JP4342682B2 - 全芳香族ポリエステルおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、全芳香族ポリエステルおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、非晶性であり、かつ耐加水分解性に優れた全芳香族ポリエステルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年耐熱性が高く機械的強度の優れたエンジニアリングプラスチックに対する要求性能が高まっている。非晶性エンジニアリングプラスチックに芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸に由来する全芳香族ポリエステルがある。例えば、芳香族ジオールとして2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと略す。)、芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸とイソフタル酸を用いた全芳香族ポリエステルは、比較的バランスの取れた特性を有しており、各種の用途に用いられている。
【0003】
これら非晶性全芳香族ポリエステルの製造方法については、従来種々の研究が行われ、その中で芳香族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物と芳香族ジオールとの界面重縮合法が工業化されている。しかしながら、この界面重縮合法で反応溶媒として通常用いられている塩化メチレンは、環境、衛生上の問題がある化学物質であり、その取扱には十分な注意が必要であるが、その沸点が40℃と非常に低いため、芳香族ポリエステルの製造時に使用した塩化メチレンを完全にリサイクルできる閉鎖系にすることは設備の面で難しく、また多大の費用がかかる。そこでこれらポリマーの溶融重合法が検討されている。
【0004】
しかしながら、これらのポリマーをジカルボン酸とジオールを用いて直接溶融重合で得ようとすると、着色が激しくまた重合速度も小さいため、実用的ではない。そのため、実際にはあらかじめジカルボン酸成分のジアリールエステルとジオールを反応させる方法(1)や、ジカルボン酸とジオールの低級脂肪族カルボン酸エステルを反応させる方法(2)、該方法(2)の別法としてジカルボン酸とジオールを反応させる際に低級脂肪族カルボン酸無水物を加える方法(3)が用いられている。しかし、方法(1)、(2)では原料をあらかじめエステル化せねばならず、コスト高の原因となっている。また、方法(2)、(3)では反応中に低級脂肪族カルボン酸が生じるため装置が腐食し易く、また得られたポリマーも末端COOH基濃度が多いという問題がある。
【0005】
このような問題点を解決する方法として、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール及びジアリールカーボネートを反応させる方法がある。しかしこの方法でも、色相の優れたポリマーを得ることは難しかった。色相を改善する方法として、例えば特開平3−128926号公報では、ボラン−第3級アミン錯塩化合物化合物および/または第4級アンモニウムボロハイドライド化合物を触媒として、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、ジアリールカーボネートを反応させる、全芳香族ポリエステルの製造方法が報告されている。また、特開平4−236224号公報には、特定の錫化合物を触媒として用いた全芳香族ポリエステルの製造法が記載されている。
【0006】
しかしながら、一般に芳香族ジカルボン酸は溶解性が低く、ジカルボン酸成分の溶解が律速となるため、上記製造法を用いても未反応のジカルボン酸成分がポリエステル中に残り易く、耐加水分解性が不十分であった。このため、蒸気や沸水等の処理が行われる部分に使用した場合には、処理によって透明性が失われていく恐れがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、耐加水分解性に優れた全芳香族ポリエステルを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記構成単位(I)
【0009】
【化6】
【0010】
(上記式(I)中、A1は炭素数6〜20の二価の芳香族基であり、A2及びA3は各々独立にフェニレン基であり、Xは下記式群
【0011】
【化7】
【0012】
から選ばれる基を表わす。R1、R2、R3およびR4は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5または6のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基および炭素数6〜12のアラルキル基から選ばれる少なくとも一種の基であり、qは4〜10の整数を示す。)
を有する全芳香族ポリエステルであって、該全芳香族ポリエステルからなる2mm厚成型板は、ヘイズ(JIS K7105)が15以下であり、該成型板を120℃、水中に100時間浸漬したときのヘイズ増加量が50以下であることを特徴とする全芳香族ポリエステルおよびその製造方法によって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の全芳香族ポリエステルは実質的に線状のポリマーであって、上記構造単位(I)を有している。
【0014】
構造単位(I)中のA1はフェニレン基、ナフチレン基、ジフェニル基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルスルホン基、ジフェニルインダン基等の炭素数6〜20の二価の芳香族基である。芳香族基は、水素の一部または全部がメチル基等のアルキル基やハロゲン原子等で置換されても良い。
【0015】
A2及びA3は各々独立にフェニレン基であり、メチル基等のアルキル基やハロゲン原子等の置換を有していてもよい。
【0016】
Xは下記式群
【0017】
【化8】
【0018】
から選ばれる基を表わす。R1、R2、R3およびR4は、各々独立に水素原子、塩素、フッ素等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5または6のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基等の炭素数6〜12のアラルキル基から選ばれる。qは4〜10の整数を示す。
【0019】
本発明の全芳香族ポリエステルは上記構造単位(I)を有しているが、好ましくは下記式(I)
【0020】
【化9】
【0021】
で表わされる繰り返し単位を50モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは実質的に100モル%有するものである。
【0022】
本発明の上記全芳香族ポリエステルは透明性が良好であり、これより作成した2mm厚の成型板のヘイズが15以下である。ここで言うヘイズとは、JIS K7105にしたがって測定た値である。この成型板を作成する方法は特に限定されず、射出成型、押出し成型等が挙げられる。かかるヘイズはより好ましくは、10以下である。
【0023】
本発明の芳香族ポリエステルは、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(重量比60/40)中、濃度1.2g/100ml、35℃で測定した還元粘度が0.5dl/g以上であるほうが好ましい。用途によっては、還元粘度が0.5dl/gより低いと得られるポリマーの耐熱性、靭性が不十分となり、好ましくない。実用上、還元粘度の上限は2程度が好ましい。より好ましい還元粘度は0.55〜1.7dl/gである。
【0024】
本発明によれば、上記全芳香族ポリエステルより2mm厚の成型板を作成し、これを120℃の水中に100時間浸漬したときのヘイズ増加量が50以下である。ヘイズ増加量が50より大きいと、蒸気が触れる場所で長時間使用したときに透明性が失われる。ヘイズ増加量は30以下である方がより好ましい。
【0025】
次に、本発明の全芳香族ポリエステルの製造方法について説明する。
すなわち、本発明によれば、下記式(II)
【0026】
【化10】
HOOC−A1−COOH (II)
(上記式(II)中、A1は上記式(I)における定義と同じである。)
で示されるジカルボン酸成分(a)、下記式(III)
【0027】
【化11】
HO−A2−X−A3−OH (III)
(上記式(III)中のA2、A3、Xは上記式(I)における定義と同じである。)
で示されるジオール成分(b)、およびジアリールカーボネート(c)を下記式(1)、(2)
【0028】
【数2】
0.95≦A/B≦1.05 (1)
1.9≦C/A≦2.2 (2)
(上記式(1)、(2)中、Aはジカルボン酸成分(a)、Bはジオール成分(b)、Cはジアリールカーボネート(c)の各モル数である。)
を同時に満足するモル割合で使用し、かつ下記式(IV)
【0029】
【化12】
【0030】
(上記式(IV)中、R5およびR6は、各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基および炭素数6〜12のアラルキル基から選ばれる少なくとも一種の基であり、R5とR6との間に結合があってもかまわない。R7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基および炭素数6〜12のアラルキル基から選ばれる少なくとも一種の基であり、nは1〜4の整数を示す。)
で示される化合物の存在下で反応を行う全芳香族ポリエステルの製造方法であり、かかる方法により得られる全芳香族ポリエステルは、上記特性、すなわち該全芳香族ポリエステルからなる2mm厚成型板は、ヘイズ(JIS K7105)が15以下であり、該成型板を120℃、水中に100時間浸漬したときのヘイズ増加量が50以下である。
【0031】
本発明に用いられるジカルボン酸成分(a)は、上記式(II)で表わされるものである。上記式(II)中、A1は上記式(I)における定義と同じである。
【0032】
かかるジカルボン酸成分(a)としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルインダンジカルボン酸等を挙げることが出来る。
【0033】
これら芳香族ジカルボン酸は単独で用いても複数を同時に用いても良い。特に、テレフタル酸とイソフタル酸を同時に用いることが好ましい。その場合、テレフタル酸とイソフタル酸の割合は、モル%で20/80〜80/20が好ましい。
【0034】
また、本発明で用いられるジオール成分(b)は、上記式(III)で表わされるものである。上記式(III)中のA2、A3、Xは上記式(I)における定義と同じである。
【0035】
このようなジオール成分(b)としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が例示され、これらのうち2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。また、これらジオール成分は、2種以上を併用してもよい。
【0036】
ジアリールカーボネート(c)としては、例えばジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート等が挙げられるが、これらのうちジフェニルカーボネートが特に好ましい。ジアリールカーボネートは置換基を有していてもよく、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0037】
本発明によれば、上記化合物(a)、(b)および(c)は、下記式(1)及び(2)
【0038】
【数3】
0.95≦A/B≦1.05 (1)
1.9≦C/A≦2.2 (2)
(上記式(1)、(2)中、Aはジカルボン酸成分(a)、Bはジオール成分(b)、Cはジアリールカーボネート(c)の各モル数である。)
が同時に成立するようなモル割合で使用される。
【0039】
ここで、上記式(1)はジカルボン酸成分(a)とジオール成分(b)のモル比を表わしており、実質的にジカルボン酸成分とジオール成分のモル比が1となるために必要である。上記式(1)において好適には、0.97≦A/B≦1.03である。
【0040】
一方、上記式(2)はジアリールカーボネート(c)に対するジカルボン酸成分(a)のモル比を表わしている。この比C/Aが1.9より小さいと、生成するポリマーの2mm厚成型板を120℃、100時間水中に浸漬したときのヘイズ増加量が大きくなり不適である。また、2.2より大きいと得られるポリマーの着色が激しくなりやはり不適である。上記式(2)において好ましくは1.95≦C/A≦2.1である。
【0041】
本発明の製造方法では、上記化合物(a)、(b)および(c)を、下記式(IV)で表わされるアミノピリジン化合物の存在下で加熱溶融反応せしめることを特徴とする。
【0042】
【化13】
【0043】
上記式(IV)中、R5及びR6は、各々独立に水素原子、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基等の炭素数6〜12のアラルキル基から選ばれる。また、R5とR6との間に結合があってもかまわない。R7は式(I)中のR1と同じである。nは1〜4の整数を示す。これらのうち、R5とR6はアルキル基および/またはR5とR6との間に結合があり、R7は水素原子であることが好ましい。
【0044】
上記式(IV)で示される化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、4−ピペリジノピリジン、4−ピロリノピリジン、2−メチル−4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。これらのうち、4−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジンが特に好ましい。
【0045】
加熱溶融反応に於いては、はじめに主としてジアリールカーボネートがジカルボン酸成分およびジオール成分と反応してフェノール類と炭酸ガスを生じる。一般に芳香族ジカルボン酸は溶解性が低く融点も高いため、この初期の反応が開始されるには高温を要し、また初期反応が終結するには長時間を必要とする。このため、従来の方法では得られるポリマーは、色調が悪くなり、該反応中における昇華物の発生量が多かった。また、未反応の芳香族ジカルボン酸が最終的に得られるポリマー中に残ってしまい、耐加水分解性も悪くなった。しかし、上記式(IV)で表わされる化合物を用いると、この初期の反応が非常に低温で、しかも短時間で開始される。そのため、反応に要する時間が短くなり得られるポリマーの耐加水分解性が改善されると推定される。かかる化合物(IV)の使用量は特に制限はないが、上記成分(a)に対して、0.01モル%〜10モル%の量とすることが好ましい。0.01モル%より少ないと該化合物の触媒としての効果が不十分となる。また、10モル%より多いと得られるポリマーの物性が低下することがあり好ましくない。より好ましくは、0.05モル%〜1モル%である。また、かかる化合物(IV)を有機酸塩または無機酸塩の形で用いても良い。
【0046】
また、本発明においては、上記アミノピリジン化合物と、さらに従来公知のエステル交換触媒とを組み合わせて用いると、耐加水分解性がさらに向上するのでより好ましい。これらエステル交換触媒としては、例えば、錫、アンチモン、ストロンチウム、亜鉛、コバルト、ニッケル、チタン、ゲルマニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の単体、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩等の無機酸塩類、有機酸塩類、錯塩等が挙げられる。これら従来公知のエステル交換触媒の使用量は特に制限はないが、上記成分(a)に対して0.001モル%〜1モル%の量とすることが好ましい。より好ましくは0.005モル%〜0.1モル%である。
【0047】
加熱重縮合する際の重合温度は280〜400℃とすることが好ましい。ここで重合温度とは重合後期あるいはその終了時における温度を意味する。重合温度が280℃よりも低いとポリマーの熔融粘度が高くなるため高重合度のポリマーを得ることは出来ず、また400℃よりも高いとポリマーの劣化等が生じ易くなり好ましくない。
【0048】
本発明の製造方法では重合反応温度の初期は比較的低温とし、これを徐々に昇温して最終的に上記重合温度にすることが好ましい。この際の初期重合反応の反応温度は好ましくは160〜320℃である。この重合反応は常圧下、または減圧下で実施される。また常圧時には、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下とすることが好ましい。重縮合反応時間は得に制限はないがだいたい1〜20時間程度である。
【0049】
本発明の全芳香族ポリエステルはその製造時、必要に応じて安定剤、着色剤、顔料、滑剤等の各種添加剤を添加しても構わない。
【0050】
【発明の効果】
本発明の全芳香族ポリエステルは耐熱性、透明性等を有し、かつ高い耐加水分解性を示し、その成形品は蒸気や沸水に触れる用途に好適に用いることが出来る。
【0051】
【実施例】
以下実施例を挙げて本発明を詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中「部」は「重量部」を意味する。還元粘度はフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(重量比60/40)中、1.2g/100ml、35℃にて測定した。
【0052】
成型は、日精樹脂工業製PS20を用いた射出成型で行った。成形品のヘイズはNDH-20Dを用いてJIS K7105に基づいて測定した。
【0053】
[実施例1]
テレフタル酸498.4部、イソフタル酸498.4部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1370部、ジフェニルカーボネート2571部、4−ジメチルアミノピリジン1.466部、ジブチル錫ジアセテート0.7部を攪拌装置および窒素導入口を備えた真空溜出系を有する反応容器に入れ、180℃、40kPaで反応を開始した。90分後、徐々に昇温、減圧を開始し、反応開始から3時間後220℃、27kPaになった。同温度で1時間反応させるとともに13.3kPaまで減圧した。その後100Pa以下まで減圧した後310℃まで昇温した。反応開始から10時間後、ポリマーを得た。得られたポリマーは淡黄色透明であり、還元粘度は0.68dl/gであった。
【0054】
得られたポリマーを340℃で射出成型し、2mm厚の成型板を作成した(金型温度120℃)。得られた成型板のヘイズ、およびオートクレーブ中、120℃の水中に浸漬したときのヘイズについて表1に示した。
【0055】
[実施例2]
テレフタル酸697.7部、イソフタル酸299部とした以外は実施例1と同様に行った。得られたポリマーは淡黄色透明であり、還元粘度は0.83dl/gであった。
実施例1と同様に成型し、ヘイズの変化を測定した。結果を表1に示した。
【0056】
[比較例3]
ジブチル錫ジアセテートの代わりに炭酸カリウム0.25部を用い、反応開始から6時間後にポリマーを得たこと以外は実施例1と同様に行った。得られたポリマーは淡黄色透明であり、還元粘度は0.81dl/gであった。実施例1と同様に成型し、ヘイズの変化を測定した。結果を表1に示した。
【0057】
[比較例4]
ジブチル錫ジアセテートを用いなかったこと以外は実施例1と同様に行った。得られたポリマーは淡黄色透明であり、還元粘度は0.60dl/gであった。実施例1と同様に成型し、ヘイズの変化を測定した。結果を表1に示した。
【0058】
[比較例1]
市販の全芳香族ポリエステルである、Uポリマー(ユニチカ製、U-100)を実施例1と同様に成型し、ヘイズ変化を測定した。結果を表1に示した。
【0059】
[比較例2]
テレフタル酸498.4部、イソフタル酸498.4部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1370部、ジフェニルカーボネート2571部、炭酸カリウム0.25部を攪拌装置および窒素導入口を備えた真空溜出系を有する反応容器に入れ、180℃、常圧で反応を開始した。90分後、徐々に昇温を開始し、反応開始から4時間後260℃になった。同温度で2時間反応させた後、310℃まで昇温した。その後、100Pa以下まで減圧し、反応開始から10時間後、ポリマーを得た。得られたポリマーは褐色透明であり、還元粘度は0.70dl/gであった。
得られたポリマーを実施例1と同様に成型し、ヘイズ変化を測定した。
【0060】
【表1】
Claims (1)
- 下記式(II)
【化14】
HOOC−A1−COOH (II)
(上記式(II)中、A 1 は炭素数6〜20の二価の芳香族基である。)で示されるジカルボン酸成分(a)、下記式(III)
【化15】
HO−A2−X−A3−OH (III)
(上記式(III)中のA2及びA3 は各々独立にフェニレン基であり、Xは下記式群
で示されるジオール成分(b)、およびジアリールカーボネート(c)を下記式(1)、(2)
【数4】
0.95≦A/B≦1.05 (1)
1.9≦C/A≦2.2 (2)
(上記式(1)、(2)中、Aはジカルボン酸成分(a)、Bはジオール成分(b)、Cはジアリールカーボネート(c)の各モル数である。)を同時に満足するモル割合で使用し、かつ下記式(IV)
で示される化合物、および錫の単体、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、無機酸塩類、有機酸塩類、または錯塩であるエステル交換触媒の存在下で反応を行う全芳香族ポリエステルの製造方法であって、該全芳香族ポリエステルからなる2mm厚成型板は、ヘイズ(JIS K7105)が15以下であり、該成型板を120℃、水中に100時間浸漬したときのヘイズ増加量が50以下であることを特徴とする全芳香族ポリエステルの製造方法。
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