剤。
JP6031798A 1994-02-02 1994-02-02 骨粗そう症治療剤及び骨形成促進剤 Pending JPH07215878A (ja)

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