JP3181758B2 - 芳香族ポリエステルの製造方法 - Google Patents
芳香族ポリエステルの製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリエステルの
製造方法に関する。更に詳しくは、耐熱性、靭性、耐溶
剤性、耐ストレスクラック性および色調に優れた非晶性
芳香族ポリエステルの製造方法に関する。
製造方法に関する。更に詳しくは、耐熱性、靭性、耐溶
剤性、耐ストレスクラック性および色調に優れた非晶性
芳香族ポリエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年耐熱性が高く機械的強度の優れたエ
ンジニアリングプラスチックに対する要求性能が高まっ
ている。非晶性エンジニアリングプラスチックの1つに
2価のフェノールと芳香族ジカルボン酸に由来するポリ
エステルであるポリアリレートである。例えば、2価の
フェノールとして2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(以下ビスフェノールAと略す。)芳香族
ジカルボン酸としてテレフタル酸とイソフタル酸よりな
るポリアリレートは、比較的バランスのとれた特性を有
しており、各種の用途に用いられている。しかし、この
ポリマーは、200℃以上で用い得る耐熱性はないこ
と、また大多数の有機溶媒に侵されることなどから、そ
の使用範囲が限定されている。
ンジニアリングプラスチックに対する要求性能が高まっ
ている。非晶性エンジニアリングプラスチックの1つに
2価のフェノールと芳香族ジカルボン酸に由来するポリ
エステルであるポリアリレートである。例えば、2価の
フェノールとして2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(以下ビスフェノールAと略す。)芳香族
ジカルボン酸としてテレフタル酸とイソフタル酸よりな
るポリアリレートは、比較的バランスのとれた特性を有
しており、各種の用途に用いられている。しかし、この
ポリマーは、200℃以上で用い得る耐熱性はないこ
と、また大多数の有機溶媒に侵されることなどから、そ
の使用範囲が限定されている。
【0003】特開平5―9274号公報には2,6―ナ
フタレンジカルボン酸とビスフェノールAとから主とし
てなるポリエステルの製造方法について報告されてい
る。このポリエステルは熱変形温度が高く、耐熱性、耐
薬品性に優れている。しかしながら、このポリエステル
をジカルボン酸とジオールから直接溶融重合で得ようと
すると、着色が激しくまた重合速度も小さいため、実用
的ではない。そのため、実際にはあらかじめジカルボン
酸成分のジアリールエステルとジオールを反応させる方
法(1)や、ジカルボン酸とジオールの低級脂肪族カル
ボン酸エステルを反応させる方法(2)、方法(2)の
別法としてジカルボン酸とジオールを反応させる際に低
級脂肪族カルボン酸無水物を加える方法(3)が用いら
れている。しかし、方法(1)(2)では原料をあらか
じめエステル化せねばならず、コスト高の原因となって
いる。また、方法(2)(3)では反応中に低級脂肪族
カルボン酸が生じるため装置が腐食しやすく、また得ら
れたポリマーも末端COOH濃度が多いという問題があ
る。
フタレンジカルボン酸とビスフェノールAとから主とし
てなるポリエステルの製造方法について報告されてい
る。このポリエステルは熱変形温度が高く、耐熱性、耐
薬品性に優れている。しかしながら、このポリエステル
をジカルボン酸とジオールから直接溶融重合で得ようと
すると、着色が激しくまた重合速度も小さいため、実用
的ではない。そのため、実際にはあらかじめジカルボン
酸成分のジアリールエステルとジオールを反応させる方
法(1)や、ジカルボン酸とジオールの低級脂肪族カル
ボン酸エステルを反応させる方法(2)、方法(2)の
別法としてジカルボン酸とジオールを反応させる際に低
級脂肪族カルボン酸無水物を加える方法(3)が用いら
れている。しかし、方法(1)(2)では原料をあらか
じめエステル化せねばならず、コスト高の原因となって
いる。また、方法(2)(3)では反応中に低級脂肪族
カルボン酸が生じるため装置が腐食しやすく、また得ら
れたポリマーも末端COOH濃度が多いという問題があ
る。
【0004】このような問題点を解決する方法として、
芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、ジアリールカー
ボネートを反応させる方法がある。しかし、この方法で
も、色相の優れた芳香族ポリエステルを得ることは難し
かった。色相を改善する方法として、例えば特公平3―
128926号公報では、ボラン―第3級アミン錯塩化
合物および/または第4級アンモニウムボロハイドライ
ド化合物を触媒として、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジ
オール、ジアリールカーボネートを反応させる、芳香族
ポリエステルの製造方法が報告されている。また、特開
平4―236224号公報では、特定の錫化合物を触媒
として用いた芳香族ポリエステルの製造法が報告されて
いる。しかし、2,6―ナフタレンジカルボン酸の比が
大きくなると、その低い溶解性のため、反応時間が長く
なり、着色しやすくなるという欠点がある。
芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、ジアリールカー
ボネートを反応させる方法がある。しかし、この方法で
も、色相の優れた芳香族ポリエステルを得ることは難し
かった。色相を改善する方法として、例えば特公平3―
128926号公報では、ボラン―第3級アミン錯塩化
合物および/または第4級アンモニウムボロハイドライ
ド化合物を触媒として、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジ
オール、ジアリールカーボネートを反応させる、芳香族
ポリエステルの製造方法が報告されている。また、特開
平4―236224号公報では、特定の錫化合物を触媒
として用いた芳香族ポリエステルの製造法が報告されて
いる。しかし、2,6―ナフタレンジカルボン酸の比が
大きくなると、その低い溶解性のため、反応時間が長く
なり、着色しやすくなるという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、耐
熱性、機械特性、更に耐溶剤性、耐ストレスクラック
性、色相に優れた非晶性ポリエステルを、固相重合を併
用することなく、またジカルボン酸やジオールをあらか
じめエステル化することなく、直接ジカルボン酸とジオ
ールから溶融重合法により、工業的に安価に製造する方
法を提供することを目的とするものである。
熱性、機械特性、更に耐溶剤性、耐ストレスクラック
性、色相に優れた非晶性ポリエステルを、固相重合を併
用することなく、またジカルボン酸やジオールをあらか
じめエステル化することなく、直接ジカルボン酸とジオ
ールから溶融重合法により、工業的に安価に製造する方
法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は2,6―ナフタ
レンジカルボン酸を20〜95モル%含むジカルボン酸
成分(a)と下記式(I)
レンジカルボン酸を20〜95モル%含むジカルボン酸
成分(a)と下記式(I)
【0007】
【化3】 HO―A1 ―X―A2 ―OH …(I) [式(I)中のA1 ,A2 は各々置換されてもよいフェ
ニレン基である。Xは、
ニレン基である。Xは、
【0008】
【化4】
【0009】を表わす。
【0010】R1 およびR2 は各々独立に水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5また
は6のシクロアルキル基、あるいは炭素数6〜12のア
リール基若しくはアラルキル基を示す。qは、4〜10
の整数を示す。]で示されるジオール成分(b)とを、
ジアリールカーボネート(c)の存在下で加熱溶融反応
せしめ芳香族ポリエステルを製造するに際し、ジカルボ
ン酸成分(a)、ジオール成分(b)およびジアリール
カーボネート(c)を下記式(1)、(2)
ロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5また
は6のシクロアルキル基、あるいは炭素数6〜12のア
リール基若しくはアラルキル基を示す。qは、4〜10
の整数を示す。]で示されるジオール成分(b)とを、
ジアリールカーボネート(c)の存在下で加熱溶融反応
せしめ芳香族ポリエステルを製造するに際し、ジカルボ
ン酸成分(a)、ジオール成分(b)およびジアリール
カーボネート(c)を下記式(1)、(2)
【0011】
【数2】 0.95≦A/B≦1.05 …(1) 1.8≦C/A≦2.2 …(2) [式中、Aはジカルボン酸成分(a)、Bはジオール成
分(b)、Cはジアリールカーボネート(c)の各モル
数である。]を同時に満足するモル割合で使用し、アル
カリ金属を含まないエステル交換触媒およびリチウムの
炭酸塩よりなる触媒の存在下で反応を行い、安定剤とし
てリン化合物をジカルボン酸成分(a)の溶解後にジカ
ルボン酸成分に対して0.001〜1.0モル%添加す
ることを特徴とする、0.3以上の固有粘度(フェノー
ル/1,1,2,2―テトラクロロエタン混合溶媒(重
量比60/40)中、35℃)を有する非晶性芳香族ポ
リエステルの製造方法である。以下、本発明について詳
細に説明する。
分(b)、Cはジアリールカーボネート(c)の各モル
数である。]を同時に満足するモル割合で使用し、アル
カリ金属を含まないエステル交換触媒およびリチウムの
炭酸塩よりなる触媒の存在下で反応を行い、安定剤とし
てリン化合物をジカルボン酸成分(a)の溶解後にジカ
ルボン酸成分に対して0.001〜1.0モル%添加す
ることを特徴とする、0.3以上の固有粘度(フェノー
ル/1,1,2,2―テトラクロロエタン混合溶媒(重
量比60/40)中、35℃)を有する非晶性芳香族ポ
リエステルの製造方法である。以下、本発明について詳
細に説明する。
【0012】ジカルボン酸成分(a)中の2,6―ナフ
タレンジカルボン酸の含有量は、20〜95モル%とす
る。2,6―ナフタレンジカルボン酸の含有量が20モ
ル%より小さいと、得られるポリマーの耐熱性、耐溶剤
性が低下してしまう。また、95モル%より大きいと、
得られるポリマーが結晶性となる傾向となり、透明性が
不十分となる。2,6―ナフタレンジカルボン酸以外の
ジカルボン酸成分としては芳香族ジカルボン酸が好まし
く、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,7―ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカル
ボン酸などを挙げることができ、特にテレフタル酸、イ
ソフタル酸が好ましい。
タレンジカルボン酸の含有量は、20〜95モル%とす
る。2,6―ナフタレンジカルボン酸の含有量が20モ
ル%より小さいと、得られるポリマーの耐熱性、耐溶剤
性が低下してしまう。また、95モル%より大きいと、
得られるポリマーが結晶性となる傾向となり、透明性が
不十分となる。2,6―ナフタレンジカルボン酸以外の
ジカルボン酸成分としては芳香族ジカルボン酸が好まし
く、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,7―ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカル
ボン酸などを挙げることができ、特にテレフタル酸、イ
ソフタル酸が好ましい。
【0013】また、本発明で用いられるジオール成分
(b)は、下記式(I)で表わされる。
(b)は、下記式(I)で表わされる。
【0014】
【化5】 HO―A1 ―X―A2 ―OH …(I) 上記式(I)中のA1 ,A2 は各々置換されてもよいフ
ェニレン基である。Xは、
ェニレン基である。Xは、
【0015】
【化6】
【0016】R1 およびR2 は各々独立に水素原子、塩
素、臭素等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロ
ピル基等の炭素数1〜6のアルキル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基等の炭素数5または6のシクロア
ルキル基、あるいはフェニル基等の炭素数6〜12のア
リール基若しくはアラルキル基を示す。または、
素、臭素等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロ
ピル基等の炭素数1〜6のアルキル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基等の炭素数5または6のシクロア
ルキル基、あるいはフェニル基等の炭素数6〜12のア
リール基若しくはアラルキル基を示す。または、
【0017】
【化7】
【0018】で表わされる1,1―シクロアルキリデン
基を示す(qは、4〜10の整数を示す。) このようなジオール成分としては、2,2―ビス(4―
ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1―ビス(4―ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2―ビス
(3,5―ジメチル―4―ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2―(4―ヒドロキシフェニル)―2―(3,5―
ジクロロ―4―ヒドロキシフェニル)プロパン等が例示
され、これらのうち2,2―ビス(4―ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、1,1―ビス(4―ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサンが好ましい。また、これらジオール
成分は、2種以上を併用してもよい。
基を示す(qは、4〜10の整数を示す。) このようなジオール成分としては、2,2―ビス(4―
ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1―ビス(4―ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2―ビス
(3,5―ジメチル―4―ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2―(4―ヒドロキシフェニル)―2―(3,5―
ジクロロ―4―ヒドロキシフェニル)プロパン等が例示
され、これらのうち2,2―ビス(4―ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、1,1―ビス(4―ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサンが好ましい。また、これらジオール
成分は、2種以上を併用してもよい。
【0019】ジアリールカーボネート(c)としては、
例えばジフェニルカーボネート、ジ―p―トリルカーボ
ネート、ジナフチルカーボネート、ジ―p―クロロフェ
ニルカーボネート、フェニル―p―トリルカーボネート
等が挙げられるが、これらのうちジフェニルカーボネー
トが特に好ましい。ジアリールカーボネートは置換され
ていてもよく、単独で使用してもよく、2種以上を併用
してもよい。
例えばジフェニルカーボネート、ジ―p―トリルカーボ
ネート、ジナフチルカーボネート、ジ―p―クロロフェ
ニルカーボネート、フェニル―p―トリルカーボネート
等が挙げられるが、これらのうちジフェニルカーボネー
トが特に好ましい。ジアリールカーボネートは置換され
ていてもよく、単独で使用してもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0020】
【数3】 0.95≦A/B≦1.05 …(1) 1.8≦C/A≦2.2 …(2) [式中、Aはジカルボン酸成分(a)、Bはジオール成
分(b)、Cはジアリールカーボネート(c)の各モル
数である。]が同時に成立するようなモル割合で使用さ
れる。上記式(1)は最終的に得られるポリマー中のジ
カルボン酸成分とジオール成分の比が実質的に1となる
ために必要である。ジカルボン酸成分(a)とジアリー
ルカーボネート(c)のモル比(C/A)が1.8より
小さいと重合が遅くなり好ましくない。また、2.2よ
り大きいと得られるポリマーの着色が激しくなり、好ま
しくない。
分(b)、Cはジアリールカーボネート(c)の各モル
数である。]が同時に成立するようなモル割合で使用さ
れる。上記式(1)は最終的に得られるポリマー中のジ
カルボン酸成分とジオール成分の比が実質的に1となる
ために必要である。ジカルボン酸成分(a)とジアリー
ルカーボネート(c)のモル比(C/A)が1.8より
小さいと重合が遅くなり好ましくない。また、2.2よ
り大きいと得られるポリマーの着色が激しくなり、好ま
しくない。
【0021】本発明方法では、上記化合物(a)、
(b)および(c)を、アルカリ金属を含まないエステ
ル交換触媒とリチウムの炭酸塩とを組み合わせて触媒と
し、加熱溶融反応せしめることを特徴とする。触媒とし
てこの組み合わせを用いることにより、得られる芳香族
ポリエステルの色調が著しく改良される。本発明では上
述の各成分を触媒の存在下に加熱溶融重合せしめる。こ
こで用いるエステル交換触媒としてはアルカリ金属以外
の従来公知のものが使用できるが、例えば、錫、アンチ
モン、ストロンチウム、亜鉛、コバルト、ニッケル、チ
タン、ゲルマニウム等といった金属の単体、酸化物、水
酸化物、ハロゲン化物、無機及び有機酸塩類、錯塩等が
上げられる。特にアンチモン化合物、錫化合物、チタン
化合物が好ましい。また該触媒の使用量は特に制限はな
いが、上記成分(A)に対して0.001モル%、0.
1モル%程度の量とすることが好ましい。また、これら
触媒を組み合わせても用いてもよい。またリチウムの炭
酸塩の使用量は、0.001モル%〜0.1モル%程度
が好ましい。
(b)および(c)を、アルカリ金属を含まないエステ
ル交換触媒とリチウムの炭酸塩とを組み合わせて触媒と
し、加熱溶融反応せしめることを特徴とする。触媒とし
てこの組み合わせを用いることにより、得られる芳香族
ポリエステルの色調が著しく改良される。本発明では上
述の各成分を触媒の存在下に加熱溶融重合せしめる。こ
こで用いるエステル交換触媒としてはアルカリ金属以外
の従来公知のものが使用できるが、例えば、錫、アンチ
モン、ストロンチウム、亜鉛、コバルト、ニッケル、チ
タン、ゲルマニウム等といった金属の単体、酸化物、水
酸化物、ハロゲン化物、無機及び有機酸塩類、錯塩等が
上げられる。特にアンチモン化合物、錫化合物、チタン
化合物が好ましい。また該触媒の使用量は特に制限はな
いが、上記成分(A)に対して0.001モル%、0.
1モル%程度の量とすることが好ましい。また、これら
触媒を組み合わせても用いてもよい。またリチウムの炭
酸塩の使用量は、0.001モル%〜0.1モル%程度
が好ましい。
【0022】加熱重縮合する際の重合温度は320〜4
00℃とすることが必要である。ここで重合温度とは重
合後期あるいはその終了時における温度を意味する。重
合温度が320℃よりも低いとポリマーの溶融粘度が高
くなるため高重合度のポリマーを得ることはできず、ま
た400℃よりも高いとポリマー劣化等が生じ易くな
り、好ましくない。
00℃とすることが必要である。ここで重合温度とは重
合後期あるいはその終了時における温度を意味する。重
合温度が320℃よりも低いとポリマーの溶融粘度が高
くなるため高重合度のポリマーを得ることはできず、ま
た400℃よりも高いとポリマー劣化等が生じ易くな
り、好ましくない。
【0023】本発明の製造方法では重合反応温度の初期
は比較的低温とし、これを徐々に昇温して最終的に上記
重合温度にすることが好ましい。この際の初期重合反応
の反応温度は、好ましくは200〜320℃である。こ
の重合反応は常圧下、または減圧下で実施されるが、初
期重合反応時は常圧下とし、徐々に減圧とすることが好
ましい。また常圧時には、窒素、アルゴン等の不活性ガ
ス雰囲気下とすることが好ましい。重縮合反応時間は特
に制限はないがだいたい1〜10時間程度である。
は比較的低温とし、これを徐々に昇温して最終的に上記
重合温度にすることが好ましい。この際の初期重合反応
の反応温度は、好ましくは200〜320℃である。こ
の重合反応は常圧下、または減圧下で実施されるが、初
期重合反応時は常圧下とし、徐々に減圧とすることが好
ましい。また常圧時には、窒素、アルゴン等の不活性ガ
ス雰囲気下とすることが好ましい。重縮合反応時間は特
に制限はないがだいたい1〜10時間程度である。
【0024】本発明の重合方法では、ジカルボン酸成分
(a)が溶解した後に安定剤としてリン化合物を加える
ことを特徴とする。これらリン化合物としては、例えば
トリフェニルフォスフェイト、トリフェニルフォスファ
イト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリフェ
ニルフォスフィン等が挙げられる。リン化合物の添加量
は、ジカルボン酸成分(a)に対して0.001モル%
〜1.0モル%である。また、他の安定剤と組み合わせ
て用いても良い。
(a)が溶解した後に安定剤としてリン化合物を加える
ことを特徴とする。これらリン化合物としては、例えば
トリフェニルフォスフェイト、トリフェニルフォスファ
イト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリフェ
ニルフォスフィン等が挙げられる。リン化合物の添加量
は、ジカルボン酸成分(a)に対して0.001モル%
〜1.0モル%である。また、他の安定剤と組み合わせ
て用いても良い。
【0025】上述の製造方法により得られる本発明のポ
リエステルは、フェノール/1,1,2,2―テトラク
ロロエタン混合溶媒(重量比60/40)中、35℃に
て測定した固有粘度が0.3以上となることが必要であ
る。固有粘度が0.3より低いと得られるポリマーの耐
熱性、靭性が不十分であり、好ましくない。固有粘度は
0.4〜2.0が好ましく、0.5〜1.5が特に好ま
しい。
リエステルは、フェノール/1,1,2,2―テトラク
ロロエタン混合溶媒(重量比60/40)中、35℃に
て測定した固有粘度が0.3以上となることが必要であ
る。固有粘度が0.3より低いと得られるポリマーの耐
熱性、靭性が不十分であり、好ましくない。固有粘度は
0.4〜2.0が好ましく、0.5〜1.5が特に好ま
しい。
【0026】上述の製造法により得られる本発明の芳香
族ポリエステルは、非晶性ポリマーであり、これを例え
ば射出成形等の溶融成形法により透明な成形品を得るこ
とができる。また本発明のポリマーが非晶性であること
は、例えばDSCによりその融点が得られないことなど
から確認することができる。
族ポリエステルは、非晶性ポリマーであり、これを例え
ば射出成形等の溶融成形法により透明な成形品を得るこ
とができる。また本発明のポリマーが非晶性であること
は、例えばDSCによりその融点が得られないことなど
から確認することができる。
【0027】本発明の芳香族ポリエステルはその製造
時、必要に応じて着色剤、顔料、滑剤等の各種添加剤を
添加しても差し支えない。
時、必要に応じて着色剤、顔料、滑剤等の各種添加剤を
添加しても差し支えない。
【0028】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、耐熱性、靭
性、耐溶剤性、および耐ストレスクラック性の良好な色
調が非常によい非晶性全芳香族ポリエステルを、あらか
じめジカルボン酸成分やジオール成分をエステル化する
ことなく、直接ジカルボン酸とジオールから、安価な溶
融重合プロセスにより得ることができる。
性、耐溶剤性、および耐ストレスクラック性の良好な色
調が非常によい非晶性全芳香族ポリエステルを、あらか
じめジカルボン酸成分やジオール成分をエステル化する
ことなく、直接ジカルボン酸とジオールから、安価な溶
融重合プロセスにより得ることができる。
【0029】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を詳述するが、実
施例中「部」は「重量部」を意味する。固有粘度は、フ
ェノール/1,1,2,2―テトラクロロエタン混合溶
媒(重量比60/40)中、濃度1.2g/dl、温度
35℃にて測定した。ポリマーの熱特性はDSCを用
い、10℃/分の昇温速度にて測定した。また、UV―
Vis吸収スペクトルは、ポリマー200mgをフェノ
ール/1,1,2,2―テトラクロロエタン混合溶媒
(重量比60/40)100mlに溶解し、その試料を
1cmセルにて測定した。得られた結果は、表1に示し
た。
施例中「部」は「重量部」を意味する。固有粘度は、フ
ェノール/1,1,2,2―テトラクロロエタン混合溶
媒(重量比60/40)中、濃度1.2g/dl、温度
35℃にて測定した。ポリマーの熱特性はDSCを用
い、10℃/分の昇温速度にて測定した。また、UV―
Vis吸収スペクトルは、ポリマー200mgをフェノ
ール/1,1,2,2―テトラクロロエタン混合溶媒
(重量比60/40)100mlに溶解し、その試料を
1cmセルにて測定した。得られた結果は、表1に示し
た。
【0030】
【実施例1】2,6―ナフタレンジカルボン酸97.2
部、テレフタル酸74.7部、2,2―ビス(4―ヒド
ロキシフェニル)プロパン205.2部、ジフェニルカ
ーボネート385.2部、酢酸錫0.064部、炭酸リ
チウム0.065部を攪拌装置および窒素導入口を備え
た真空流出系を有する反応容器に入れ、常圧下窒素気流
中260℃で反応を開始し、2時間かけて300℃まで
昇温した。2時間後、原料が均一に溶解したことを確認
し、トリフェニルフォスフェイト0.9部を添加した。
30分後、340度に昇温し、更に30分後同温度にて
徐々に減圧し、30分かけて約1mmHgとした。この
間フェノールが発生留去した。同条件下にて1時間重合
を行ない、ポリマーを得た。得られたポリマーは淡黄色
透明であった。
部、テレフタル酸74.7部、2,2―ビス(4―ヒド
ロキシフェニル)プロパン205.2部、ジフェニルカ
ーボネート385.2部、酢酸錫0.064部、炭酸リ
チウム0.065部を攪拌装置および窒素導入口を備え
た真空流出系を有する反応容器に入れ、常圧下窒素気流
中260℃で反応を開始し、2時間かけて300℃まで
昇温した。2時間後、原料が均一に溶解したことを確認
し、トリフェニルフォスフェイト0.9部を添加した。
30分後、340度に昇温し、更に30分後同温度にて
徐々に減圧し、30分かけて約1mmHgとした。この
間フェノールが発生留去した。同条件下にて1時間重合
を行ない、ポリマーを得た。得られたポリマーは淡黄色
透明であった。
【0031】
【実施例2】テレフタル酸の代わりに、イソフタル酸7
4.7部を用いた以外は実施例1と同様に行った。得ら
れたポリマーは淡黄色透明であった。
4.7部を用いた以外は実施例1と同様に行った。得ら
れたポリマーは淡黄色透明であった。
【0032】
【実施例3】酢酸錫の代わりにジラウリン酸―n―ブチ
ル錫0.17部を用いた以外は実施例1と同様に行っ
た。得られたポリマーは淡黄色透明であった。
ル錫0.17部を用いた以外は実施例1と同様に行っ
た。得られたポリマーは淡黄色透明であった。
【0033】
【実施例4】酢酸錫の代わりに三酸化アンチモン0.0
79部を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られ
たポリマーは淡黄色透明であった。
79部を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られ
たポリマーは淡黄色透明であった。
【0034】
【実施例5】トリフェニルフォスフェイトの代わりにト
リフェニルフォスファイト0.8部を用い以外は実施例
1と同様に行った。得られたポリマーは淡黄色透明であ
った。
リフェニルフォスファイト0.8部を用い以外は実施例
1と同様に行った。得られたポリマーは淡黄色透明であ
った。
【0035】
【比較例1】炭酸リチウムの代わりに、炭酸ナトリウム
0.093部を加えた以外は実施例1と同様に行った。
得られたポリマーは茶褐色透明であった。
0.093部を加えた以外は実施例1と同様に行った。
得られたポリマーは茶褐色透明であった。
【0036】
【比較例2】炭酸リチウムの代わりに、炭酸カリウム
0.122部を加えた以外は実施例1と同様に行った。
得られたポリマーは茶褐色透明であった。
0.122部を加えた以外は実施例1と同様に行った。
得られたポリマーは茶褐色透明であった。
【0037】
【比較例3】炭酸リチウムの代わりに、水酸化リチウム
0.042部を加えた以外は実施例1と同様に行った。
得られたポリマーは茶褐色透明であった。
0.042部を加えた以外は実施例1と同様に行った。
得られたポリマーは茶褐色透明であった。
【0038】
【比較例4】酢酸錫を0.13部用い、炭酸リチウムを
加えなかった以外は実施例1と同様に行った。得られた
ポリマーは茶褐色透明であった。
加えなかった以外は実施例1と同様に行った。得られた
ポリマーは茶褐色透明であった。
【0039】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−68626(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91
Claims (1)
- 【請求項1】 2,6―ナフタレンジカルボン酸を20
〜95モル%含むジカルボン酸成分(a)と下記式
(I) 【化1】 HO―A1 ―X―A2 ―OH …(I) [式(I)中のA1 ,A2 は各々置換されてもよいフェ
ニレン基である。Xは、 【化2】 を表わす。R1 およびR2 は各々独立に水素原子、ハロ
ゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5または
6のシクロアルキル基、あるいは炭素数6〜12のアリ
ール基若しくはアラルキル基を示す。qは、4〜10の
整数を示す。]で示されるジオール成分(b)とを、ジ
アリールカーボネート(c)の存在下で加熱溶融反応せ
しめ芳香族ポリエステルを製造するに際し、ジカルボン
酸成分(a)、ジオール成分(b)およびジアリールカ
ーボネート(c)を下記式(1)、(2) 【数1】 0.95≦A/B≦1.05 …(1) 1.8≦C/A≦2.2 …(2) [式中、Aはジカルボン酸成分(a)、Bはジオール成
分(b)、Cはジアリールカーボネート(c)の各モル
数である。]を同時に満足するモル割合で使用し、アル
カリ金属を含まないエステル交換触媒およびリチウムの
炭酸塩よりなる触媒の存在下で反応を行い、安定剤とし
てリン化合物をジカルボン酸成分(a)の溶解後にジカ
ルボン酸成分(a)に対して0.001〜1.0モル%
添加することを特徴とする、0.3以上の固有粘度(フ
ェノール/1,1,2,2―テトラクロロエタン混合溶
媒(重量比60/40)中、35℃)を有する非晶性芳
香族ポリエステルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13330993A JP3181758B2 (ja) | 1993-06-03 | 1993-06-03 | 芳香族ポリエステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13330993A JP3181758B2 (ja) | 1993-06-03 | 1993-06-03 | 芳香族ポリエステルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06345859A JPH06345859A (ja) | 1994-12-20 |
JP3181758B2 true JP3181758B2 (ja) | 2001-07-03 |
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ID=15101664
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP13330993A Expired - Fee Related JP3181758B2 (ja) | 1993-06-03 | 1993-06-03 | 芳香族ポリエステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3181758B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5856424A (en) * | 1996-10-16 | 1999-01-05 | Eastman Chemical Company | Process for making polyesters containing low concentrations of diethylene glycol |
-
1993
- 1993-06-03 JP JP13330993A patent/JP3181758B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06345859A (ja) | 1994-12-20 |
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