JP2007161928A - 超分岐ポリカーボネート及びその製造方法 - Google Patents

超分岐ポリカーボネート及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐加水分解性及び耐熱分解性、更にはガラスや金属などの異種材料への密着性、及び耐溶剤性に優れた超分岐ポリカーボネートとその有利な製造方法、並びにそれを用いた樹脂組成物と、その製造原料としてのトリスフェノールのフェニルカーボネート誘導体を提供する。
【解決手段】分子末端にアリールカーボネート基を有する超分岐ポリカーボネート。好ましくは更に分子末端にリン酸基及び/又は亜リン酸基を有する。この超分岐ポリカーボネートを特定のトリスフェノールのフェニルカーボネート誘導体を重縮合反応させることにより製造する。更に、リン酸エステル類及び/又は亜リン酸エステル類を反応させて、分子末端にリン酸基及び/又は亜リン酸基を導入する。

Description

本発明は、透明性、耐加水分解性及び耐熱分解性、更にはガラスや金属などの異種材料への密着性、及び耐溶剤性に優れた超分岐ポリカーボネートとその有利な製造方法、並びにそれを用いた樹脂組成物と、その製造原料としてのトリスフェノールのフェニルカーボネート誘導体に関する。
本発明の超分岐ポリカーボネートは、汎用ポリカーボネート樹脂に比べて、無機材料又は金属などの異種材料への密着性に優れ、また、汎用ポリカーボネート樹脂に比べて耐溶剤性が改善されており、しかも優れた透明性及び耐熱性を有し、更に、汎用ポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂との相溶性や反応性にも優れることから、ポリマーブレンド材料としても好適であり、例えば、自動車部品、光学部品、窓材料などとして有用である。
ポリカーボネート樹脂は透明性と耐熱性に優れた工業材料であるが、耐溶剤性や異種材料(例えばプライマーなどの有機薄膜や金属など)への密着性が不足する場合があり、その用途に制限があった。
耐溶剤性や密着性などの表面物性は、高分子の末端基の数や性質に影響を受ける。これは、末端基は分子鎖中のモノマー単位に比べてはるかに可動性に富み、しかも該末端基が親水性基(例えば酸性基)の場合は、疎水性の汎用高分子材料の成形表面に、より高濃度で分布しやすいためである。従って、末端基濃度が大きな高分子であるほど、表面物性はその末端基の性質により顕著に影響を受けて変化すると考えられる。
末端基濃度を顕著に高める高分子技術として、超分岐高分子の手法がある。超分岐高分子は、分子が樹枝状の分岐構造を有する高分子の総称であり、非特許文献1において「デンドリティック高分子」として解説されている概念と同義である。超分岐高分子は具体的には非特許文献1の9〜10ページに記載のように、6つの構造体(デンドリマー、リニア−デンドリティックポリマー、デンドリグラフトポリマー、ハイパーブランチポリマー、スター・ハイパーブランチポリマー、ハイパーグラフトポリマー)に大別される。かかる樹枝状分岐構造が最も密にかつ規則的に制御されたものは、デンドリマー(Dendrimer)と呼ばれる。
超分岐ポリカーボネートについては、非特許文献2に報告されており、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの誘導体であるAB型又はAB型モノマーを原料として製造される。ここで、Aはクロロフォルメート基を、Bはtert−ブチルジメチルシリル基(以下「TBDMS基」と略記)で保護されたフェノール性水酸基を、それぞれ表す。これらのモノマーを原料として、フッ化銀の共存下に重縮合を行うことにより、フルオロフォルメート基及びTBDMS基で保護されたフェノール性水酸基を末端基とする超分岐ポリカーボネートが得られる。これら2種の末端基はいずれも加水分解可能であり、従って、加水分解により理論的には全末端基がフェノール性水酸基である超分岐ポリカーボネートに変換される。
しかしながら、ここで報告されている超分岐ポリカーボネートは、加水分解を受けやすく高価なフルオロフォルメート基及びTBDMS基で保護されたフェノール性水酸基を末端基とするので、工業材料として見た場合には、耐加水分解性及び耐熱分解性にあると共に、酸性の分解生成物による金型腐食性の問題、並びに製造コストが高いという問題がある。加水分解により全末端基をフェノール性水酸基に変換することを意図した該超分岐ポリカーボネートにおいても、その官能基変換反応の収率は必ずしも定量的でない場合があることと、官能基変換反応の副生物除去の精製を高純度で行うことの困難性から、依然として化学的安定性(吸水性や耐加水分解性)に課題を残していた。また、全末端がフェノール性水酸基の超分岐ポリカーボネートが仮に得られたとしても、フェノール性水酸基自体の弱酸性、親水性、酸化により着色構造に変化しやすい性質により、かかる材料の化学的安定性は満足できるものではなく、超分岐ポリカーボネートの末端基を化学合成的に制御して、化学的安定性に優れたものとする技術が求められていた。
一方で、直鎖型ポリカーボネート分子の末端をリン酸エステルや亜リン酸エステルに変換する方法が非特許文献3に開示されている。この方法により、耐溶剤性や異種材料への密着性などの表面物性が改善される可能性がある。しかしながら、この方法は、リン酸トリエチルや亜リン酸ジエチルなどのリン化試薬を溶媒として用いて直鎖型ポリカーボネートを溶解し、150℃を超える比較的高温処理を行うものであるため、前記非特許文献1の超分岐ポリカーボネートのように化学的安定性に劣るものを原料とすると、熱による着色などの劣化が顕著であった。
青井啓悟、柿本雅明監修;デンドリティック高分子;(株)エヌ・ティー・エス刊、2005年10月31日、ISBN4−86043−098−0 D.H.Bolton and K.L.Wooley;Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,Vol.40,823-835(2002) K.Troev,R.Tsevi and I.Gitsov;Polymer,Vol.42,39-42(2001)
本発明の課題は、耐加水分解性及び耐熱分解性、更にはガラスや金属などの異種材料への密着性、及び耐溶剤性に優れた超分岐ポリカーボネートとその有利な製造方法、並びにそれを用いた樹脂組成物と、その製造原料としてのトリスフェノールのフェニルカーボネート誘導体の提供にある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、次のような推考及び検討を行った。
ポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂の耐加水分解性の悪化は、通常、酸性末端基(例えばフェノール性水酸基やカルボキシル基)濃度の増大が一因となる。かかる親水性末端基濃度の増大により吸水性も大きくなるので、なおさら加水分解が促進される。しかしながら、かかる親水性末端基は一方で、金属や親水性プライマー材料などへの密着性や、ガラス繊維などの無機フィラーへの濡れ性を向上する有利な効果も発揮する。従って、上記課題の解決のためには、超分岐ポリカーボネートのフェノール性水酸基末端の一部を、化学的に安定な官能基に変換して、これら欠点と利点のバランスをとる技術が有望であると考えられた。
このような推考のもとに、本発明者らは、超分岐ポリカーボネートの合成反応と合成品の物性を検討した結果、トリスフェノール類のモノ又はジアリールカーボネート誘導体をモノマーとして用いる重縮合により、末端基としてフェニルカーボネート基に代表されるアリールカーボネート基を有する超分岐ポリカーボネートを合成可能であること、分子末端にアリールカーボネート基を有する超分岐ポリカーボネートは優れた耐加水分解性と耐熱分解性を有するものであり、更に必要に応じて酸性末端基(フェノール性水酸基、リン酸基、亜リン酸基、カルボキシル基など)を適切な割合で並存させることにより、異種材料への密着性や耐溶剤性を向上させることができることを見出した。更に、こうして得られる新規な超分岐ポリカーボネートは、汎用のポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂などとの相溶性や反応性を有することから、これら汎用樹脂とのポリマーブレンドにより非常に均質な混合状態を有する樹脂組成物を与えることも見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 分子末端にアリールカーボネート基を有することを特徴とする超分岐ポリカーボネート。
[2] [1]において、分子末端に、更に下記一般式(1)で表されるリン酸基及び/又は下記一般式(2)で表される亜リン酸基を有することを特徴とする超分岐ポリカーボネート。
Figure 2007161928
(一般式(1),(2)において、(A)はポリカーボネート残基との結合手を表し、Rは水酸基、炭素数10以下の炭化水素基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数10以下のアリールオキシ基、或いは酸素原子又は炭素原子を介して結合する第2のポリカーボネート残基を表す。)
[3] 原料モノマーの少なくとも一部として、下記一般式(3)で表されるトリスフェノールのアリールカーボネート誘導体及び/又は下記一般式(4)で表されるトリスフェノールのアリールカーボネート誘導体を用いて重縮合反応を行う工程を有することを特徴とする[1]又は[2]の超分岐ポリカーボネートの製造方法。
Figure 2007161928
(一般式(3),(4)において、Ar,Arは各々独立にアリール基を表し、Rは炭素数6以下のアルキル基又は水素原子を表す。)
[4] [3]において、前記重縮合反応工程で得られた超分岐ポリカーボネートに、リン酸エステル類及び/又は亜リン酸エステル類を反応させる工程を有することを特徴とする[2]に記載の超分岐ポリカーボネートの製造方法。
[5] [1]又は[2]の超分岐ポリカーボネートと、直鎖型ポリカーボネート樹脂、長鎖分岐型ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂とを混合してなることを特徴とする樹脂組成物。
[6] 下記構造式(a)又は下記構造式(b)で表されるトリスフェノールのフェニルカーボネート誘導体。
Figure 2007161928
本発明の超分岐ポリカーボネートは、耐加水分解性及び耐熱分解性、更にはガラス、石英板等の無機材料やアルミニウム箔等の金属などの異種材料への密着性、及び耐溶剤性に優れる。特に、異種材料への密着性は、該超分岐ポリカーボネートがリン酸基又は亜リン酸基(若しくはリン酸ジアルキル基や亜リン酸ジアルキル基のようにそれらがエステル化された基)を末端基として有する場合に顕著となる。
しかも、本発明の超分岐ポリカーボネートは、汎用ポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂との相溶性や反応性を有することから、ポリマーブレンド材料としても有用であり、ポリカーボネート本来の透明性と優れた異種材料密着性を利用して、自動車部品、光学部品、窓材料などの各種用途に極めて有用である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
[超分岐ポリカーボネート]
〈化学構造〉
本発明の超分岐ポリカーボネートは、熱可塑性であって分子末端にアリールカーボネート基を有するものである。本発明における超分岐ポリカーボネートとは、前記非特許文献1に記載の6つの構造体のうち、ランダムな分岐構造を有するものであるハイパーブランチポリマー、スター・ハイパーブランチポリマー及びハイパーグラフトポリマーのいずれかに該当する高分子鎖の形状を有するものであって、熱可塑性を有する限りにおいて部分的に架橋構造を含有していてもよいものである。これら高分子鎖の形状のうち、ハイパーブランチポリマー又はスター・ハイパーブランチポリマーが好ましく、最も好ましいのはハイパーブランチポリマーに該当する高分子鎖の形状を有するものである。
ここで、超分岐ポリカーボネート1分子中の分岐点の個数は、前記ハイパーブランチポリマーの定義から少なくとも2個であり、その上限には熱可塑性を有する限りにおいて制限はないが、超分岐ポリカーボネートを構成する単量体(モノマー)単位全体に対する分岐点単量体のモル比として、通常5〜100モル%、その下限は好ましくは10モル%、更に好ましくは20モル%である。この上限値は大きいほど、本発明の効果は顕著となる。
このような本発明の超分岐ポリカーボネートの化学構造上の特徴は、以下の(1)、更に詳細には以下の(2)の方法で同定することができる。
(1)与えられたポリカーボネートの塩化メチレンなど有機溶媒への可溶性を調べる。
例えば、後述するビスフェノールA型ポリカーボネートは、高分子構造が直鎖状ならば通常塩化メチレンに少なくとも10重量%程度の濃度まで可溶であるが、与えられたポリカーボネートの溶解性が悪い(例えば、不溶のゲル状成分の存在で判定する。)場合、直鎖状以外の化学構造(即ち、超分岐等の高度の分岐や架橋)の存在が想定される。かかる場合、その材料が熱可塑性を有するならば、少なくとも部分的に超分岐構造を有すると判定できる。
与えられたポリカーボネートの溶解性が良好な場合は、溶液粘度をいくつかの溶液濃度において測定する。そして、市販の直鎖状ポリカーボネートと異なる溶液粘度の溶液濃度依存性を得る場合は、超分岐構造を有する可能性があると簡便に判定できる。
(2)アルカリ(例えば水酸化ナトリウムやナトリウムメトキシドなど)やアニリンなどの活性水素を有するアミン類などの塩基性物質によるカーボネート結合の分解と、分解性生物の定量分析を行う。
即ち、ポリカーボネートの溶液を、分解反応促進のために必要に応じ40℃程度(例えば塩化メチレンの沸点程度)に加熱しながら、当量を制御した前記塩基性物質を加え、該塩基性物質を完全に消費させる。次いで、希塩酸などの酸性水溶液と振り混ぜて液性を弱酸性としたのち、分解生成物を汎用のLC(液体クロマトグラフィー)やGC(ガスクロマトグラフィー)などクロマトグラム分析(必要であればマススペクトル機能を付加する。)により同定する。
この同定で、後述するトリスフェノール類等の多価フェノール残基が、その1超分岐残基当り、2価以上の多価フェノール残基3個以上をいずれもカーボネート結合を介して結合した化学構造単位が検出され、しかも与えられたポリカーボネート全体のモノマー単位に対する該超分岐残基の割合が5モル%以上である場合、このポリカーボネートは超分岐構造を有すると判定できる。
〈分子末端のアリールカーボネート基〉
アリールカーボネート基を有する分子末端とは、下記一般式(5)で表される化学構造を有する。但し、一般式(5)においてArは炭素数6〜18、好ましくは6〜12であるアリール基(即ち、芳香族基)であって、任意の置換基、例えばアルキル基やアルコキシ基を含有していてもよい。Arはポリカーボネート分子鎖末端に位置する芳香族残基であり、好ましくはフェニレン基、例えばビスフェノールA残基や1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン残基の中の1つのベンゼン環である。
Figure 2007161928
一般式(5)におけるアリール基Arは、具体的にはフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−イソプロペニルフェニル基、4−オクチルフェニル基、4−ドデシルフェニル基、4−フェニルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ナフチル基等であり、これらのうち合成の容易性、熱安定性及びポリマーブレンドにおける相溶性の点で好ましいのはフェニル基、4−メチルフェニル基及び4−tert−ブチルフェニル基である。
本発明の超分岐ポリカーボネートの分子末端のアリールカーボネート基は、すべて同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
アリールカーボネート基が本発明の超分岐ポリカーボネートの分子末端に占める割合(以下「アリールカーボネート末端割合」と記す場合がある。)については、無機材料又は金属などの異種材料への密着性の点でその上限は通常99%、好ましくは95%、更に好ましくは90%であり、一方その下限は耐加水分解性及び耐熱分解性の点で通常5%、好ましくは10%、更に好ましくは20%である。
本発明の超分岐ポリカーボネートの分子末端のアリールカーボネート基の存在は、前記塩基性物質によるカーボネート結合の分解と、分解性生物の定量分析において、かかる分子末端に由来する1価ヒドロキシアリール化合物(例えばフェノール)として検出定量できる。
〈分子末端の酸性基〉
本発明の超分岐ポリカーボネートは、その分子末端に必ず前記アリールカーボネート基を有するので、この化学構造の化学的安定性により、従来になく優れた化学的安定性、例えば、耐加水分解性や耐酸化劣化性などを有するが、その分子末端に酸性基を有する場合、異種材料への密着性が顕著に向上する場合がある。
ここでいう酸性基としては、フェノール性水酸基、下記一般式(1)で表されるリン酸基、下記一般式(2)で表される亜リン酸基、カルボキシル基、スルホン酸基(Ar−O−S(O)OH。但しここでArは前記一般式(5)のArと同様である。)などが例示され、密着性と熱安定性の兼備の点で好ましいのは前記リン酸基、前記亜リン酸基及びカルボキシル基であり、更に好ましいのは前記リン酸基と前記亜リン酸基である。
Figure 2007161928
(一般式(1),(2)において、(A)はポリカーボネート残基との結合手を表し、Rは水酸基、炭素数10以下の炭化水素基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数10以下のアリールオキシ基、或いは酸素原子又は炭素原子を介して結合する第2のポリカーボネート残基を表す。)
本発明の超分岐ポリカーボネートの分子末端には、1種の酸性基が導入されていてもよく、異なる2種以上の酸性基が導入されていてもよい。
酸性基が本発明の超分岐ポリカーボネートの分子末端に占める割合(以下「酸性末端割合」と記す場合がある。)については、自動車部品、光学部品、窓材料などの一般成形材料の用途では、耐加水分解性と成形時の熱安定性の点でその上限は通常90%、好ましくは80%、更に好ましくは70%であり、一方その下限は異種材料への密着性向上の点で通常5%、好ましくは10%、更に好ましくは20%である。
接着剤、プライマー、シーリング材などの薄膜状態や積層状態での使用用途においては、必ずしも熱可塑化成形によらず例えば溶液を経由する塗布法で製膜されるので、高度の熱安定性を要求されない場合もあり、若しくは異種材料の積層により必ずしも耐加水分解性が高度でなくてもよい場合もあるので、前記酸性末端割合の上限値に制限はなく、その下限値は通常20%、好ましくは30%、更に好ましくは40%となる。
前記酸性末端割合は、与えられた超分岐ポリカーボネートの核磁気共鳴(NMR)スペクトルにより決定される。具体的には、与えられた超分岐ポリカーボネートの溶液又は固体NMRにおいて、前記酸性基が末端に存在する場合に特有のケミカルシフトを示すシグナルがプロトン、カーボン、リンなどの原子のNMRで判別されるので、酸性基末端でない末端(例えば前記一般式(5)で表されるアリールカーボネート基を有する分子末端)に帰属されるシグナルとの積分値の比較により算出される。
[超分岐ポリカーボネートの製造方法]
本発明の超分岐ポリカーボネートの好ましい製造方法は、下記一般式(3)で表されるトリスフェノールのアリールカーボネート誘導体及び/又は下記一般式(4)で表されるトリスフェノールのアリールカーボネート誘導体を重縮合反応の原料として用いる方法である。
Figure 2007161928
(一般式(3),(4)において、Ar,Arは各々独立にアリール基を表し、Rは炭素数6以下のアルキル基又は水素原子を表す。)
上記一般式(3),(4)において、Rのアルキル基の炭素数が6を超えると、得られる超分岐ポリカーボネートと後述する芳香族ポリカーボネート樹脂等の汎用エンジニアリング樹脂材料との相溶性が悪化したり熱変形温度が低下したりする場合がある。
かかるトリスフェノールのアリールカーボネート誘導体の中でも重縮合反応性と製造コストの点で好ましいのは、前記一般式(3),(4)中のAr,Arがフェニル基であるフェニルカーボネート類であり、特に下記構造式(a)で表される1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのビスフェニルカーボネート及び下記構造式(b)で表される1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのモノフェニルカーボネートが最も好ましい。
Figure 2007161928
重縮合反応の原料となるトリスフェノールのアリールカーボネート誘導体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ここでいう重縮合反応は、制御された加熱と減圧を行って、水酸基とアリールオキシ基(前記一般式(5)におけるAr−O−基)との縮合によりヒドロキシアリール化合物(Ar−OH、例えばフェノール)を脱離する素反応を進行させ、該ヒドロキシアリール化合物を系外に除去して該素反応の平衡を高分子量化方向にずらせて促進するものである。
かかる重縮合反応においては、触媒として、ポリカーボネートの溶融重合で公知の触媒、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどの炭酸塩類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムなどの水酸化物類、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウムヒドロキシド類などが生成する超分岐ポリカーボネートの重量に対して通常1〜10000ppm、好ましくは5〜5000ppm、更に好ましくは10〜1000ppmの割合で使用できる。
かかる重縮合反応は、無溶媒、若しくは高温減圧となる反応条件での揮発が問題とならない適当な溶媒の存在下で行われる。
ここで、前記トリスフェノールのアリールカーボネート誘導体を必須モノマーとして重縮合反応に使用する限りにおいて、ビスフェノールAなどのビスフェノール類や脂環式ジオール類などの2価モノマーの1種又は2種以上を共重合成分として使用してもよく、かかる2価モノマーはその水酸基の双方又は片方を下記構造式(c)及び構造式(d)のようにフェニルカーボネート基に代表されるアリールカーボネート基に変換しておいてもよい。また、別途、末端基として水酸基又はフェニルカーボネート基等のアリールカーボネート基を有するオリゴマーを調製しておき、これを該重縮合反応に加えてもよい。更に、ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート類やジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート類等の炭酸エステル類を、高分子鎖延長や末端基バランス調整の目的などで添加してもよい。
Figure 2007161928
本発明の超分岐ポリカーボネートの製造方法においては、必須モノマーである前記トリスフェノールのアリールカーボネート誘導体の使用量は、重縮合原料の全モノマー単位に対して通常5〜100モル%、超分岐の密度を高めるためにその下限は好ましくは10モル%、更に好ましくは20モル%である。
前記重縮合反応で生成する超分岐ポリカーボネートの末端基は、通常、水酸基又はアリールカーボネート基である。この割合は、理論的には、重縮合原料を構成するモノマーやオリゴマーの全末端基中の水酸基/アリールカーボネート基の比(以下「OH/ArCO比」と称す。)で決まる。これは、1つの水酸基と1つのアリールカーボネート基とが縮合することにより、高分子量化に寄与するカーボネート結合が1つ生成する機構であるためである。つまり、理論的には、OH/ArCO比が1より大きいと水酸基末端の方がアリールカーボネート基末端よりも多い超分岐ポリカーボネートが生成し、OH/ArCO比が1より小さいとその逆の末端基バランスとなる。
後述するように、超分岐ポリカーボネートにリン酸基や亜リン酸基を導入する場合には、通常、水酸基末端を経由するので、かかる末端基バランスの制御により、中間体としての水酸基末端の割合を制御する必要がある。こうして制御導入される水酸基末端をそのまま前記酸性基として利用することも可能である。
かかる重縮合反応中は、ヒドロキシアリール化合物の系外への除去や材料の均質性を確保する目的で、機械的攪拌を加えることが好ましい。撹拌方法としては、公知の攪拌方法、例えば、イカリ型翼、ヘリカル翼、ダブルヘリカル翼、パドル翼などの攪拌翼によっても、スクリュ型攪拌翼(必要に応じ二軸以上の多軸押出機型の装置としてもよい)によってもよい。
また、重縮合反応中は、生成物の酸化劣化などの副反応を抑制するために、反応器内の空気や溶存酸素ガスを極力除去しておくことが好ましく、これは、反応初期に窒素ガスなどの不活性ガスで反応雰囲気を十分に置換しておくことで通常行われる。
前記重縮合反応における加熱条件は、その下限温度は通常150℃、反応速度や平衡を高分子量化方向にずらせる点で好ましくは170℃、更に好ましくは200℃であり、一方その上限温度は通常350℃、熱分解などの副反応を抑制する点で好ましくは320℃、更に好ましくは300℃である。
前記重縮合反応における減圧条件は、反応初期においては通常大気圧又は加圧とする。これは、モノマー類やそれらの数量体(オリゴマー)に揮発性があるため、それらを不用意に減圧留去して化学量論(モルバランス)が著しくずれることを回避するためである。従って、十分な高分子量化に必要な化学量論を確保するために、減圧を開始する時点では、低沸点のモノマー類やそれらの数量体は消費されてより高分子量の不揮発成分が主体の状態となっていることが望ましい。この要請を満たし、かつ突沸や急激な発泡による留出系の閉塞などのトラブルを防ぎながら温度管理と並行して減圧度を増してゆくのが好ましい。最終的に達する最高減圧度は、通常100mmHg(13.3kPa)以下、好ましくは10mmHg(1.33kPa)以下、更に好ましくは5mmHg以下(0.67kPa)である。
[リン酸基及び/又は亜リン酸基の導入方法]
前記下記一般式(1)で表されるリン酸基及び/又は下記一般式(2)で表される亜リン酸基を、前記超分岐ポリカーボネートの末端に導入する方法に制限はないが、例えば、前記水酸基末端を下記反応式(e)又は反応式(f)に例示するリン酸化試薬の縮合と加水分解を利用して変換する方法が挙げられる。但し、これら2つの反応式においては、(PC)は超分岐ポリカーボネート残基を表し、ある1つの水酸基末端について説明している。
(PC)−OH+P(O)Cl3→(PC)−O−P(O)Cl2
→(PC)−O−P(O)(OH)2 (e)
(PC)−OH+Cl−P(O)(OC25)2→(PC)−O−P(O)(OC25)2
→(PC)−O−P(O)(OH)2 (f)
前記反応式(e)及び反応式(f)いずれにおいても、1段目の反応では、ピリジンや三級アミン類(例えばトリエチルアミン)などの有機塩基、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基を、脱HCl剤として使用する。2段目の加水分解は、通常アルカリ性水溶液の作用で可能であるが、特に反応式(f)においてはまずトリメチルシリルヨージドで処理して相当するトリメチルシリルエステルに変換した後、水と接触させる方法も可能である。
前記反応式(e)及び反応式(f)において、2つの超分岐ポリカーボネート残基が1つのリン酸化試薬に反応すれば、前記一般式(1)又は一般式(2)におけるRが第2のポリカーボネート残基となる場合を与える。
亜リン酸基の導入は、前記反応式(e)及び反応式(f)において、リン酸化試薬の代わりに相当する亜リン酸化試薬(PCl3やCl−P(OC25)2など)を用いて、同様に可能である。
特に好ましい反応様式として、前記非特許文献2の方法を利用する方法、即ち、前記重縮合反応で得られる分子末端にアリールカーボネート基を有する超分岐ポリカーボネートに、リン酸エステル類(例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル等)及び/又は亜リン酸エステル類(例えば、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチル、亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジブチル等)を加熱条件下にて接触させる反応が好ましく用いられる。
また、前記超分岐ポリカーボネートをトリエチルホスファイト等のホスファイト類を溶媒として溶解し、100〜250℃程度、好ましくは130〜200℃、更に好ましくは150〜180℃で数時間、好ましくは1〜10時間加熱する方法も利用できる。
この方法によると、ポリカーボネート分子鎖中のカーボネート結合と亜リン酸ジエステル類との交換反応により、(PC)−O−P(OR)2なる亜リン酸ジエステル末端を生成する。但しここで(PC)は超分岐ポリカーボネート残基を、Rはホスファイト類が有するアルキル基又はアリール基を、それぞれ表す。かかる亜リン酸エステル末端は加水分解により亜リン酸末端(PC)−O−P(OH)2に変換可能である。リン酸トリエステル類との反応では、同様に(PC)−O−P(O)(OR)2なるリン酸ジエステル末端を生成し、かかるリン酸ジエステル末端は加水分解によりリン酸末端(PC)−O−P(O)(OH)2に変換可能である。
[樹脂組成物]
本発明の超分岐ポリカーボネートは、汎用エンジニアリング樹脂材料であるポリカーボネート樹脂(通常ビスフェノールAを原料とする)、ポリエステル樹脂(例えばPET樹脂、PBT樹脂、PEN樹脂、ポリアリレート樹脂、シクロヘキサン環を繰返し単位に有する脂環式ポリエステル樹脂、ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル樹脂など)、ポリアミド樹脂などとの相溶性や反応性を有するので、これら汎用樹脂材料とのポリマーブレンドにより、非常に均質な混合状態(高度の透明性を有する場合もある。)を有する樹脂組成物を与える。かかる樹脂組成物の原料となる他の樹脂材料は、直鎖型又は長鎖分岐型の高分子構造を有するので通常熱可塑性であり、主なものの具体例は以下の通りである。
(1)ポリカーボネート樹脂(以下「PC樹脂」と略記する場合がある。)
PC樹脂は、3価以上の多価フェノール類を共重合成分として含有できる1種以上のビスフェノール類や脂肪族ジオール類(ガラス転移点の点で好ましくは剛直な脂環式ジオール類)を原料モノマーとし、ビスアルキルカーボネート、ビスアリールカーボネート、ホスゲン等の炭酸エステル類との反応により製造される重合体であり、必要に応じて芳香族ポリエステルカーボネート類とするために共重合成分としてテレフタル酸やイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸又はその誘導体(例えば芳香族ジカルボン酸ジエステル、芳香族ジカルボン酸ハーフエステル、芳香族ジカルボン酸塩化物)を使用してもよい。
原料のビスフェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールM、ビスフェノールP、ビスフェノールS、ビスフェノールZ(略号はアルドリッチ社試薬カタログを参照)等が例示され、中でもビスフェノールAとビスフェノールZ(中心炭素がシクロヘキサン環に参加しているもの)が好ましく、ビスフェノールAが特に好ましい。共重合可能な3価フェノール類としては、1,1,1−(4−ヒドロキシフェニル)エタンやフロログルシノールなどが例示できる。PC樹脂は、単独使用でも2種以上の併用であってもよく、複数種の単量体の共重合体であってもよい。
PC樹脂の製造方法に特に制限は無く、例えば次の(a)〜(d)の方法など、公知のいずれの方法も採用できる。
(a) ビスフェノール類のアルカリ金属塩と求核攻撃に活性な炭酸エステル誘導体(例えばホスゲン)とを原料とし、生成ポリマーを溶解する有機溶剤(例えば塩化メチレンなど)とアルカリ水との界面にて重縮合反応させる界面重合法
(b) ビスフェノール類と前記求核攻撃に活性な炭酸エステル誘導体とを原料とし、ピリジン等の有機塩基中で重縮合反応させるピリジン法
(c) ビスフェノール類とビスアルキルカーボネートやビスアリールカーボネート等の炭酸エステル(好ましくはジフェニルカーボネート)とを原料とし、溶融重縮合させる溶融重合法
(d) ビスフェノール類と一酸化炭素や二酸化炭素との反応で製造する方法
PC樹脂の分子量に特に制限は無く、40℃のクロロホルム溶媒によるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:標準試料として単分子量分散ポリスチレンを使用)で測定される重量平均分子量Mwが通常10,000〜500,000であり、機械的物性と溶融流動性の観点から重量平均分子量Mwが好ましくは15,000〜200,000、より好ましくは20,000〜100,000である。ガラス転移点は通常120〜190℃、耐熱性と溶融流動性の観点から好ましくは130〜180℃、より好ましくは140〜180℃である。
(2)ポリアリレート樹脂(以下「PAR樹脂」と略記する場合がある。)
PAR樹脂は、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸など)又はその誘導体(例えばジメチルテレフタレートやジメチルイソフタレート等の芳香族ジカルボン酸ジエステル類)と前記ビスフェノール類とを原料とする全芳香族ポリエステルからなる樹脂であり、必要に応じて多価フェノール類(例示は前記PC樹脂における3価フェノール類など)を共重合してもよい。
好ましいPAR樹脂としては、テレフタル酸および/又はイソフタル酸とビスフェノールAとが重縮合(前記PC樹脂の製造方法と同様の重合形式が可能である)したポリエステルである。
市販品として入手可能なPAR樹脂としては、ユニチカ社製「Uポリマー」(登録商標)が例示される。
PAR樹脂は単独で使用しても複数種の併用であってもよい。特に、PAR樹脂は、前記PC樹脂や後述するポリエステル樹脂と優れた相溶性を有し、又はエステル交換反応による相溶化も可能であるため、これらの樹脂とのポリマーブレンドとしての使用も可能である。
PAR樹脂の分子量には特に制限はないが、40℃のクロロホルム溶媒によるGPC(標準試料として単分子量分散ポリスチレンを使用)で測定される重量平均分子量Mwが通常8,000〜200,000であり、機械的物性と溶融流動性の観点から好ましくは10,000〜100,000、より好ましくは15,000〜80,000である。
(3)ポリエステル樹脂
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体(例えばジカルボン酸のジメチルエステルなど)とジオールとの縮合反応により得られ芳香族環を繰返し単位の化学構造中に有する芳香族ポリエステル類と、ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とジオールとの縮合反応により得られ芳香族環を分子鎖中に有さない脂肪族ポリエステル類に分けられる。
芳香族ポリエステル類としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリ1,3−プロピレンテレフタレート樹脂などが例示される。
脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリ乳酸、ポリ4−ヒドロキシブチレート、ヒドロキシブタン酸とヒドロキシ吉草酸の共重合体、ポリブチレンスクシネート、ポリブチレンアジペート、アジピン酸とテレフタル酸の混合ジカルボン酸と1,4−ジヒドロキシブタンとの共重合ポリエステル、ポリカプロラクトン等の生分解性脂肪族ポリエステル類、シクロヘキサンジメタノールとシクロヘキサンジカルボン酸の重縮合体(PCCD)などの脂環式ポリエステル類等が例示される。ジオールとしてポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリトリメチレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)などのポリエーテルジオール類を共重合してポリエステル樹脂に柔軟性を付与することも可能である。
前記ポリエステル樹脂は、芳香族ポリエステル類又は脂肪族ポリエステル類であるかを問わず、単独で使用しても複数種のポリマーブレンドとしての併用であってもよい。また、ポリエステル樹脂との相溶性に優れる前記PC樹脂とのブレンドも可能である。例えば、市販品として入手可能であるポリエステル樹脂ブレンド材料としては、前記PCCDとビスフェノールA型のPC樹脂の相溶ポリマーブレンド材料であり、ガラス転移点が例えば100℃程度である日本ジーイープラスチックス社製「ザイレックス(Xylex)」(登録商標)が例示される。
ポリエステル樹脂の分子量には特に制限は無いが、フェノールとテトラクロロエタンとの重量比1:1の混合溶媒を使用し、濃度1g/dLとしたポリエステル溶液の30℃で測定した極限粘度[η]が、通常0.5〜3.0dL/gである。極限粘度がこの範囲よりも小さい場合には、靭性が極端に低下し、逆にこの範囲よりも大きい場合には、溶融粘度が大きすぎて熱可塑成形に支障を来すことがある。
前記例示の樹脂材料のうち、好ましいものは直鎖型ポリカーボネート樹脂又は長鎖分岐型ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂のうちの少なくとも1種である。
本発明の超分岐ポリカーボネートと、これらの他の樹脂材料とを混合ないし反応させて本発明の樹脂組成物を製造する場合、その使用割合には特に制限はなく、0.1:99.9〜99.1:0.1(重量比)の幅広い割合とすることができる。ただし、本発明の超分岐ポリカーボネートによる優れた特性を十分に発揮させるために、樹脂組成物中の超分岐ポリカーボネートの割合は全樹脂成分に対して10重量%以上であることが好ましい。
[添加剤等]
本発明の超分岐ポリカーボネート、若しくは本発明の超分岐ポリカーボネートを含む本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、フィラー(強化材)や改質材(耐衝撃性改善剤、熱安定剤、紫外線吸収剤など)を添加してもよく、これらは汎用の任意のものを任意の割合で使用可能である。
フィラーとしては、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ等のガラス系強化材、炭素繊維、カーボンナノチューブ、フラーレン類等の炭素系強化材、タルク、カオリン、モンモリロナイト、合成雲母等の層状珪酸塩類、アルミニウムやステンレス等の金属を材質とする微粒子や繊維などが例示できる。改質材としては、エラストマーやゴムなどの耐衝撃性改善剤、ホスファイト系(例えばMARK2112の商品名で常用されているトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなど)などの熱安定剤、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、離型剤、顔料、帯電防止剤などが例示できる。
これら添加剤等の混合方法としては、汎用の任意の方法、例えば溶融混合法や溶液状態での混合方法が利用できる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明が規定する範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
なお、以下の実施例及び比較例において、ポリカーボネート樹脂或いはこれを含む樹脂組成物の評価方法は次の通りである。
(1)密着性
ポリカーボネート樹脂若しくは樹脂組成物を、石英板又は市販のアルミニウム箔上に熱プレス成形(280℃、加熱時間3分)により厚さ約0.5mmのフィルム状に積層した。このフィルム表面にセロテープ(登録商標)を貼り付け、手でゆっくりと引張って剥がそうとした場合の剥離しやすさを、剥がれやすい(×)、部分的に剥がれる(△)、剥がれにくい(○)の三段階で定性的に評価した。
(2)耐熱分解性(280℃加熱での着色)
前記密着性試験における熱プレス成形前後での黄変着色の多少を、定性的に目視評価した。
(3)耐溶剤性
前記密着性試験における熱プレス成形で得たフィルムを、トルエンに室温で10分間浸漬し、表面の浸食状況を、膨潤又は白濁(×)、わずかなニゴリ感(△)、変化が認められない(○)の三段階で定性的に目視評価した。
(4)透明性
前記密着性試験における熱プレス成形で得たフィルムについて、透明性を目視評価した。
[重縮合反応の原料化合物の合成]
実施例1:トリスフェノールのフェニルカーボネート誘導体の合成
500mLの三口フラスコに1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(15.3g、50ミリモル)とピリジン(7.9g、100ミリモル)を入れ、脱水蒸留したテトラヒドロフラン(以下「THF」と略記、200mL)に溶解させた。これを氷水で冷やし攪拌しながら、クロロ蟻酸フェニル(15.7g、100ミリモル)を前記THF(80mL)に溶解した溶液を滴下した。滴下後、室温で5時間攪拌を継続した後、ロータリーエバポレータを用いて減圧濃縮した。残渣に水を加え、塩化メチレンで3回抽出し、合わせた有機相は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(和光純薬製ワコーゲルC300使用、展開溶媒は塩化メチレン/酢酸エチル混合系)で生成物である下記構造式(a)で表される1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのビスフェニルカーボネート(以下、「TBC」と略記する。)及び下記構造式(b)で表される1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのモノフェニルカーボネート(以下、「TMC」と略記する。)をそれぞれ分離精製した。
それぞれの化学構造は、プロトンNMRスペクトル(0ppm標準=テトラメチルシラン、溶媒:DMSO−d6)において、メチル基のシグナル(シングレット;2.0〜2.1ppm付近)とフェニルカーボネートに由来するベンゼン環のシグナル(マルチプレット;7.28〜7.46ppm付近)の積分値の比較、並びにフーリエ変換赤外吸収スペクトル(FTIR)にカーボネート結合に帰属されるカルボニル基の吸収帯があることにより確認した。
Figure 2007161928
合成例1:ビスフェノールAモノフェニルカーボネートの合成
上記実施例1において、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの代わりに、ビスフェノールA(22.8g、100ミリモル)を用いた他は同様の反応と精製操作を行い、下記構造式(d)の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのモノフェニルカーボネート誘導体(以下、「BMC」と略記する。)を得た。この化学構造は、実施例1と同様、プロトンNMRとFTIRの各スペクトルにより確認した。
Figure 2007161928
[超分岐ポリカーボネートの合成及び評価]
実施例2〜7:末端フェニルカーボネート基を有する超分岐ポリカーボネートの合成
表1の仕込みモノマー組成で各原料を用いて重縮合反応を行うことにより超分岐ポリカーボネートを合成した。
表1の仕込みモノマー組成において、TBCとBMCを用いると、OH/ArCO比が1より小さく末端フェニルカーボネート基が多く、フェノール性水酸基が少ないものとなり、TMCを用いるとOH/ArCO比が1より大きくフェニルカーボネート基が少なく、フェノール性水酸基が多いものとなる。
その反応操作手順は以下の通りである。
減圧蒸留可能なガラス管内部を窒素ガスで置換し、触媒量(約0.1重量%)の炭酸セシウムとともに原料(固体)を混合して仕込んだ。大気圧下、180℃に数分保温して融解混合物とした後、緩やかに磁気攪拌しながら昇温と減圧を開始した。攪拌は粘度の上昇により途中で停止した。約90分かけて200℃とし1mmHg(0.133kPa)の減圧度に達した。この減圧度のまま約210分かけて270℃まで更に昇温した。この過程でフェノールが蒸留除去(留去)された。
いずれの実施例の場合も、透明淡黄色で、前記280℃、熱プレス成形でシート化が可能な熱可塑性を有する樹脂が得られた。
これら実施例で得た樹脂は、塩化メチレンへの溶解度が市販の直鎖状ポリカーボネート(後述の「ノバレックス(登録商標)7025A」)よりも明らかに低いか、ある程度の塩化メチレンへの溶解性を有していてもその溶液粘度の溶液濃度依存性が明らかに該直鎖状ポリカーボネートと異なることから、超分岐ポリカーボネートであることが確認された。
実施例8:亜リン酸ジエチルによる末端基変換
実施例3で得た前記TMCを原料モノマーとする超分岐ポリカーボネート(約20g)と亜リン酸ジエチル(60mL)を160℃において攪拌混合し、溶解させた。この温度で延べ24時間の加熱を継続した後、100℃に冷却して減圧蒸留により亜リン酸ジエチル等の揮発成分を留去した。こうして得た濃縮残渣にアセトンと塩化メチレンをそれぞれ60mLずつ加え、不溶成分を濾別して得た溶液を減圧濃縮した。この濃縮残渣をメタノールで洗浄し、真空乾燥した。
化学構造の確認:この生成物のFTIRスペクトルにおいて、3000〜4000cm−1弱の波数領域に水酸基、900cm−1付近にリン−酸素(P−O)結合にそれぞれ帰属される吸収帯が観測されたことから、亜リン酸ジエチルとの反応により、超分岐ポリカーボネートに亜リン酸ジエチル基が末端基として導入されたものと推定された。
溶解性:実施例3で得た前記TMCを原料モノマーとする超分岐ポリカーボネートは汎用溶剤に難溶又は不溶であったのに対して、ここで得た生成物はテトラヒドロフラン又はアセトン/塩化メチレン(50/50重量比混合液)に溶解し、メタノール又はトルエンには不溶であったことから、上記末端基の導入により中間的な極性の溶剤への溶解性が向上したものと考えられた。
流延による膜形成:この生成物のテトラヒドロフラン溶液を石英板上に流延し乾燥すると、透明であって、しかも前記密着性試験と同様の剥離試験においても非常に剥がれにくい薄膜を形成した。
実施例9:リン酸トリエチルによる末端基変換
実施例4で得た前記TBC及びMBCの等モル共重合体である超分岐ポリカーボネート(約20g)とリン酸トリエチル(60mL)を160℃において攪拌混合し、溶解させた。この温度で延べ24時間の加熱を継続した後、反応液を約70℃に冷却してから、大過剰量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、析出物を濾別しこれをメタノールで洗浄した。この析出物はリン酸ジエチル基[−P(O)(OC]を末端基として有する超分岐ポリカーボネートと考えられる。
これをテトラヒドロフランに溶解し、乾燥窒素ガス雰囲気下、氷冷しながらトリメチルシリルヨージド(10g)を滴下し、室温に戻して7時間攪拌を継続した後、水を1g加えてから直ちに大過剰量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、析出物を濾別し、これをメタノールで洗浄した。
このトリメチルシリルヨージド処理を施した析出物は熱可塑性を有し、リン酸ジエチル基の一部がリン酸基に変換された超分岐ポリカーボネートと考えられる。
比較例1:市販PC樹脂
市販PC樹脂(直鎖状ポリマー)である後述の「ノバレックス(登録商標)7025A」を用いた。
比較例2:前記非特許文献2の追試(末端基変換された直鎖状PC樹脂)
市販PC樹脂(直鎖状ポリマー)である後述の「ノバレックス(登録商標)7025A」(5g)とリン酸トリエチル(25g)を混合し、乾燥窒素ガス雰囲気下、180℃において攪拌しながら5時間加熱し、減圧濃縮してリン酸トリエチルを除去した。この生成物は末端基としてリン酸ジエチル基を有する直鎖状PC樹脂である。
実施例2〜9の超分岐ポリカーボネート及び比較例1,2のPC樹脂の密着性、耐熱分解性、耐溶剤性の評価結果を表1に示した。なお、比較例1のPC樹脂については透明性と共に密着性を表2に記載した。
Figure 2007161928
[樹脂組成物の製造及び評価]
ポリマーブレンドした原料樹脂は次の通りである。
(1) PC樹脂:三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ノバレックス」(登録商標)のグレード名「7025A」(中粘度品)
(2) PAR樹脂:ユニチカ社製「Uポリマー」(登録商標)のグレード名「U−100」
(3) PCCD樹脂:シクロヘキサンジカルボン酸とシクロヘキサンジメタノールの重縮合体であるPCCD樹脂として、フェノールとテトラクロロエタンとの重量比1:1の混合溶媒中濃度1g/dLとした溶液の30℃での固有粘度が1.0dL/gであるもの
実施例10:超分岐ポリカーボネートとPC樹脂との樹脂組成物
実施例8で得た亜リン酸ジエチル末端を多数有する超分岐ポリカーボネートとPC樹脂を同重量ずつとり、テトラヒドロフラン中、全ポリマー濃度が1重量%となるよう溶解した。溶媒を減圧濃縮し、井本製作所製の微量混練機を用いて250℃で混練したところ、透明性の良好な樹脂組成物が得られた。
実施例11:超分岐ポリカーボネートとPAR樹脂との組成物
実施例9で得たリン酸末端を有する超分岐ポリカーボネートとPAR樹脂を、表2に記載の割合で、東洋精機製作所製の二軸型バッチ式混練機「ラボプラストミル10C100」(内容積60mLのセグメントミキサ搭載)に投入し、原料の装入完了後、260℃で5分間、40rpmの回転速度で混練したところ、透明性の良好な樹脂組成物が得られた。
実施例12:超分岐ポリカーボネートとPCCD樹脂との組成物
実施例9で得たリン酸末端を有する超分岐ポリカーボネートとPCCD樹脂を、表2に記載の割合で、東洋精機製作所製の二軸型バッチ式混練機「ラボプラストミル10C100」(内容積60mLのセグメントミキサ搭載)を投入し、原料の装入完了後、260℃で5分間、40rpmの回転速度で混練したところ、透明性の良好な樹脂組成物が得られた。
比較例3:PC樹脂とPAR樹脂との組成物
上記市販PC樹脂とPAR樹脂を、表2に記載の割合で、東洋精機製作所製の二軸型バッチ式混練機「ラボプラストミル10C100」(内容積60mLのセグメントミキサ搭載)に投入し、原料の装入完了後、260℃で5分間、40rpmの回転速度で混練したところ、透明性の良好な樹脂組成物が得られた。
比較例4:PC樹脂とPCCD樹脂との組成物
上記市販PC樹脂とPCCD樹脂を、表2に記載の割合で、東洋精機製作所製の二軸型バッチ式混練機「ラボプラストミル10C100」(内容積60mLのセグメントミキサ搭載)を投入し、原料の装入完了後、260℃で5分間、40rpmの回転速度で混練したところ、透明性の良好な樹脂組成物が得られた。
実施例10〜12及び比較例3,4の樹脂組成物の密着性と透明性の評価結果を比較例1のPC樹脂の評価結果と共に表2に示した。
Figure 2007161928
以上の結果から、本発明の超分岐ポリカーボネートは、汎用ポリカーボネート樹脂に比べて、異種材料への密着性に優れ、また、汎用ポリカーボネート樹脂に比べて耐溶剤性が改善されており、しかも優れた透明性及び耐熱性を有し、更に、汎用ポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂との相溶性や反応性にも優れることが分かる。

Claims (6)

  1. 分子末端にアリールカーボネート基を有することを特徴とする超分岐ポリカーボネート。
  2. 請求項1において、分子末端に、更に下記一般式(1)で表されるリン酸基及び/又は下記一般式(2)で表される亜リン酸基を有することを特徴とする超分岐ポリカーボネート。
    Figure 2007161928
    (一般式(1),(2)において、(A)はポリカーボネート残基との結合手を表し、Rは水酸基、炭素数10以下の炭化水素基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数10以下のアリールオキシ基、或いは酸素原子又は炭素原子を介して結合する第2のポリカーボネート残基を表す。)
  3. 原料モノマーの少なくとも一部として、下記一般式(3)で表されるトリスフェノールのアリールカーボネート誘導体及び/又は下記一般式(4)で表されるトリスフェノールのアリールカーボネート誘導体を用いて重縮合反応を行う工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の超分岐ポリカーボネートの製造方法。
    Figure 2007161928
    (一般式(3),(4)において、Ar,Arは各々独立にアリール基を表し、Rは炭素数6以下のアルキル基又は水素原子を表す。)
  4. 請求項3において、前記重縮合反応工程で得られた超分岐ポリカーボネートに、リン酸エステル類及び/又は亜リン酸エステル類を反応させる工程を有することを特徴とする請求項2に記載の超分岐ポリカーボネートの製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の超分岐ポリカーボネートと、直鎖型ポリカーボネート樹脂、長鎖分岐型ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂とを混合してなることを特徴とする樹脂組成物。
  6. 下記構造式(a)又は下記構造式(b)で表されるトリスフェノールのフェニルカーボネート誘導体。
    Figure 2007161928
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