JPH07207018A - ポリカーボネートの製造法 - Google Patents
ポリカーボネートの製造法Info
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- JPH07207018A JPH07207018A JP6006496A JP649694A JPH07207018A JP H07207018 A JPH07207018 A JP H07207018A JP 6006496 A JP6006496 A JP 6006496A JP 649694 A JP649694 A JP 649694A JP H07207018 A JPH07207018 A JP H07207018A
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Abstract
造するに際して、重合終了後に3価の燐化合物を添加す
る。 【効果】 重合時の着色が消失し色相の良好なポリカー
ボネートを得る。
Description
法によるポリカーボネートの製造方法に関する。詳しく
は、色相の優れた芳香族ポリカーボネートの製造法に関
する。
化合物とを反応させてポリカーボネートを製造するいわ
ゆるエステル交換法は、工程が比較的単純であり、操
作、コスト面でホスゲン法(界面重合法)に比べ優位性
が発揮できるだけでなく、毒性の強いホスゲンや塩化メ
チレン等のハロゲン系溶剤を使用しないという安全性、
環境保全の面からも最近見直されている。
造されるポリカーボネートには物性面でいくつかの欠点
を有しており、特に、ホスゲン法のポリカーボネートと
比べた場合、色相が劣っていることが大きな問題点の一
つであり、現状では、エステル交換法は大規模な工業プ
ロセスとして採用されるに至っていない。
の検討がされている。例えば、触媒の改良(特開昭55
−142025、特開平2−124934、特開平2−
212518)、反応器材質及び表面処理の検討(米国
特許第4383092、特開平4−7328、特開平4
−72327)、重合プロセス及び重合装置の検討(特
開昭61−62522、特開平2−153923)。
れに一長一短があり、十分に色相の優れたポリカーボネ
ートを得ることが困難であるのが現状である。
法が提案されている(特開平4−77549、特開平4
−328124)。しかし、これらの方法は、重合後の
耐熱物性等を向上させることを目的としており、重合中
に発生する着色を改善させるものではない。
換法により優れた色相の芳香族ポリカーボネートを製造
する方法を提供するものである。
情に鑑み多角的な検討を行った結果、重合中の着色原因
について新規な知見を見いだすとともに、その知見に基
づく検討の結果、驚くべきことに、重合反応時に着色が
見られても重合後に脱色が可能であることを解明し、本
発明を完成するに至った。
ドロキシアリール化合物とを反応させてポリカーボネー
トを製造するに際し、重合反応終了後に3価の燐化合物
を添加することを特徴とする芳香族ポリカーボネートの
製造法に係わるものである。
としては、亜燐酸及び亜燐酸ナトリウム、亜燐酸カリウ
ム、亜燐酸アンモニウムのような無機亜燐酸及び塩類、
ジメチルホスファイト、トリメチルホスファイト、ジエ
チルホスファイト、トリエチルホスファイト、ジブチル
ホスファイト、トリブチルホスファイト、、ジプロピル
ホスファイト、トリプロピルホスファイト、ジペンチル
ホスファイト、トリペンチルホスファイト、ジノニルホ
スファイト、トリノニルホスファイト、ジデシルホスフ
ァイト、トリデシルホスファイト、ジオクタデシルホス
ファイト、トリオクタデシルホスファイトなどの亜燐酸
アルキルエステル類、ジフェニルホスファイト、トリフ
ェニルホスファイト、トリス(エチルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
トリス(ヒドロキシフェニル)ホスファイトなどの亜燐
酸アリールエステル類、ジフェニルオクチルホスファイ
ト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジデシル
ホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシル)ホスファ
イト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデ
シルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
4,4’−イソプロピリデン−ジフェノールアルキルホ
スファイトなどの亜燐酸アリールアルキルエステル類、
エチルホスフィン、ジエチルホスフィン、トリエチルホ
スフィン、プロピルホスフィン、ジイソプロピルホスフ
ィン、ジイソアミルホスフィンなどのアルキルホスフィ
ン類、フェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、ト
リフェニルホスフィン、トリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニ
ル)ホスフィン、などのアリールホスフィン類、ジフェ
ニルメチルホスフィン、フェニルジメチルホスフィンな
どのアリールアルキルホスフィン類などが挙げられる
が、特に、沸点及び安定性の点より亜燐酸アリールエス
テル類及び亜燐酸アリールアルキルエステル類が好適で
ある。
く、または二種以上を併用してもよく、ポリカーボネー
トに対して、0.001〜0.5重量%、好ましくは
0.01〜0.1重量%を添加する。
は、重合反応が終了した後であればいつでもよい。具体
的には、反応終了直後の溶融状態時に添加する方法、一
旦冷却固化後、必要な時に再度、溶解添加する方法等が
挙げられる。
分散を考慮すると、溶剤、樹脂等に希釈した形態で添加
する方法が好適である。また、添加に際しては必要に応
じて抗酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤等を併用添加
してもよい。
記の一般式(1)で表わされる化合物である。
テルは、例えば、ジフェニルカーボネートおよび置換ジ
フェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジトリ
ルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等が例示
されるが、特に好ましくはジフェニルカーボネート、置
換ジフェニルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸
ジエステルは、単独あるいは二種以上を混合して用いて
もよい。
に、好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは30
モル%以下のジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステ
ルを使用してもよい。このようなジカルボン酸あるいは
ジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェ
ニル等が用いられる。このようなカルボン酸あるいはカ
ルボン酸エステルを炭酸ジエステルと併用した場合に
は、ポリエステルカーボネートが得られる。
化合物は下記一般式(2)で表わされる化合物である。
価の炭化水素基、ハロゲン置換の2価炭化水素基または
−S−、−S2−、−SO2−、−SO−、−O−、およ
び−CO−のごとき2価の基を示し、Xはハロゲン原
子、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜18のア
リール基、炭素数1〜8のオキシアルキル基および炭素
数6〜18のオキシアリール基を示す。mは0または1
であり、yは0〜4の整数である)
シアリール化合物は例えば、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフ
ェニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’
−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニ
トロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、5−クロロ−2,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルジ
スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジエトキシ
ジフェニルエーテル等が例示される。これらのジヒドロ
キシアリール化合物は単独あるいは2種以上を混合して
用いることができ、必要に応じて共重合体とすることも
できる。
リカーボネートを製造するに際しては、重合触媒とし
て、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物
が用いられる。
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナト
リウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウ
ム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、
水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、
安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチ
ウム、燐酸水素2ナトリウム、燐酸水素2カリウム、フ
ェニル燐酸2ナトリウム、フェニル燐酸2カリウム、フ
ェニル燐酸2リチウム、ビスフェノールAの2ナトリウ
ム塩、2カリウム塩、2リチウム塩、フェノールのナト
リウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられる。
カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水
酸化ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、
炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸水素カル
シウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭
酸水素ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウ
ム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げら
れる。
た、他種の触媒と併用してもよい。アルカリ金属化合物
またはアルカリ土類金属化合物の使用量としては、原料
であるジヒドロキシアリール化合物1モルに対し、10
-9〜10-3モル、好ましくは10-7〜10-5モルの範囲
で用いられる。
よりポリカーボネートを製造するに際しては、反応混合
物および/または反応副生物および/または原料モノマ
ーの接触する部分の材質が、ニッケル含有量12重量%
以上かつクロム含有量22重量%以上のステンレス鋼で
ある反応装置を用いることが好適である。
には、例えばSUS−309、SUS−309S(ニッ
ケル含有量12〜15重量%、クロム含有量22〜24
重量%)、SUS−310、SUS−310S(ニッケ
ル含有量19〜22重量%、クロム含有量24〜26重
量%)、SUS−314(ニッケル含有量19〜22重
量%、クロム含有量23〜26重量%)等が挙げられ、
バフ研磨、電解研摩、化学研摩等の表面処理を施しても
よい。
多段工程で実施される。具体的には、第1段目の反応を
120〜260℃、好ましくは180〜240℃の温度
で0〜5時間、好ましくは0.5〜3時間反応させる。
ついで反応系の減圧度を上げながら反応温度を高め、最
終的には1mmHg以下の減圧下、240〜320℃の
温度で重縮合反応を行う。
バッチ式と連続式の組合せのいずれの方法でもよく、使
用する装置は、槽型、管型あるいは塔型のいずれの型式
であってもよい。
るが、本発明は以下の実施例になんらの制限を受けるも
のではない。なお、得られたポリカーボネートの評価
は、以下の方法により行なった。
限粘度[η]を測定し、以下の式より求めた。 [η]=1.23×10-4(Mv)0.83
により比色定量を行った。
厚の射出成形品を製作し、東京電色製比色計を用いてY
I値を測定した。(値が小さい方が色相が良好)
−310S製である反応装置に、ジフェニルカーボネー
ト11.03kg(51.5モル)、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン〔=ビスフェノール
A〕 11.42kg(50.0モル)および水酸化ナ
トリウム7.50×10-5モルを仕込み、窒素雰囲気
下、180℃で1時間保持した後、減圧度を100mm
Hgに調整すると共に、25K/hrの速度で280℃
まで昇温し、280℃を2時間保持した。昇温開始後2
時間経過時に反応容器内の減圧度を50mmHgとし、
さらにその1時間経過後に減圧度を10mmHgとし、
さらにその30分後に減圧度を1mmHg以下とし、攪
拌下合計7時間反応を行った。反応終了後、反応器内に
窒素を吹き込み常圧に戻し、反応器より約2kgのポリ
カーボネートを取り出しペレタイザーによりペレットと
した。
重量%添加されたマスターバッチペレットを用い、ポリ
カーボネート中のトリフェニルホスファイト濃度が0.
05重量%になるよう反応器に添加し、280℃で10
分間撹拌混合した後、反応器よりポリカーボネートを取
り出しペレタイザーによりペレットとした。
リカーボネートの分子量、末端OH量、色相(YI値)
を表−1に示す。
価の燐化合物を添加した以外は、実施例1と同様の方法
でポリカーボネートを製造した。評価結果を表−1に示
す。
外は、実施例1と同様の方法でポリカーボネートを製造
した。評価結果を表−2に示す。
ル ホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン (8)トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト (9)4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t
−ブチルフェニル−ジトリデシル)ホスファイト (10)亜燐酸 (11)トリフェニルホスフィン (12)トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン
ート (4) トリ−p−トリルホスフェート (5) トリフェニルホスフィンオキシド
法によりポリカーボネートを製造すに際して、重合反応
終了後に3価の燐化合物を添加することで重合中に生ず
る着色が消え、優れた色相のポリカーボネートを製造す
ることが可能となり、工業的にも極めて有効な方法であ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 炭酸ジエステルとジヒドロキシアリール
化合物とを反応させてポリカーボネートを製造するに際
し、重合反応終了後に3価の燐化合物を添加することを
特徴とするポリカーボネートの製造法。 - 【請求項2】 3価の燐化合物を0.001〜0.5重
量%添加することを特徴とする請求項1記載のポリカー
ボネートの製造法。 - 【請求項3】 ジヒドロキシアリール化合物1モルに対
して、1×10-9 〜1×10-3 モルのアルカリ金属
化合物またはアルカリ土類金属化合物を触媒として用い
ることを特徴とする請求項1記載のポリカーボネートの
製造法。 - 【請求項4】 反応混合物、反応副生物および/または
原料モノマーの接触する部分の材質が、ニッケル含有量
12重量%以上でかつクロム含有量22重量%以上であ
るステンレス鋼である反応装置を用いることを特徴とす
る請求項1記載のポリカーボネートの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6006496A JPH07207018A (ja) | 1994-01-25 | 1994-01-25 | ポリカーボネートの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6006496A JPH07207018A (ja) | 1994-01-25 | 1994-01-25 | ポリカーボネートの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07207018A true JPH07207018A (ja) | 1995-08-08 |
Family
ID=11640073
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6006496A Pending JPH07207018A (ja) | 1994-01-25 | 1994-01-25 | ポリカーボネートの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07207018A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002097264A (ja) * | 2000-09-26 | 2002-04-02 | Teijin Ltd | ポリカーボネートの製造方法 |
JP2013523927A (ja) * | 2010-04-01 | 2013-06-17 | バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | 改良された熱エージングを有する溶融ポリカーボネート |
JP7260724B1 (ja) * | 2021-11-04 | 2023-04-18 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
WO2023079843A1 (ja) * | 2021-11-04 | 2023-05-11 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
-
1994
- 1994-01-25 JP JP6006496A patent/JPH07207018A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002097264A (ja) * | 2000-09-26 | 2002-04-02 | Teijin Ltd | ポリカーボネートの製造方法 |
JP2013523927A (ja) * | 2010-04-01 | 2013-06-17 | バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | 改良された熱エージングを有する溶融ポリカーボネート |
JP7260724B1 (ja) * | 2021-11-04 | 2023-04-18 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
WO2023079843A1 (ja) * | 2021-11-04 | 2023-05-11 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
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