JPH0711112A - 熱可塑性重合体組成物 - Google Patents

熱可塑性重合体組成物

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JPH0711112A
JPH0711112A JP6109203A JP10920394A JPH0711112A JP H0711112 A JPH0711112 A JP H0711112A JP 6109203 A JP6109203 A JP 6109203A JP 10920394 A JP10920394 A JP 10920394A JP H0711112 A JPH0711112 A JP H0711112A
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thermoplastic polymer
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Giampietro Nadali
ジャンピエートロ・ナダーリ
Vittorio Tartari
ビットーリオ・タルターリ
Vladimir Ignatov
ブラディミール・イニャートブ
Corrado Berti
コルラード・ベルチ
Maurizio Fiorini
マウリージョ・フィオリーニ
Francesco Pilati
フランチェスコ・ピラーチ
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶融状態での加工の間における高度の安定性
と共に、改善された機械的、化学的、熱的及び電気的特
性を合わせ持つ芳香族ポリエステル及びポリカーボネー
トを基材とする熱可塑性重合体組成物を提供する。 【構成】 a)芳香族ポリカーボネート及びb)芳香族
ポリエステルに、c)ポリカーボネートと、ジオール及
びジカルボン酸をランタン系列元素の中から選ばれる金
属の化合物でなる触媒の存在下で反応させて得られたポ
リエステルとを反応させることによって得られたポリカ
ーボネート−ポリエステルブロック共重合体を添加す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ポリエステル及びポリカーボネ
ートを基材とする相溶性の熱可塑性組成物に係る。
【0002】さらに詳述すれば、本発明は、個々の重合
体成分と比べて改善された化学的、機械的及びレオロジ
ー特性を合わせ持ち、さらに特殊な高分子相溶化剤(co
mpatibilizer)を含有するポリエステル及びポリカーボ
ネート基材熱可塑性重合体組成物に係る。
【0003】熱可塑性重合体は、たとえば成形、吹込み
成形、押出成形等の如き工業技術(これらはいずれも溶
融状態にある重合体を取り扱うものである)により、こ
れらを原料として多くの製品を製造できるため、広範な
用途を有する。これらの物質の多くは、優秀な機械的、
化学的、熱的及びレオロジー特性(たとえば、じん性、
高い変形温度、溶剤及び攻撃剤に対する抵抗性、溶融状
態での流動性、高い比誘電率等)を示す。
【0004】重合体は1以上の優秀な特性を有していた
としても、技術的に重要な他の特性が不充分であること
がしばしばあり、その結果、該物質の用途が妨げられる
ことがある。これに関して、高い技術的メリットをもつ
プラスチックは、応力条件が異なる各種の雰囲気下で加
工又は使用されるように満足できる広範な特性を合せも
っていなければならない。
【0005】この要求を満足させるために、最近では、
個々に利点を発揮すると共に、各々に固有の欠点を補う
(相乗効果)ような2以上の重合体の混合物の製造が広
く研究されている。しかしながら、熱力学的理由のた
め、異なる構造の2つの重合体の相溶性は一般に極めて
乏しく、得られた混合物は2相性であることが知られて
いる。また、重合体の最終的な特性が混合物の微細形態
性に左右されることも観察されている。
【0006】熱可塑性ポリエステル、特にポリエチレン
テレフタレート(PET)及びポリブチレンテレフタレー
ト(PBT)、及び芳香族ポリカーボネート(特にビスフ
ェノールAを基材とするもの)は、各々、ある種の優秀
な特性を発揮するものであり、高い技術的品質の重合体
混合物を得る試みに既に使用されている。
【0007】詳述すれば、ポリカーボネートの大気性試
剤(atomospheric agent)に対する抵抗性は少量のポリ
エステル(たとえばPET及びPBT)の添加によって改善さ
れることが見い出されている。さらに、PETへの少量の
芳香族ポリカーボネートの添加はその衝撃強さを改善す
ることも見い出されている。かかる混合物は一般に各種
特性の良好な組合せを有すものではない。同量の2つの
重合体を含有するポリカーボネート−ポリエステル混合
物の挙動はさらに複雑である。この有利な挙動の理由の
1つは、ポリカーボネート及びポリエステルの化学的及
び物理的な非適合性(このため、一方の重合体を他方の
中に高度に分散させることができない)によるものであ
ると考えられる。これは、PET及びビスフェノールAを
基材とするポリカーボネートの混合物(原則的には工業
的にかなり興味深いものである)の場合には正確に起
る。
【0008】2つの異なる重合体物質の適合性の研究及
び一般的には混合物中におけるそれらの挙動に関しては
多くの文献がある。たとえば、Journal of Polymer Sci
ence,Pol.Phys.Ed.,Vol.19,p.1269(1981)に報
告された論文では、異種重合体混合物の形態及びミクロ
構造が、重合体用の相溶化剤として作用しうる又は熱力
学的に界面におけるフリーエネルギーを低減させうる少
量の第3の成分によっていかに影響を受けるかが示され
ている。この第3の成分は一般に重合体又はオリゴマー
であり、2以上の重合体相の間の界面に集中する傾向が
ある。
【0009】ポリエステル及びポリカーボネートを含有
する熱可塑性組成物の場合にも、これらの混合物の特性
を改善するために2つの重合体を良好な相溶性とするこ
とができる方法又は生成物が検討されている。
【0010】ヨーロッパ特許公開第528,462号は、エポ
キシ基含有鎖をもつエチレン共重合体を含有する強じん
化ポリカーボネート−ポリエステル混合物(良好な耐溶
剤性及び耐湿性を有する)を開示する。しかしながら、
このような混合物では、ポリエステルとポリカーボネー
トとの間の相溶性の改善が見られない。
【0011】第3の成分としてエラストマー化合物又は
オレフィン系共重合体を含有するポリカーボネート−ポ
リエステル(PET)混合物に関する他のいくつかの文献
も発行されている。たとえば米国特許第4,522,979号、
同第4,764,556号、同第4,897,448号及び同第4,629,760
号、PCT国際公開91/15545及びヨーロッパ特許出願第18
0,648号があり、これらの特許では、混合物の衝撃強
さ、耐薬品性又は耐溶剤性の如きある種の特性の改善が
特許請求されている。しかしながら、これらの文献はい
ずれも、2つの主混合物成分の非相溶性に由来の欠点を
解消するための方法を提案するものではない。
【0012】ポリカーボネート及びポリエステルを基材
とする組成物の場合に見られる他の欠点は、エステル基
とカーボネート基との間のエステル交換反応(一般に溶
融状態の組成物の加工の間に生じ、工業的なポリエステ
ル製造工程で使用された触媒から生じたポリエステル中
に分散する金属又は酸残渣によって促進される)による
ものである。この反応は、エステル−カーボネートのラ
ンダム共重合体を徐々に生じ、各化合物の顕著な特性を
失わせる。この方法の結果、最終的に半相溶性又は均質
な混合物を生ずるが、所望の特性を有していない。さら
に、エステル交換反応は、2つの溶融重合体の混合物内
で極めて迅速に起るため、制御が困難である。この欠点
は、ポリエステル内に含有される残留触媒の分離が経済
的ではないため、簡単に解決されるものではない。
【0013】溶融状態のポリカーボネート−ポリエステ
ル混合物におけるエステル交換反応の研究について、各
種の文献[たとえばJournal of Applied Polymer Scien
ce,Vol.22,p.2155(1978)及び23,p.85(1979)
に発表された J.W.Barlowらの研究]が知られてい
る。これら文献では、中でも、ポリエステル−ポリカー
ボネートブロック共重合体の形成(ブロックの平均サイ
ズは溶融状態の混合物の滞留時間に左右される)が提案
されている。しかしながら、かかるブロック共重合体の
形成は実験的には可能であるが、これらは不安定であ
り、その平均サイズが溶融状態での加工の間に迅速かつ
予測不能に変動するため、工業的用途での使用は容易で
はない。
【0014】従って、芳香族ポリエステル及びポリカー
ボネートを基材とする熱可塑性組成物の分野では、さら
に新たな改善が求められていることは明らかである。
【0015】発明者らは、芳香族ポリエステル及びポリ
カーボネートを基材とする熱可塑性組成物に特殊な相溶
化添加剤を含有させることにより上述の欠点を有利に解
消できることを見い出し、本発明に至った。
【0016】従って、本発明の1態様は、溶融状態での
加工の間の高安定性と共に、改善された機械的、化学
的、熱的及び電気的特性を合わせて有する芳香族ポリエ
ステル及びポリカーボネートを基材とする熱可塑性重合
体組成物において、a)一般式(I) −(−Ar−O−CO−O−)− (式中、Arはフェノール性水酸基2個を含有する化合物
に由来の2価のC6-30芳香族基である)で表される繰返
し単位でなる芳香族ポリカーボネート、b)芳香族ポリ
エステル、c)少なくとも1のポリエステルブロック及
び少なくとも1のポリカーボネートブロックでなるブロ
ック共重合体を包含してなり、前記ブロック共重合体
c)が芳香族ポリカーボネートと芳香族ポリエステルと
を反応させることによって製造されたものであり、該芳
香族ポリエステルがジオール及びジカルボン酸又はその
揮発性アルコールエステルを、ランタン及び周期律表の
ランタノイドの中から選ばれる金属の化合物でなる触媒
の存在下で重縮合させることによって得られたものであ
ることを特徴とする熱可塑性重合体組成物にある。
【0017】ブロック共重合体c)(本発明の他の態様
を構成する)は、それぞれ下記の式(II)及び(III)
で表される繰返し構造単位でなるブロックで構成され
る。式(II) −(−Ar′−O−CO−O−)n式(III) −(−O−D−O−CO−A−CO−)m− (式(II)及び(III)において、Ar′はフェノール性
水酸基2個を含有する化合物に由来の2価の芳香族基で
あり、好ましくは前記一般式(I)の基Arと同じ化学構
造を有するものであり;D及びAは、それぞれジオール
に由来の2価の有機基及び芳香族ジカルボン酸に由来の
2価の有機基であり;n及びmは、それぞれ独立した5
〜250、好ましくは5〜100の正の整数である。)n及び
mについて特に好適な値は10〜50である。
【0018】本発明のさらに他の態様は、ポリカーボネ
ートと、上述の如くランタノイドを触媒として行われる
重縮合によって得られたポリエステルとを溶融状態で1
〜60分間接触、混合させることによるポリエステル−ポ
リカーボネートブロック共重合体c)の製法にある。
【0019】本発明の組成物の製造に使用される芳香族
ポリカーボネートa)は、炭酸と少なくとも2個のフェ
ノール性水酸基を含有する化合物(以下「芳香族ジオー
ル」と称する)の高分子エステルである。これらは、芳
香族ジオールを、ホスゲン又はハロホルメートの如き炭
酸前駆体(クロロホルミル末端オリゴマーポリカーボネ
ートでもよい)、又はジメチルカーボネート又はジベン
ジルカーボネートの如きジアルキルカーボネートと反応
させることによって調製される。
【0020】本発明において使用されるポリカーボネー
ト調製用の好適な芳香族ジオールは、一般式(IV) HO−Ar−OH (ここで、Arは一般式(I)に関して定義した一般的意
義を有し、たとえばo−、p−又はm−フェニレン、メ
チルフェニレン、クロロフェニレン、ジメチルフェニレ
ン、フェニレンジメチレン、ジフェニレン、メタンジフ
ェニレン、2,2−プロパンジフェニレン、ジフェニレン
エーテル、ジフェニレンスルホン、ナフタレン、アント
ラセン等である)で表されるものである。Arは、ピリジ
ン、チオフェン、フラン及び相当するアルキル又はハロ
置換核の如き2価のヘテロ芳香族残基であってもよい。
【0021】代表的な芳香族ジオールとしては、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノー
ルA)、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン
(ビスフェノールF)、2,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルメタン、ヒドロキノン、レゾルシノール、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ジヒドロキシ
ジフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジ
ヒドロキシナフタレン、1,1′−ジヒドロキシ−4,4−
ジナフチル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′
−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロ
キシ−3,3′−ジクロロジフェニルエーテル等がある。
【0022】本発明のポリカーボネートは、前記芳香族
ジオール2以上から誘導される単位を含有する共重合体
でもよい。このような芳香族ジオールからの単位に加え
て、本発明のポリカーボネートは、少量の多官能性単
位、又は芳香族ジオールから、又はさらに一般的には−
OH、−COOH、−SO3H及び−COClの中から選ばれる少なく
とも3個の同一又は異なる官能基によって特徴づけられ
る化合物からの枝分れ剤を含有できる。使用できる枝分
れ剤の例としては、イタリー国特許出願2358A/84、21
509A/85、23285A/85、23286A/85、21231A/86、
21230A/86、21233A/86、20927A/87,20928A/8
7,20929A/87に開示された化合物がある。
【0023】本発明の組成物は好ましくはビスフェノー
ルAを基材とするポリカーボネートを含有する。
【0024】本発明の組成物に適する芳香族ポリカーボ
ネートは、公知の方法(たとえば、炭酸前駆体としてホ
スゲンを使用する懸濁液中での界面重合に関する米国特
許第4,018,750号及び溶融状態でのエステル交換反応法
に関する米国特許第3,153,008号に開示)の1つによっ
て調製される。かかる方法の1つによって調製されたポ
リカーボネートは、一般に平均分子量10,000〜50,000、
好ましくは15,000〜30,000を有する。
【0025】本発明の組成物における成分b)として使
用される芳香族ポリエステルは、ジオール又はその前駆
体と芳香族ジカルボン酸又はその前駆体との重縮合によ
って得られる各種の熱可塑性ポリエステルであり、固有
粘度(60/40(w/w)フェノール/テトラクロロエタ
ン混合物中、30℃で測定)0.3 dl/g以上、好ましくは
0.5〜0.9 dl/gを有する。
【0026】上述の限定を満足する芳香族ポリエステル
のリストについては、Encyclopediaof Polymer,Scienc
e and Engineering,H.F.Markら、J.Wiley編,New Y
ork(1988),Vol.12,p.9〜13に示されているとおり
である。
【0027】本発明に好適な芳香族ポリエステルを調製
するために使用される芳香族ジカルボン酸は、一般に、
一般式(V) HOOC−A−COOH (式中、AはC6-20の2価芳香族残基であり、たとえば
o−、p−又はm−フェニレン、メチルフェニレン、ク
ロロフェニレン、ジメチルフェニレン、フェニレンジメ
チレン、ジフェニレン、メタンジフェニレン、2,2−プ
ロパンジフェニレン、ジフェニレンエーテル、ジフェニ
レンスルホン、ナフタレン、アントラセン等である)で
表される化合物である。
【0028】Aは2価のヘテロ芳香族残基(たとえばピ
リジン、チオフェン、フラン及び相当するアルキル又は
ハロゲン置換された核)であってもよい。
【0029】本発明の目的に好適なジカルボン酸は、フ
タル酸及びナフタレンジカルボン酸である。特にテレフ
タル酸が好適である。
【0030】ここで、使用している用語「芳香族ジカル
ボン酸」は、上記式の範囲に含まれる2以上のジカルボ
ン酸の混合物及び該ジカルボン酸と20モル%以下、好まし
くは10モル%以下の脂肪族ジカルボン酸(たとえばコハク
酸又はアジピン酸)との混合物をも包含する。さらに、
用語「芳香族ジカルボン酸」は、前記化合物と20モル%以
下、好ましくは10モル%以下のヒドロキシ芳香族誘導体
(たとえばm−及びp−ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキ
シナフトエ酸及び2−ヒドロキシエチル安息香酸)との
混合物をも包含する。
【0031】本発明の組成物に好適な芳香族ポリエステ
ルの調製には、ヒドロキシル基の一方又は両方が揮発性
アルコールでエステル化された前記ジカルボン酸の前駆
体、又は該酸自体のアシルハライド、好ましくはハロゲ
ン化物も使用できる。後者は溶液中又は懸濁液中での重
縮合によって芳香族ポリエステルを得る場合に特に有用
である。揮発性又はいずれにしても蒸発によって容易に
除去されるアルコールでカルボン酸をエステル化するこ
とによって得られるジエステルが、本発明のポリエステ
ルを製造するためには特に有用である。
【0032】本発明での使用に好適な代表的な芳香族ジ
カルボン酸誘導体は、一般式(I)の酸のC1-5脂肪族
アルコールジエステル(たとえばジメチルエステル、ジ
エチルエステル及びジブチルエステル)である。
【0033】本発明の組成物のポリエステルb)の製造
に適するジオールとしては、公知技術のポリエステルの
製造に一般的に使用されている1分子当たりヒドロキシ
ル基2個を含有する通常の脂肪族又は脂環式化合物のす
べてを含む。これらの化合物は通常グリコールとしても
知られており、線状ポリエステルを得ることを可能にす
る。
【0034】ポリエステルb)の調製に好適なジオール
は、たとえば一般式 HO−(CH2)t−OH (ここで、nは1〜10の整数である)で表される脂肪族
グリコールを包含する。代表的なジオールとしては、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール及び1,4
−ジメチロールシクロヘキサンがある。特にエチレング
リコールが好適である。
【0035】本発明において使用する用語「ジオール」
は、グリコールと少量(一般にグリコールに対して10重
量%以下)のトリオール又は分枝状の熱可塑性ポリエス
テルが望まれる場合にはより多い官能基数を有するポリ
オールとの混合物をも包含する。
【0036】本発明の範囲は、本発明の方法により得ら
れる線状及び分枝状の熱可塑性ポリエステルの両方を含
む。
【0037】最後に、グリコール(たとえばジエチレン
グリコール又はプロピレングリコール)、又はオレフィ
ン系オキシド(たとえばエチレンオキシド又はプロピレ
ンオキシド)のオリゴメリゼーション又は重合反応によ
って得られるジオール又はポリオールも、好ましくは上
述の1以上のジオールとの混合物として本発明に使用さ
れる。これらのジオール又はポリオールは、一般に構造
式(VII) −(O−CH2−CHR−)r− (ここで、Rは水素又はメチル基であり;rは2〜50
0、好ましくは2〜300の整数である)で表される繰返し
単位の連続によって特徴づけられる。
【0038】本発明の組成物に好適なポリエステルb)
は、公知の方法のいずれかによって調製される。ポリエ
ステルの公知の製法及びその際に一般的に使用される触
媒に介しては、G.C.Eastmondら編、Comprehensive Po
lymer Science,Pergamon Press,Oxford 1989,Vol.
5,p.275〜315に開示されており、本発明においても
これを参照する。芳香族ポリエステルは、一般に、2段
階で行われる方法によって調製される。その第1段階で
は、二酸又はそのエステル化誘導体を過剰のジオールと
反応させ、反応の間に生成する水又はアルコールを除去
する。第2段階(200℃を越える温度、一般に230〜290
℃において減圧下で行われる)では、ポリエステルの生
成と共に過剰のジオールを除去する。第1及び第2段階
の両方で使用される触媒は一般に酸タイプであり、その
種類に応じて単一の段階で又は両段階でその触媒機能を
発揮できる。ポリエステルの工業的製造に特に使用され
る触媒は、たとえば硫酸、鉛、カルシウム、亜鉛又はマ
ンガンの酢酸塩、チタンアルコキシド、ゲルマニウム及
びアンチモンの酸化物であり、特に後者のものは第2の
重合段階用である。
【0039】本発明のポリエステル−ポリカーボネート
ブロック共重合体c)は、制御された条件下、ランタン
及びランタノイドの中から選ばれる金属の化合物を触媒
とする、本発明の組成物の成分a)について上述したも
のの中から選ばれるポリカーボネートと、ジオールをジ
カルボン酸又はその揮発性アルコールエステルと重縮合
させることによって得られた特殊なポリエステルとの間
のエステル交換反応によって得られる。
【0040】詳述すれば、該重縮合法は、i)芳香族ジ
カルボン酸又は揮発性アルコールとのエステル化誘導体
と過剰量のジオールとを、反応の間に生成する水又は揮
発性アルコールを同時に除去しながら、実質的にジカル
ボン酸ジグリコールエステル又はそのオリゴマーの混合
物が得られるまで反応させ;ii)前記工程i)で得られ
たジカルボン酸ジグリコールエステル又はそのオリゴマ
ーの混合物を、重縮合の間に放出される過剰のグリコー
ルを同時に除去しながら、熱可塑性芳香族ポリエステル
が得られるまで重縮合させる工程を包含してなり、前記
工程ii)又は好ましくは両工程i)及びii)に当たり、
ランタン及びランタノイドでなる群から選ばれる金属の
反応混合物に可溶性の塩又は塩錯体を触媒として使用す
る。かかる元素は原子番号58〜71を有する。
【0041】さらに詳述すれば、この金属は、ランタ
ン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウ
ム、ガドリウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミ
ウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテ
チウムでなるランタン系列元素から、好ましくはサマリ
ウム、ユーロピウム、ガドリウム、テルビウム、ジスプ
ロシウム、ホルミウム及びエルビウムから選ばれる。
【0042】本発明の目的には、ランタン、セリウム、
サマリウム及びユーロピウムの塩又は塩錯体が特に好適
である。
【0043】本発明に好適な無機塩は、一般式(VIII) MXpLq、 (式中、Mはランタン及びランタノイドから選ばれる金
属、好ましくはLa、Ce、Sm又はEuであり;Xは1価の無
機性対イオン(たとえば塩素、臭素又はフッ素イオン、
硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸水素イオン等)であ
り、q個のLの各々は独立して中性配位子を示し;pは
金属Mの酸化状態を示し、(p+q)が最大8、好まし
くは2〜6の整数である条件で2又は3である)で表さ
れる化合物である。
【0044】本発明の方法の触媒として使用される他の
化合物は、一般式(IX) MYpLq (式中、p個のYの各々は独立して単座有機性アニオン
を示し;M、L、p及びqは、(p+q)が最大8、好
ましくは2〜6の整数である条件で前記一般式(VIII)
におけるものと同意義である)で表される有機塩であ
る。
【0045】Yは、脂肪族、脂環式又は芳香族カルボン
酸に由来のアニオン、又はスルホン酸、スルフィン酸、
ホスホン酸又はホスフィン酸に由来のアニオン、又はア
ルコキシド、アリロキシド又はカルバメートアニオンで
ある。
【0046】Yは、ジカルボン酸(たとえばイソフタル
酸、シュウ酸又はマロン酸)のアニオン、又はp=3の
場合にはジカルボキシレートとモノ官能性アニオンとの
組合せであってもよい。
【0047】本発明の範囲内に包含されるカルボン酸又
はジカルボン酸に由来のYnの代表的な例としては、ホル
メート、アセテート、クロロアセテート、プロピオネー
ト、ブチレート、ヘキサノエート、デカノエート、パル
ミテート、ステアレート、シクロヘキサノエート、ベン
ゾアート、クロロベンゾアート、ヒドロキシベンゾアー
ト、トルエート、エチルベンゾアート、オクチルベンゾ
アート、4−フェニルベンゾアート、ナフトエート、2
−フランカルボキシレート、イソフタレート、マロネー
ト、アジペート及び同様のアニオンがある。Yの定義内
に含まれるアニオンの他の例としては、フェネート、
2,6−ジメチルフェネート、メトキシド、エトキシド、
プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシド、エチル
カルバメート、フェニルカルバメート、ベンゼンスルホ
ネート、ベンゼンホスホネートイオン等がある。
【0048】本発明の目的に好適なものは、ベンゾアー
ト、アセテート、プロピオネート、フェネート、2,6−
ジメチルフェネート、プロポキシド、イソプロポキシド
及びブトキシドイオンである。
【0049】上記一般式(VIII)及び(IX)の中性配位
子としては、ランタノイド金属の有機金属化学に熟知す
る者に一般的に知られたすべてのものがある。H2O及びN
H3(最も一般的な無機性の中性配位子である)に加え
て、少なくとも1個のヘテロ原子(たとえばN、P、O
又はS)を含有する非イオン系分子でなる有機配位子が
含まれる(配位に利用される少なくとも1個の電子二重
項を含有するNが好適である)。これらの配位子は、ヘ
テロ原子上に位置する塩基ルイス中心による金属Mの配
位子として作用する。本発明の目的に関して、上述の金
属Mの1つと安定な錯体を形成できる公知の異なる種類
の有機性中性配位子の実質的にすべてを使用できる。か
かる配位子の多くは、文献 Gmelin Handbuck der Anorg
anischen Chemie,Coordination Compounds of Sc,Y,
La to Lu,Vol.D1〜D4,8版,Springer Verlag,Berl
in(1980〜1986)に報告されており、本発明についても
これを参照する。
【0050】前記中性配位子Lとして好適なものとして
は、N、P、O及びSの中から選ばれる2以上のヘテロ
原子によって特徴づけられ、同じ金属原子Mと配位する
位置、又はヘテロ原子2個の場合には、相互に1,4又は
1,5の位置で配置された二座又は多座配位子がある。こ
れら配位子の代表的な例(本発明を限定するものではな
い)は、β−ジケトン又はβ−ケトエステル(たとえ
ば、アセチルアセトン又はメチルアセチルアセトネー
ト)、o−ジピリジル、8−ヒドロキシ−キノリン又は
クラウンエステル(たとえばベンゾ−12−クラウン−4
及びベンゾ−16−クラウン−5として公知の化合物)で
ある。
【0051】少なくとも1個の多座配位子が存在する錯
体の場合、一般式(VIII)及び(IV)におけるqは配位
子の数を示し、配位原子の数よりも少ない。
【0052】本発明の目的に好適な他の化合物は、上記
ランタノイド(M)と1以上の二座又は多座イオン系配
位子との錯体である。これらの中でも、一般式(X) BiMLj (式中、M及びLは前記と同意義であり;Bは二座アニ
オン配位子であり;及びiは金属の酸化状態を示し、た
だし(2i+j)は4〜8、好ましくは6〜8の整数で
ある)で表される錯体が好適である。
【0053】本発明の二座アニオン配位子Bは、金属M
と配位して一般に環内に原子5〜7個(金属Mを含む)
を有する環状構造を形成できる有機アニオンである。
【0054】一般式(X)の錯体を形成するために使用
される二座アニオン配位子の代表的な例(ただし、これ
に限定されない)は、サリチレート及びアシルサリチレ
ート(たとえばアセチルサリチレート)、β−ジケトネ
ート(たとえばアセチルアセトネート)、オルトホルミ
ルフェノレート、2−ピリジルカルボキシレート、アミ
ノアセテート、3−アミノプロピオネート、2−アミノ
フェノレート等である。
【0055】最後に、本発明は、その精神の範囲内に、
上述のランタノイドM(上述のクラスに属する)の二核
又は多核化合物でなる触媒(上述の一般式(VIII)、(I
X)及び(X)には厳密には包含されないものではあっ
ても)を包含する。
【0056】上述の化合物の中でも、Eu(アセチルアセ
トネート)3ジピリジル、Eu(2−ホルミルフェノレート)
3、Sm(アセチルアセトネート)3ジピリジル、Sm(2−ホ
ルミルフェノレート)3、サマリウムトリアセテート・6
水和物が特に好適である。
【0057】上述の一般式(VIII)、(IX)及び(X)で
表される化合物は、ランタノイドの無機及び有機金属化
学の一部を構成する一般的方法(これに関しては多数の
文献が存在する)の1つによってそれぞれ調製される。
これらの一般的方法の多くは、特異な多くの実施例と共
に、上記 Gmelin Handbuck der Anorganischen Chemi
e,Coordination Compounds of Sc,Y,La to Luの各巻
に開示されている。他の調製法も、たとえば Nouveau T
raite de Chemie Mineral,Vol.VII,Masson &C.Pub
lisher,France(1959)に報告されている。
【0058】上記一般式(VIII)、(IX)及び(X)の1
つに含まれる塩又は塩錯体に加えて、本発明のブロック
共重合体c)の調製に適するポリエステルを得るため
に、特に工程i)におけるようにジカルボン酸を使用す
る際には、ランタノイド酸化物及び/又は混合酸化物
(これら酸化物は加熱条件下で一般に可溶性である)を
触媒として使用できる。
【0059】本発明に使用される特殊なポリエステルを
得るためのランタノイド基材触媒は、一般に、ジカルボ
ン酸に対して0.01〜2重量%の量で使用される。好まし
くは、反応混合物に0.05〜0.5重量%の量で添加され
る。これらの濃度では、公知の触媒に匹敵する及びしば
しばこれを上回る高い触媒活性が発揮される。
【0060】重縮合において使用されるジオール及びジ
カルボン酸又はこれらの相当する揮発性アルコールによ
るエステル化誘導体は、一般に、熱可塑性芳香族ポリエ
ステルの公知の製法(特に本発明の組成物の芳香族ポリ
エステルb)の製造に関して詳述した方法)において使
用されるすべてのものである。
【0061】一般に、上記方法の工程i)は、ゆっくり
と撹拌し、反応間に生成する水及びアルコールを徐々に
留去しながら、温度120〜220℃において行われる。工程
ii)は、一般に、温度190〜290℃、好ましくは210〜280
℃、圧力10〜1000ハ゜スカルにおいて行われる。
【0062】代表的には、芳香族ジカルボン酸のジメチ
ルエステル(たとえばジメチルテレフタレート又はジメ
チルイソフタレート又はこれらの混合物)を過剰量のジ
オール(たとえばエチレングリコール(モル比=2/
1)又はテトラメチレングリコール(1.5/1))と混
合する。ついで、可溶性La、Ce、Sm又はEu錯体形の触媒
の好適量(一般にジメチルエステルに対して0.1〜0.3重
量%)を単量体混合物に添加する。ついで、混合物の温
度を約180〜200℃に上昇させ、ジオールとカルボン酸ジ
メチルエステルとの間の反応の間に生成するメタノール
を留去する。
【0063】メタノールがもはや発生されなくなった時
点で、温度をさらに220〜230℃に上昇させ、圧力を徐々
に約30〜50ハ゜スカルに低減させる。エステル交換反応の間
に発生する過剰のグリコールを留去し始める。ついで、
温度を徐々に約280〜290℃の最大値まで上昇させ、さら
に圧力を10〜20ハ゜スカルに低下させる。過剰のグリコール
の蒸留の間に、反応混合物は分子量及び粘度が増大し、
過剰のグリコールが所望の量で除去された時点で溶融状
のポリエステルが得られる。
【0064】これらのポリエステルは、一般に分子量5,
000〜100,000、好ましくは15,000〜50,000を有する。
【0065】特に、ランタノイド化合物を触媒とする前
記方法で得られたPETは、固有粘度(40/60(w/w)
フェノール/テトラクロロエタン溶液中で測定)少なく
とも0.3 dl/g、一般に0.5〜1.2 dl/gを有する。好
適なPETの固有粘度は0.6〜0.9dl/gである。
【0066】ランタノイド基材触媒を使用して調製され
た芳香族ポリエステルは、大きい分子量及び高い熱安定
性によって特徴づけられる。
【0067】これらは、溶融状態において共通のポリカ
ーボネートとエステル交換する傾向は小さい。発明者ら
は、安定化が生ずるメカニズムは充分に理解されてはい
ないが、この挙動は重合触媒としてランタノイド誘導体
を使用したことによるものと考えている。
【0068】ランタノイドを触媒とする重縮合によって
得られたポリエステルを溶融状態で芳香族ポリカーボネ
ートと接触させる際、2つの重合体の間のエステル交換
反応は部分的かつ制御可能な状態で生じ、従ってブロッ
クサイズの分布が、分布共重合体及びホモ重合体ポリエ
ステル及び/又はポリカーボネートとの混合物のいずれ
においても溶融状態において経時的に比較的安定である
好適な特性のブロック重合体を得ることが可能になる。
【0069】本発明によれば、ブロック共重合体c)
は、好ましくは溶融状態において温度200〜300℃でポリ
カーボネート及び上述の如くランタノイド基材触媒を使
用して得られたポリエステルを混合することによって調
製される。
【0070】本発明の目的にとってポリカーボネートと
ポリエステルの相対量は重要ではなく、調製しようとす
る共重合体の所望の組成に基づいて操作する者によって
選択される。
【0071】ブロック共重合体におけるポリカーボネー
ト/ポリエステルの重量比は、一般に10/90〜90/10で
あり、所望の共重合体の性質及び最終用途に基づいて選
択される。重量比は好ましくは30/70〜70/30である。
【0072】本発明の好適な1具体例では、ブロック共
重合体c)は、本質的にポリカーボネート及びポリエス
テルのブロック(各単量体単位はそれぞれ2つの成分
a)及びb)と同じである)でなる。
【0073】溶融状態での混合は、この目的に好適な連
続式又はバッチ式の装置(たとえば単一又はダブルスク
リュー押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダーミキ
サー、ミキシングローラー等)のいずれかによって行わ
れる。混合時間は、他の操作ファクター(たとえば温度
及び混合により生ずるせん断応力)と共に、平均のブロ
ックサイズの決定には関連するが、必ずしも重要ではな
い。発明者らによれば、PETとビスフェノールAを基材
とするポリカーボネートとの共重合体の場合、共重合体
の平均ブロックサイズは混合時間の増大に従って減少す
ることが観察されているが、この現象が生ずる割合は、
ランタノイド基材触媒を使用しない一般的な方法によっ
てポリエステルが得られる際に観察されるよりも驚くほ
ど少ない。さらに、平均ブロックサイズは、変化の初期
期間の後、ランダム共重合体において見られる平均サイ
ズよりもかなり大きい値付近で安定化する傾向にあるこ
とも観察されている。この値は、特定の場合、初期のポ
リエステル/ポリカーボネートの重量比、これらの重合
体の構造、温度及び他の操作上の変数に明らかに左右さ
れる。
【0074】本発明のブロック共重合体を得るために必
要な混合時間は、一般に、温度240〜280℃において1分
間以上、好ましくは1〜120分間であり、特に好ましく
は該温度において3〜30分間である。
【0075】本発明のブロック共重合体の特別な挙動
は、レオメーターによる測定、分光測定(特に1HNMRに
よる)、及びブロックの長さの化学的測定によって実験
的に明らかにされる。
【0076】本発明の目的にとっては、共重合体c)に
おけるポリエステル−ポリカーボネートブロックは、あ
まりかけはなれていない平均サイズ、好ましくは分子量
1,000〜10,000の範囲内の平均サイズを有する。
【0077】本発明のポリエステル−ポリカーボネート
ブロック共重合体は、本発明による組成物の成分a)及
びb)として定義した芳香族ポリカーボネート及びポリ
エステルと混合して使用される、又はそのままで使用さ
れ、製品及び部品を生成するための通常の加工法(たと
えば成形法)によって変換される高分子材料である。
【0078】最も一般的な具体例では、本発明の組成物
は、少なくとも成分c)が同時に存在すること(他の成
分との重量比に関する特別な制限なし)によって限定さ
れる。詳述すれば、本発明は、ブロック共重合体c)が
成分a)又はb)の一方とのみ、又は成分a)及び/又
はb)の少量(0〜50重量%)と混合された組成物を包
含する。
【0079】本発明の他の好適な具体例では、成分a)
及び/又はb)が多量で存在し、a)/b)の重量比80
/20〜20/80、好ましくは60/40〜40/60で混合され
る。この場合、ブロック共重合体c)は混合物に成分
a)+b)+c)の総重量に関して2〜50重量%、好ま
しくは5〜25重量%の量で添加される。
【0080】本発明の組成物は、目的に適する公知の方
法のいずれかによって得られる。該組成物は、溶融重合
体を混合する公知の方法(たとえば押出し、ブラベンダ
ーミキサー等)のいずれかにより、溶融状態の3つの成
分a)、b)及びc)を混合することによって調製され
る。
【0081】本発明の組成物は溶液中でも生成される
が、この方法はあまり好ましいものではない。
【0082】一般に、混合は、組成物に応じて定められ
た時間及び温度において溶液状態で行われる。温度は通
常200〜300℃である。各種の混合装置を使用できる。方
法は連続式又はバッチ式である。特に、単一又はダブル
スクリュー押出機、バンバリーミキサー、ミキシングロ
ール等を使用できる。混合時間は好ましくは短く、1〜
10分間、好ましくは1〜5分間である。
【0083】本発明の1具体例では、ポリカーボネート
及びポリエステルを基材とする組成物は、相溶化剤c)
に加えて、ポリエステルb)内に存在する重縮合触媒用
の阻害剤をも含有する。この阻害剤は、一般に、前記触
媒と反応する際にポリエステルに対して化学的に不活性
な生成物を形成しうる化合物である。本発明で使用され
る代表的ないくつかの例(これに限定されない)として
は、有機ホスファイト及び/又はホスフェート(たとえ
ばジ−n−オクタデシルホスファイト、トリフェニルホ
スファイト、ジフェニルホスファイト及びトリフェニル
ホスフェート)、又はヒ素誘導体(たとえばAs2O3)が
ある。
【0084】発明者らによれば、本発明の組成物の調製
に使用するポリエステルb)を、上述のランタノイドの
金属化合物を触媒として使用する方法によって得る場合
に特に有利かつ驚くべき結果が得られている(この場
合、何ら欠点を生ずることなく、阻害剤の使用を省略で
きる)。
【0085】本発明の目的にとって好適な組成物は、ビ
スフェノールAを基材とする線状又は分枝状ポリカーボ
ネート、及び実質的にPET又はPBTでなる芳香族ポリエス
テルを含有し、a)/b)の重量比が80/20〜20/80、
好ましくは60/40〜40/60であるものである。ビスフェ
ノールAを基材とするポリカーボネート及びPETを含有
する組成物が特に好適である。この場合、ブロック共重
合体c)は、好ましくは各ブロックの重量比が60/40〜
40/60であり、各ブロックの平均分子量が1,000〜10,00
0であるポリカーボネートブロック及びPETブロックでな
る。
【0086】本発明の熱可塑性組成物は、成分a)、
b)及びc)にのみ限定されるものではなく、組成物に
用途に応じた特性を付与できる他の成分又は添加剤をさ
らに含有できる。これらの中でも、高分子タフナーが特
に重要である。これらはガラス転移温度0℃以下を有す
る重合体であり、線状ブロックエラストマー又はポリオ
レフィン、又はグラフト又は架橋共重合体、又は当業者
に知られたコア−シェルタイプのものである。
【0087】これらは、好ましくは押出し機において溶
融状態での混合によって本発明の組成物に添加され、主
重合体マトリックス内に分散された相を形成する。
【0088】かかる高分子タフナーの例としては、ポリ
ブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエ
ン−アクリロニトリル、エチレン−プロピレンゴム、ポ
リイソブテン、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレ
ン−プロピレン−非共役ジエン三元重合体(EPDM)、ポ
リブチルアクリレート及び他のエラストマー性アクリル
系共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等がある。
本発明のポリエステル用として好適なタフナーの他の例
は、上述の重合体又は共重合体の1つから形成された線
状マトリックス[この上に、極性又は分極可能な不飽和
化合物(たとえば飽和脂肪族アルコールのアクリル又は
メタクリルエステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、
スチレン及び置換スチレン)の重合によるブロックがグ
ラフトされる]でなるグラフト共重合体である。
【0089】このような高分子添加剤は、成分a)、
b)、c)に関して30重量%以下、好ましくは10〜25重
量%の量で本発明のポリエステル−ポリカーボネート組
成物に添加される。
【0090】組成物を構成する各成分は開始時直接混合
装置に加えられるが、いくつかの場合、成分a)、b)
又はc)の1つを他の高分子添加剤と完全に又は部分的
に予混合することが便利である。
【0091】上述の成分に加えて、本発明の熱可塑性組
成物は、他の添加剤(たとえばヌクレアント(nuclean
t)、安定剤、難燃剤、流動化剤、酸化防止剤、顔料、
無機フィラー及び繊維強化剤)を含有できる。本発明の
組成物又はブロック重合体は、一般に工業的ポリエステ
ルと共に使用される添加剤及びポリカーボネート又は強
化用ゴム(他の成分との混合物中にこれらが存在する場
合)に使用される添加剤の1以上を含有できる。これら
添加剤は、ポリエステル及び/又はポリカーボネート及
びこれらの組成物の最終製品への変換操作に熟知する者
にとって公知であり、最終製品の最適な使用に要求され
る特殊な性質を付与する。
【0092】たとえば、PETに適し、本発明の組成物に
おいて使用されるヌクレアントはカルボン酸のナトリウ
ム塩である。本発明の組成物での使用に好適な安定剤の
例としては、液状ホスフェート及び立体障害フェノール
があり、本発明の組成物に0.05〜5.0重量%の量で添加
される。
【0093】熱可塑性組成物の剛性を増大させるための
無機フィラーは、雲母、カオリン、硫酸カルシウム、酸
化チタン、タルク、ガラスビーズ、硫酸アルミニウム、
ホイスカー等の如き通常不活性な塩である。
【0094】本発明の組成物において使用できる繊維強
化剤としては、ガラス繊維、ロックウール、炭素繊維、
有機性及び無機性の高モジュラス繊維等がある。特に好
適な繊維強化剤はガラス繊維であり、これらは未処理の
ものであるか、又は当業者によく知られている如くシラ
ン又はチタネートで処理されていてもよい。強化添加剤
は組成物に対して一般に50重量%を越えない量、好まし
くは30重量%以下の量で使用される。
【0095】上記のすべての添加剤及び本発明の組成物
に好適な他の成分も同じ比率で使用され、ポリエステル
−ポリカーボネートブロック共重合体との混合物が同等
の満足度で得られる(これらは本発明の他の態様を構成
する)。
【0096】本発明の組成物(そのままの又は添加剤と
混合したポリエチレン−ポリカーボネートブロック共重
合体を含む)は、射出又は押出しによって容易に加工さ
れ、各種の変換法(射出成形、加熱成形等)に好適であ
る。これらは、熱に対する良好な抵抗性と共に、高衝撃
強さ及び高モジュラスを有する成形製品の製造での使用
に適するものとなるような特性を合せ持つ。
【0097】本発明の組成物又は共重合体の一般的変換
法における使用に関して、これら物質がその組成及び分
布を充分に長い期間にわたって保持して、その特性を大
幅に変化させることなく溶融状態で各種の処理を受ける
ことが可能であるとの事実は特に有利である。これに対
して、公知の同様の組成物及び共重合体(本発明による
特別なブロック共重合体を含有しない)は、充分な安定
性を示さず、制御が充分に可能でないため調製が困難で
あり、阻害剤の添加を必要とする。これらの性質のた
め、本発明の組成物は自動車工業(焼付け塗装される部
品、エンジンと接触する部品等の製造)、家庭電気製
品、電子製品及び機械部品(一般に油だめ、ボックス、
コンテナ、パネル、プレート、シート、ロッド形)及び
さらに複雑な形状の成形製品の製造に使用される。
【0098】本発明がさらに良好に理解され、実施され
うるように、以下にいくつかの実施例を例示するが、本
発明はこれに限定されない。
【0099】ポリエステル−ポリカーボネート共重合体
の特性表示 いくつかの実施例に従って得られたポリエステル−ポリ
カーボネート共重合体を、特に各ブロックの強さ及びサ
イズを測定するため、ポリカーボネートの選択的劣化法
と組合せた1HNMRによる分光分析に供する。この方法を
使用して、初めにブロック共重合体を1HNMRに供してジ
アリールエステル基(−Ar−COO−A−;ここでAr及びA
は前記の意義を有する)(8.2〜8.4ppmに特性シグナルを
与える)の相対量を測定する。このシグナルの強さは形
成されたランダム共重合体の量に比例する。ついで、ブ
ロック共重合体を、被劣化物質(微粉砕し、ジクロロメ
タン 25ml中に懸濁化したもの)1g(正確に秤量す
る)にピペリジン 1mlを添加し、撹拌下、室温で1時
間反応させることによる選択劣化に供する。ポリカーボ
ネートセグメントの完全な破壊は、溶液の一定量につい
てIRスペクトル分析によって、1774cm-1におけるカーボ
ネート吸収が完全に消失するまで容易に監視される。ポ
リカーボネートセグメントの破壊が完了した時点で、反
応混合物をメタノール 75ml中に注ぎ、最も短いPETセグ
メント(ジクロロメタン/ピペリジン混合物中に可溶性
である)を完全に回収する。隔膜を通して濾過し、オー
ブン内において減圧下で乾燥させる。このようにして得
られた残渣を秤量してPETブロックの相対割合を算定す
る。ついで、共重合体中に初めに存在したブロックの平
均サイズを測定するため、常法によって残渣の平均分子
量を測定する。ついで、選択的溶解テスト(選択抽出)
を使用して、溶融状態のポリエチレンテレフタレート及
びポリカーボネートを混合することによって得られた重
合体サンプルの性質を決定し、PET−ポリカーボネート
ブロック共重合体でなるか又は2つの重合体の物理的混
合物(エステル交換反応が生じていない)であるかを決
定する。この方法において、分別されるべき微粉砕物質
1g(正確に秤量する)をジクロロメタン 25ml及びト
リフルオル酢酸1ml中に溶解する。完全に溶解した後、
テトラヒドロフラン 75mlを添加して、不溶性フラクシ
ョンを沈殿させる。濾液を減圧下で蒸発させて残渣とし
て可溶性フラクションを得る。PET−ポリカーボネート
共重合体の場合、2つのフラクションが得られ、いずれ
もポリエステル単位及びポリカーボネート単位(赤外線
下で認識される)を含有する重合体でなる。PET及びポ
リカーボネートホモ重合体の物理的混合物について行っ
たテストは、これらの条件下では、2つの重合体間の分
離が等しいことを示す。
【0100】行った実施例のいずれにおいても、PETの
固有年度の値は、60/40(w/w)テトラクロロエタン
/フェノール混合物中、0.3〜1g/100ml、25℃での測
定値である。後述の1HNMRスペクトルは、ジュウテリオ
クロロホルム及びジュウテリオトリフルオル酢酸の80/
20混合物に溶解した被検共重合体の希溶液について記録
したものである。
【0101】サマリウム又はユーロピウム錯体の調製 A)サマリウムトリス(o−ホルミルフェノレート)の
調製 o−ホルミルフェノレート 8.5g(0.07モル)を含有する
水溶液約500mlを、水500ml中にサマリウムトリクロリド
3g(11.7ミリモル)を含有する溶液に添加した。濃KOH水
溶液を添加することによって混合物のpHを6〜7に調整
し、系を8時間撹拌下に維持した。このようにして形成
された沈殿物を濾取し、水で洗浄し、減圧下、60℃で乾
燥させた。得られた生成物(サマリウムについて定量的
収率で得られた)はサマリウムトリス(o−ホルミルフ
ェノレート)でなる。
【0102】B)ユーロピウムトリス(o−ホルミルフ
ェノレート)の調製 上述したサマリウム合成物の調製法A)と同様にして、
ただしサマリウムトリクロリドの代わりにユーロピウム
トリクロリドを使用し、その他の試薬については変更せ
ず、同じモル比で使用して錯体ユーロピウムトリス(o
−ホルミルフェノレート)を調製した。
【0103】C)ユーロピウムアセチルアセトネートジ
ピリジルの調製 アセチルアセトン 7g(0.07モル)を含有する水溶液約3
00mlを、水500ml中にユーロピウムトリクロリド 3g
(11.6ミリモル)を含有する溶液に添加した。濃KOH水溶液
を添加することによって混合物のpHを6〜7に調整し、
系を8時間撹拌下に維持した。このようにして形成され
た沈殿物を濾取し、水で洗浄し、減圧下、60℃で14時間
乾燥させた。ついで、固状物(ユーロピウムアセチルア
セトネートでなる)をエタノールに溶解させ、エタノー
ル中に2,2′−ジピリジル 3.7gを含有する溶液をこれ
に添加した。混合物を撹拌下に約1時間維持した。生成
した沈殿物を濾取し、エタノールで洗浄し、オーブン内
で乾燥させた。この生成物はEu(AcAc)3(2,2′−dipy)
でなり、初期のユーロピウムに対して実質的に定量的収
率で生成された。
【0104】
【実施例1】 サマリウムトリス(o−ホルミルフェノレート)を基材
とする触媒を使用するPETの調製 ブレード付き撹拌機及び溶融塊状物の粘度を測定できる
モーターを具備する円筒形フラスコ(1.8リットル)に上述
の方法A)により調製したサマリウムトリス(o−ホル
ミルフェノレート)0.506g(9.9×10-4モル)の存在下、
ジメチルテレフタレート(DMT)305g(1.572モル)及び
エチレングリコール 221g(3.565モル)を充填した。系
を大気圧下で195℃に加熱し、生成したメタノールを連
続して留去しながら、この温度に60分間維持した。
【0105】ついで、圧力を20分間で30ハ゜スカルに低下さ
せ、反応温度を268〜270℃に上昇させ、これらの条件下
に2.5時間維持した。得られたポリエステルを反応器か
ら取り出し、水で急速に冷却し、オーブン内において10
0℃、圧力30ハ゜スカルで10時間乾燥させた。
【0106】このようにして得られたPETの固有粘度は
0.80 dl/gであった。
【0107】
【実施例2】 ユーロピウム(アセチルアセトネート)3ジピリジルを基
材とする触媒を使用するPETの調製 実施例1と同じ割合の試薬、ただし触媒としてサマリウ
ム錯体の代わりに上述の方法C)で得られたユーロピウ
ム(アセチルアセトネート)3ジピリジル 0.601gを使用
し、同様の方法にてPETサンプルを調製した。このよう
にして得られたPETは固有粘度0.67 dl/gを有してい
た。
【0108】
【実施例3】 ユーロピウムトリス(o−ホルミルフェノレート)を基
材とする触媒を使用するPETの調製 実施例1と同じ割合の試薬、ただし触媒としてサマリウ
ム錯体の代わりに上述の方法B)で得られたユーロピウ
ムトリス(o−ホルミルフェノレート)0.601gを使用し
て、同様の方法にてPETサンプルを調製した。このよう
にして得られたPETは固有粘度0.74 dl/gを有してい
た。
【0109】
【実施例4〜8】 ポリエステル−ポリカーボネートブロック共重合体の調
【0110】
【実施例4】実施例2に従って調製したPET 22.7gをブ
ラベンダーミキサー50W(チャンバー容積50ml)に入
れ、安定化剤を含有せず、固有粘度(クロロホルム中、
30℃で測定)0.65 dl/g(分子量約33,000に相当)を
有するビスフェノールA線状ポリカーボネート 30gを
添加した。減圧下、110℃で予め1夜乾燥させた2つの
重合体を、密閉したチャンバー内でブレード回転速度60
rpm、270℃にて90分間混合し、さらに90分間同じ条件
(ただしさらに減圧して(100ハ゜スカル))下で混合した。
【0111】得られた生成物は図1に示すように1HNMR
スペクトルを有していた。
【0112】ポリカーボネート配列の選択抽出及び選択
劣化により特性を検査した。ジクロロメタンに溶解する
フラクションについての1HNMRスペクトルは、PET及びポ
リカーボネートの両方のシグナルを示し、ジクロロメタ
ンに不溶性のフラクションについても同じ結果を示し
た。選択劣化後の残渣(その重量は2つの重合体を最初
に混合した際の組成を基にして予期されるPETの量に相
当する)についての1HNMRスペクトルは、PETのみを含有
することを示した。かかる残渣は固有粘度0.24 dl/g
を有し、これは共重合体におけるPETブロックについて
平均分子量3,100に相当する。
【0113】
【実施例5】実施例4と同じ手順で、同じ混合物の成分
割合、ただし実施例2で調製したPETの代わりに実施例
3に従って調製したPET 22.7gを使用して実験を繰り返
した。上述の如くして選択抽出した後、得られた生成物
は、ジクロロメタンに可溶性のフラクション及びジクロ
ロメタンに不溶性のフラクションの両方においてPET及
びポリカーボネートの存在を示した。同様にして、選択
劣化後、かかる生成物についての1HNMRスペクトルは、
固有粘度0.13 dl/g(共重合体におけるPETブロックに
ついて平均分子量1,200に相当する)を有するPETの存在
のみを示した。
【0114】
【実施例6】実施例4と同じ手順で、同じ混合物の成分
割合、ただし実施例2で調製したPETの代わりに実施例
1に従って調製したPET 22.7gを使用して実験を繰り返
した。上述の如くして選択抽出した後、得られた生成物
は、ジクロロメタンに可溶性のフラクション及びジクロ
ロメタンに不溶性のフラクションの両方においてPET及
びポリカーボネートの存在を示した。同様にして選択劣
化後、かかる生成物についての1HNMRスペクトルは、固
有粘度0.11 dl/g(共重合体におけるPETブロックにつ
いて平均分子量900に相当する)を有するPETの存在のみ
を示した。
【0115】
【実施例7】実施例2に従って調製したPET 20gをブラ
ベンダーミキサー50Wに入れ、実施例4で使用したビス
フェノールA線状ポリカーボネート20gを添加した。減
圧下、110℃で予め1夜乾燥させた2つの重合体を、ブ
レード回転速度30rpm、270℃にて5分間混合させると共
に、テストの間モレキュラーシーブにて乾燥させた窒素
流を通過させた。
【0116】最終生成物についての1HNMRスペクトルは
交換反応の形跡を示さなかった。しかしながら、上述し
たような化学構造の測定では、ジクロロメタンに可溶性
のフラクション及びジクロロメタンに不溶性のフラクシ
ョンの両方におけるPET及びポリカーボネートの両方の
存在を示した。選択劣化後、残渣(その重量は2つの重
合体を最初に混合した際の組成を基にして予期されるPE
Tの量に相当する)についての1HNMRスペクトルは、PET
のみを含有することを示した。かかる残渣は固有粘度0.
76 dl/gを有し、これは共重合体におけるPETブロック
について平均分子量18,700に相当する。
【0117】
【実施例8】実施例7と同じ手順及び同じ混合物の成分
割合を使用し、ただしブラベンダーミキサー50Wで3分
間ではなく17分間混合を続けることにより実験を繰り返
した。この実験においても、図2に示すように最終生成
物についての1HNMRスペクトルは交換反応の形跡を示さ
なかった。しかしながら、上述したような化学構造の測
定では、ジクロロメタンに可溶性のフラクション及びジ
クロロメタンに不溶性のフラクションの両方におけるPE
T及びポリカーボネートの両方の存在を示した。選択劣
化後、残渣(その重量は2つの重合体を最初に混合した
際の組成を基にして予期されるPETの量に相当する)に
ついての1HNMRスペクトルは、PETのみを含有することを
示した。かかる残渣は固有粘度0.48 dl/gを有し、こ
れは共重合体におけるPETブロックについて平均分子量
9,100に相当する。
【0118】
【実施例9】 (比較例)公知の重縮合法に従ってCa(CH3COO)2及びSb2
O3から調製した固有粘度約0.93 dl/gを有するPET 22.
7gを上記実施例のブラベンダーミキサー50Wに入れ、
上記実施例で使用したビスフェノールA線状ポリカーボ
ネート30gを添加した。減圧下、110℃で予め1夜乾燥
させた2つの重合体を、ブレード回転速度30rpm、270℃
にて30分間混合した。
【0119】最終生成物についての1HNMRスペクトル
は、図3に示すように、エステル基及びカーボネート基
の間における交換反応により形成されたジアリールエス
テル基の特性である8.2〜8.4におけるシグナルを示し
た。選択劣化による特性分析では、PETブロックの存在
をあまり示さなかった。
【0120】
【実施例10】 (比較例)公知の重縮合法に従ってTiOBu4から調製した
固有粘度0.85 dl/gを有するPET22.7gを実施例9の如
くポリカーボネートと混合させた。この場合も、1HNMR
分光法及び選択劣化による得られた生成物の特性分析で
は、PET−ポリカーボネートのランダム共重合体の存在
を示した。
【0121】
【実施例11】 (比較例)実施例9で使用したものと同じPET 20g及び
同じポリカーボネート 20gを、ジ−n−オクタデシル
ホスファイト(PET触媒残渣用の不活性化剤として作用
する)0.2g(0.5重量%)と共に、減圧下、110℃で乾
燥させた後、上記実施例で使用したブラベンダーミキサ
ー50Wに入れた。混合物をブレード回転速度30rpm、270
℃にて60分間撹拌した。
【0122】最終生成物についての1HNMRスペクトル
は、エステル基及びカーボネート基の間における交換反
応の形跡を示さなかった。得られた生成物を選択溶解テ
ストに供したところ、固有粘度0.51 dl/gを有するPET
のみでなる不溶性フラクション50%及びポリカーボネー
トのみでなる可溶性フラクション50%であることを示し
た。
【0123】これらの結果から、交換反応が起こらず、
従って、最終的に得られた生成物は2つのホモ重合体の
物理的混合物でなることが確認された。
【0124】
【実施例12】 ポリエステル−ポリカーボネート組成物 ブラベンダーミキサーPlasticord 2000(60rmp、温度27
0℃で使用)において、実施例9で使用したPET(固有粘
度0.93 dl/gを有する)及び固有粘度(クロロホルム
中、30℃で測定)0.65 dl/gを有するビスフェノール
A線状ポリカーボネートの等量を混合することにより、
4つの異なる組成物を調製した。実施例4の如くして得
られたポリエステル−ポリカーボネートブロック共重合
体を各々の組成物に下記の如く異なる量で添加した。組成物番号 ブロック共重合体(重量%) i(対照) 0 ii 5 iii 10 iv 20 百分率は各々の組成物の全重量に対するものである。
【0125】得られた各組成物の形態を電子走査顕微鏡
で検査した。得られた形態を図4(i〜iv)に再現した
写真に示す。
【0126】この図からわかるように、ブロック共重合
体は最終的に得られた組成物の形態に大きな影響を与え
ると共に、共重合体の濃度に依存して異なった相を呈し
ている。図4のi(対照)(相溶化剤が存在しない)は、
PET及びポリカーボネートの間における高い非相溶性を
示す。他の3つでは、一方の相が他方の相内で細かく分
散された形態が観察され、不連続相領域のサイズが組成
物に添加されたブロック共重合体の量に依存しているこ
とがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法によって得られたポリエステル−
ポリカーボネートブロック共重合体の1HNMRスペクトル
を示す図である。
【図2】本発明の製法によって得られたポリエステル−
ポリカーボネートブロック共重合体の1HNMRスペクトル
を示す図である。
【図3】従来の製法によって得られたポリエステル−ポ
リカーボネートブロック共重合体の1HNMRスペクトルを
示す図である。
【図4】4種のポリエステル−ポリカーボネート組成物
の形態を示す顕微鏡写真である。
フロントページの続き (72)発明者 ブラディミール・イニャートブ イタリー国メストレ市ビア・アレアルディ 49 (72)発明者 コルラード・ベルチ イタリー国ルーゴ市ビア・ゲラルディ8 (72)発明者 マウリージョ・フィオリーニ イタリー国バッツァーノ市ビア・パンザネ ーザ3/エ (72)発明者 フランチェスコ・ピラーチ イタリー国ボローニャ市ビア・エルマン ノ・ガレオッチ12

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融状態での加工の間の高安定性と共に、
    改善された機械的、化学的、熱的及び電気的特性を合わ
    せて有する芳香族ポリエステル及びポリカーボネートを
    基材とする熱可塑性重合体組成物において、a)一般式
    (I) −(−Ar−O−CO−O−)− (式中、Arはフェノール性水酸基2個を含有する化合物
    に由来の2価のC6-30芳香族基である)で表される繰返
    し単位でなる芳香族ポリカーボネート、b)芳香族ポリ
    エステル、c)少なくとも1のポリエステルブロック及
    び少なくとも1のポリカーボネートブロックでなるブロ
    ック共重合体を包含してなり、前記ブロック共重合体
    c)が溶融状態で芳香族ポリカーボネートと芳香族ポリ
    エステルとを混合することによって製造されたものであ
    り、該芳香族ポリエステルがジオール及びジカルボン酸
    又はその揮発性アルコールエステルの混合物を、ランタ
    ン及び周期律表のランタノイドの中から選ばれる金属の
    化合物でなる触媒の存在下で重縮合させることによって
    得られたものであることを特徴とする、熱可塑性重合体
    組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のものにおいて、前記ブロッ
    ク共重合体c)が、式(II) −(−Ar′−O−CO−O−)n− で表される繰返しカーボネート構造単位及び式(III) −(−O−D−O−CO−A−CO−)m− で表される繰返しエステル構造単位でなるものである
    (これら式中、Ar′はフェノール性水酸基2個を含有す
    る化合物に由来の2価の芳香族基であり、好ましくは前
    記一般式(I)の基Arと同じ化学構造を有するものであ
    り;D及びAは、それぞれジオールに由来の2価の有機
    基及び芳香族ジカルボン酸に由来の2価の有機基であ
    り;n及びmは、それぞれ独立した5〜250、好ましく
    は5〜100の正の整数である)、熱可塑性重合体組成
    物。
  3. 【請求項3】請求項2記載のものにおいて、n及びmが
    10〜50である、熱可塑性重合体組成物。
  4. 【請求項4】請求項1記載のものにおいて、前記ブロッ
    ク共重合体c)が、それぞれ独立して平均分子量1,000
    〜10,000を有するポリカーボネートブロック及びポリエ
    ステルブロックでなるものである、熱可塑性重合体組成
    物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項記載のものに
    おいて、前記ブロック共重合体c)が、各単量体単位が
    ポリカーボネートa)及びポリエステルb)の単量体単
    位とそれぞれ同じ構造を有するポリカーボネートブロッ
    ク及びポリエステルブロックでなるものである、熱可塑
    性重合体組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項記載のものに
    おいて、前記ブロック共重合体c)を製造するために使
    用する芳香族ポリエステルが、ランタン、ネオジム、プ
    ラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリウム、
    テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウ
    ム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムでなるラ
    ンタン系列元素から、好ましくはサマリウム、ユーロピ
    ウム、ガドリウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホル
    ミウム及びエルビウムから選ばれる、及び好ましくはラ
    ンタン、セリウム、サマリウム及びユーロピウムから選
    ばれる金属の塩又は塩錯体でなる触媒の存在下での重縮
    合反応によって得られたものである、熱可塑性重合体組
    成物。
  7. 【請求項7】請求項6記載のものにおいて、ランタノイ
    ド金属の塩又は塩錯体が、式(VIII) MXpLq、 式(IX) MYpLq 又は式(X) BiMLj (式中、Mはランタン系列元素に属する金属、好ましく
    はランタン、セリウム、サマリウム又はユーロピウムで
    あり;Xは1価の無機性対イオンであり;各Lは独立し
    て中性配位子を示し;各Yは独立して単座有機性アニオ
    ンを示し;Bは二座アニオン系配位子であり;p及びi
    は金属Mの酸化状態を示し、(p+q)が最高8、好ま
    しくは2〜6の整数である条件及び(2i+j)が4〜
    8、好ましくは6〜8の整数である条件で2又は3であ
    る)のいずれかで表されるものである、熱可塑性重合体
    組成物。
  8. 【請求項8】請求項6記載のものにおいて、ランタノイ
    ド金属の塩又は塩錯体が、Eu(アセチルアセトネート)3
    ジピリジル、Eu(2−ホルミルフェノレート)3、Sm(アセ
    チルアセトネート)3ジピリジル、Sm(2−ホルミルフェ
    ノレート)3、及びサマリウムトリアセテート・6水和物
    の中から選ばれるものである、熱可塑性重合体組成物。
  9. 【請求項9】請求項6〜8のいずれか1項記載のものに
    おいて、ランタノイド金属の塩又は塩錯体が、重縮合混
    合物中に、ジカルボン酸又はその揮発性アルコールエス
    テル化誘導体の重量について0.01〜2重量%、好ましく
    は0.05〜0.5重量%の濃度で存在する、熱可塑性重合体
    組成物。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれか1項記載のもの
    において、前記成分a)及び/又はb)50重量部以下、
    前記成分c)50〜100重量部を含有し、成分a)、b)
    及びc)の重量の合計が100である、熱可塑性重合体組
    成物。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれか1項記載のもの
    において、前記成分c)3〜50重量部及び前記成分a)
    及び/又はb)50〜97重量部を含有し、成分a)、b)
    及びc)の重量の合計が100である、熱可塑性重合体組
    成物。
  12. 【請求項12】請求項10又は11記載のものにおいて、成
    分a)/成分b)の重量比が80/20〜20/80、好ましく
    は60/40〜40/60である、熱可塑性重合体組成物。
  13. 【請求項13】請求項1〜12のいずれか1項記載のもの
    において、前記ポリカーボネートa)が平均分子量10,0
    00〜50,000、好ましくは15,000〜30,000を有するもので
    ある、熱可塑性重合体組成物。
  14. 【請求項14】請求項1〜13のいずれか1項記載のもの
    において、前記ポリカーボネートa)が、炭酸前駆体
    と、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
    スフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−
    ヒドキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
    シフェニル)ペンタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
    メタン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、ヒド
    ロキノン、レゾルシノール、1,1−ビス(4−ヒドロキ
    シフェニル)エタン、2,2−ジヒドロキシジフェニル、
    2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナ
    フタレン、1,1′−ジヒドロキシ−4,4−ジナフチル、
    4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジ
    ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ
    ジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−
    ジクロロジフェニルエーテル又はこれらの2以上の混合
    物の中から選ばれる芳香族ジオールとの間の反応から得
    られるポリカーボネートの中から選ばれるものである、
    熱可塑性重合体組成物。
  15. 【請求項15】請求項8記載のものにおいて、前記ポリ
    カーボネートa)がポリ[2,2−ビス(4−ヒドロキシ
    フェニル)プロパン]である、熱可塑性重合体組成物。
  16. 【請求項16】請求項1〜15のいずれか1項記載のもの
    において、前記芳香族ポリエステルb)が、ジオール又
    はその前駆体とC8-22芳香族ジカルボン酸又はその前駆
    体との重縮合から得られる固有粘度(60/40(w/w)
    フェノール/テトラクロロエタン混合物中、30℃で測
    定)0.3 dl/g以上、好ましくは0.5〜0.9 dl/gを有
    する熱可塑性ポリエステルである、熱可塑性重合体組成
    物。
  17. 【請求項17】請求項16記載のものにおいて、前記芳香
    族ポリエステルb)が、フタル酸、ナフタレンジカルボ
    ン酸及びジフェニレン酸から選ばれるジカルボン酸と、
    式(VI) HO−(CH2)t−OH (式中、tは1〜10の整数である)で表されるジオール
    の中から選ばれる脂肪族ジオールとの重縮合によって得
    られたものである、熱可塑性重合体組成物。
  18. 【請求項18】請求項17記載のものにおいて、前記脂肪
    族ジオールが、エチレングリコール、ジエチレングリコ
    ール、トリエチレングリコール、テトラメチレングリコ
    ール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコ
    ール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサン
    ジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン及びこれ
    らの2以上でなる混合物から選ばれるものである、熱可
    塑性重合体組成物。
  19. 【請求項19】請求項16記載のものにおいて、前記芳香
    族ポリエステルb)が、平均分子量15,000〜50,000を有
    するポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレ
    フタレートである、熱可塑性重合体組成物。
  20. 【請求項20】請求項1記載のものにおいて、a)ビス
    フェノールAを基材とする線状ポリカーボネート、b)
    前記成分a)/該成分b)の比が60/40〜40/60となる
    量のポリエチレンテレフタレート、c)ポリカーボネー
    トブロック及びポリエチレンテレフタレートブロックで
    なり、これらブロックの重量比が60/40〜40/60であ
    り、各ブロックの平均分子量が1,000〜10,000であるブ
    ロック共重合体3〜25重量%(成分a)+b)+c)の
    重量について)でなる、熱可塑性重合体組成物。
  21. 【請求項21】請求項1〜20のいずれか1項記載のもの
    において、前記成分a)、b)及びc)に加えて、ポリ
    ブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエ
    ン−アクリロニトリル、エチレン−プロピレンゴム、ポ
    リイソブテン、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレ
    ン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体(EPDM)、
    ポリブチルアクリレート及び他のエラストマー性アクリ
    ル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、及びこれ
    らの重合体及び共重合体に、飽和脂肪族アルコールのア
    クリル又はメタクリルエステル、酢酸ビニル、アクリロ
    ニトリル、スチレン及び置換スチレンの重合によるブロ
    ックをグラフトさせることによって得られた誘導体の中
    から選ばれる高分子タフナー30重量%以上(成分a)+
    b)+c)の重量について)を含有してなる、熱可塑性
    重合体組成物。
  22. 【請求項22】少なくとも1のポリカーボネートブロッ
    ク及び少なくとも1のポリエステルブロックでなる熱可
    塑性ブロック共重合体において、前記ポリカーボネート
    ブロック及びポリエステルブロックが、それぞれ、式
    (II) −(−Ar′−O−CO−O−)n− 及び式(III) −(−O−D−O−CO−A−CO−)m− で表される繰返しカーボネート及びエステル構造単位で
    なるものであり(これら式中、Ar′はフェノール性水酸
    基2個を含有する化合物に由来する、好ましくは前記式
    (I)の基Arと同じ化学構造を有する2価の芳香族基で
    あり;D及びAは、それぞれジオールに由来の2価の有
    機基及び芳香族ジカルボン酸に由来の2価の有機基であ
    り;n及びmは、それぞれ独立して5〜250、好ましく
    は5〜100の正の整数である)、該ブロック共重合体
    は、前記式(II)及び(III)で表される繰返し単位で
    なる芳香族ポリカーボネート及び芳香族ポリエステルを
    溶融状態で互いに混合することによって調製されたもの
    であり、前記芳香族ポリエステルが、ランタン及び周期
    律表のランタノイドの中から選ばれる金属の化合物でな
    る触媒の存在下でジオール及びジカルボン酸又はその揮
    発性アルコールエステルの混合物を重縮合させることに
    よって得られたものであることを特徴とする、熱可塑性
    ブロック共重合体。
  23. 【請求項23】請求項22記載のものにおいて、n及びm
    が10〜50である、熱可塑性ブロック共重合体。
  24. 【請求項24】請求項22記載のものにおいて、それぞれ
    独立して平均分子量1,000〜10,000を有するポリカーボ
    ネートブロック及びポリエステルブロックでなるもので
    ある、熱可塑性ブロック共重合体。
  25. 【請求項25】請求項22〜24のいずれか1項記載のもの
    において、該熱可塑性ブロック共重合体の製造に使用す
    る芳香族ポリエステルが、式(VIII) MXpLq、 式(IX) MYpLq 又は式(X) BiMLj (式中、Mはランタン系列元素に属する金属、好ましく
    はランタン、セリウム、サマリウム又はユーロピウムで
    あり;Xは1価の無機性対イオンであり;各Lは独立し
    て中性配位子を示し;各Yは独立して単座有機性アニオ
    ンを示し;Bは二座アニオン系配位子であり;p及びi
    は金属Mの酸化状態を示し、(p+q)が最高8、好ま
    しくは2〜6の整数である条件及び(2i+j)が4〜
    8、好ましくは6〜8の整数である条件で2又は3であ
    る)のいずれかで表されるランタノイド金属の塩又は塩
    錯体でなる触媒の存在下での重縮合によって得られたも
    のである、熱可塑性ブロック共重合体。
  26. 【請求項26】請求項25記載のものにおいて、ランタン
    系列元素に属する金属の塩又は塩錯体が、Eu(アセチル
    アセトネート)3ジピリジル、Eu(2−ホルミルフェノレ
    ート)3、Sm(アセチルアセトネート)3ジピリジル、Sm(2
    −ホルミルフェノレート)3、及びサマリウムトリアセテ
    ート・6水和物の中から選ばれるものである、熱可塑性
    ブロック共重合体。
  27. 【請求項27】請求項22〜26のいずれか1項記載のもの
    において、ポリカーボネートブロック/ポリエステルブ
    ロックの重量比が10/90〜90/10、好ましくは30/70〜
    70/30である、熱可塑性ブロック共重合体。
  28. 【請求項28】請求項22〜27のいずれか1項記載のもの
    において、重量比60/40〜40/60のビスフェノールA基
    材ポリカーボネートブロック及びPETブロックでなる、
    熱可塑性ブロック共重合体。
  29. 【請求項29】請求項1〜21のいずれか1項記載の熱可
    塑性重合体組成物の製法において、溶融状態の3種の成
    分a)、b)及びc)を温度200〜300℃で1〜10分間、
    好ましくは1〜5分間混合することを特徴とする、熱可
    塑性重合体組成物の製法。
  30. 【請求項30】請求項22〜26のいずれか1項記載のブロ
    ック共重合体の製法において、溶融状のポリカーボネー
    ト及びポリエステルを温度240〜280℃で1〜120分間、
    好ましくは3〜30分間混合することを特徴とする、ブロ
    ック共重合体の製法。
  31. 【請求項31】請求項1〜21のいずれか1項記載の組成
    物の1つを含有することを特徴とする、成形製品。
  32. 【請求項32】請求項22〜28のいずれか1項記載のブロ
    ック共重合体を含有することを特徴とする、成形製品。
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