JPH07118381A - ポリカーボネートの製造法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造法

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JPH07118381A
JPH07118381A JP26258193A JP26258193A JPH07118381A JP H07118381 A JPH07118381 A JP H07118381A JP 26258193 A JP26258193 A JP 26258193A JP 26258193 A JP26258193 A JP 26258193A JP H07118381 A JPH07118381 A JP H07118381A
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polycarbonate
bis
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hydroxyphenyl
reaction
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JP26258193A
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English (en)
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Katsushige Hayashi
勝茂 林
Mitsuhiko Masumoto
光彦 増本
Masahiko Ishikawa
雅彦 石川
Tsutomu Kawakami
勉 川上
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱安定性、特に耐熱色相の優れたポリカーボ
ネートを提供する。 【構成】 エステル交換法によりポリカーボネートを製
造するに際して、特定の構造を有する燐酸エステル化合
物を0.01〜0.5重量%添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆるエステル交換
法によるポリカーボネートの製造方法に関する。詳しく
は、熱安定性に優れた芳香族ポリカーボネートの製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】炭酸ジエステルとジヒドロキシアリール
化合物とを反応させてポリカーボネートを製造するいわ
ゆるエステル交換法は、工程が比較的単純であり、操
作、コスト面でホスゲン法(界面重合法)に比べ優位性
が発揮できるだけでなく、毒性の強いホスゲンや塩化メ
チレン等のハロゲン系溶剤を使用しないという点におい
て環境保全の面からも最近見直されている。
【0003】しかしながら、現在、エステル交換法は大
規模な工業プロセスとして採用されていない。その原因
は、従来のエステル交換法で製造されるポリカーボネー
トには物性面でいくつかの欠点を有しているからであ
り、特に、加熱による色相の悪化が大きな問題点となっ
ている。
【0004】この問題を解決するために、これまで種々
の検討がされている。例えば、触媒の改良(特開昭55
−142025、特開平2−124934、特開平2−
212518)、反応器材質及び表面処理の検討(米国
特許第4383092、特開平4−7328、特開平4
−72327)、重合プロセス及び重合装置の検討(特
開昭61−62522、特開平2−153923)、安
定剤の検討(特開平4−15223、特開平4−152
23、特開平4−36344、特開平4−41525)
等が挙げられる。しかしながら、上記したような方法で
も未だ十分な耐熱性に優れた物性を有したポリカーボネ
ートを得ることは困難でる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加熱溶融処
理を行っても高い透明性と良好な色相を維持する熱安定
性の優れたエステル交換法芳香族ポリカーボネートの製
造法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み、鋭意検討を行った結果、特定の構造を有した燐
酸エステル化合物をエステル交換法で得たポリカーボネ
ートに添加することにより、極めて優れた耐熱物性を付
与できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、炭酸ジエステルとジ
ヒドロキシアリール化合物とを反応させてポリカーボネ
ートを製造するに際して、下記一般式(1)で示される
燐酸エステル化合物を0.01〜0.5重量%添加する
ことを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造法。
【化2】
【0008】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 は炭素数
12〜15のアルキル基で、同一であっても異なってい
てもよい)
【0009】本発明に用いられる燐酸エステル化合物と
しては前記一般式(1)を満足するものであれば特に限
定されず、具体例としては、例えば4,4’−イソプロ
ピリデンジフェノールアルキルホスファイト(旭電化工
業製 商品名アデカスタブ1500)が挙げられる。ま
た、使用に当たっては紫外線吸収剤や抗酸化剤などの他
の添加剤との併用も可能である。。
【0010】この燐酸エステル化合物の添加量は、ポリ
カーボネートに対して0.01〜0.5重量%、望まし
くは0.01〜0.1重量%であり、これより少ないと
所望の効果が得られず、過剰では、機械的物性の低下や
白濁が発生するなど適当ではない。ポリカーボネートへ
の燐酸エステル化合物の添加時期、添加方法について特
に制限はないが、例えば、重合反応の途中または重合反
応の終了時にポリカーボネート等で希釈した燐酸エステ
ル化合物のマスターバッチペレットを添加する方法が挙
げられる。
【0011】本発明で用いられる炭酸ジエステルは、下
記の一般式(2)で表わされる化合物である。
【化3】
【0012】(式中Arは1価の脂肪族または1価の芳
香族基であり、Arは同一であっても異なっていてもよ
い)
【0013】上記一般式(2)で表わされる炭酸ジエス
テルは、例えば、ジフェニルカーボネートおよび置換ジ
フェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジトリ
ルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等が例示
されるが、特に好ましくはジフェニルカーボネート、置
換ジフェニルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸
ジエステルは、単独あるいは2種以上を混合して用いて
もよい。
【0014】本発明で用いられるジヒドロキシアリール
化合物は下記一般式(3)で表わされる化合物である。
【化4】
【0015】(式中、Aは1〜15の炭素数を有する2
価の炭化水素基、ハロゲン置換の2価炭化水素基または
−S−、−S2 −、−SO2 −、−SO−、−O−、お
よび−CO−のごとき2価の基を示し、Xはハロゲン原
子、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜18のア
リール基、炭素数1〜8のオキシアルキル基および炭素
数6〜18のオキシアリール基を示す。mは0または1
であり、yは0〜4の整数である)
【0016】上記一般式(3)で表わされるジヒドロキ
シアリール化合物は例えば、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフ
ェニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’
−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニ
トロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、5−クロロ−2,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルジ
スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジエトキシ
ジフェニルエーテル等が例示される。これらのジヒドロ
キシアリール化合物は単独あるいは2種以上を混合して
用いることができ、必要に応じて共重合体とすることも
できる。
【0017】本発明においてエスエル交換反応によりポ
リカーボネートを製造するに際しては、重合触媒が使用
される。用いられる触媒に特に制限はなく、従来からエ
ステル交換反応に使用される触媒が使用でき、それらは
単独でも二種以上の多元系触媒でもよい。
【0018】これらの触媒としては、例えば、アルカリ
金属化合物またはその塩、アルカリ土類金属化物、また
はその塩、有機の塩基性化合物、金属アルコキシド、そ
の他有機金属化合物などが挙げられる。実用的には、ア
ルカリ金属化合物またはその塩を用いるのが安価で好ま
しい。
【0019】エステル交換反応は一般には二段階以上の
多段工程で実施される。具体的には、第1段目の反応は
減圧下に120〜260℃、好ましくは180〜240
℃の温度で0〜5時間、好ましくは0.5〜3時間反応
させる。ついで反応系の減圧度を上げながら反応温度を
高め、最終的には1mmHg以下の減圧下、240〜3
20℃の温度で重縮合反応を行う。
【0020】上記の反応は、バッチ式、連続式あるいは
バッチ式と連続式の組合せのいずれの方法でもよく、使
用する装置は、槽型、管型あるいは塔型のいずれの型式
であってもよい。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例になんらの制限を受けるも
のではない。なお、得られたポリカーボネートの評価
は、以下の方法により行なった。
【0022】(1)分子量 ウベローデ粘度計を用いて、塩化メチレン中20℃の極
限粘度[η]を測定し、以下の式より求めた。 [η]=1.11×10-4(Mv)0.83
【0023】(2)末端OH量 四塩化チタン/酢酸法(Makromol Chem.88 215(1965))
により比色定量を行った。
【0024】(3)色相 得られたポリカーボネートより80mmφ、1/8イン
チ厚の射出成形品を製作し、東京電色製比色計を用いて
透過b値及びYI値を測定した。(値が小さい方が色相
が良好)
【0025】(4)加熱溶融後の色相 得られたポリカーボネートを系内水分量300ppmに
調湿し、窒素気流下340℃で1時間攪拌溶融後、ペレ
ット化し(3)の方法で色相測定を行った。
【0026】実施例 1 ジフェニルカーボネート22.06kg(103.0モ
ル)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン〔ビスフェノールA〕22.84kg(100.0モ
ル)および水酸化ナトリウム15.0×105 モルを反
応容器に仕込み、窒素雰囲気下、180℃で0.5時間
保持した後、減圧度を100mmHgにすると同時に2
5K/hrの速度で280℃まで昇温を行った。昇温開
始後1時間15分経過時に反応容器内の減圧度を50m
mHgとし、さらにその1時間経過後に減圧度を1mm
Hg以下とし、合計6時間攪拌下に反応を行った。反応
終了後、反応器よりポリカーボネートを取り出しペレタ
イザーによりペレットとした。得られたポリカーボネー
トは、Mv=17,800、末端OH=0.011重量
%、b値=0.47、YI値=1.17であった。
【0027】次に4,4’−イソプロピリデンジフェノ
ールアルキル(C12〜C15)ホスファイト(旭電化製
商品名アデカスタブ1500)が5重量%添加されたポ
リカーボネートマスターバッチペレットを用い、その濃
度が0.05重量%になるよう二軸押出機を用いて、得
られたポリカーボネートペレットと溶融混合を行い、再
度ペレットとした。得られたポリカーボネート組成物の
b値=0.48、YI値=1.18であった。さらに溶
融加熱後の色相はb値=0.51、YI値=1.30と
その変化は非常に小さかった。
【0028】実施例 2 実施例1で使用した燐酸エステル化合物の添加濃度を
0.07重量%とした以外は実施例1と同様の方法でポ
リカーボネート組成物のペレットを製造し色相評価を行
った。結果を表−1に示す。
【0029】実施例 3 実施例1で使用した燐酸エステル化合物の添加濃度を
0.02重量%とした以外は実施例1と同様の方法でポ
リカーボネート組成物のペレットを製造し色相評価を行
った。結果を表−1に示す。
【0030】比較例 1 実施例1で使用した燐酸エステル化合物を添加せずに、
実施例1と同様の方法でポリカーボネートペレットを製
造し色相評価を行った。結果を表−1に示す。
【0031】比較例 2 実施例1で使用した燐酸エステル化合物の添加濃度を
2.0重量%とした以外は実施例1と同様の方法でポリ
カーボネート組成物のペレットを製造し色相評価を行っ
た。結果を表−1に示す。
【表1】
【0032】
【本発明の効果】本発明の方法によれば、特定の構造を
有する燐酸エステル化合物を添加することにより加熱溶
融を行っても優れた色相を維持するポリカーボネートを
製造することができ、工業的にも極めて有効な方法であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 川上 勉 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸ジエステルとジヒドロキシアリール
    化合物とを反応させてポリカーボネートを製造するに際
    して、下記一般式(1)で示される燐酸エステル化合物
    を0.01〜0.5重量%添加することを特徴とする芳
    香族ポリカーボネートの製造法。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 は炭素数12〜15の
    アルキル基で、同じであっても異なっていてもよい)。
JP26258193A 1993-10-20 1993-10-20 ポリカーボネートの製造法 Pending JPH07118381A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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