JPH0720434B2 - ヒルジン化合物の製造方法 - Google Patents

ヒルジン化合物の製造方法

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JPH0720434B2
JPH0720434B2 JP60127266A JP12726685A JPH0720434B2 JP H0720434 B2 JPH0720434 B2 JP H0720434B2 JP 60127266 A JP60127266 A JP 60127266A JP 12726685 A JP12726685 A JP 12726685A JP H0720434 B2 JPH0720434 B2 JP H0720434B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、スロンビン阻害剤ヒルジン(hirudin)の
製造方法に関する。
〔従来の技術〕
健康な哺乳動物の血漿中にはフィブリン分解系と凝固系
との間の動力学的平衡が存在し、これにより効果的に機
能する血管網が維持される。血管の損傷に際し、凝固系
がフィブリンマトリクスを沈澱せしめ、このマトリクス
は、止血状態が達成された後フィブリン分解系により再
び分解される。生物のフィブリン溶解能力が形成された
血管内血栓を分解するのに十分でない場合、例えば血栓
寒栓症又は手術後併合症を有する患者の場合、血栓溶解
剤又は抗凝固剤の投与によりその生物を援助しなければ
ならない。
従来の抗凝固療法においては、特にヘパリン、そしてさ
らに4−ヒドロキシクマリン誘導体及び1,3−インダン
ジオン誘導体が使用されている。これらの薬剤により顕
著な成果が達成されてはいるがなお若干の欠点が存在す
る。すなわち、ヘパリンは凝血過程に直接作用するので
はなく、アンチスロンビンIIIによるスロンビン及びフ
ァクターXの阻害を助長することにより間接的にその凝
固阻害作用を発揮する。ヘパリンは生物中でさらに多く
の非特異的反応を生じさせ、このため血小板ファクター
4によって中和され、特に消耗性凝血異状症又は伝染性
血管内凝固(DIC)の際にそれらを適用するのは適当で
ない。従って、抗凝固療法のための、前記の薬剤に代る
そして特異的な薬剤の必要性が存在する。
従来から、ヒル〔ヒルド・メディシナリス(Hirudo med
icinalis)〕中に自然に存在する抗凝固物質であるヒル
ジン(hirudin)が知られている。ヒルジンは65個のア
ミノ酸から成る完全に解明された一次構造を有するポリ
ペプチドであり(1)、そして構造的特徴として、N−
端に疎水性アミノ酸のそしてC−端に極性アミノ酸の反
復を有し、硫酸モノエステルとして存在するチロシン残
基(Tyr63)を有し、そして正確な配置はまだ知られて
いないが3個のジスルフィド橋を有する。
ヒルジンはKi値(複合−解離定数)6×10-11Mを有
し、今まで知られている最も強力なスロンビン阻害剤で
あり、そしてスロンビンに対する特異的な親和性によっ
て特徴付けられる。血液凝固カスケード中の他の酵素は
ヒルジンにより阻害されない。ヘパリンと異り、ヒルジ
ンはスロンビンに対する阻害効果を直接発揮し、そして
ヘパリンのようにアンチスロンビンIIIを介して作用し
ない。精製されたヒルジンの唯一の薬理学的に検出され
る効果は血液凝固の阻害、又は血栓症の防止である。イ
ヌに対する静脈内投与において、高投与量においてさ
え、心拍数、呼吸、血圧、栓球数、フィブリノーゲン及
びヘモグロビンに対する影響は観察されない。ラット、
ブタ及びイヌを用いる研究において、ヒルジンは実験血
栓症(静止により又はスロンビンの注射により誘発され
る)、エンドトキシンショック、及びDIC(伝染性血管
内凝固)において有効であることが証明された。繰り返
し行われたヘパリンとの直接比較研究において、ヒルジ
ンはヘパリンに卓越していた。古くから知られているに
もかかわらず、ヒルジンは今日までその顕著な生物学的
性質から期待されるべき広範囲の医療的用途を有してい
ない。入手が極端に限られていることが重大な欠点であ
り、このために医療におけるその一般的な使用が妨害さ
れている。今まで、ヒルジン調製物はもっぱらヒルの抽
出物に由来する高価で入手困難な天然材料から時間とコ
ストのかかる単離精製法によって得られている(文献2
を参照のこと)。65アミノ酸から成る比較的長い配列
は、経済的観点から、古典的なペプチド合成によって得
ることもほとんど期待できない。抗凝固療法におけるそ
の医療的可能性及びその広範囲の医療的用途についての
詳細な医学的研究を可能にするのに十分な量のヒルジン
を製造するためには、新しい方法を用いなければならな
い。
このために組換DNA技法が挙げられる。この方法によ
り、種々の生理的に活性なポリペプチドを、対応して遺
伝的に変性された微生物又は哺乳動物培養系の培養によ
って製造することができる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従って、この発明は遺伝子工学的手段によって、ヒルジ
ン活性を有するポリペプチドの微生物的製造を工業的規
模において意のままに行う発現系を得ることを基礎的課
題としている。この課題はこの発明において、ヒルジン
のアミノ酸配列をコードするDNA配列を含有するハイブ
リドプラスミドの造成により解決される。ここで、前記
DNA配列は、前記ハイブリドベクターによって形質転換
された宿主細胞によりヒルジン活性を有するポリペプチ
ドが発現されるように発現制御配列のもとで制御され
る。
形質転換された宿主細胞(形質転換されたヒルの細胞を
除く)中でのこのDNA配列の発現が、追加的に組み込ま
れたサルフェートを導入する酵素系の非存在下におい
て、チロシン−63におけるサルフェート基の欠落によっ
て天然ヒルジンと区別される生成物をもたらすことが期
待される。一般に蛋白質における、そして特にヒルジン
におけるサルフェート基の生物学的機能はそれぞれ明確
には解明されていない。しかしながら、今日の知見によ
れば、サルフェート基は蛋白質の性質に相当な影響を及
ぼすであろう。すなわち、サルフェート基は次のような
機能を発揮するであろう。
(1)蛋白質の生物学的活性に対する正の影響。
(2)制御的細胞過程への関与(例えば、これは可逆的
リン酸化の場合に知られている)。
(3)分泌の促進、すなわちサルフェート化成分は分泌
性蛋白質としての認識のためのマーカーとして機能す
る。すべての公知のサルフェート化蛋白質は分泌性又は
膜透過性蛋白質である。
驚くべきことに、理論に反して、特徴的なホスフェート
モノエステル基がTyr63基のフェノール性ヒドロキシ基
から除去された場合にもヒルジンの価値ある生物学的性
質が維持されることが、今や見出された。この発明に従
って形質転換された微生物により製造されたサルフェー
ト基を有しないヒルジン化合物〔“デサルフェートヒル
ジン”(desulphatohirudin)〕は、その生物学的性質
において、そして特にその抗凝固活性において、質的に
も量的にも、少なくとも天然ヒルジンに匹敵することが
明らかである。
以下において、ヒルジンのアミノ酸配列をコードするDN
A配列又は遺伝子とは、発現に際してチロシン−63のサ
ルフェートエステル基の欠失によって天然ヒルジンと区
別されるヒルジン様ポリペプチド(デサルフェートヒル
ジン)をもたらすDNA配列又は遺伝子を意味する。
〔問題点を解決するための手段〕
ヒルジンのアミノ酸配列をコードするDNA配列の製造 この発明は、ヒルジンのアミノ酸配列をコードするDNA
配列及びその断片に関する。
この発明はさらに、ヒルジンのアミノ酸配列をコードす
るDNA配列及びその断片の製造方法に関し、この方法
は、ヒルのゲノムDNAからヒルジン構造遺伝子を単離
し、又はヒルジンmRNAから相補的2本鎖ヒルジンDNA
(ヒルジン−ds cDNA)を調製し、あるいはヒルジンの
アミノ酸配列をコードする遺伝子又はその断片を化学的
及び酵素的方法により調製することを特徴とする。
ゲノム法ヒルジンDNA及びヒルジン−ds cDNAは、例えば
それ自体公知の方法により得られる。すなわち、例えば
ヒルジン遺伝子を含有するヒルのジーンバンクからゲノ
ム性ヒルジンDNAを得る。この方法においては、ヒルのD
NA断片を微生物中でクローン化し、そしてヒルジンDNA
を含有するクローンを同定する。この同定は例えば、15
以上、好ましくは15〜30のデオキシヌクレオチドから成
る放射能ラベルされたヒルジンDNA特異的オリゴデオキ
シヌクレオチドを用いてコロニーハイブリダイゼーショ
ンにより行う。こうして得られたDNA断片は一般にヒル
ジン遺伝子のほかに他の不所望のDNA成分をも含有して
おり、このDNA成分は適当なイキソヌクレアーゼ又はエ
ンドヌクレアーゼで処理することにより除去することが
できる。
2本鎖ヒルジン−cDNAは例えば次のようにして調製する
ことができる。適当な、好ましくはヒルジンを生成する
ように誘導されたヒルの細胞のmRNAを得、こうして得ら
れたmRNA混合物をそれ自体公知の方法によりヒルジンmR
NAに関して濃縮し、このmRNAを鋳型として使用して1本
鎖cDNAを調製し、次にRNA依存性DNAポリメラーゼを用い
てds cDNAを合成し、そしてこれを適当なベクターにク
ローン化する。ヒルジンcDNAを含有するクローンは、例
えば上記のようにして、放射能標識されたヒルジンDNA
特異的オリゴデオキシヌクレオチドを用いるコロニーハ
イブリダイゼーションにより同定する。
好ましくは、このようにして得られたゲノム性ヒルジン
DNA又はヒルジンcDNAの5′−末端及び3′−末端に1
又は複数の制限酵素認識部位を含有する化学的に合成さ
れたアダプターオリゴデオキサシヌクレオチドを連結
し、そしてこれによって適当なベクターに組み込む。さ
らに、ヒルジンDNA又はcDNAの5′−末端のためのアダ
プターは翻訳開始コドン(ATG)を含有していなければ
ならない。この翻訳開始シグナルは、ヒルジンの第1ア
ミノ酸のコドンがそのすぐ後にくるように配置されなけ
ればならない。
天然ヒルジン遺伝子の構造は知られておらず、そしてヒ
ルジンのアミノ酸配列をコードする遺伝子(デサルフェ
ートヒルジン遺伝子)の化学合成が、特に近年の合成法
により、特に時間的観点から利点をもたらすため、最後
に記載した方法がこの発明の好ましい態様である。
デサルフェートヒルジン遺伝子の化学合成 この発明はさらに、デサルフェートヒルジンの構造遺伝
子又はその断片の製造方法に関し、この方法は、デサル
フェートヒルジン遺伝子のコード鎖及び相補鎖のセグメ
ントを化学的に合成し、そして得られたセグメントをデ
サルフェートヒルジンの構造遺伝子又はその断片に転換
する。
この発明はさらに、デサルフェートヒルジンをコードす
る2本鎖DNAに関する。
この発明のDNAはデサルフェートヒルジンのコドンの他
にさらに、適当な宿主細胞例えばE.コリ(E.coli)中で
の発現を可能にする翻訳開始コドン及び翻訳終止コド
ン、さらにベクターへの組み込みのために適当な末端ヌ
クレオチド配列を含有する。
この発明の好ましい態様においては、5′末端に制限酵
素により認識されるヌクレオチド配列、続いて翻訳開始
コドン、ヒルジンのアミノ酸のコドン(場合によっては
制限酵素による切断を可能にする1又は複数の部位を含
む)、翻訳終止コドン、そして3′−末端に制限酵素に
より切断され得るヌクレオチド配列を含む。この発明に
おいて使用し得る制限酵素は、例えばEcoRI、EcoRII、B
amHI、HpaII、PstI、HifI又はHindIIIである。
好ましくは、この発明は次の式(I)で示されるヌクレ
オチド配列と相補的ヌクレオチド配列とから成る2本鎖
DNAに関する。
上記の式中には5′末端から始まるヌクレオチド配列が
示されており、そして一層理解しやすくするために各ト
リプレットによりコードされるアミノ酸が示されてい
る。式中、 Aはデオキシアデノシルであり; Tはチミジルであり; Gはデオキシグアノシルであり; Cはデオキシシチジルであり; XはA,T,C又はGであり; YはT又はCであり; TがCの場合には、ZはA,T,C又はGであり; あるいはYがTの場合にはZはA又はGであり; QはT又はAであり; QがTの場合には、RはCであり、そしてSはA,T,C又
はGであり; あるいはQがAの場合には、RはGであり、そしてSは
T又はCであり; MはA又はGであり; LはA又はCであり; NはT,C又はAであり;そして、 MがAの場合には、KはA又はGであり; あるいはMがGの場合には、KはAである。
さらに、(X′)n及び(X′)mはヌクレオチド配列で
あり、ここでn及びmは3より大で100より小であり、
好ましくは5より大であり15より小であり、そしてこれ
は制限酵素によって認識され、そして切断され得る。
好ましい態様においては、このDNA配列は5′−端にEco
RIにより切断されるヌクレオチド配列を含有し、中間に
EcoRIIにより切断されるヌクレオチド配列を含有し、そ
して3′−端にBamIにより切断されるヌクレオチド配
列を含有する。
この発明は特に、E.コリのために好ましくそしてヒルジ
ンのアミノ酸配列をコードするトリプレットを含有する
2本鎖DNAに関する。このようなトリプレットは、例え
ば次の通りである。
グリシン(Gly) GGT システイン(Cys) TGC バリン(Val) GTT ロイシン(Leu) CTG セリン(Ser) TCT スレオニン(Thr) ACC フェニルアラニン(Phe) TTC チロシン(Tyr) TAC メチオニン(Met) ATG アスパラギン酸(Asp) GAC グルタミン酸(Glu) GAA リジン(Lys) AAA イソロイシン(Ile) ATC ヒスチジン(His) CAC プロリン(Pro) CCG グルタミン(Gln) CAG アスパラギン(Asn) AAC 好ましくは、終止コドン(NON)はコドンTAGである。
上記のような、ヒルジンのアミノ酸配列をコードする遺
伝子の好ましい具体例は次の式(II)に示すものであ
る。
〔式中、A,T,G及びCは式(I)において記載した意味
を有し、そして一層理解しやすくするために各トリプレ
ットによりコードされるアミノ酸、及び制限酵素切断部
位を示す。〕 この発明はさらに、デサルフェートヒルジンをコードす
るDNAの断片に関する。
この発明は特にデサルフェートヒルジン遺伝子の2本鎖
DNA断片、特にその末端が制限酵素により切断され得る
断片に関する。ヒルジン遺伝子のこのような2本鎖DNA
断片は特に30〜70塩基対(bp)を有する。
例えば、この発明は式(III)(F1)、及び式(IV)(F
2)のDNA断片に関する。
この発明は特に、デサルフェートヒルジン遺伝子の1本
鎖DNA断片、特に化学的方法又は酵素的方法によりデサ
ルフェートヒルジン遺伝子に組み立てることができる断
片に関する。この発明は特に、20以上のヌクレオチド、
特に20〜70ヌクレオチドから成る1本鎖DNA断片に関す
る。
好ましくはこの発明は例に記載した1本鎖DNA断片及び
2本鎖DNA断片に関する。
DNAの合成法はS.A.Narang(3)により総説的に記載さ
れている。既知の合成法により約20塩基の長さを有する
ポリヌクレオチドを良好な収率、高い純度でそして比較
的短時間に製造することを可能にする。適当に保護され
たヌクレオチドが、ホスホジエステル法(4)、一層効
率的なホスホトリエステル法(5)、又はホスフィト−
トリエステル法(6)により相互に連結される。ヌクレ
オチド鎖が適当なポリマーに連結される固相法により、
オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドの合成の単純
化が可能となる。イタクラ等(7)は個々のヌクレオチ
ドの代りにホスホトリエステル法により連結されたトリ
ヌクレオチドを使用して固相法を行い、この方法におい
ては短時間に良好な収率で、例えば31塩基を有するポリ
ヌクレオチドに縮合せしめることが可能である。完全な
2本鎖DNAは、化学的に調製した短いセグメントから酵
素的に形成することができる。Khorana等(8)は、こ
のために両DNA鎖のオーバラップするポリヌクレオチド
配列を使用した。この配列は塩基対合によって正しい配
置に会合し、そして酵素DNAリガーゼにより化学的に連
結される。このほかに、短いオーバーラップセグメント
を有する両DNA鎖の各ポリヌクレオチド鎖を、4種類の
必要なデオキシヌクレオチドトリホスフェートの存在下
で、DNAポリメラーゼ、例えばDNAポリメラーゼI、ポリ
メラーゼIのKlenow断片、T4DNAポリメラーゼと共に、
又はAMV(鳥類骨髄芽球ウイルス逆転写酵素)と共にイ
ンキュベートすることができる。この場合、塩基対合に
より両ヌクレオチド配列が正しい配置に対合し、そして
酵素により必要なヌクレオチドと共に完全な2本鎖DNA
に修復される(9)。イタクラ等(10)は、この原理に
基いて、DNAポリメラーゼI(Klenow断片)の存在下
で、39〜42塩基の長さの化学合成された断片4個からヒ
ト白血球インターフェロンα2遺伝子の132塩基対の長さ
のセグメントを形成できることを記載しており、この方
法においては、リガーゼのみを用いる上記の方法に比べ
て化学合成において40%の節約が達成される。
この発明は、デサルフェートヒルジンの構造遺伝子を含
有し、そして宿主中での発現に適し、そしてその末端が
ベクターへの挿入を可能にするDNA、及びその断片の製
造方法に関し、この方法は、 (a)適当に保護されたデオキシヌクレオシドを固体担
体に結合せしめ; (b)適当に保護されたジ−、トリ−又はテトラ−ヌク
レオチドをホスホトリエステル法又はホスフィト法によ
って製造し; (c)担体に結合したデオキシヌクレオシド又はオリゴ
デオキシヌクレオチドを適当に保護されたモノヌクレオ
チド又は(b)に従って製造されたジ−、トリ−もしく
はテトラ−ヌクレオチドと、ホスホトリエステル法又は
ホスフィト法により連結し; (d)(c)に従って得られた担体に結合した約20〜約
70塩基の長さのオリゴデオキシヌクレオチドを担体から
切り離し、場合によっては精製し、保護基を除去し、そ
して遊離した5′−端のヒドロキシ基をリン酸化し; (e.1)3以上、好ましくは8〜15のオーバラップ塩基
対を有するコード鎖及び相補鎖のそれぞれ約20〜約70塩
基の長さの2つのオリゴデオキシヌクレオチドをアニー
ルし、そして4種類のデオキシヌクレオシドトリホスフ
ェートの存在下でDNAポリメラーゼを用いて2本鎖DNAセ
グメント(デサルフェートヒルジン遺伝子の断片を形成
し、 そして場合によっては、適当な(d)に従ってリン酸化
された適当な末端を有する2本鎖DNAセグメント2個を
リガーゼにより連結してデサルフェートヒルジン構造遺
伝子を形成し; あるいは、得られた2本鎖DNAセグメント2個を適当な
ベクターにサブクローン化し、(d)に従ってリン酸化
し、そしてリガーゼによって連結してデサルフェートヒ
ルジン構造遺伝子を形成し;あるいは、 (e.2)上記の方法に代えて、3以上、好ましくは8〜1
5のオーバーラップ塩基対を有する約20〜約70塩基の長
さのコード鎖及び相補鎖のオリゴデオキシヌクレオチド
をアニールし、4種類のデオキシヌクレオチドトリホス
フェートの存在下でDNAポリメラーゼにより修復し、そ
してリガーゼにより連結してデサルフェートヒルジン構
造遺伝子を形成する; ことを特徴とする。
この発明の方法はそれ自体公知であるが、しかしなが
ら、条件の適切な組合わせ及びこの発明の本質的な改良
によりはじめてヒルジンのアミノ酸配列をコードするDN
Aの製造が可能となる。
段階(a)において、種々の固体担体材料、例えば種々
の架橋及び膨潤性を有するポリスチレン、ポリアクリル
アミド、ポリアクリルアミドコポリマー、珪藻土、シリ
カゲル又はアロックス(alox)のごとき無機材料上に支
持されたポリアミド、又は官能化シランを使用すること
ができる。好ましい態様においては、固体担体として架
橋ポリスチレンが使用され、このものは“スペーサ
ー”、例えば1〜5個の極性2価官能基、例えばイミ
ノ、オキソ、チオ、オキシカルボニル又はアミドカルボ
ニルにより中断された炭素原子数2〜12個のアルキレン
基を介して、それ自体公知の方法により適当に保護され
たデオキシヌクレオシドの5′−OH基と連結される。
5′位においてそして場合によっては塩基部分において
保護された式(V)のヌクレオシド(式中、R1は酸によ
り脱離さける保護基、例えばトリアリールメチル保護
基、例えば4−メトキシトリチル基もしくは4,4′−ジ
メトキシトリチル基、又はトリ低級アルキルシリル保護
基、例えばtert−ブチルジメチルシリル基であり、そし
てBはチミル、シトシル、アデニル又はグアニルから選
ばれた場合によっては保護されている塩基である)と無
水コハク酸とを、場合によっては塩基、例えばピリジ
ン、トリエチルアミン又はジメチルアミノピリジンの存
在下で反応せしめ、次に0.5〜2%のジビニルベンゼン
により架橋されたアミノメチル化ポリスチレンと、カル
ボン酸基活性化剤、好ましくはN−ヒドロキシサクシン
イミド、又はp−ニトロフェノール及び除水剤、例えば
カルボジイミド、例えばジシクロヘキシルカルボジイミ
ドの助けにより反応せしめる(スキーム1)が特に好ま
しい。
この反応は、不活性非プロトン性溶剤、例えばピリジ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、ク
ロロホルム、塩化メチレン、ジメチルホルムアミドもし
くはジエチルアセトアミド、又はこれらの混合物中で、
室温又はわずかに高温もしくは低温において、例えば約
−10℃〜約50℃の温度において、好ましくは室温におい
て行う。除水剤の存在下で一層低い温度、例えば約0℃
において反応を行うこともできる。
段階(b)に従うこの発明のジ−、トリ−又はテトラ−
ヌクレオチドの製造(スキーム2)においては、5′位
においてそして場合によっては塩基部分において保護さ
れている式(V)のヌクレオシド(式中、R1及びBは前
記の意味を有する)を式(VII)の活性化されたリン酸
エステル〔式中、X1及びX2は相互に独立にヒドロキシも
しくはそれから誘導された塩、ハロゲン、イミダゾリ
ル、1,2,4−トリアゾル−1−イル、テトラゾリル、又
は1−ベンズトリアゾリルオキシであり;X2はさらに2
−シアノエチルオキシ、2−トリハロエトキシ、2−ア
リールスルホニルエトキシ、2−低級アルキルチオエト
キシ、2−アリールチオエトキシ、又は2−(4−ニト
ロフェニル)−エトキシであってもよく;そしてR2は塩
基により又は親核性剤、例えば水酸化アンモニウム、チ
オフェノレート又はアリールアルドキシメートにより脱
離され得る保護基、例えば場合によってはハロゲン、ニ
トロ及び/又は低級アルキルにより置換されたフェニ
ル、メチル、又は場合によってはニトロにより置換され
たベンジル、あるいは金属イオンにより脱離し得る保護
基、例えば8−キノリル又は5−クロロ−8−キノリル
である〕と、場合によっては除水剤の存在下又は塩基の
存在下で反応せしめる。
次に、こうして得られた式(VIII)の化合物(式中、
R1、X2及びR2は上記の意味を有する)を場合によっては
まず2−置換エノタールと反応せしめて基X2を基OR
3〔式中、R3はシアノエチル、2−トリハロエチル、2
−アリールスルホニルエチル、2−低級アルキルチオエ
チル、2−アリールチオエチル又は2−(4−ニトロフ
ェニル)−エチルである〕に転換し、そして次に保護基
R1を脱離し、そしてこうして得られた式(IX)の化合物
を他の式(VIII)の化合物と、場合によっては除水剤の
存在下又は塩基の存在下で反応せしめてジヌクレオチド
Xを生成せしめる(スキーム2)。場合によっては式
(VIII)の化合物を、塩基又は水と反応せしめることに
より式(VIII)の他の化合物(式中、X2はヒドロキシ又
はこれから誘導される塩である)に転換する。
この反応は、前記の不活性溶剤のいずれかの中で、室温
又はやや高温もしくは低温において、例えば室温におい
て行われる。
保護基R1の脱離は、例えば酸、例えば鉱酸、例えば塩酸
もしくは硫酸、カルボン酸、例えば酢酸、トリクロロ酢
酸もしくは蟻酸、スルホン酸、例えばメチルスルホン酸
もしくはp−トルエンスルホン酸、又は特にルイス酸、
例えば塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化アルミニウム、ジアル
キルアルミニウムハライド、例えばジブチルアルミニウ
ムクロリドもしくはジエチルアルミニウムクロリド、又
はボロトリフルオリドを用いて、10℃〜50℃において、
好ましくは室温において行う。ジアルキルアルミニウム
ハライドを用いる場合には脱離は親指性溶剤、好ましく
はトルエン中で行い、そして上記の他のルイス酸のいず
れかを使用する場合には、ハロゲン化炭化水素、例えば
塩化メチレンと低級アルカノール、例えばエタノール又
はイソプロパノールとから成る混合溶剤中で行う。
式(X)のジヌクレオチドの製造はまた、式(V)のヌ
クレオシド(式中R1及びBは前記の意味を有する)と式
(VIIA)のホスフィト〔式中、X1はハロゲン、特に塩素
であり、X2はハロゲン、特に塩素であり、又はジ−低級
アルキルアミノ、特にジメチルアミノもしくはジイソプ
ロピルアミノ、又はモルホリノ、ピペリジノもしくはピ
ロリジノであり、そしてR2は式(VII)について前記し
た意味を有し特にメチルである〕とを、場合によっては
適当な塩基の存在下で反応せしめることにより行う(ス
キーム3)。この発明に従って得られる式(VIIIA)の
化合物を、一方では2−置換エタノールと反応せしめて
基X2を基OR3〔式中、R3は前記の意味を有する)に転換
し、そして次に酸化剤、例えば塩基の存在下でのヨウ素
によりホスフェートに酸化し、そして保護基R1を脱離し
て式(IX)の化合物を生成せしめる。他方、式(VIII
A)の化合物を式(IX)の化合物と反応せしめ、そして
酸化剤、例えば塩基の存在下でのヨウ素により式(X)
の化合物に酸化する。
トリヌクレオチドのこの発明に従う製造のためには、式
(X)のジヌクレオチド(式中、R1、R2及びR3は前記の
意味を有し、そしてB1及びB2は相互に独立にチミル、シ
トシル、アデニル又はグアニルを表わす)中の保護基R1
を脱離し、そして得られた化合物を式(VIII)の化合物
と場合によっては除水剤の存在下又は塩基の存在下で反
応せしめ、あるいは式(VIIIA)の化合物と反応せしめ
そして次に酸化し、式(XI)の化合物を生成せしめる
(スキーム4)。保護基R1の脱離及び式(XI)のトリヌ
クレオチドを生成せしめる縮合は式(X)のジヌクレオ
チドの製造の場合に記載したのと同様にして行う。
テトラヌクレオチドのこの発明に従う製造のためには、
式(X)のジヌクレオチドについて記載したのと同様に
して、式(XI)のトリヌクレオチドをさらに反応せしめ
る。
この発明に好ましい態様においては、保護基R1として4
−メトキシトリチル基を、保護基R2として塩素で置換さ
れたフェニル基、特に2−クロロフェニル基を、そして
保護基R3として2−シアノエチル基を使用する。好まし
くは、式(VII)の化合物中の基X1及びX2は1−ベンズ
トリアゾリルオキシ基である。
式(XI)のトリヌクレオチドは、好ましくは、式(X)
のジヌクレオチド中の保護基R1を脱離し、そして得られ
た化合物を式(VIII)の化合物(式中、X2はヒドロキ
シ、又はそれから誘導された塩である)と、除水剤の存
在下で反応せしめることにより製造する(スキーム
4)。この発明の除水剤は、例えば、場合によってはニ
トロで置換されている、2,4,6−トリメチルベンゼンス
ルホニル−又はトリイソプロピルベンゼンスルホニル−
クロリド、−イミダゾール、−テトラゾール又は−1,2,
4−トリアゾールである。好ましい除水剤は1−(2,4,6
−トリメチルベンゼンスルホニル)−3−ニトロ−1,2,
4−トリアゾール(XII)である。
好ましくは、塩基部分の遊離アミノ基が保護されている
ヌクレオシドを使用する。好ましい保護基は、アデニン
についてはベンゾイルであり、シトシンについてはベン
ゾイル又は4−メトキシベンゾイルであり、そしてグア
ニンについてはイソブチリル又はジフェニルアセチルで
ある。好ましくはチミンは保護基を伴わないで使用され
る。
段階(c)に従うこの発明のオリゴヌクレオチドの製造
においては、半自動的又は全自動的マイクロプロセサー
制御溶剤及び試薬供給系を有するそれ自体公知の装置が
使用される。段階(a)に従って製造された式(VI)の
化合物において保護基R1を上記のようにして脱離し、そ
して次に得られた化合物を式(VIII)の化合物と、又は
式(VIIIA)の化合物と、又は式(X)もしくは式(X
I)の化合物〔あらかじめ保護基R3が塩基によって脱離
されている(2−シアノエチル基は、例えばトリ低級ア
ルキルアミン、例えばトリエチルアミンにより、前記の
溶剤又は溶剤混合物のいずれかの中で、10℃〜40℃、特
に室温において除去される)〕と、場合によっては除水
剤の存在下で又は塩基の存在下で反応せしめる。この発
明はさらに、式(X)のジヌクレオチド又は式(XI)の
トリヌクレオチドではなく段階(b)に従って得られる
テトラヌクレオチドを用いる反応を含む。式(VIIIA)
のホスフィトを使用する場合、次に酸化剤、例えば塩基
の存在下でのヨウ素によって後処理を行う。こうして得
られた式(XIII)の化合物(式中、R1、R2及びBは前記
の意味を有し、そしてnは1〜4の整数である)を、式
(VI)の化合物について記載した反応段階〔R1の脱離、
(VIII)、(VIIIA)、(X)、(XI)又は対応するテ
トラヌクレオチドとの反応、場合によっては酸化的後処
理〕に、nが約19〜約69の所望の整数である式(XIII)
の化合物が生成するまでかける。
この発明の好ましい態様においては、保護基R1として4
−メトキシトリチルを使用し、そしてこの基の除去はCH
−又はNH−酸化合物、特に1,2,4−トリアゾール又はテ
トラゾールの存在下で臭化亜鉛により行う。4−メトキ
シトリチル保護基の脱離に際して例えば1,2,4−トリア
ゾールを使用することは新規であり、そして驚くべきこ
とに、この方法によれば脱離が急速に、高収率で、しか
も副反応を伴わないで進行する。非プロトン性溶剤とア
ルコール、例えば塩化メチレンと2−プロパノールとの
混合溶剤中で臭化亜鉛及び1,2,4−トリアゾールを20:1
〜100:1のモル比において使用するのが好ましい。
この発明の好ましい態様においては、保護R1が脱離され
ている式(VI)又は式(XIII)の化合物を、保護基R3
脱離されている式(XI)のトリヌクレオチドと、脱水
剤、例えば場合によってはニトロで置換されている2,4,
6−トリメチル−又はトリイソプロピルベンゼンスルホ
ニル−クロロ、−イミダゾール、−テトラゾール又は−
1,2,4−トリアゾールの存在下で反応せしめる。1−
(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−3−ニト
ロ−1,2,4−トリアゾール(XII)が特に好ましい。
保護基R1として4−メトキシトリチル基を使用し、R1
脱離のために1,2,4−トリアゾールの存在下で臭化亜鉛
を使用し、そして式(XIII)の脱保護されたオリゴヌク
レオチド−ポリスチレン樹脂と式(XI)の脱保護された
トリヌクレオチドとの反応のための除水剤として式(XI
I)のトリアゾールを使用することからなる組合わせに
より、驚くべきことに、約40〜約70塩基から成る長いヌ
クレオチド鎖を短時間で、高収率で、そして高純度で製
造することが可能となる。
担体からオリゴデオキシヌクレオチドを脱離するため、
及び段階(d)に従って保護基を除去するために、それ
自体公知の方法を使用することができる。担体からの脱
離のため及び好ましい2−クロロフェニル保護基の除去
のための特に好ましい試薬はアリールアルドキシメー
ト、例えば1,1,3,3−テトラメチグアニジニウム2−ニ
トロベンズアルドキシメートである。反応は若干の水が
添加された上記の不活性溶剤のいずれか、例えば95%の
ピリジン中で室温において行う。次に水性アンモニア
と、室温又はこれより高い温度、例えば20℃〜70℃、特
に50℃において反応せしめる。
この発明のオリゴデオキシヌクレオチドの連結のため、
5′末端ヒドロキシ基にリン酸基を導入する。リン酸基
の導入(リン酸化)はそれ自体公知の方法で、ATPの存
在下でT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて行う。
コードDNA鎖及び相補DNA鎖のこの発明に従って製造され
たオリゴデオキシヌクレオチドは、3以上、好ましくは
8〜15のオーバーラップした塩基対から成るオーバーラ
ップ配列を有する。このようなオリゴデオキシヌクレオ
チド対は混合に際して水素結合により集合する。突出し
た単鎖端は、段階(e.1)及び(e.2)において、DNAポ
リメラーゼ、例えばDNA−ポリメラーゼI、DNA−ポリメ
ラーゼIのKlenow断片又はT4DNAポリメラーゼにより、
又はAMV逆転写酵素により、4種類のデオキシヌクレオ
チドトリホスフェート(dATP、dCTP、dGTP及びTTP)の
存在下で、第2の(相補的な)鎖を形成するためのマト
リクス(鋳型)として機能する。対合により形成される
デュプレックスDNA〔特に、デサルフェートヒルジン遺
伝子の断片(方法e.1)又は完全なデサルフェートヒル
ジン遺伝子(方法e.2)〕は平滑末端を有する。
変法(e.1)に従って得られたデサルフェートヒルジン
遺伝子の断片は末端に制限エンドヌクレアーゼにより認
識されるヌクレオチド配列を含有し、そして切断され得
る。ヌクレオチド配列、従って対応する制限エンドヌク
レオチドの選択に依存して、切断の際に完全に塩基対合
した末端(平滑末端)又は突出したDNA鎖を有する末端
(接着末端)が生ずる。制限酵素認識配列は、平滑末端
を形成する制限エンドヌクレアーゼにより処理されたDN
A断片の連結、又は接着末端の塩基対合とそれに続く突
出DNA鎖を有するDNA断片の連結が完全なデサルフェート
ヒルジン構造をもたらすように選択する。2つの2本鎖
DNA断片の連結は供与体断片における5′−末端リン酸
基及び受容体断片における3′−末端ヒドロキシル基を
必要とする。段階(e.1)において生成するDNA断片はす
でに5′−末端がリン酸化されており、そしてそれ自体
公知の方法でリガーゼ、特にT4DNAリガーゼにより連結
される。
この発明の1つの態様においては、上記の様にして、デ
サルフェートヒルジン遺伝子の2つの断片、特に式(II
I)及び(IV)で示される断片F1及びF2を調製する。こ
の断片は、必要あれば適当なベクター中でサブクローニ
ングすることができ、好ましくは連結末端に制限エンド
ヌクレアーゼ特にEcoRIIのための認識配列を含有し、そ
れ故にその制限酵素で切断しそして両断片を連結した後
に正しくコードするデサルフェートヒルジンDNA配列を
形成する。さらに、断片1は翻訳開始コドン(ATG)の
前に、そして断片2は翻訳終止コドン(例えばTAG)の
後に、追加の“末端”制限部位を含有し、この部位はデ
サルフェートヒルジン遺伝子又はデサルフェートヒルジ
ン遺伝子の断片の適当なベクターへの挿入を可能にす
る。
例えば、この発明はデサルフェートヒルジン遺伝子の製
造に関し、この方法においては式(III)及び(IV)で
示される2つの断片F1及びF2が場合によってはサブクロ
ーニングされ、そして制限酵素EcoRIIによる断片及び連
結の後正しいデサルフェートヒルジンDNA配列が生成
し、そしてF1は翻訳開始シグナルの前にEcoRI制限部位
を有し、そしてF2は翻訳終止シグナルの後にBamHI制限
部位を有する。
1つの好ましい態様(変法e.2)においては、それぞれ
コード鎖及び相補鎖に基く2つのオリゴデオキシヌクレ
オチドのそれぞれが3以上、好ましくは8〜15の相補的
塩基によりアニールし、DNAポリメラーゼ、例えば前記
のいずれかにより満たされ、そしてT4DNAリガーゼによ
って連結されデサルフェートヒルジン構造遺伝子が生成
する。
ヒルジンのアミノ酸配列をコードする遺伝子を含有する
発現ベクターの製造 この発明はさらに、デサルフェートヒルジンをコードす
るDNA配列を含有する発現ベクターに関し、この発列
は、該発現ベクータにより形質転換された宿主細胞によ
りヒルジン活性を有するポリペプチドが発現されるよう
に発現制御配列により制御される。
この発明の発現ベクターは、例えば、発現制御配列を含
有するベクターDNAに、デサルフェートヒルジンをコー
ドするDNA配列を、該制御配列が該DNA配列を制御するよ
うに挿入することによって製造される。
適当なベクターの選択は形質転換のために用意する宿主
細胞に依存する。適当な宿主は例えば微生物、例えば酵
母、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyce
s cerevisia)、及び特に制限酵素又は修飾酵素を有し
ない細菌株、特にエシェリシア・コリ(Escherichia co
li)の株、例えばE.コリ(E.coli)X1766、E.コリHB10
1、E.コリW3110 Δ102、E.コリHB101/LM1035、E.コリJA
221(30)、又はE.コリK12株294、バシルス・ズブチリ
ス(Bacillus subtillis)、バシルス・ステアロサーモ
フィルス(Bacillus stearothermophilus)、シュード
モナス(Pseudomonas)、ヘモフィルス(Haemophilu
s)、ストレプトコッカス(Streptococcus)等、さらに
高等生物の細胞、特に樹立されたヒト又は動物のセルラ
インである。好ましい宿主細胞は、E.コリの上記の株、
特にE.コリHB101、E.コリJA221、及びE.コリW3110Δ102
である。
原則的には、ヒルジンのアミノ酸配列をコードする、こ
の発明の異種性DNA配列を選択された宿主中で複製しそ
して発現するすべてのベクターが適当である。
E.コリの株においてデサルフェートヒルジン遺伝子を発
現させるために適当なベクターの例として、例えばバク
テリオファージ、例えばバクテリオファージλの誘導
体、又はプラスミド、例えば特にプラスミドcolEl及び
その誘導体、例えばpMB9、pSF2124、pBR317又はpBR322
が挙げられる。この発明の好ましいベクターはプラスミ
ドpBR322に由来する。適当なベクターは完全なレプリコ
ン、及び発現プラスミドにより形質転換された微生物を
表現型の性質に基いて選択しそして同定することを可能
にするマーカー遺伝子を含有する。適当なマーカー遺伝
子は微生物に例えば重金属、抗生物質等に対する耐性を
付与する。この発明の好ましいベクターはさらに、レプ
リコン領域及びマーカー遺伝子領域のほかに制限エンド
ヌクレアーゼの認識部位を含有し、この部位においてヒ
ルジンのアミノ酸配列をコードするDNA配列及び場合に
よっては発現制御配列を挿入することが可能である。好
ましいベクターであるプラスミドpBR322は、無傷のレプ
リコン、テトラサイクリン及びアンピシリンに対する耐
性を付与するマーカー遺伝子(tetR及びampR)、並びに
制限エンドヌクレアーゼのための1個のみ存在する一連
の認識配列、例えばPstI(ampR遺伝子中で切断し、tetR
遺伝子を無傷のまま残す)、BamHI、HindIII、SalI(te
tR遺伝子中で切断し、ampR遺伝子を無傷のまま残す)、
NruI、及びEcoRIの認識部位を含有する。
デサルフェートヒルジンの発現を制御するために複数の
発現制御配列を使用することができる。好ましくは、形
質転換されるべき宿主細胞の強く発現される遺伝子の発
現制御配列が使用される。ハイブリドベクターとしてpB
R322を使用し宿主微生物としてE.コリを使用する場合、
適当な発現制御配列(特に、プロモーター及びリボゾー
ム結合部位を含有する)は、例えばラクトースオペーロ
ン、トリプトファンオペーロン、アラビノースオペーロ
ン等、及びβ−ラクタマーゼ遺伝子の発現制御配列、フ
ァージλN遺伝子又はファージfd−外膜蛋白質の対応す
る配列等である。β−ラクタマーゼ(β−lac−遺伝
子)のプロモーターがプラスミドpBR322中にすでに含ま
れているが、他の発現制御配列をプラスミド中に導入し
なければならない。トリプトファンオペーロン(trpp
o)の発現制御配列がこの発明の発現制御配列として好
ましい。酵母における複製及び発現のために適当なベク
ターは酵母複製開始点及び酵母のための選択遺伝マーカ
ーを含有する。酵母複製開始点、例えば染色体自律複製
セグメント(srs)を含有するハイブリドベクターは形
質転換の後酵母内で染色体外に保持され、そして有糸分
裂の際に複製する。さらに、酵母2μプラスミドDNAと
類似する配列を含有するハイブリドベクターを使用する
ことができる。これらのハイブリドベクターは組換によ
り、細胞中にすでに存在する2μプラスミドと一体化
し、又は自律的に複製する。2μ配列は大きな形質転換
頻度を有するプラスミドのために特に好ましく、そして
高コピー数を許容する。酵母のための適当なマーカー遺
伝子は特に宿主に抗生物質耐性を付与するマーカー遺伝
子、又は栄養要求酵素株の場合には宿主の欠損を補完す
る遺伝子である。対応する遺伝子は例えば抗生物質シク
ロヘキシミドに対する耐性を付与し、あるいは栄養要求
酵母株中に原栄養性を付与し、例えばURA3-遺伝子、LEU
2-遺伝子、HIS3-遺伝子、又は特にTRP1-遺伝子である。
好ましくは、酵母ハイブリドベクターはさらに、細胞宿
主、特にE.コリのための複製開始点及びマーカー遺伝子
を含有し、これによって細菌宿主でのハイブリドベクタ
ー及びその前駆体の造成及びクローニングが可能とな
る。酵母での発現のために適する発現制御配列は例えば
TRP1遺伝子、ADHI遺伝子、ADHII遺伝子、PHO3遺伝子又
PHO5遺伝子のそれであり、さらに解糖系に関するプロ
モーター、例えばPGK-プロモーター又はGAPDH-プロモー
ターである。
この発明は特に、複製及び表現型選択を行うことができ
る発現ベクターに関し、このベクターは発現制御配列及
びヒルジンのアミノ酸配列をコードするDNA配列を含有
し、このDNA配列は転写開始シグナル及び転写停止シグ
ナル並びに翻訳開始シグナル及び翻訳終止シグナルと供
に前記発現制御配列の制御のもとで、前記発現プラスミ
ドにより形質転換された宿主細胞中でデサルフェートヒ
ルジンが発現されるように制御される。
効果的な発現を達成するためには、デサルフェートヒル
ジン遺伝子が発現制御配列に正しく(相が整合して)配
置されなければならない。発現制御配列を大mRNA出発部
と遺伝子コード配列のATCとの間の領域(天然に発現制
御配列に連結される)(例えばβ−lac−プロモーター
を使用する場合はβ−lac−コード配列)に、デサルフ
ェートヒルジン遺伝子〔これは好ましくは自己の翻訳開
始シグナル(ATG)及び翻訳終止シグナル(例えばTAG)
を伴う〕と共に連結するのが好ましい。こうすることに
よって効果的な転写及び翻訳が保証される。
例えば、ベクター、特にpBR322を制限エンドヌクレアー
ゼにより切断し、そして場合によっては生成した線状化
されたベクターを変形した後、対応する制限末端を有す
る発現制御配列を導入する。発現制御配列3′−末端に
(翻訳方向について)制限エンドヌクレアーゼの認識部
位を有し、このためこの発現制御配列をすでに含有する
ベクターを前記制限酵素により消化し、そして対応する
末端を有するデサルフェートヒルジン遺伝子を挿入する
ことができる。この場合、遺伝子を正しい向きに含有す
るハイブリドプラスミドと誤った向きに含有するハイブ
リドプラスミドの混合物が生成する発現制御配列をすで
に含有するベクターを第2の制限酵素によりベクターDN
A中で切断し、そして得られたベクター断片に正しい末
端を有するデサルフェートヒルジン遺伝子を挿入するの
が好ましい。ベクターに対するすべての操作は、レプリ
コン及び少なくとも1個のマーカー遺伝子の機能が害さ
れない方法で行うのが好ましい。
この発明の好ましい態様においては、3′−端(大mRNA
出発部と第1ATGとの間)に1つの好ましくは接着末端を
形成する制限エンドヌクレアーゼ、例えばEcoRIの認識
部位を含有する発現制御配列、好ましくはトリプトファ
ンオペーロン(trp op)のそれを含有するpBR322由来の
ベクターを、上記の制限エンドヌクレアーゼにより消化
し、そしてベクターDNA断片において平滑末端又は好ま
しくは接着末端を形成する第2の制限エンドヌクレアー
ゼ例えばBamHIで消化し、次に、こうして線状化された
ベクターを対応する末端を有するデサルフェートヒルジ
ン遺伝子(例えば、ATG開始シグナルの前にEcoRI末端を
有し、そして翻訳終止コドンの後にBamHI末端を有す
る)と連結する。この連結は公知の方法で、相補端(接
着端)の対合及び例えばT4−DNAリガーゼによる連結に
より行う。
mRNA経路を介して、ゲノムDNAから、又は化学合成され
た、対応する接着末端(特にEcoRI末端及びBamHI末端)
を有するデサルフェートヒルジン遺伝子を、発現プラス
ミドに挿入する前に、ベクター、例えばpBR322中でクロ
ーニングし、多量のデサルフェートヒルジン遺伝子を例
えば配列分析のために得ることができる。ハイブリドプ
ラスミドを含有するクローンの単離は、例えば、デサル
フェートヒルジン遺伝子に特異的な放射能ラベルされた
オリゴデオキシヌクレオチドプローブ(上記を参照のこ
と)を用いて行う。デサルフェートヒルジン遺伝子の特
徴付けは、例えばMaxam及びGilbertの方法(11)により
行う。
この発明の他の態様においては、デサルフェートヒルジ
ン遺伝子の2個の断片を合成する。遺伝子の第1の部分
を含む断片1は、ATGの前及び末端に接着末端を形成す
る制限エンドヌクレアーゼの認識配列を含有し、例えば
ATGの前にEcoRIをそして末端にEcoRIIの認識配列を含有
する。遺伝子の後の部分を含む断片2は、対応する認識
配列を有し、例えば先端にEcoRIIの認識配列を、そして
翻訳終止シグナル(例えばTAG)の後にBamHIの認識配列
を有する。断片は外側の認識配列(断片1は例えばEcoR
I、そして断片2は対応してHamHIにより)切断され、そ
して対応した切断されたベクター(例えばpBR322)にサ
ブクローン化される。断片を含有するクローンの同定、
及び断片の特徴付けは上記のようにして行う。次に、断
片を対応する制限エンドヌクレアーゼによりハイブリド
ベクターから切り出し(断片1は例えばEcoRI及びEcoRI
Iにより、そして断片2は例えばEcoRII及びBamHIによ
る)、そしてそれらの接着末端、特にEcoRII末端を介し
て連結して完全なデサルフェートヒルジン遺伝子を生成
せしめ、これを上記のようにしてベクターDNAに導入す
る。
微生物の形質転換 この発明はさらに、形質転換された宿主の製造方法に関
し、この方法は、発現制御配列により制御される、ヒル
ジンのアミノ酸配列をコードするDNA配列を含有する発
現ベクターにより宿主を形質転換することを特徴とす
る。
好ましい宿主細胞は例えば上記の微生物、例えばサッカ
ロミセス・セレビシエー(Saccharomyces cerevisia
e)、バシルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)及び
エシェリシア・コリ(Escherichia coli)の株である。
この発明の発現プラスミドによる形質転換は例えば文献
に記載されているようにして例えばS.セレビシエについ
ては(12)、B.ブブチリスについては(13)、そしてE.
コリについては(14)に記載されているようにして行わ
れる。形質転換された宿主細胞の選択は、好ましくは、
発現プラスミドに含まれているマーカー遺伝子が耐性を
有する殺生物剤が添加された選択培地により行う。所望
により、発現プラスミドampR遺伝子を含有する場合に
は、それに応じてアンピリシンを培地に添加する。発現
ベクターを含有しない細胞はこの様な培地中で死滅す
る。
この発明はさらに、上記の方法により得られた形質転換
された宿主細胞に関する。
形質転換された宿主細胞の培養及びデサルフェートヒル
ジンの取得 形質転換された宿主細胞をヒルジン活性を有する化合物
の製造のために使用することができる。この化合物の製
造方法は、形質転換された宿主細胞を培養し、そして生
成物を宿主細胞から遊離せしめ、そして単離することを
特徴とする。
“ヒルジン活性を有する化合物”とは、スロンビン阻害
活性及び抗−ヒルジン抗体との陽性反応を示し、そして
デサルフェートヒルジンの一次構造又はそれから誘導さ
れた構造を有する、前記の形質転換された宿主細胞によ
り発現されるポリペプチド化合物として理解される。デ
サルフェートヒルジンの一次構造から誘導された構造を
有するデサルフェートヒルジン化合物とは、変形された
デサルフェートヒルジン化合物であると理解され、この
変形は好ましくはデサルフェートヒルジンの一次構造の
N−端における1〜10個、好ましくは1〜6個のアミノ
酸の短縮及び/又はC−端の1〜6個、特に2個のアミ
ノ酸の短縮、あるいはデサルフェートヒルジン分子のN
−端の変形、例えばN−端のアセチル化又はメチオニン
化である。
この発明はまた、特にヒルジン活性を有する化合物及び
その塩の製造方法に関し、この方法は、発現制御配列に
より制御される、ヒルジンのアミノ酸配列をコードする
DNA配列を含有する発現プラスミドにより形質転換され
た宿主細胞を、資化性の炭素源及び窒素源を含有する液
体培地中で培養し、生成物を宿主細胞から遊離せしめそ
して単離し、そして必要な場合には、得られた生成物を
ジスルフィド結合の切断のために適する試薬で処理し、
そして得られた還元された生成物をジスルフィド結合の
再生のために適当な酸化剤で処理し、そして所望により
得られたヒルジン化合物を他のヒルジン活性を有する得
られた化合物の混合物を個々の成分に分離し、そして/
又は所望により得られた塩を遊離ポリペプチドに、そし
て得られたポリペプチドをその塩に変換することを特徴
とする。
この発明は特に、次の式(XIV)、 VValTyrThrAspCysThrGluSerGlyGlnAsnLeuCysLeuCysGluG
lySerAsnValCysGlyGlnGlyAsnLysCysIleLeuGlySerAspGly
GluLysAsnGlnCysValThrGlyGluGlyThrProLysProGlnSerHi
sAsnAspGlyAspPheGluGluIleProGluGluWLeuGln (XIV) (式中、VはVal又はMet−Valであり、WはTyr又はTyr
(−OSO3H)である。) で表わされるヒルジン化合物及びこの化合物の塩の製造
方法に関する。
この発明は特に、VがValでありそしてWがTyrである式
(XIV)のデサルフェートヒルジンの製造方法に関す
る。
この発明の方法に従って得られた、ヒルジン活性を有す
る化合物、特に式(XIV)の化合物において、システィ
ン残基Cysは好ましくは、天然のヒルジンと同じ配置で
ジスルフィド結合により対を成して連結されている。
この発明の形質転換された宿主細胞の培養は、それ自体
公知の方法により行われる。すなわち、この発明の形質
転換された宿主微生物の培養のために、種々の炭素源を
使用することができる。例えば、好ましい炭素源は資化
性炭化水素、例えばグルコース、マルトース、マンニト
ールもしくはラクトース、又は酢酸塩であり、これらは
単独で又は適当な混合物として使用することができる。
適当な窒素源は、例えばアミノ酸、例えばカザミノ酸、
並びに蛋白質及びその分解生成物、例えばトリプトン、
ペプトン又は肉エキス、さらに酵母エキス、マルトエキ
ス、さらにアンモニウム塩、例えば塩化アンモニウム、
硫酸アンモニウム又は硝酸アンモニウムであり、これら
は単独で又は混合物として使用することができる。場合
によっては使用することができる無機塩は例えばナトリ
ウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムの硫酸
塩、塩化物、リン酸塩、及び炭酸塩である。
さらに、培地は、例えば増殖促進物質例えば微量元素、
例えば鉄、亜鉛、マンガン等、及び好ましくは選択圧を
生じさせ、そして発現プラスミドを喪失した細胞の増殖
を阻害する物質を含有する。従って、例えば発現プスラ
スミドがampR遺伝子を含有する場合には培地にアンピシ
リンを添加する。このような抗生物質の添加はまた、抗
生物質感受性の汚染微生物を殺菌するためにも機能す
る。
培養はそれ自体公知の方法により行われる。培養条件、
例えば温度、培値のpH値、及び発酵時間は、最高のヒル
ジンカ価が得られるように選択する。すなわち、E.コリ
株又は酵母株は好ましくは好気的条件下で深部培養で、
振とう又は撹拌のもとで、約20〜40℃の温度において、
好ましくは30℃において、そして4〜9のpHにおいて、
好ましくはpH7において、4〜20時間、好ましくは8〜1
2時間培養を行う。この場合、発現生成物は細胞内に貯
積される。
細胞濃度が十分な値に達したとき、培養を停止し、そし
て微生物の細胞から生成物を遊離せしめる。この目的の
ため細胞を、例えば洗剤、例えばSDS又はトリトンで処
理することにより破壊し、又はリゾチームもしくは同様
に作用する酵素により溶解する。これらの方法に代えて
又はこれらの方法に加えて、機械的作用、例えば剪断作
用(例えば、X−プレス、スレンチプレス、ダイノミ
ル)又はガラスビーズもしくは酸化アルミニウムとの振
とう、あるいは凍結、例えば液体窒素中での凍結と解
凍、例えば30℃〜40℃での解凍の反復、並びに超音波を
用いて細胞を破砕することができる。蛋白質、核酸及び
他の細胞成分を含有する得られた混合物は、遠心分離の
後、それ自体公知の方法により蛋白質について精製す
る。すなわち、非蛋白成分はポリエチレンイミン処理に
より除去され、ヒルジン化合物を含む蛋白質は、例えば
硫酸アンモニウム又は他の塩により液を飽和することに
より沈澱する。細胞性蛋白質はまた、酢酸による酸性化
(例えば0.1%、pH4〜5)によっても沈澱する。ヒルジ
ン化合物のその後の精製は酢酸上清液のn−ブタノール
抽出により行うことができる。その他の精製段階は例え
ばクロマトグラフ法、例えばイオン交換クロマトグラフ
ィー、ゲル過クロマトグラフィー、分配クロマトグラ
フィー、HPLC、逆相HPLCクロマトグラフィー等を含む。
混合成分の分離は、透析により、ゲル電気泳動又は担体
フリー電気泳動により電荷に従って、適当なセファデッ
クスカラムにより分子の大きさに従って、アフィニティ
ークロマトグラフィーにより、例えば抗体、特にモノク
ローナル抗体、又はスロンビンをアフィニティークロマ
トグラフィー用の適当な担体に結合させて、あるいは他
の、特に文献から知られる方法により行う。
例えば、発現されたヒルジン化合物の単離は次の段階を
含む。
遠心分離により培養液から細胞を分離する。
細胞の破壊により、例えば細胞溶解酵素による処理及び
/又は凍結と解凍の反復により粗抽出物を調製する。
不溶性成分を遠心除去する。
ポリエチレンイミンを添加してDNAを沈澱せしめる。
硫酸アンモニウムにより蛋白質を沈澱せしめる。
沈澱物を溶解し、モノクローナル抗−デサルフェートヒ
ルジン抗体カラム又はスロンビンカラムによりファイニ
ティークロマトグラフ処理する。
こうして得られた溶液を透析、又はセファデックスG25
もしくはセファデックスG10を用いるクロマトグラフィ
ーにかけることにより脱塩する。
以上の方法に代えて、DNAを除去した後、1%酢酸によ
り細菌性蛋白質を沈澱せしめ、そして酸性上清からn−
ブタノールによりヒルジン化合物を抽出し、又は酸性上
清を直接にイオン交換クロマトグラフィー(例えばジエ
チルアミノエチルセルロースDEAE53)にかける。このほ
かの精製段階はセファデックスG50(又はG75)によるゲ
ル過及び逆相−HPLCを含む。脱塩はやはりセファデッ
クスG25により行う。
ヒルジン活性の検出のため、抗−ヒルジン抗体又は抗−
デサルフェートヒルジン抗体(例えば、ラビットから得
られる抗体又はハイブリドーマ細胞から得られるモノク
ローナル抗体)を用いる試験、スロンビン試験(15)、
又は血液凝固試験(16)を使用することができる。
この発明に従って得られたヒルジン化合物はそれ自体公
知の方法により他のヒルジン化合物に転換することがで
きる。
すなわち、例えばWがTyrである式(XIV)の化合物は例
えばヒルの細胞から得られるチロシン−スルホトランス
フェラーゼによりWがTyr(−OSO3H)である式(XIV)
の化合物に転換することができる。
さらに、VがMet−Valである式(XIV)の化合物は、V
がValである式(XIV)の化合物も転換することができ
る。例えば、末端メチオニン基を常法に従ってシアノゲ
ンブロミドで除去することにより、N−末端メチオニン
残基を有するこの発明に従って得られたヒルジン化合物
をN末端メチオニンを有しない対応する化合物に転換す
ることができる。シアノゲンブロミドとの反応は、例え
ば水性酸性媒体中、例えば非常に稀釈した塩酸、例えば
0.1〜0.3N塩酸中で、又は強有機酸中、例えば50〜70%
の蟻酸中で、室温において又はわずかに高温もしくは低
温において、例えば約15℃〜約25℃において、約24時間
にわたって行われる。
以前の研究により、天然ヒルジンの凝固阻害活性のため
にジスルフィド結合が無傷のままであることが重要であ
ることが示されている(文献2を参照のこと)。宿主細
胞の選択に依存して、一次的翻訳生成物中の6個のシス
テイン残基の結合によりヒルの細胞中で自然に起こる経
過とは異る態様でジスルフィド結合が生成することを常
に排除することができない。生成物の生成する誤った3
次構造が、価値ある薬理的性質、特に上記のヒルジン測
定(例えばスロンビン試験)により確認されるべき凝固
阻害活性の低下又は喪失さえ生じさせる可能性がある。
このような場合、ジスルフィド結合を適当な還元剤によ
り開裂し、そして還元されたポリペプチドを適当な酸化
剤で処理することによりジスルフィド結合を再生するこ
とが好ましい。形成された生成物のヒルジン活性(例え
ばスロンビン試験における)に基いて、選択された条件
(還元剤及び/又は酸化剤)が望ましい生物学的に活性
なヒルジンを誘導したか、又は条件を公知の方法で改変
しなければならないかが確認される。
ジスルフィド結合の開裂のために適当な還元剤は例えば
チオール化合物、例えばチオフェノール、4−ニトロチ
オフェノール、1,4−ブタンジチオール、及び特に1,4−
ジチオスレイトールである。還元は好ましくは水性アル
カリ性媒体中で、例えばアルカリ金属水酸化物、例えば
水酸化ナトリウム、カルカリ金属の炭酸塩、例えば炭酸
ナトリウムの希水溶液中で、又は有機塩基、特にトリ低
級アルキルアミン、例えばトリエチルアミン中で、室温
において行われる。
還元されたポリペプチド中でのジスルフィド結合の新形
成のために適当な酸化剤は、例えば空気中酸素〔場合に
よっては触媒量の遷移金属塩、例えば硫酸鉄(III)、
塩化鉄(III)又は硫酸銅(II)が添加されたポリペプ
チドの水性溶液中に導入される〕、ヨウ素、さらにカリ
ウムヨウ素アダクトKI3の形(好ましくはアルコール
性、例えばメタノール性、又は水性アルコール性、例え
ば水性メタノール性溶液に導入される)、水性溶液中に
フェリシアン化カリ(III)、1,2−ヨウドエタン又はア
ゾジカルボン酸ジメチルエステルもしくは−ジエチルエ
ステル(水中、又は水と水混和性アルコール、例えばメ
タノールとの混合物中で反応せしめる)である。酸化は
特に室温において行われる。
試薬、特に塩、並びに酸化剤及び還元剤及びこれらの二
次生成物の目的ヒルジン化合物からの分離はそれ自体公
知の方法に従って、例えば分子量過により、例えばセ
ファデックス又はバイオゲルを用いて行う。
ヒルジン活性を有する化合物のこの発明に従って製造さ
れた混合物は、それ自体公知の方法により個々の成分に
分離することができる。適当な分離法は、例えばクロマ
トグラフ法、例えば吸着クロマトグラフィー、イオン交
換クロマトグラフィー、HPLC又は逆相HPLC、さらに多段
分配法又は電気泳動法、例えば酢酸セルロース電気泳動
又はゲル電気泳動、特にポリアクリルアミドゲル電気泳
動(PAGE)である。
この発明はさらに、この発明の方法に従って得られる新
規なデサルフェートヒルジン化合物、特にVがMet−Val
でありそしてWが前記の意味を有する式(XIV)の化合
物、及びその塩に関する。
この発明はさらに、RP−HPLC定数〔条件:Vydac218TP541
5;4.6×150mm;流速1.2ml/分;溶離剤:A:0.1%トリフル
オロ酢酸、B:アセトニトリル/水(8:2)+0.07%トリ
フルオロ酢酸;グラジエント:82分間16%B、次に3分
子間にわたり20%B上昇、次に15分間にわたり25%B上
昇、次に27分間64%B上昇〕、FPLC定数〔条件:モノQ
カラム(ファルマシア)、4.6×150mm、緩衝液A:20mM T
ris・HCl、pH7.5;緩衝液B:20mM Tris・HCl/1M NaCl;直
線塩グラジエント:A;9ml15%緩衝液Bで溶出、10.7mlに
わたり70%緩衝液B上昇〕、及びUV吸収により次のよう
に特徴付けられる化合物、並びに形質転換された宿主細
胞によるその製造方法に関する。
化合物A:RP−HPLC:保持時間16.83分、 FPLC:390mM NaClで溶出、 UV(水):λmax=275mm; 化合物B:RP−HPLC:保持時間18.43分; 化合物C:RP−HPLC:保持時間19.6分、 FPLC:420mM NaClで溶出; 化合物D:RP−HPLC:保持時間20.6分、 FPLC:460mM NaClで溶出; 化合物E:RP−HPLC:保持時間21.53分、 PFLC:500mM NaClで溶出、 UV(水):λmax=273mm。
この発明の方法に従って製造された化合物及び新規化合
物、例えば式(XIV)の化合物は遊離形のみならずその
塩の形、特にその医薬として許容される塩の形で存在す
ることができる。すなわち、これらは遊離アミノ基を有
する多数のアミノ酸を含有しているため、これらの化合
物は例えば酸付加塩として存在し得る。酸付加塩とし
て、常用の医薬として許容される酸との生理学的に許容
される塩を挙げることができる。この場合、無機酸とし
てハロゲン化水素酸、例えば塩酸、しかしさらに硫酸及
びリン酸又はピロリン酸を挙げることができ、そして有
機酸としてまずスルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸
もしくはP-トルエンスルホン酸又は低級アルカンスルホ
ン酸、例えばメタンスルホン酸、及びカルボン酸、例え
ば酢酸、乳酸、パルミチン酸及びステアリン酸、リンゴ
酸、酒石酸、アスコルビン酸、及びクエン酸を挙げるこ
とができる。ヒルジン化合物はまた遊離カルボン酸を有
するアミノ酸残基を含有するので、これらはまた金属塩
として、特にアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩と
して、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩
又はマグネシウム塩として、あるいはさらにアンモニア
又は生理的に許容される有機窒素含有塩基から誘導され
るアンモニウム塩として存在することができる。しかし
ながら、これらは遊離カルボキシル基及び遊離アミノ基
を同時に含有するから、これらはまた内部塩として存在
することができる。
従って処理後、この発明の化合物を遊離形、酸付加塩の
形又は塩基との塩の形で得ることができる。酸付加塩及
び塩基との塩からそれ自体公知の方法で例えばpH値を等
電点に調整することにより遊離の化合物を得ることがで
きる。遊離化合物を例えば上記の塩を形成する酸又は塩
基と反応せしめ、そして蒸発又は凍結乾燥することによ
り、医薬として許容される酸付加塩又は塩基との塩を得
ることができる。
デサルフェートヒルジンに対するモノクローナル抗体及
びこのモノクロナール抗体を含有する試験キット 特異的抗原に結合する抗体の性質のために、抗体は定性
的及び定量的測定(イムノアッセイ)において、並びに
抗原の精製(イムノアフィニティ−クロマトグラフィ
ー)において実用される。免疫された動物の血清は、通
常、同一の抗原の種々の結合部位に種々の親和性をもっ
て反応する多数の異る抗体を含有し、しかしさらに固体
の以前の経験を反映する、他の抗原に対する抗体をも含
有する。しかしながら、抗原の測定及び精製のために抗
体を効果的に使用するためには、高い特異性と再現性が
要求される。
これらの要求を満足する均一な抗体は、Khler及びMi
lstein(17)により記載されたハイブリドーマ技法によ
り得られる。原理的にこの技法は抗体分泌性B−リンパ
球、例えば免疫された動物の脾臓からのB−リンパ球と
腫瘍細胞を融合せしめることから成る。形成されたハイ
ブリドーマ細胞は、分裂によって無限に増加する能力と
単一タイプの抗体を生成しそして分泌する能力とを合せ
持つ。融合しなかった腫瘍細胞は死滅するがしかしハイ
ブリドーマ細胞は増殖する選択培地で培養し、クロー
ン、すなわち1個のハイブリドーマ細胞に由来しそして
遺伝的に同一である細胞集団を得、これを培養し、そし
て細胞により産生されたモノクローナル抗体を単離す
る。
この発明は、デサルフェートヒルジン及びヒルジンに対
するモノクローナル抗体、このモノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマ細胞、及びその製造方法に関す
る。ハイブリドーマセルライン、及びこれから分泌され
る、デサルフェートヒルジン又はヒルジンと特異的に反
応するモノクローナル抗体が好ましい。モノクローナル
抗−デサルフェートヒルジン抗体及びモノクローナル抗
−ヒルジン抗体の製造方法は、デサルフェートヒルジン
又はヒルジンによりマウスを免疫し、こうして免疫され
た動物のL−リンパ球を骨髄腫細胞と融合せしめ、そし
てイン−ビトロで、又はマウスに注射することによって
培養し、そして培養物から抗体を単離することを特徴と
する。
この発明はさらに、この抗体を含むイムノアフィニテー
クロマトグラフィー用カラム及びイムノアッセイ用試験
キットに関する。
この発明の方法によればマウス、例えばBalb/cマウスを
それ自体公知の方法により免疫する。驚くべきことに、
デサルフェートヒルジン及びヒルジンは比較的小さい蛋
白質分子であるにもかかわらず好結果の免疫が生ずる。
好ましい態様においては、デサルフェートヒルジン又は
ヒルジンを、十分な数の抗体産生B−リンパ球細胞が生
成するまで、およそ1週間毎に、又はさらに長い間隔を
置いて数週間、例えば5〜12週間注射する。
免疫されたマウスのL−リンパ球含有器官、例えば脾臓
細胞を取り出し、そして変異のために選択培地中で増殖
することができない骨髄腫細胞と融合せしめる。このよ
うな骨髄腫細胞は公知であり、そして例えばX63−Ag8,X
63−Ag8.6.5.3,MPC−11,NSl−Ag4/1,MOPC−21,NS/1,又
はSP2/0として示されるものである。好ましい態様にお
いては、免疫されたマウスの細胞を骨髄腫細胞のセルラ
インX63−Ag8.6.5.3と融合せしめる。
融合は、それ自体公知の方法により、融合剤、例えばポ
リエチレングリコール、センダイウイルス、塩化カルシ
ウム又はリソレシチンの添加のもとでB−リンパ球と骨
髄腫細胞とを混合することにより行う。好ましくは、例
えば1000〜4000の分子量を有するポリエチレングリコー
ルの存在下で融合せしめる。融合の後、得られたハイブ
リドをそれ自体公知の方法で、ヒポキサンチン、アミノ
プテリン及びチミジンを補給した選択培地(HAT培地)
中で培養する。未融合の骨髄腫細胞はこの培地中で増殖
することができず、そして正常なリンパ球と同様に死滅
する。
ハイブリドーマ培養の上清液は、それ自体公知の方法に
より、例えばラジオイムノアッセイ又は凝集により、特
異抗体の含量について試験することができる。この場合
驚くべきことに、前記の方法により、デサルフェートヒ
ルジン又はヒルジンに対して特異的な抗体を分泌するハ
イブリドーマ細胞が得られることが確認された。
所望の特異性を有する抗体を産生するハイブリドーマ細
胞は、融合により得られた種々のハイブリドーマ細胞の
混合物から、クローニングによって選択される。このた
めに、“限界稀釈法”と称するそれ自体公知の方法によ
り1個の増殖細胞から培養物を調整する。
多量生産のためには、所望の特異性を有する抗体を産生
するハイブリドーマ細胞クローンをそれ自体公知の方法
でイン−ビトロ培養するか、又は増加せしめるためにマ
ウスに注射する。好ましい態様においては、プリスタン
により処理されたマウスにハイブリドーマ細胞を注射
し、腹水を採取し、そしてこれから硫酸アンモニウム溶
液により沈澱せしめることにより抗体を単離する。
このハイブリドーマ細胞により得られたデサルフェート
ヒルジン−及びヒルジン−特異的抗体は、それ自体公知
の方法により、イムノアフィニティ−クロマトグラフィ
ー用カラムを製造するために使用することができる。こ
の発明の好ましい態様においては、適当な担体(緩衝液
中に懸濁)を抗体溶液と混合し、未結合成分を洗浄除去
し、そして抽体材料の未支配部分をブロックする。
ハイブリドーマ細胞によって得られたデサルフェートヒ
ルジン−及びヒルジン−特異的抗体は、それ自体公知の
方法により試験キットの製造のために使用することがで
きる。この試験キットは、種々の方法、例えばラジオイ
ムノディフュージョン、ラテックス凝集、斑点試験、競
争的又はサンドイッチラジオイムノアッセイ、エンザイ
ムイムノアッセイ、イムノフルオレッセンス又は免疫化
学酵素試験に基礎を置くことができる。これらのキット
は、種々の由来の常用の抗体のほかに、酵素又は螢光担
体と抗体との接合体、さらに、ラジオアイソトープ例え
ばI125によりラベルされた、又は酵素、例えばホースラ
ディッシュパーオキシダーゼもしくはアルカリ性ホスフ
ァターゼと接合したデサルフェートヒルジン又はヒルジ
ン、さらには酵素基質、適当な緩衝液、ゲル、ラテック
ス、ポリスチレン又は他の充填剤及び担体を含有するこ
とができる。
医薬製剤 この発明に従って得られた公知のヒルジン(天然ヒルジ
ン)及び新規なヒルジン(例えばデサルフェートヒルジ
ン)は、価値ある薬理学的性質を示し、そしてミズヒル
から抽出されたヒルジンと同様に予防的に、又は特に治
療的に使用することができる。
この発明に従って製造されるデサルフェートヒルジン化
合物は、その生物学的活性に関して少なくとも天然のヒ
ルジンに匹敵することが明らかである。すなわち例え
ば、デサルフェートヒルジンは約10-11のKi値を有す
る。デサルフェートヒルジンはスロンビンに対して完全
に特異的であり、そして血液凝固系の他のプロティナー
ゼとは全く相互作用を示さない。活性な毒性は非常に少
なく、ラットにおいて例えば1g/kgの投与量において毒
性徴候を全く示さない。同様に過敏反応及びアレルギー
反応が全く観察されない。
従って、この発明の新規なデサルフェートヒルジン化合
物は、天然ヒルジンと同様に、血栓症及び血栓塞栓症の
治療及び予防(術後血栓症の予防を含む)のために、急
性ショックの治療(例えば敗血症又は多外傷性ショック
の場合)のために、血液透析、血液分離の際、及び体外
循環における消耗性凝血異状の治療のために使用するこ
とができる。
この発明は特に、この発明の化合物又はその医薬として
許容される塩の少なくとも1種を、場合によっては医薬
として許容される担体及び/又は助剤と供に含んで成る
医薬組成物に関する。
この組成物は、非経腸的に、例えば静脈内に、皮内に、
皮下にもしくは筋肉内に、又は局所に投与される場合、
上記のような場合に有効である。
この発明はまた、この発明の新規化合物及びそれを含有
する組成物の、ヒト又は動物の予防的又は治療的処置の
ための使用に関し、特に、上記の疾患、そして特にヒト
又は動物の体内又は体内での血液の凝固の阻害のための
使用に関する。
投与量は特に、特定の投与形態及び治療又は予防の目的
に依存する。単位投与量及び投与方法はそれぞれの病状
の個々の判定に基いて最もよく決定することができる。
この目的のために必要な関連する血液要因を決定する方
法は専門家によく知られている。一般に、注射の場合、
この発明の化合物の医療的に有効な量は、約0.005〜約
0.1mg/kg体重の投与量範囲にある。約0.01〜約0.05mg/k
g体重の範囲が好ましい。投与は静脈内注射、筋肉内注
射又は皮下注射によって行われる。従って、単位投与形
の非経腸投与用医薬製剤は、投与方法に依存して、投与
当りこの発明の化合物を約0.4〜7.5mg含有する。活性物
質のほかに、この医薬組成物は一般に緩衝剤、例えばpH
値を約3.5〜7に維持するリン酸緩衝剤、そしてさらに
浸透圧を調整するための塩化ナトリウム、マンモトール
又はソルビトールを含有する。これらは凍結乾燥された
形又は溶液の形で存在することができ、この場合溶液は
抗細菌性防腐剤、例えば0.2〜0.3%の4−ヒドロキシ安
息香酸メチルエステル又はエチルエステルを含有するこ
とができる。
局所投与のための医薬は、水性溶液、ローションもしく
はゼリー、油性溶液もしくは懸濁液、又は脂肪含有もし
くは特に乳剤軟膏として存在することができる。水性溶
液の形の医薬は例えば、この発明の活性化合物又はその
医薬として許容される塩を、pH4〜6.5の水性緩衝液に溶
解し、そして望ましい場合には他の活性物質、例えば抗
炎症剤、及び/又はポリマー樹脂、例えばポリビニルピ
ロリドン、及び/又は防腐剤を添加することにより製造
することができる。活性物質の濃度は10mlの溶液又は10
gのゼリー中約0.1mg〜約1.5mg、好ましく0.25〜1.0mgで
ある。
局所投与用の油性投与形剤は例えば、この発明の活性物
質又はその医薬として許容される塩を、油中に、場合に
よっては湿潤剤、例えばステアリン酸アルミニウム及び
/又はHLB値(親水性−親脂性バランス)が10以下の界
面活性剤、例えば多価アルコールの脂肪酸モノエステ
ル、例えばグリセリンモノステアレート、ソルビタンモ
ノラウレート、ソルビタンモノステアレート又はソルビ
タンモノオレエートの添加のもとで懸濁することにより
得られる。脂肪含有軟膏は、この発明の活性物質又はそ
の塩を、伸延可能な油性基材に、場合によってはHLB値
が10以下の界面活性剤の添加のもとで懸濁することによ
り得られる。乳剤軟膏は、この発明の活性物質又はその
塩を、軟質の伸延性油脂基材中に、HLB値が10以下の界
面活性剤の添加のもとですりつぶすことにより得られ
る。すべての局所投与形剤はまた防腐剤を含有すること
ができる。活性成分の濃度は、基剤10g当り約0.1mg〜約
1.5mg、好ましくは約0.25〜1.0mgである。
ヒト又は哺乳動物の体に直接医学的挿入を行うための上
記の及びそれに類似する医薬組成物のほかに、この発明
はまた、動物又はヒトの体外で医学的に使用するための
医薬組成物にも関する。このような組成物及び製剤は、
体外での循環又は処理(例えば人工腎臓における体外循
環又は透析)、貯蔵又は変性(例えば血液分離)にかけ
る血液への添加物として、特に使用される。これらの組
成物、例えばストック溶液又は単位投与形の製剤は前記
の注射剤に類似するが、活性物質量又は濃度は処理され
るべき血液の体積又はさらに正確にはそのスロンビン含
量と関連する。この場合、この発明の化合物(遊離形)
は約5倍重量のスロンビンを十分に不活性化し、一層大
量において生理的に危険でなく、そして循環する血液か
ら高濃度において非常に急速に除去され、その結果例え
ば輸血の際に過剰投与の危険が存在しないことが注目さ
れる。特定の目的に依存して、適当な量は約0.01〜約1.
0mg活性物質/l血液であり、この場合上限を超えても危
険はない。
この発明は特に、例に記載した、ヒルジンのアミノ酸配
列をコードするDNA配列、このDNA配列を含有する発現プ
ラスミド、この発現プラスミドにより形質転換された微
生物、ヒルジンに対するモノクローナル抗体、この抗体
を産生するハイブリドーマセルライン、この抗体を含む
イムノアッセイ用試験キット、例に記載したその製造方
法、及び形質転換された微生物を用いる、ヒルジン活性
を有するポリペプチドの例に記載した製造方法、並びに
例に記載した新規なデサルフェートヒルジン化合物に関
する。
次に例を記載するが、これによってこの発明の範囲を限
定するものではない。
(実験の部) これらの例中に使用される略号は次の意味を有する。
TNE:100mM NaCl,50mM Tris−HCl, pH7.5、及び5mM EDTAを含有する溶液。
SDS:ドデシル硫酸ナトリウム。
EDTA:エチレンジアミン四酢酸。
DTT:1,4−ジチオスレイトール(1,4−ジメ チルカプト−2,3−ブタンジオール)。
BSA:ウシ血清アルブミン。
EtBr:エチジウムブロミド。
Tris:トリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタン。
Tris・HCl:Trisの一塩酸塩。
例1.保護されたヌクレオシド−ポリスチレン樹脂の製造 20mlの純ピリジン中2.57g(5mmol)の5′−(4−メト
キシトリチル)−チミジン(MMT−O−T−OH)を750mg
の無水コハク酸及び910mgの4−ジメチルアミノピリジ
ンと混合し、そして16時間室温におく。濃縮後、ピリジ
ン溶液を200mlの酢酸エチルに加え、10mlの飽和塩化ナ
トリウム溶液の添加のもとで約200mlの0.1Mリン酸緩衝
液と振とうし、さらに飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄
し、乾燥し、濃縮し、そしてヘキサンを滴加する。沈澱
した生成物を分離し、エーテルと共に2回すりつぶし、
300mlの酢酸エチルに溶解し、そして0℃にて180mlの0.
1M硫酸水素カリウム(pH2.5)と共に振とうする。水で
2回洗浄した後、この酢酸エチル溶液を硫酸ナトリウム
で乾燥し、過し、0.5mlのピリジンを加え、濃縮し、
そしてヘキサンを滴加して稀釈する。沈澱したコハク酸
誘導体を取する。
1.0gのこの化合物を190mgのN−ヒドロキシサクシンイ
ミドと共に4mlの酢酸エチル及び2mlのジメチルホルムア
ミドに溶解し、そして0℃にて370mgのN,N′−ジシクロ
ヘキシルカルボジイミドを加える。冷蔵庫に一夜置いた
後、沈澱するN,N′−ジシクロヘキシル尿素を取し、
液を酢酸エチルで稀釈し、冷0.1M炭酸水素ナトリウム
及び水で抽出し、乾燥し、そして真空中で蒸発乾燥す
る。残渣を酢酸エチルを用いてシリカゲル上でクロマト
グラフ処理する。TLC:Rf=0.45〔ジクロロメタン/メタ
ノール(9:1)〕。
100mgのこのN−サクシニミドイルコハク酸エステル
を、2mlのジクロロメタン及び4mlのジエチルホルムアミ
ド中1gのアミノメチルポリスチレン(アミン含量110μm
ol/g)と共に20時間攪拌する。このポリマー樹脂を取
し、そしてジメチルホルムアミド、メタノール、ジクロ
ロメタン及びメタノールで洗浄する。乾燥した後、未反
応アミノ基をアセチル化する。この場合、樹脂を6mlの
ピリジン中で1mlの無水酢酸及び100mgの4−ジメチルア
ミノピリジンと共に30分間攪拌する。このポリマー樹脂
をジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、メタノー
ル、及びジクロロメタンにより洗浄し、そして重量が一
定になるまで乾燥する。分光法によるメトキシトリチル
(MMT)測定による負荷量は57μmol/gである。
例2. 例1と同様にして5′−(4−メトキシトリチル)−N
−イソブチリル−デオキシグアノシンから次に示す保護
されたヌクレオシド−ポリスチレン樹脂を製造する。
負荷量32μmol/g。
例3.トリヌクレオチドの合成 a)ジヌクレオチドの合成 7.73g(15mmol)の5′−(4−メトキシトリチル)−
チミジン(MMT−O−T−OH)を純ピリジンと共に2回
蒸発せしめる。残渣を20mlのテトラヒドロフランに溶解
し、そしてテトラヒドロフラン中0.2Mの2−クロロフェ
ニル−ジ−(1−ベンゾトリアゾリル)−ホスフェート
溶液80mlに、水分を遮断し、攪拌しながら滴加し、そし
て反応混合物を室温にて一時間攪拌する。2−クロロフ
ェニル−1−ベンゾトリアゾリル−5′−(4−メトキ
シトリチル)−チミジン−3′−ホスフェートの得られ
た溶液を3つに分ける。
α)トリエチルアンモニウム−2−クロロフェニル−
5′−(4−メトキシトリチル)−チミジン−3′−ホ
スフェートへの加水分解 2−クロロフェニル−1−ベンゾトリアゾリル−5′−
(4−メトキシトリチル)−チミジン−3′−ホスフェ
ートの上記の溶液の3分の1に、冷却しながら100mlの
0.5M炭酸水素トリエチルアンモニウムを加える。15分間
後、ジクロロメタンで抽出する。このジクロロメタン溶
液を水で洗浄し、濃縮し、そして石油エーテルを添加す
る。生成した沈澱を過し、エーテル/石油エーテル
(1:1)で洗浄し、そして真空乾燥する。TLC:Rf=0.35
〔ジクロロメタン/メタノール/水(75:22:3)〕。
β)2−シアノエチル−2−クロロフェニル−5′−
(4−メトキシトリチル)−チミジン−3′−ホスフェ
ートへのエステル化及び4−メトキシトリチル保護基の
脱離 2−クロロフェニル−1−ベンゾトリアゾリル−5′−
(4−メトキシトリチル)−チミジン−3′−ホスフェ
ートの溶液の3分の1に、1.3mlの2−シアノエタノー
ル及び2mlのピリジンを加える。この混合物を室温にて
一夜置く。溶剤を真空蒸留し、そして残渣を酢酸エチル
に溶解し、そして0.1Mリン酸緩衝液(pH7)及び水と供
に数回振とうする。有機相を乾燥し、濃縮し、そしてヘ
キサン中に滴加する。沈澱を取し、50mlのジクロロメ
タン/メタノール(7:3)に溶解し、そして0℃にて、7
5mlのジクロロメタン/メタノール(7:3)中3.8gのp−
トルエンスルホン酸一水和物の溶液を加える。2時間
後、反応液をジクロロメタンで稀釈し、そして冷炭酸水
素ナトリウム溶液と共に振とうする。有機相を濃縮し、
そしてヘキサンを加える。沈澱した2−シアノエチル−
2−クロロフェニル−チミジン−3′−ホスフェートを
シリカゲル上でジクロロメタン/メタノール(96:4)に
よりクロマトグラフ処理する。TLC:Rf=0.45〔ジクロロ
メタン/メタノール(9:1)〕。
γ)5′−(4−メトキシトリチル)−3′−シアノエ
チル−ビス−チミジンジヌクレオチドへの縮合 2.2gの2−シアノエチル−2−クロロフェニル−チミジ
ン−3′−ホスフェートを純ピリジンと供に2回蒸発せ
しめることにより脱水し、200mlの純テトラヒドロフラ
ンに溶解し、そして2−クロロフェニル−1−ベンゾト
リアゾリル−5′−(4−エトキシトリチル)−チミジ
ン−3′−ホスフェートの溶液の残りの3分の1に加え
る。室温にて18時間置いた後、反応溶液に冷却しながら
10mlの水及び200mlの酢酸エチルを加える。有機相を炭
酸水素ナトリウム及び水で数回洗浄し、硫酸ナトリウム
で乾燥し、そして少容量に濃縮する。ホスフェート部分
において、及び5′−末端又は3′−末端において保護
されたジヌクレオチドを、エーテル/ヘキサン(1:1)
中への滴加により沈澱せしめる。TLC:Rf=0.48〔ジクロ
ロメタン/メタノール(9:1)〕。
b)トリペプチドの合成 上記の十分に保護されたジヌクレオチド1.17g(1mmol)
を30mlのジクロロメタン/メタノール(7:3)に溶解
し、そして氷冷しながら、20mlのジクロロメタン/メタ
ノール(7.3)中1.9gのp−パラトルエンスルオン酸一
水和物の溶液を加える。2時間後、氷冷した炭酸水素ナ
トリウム溶液を加え、そしてジクロロメタンで抽出す
る。有機相を乾燥し、濃縮し、そしてヘキサンに滴加す
る。遊離5′−ヒドロキシ基を有する沈澱した粗ジヌク
レオチドをシリカゲル上で、ジクロロメタン中2〜8%
メタノールのグラジエントによりクロマトグラフ処理す
る。TLC:Rf=0.33〔ジクロロメタン/メタノール(9:
1)〕。
850mgのこの5′−ヒドロキシ−ジヌクレオチド及び1.0
6gのトリエチルアンモニウム−2−クロロフェニル−
5′−(4−メトキシトリチル)−チミジン−3′−ホ
スフェート〔a)α)を参照のこと〕をピリジンと共に
2回蒸発せしめ、そして10mlの純ピリジンに溶解し、そ
して560mgの1−メシチレンスルホニル−3−ニトロ−
1,2,4−トリアゾール(MSNT)を加える。2時間後、2ml
の氷冷水を加え、そしてさらに1時間後ジクロロメタン
で抽出する。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム及び水で
洗浄し、乾燥し、濃縮し、そしてエーテルを加える。沈
澱したトリヌクレオチドをシリカゲルクロマトグラフィ
ーにより精製する。Rf=0.45〔ジクロロメタン/メタノ
ール(9:1)〕。
例4. 例3と同様にして、次の一般式: で示される保護されたトリヌクレオチドを製造する。こ
れをB1B2B3と略す。
ヌクレオチドB1,B2,B3について次の略号が使用され
る。
A=N−ベンゾイル−デオキシアデノシン C=N−ベンゾイル−デオキシシチジン G=N−イソブチリル−デオキシグアノシン T=チミジン。
例5.DNA鎖の塩基No.96〜162の67塩基長のDNA断片(96/6
7)の合成 a)トリヌクレオチドの2−シアノエチル保護基の脱離 例3又は4からのトリヌクレオチド10μmolを水分を遮
断しながら60μlのピリジン/アセトニトリル/トリエ
チルアミン(1:1:1)に溶解する。室温に1時間置いた
後、0.7mlの過酸化物不含エーテルを滴下し、そして沈
澱を遠心分離する。粗トリエチルアンモニウム塩を50μ
lのピリジンに溶解し、そして再度0.5mlのエーテルで
沈澱せしめ、遠心分離し、そして高真空下で15時間乾燥
する。
b)部分的に保護されたトリヌクレオチドとポリスチレ
ン樹脂に結合したオリゴヌクレオチド鎖との連結 すべての操作は220μl容量の反応器中で水分を遮断し
た条件下で、マイクロプロセサーで溶剤及び試薬の添加
を制御しながら行う。13mg(0.74μmol)のチジミン−
ポリスチレン樹脂(例1)を反応器に入れ、次の操作で
行う。
1.塩化メチレン,2ml/分,4分間。
2.塩化メチレン/イソプロパノール(85:15),2ml/分,2
分間。
3.塩化メチレン/イソプロパノール(85:15)中1M臭化
亜鉛及び0.02M1,2,4−トリアゾール,2ml/分,2〜3.5分
間。
4.塩化メチレン/イソプロパノール(85:15),2ml/分,4
分間。
5.DMF中酢酸トリエチルアンモニウム0.5M,2ml/分,5分
間。
6.モノキュラーシーブ乾燥ピリジン,2ml/分,3分間。
7.テトラヒドロフラン(過酸化物不含,モノキュラーシ
ーブ乾燥),2ml/分,3分間。
8.窒素流,10分間。
9.150μlのピリジンに溶解した10μmolのトリヌクレオ
チドGTC〔段階a)からのトリメチルアンモニウム塩〕
及び8.9mg(30μmol)の1−メシチレンスルホニル−3
−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)の注入。
10.45℃,20分間。
11.ピリジン,2ml/分,4分間。
12.ピリジン中5%の無水酢酸及び2.5%の4−ジメチル
アミノピリジン,2ml/分,4分間。
13.ピリジン,2ml/分,4分間。
14.ピリジン/イソプロパノール(1:1),2ml/分,3分
間。
14のすべての操作を21回反復する。この場合、9の操作
においてはGTCの代りにそれぞれ次のトリヌクレオチド
をそのトリエチルアンモニウム塩の形〔段階a)〕の形
で次の順序で導入する: GCA,ACC,GAA,CCC,TAC,AGG,TGA,CGG,TAC,CGT,GTG,CCA,AA
A,AAA,TGA,CGG,TGA,TTC,GGG,CCT,CAT。平均連結収率は9
7%である。最終生成物は次の構造を有する。
MMT−CATCCTGGGTTCTGACGGTGAAAAAAACCAGTGCGTTACCGGTGA
AGGTACCCCGAAACCGCAGTCT−ポリスチレン c)担体からのDNA断片の切断及び保護基の除去 40.0mg(約0.60μmol)のDNA−合成樹脂96/67を、400μ
lの95%ピリジン中66mg(0.40mmol)のo−ニトロベン
ザルドキシム及び50μl(0.40mmol)の1,1,3,3−テト
ラメチルグアニジンと共に、50℃にて3時間及び室温に
て12時間保持する。窒素によりピリジンを除去した後、
残渣に1.6mlのアンモニア水(33%)を加え、そして密
閉容器中に50℃にて24時間保つ。
分離した液相から真空中でアンモニアを除去し、そして
3mlずつの過酸化物不含ジエチルエーテルにより3回洗
浄する。バイオゲルP6カラム〔100〜200メッシュ,3×66
cm,0.01M炭酸水素トリメチルアンモニウム(pH7.5),1.
5ml/分〕で低分子成分を分離した後、285OD(260nm)の
DNAを単離する。
合計60ODをHPLCカラムで分離する(PRP−1/ハミルトン,
250×4.6mm)。グラジエント〔溶液A:0.05M酢酸トリエ
チルアンモニウム(pH7.0);溶液B:溶液A/アセトニト
リル(1:1);A中30%のB→A中60%のB,20分間;約50
℃;2ml/分〕。親脂性主ピーク(保持時間約14分)を集
め、DE52−セルロース(ワットマン)カラムで濃縮し、
溶出し、そしてエタノールで沈澱せしめる。4−メトキ
シトリチル保護基を除去するため、沈澱を50μlの酢酸
/水(4:1)に溶解し、そして45分間室温に保持する。
反応生成物を凍結乾燥し、エタノールで沈澱せしめ、そ
して精製のため8%ポリアクリルアミドゲル(7M尿素)
上で電気泳動分離する。予定の大きさのDNAを含有する
バンドを切り出し、そして生成物を電気溶出し、DE52−
セルロースで濃縮し、そして次の構造: 5′−CATCCTGGGTTCTGACGGTGAAAAAAACCAGTGCGTTACCGGTG
AAGGTACCCCGAAACCGCAGTCT−3′ を有するDNA96/67をエタノールで沈澱せしめる。
例6. 例5と同様にして次のDNA断片(5′−3′)を製造す
る。
1/58 CTGGAATTCATGGTTGTTTACACCGACTGCACCGAATCTGGTCAGAACCT
GTGCCTGT 46/64相補鎖 CAGAACCCAGGATGCATTTGTTACCCTGACCGCAAACGTTAGAACCTTCG
CACAGGCACAGGTT 154/64相補鎖 CAGGATCCTACTGCAGGTATTCTTCCGGGATTTCTTCGAAGTCACCGTCG
TTGTGAGACTGCGG 例7.断片1/58、46/64相補鎖、96/67、及び154/64相補鎖
のリン酸化 5′−末端のリン酸化及び放射性ラベル化は〔γ−
32P〕ATP及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ(ベーリンガ
ー)を用いて(18)に記載されているようにして行う。
例8.デュプレックス(II)(デサルフェートヒルジン遺
伝子の断片F2)への重合 キナーゼ処理された50pmolの断片96/67及びキナーゼ処
理された50pmolの断片154/64を24μlの水に溶解し、こ
の溶液を90℃にて3分間加熱し、そして5分間12℃に冷
却する。4μlのエンド−R緩衝液(0.1M Tris・HCl,p
H7.5,66mM MgCl2,66mMβ−メルカプトエタノール,0.6MN
aCl)、10μlデオキシヌクレオシドトリホスフェート
混合物(dATP,dCTP,dGTP,TTP,それぞれ2×10-3M,NH3
てpH7.0に調製)及び2μl(10ユニット)のDNAポリメ
ラーゼI Klenow断片(ベーリンガー)を加えた後、12℃
にて30分間インキュベートする。90℃にて3分間加熱す
ることにより反応を停止し、そして混合物をさらに処理
するため−80℃にて貯蔵する。
同様にして、キナーゼ処理した断片1/58及びキナーゼ処
理した断片46/64を反応せしめてディプレックスI(デ
サルフェートヒルジン遺伝子の断片F1を得る。
デュプレックス(I)及びディプレックス(II)は次の
構造を有する。
デサルフェートヒルジン遺伝子の断片F1及びF2は次のス
キーム(5)によって製造される。
例9.断片1/58、キナーゼ処理された断片 46/64、キナーゼ処理された断片96/67、及び断片154/64
の重合及び連結、並びにデサルフェートヒルジン遺伝子
の製造 それぞれ30pmolずつの断片1/58、キナーゼ処理された断
片46/64、キナーゼ処理された断片96/67、及び断片154/
64を、48μlの水に溶解し、溶液を90℃にて3分間加熱
し、そして5分間で12℃に冷却する。8μlのエンド−
R緩衝液(例8を参照のこと)、20μlのデオキシヌク
レオシドトリホスフェート混合物(dATP,dCTP,dGTP,TT
P,それぞれ0.002M,NH3にてpH7.0に調整)及び2μl(1
0ユニット)DNAポリメラーゼI,Klenow断片(ベーリンガ
ー)を12℃にて30分間インキュベートする。90℃にて3
分間加熱することにより反応を停止し、そしてフェノー
ル/クロロホルム抽出の後、DNAをエタノール沈澱せし
める。沈澱したDNA混合物を100μlのリガーゼ緩衝液
(66mM Tris・HCl,pH7.5,6.6mM MgCl2,10mMジチオスレ
イトール,5mM ATP)に溶解し、50ユニット(2μl)の
T4DNAリガーゼ(ビオラブス)を加え、そして20℃にて2
0時間インキュベートする。70℃にて5分間加熱するこ
とによって反応を停止し、フェノール/クロロホルム抽
出の後DNAをエタノール沈澱により単離する。混合物を
8%ポリアクリルアミドゲル(変性)上での電気泳動に
より分離した後、217塩基対を有する連結生成物を電気
溶出し、DE52セルロースカラムで濃縮し、そして溶出し
た後エタノール沈澱を行う。
デサルフェートヒルジン遺伝子は次の構造を有する。
4種類の断片からのデサルフェートヒルジン遺伝子の製
造は次のスキーム(6)によって行われる。
例10.デサルフェートヒルジン遺伝子のF1−DNAを含有す
るプラスミドpML300の造成(第1図) a)線状化ベクターpBR322/EcoRI/PvuIIの調製 5μgのpBR322プラスミドDNAを5ユニットのPvuII制限
エンドヌクレアーゼ(ビオラブス)により、100μg/ml
のゼラチン溶液200ml中で37℃にて1時間消化する。次
に、この溶液を100mM Tris・HCl(pH7.5),50mM NaClに
調整し、そしてDNAを30ユニットのEcoRI制限エンドヌク
レアーゼ(ゼオラブス)により37℃にて2時間消化す
る。次に溶液を50mM Tris・HCl(pH8)に調整し、そし
て10μg/μlのDNA濃度において2ユニットの子牛腸ア
ルカリ性ホスファターゼ(ベーリンガー)と共に37℃に
て30分間インキユべートする。65℃にて60分間加熱する
ことにより酵素を不活性化する。次に溶液をTNEにより
調整し、1容量のフェノール及びクロロホルムで抽出
し、そして消化されたDNAを2容量のアルコールにより
−20℃にて一夜沈澱せしめる。
pBR322DNAから切り出されたベクター(pBR322/EcoRI/Pv
uII,2297bp)を1%低融アガロース(ビオラド)上Tris
−アセテート−EDTA緩衝液(pH8)中でのゲル電気泳動
により小DNA断片(2067bp)から分離する。アガロース
ゲル中のDNAをEtBrにより染色した後、pBR322/EcoRI/Pv
uIIベクター(2297bp)のDNAバンドを含有するゲル部分
をゲルから切り取り、そして65℃にて10分間可溶化す
る。このDNA溶液に20容量のTNEを添加し、DNAをMueller
等(19)に従ってDE−52クロマトグラフィーにより精製
し、フェノール/クロロホルム抽出し、そしてDNAを−2
0℃にて一夜アルコールにより沈澱せしめる。DNA沈澱物
を50μlの0.01M Tris・HCl(pH8),0,1mM EDTAに溶解
し、そして使用するまで−20℃で貯蔵する。1.4μg
(3.2pmol末端)のDNAが得られる。
b)F1−DNA/EcoRIの調製 24ng(1.3pmol末端)の化学合成F1−DNA(例8を参照の
こと)を5ユニットEcoRI制限エンドヌクレアーゼによ
り50μlの100mM Tris・HCl(pH7.5),50mM NaCl,及び1
00μg/mlゼラチン中で37℃にて30分間消化する。次に、
この溶液に、線状化されたベクターpBR322/EcoRI/PvuII
(例10aを参照のこと)0.06μg(0.14pmol末端)を加
える。次に65℃にて10分間加熱することにより酵素を不
活性化し、溶液をTNEにより調整し、そしてフェノール
/クロロホルムで抽出する。DNAをアルコールで沈澱せ
しめる。沈澱したDNAを−20℃にてアルコール中でさら
に処理するまで貯蔵する。
c)pBR322/EcoRI/PvuIIベクターDNAとF1−DNA/EcoRIと
の連結、及びプラスミドpML300の造成 例10bにおいて得られた、前記の両DNA断片を含有するDN
A沈澱物を20μlの溶液〔50mM Tris・HCl(pH7.8),10m
M MgCl2,10mM DTT,0.5mM ATP,100μg/mlゼラチン〕に溶
解し、そして25ユニット/μlT4DNAリガーゼ(ビオラ
ブス)により15℃にて3時間処理する。こうして溶液中
に、F1−DNAを含有する組換プラスミドpML300が生成す
る。
d)プラスミドpML300によるE.コリHB101の形質転換 形質転換に必要な、カルシウム処理されたE.コリHB101
細胞をMandel等(14)に記載されている方法により調製
する。
組換プラスミドpML300を含有する、c)において得られ
た溶液を、T4DNAリガーゼを不活性化するため65℃にて1
0分間加熱し、そして次に37℃に冷却する。この反応混
合物10μlを150μlのカルシウム処理されたE.コリHB1
01細胞〔10mM MgCl2及び10mM Tris・HCl(pH7.5)中〕
に加え全容量を200μlとする。
次に、この混合物を30分間氷冷し、2分間42℃に加熱
し、そして1mlのL−培地(例18を参照のこと)中で37
℃にて5分間置く。次に、この混合物アリコート約0.2m
lを、60μg/mlのアンピシリン(セルバ)を含有する5
枚の寒天プレート(マッコンキー寒天,ディフコ)上に
拡げる。次に、この寒天プレートを37℃にて16〜18時間
保持する。形質転換されたE.コリHB101のコロニー484個
が得られる。
e)F1−DNAを含有するコロニーのスクリーニング 形質転換されたコロニー470個(例10d)を、ニトロセル
ロースフィルターB85(シュライエル及びシュル)に圧
しつける。Grunstein及びHogness(20)に従って、コロ
ニーを溶解し、そしてその変性されたDNAをフィルター
上に固定する。次に、20ml(フイルター当)の4×SET
〔30mM Tris・HCl(pH8),150mM NaCl,1mM EDTAの溶
液〕、0.1w/v%フィコル400(ファルマシア)、0.5%SD
S、50μg/ml変性ウシ胸腺DNA中で64℃にて4時間、フィ
ルターの前ハイブリダイゼーションを行う。次にこのニ
トロセルロースフィルターを、20ml(フィルター当り)
の5×SET、フィコル400、0.2%SDS及び50μg/ml変性ウ
シ胸腺DNA中で64℃にて16時間、32P−放射性ラベルプロ
ーブ(フィルター当り約103〜104セレンコフcpm)で処
理する。プローブとしてオリゴヌクレオチド46/64相補
鎖(例6を参照のこと)を使用する。
次に、フィルターを2×SET、0.2%SDS中で室温にて2
回、そして2×SET、0.5%SDS中で60℃にて2回(まず3
0分間そして次に60分間)洗浄する。次に、フィルター
を3MMペーパー(ワットマン)の間で乾燥し、そして−8
0℃にて強化スクリーン(11倍)を用いてX線フィルム
(フジ)に1〜2日間暴露する。
得られたオートラジオグラムは、さらに処理するために
使用することができる71個の陽性コロニー(クローン)
を示す。この内の1つをpML300と称する。
例11.デサルフェートヒルジン遺伝子のF2−DNAを含有す
るプラスミドpML305の造成(第2図) a)線状化されたベクターpBR322/BamHI/NruIの調製 5μgのpBR322プラスミドDNAを30ユニットのBamHI制限
エンドヌクレアーゼにより、37℃にて30分間、100mM Na
Cl,6mM Tris・HCl(pH7.9)に,6mM MgCl2及び100μg/ml
ゼラチンの溶液中で消化する。次に、この溶液に15ユニ
ットのPvuII制限エンドヌクレアーゼを加え、そして37
℃にて2時間消化する。酵素を不活性化するため、反応
混合物を70℃にて10分間加熱する。次に、両DNA断片
を、1%低融アガロース上Tris−アセテート−EDTA緩衝
液(pH8)中でのゲル電気泳動により分離する(例10aを
参照のこと)。
pBR322 BamHI/PvuIIベクター(2672bp)のDNAバンドを
切り出し、液化し、そして Mueller等(19)に従ってDE−52クロマトグラフィーに
より精製し、0.75μg(1.5pmol末端)のDNAを得る。
b)F2−DNA/BamHIの製造 25μgの化学合成F2−DNA(例8)を16ユニットのBamHI
制限エンドヌクレアーゼ(ビオラブス)により20μgの
150mM NaCl,6mM Tris・HCl(pH7.9),6mM MgCl2及び100
μg/mlゼラチンの溶液中で37℃にて30分間消化する。次
に、この溶液に、線状化ベクターpBR322 BamHI/PvuII
(例11a)60ng(96nmol末端)を加え、全溶液をTNEに調
整し、そしてフェノール/クロロホルムで抽出し、そし
てDNAを2容量のアルコールで沈澱せしめる。沈澱したD
NAを次に使用するまでアルコール中−20℃にて貯蔵す
る。
c)pBR322 BamHI/PvuIIベクターDNAとF2−DNA/BamHIと
の連結及びプラスミドpML305の造成 上記の両DNA断片を含有する、例11b)により得られたDN
A沈澱物を、50mM Tris・HCl(pH7.8),10mM MgCl2,10mM
DTT,0.5mM ATP,100μg/mlゼラチンからなる溶液に溶解
し、そして15ユニット/μgのT4DNAリガーゼ(ビオラ
ブス)により15℃にて3時間処理する。こうして、F2
DNAを含有するプラスミドpML305を溶液中に得る。
d)プラスミドpML305によるE.コリHB101の形質転換 カルシウム処理したE.コリHB101細胞の形質転換は例10
d)のようにして行う。例12c)により得られた反応混合
物10μlを使用する。313個のアンピシリン耐性コロニ
ーが得られる。
e)F2−DNAを含有するコロニーのスクリーニング 65個の形質転換されたコロニー(例11d)をF2−DNAにつ
いて、例10e)に記載したようにして試験する。放射性
プローブとしてオリゴヌクレオチド154/64相補鎖(例6
参照のこと)を使用する。オートラジオグラムにおいて
2個の陽性コロニーが得られ、その1つをpML305と称す
る。
例12.クローンpML300及びpML305の特徴付け 組換プラスミドpML300及びpML305のDNAをIsh−Horwitz
(21)に従って単離する。F1−DNA挿入部及びF2−DNA挿
入部のヌクレオチド配列をMaxam及びGilbert(11)の方
法で決定する。この目的のため、プラスミドpML300のDN
A10μgをEcoRI制限エンドヌクレアーゼで切断し、そし
てプラスミドpML305のDNA10μgをBamHI制限エンドヌク
レアーゼで切断し、そして線状化されたDNAをゲル溶出
によりアガロースゲルから単離する(第10aを参照のこ
と)。次に、単離されたDNAをアルカリ性ホスファター
ゼによって消化し、そしてDE−51でクロマトグラフ処理
する(例11aを参照のこと)。次に、DNAを5′−末端に
おいて〔γ−R32P〕ATP(比活性>5000Ci/mmol,アマー
シャム)及びT4−ポリヌクレオチドキナーゼ(PLビオケ
ミカルス)により放射性ラベルする。
次に、放射性ラベルされたDNAを第2の制限エンドヌク
レアーゼ(EcoRII)により切断する。生成したDNA断片
をゲル溶出によりアガロースから単離する。次に、pML3
00の場合にはEcoRII−EcoRI*断片(約109bp)からF1−D
NAのヌクレオチド配列が決定され、pML305の場合にはEc
oRII−BamHI*断片(約122bp)中のF2−DNAが決定され
る。(*は放射性ラベルされたDNA末端を示す。) F1−DNA、及びF2−DNAについて決定されたヌクレオチド
配列は例8に示したものと同一である。
例13.発現プラスミドpML310の造成 a)trp−プロモーター/オペレーターを含有する線状
化ベクターpHRi148/EcoRI/BamHIの造成(第3図、第4
図) A.プラスミドp159の造成 10μgのプラスミドpBRHtrp(22)を50ユニットのEcoRI
(ビオラブス)により37℃にて60分間切断し、そして消
化混合物をフェノール抽出した後、TST41(コントロンA
G)ローター中で、50mM Tris・HCl(pH8.0),1mM EDTA
中シュークロース密度勾配(5〜23%)により画分す
る。遠心を40000rpm,15℃にて14時間続ける。0.3mlの画
分をISCO−グラジエントコレクターにより1ml/分で集め
る。小断片を含有する画分を一緒にし、この溶液をTNE
に調整し、そして2容量のエタノールで−20℃にて沈澱
せしめる。エッペンドルフ遠心機中で遠心分離した後、
DNAを100μlの10mM Tris・HCl(pH7.5),0.5mM EDTA中
に溶解する。このDNA断片5μgを5ユニットのBglII
(ビオラブス)により37℃にて60分間切断する。反応混
合物をフェノール及びクロロホルムで抽出し、そしてDN
Aを−80℃にて2容量のエタノールと共に10分間インキ
ュベートし、そして遠心によりDNAを集め、50μlの50m
M Tris・HCl(pH8.0)に溶解する。この溶液の2μl
(0.2μg DNA)を取り出し、そして50mM Tris・HCl(pH
8.0)中10ng/μlのDNA濃度において1ユニットの子牛
腸アルカリホスファターゼ(ベーリンガー)と共に37℃
にて30分間インキュベートする。溶液を65℃に60分間加
熱することにより酵素を失活せしめる。0.04μgのDNA
を取り出し、10μCi〔γ−32P〕−ATP(>5000Ci/m mo
l,アマーシャム)及び5ユニットのT4ポリヌクレオチド
キナーゼ(PLビオケミカルス)を用いて、50mM Tris・H
Cl(pH9.5),10mM MgCl2及び5mM DTT中20μlの反応容
量において37℃にて30分間インキュベートして5′−末
端をラベルする。放射性プローブをラベルされていない
プローブ(上記参照のこと)と混合し、そしてDNA断片
を、TST60ローター中で50mM Tris・HCl(pH8.0)、1mM
EDTA中5〜2%シュークロース密度勾配により画分す
る。遠心は、60000rpm、15℃にて5時間行う。0.2mlの
画分を集める。各画分の放射能をセレンコフ線の測定に
より決定し、そしてこれにより画分を同定する。小DNA
画分を含有する選択された画分を一緒にし、DNAを2容
量のエタノールで沈澱せしめ、そして遠心分離した後20
μlの10mM Tris・HCl(pH7.5)、0.5mM EDTA中に溶解
する。
受容体プラスミドとしてCla I及びEcoRIで切断したpBR3
22を使用する。2μgのpBR322を4ユニットのCla I
(ビオラブス)により、20μlの反応容積中で37℃にて
60分間消化する。蛋白質をフェノールで抽出し、そして
次にDNAを2容量のエタノールにより−80℃にて10分間
沈澱せしめる。DNAを遠心分離により集め、そして次に2
0μlの反応容積中で37℃にて30分間消化する。次に、
この溶液に2容量の0.1M Tris・HCl(pH8.7)を加え、
そして1ユニットの子牛アルカリ性ホスファターゼ(ベ
ーリンガー)と共に37℃にて30分間インキュベートす
る。次に、65℃にて60分間インキュベートすることによ
りホスファーターゼを不活性化する。
100ngの受容体プラスミドを5μlの断片L−DNAと共
に、10mM MgCl2,20mM Tris・HCl(pH7.8),10mM DTT,0.
5mM ATP中15μlの反応容量において、反応容量μl当
り30ユニットのT4DNAリガーゼ(ビオラブス)と共に2
時間インキュベートする。
5μlのこの溶液を、10mM MgCl2,10mM CaCl2及び10mM
Tris・HCl(pH7.5)中に塩化カルシウムで処理されたE.
コリHB101細胞(14)を150mlを含有する混合物に加えて
全量を200μlにする。この混合物を氷中で20分間冷却
し、42℃にて1分間加熱し、そして20℃にて10分間イン
キュベートする。1mlのトリプトン培地〔トリプトン培
地は10gのバクトトリプトン(ディスコ)、1gの酵母エ
キス(ディフコ)、1gのグルコース、8gのNaCl及び249m
gのCaCl2・H2Oを1の蒸留水中に含有する〕を加え、
そしてこの混合物を37℃にて30分間、300rpmで振とうし
ながらインキュベートする。混合物を、50μg/mlのアン
ピシリン(シグマ)を補充した寒天プレート(マッコン
キー寒天,ディフコ)2枚の上にプレート(0.6ml/プレ
ート)する。このプレートを、37℃にて12〜17時間イン
キュベートする。
10個の異るコロニーから次のようにしてプラスミドDNA
を単離する。
コロニーを、25mlのエルレンマイヤーフラスコ中、上記
のように50μg/mlのアンピシリンを補充した10mlのトリ
プトン培地に接種する。培養物を37℃、300rpmにて15〜
18時間振とうする。細胞を遠心分離(ソルベル,HS−4
ローター,4000rpmにて10分間,4℃)により集める。約0.
1gの細胞を得、そしてこれを1mlの50mM Tris・HCl(pH
8.0)に再懸濁する。0.25mlのリゾチーム溶液〔50mM Tr
is・HCl(pH8.0)中10mg/ml;リゾチームはシグマから供
給される〕を加え、そして0℃にて10分間インキュベー
トした後、0.15mlの0.5M EDTA(pH7.5)に加える。さら
に10分間0℃に置いた後、60μlの2%トリトンX−10
0(メルク)を加える。0℃にて30分置いた後、プロー
ブをソルベルSA−600ローター中で15,000rpm、4℃にて
30分間遠心分離する。上清を1容量のフェノール(TNE
中に飽和)により脱蛋白質処理する。5000rpm、4℃に
て10分間遠心分離(ソルベルHB−4ロータ)することに
より相分離を行う。上相を1容量のクロロホルムにより
2回抽出する。膵臓RNAアーゼA(シグマ;TNE中10mg/m
l,85℃にて10分間前加熱)を最終濃度が25μg/mlとなる
まで加え、そしてこの混合物を37℃にて40分間インキュ
ベートする。次に、溶液を1M NaCl及び10%ポリエチレ
ングリコール6000(フルカ,120℃にて20分間オートクレ
ーブ殺菌したもの)により調整し、そして−10℃にて2
時間インキュベートする。沈澱物をソルバルHB−4ロー
ター(10,000rpm、0℃にて20分間)中で集め、そして1
00μlのTNE中に溶解する。DNA溶液を1容量のフェノー
ルで抽出し、そしてDNAを2容量のエタノールで−80℃
にて10分間沈澱せしめる。沈澱を、エッペンドルフ遠心
機で遠心することにより集め、そしてDNAを再び20μl
の10mM Tris・HCl(pH7.5)及び0.5mM EDTA溶液中に溶
解する。10mlの培養物から8〜10μgのプラスミドDNA
を得る。
プラスミドDNAを次の制限酵素で消化することにより分
析する。
0.5μgずつのプラスミドDNAを、酵素の製造者の指示に
従って標準的方法により、Hpa I(ビオラブス)により
切断し、次にEcoRI(ビオラブス)及びCla I(ビオラブ
ス)を加えたHpa I(ビオラブス)により切断する。DNA
断片を1%アガロースゲル上40mM Tris・HCl(pH7.8),
1mM EDTA及び0.5μg/mlエチジウムブロミド中で画分す
る。目的プラスミドはHpa I部位を含有し、そして3回
の消化の後大DNA断片のほかにpBR322からの小EcoRI−Cl
a I断片より大きい2つの小断片を生じさせる。これら
のプラスミドの1つをp159と称する(第3図)。
B.プラスミドpHRi145の造成 2μgのp159のDNAを10ユニットのEcoRI(ビオラブス)
により37℃にて30分間消化する。DNAをフェノール抽出
し、エタノールで沈澱せしめ、そして遠心分離した後10
μlの10mM Tris・HCl(pH7.5),0.5mM EDTAに溶解す
る。EcoRIにより消化されたDNAを、5ユニットのDNAポ
リメラーゼ(Klenow断片)(ベーリンガー)により、10
mM MgCl2,10mM β−メルカプトエタノール,50mM NaCl,
0.1mM dATP(P&Lビオケミカルス),0.1mM dTTP(P
&Lビオケミカルス)中で12℃にて15分間処理する。次
に、85℃にて5分間インキュベートすることによりポリ
メラーゼを不活性化する。反応混合物を、20mM Tris・H
Cl(pH7.8),10mM MgCl2,10mM DTT,0.5mM ATP(シグ
マ)中に15倍に稀釈し、そして反応混合物μl当り30ユ
ニットのT4DNAリガーゼと共に15℃にて1時間インキュ
ベートする。
50ngのDNAをE.コリに形質転換し(上記のようにし
て)、そして50μg/mlのアンピシリンを補充したマッコ
ンキー寒天プレートにプレート培養する。
10個の異るコロニーからのプラスミドDNAを上記のよう
にして単離する。プラスミドDNAをEcoRIで消化すること
により分析する。目的とするプラスミドはEcoRI耐性で
ある。分析は上記のようにして行う。目的とするプラス
ミドの1つをHRi145と称する(第3図)。
C.プラスミドpHRi148の造成 2μgのpHRi145のDNAを5ユニットのCla I(ベーリン
ガー)により37℃にて60分間処理し、そしてフェノール
抽出により脱蛋白質を行う。DNAをエタノールで沈澱せ
しめ、そして次に20μlの10mM Tris・HCl(pH7.5),0.
5mM EDTAに溶解する。突出した末端を上記のようにして
DNAポリメラーゼI(Klenow断片)により満たす。但
し、dATP及びdTTPをdCTP(P&Lビオラブス)及びdGTP
(P&Lビオラブス)により置き換える。85℃にて5分
間インキュベートすることによりポリメラーゼを不活性
化する。反応混合物に2容量の0.1M Tris・HCl(pH8.
7)を加え、0.5ユニットの子牛ホスファターゼ(ベーリ
ンガー)と共に37℃にて30分間インキュベートする。反
応混合物を、フェノール抽出により脱蛋白質処理する。
DNAをエタノールにより沈澱せしめ、そして8μlの10m
M Tris・HCl(pH7.5),0.5mM EDTAに溶解する。
次の式; 5′−GAATTCCATGGTACCATGGAATTC−3′ で表わされる化学合成DNAリンカーを5′−末端におい
てリン酸化する。この場合、8pmolのリンカーを、5μC
i〔γ−32P〕−ATP(5500Ci・m mol-1,アマーシャム)
と共に、0.1mM rATP(シグマ),50mM Tris・HCl(pH9.
5),10mM MgCl2,5mM DTT及び2ユニットのT4ポリヌクレ
オチドキナーゼ(P&Lビオケミカルス)を含有する8
μlの反応溶液中で37℃にて30分間インキュベートす
る。−80℃に冷却することにより反応を停止する。
次に、放射性ラベルされたリンカーを1μgのCla I及
びホスファターゼで処理し、そして0.5mM rATP(シグ
マ)、10mM DTT(カルジオケム)、20mM Tris・HCl(pH
7.8)、1mM MgCl2及び800ユニットのT4DNAリガーゼ(ビ
オラブス)を含有する反応溶液20μl中でpHRi145のDNA
(上記参照のこと)と連結する。15℃にて2時間インキ
ュベートする。85℃にて10分間インキュベートすること
によりリガーゼを不活性化する。次に、2容量の水を加
え、塩化ナトリウムの濃度を10mMに調整し、そして20ユ
ニットのKpn I(ビオラブス)を加えて37℃に30分間置
く。フェノール及びクロロホルムで抽出した後、混合物
を0.9%低融アガロースゲル(ビオラド)中40mM Tris・
アセテート(pH7.8),1mM EDTA及び0.5μg/mlエチジウ
ムブロミド中で画分する。同じ大きさのマーカ−DNAと
同じ移動度を示す、UV照射により可視化されるバンドを
スカルペルにより切り取る。ゲル片を65℃において溶融
し、そして37℃に冷却する。約20μlの溶液を得る。こ
の溶液5μlを取り、そして0.5mM ATP,10mM DTT,10mM
MgCl2,20mM Tris・HCl(pH7.8)に調整された反応溶液1
0μl中で400ユニットのT4リガーゼ(ビオラブス)と共
に15℃にて12時間インキュベートする。100mM Tris・HC
l(pH7.5),100mM CaCl2及び100mM MgCl2を含む溶液10
分の1容量をリガーゼ混合物(15℃で固化する)に加
え、そして65℃にて5分間インキュベートする。次にこ
の溶液を用いて、前記のようにして、カルシウム処理さ
れたE.コリHB101の細胞を形質転換する。これを、50μg
/mlのアンピシリンを補充したマッコンキー寒天プレー
トにプレートする。
前記のようにして10個の異るコロニーからのプラスミド
DNAを単離し、そしてDNAを次の制限酵素分析にかける。
0.5μgずつのプラスミドDNAを、酵素の製造者の指示に
従ってKpn I(ビオラブス)、Nco I(ビオラブス)、及
びEcoRI(ビオラブス)により切断する。切断生成物を
1%アガロースゲル上40mM Tris・アセテート(pH7.
8),1mM EDTA,0.5μg/mlエチジウムブロミド中で画分す
る。すべてのプラスミドが、希望通り、上記の酵素切断
部位1個を示す。これらのプラスミドの1つをHRi148と
称する。
このプラスミドHRi148はトリプトファン−プロモーター
/オペレーター及びリボゾーム結合部位からATGまでを
含有する。ヒルジン遺伝子及び他の外来性遺伝子は、プ
ラスミド中に1個存在するEcoRI、NcoI、KpnI部位に直
接連結され得る。さらにこの構成は、翻訳開始のために
必要なATGが対応する遺伝子に存在しなくても異種性遺
伝子の連結及び発現を可能にする。このことは、前記の
ようにNco Iにより切断して突出末端をDNAポリメラーゼ
Iで満たすことにより、又はKpn Iで切断して突出末端
をヌクレアーゼS1により除去することにより容易に行う
ことができる。従って、プラスミドHRi148は広く使用す
ることができる発現プラスミドである。
D.線状化ベクターpHRi148/EcoRI/BamHIの調製 プラスミドpHRi148のDNA5μgを制限エンドヌクレアー
ゼEcoRI及びBamHIにより消化する。切断されたベクター
pHRi148/EcoRI/BamHIを密度勾配遠心により単離する。
b)F1−DNA/EcoRI/EcoRII、及びF2−DNA/BamHI/EcoRII
の調製 I)F1−DNA/EcoRI/EcoRIIの調製 プラスミドpML300のDNA5μgをまず10ユニットのEcoRI
制限エンドヌクレアーゼにより、100mM Tris・HCl(pH
7.5),50mM NaCl及び100μg/mlのゼラチンを含む溶液50
μl中で37℃にて1時間消化する。この線状化されたプ
ラスミドDNA/EcoRIのアリコート(0.5μg)を、ゲル溶
出によりアガロースゲルから単離し(例10aを参照のこ
と)、そして〔γ−32P〕ATPにより放射性ラベルする
(例12参照のこと)。次に、大部分のプラスミドDNA/Ec
oRIを前記の放射性マーカーと混合し、EcoRII制限エン
ドヌクレアーゼで消化し、そしてEcoRII−EcoRI*DNA断
片(109bp)を8%ポリアクリルアミド上でのゲル電気
泳動により分離する。ゲル溶出により200μgのF1−DNA
/EcoRI*/EcoRIIを単離する。
II)F2−DNA/BamHI/EcoRIIの調製 プラスミドpML305のDNA5μgを10ユニットのBamHI制限
エンドヌクレアーゼにより切断する。この線状化されが
プラスミドDNA/BamHIのアリコート(0.5μg)をゲル容
出によりアガロースゲルから単離し(例10a)、そして
〔γ−32P〕により放射性ラベルする(例12を参照のこ
と)。次に大部分のプラスミドDNA/BamHIを前記の放射
性ラベルしたDNAと混合し、EcoRII制限エンドヌクレア
ーゼで消化し、そしてEcoRII−BamHI*断片(122bp)を
8%ポリアクリルアミド上でのゲル電気泳動により分離
する。250μgのF2−DNA/BamHI*/EcoRIIを単離する。
c)F1−DNAとF2−DNAとの連結及び発現プラスミドpML3
10の造成 10ng(473nmol末端)F1−DNA/EcoRI/EcoRII及び9ng(49
5nmol末端)のF2−DNA/BamHI/EcoRIIを、例10cに記載し
たのと同様にして、20μlの容量中でT4DNAリガーゼで
処理する。次に、混合物をフェノール/クロロホルムで
抽出し、そしてDNAをアルコールで沈澱せしめる。次
に、DNAの沈澱物を例10cに記載したのと同様にして溶解
し、そしてEcoRI制限エンドヌクレアーゼ及びBamHI制限
エンドヌクレアーゼで消化する。次に、溶液をTNEに調
整し、そして30ng(50nmol末端)のベクターDNA pHR148
/EcoRI/BamHI(例13aDを参照のこと)を加える。次に、
この溶液をフェノール/クロロホルム抽出し、そしてDN
Aをアルコールで沈澱せしめる。沈澱したDNA混合物を、
例10cに記載したようにしてT4−DNAリガーゼ(ビオラブ
ス)により処理する。このようにして、挿入部としてF1
−F2−DNA(デサルフェートヒルジン遺伝子)を含有す
る組換プラスミドが溶液中に生成する。
d)プラスミドpML310によるE.コリHB101の形質転換 例10dに記載した方法と同様にして、カリシウム処理さ
れたE.コリHB101細胞の形質転換を行う。例13cにおいて
得られた反応混合物10μlを使用する。420個のアンピ
リシン耐性コロニーが得られる。
e)F1−F2−DNAを含有するコロニーのスクリーニング 例10aに記載したのと同様にして、18個の形質転換され
たコロニー(例13d)をF1−F2−DNAの含有について試験
する。放射性プローブとして例5及び6に記載したオリ
ゴデオキシヌクレオチドを使用する。オートラジオグラ
ム中に12個の陽性コロニーを得、この内5個をpML310、
pML311、pML312、pML313、pML314と称する。
例14.クローンpML310の特徴付け 例12に記載したようにして、Maxam及びGilbert(11)に
従ってF1−F2−DNAの配列を決定することにより組換プ
ラスミドpML310中のF1−F2−DNA配列を特徴付ける。10
μgのプラスミドDNAを試験する。F1−F2−DNAのヌクレ
オチド配列は合成デサルフェートヒルジン遺伝子につい
て記載したものと同一である。
例15.発現プラスミドpML315の造成 a)F1−DNAとF2−DNAの連結及び発現プラスミドpML315
の造成 化学合成F1−DNA及びF2−DNA(例8及びスキーム(5)
を参照のこと)の24μg(1.3pmol末端)及び26μg
(1.3pmol末端)の混合物を、50mM Tris・HCl(pH8),5
mM MgCl2,50mM NaCl,1mM DTT,100μg/mlのゼラチンを含
む20μlの容量中で5ユニットのEcoRII制限酵素(ビオ
ラブス)により37℃にて30分間消化する。次に混合物を
フェノール/クロロホルムで抽出し、そしてDNAをアル
コールで沈澱せしめる。次に、DNAの沈澱物を例10cに記
載したのと同様にして溶解し、そしてT4DNAリガーゼに
より15℃にて3時間処理する。次に、混合物をフェノー
ル/クロロホルムで抽出し、そして例10bに記載したの
と同様にして沈澱せしめる。次に、DNA沈澱物を溶解し
(例10cを参照のこと)、そして、EcoRI制限エンドヌク
レアーゼ及びBamHI制限エンドヌクレアーゼにより37℃
にて30分間消化する。次にこの溶液に70ng(0.1pmol末
端)の線状化ベクターpHRi148/EcoRI/BamHI(例13aD)
を加える。全溶液をTNEにより調整し、そしてフェノー
ル/クロロホルムで抽出し、そしてDNAを2容量のアル
コールで沈澱せしめる。
両DNA断片(F1−F2−DNA/EcoRI/BamHI、及びpHRi148/Ec
oRI/BamHI)を含有する、得られたDNA沈澱を、50mM Tri
s・HCl(pH7.8),10mM MgCl2,10mM DTT,0.5mM ATP,100
μg/mlゼラチンの溶液20μl中に溶解し、そして15ユニ
ット/μlのT4DNAリガーゼ(ビオラブス)により15℃
にて3時間消化する。このようにして、F1−F2−DNA
(デサルフェートヒルジン遺伝子)を含有する組換プラ
スミドpML315が溶液中に生ずる。
b)プラスミドpML315によるE.コリHB101の形質転換 プラスミドpML315を含有する混合物15μl(例15a)を
用いて、カルシウム処理されたE.コリHB101細胞を形質
転換する。約236個のアンピシリン耐性コロニーが得ら
れる。
c)F1−F2−DNAを含有するコロニーのスクリーニング 例13aに記載したのと同様にして、形質転換されたコロ
ニー(例15b)をF1−F2−DNAの存在について試験する。
pML315〜pML319と称する5個の陽性コロニーが得られ
る。
例16.発現プラスミドpML320の造成 a)合成F1−F2−DNAとベクターDNA pHRi148/EcoRI/Bam
HIとの連結 20μgの全合成的に製造されたデサルフェートヒルジン
遺伝子(F1−F2−DNA,例9を参照のこと)を、100mM Tr
is・HCl(pH7.5),50mM NaCl及び100μg/mlゼラチンを
含有する溶液の20μl中で制限酵素EcoRIにより消化
し、そして次にBamHIにより消化する。溶液をTNEに調整
し、これに30μg(50nmol末端)のベクターDNA pHRi14
8/EcoRI/BamHI(例13aDを参照のこと)を加える。この
溶液をフェノール/クロロホルムで抽出し、そしてDNA
をアルコールで沈澱せしめる。DNA沈澱物を例10cに記載
したのと同様にしてT4DNAリガーゼ(ビオラブス)によ
り処理する。こうして、挿入部としてF1−F2−DNA(ヒ
ルジン遺伝子)を含有する組換プラスミド(pML320)が
溶液中に生成する。
b)プラスミドpML320によるE.コリHB101の形質転換 例10dに記載したのと同様にして、カルシウム処理され
たE.コリHB101細胞の形質転換を行う。例16aで得られた
反応混合物10μlを用いる。173個のアンピシリン耐性
コロニーが得られる。
c)F1−F2−DNAを含有するコロニーのスクリーニング 11個の形質転換されたコロニー(例16b)を、例10eに記
載したのと同様にして、F1−F2−DNAの含有について試
験する。放射性プローブとして例5及び6において記載
したオリゴデオキシヌクレオチドの混合物を使用する。
オートラジオグラムにおいて14個の陽性クローンが得ら
れる。こうして得られたものの内5個をpML320、pML32
1、pML322、pML323、及びpML324と称する。
例17.クローンpML315及びpML320の特徴付け 例12に記載したようにしてMaxam及びGilbert(11)の方
法に従ってF1−F2−DNAの配列を決定することによりプ
ラスミドpML315及びpML320中のF1−F2配列を特徴付け
る。いずれのプラスミドのDNA挿入部のヌクレオチド配
列も合成ヒルビン遺伝子のそれと同一である。
例18.組換ヒルジン遺伝子を有するプラスミドを含有す
るE.コリ細胞によるヒルジン活性を有するポリペプチド
の合成 a)ヒルジン活性を有するポリペプチドの合成 組換デサルフェートヒルジン遺伝子を含有する下記の15
個のクローンをヒルジン活性の産生につき試験する。
E.コリ HB101 pML 310 E.コリ HB101 pML 311 E.コリ HB101 pML 312 E.コリ HB101 pML 313 E.コリ HB101 pML 314 E.コリ HB101 pML 315 E.コリ HB101 pML 316 E.コリ HB101 pML 317 E.コリ HB101 pML 318 E.コリ HB101 pML 319 E.コリ HB101 pML 320 E.コリ HB101 pML 321 E.コリ HB101 pML 322 E.コリ HB101 pML 323 E.コリ HB101 pML 324 このために、上記のクローンを5mlのL−培地に一夜(1
6時間)37℃にて250rpmにて培養する。L−培地は次の
組成を有する。
バクトトリプトン 10g バクト酵母エキス 5g NaCl 5g グルコース 5g アンピシリン 0.1g 1mlの一夜培養物を次の日に25mlのM9培地に移す。M9培
地は次の組成を有する。
Na2HPO4・7H2O 13.25 g KH2PO4 3.0 g NaCl 0.5 g NH4Cl 1.0 g CaCl2・2H2O 0.015 g MgSO4・7H2O 0.25 g カザミノ酸 2.5 g ビタミンB1 0.0099g グルコース 5.0 g アンピシリン 0.1 g これを、37℃にて、250rpmで、細菌懸濁液の光学濃度
(OD623)が約0.9〜1.0に達するまで培養する。次に、
細胞(5mlの増殖培養物)を集め、そして細菌を50mM Tr
is・HCl(pH8)及び30mM NaClの溶液0.5mlに再懸濁す
る。次に、この懸濁液を1mg/mlのリゾチーム(ベーリン
ガー)に調整し、そして氷中に30分間置く。懸濁液の液
体窒素中での凍結と37℃での解凍の反復により細菌を破
壊する。これを5回反復し、次に混合物を16000rpm、4
℃にて30分間遠心分離する。上清をデサルフェートヒル
ジン含量について試験する。この場合、抗体を添加し
(例18を参照のこと)、上清をHPLCで試験し、又はスロ
ンビンの阻害(15)を測定する。
次の結果が得られる。
例19.ヒルジン活性の証明 ヒルジン活性を有するポリペプチドを含有するサンプル
約5〜10μl(例18を参照のこと)を1cm2のニトロセ
ルロース紙(NZ)(BIORAD)に滴下し、そして室温にて
30分間乾燥する。NZを、0.01M Tris・HCl(pH8)及び0.
9%NaClを含有する3%血清アルブミン溶液中で37℃に
て1時間インキュベートする。
次に、NZを0.01M Tris・HCl(pH8)及び0.9%NaClの溶
液中で30分間洗浄する。この場合、溶液を5回交換す
る。次に、洗浄されたNZを、25℃にて2時間、0.01M Tr
is・HCl(pH8)及び0.9%NaCl中3%血清アルブミン溶
液〔2μg/mlのヒルジンに対する抗体(ラビットから調
製した抗体又はモノクローナル抗体)を含有する〕で処
理する。次にNZを上記のようにして洗浄する。
次に、NZを25℃にて2〜3時間、0.2μCi/ml125I−プロ
テインA(比活性89.9μCi/mg)(NEN)を含有する0.01
M Tris−HCl(pH8)及び0.9%NaCl中3%血清アルブミ
ンの溶液で処理する。次にNZを上記のようにしてさらに
洗浄し、乾燥し、そしてγ−カウンター(マルチ・ガン
マ,1260ガンマ−カウンター,LKB,ウオラス)中で結合し
た放射能を測定する。これがNZ上に存在する、ヒルジン
活性を有するポリペプチドの量である。
他の方法においては、上記のプローブがSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動(PAGE)にかけられる((24)
を参照のこと)。PAGE電気泳動分離物がエレクトロブロ
ッティングによりNZに移される。次に、このNZを上記の
ようにして処理し、そして/又はX線フィルム(フジ)
を用いて一夜オートラジオグラフ処理する。
ヒルジン活性を有するポリペプチドを含有するNZ上の部
位がフィルム上に黒い斑点として現われる。
例20.スロンビンカラムを用いるデサルフェートヒルジ
ンの単離及び精製 a)スロンビンカラム用ポリペプチド溶液の調製 150mlの培養液(例18に従って得られる)を4℃に冷却
し、そして細胞を遠心分離により分離する(5000rpm,15
分間,ソルバルRC3B)。透明な上清はヒルジン活性を含
有しない。
次に、細胞を12mlのリゼート緩衝液(50mM Tris・HCl,p
H8,30mM NaCl)中に懸濁する。この混合物に15mgのリゾ
チウム(ベーリンガー)を添加し、そして4℃にて30分
間置く。次に、液体窒素中での凍結と37℃での解凍を4
回反復することにより細胞を破壊する。次に、16000rp
m、4℃にて30分間遠心分離する。上清はヒルジン活性
を含有する。上清液(15ml)に7.7gの固体硫酸アンモニ
ウムを溶解する。濁った混合物を4℃にて30分間放置
し、そして上記のようにして遠心分離する。湿沈澱物を
1mlの0.05mM Tris・HCl(pH8)緩衝液に溶解し、そして
目的ポリペプチド溶液を得る。
b)スロンビンカラム上でのヒルジンの精製 スロンビンカラム(ベッドボリウム4ml)を0.05M Tris
・HCl(pH8)により平衡化する。上記のようにして得ら
れたポリペプチド溶液5mlを4℃において、7ml/時の流
速においてカラムに負荷する。次に25mlの0.05M Tris・
HCl(pH8)で洗浄する。第1画分は非吸着ポリペプチド
を含有し、これは廃棄する。次に、カラムを0.05M Tris
・HCl(pH8)中5Mベンズアミジン(メルク)〔(25)を
参照のこと〕で洗浄し、そして得られた画分をヒルジン
活性についてスロンビン試験(15)により試験する。ポ
リペプチドを含有する画分をOD280nmの測定により決定
する。画分25及び26がヒルジン活性を含有する。これ
を、らに処理するまで氷浴中に−20℃にて貯蔵する。ヒ
ルジン活性は画分25中に20μg/ml、そして画分26中に52
μg/ml存在する。次にこの画分を透析し又はセファデッ
クス−G25(ファルマシア)上で脱塩する。生成物のSDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動は7000〜8000ダルト
ンの分子量及びその整数保の分子量(オリゴマー)を示
す。
c)スロンビンカラムの調製 アフィーゲル10(ビオラド)を、製造者の指示に従って
冷蒸留水及びカップリング緩衝液(pH8.5;0.1M NaHCO3
/Na2CO3溶液)で洗浄する。このカップリング緩衝液
(4ml)中50%ゲル懸濁液を、プラスチック管に移し、
同じ量のスロンビン溶液(4mlのカップリング緩衝液中1
20mg)と混合し、そして4℃にて一夜回転せしめる。次
にゲルをカップリング緩衝液で洗浄する。なお遊離して
いる活性部位をブロックするために、ゲルをゲルのml当
り0.1mlの1Mエタノールアミン−HCl(pH8.0)により4
℃にて3時間処理し、そして10mMのナトリウムアジドを
含有するリン酸緩衝化した0.9%の塩化ナトリウム溶液
で洗浄し、そして4℃に保持する。カップリングの程度
は280nmにおける吸光を測定することにより決定され
る。ゲルml当り15〜30mgのヒルジンが担持される。
得られたスロンビンゲル4mlを使用してアフィニティー
カラムを調製する。
例21.プラスミドpML310による他のE.コリ株の形質転換
及び形質転換された宿主細胞の培養 例10dに記載したのと同様にして、E.コリ株JA221、E.コ
リLM1035、及びE.コリW3110Δ102をプラスミドpML310に
より形質転換する。形質転換されたコロニーを例10eに
記記したのと同様にしてF1−F2−DNAの存在について試
験する。それぞれ5個、3個、及び5個の陽性コロニー
が得られ、これらを次の様に命名する。
E.コリ JA221/pML310/1 E.コリ JA221/pML310/2 E.コリ JA221/pML310/3 E.コリ JA221/pML310/4 E.コリ JA221/pML310/5 E.コリ LM1035/pML310/1 E.コリ LM1035/pML310/2 E.コリ LM1035/pML310/3 E.コリ W3110Δ102/pML310/1 E.コリ W3110Δ102/pML310/2 E.コリ W3110Δ102/pML310/3 E.コリ W3110Δ102/pML310/4 E.コリ W3110Δ102/pML310/5 上記のクローンを改変M9培地で培養する。この培地は次
の組成を有する。
Na2HPO4・7H2O 9.0 g KH2PO4 3.0 g NaCl 0.5 g NH4Cl 3.5 g CaCl2・2H2O 0.015 g MgSO4・7H2O 0.25 g カザミノ酸 7.0 g 酵母エキス 5.0 g ビタミンB1 0.0099g クエン酸鉄(III) 0.006 g MOPS(3−モルホリノプロパン −1−スルホン酸) 34.0 g グルコース 20.0 g アンピシリン 0.1 g 37℃、180rpmにて、細菌懸濁液の光学濃度(OD623)が
約1に達するまで培養を行う。次に細胞を集め(5mlの
増殖培養物)、そして細菌を0.5mlの50mM Tris・HCl(p
H8)及び30mM NaClの溶液に再懸濁する。次に、懸濁液
を1mg/mlのリゾチウム(ベーリンガー)に調整し、そし
て氷中に30分間置く。懸濁液の液体窒素中での凍結及び
37℃での解凍を反復することによって細菌を破壊する。
これを5回反復する。次に、混合物を16000rpm、4℃に
て30分間遠心分離する。
すべてのクローンを、ヒルジン活性を有するポリペプチ
ドの生成について試験する。この場合、スロンビンの阻
害(15)を測定する。すべての細菌抽出物においてヒル
ジン活性(300〜600ng/ml培養物)が検出される。例え
ば次のヒルジン活性が確認される。
例22.5000l発酵槽中での形質転換株E.コリW3110Δ102/p
ML310/1の発酵及び培養液の処理 例21に記載したのと同様にして、5000lの発酵槽におい
て、3000lの改変M9培地中でE.コリW3110Δ102/pML310/1
の細胞を、光学濃度(OD623)が約10〜13になるまで培
養する。
培養液(pH7.4)を10℃に冷却し、そして細胞をアルフ
ァーラバルBRPX−207スラッジ分離機により処理する。
透明な上清液はヒルジン活性を含有せず、これは廃棄す
る。スライム分離中、スライム室を常に部分的にリシス
緩衝液A(50mM Tris−HCl,30mM NaCl,HClによりpHを8.
0に調整)と共にスライム分離し、そしてスライム分離
が完了したとき遠心空(7l)の内容物をリシス緩衝液A
と共に排出する。得られた菌体を緩衝液Aにより375lに
調整し、そしてpH値は7.6である。5〜10℃に冷却した
後、懸濁液を、直径0.5〜0.75mmのガラスビーズ4.2lが
導入されたダイノミル(タイプKD5)に導入する。こう
して得られた懸濁液を酢酸により酢酸濃度2V/V%に調製
し、そして10℃にて一夜攪拌する。pH3.9のこの懸濁液
を上記のようにしてスラッジ分離する。300lの透明な上
清液を落下膜蒸発器(1時間当り能力水60l)中で35lに
濃縮する。わずかに濁った濃縮液を遠心分離し、そして
こうして得られた透明な上清を、GR 81 PPメンブラン
(面積2.5m2)を装着した限外過器DDS=Lab38によ
り、2%酢酸、又は0.02M Tris・HCl(pH7.5)緩衝液に
対して透析する。最終容量は31となる。
この透析な蛋白質溶液の2lのアリコートを、ベッドボリ
ウム96lのセファデックスG−50Fカラム(KS 730ファ
ルマシア)に負荷し、この場合、2%の酢酸によりカラ
ムを平衡化する。こうして得られた透明溶液を凍結乾燥
する。次の例に記載するようにしてさらに処理すること
ができる。
例23.実験室規模におけるE.コリW3110Δ102/pML310/1株
の培養 E.コリW3110Δ102/pML310/1株を37℃、200rpmにて24時
間、振とうフラスコ中で培養する。培地は次の組成(g/
l)を有する。
Na2HPO4・7H2O 9.0 g KH2PO4 3.0 NaCl 0.5 CaCl2 0.015 MgSO4・7H2O 0.25 クエン酸鉄(III) 0.006 MOPS 40 NH4Cl 3.5 カザミノ酸 7.0 酵母エキス 5.0 セレロース(グルコース) 20 アンピシリン 0.1 培地はpH6.45である。培養中、光学濃度(OD605nm)が1
4.9に達する。
細胞(50mlの増殖培養物)を集め、そして50mM Tris・H
Cl(pH8.0)及び30mM NaClからなる5mlに再懸濁する。
次に、懸濁液を、5gの冷却したガラスビーズ(直径0.5m
m)と共に、又はリゾチウム(ベーリンガー)を最終濃
度が1mg/mlとなるように加えて、30〜45分間、マルチチ
ューブ攪拌機上で高強度で振とうする。この混合物0.5m
lに0.5mlの2%酢酸を加え、そしてこの混合物を4℃、
12,000rpmにて20分間遠心する。上清液をヒルジン活性
(スロンビンの阻害)について試験する。スロンビン阻
害試験は次のようにして行う。
この試薬は、基質クロモチムTH(トシル−グリシル−プ
ロリル−アルギニン−4−ニトロアニリド−アセテー
ト)からのp−ニトロアニリンの酵素的切断の測定に基
礎を置く。生成したp−ニトロアニリンは405nmにおい
て光学的に測定される(ダイナティック,クロトン,ミ
クロ−エリサオートリーダー)。試験は平底ミクロタイ
タープレート(コスター,セロクルスター,カタログN
o.3590)中で行う。反応は定温器中で37℃にて2時間行
う。試験のため、測定すべき溶液20μlを30μlの稀釈
剤緩衝液(0.2M Tris−HCl,pH7.5,1M NaCl,100μg/mlの
ウシ血清アルブミン)により稀釈し、そして20μlの酵
素溶液〔ヒト血漿からの凍結乾燥したスロンビン(ベー
リンガー)10mgを1mlの2回蒸留水に溶解しそして稀釈
緩衝液で約1:400で稀釈したもの〕、及び150μlの基質
溶液〔20ngのクロモチムTH(ベーリンガー)を4mlの2
回蒸留水に溶解し、そして上記の稀釈緩衝液で1:15に稀
釈したもの〕を加える。すべての溶液を、ブランク溶液
〔70μlの稀釈緩衝液(上記)及び150μlの基質溶液
から成る〕に対して、及び酵素対照溶液(50μlの稀釈
緩衝液、20μlの酵素溶液及び150μlの基質溶液から
成る)に対して測定する。37℃にて2時間後の酵素対照
溶液のOD405nm値は約0.8±0.2であるべきであり、これ
が活性100%を与える。サンプルのスロンビン阻害
(%)は次の式により算出される。
上清液は49.7%/20μlのスロンビン阻害を示す。
例24.培養液からヒルジン化合物を濃縮するための精製
法 例22に記載したのと同様にして、E.コリW3110Δ102/pMl
310/1株を発酵槽中で培養する。次に細胞を破砕し、遠
心分離し、そして濃縮された上清液を酢酸で処理しそし
て次に限外過し又は透析する。それぞれの方法により
得られた溶液は、例えばイオン交換クロマトグラフィー
により精製することができる。
a)スロンビン阻害画分を得るためのモノQカラム上で
のイオン交換クロマトグラフィー 8.5mlの蛋白質溶液(20mM Tris・HCl,pH7.5/150mM NaC
l)を、ファルマシアにより製造されたクロマトグラフ
系(迅速蛋白質液体クロマトグラフィー;FPLC)により
モノQカラムに適用し、そして次の条件下で溶出する。
実験条件:カラム:モノQ,4.6mm×150mm。
緩衝液A:20mM Tris・HCl(pH7.5);緩衝液B:20mM Tris
・HCl/1 M NaCl。直線塩グラジエント:9mlにわたり15
%緩衝液B溶出,10.7mlにわたり70%緩衝液Bに上昇。A
UFS280nmにおいて1.0,1ml画分。
排除体積(画分1〜10)において、大きな蛋白質ピーク
が、次に溶出するヒルジン化合物から分離される。スロ
ンビン試験において、画分17〜23は20〜100%のスロン
ビン阻害を示し、92%阻害する主画分(画分20及び21)
は約500mM NaClにおいて溶出する。
b)ヒルジン化合物を濃縮するためのDEAEセルロースカ
ラム上でのイオン交換クロマトグラフィー 10mlの透析物をDE53(ワットマン)上でのpH7.5におけ
るイオン交換クロマトグラフィーにかける〔クロマトグ
ラフィー条件;カラム1×5cm(10ml);溶出緩衝液A:2
0mM酢酸アンモニウム,100mM NaCl,pH7.5;溶出緩衝液B:2
0mM酢酸アンモニウム,1M NaCl,pH4.0;直線塩グラジエン
ト:緩衝液A及び緩衝液Bをそれぞれ4カラム体積使
用〕。ヒルジン化合物は0.4M NaClから溶出する。これ
はスロンビン阻害試験により検出される。
c)P−6DG“脱塩ゲル”(ビオ−ラド)上での脱塩 110mlの透析物(20mM Tris・HCl,pH7.5,上清液2.6lから
の濃縮蛋白質溶液)を例24hに記載したのと同様にしてD
E53上で分離する。ヒルジン化合物は、一層早く溶出す
る不活性蛋白質ピークと分離して画分46〜52(150ml)
の間で溶出する。これをロータリーエバポレーターによ
り約12mlに濃縮する。得られた透明な蛋白質溶液をビオ
ゲルP−6DGカラムに適用し、そして水で溶出する。
実験条件:カラム2.5×9cm,固定相45mlのビオゲルP−6
DG脱塩ゲル,流速1.15ml/分,4.6ml画分。塩含量は電導
度を測定することにより、又は硝酸銀試験(AgCl2の沈
澱)により点検することができる。主活性は画分7〜10
で溶出する。これはスロンビン阻害試験により確認され
る。画分8〜10(13.5ml)を一緒にし、そしてロータリ
ーエバポレーターを用いて1mlに濃縮し、そして透明な
溶液を160mlのベッドボリウムを有するセファデックスG
50ファインカラム(ファルマシア)に適用する。この場
合カラムは1%酢酸で平衡化する。
d)セファデックスG50ファイン(ファルマシア)上で
のゲル過 実験条件:カラム:セファデックスG50ファイン(31
g),2.5cm×64cm,容量310ml;溶剤:1%酢酸;流速43ml/
時,3.8ml画分サイズ。AUFS:282nmにおいて0.1。ペーパ
ーフィード3.0cm/時。溶出する活性の検出はスロンビン
阻害試験により行う。50mlの溶出液に含まれる主画分
(画分39〜52)は、非活性第2成分(画分53〜80)より
早く溶出する。活性画分のスロンビン阻害は80〜100%
である。
e)活性溶解物(lysate)の予備的濃縮のためのCMセル
ロース上での陽イオン交換クロマトグラフィー 10mlの透析物〔20mM Tris・HCl,200mlの上清からの濃縮
物(1:20),4N HCl3mlによりpH2.0に調整〕を陽イオン
交換体(CM−セルロース)上で分離した。ヒルジン化合
物は画分4〜8の間の排除容積中に溶出する。検出はス
ロンビン阻害試験により行う。画分5及び6は、20μl
の溶出液当りそれぞれ89%及び88%阻害する。
実験条件:カラム:1.5×8cm,固定相:19mlのCM−セルロ
ース(los MZ−3146)。流速:43ml/時,3.8ml画分。直線
塩グラジエント緩衝液A:20mM NH4OAc,4N HClによりpH2
に調整:緩衝液B:200mM NH4OAc(pH6.5),それぞれ5
カラム容積を使用。AUFS:282nmにおいて1.0。
例25.形質転換されたE.コリW3110Δ102/pML310/1株の発
酵及び培養液の処理 例22に記載したのと同様にして、E.コリW3110Δ102/pML
310/1細胞を発酵槽中で、8lのL培地中で5時間培養す
る。懸濁液の光学濃度(OD623)は約5に達する。
培養物(pH7.2)から遠心分離された細胞を10℃に冷却
し、そしてリゾチウム処理、及び液体窒素中での連結と
約30℃での解凍の反復により破壊する。得られた懸濁液
(2.5l)を1.5%酢酸(2.4l)で稀釈し、そして4℃に
て30分間攪拌する。沈澱した細菌蛋白質及び他の細胞成
分を、4℃にて9000rpmで30分間遠心分離することによ
り除去する。3.2lの透明な溶液を、ロータリーエバポレ
ーター(ビュチ)により320mlに濃縮する。濃縮物を、2
0mM Tris・HCl(pH7.5)に対して4℃にて一夜透析し、
そしてわずかに濁った透析液を再度遠心分離する。最終
容量は300mlである。透明な蛋白質溶液(0.02M Tris・H
Cl,pH7.0)を、ベッドボリウム20mlのジエチルアミノエ
チルセルロース(DE52,ワットマン)(20g)に適用す
る。この場合、カラムを緩衝液A(緩衝液A:20mM酢酸ア
ンモニウム/100mM NaCl,pH7.5)で平衡化する)。ま
ず、1カラム容量(45ml)により一定流速43ml/時で洗
浄を行い、そして次に、5カラム容量ずつの緩衝液A及
び緩衝液B(緩衝液B:20mM酢酸アンモニウム/4M NaCl,p
H5.0)を用いて直線塩グラジエント溶出を行う。100ml
の溶出液を含み、そしてスロンビン阻害試験において活
性である主画分(画分24〜26)を、20mM Tris・HCl(pH
7.5)に対して一夜透析し、そしてロータリーエバポレ
ーターにより35℃にて最終容量5mlに濃縮する。
得られた透明な水溶液を、5%酢酸により平衡化した16
0mlのベッドボリウムを有するセファデックスG−50
(ファルマシア)ファインカラム(2.5×64cmビオラ
ド)に適用する。50mlの溶出液(画分5〜7,流速50ml/
時,25分/画分)に含まれる主活性をロータリーエバポ
レーターを用いて濃縮し、そして逆相HPLC分離にかけ
る。
個々の画分のアリコート(500μl)を“スピードバ
ク”濃縮器(サバント)を用いて1:10に濃縮し、そして
デサルフェートヒルジン化合物について逆相HPLC分析に
より試験する。溶液はデサルフェートヒルジン化合物を
含有する。画分6(18ml)は最も小さい比率の第2成分
を含有し、そしてこれを半調製用逆相HPLCによりさらに
精製する。
実験条件:Vydac 218 TP 510 RP−HPLCカラム,10×2
50mm;1分離当り画分6のアリコート部分(200μ1:10
濃縮);AUFS:220nmにおいて0.5;流速2ml/分。溶離剤:A:
0.1%トリフルオロ酢酸,B:アセトニトリル/水(8:2)
+0.07%トリフルオロ酢酸,1分間16%B,次に40分間にわ
たり64%Bに上昇。得られた画分は水で1:1稀釈し、そ
して凍結乾燥する。残渣は純デサルフェートヒルジン化
合物から成る。
例26.E.コリW3110Δ102/pML310/1の発酵からの生成物混
合物の分析 例25により得られたスロンビン阻害試験において活性を
有する画分を、2つの条件のもとでHPLC分析にかける。
a)実験条件No.1 Nucleosil(MN)C18,5μm RP−HPLCカラム,4.6×120mm;
分離当り50μlのヒルジン化合物,214nmにおいて(用い
たHPLC装置のスイッチの減衰量を位置6に合わせる);
流速1.2ml/分;溶離液:A:0.1%トリフルオロ酢酸,B:ア
セトニトリル/水(8:2)+0.07%トリフルオロ酢酸,2
分間16%B,次に30分間にわたり64%Bに上昇。逆圧107
バール。
画分を1分間の間隔で採取し(合計30個)、そしてスロ
ンビン阻害試験及び抗体試験(例19を参照のこと)にか
ける。画分12〜15が活性を有する。さらに、アミノ酸組
成、N−端及びC−端を、画分14の活性ヒルジン化合物
について試験する。この画分(No.14)はさらに、例28
に記載した方法と同様にしてヒルからの天然ヒルジンを
酵素アリールスルファターゼと反応せしめることにより
得られたデサルフェートヒルジンと比較する。結果を次
の第1表に示す。
対照株E.コリW3110Δ102の画分(対照)は、スロンビン
阻害試験においても、抗体試験においても活性でない。
この画分は非形質転換株E.コリW3110Δ102を例22に記載
したのと同一条件下で培養し、そして例25に従って培養
液を処理することにより得られる。
b)実験条件No.2 RP−HPLCカラム、Vydac 218 TP54154.6×150mm;分離
当たり100μl(1:10濃縮)の画分6(例25を参照のこ
と);溶離剤:A:0.1%トリフルオロ酢酸、B:アセトニト
リル/水(8:2)+0.07%トリフルオロ酢酸。グラジエ
ント:2分間16%B,次に3分間にわたり20%Bに上昇、次
に15分間にわたり25%Bに上昇、次に27分間にわたり64
%Bに上昇。逆圧160バール。
スロンビン阻害試験及び抗体試験における活性画分を次
の第2表に挙げる。この表はさらにモノQ−カラム(陰
イオン交換クロマトグラフィー)から画分を溶出するた
めに必要なNaCl濃度(mM)、及び幾つかの画分の最長波
長UV吸収バンドを示す。すべての画分はさらに抗−スロ
ンビン抗体との陽性反応を示す(例30を参照のこと)。
例27.E.コリW3110Δ102/pML310/1株の発酵からのデサル
フェートヒルジン化合物の特徴付け I.画分14(例26、実験条件No.1、第1表を参照のこと)
又は画分1(例26、実験条件No.2、第2表を参照のこ
と)を次のようにして特徴ずける。
a)アミノ酸配列の決定 約2.5μgのヒルジン化合物を、6N HClにより110℃にて
24時間加水分解し、そして次にChang等(DABS−Cl法)
(文献31)に従って分析する。加水分解物は次の組成を
有する。
b)部分配列分析 5μg(750pmol)のヒルジン化合物をEdmanに従って常
用のアミノ酸分析にかけ、そしてN−末端フェニルチオ
ヒダントイン(PTH)−アミノ酸をRP−HPLCにより決定
する。
結果 試験した生合成ヒルジン化合物のN−末端配列は天然ヒ
ルジンのそれ(文献1)と同一である。
c)カルボキシペプチダーゼY分解によるC−端アミノ
酸の決定 カルボキシペプチダーゼYによるC−端アミノ酸の時間
依存分解は、C−端として次の配列を示す。
アミノ酸の決定はアミノ酸アナライザーにより行った。
Tyr63が硫酸化されていないことが示される(デサルフ
ェートヒルジン)。
形質転換されたE.コリW3110Δ102/pML310/1の発酵から
の主生成物は、構造データ及び天然ヒルジンから得られ
たデサルフェートヒルジンとの比較が示すように、デサ
ルフェートヒルジンである。
II.その他の発酵生成物の構造はまだ完全には決定され
ていない。画分2〜6(第2表参照のこと)は、HPLC及
びFPLCデータ、並びにUV最大吸収により適切に定義され
る化合物であって、定義されている。これらの化合物は
確かにデサルフェート様化合物であって、これらは構造
的微差(例えばS−S橋の相違)により、又はC−端又
はN−端の変形(例えばN−末端メチオニン残基又はN
−末端アシル化、例えばホルミル化又はアセチル化)に
よりデサルフェートヒルジンと異る。
E.コリLM1035/pML310/1,E.コリJA221/pML310/1、及びE.
コリHB101/pML310株の発酵の場合にも、デサルフェート
ヒルジンを主生成物として同定することができる。
例28比較目的での、天然ヒルジンからデサルフェートヒ
ルジンの製造 天然ヒルジンを2mg/mlで緩衝液(0.1M酢酸アンモニウ
ム,pH5.5)に溶解する。16μgのアリールスルファター
ゼを含有する脱塩されたアリールスルファターゼ(ベー
リンガー)溶液100μlを20μgのヒルジン(10μlの
溶液)に加える。全体を25℃でインキュベートし、そし
てHPLC分析により反応を追跡する。6時間のインキュベ
ーションの後、90%以上のヒルジンが脱硫酸化される。
生成するデサルフェートヒルジンの保持時間は、例26に
記載した条件(実験条件a)のもとで12.8分間であり、
そして例26に記載した条件(実験条件b)のもとで15.4
5分間である。アミノ酸組成、Edman分解による配列分
析、及びカルボキシペプチターゼYによるC−端アミノ
酸の決定はデサルフェートヒルジンについて予想される
結果をもたらす。
例29.酵母(S.セレビシエー)におけるデサルフェート
ヒルジン化合物の発現 酵母における外来性蛋白質の発現は一定の発現系を必要
とする。このものは強力な酵母プロモーター、好ましく
は誘導性酵母プロモーター、及び適当な翻訳終止シグナ
ルを、酵母細胞を形質転換することができるプラスミド
ベクター上に含有すべきである。このベクターはさら
に、高コピー数の染色体外複製を保証するDNA配列、好
ましくは酵母2μ配列を含有する。このものはさらに、
酵母のための選択マーカー、好ましくは酵母LEU2遺伝
子、並びにE.コリにおいて使用するため、複製開始点を
有するpBR322DNA配列及び選択マーカー、好ましくはア
ンピシリン耐性遺伝子を含有すべきである。このような
ベクターは、いわゆるシャトルベクターとして、E.コリ
及び酵母での操作のために適当である。
これらの要件に合致する発現系はヨーロッパ特許出願N
o.100,561に記載されており、酵母での効率的な発現が
例により例示されている。外来性遺伝子が酸性ホスファ
ターゼの誘導性PHO5プロモーターの制御のもとで酵母か
ら発現される。PHO5プロモーター、外来性遺伝子及びPH
O5転写停止シグナルが連続して酵母ベクターpJDB207に
導入される。このベクターはさらに酵母2μプラスミド
のDNA配列、酵母LEU2遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子
及びE.コリ複製開始点を含有する。
発現プラスミドpJDB207R/PHO5−HIRは次のようにして造
成する。
a)pJDB207ベクター断片の単離 6μgのプラスミドpJDB207R/IF(α−3)(ヨーロッ
パ特許出願No.100,561)を、制限エンドヌクレアーゼBa
mHIにより完全に消化する。得られたDNA断片(6.85kd及
び1.15kb)をエタノールで沈澱せしめ、そして400μl
の50mM Tris・HCl(pH8.0)に入れる。4.5ユニットの子
牛腸ホスファターゼ(ベーリンガー・マンハイム)を加
える。この混合物を37℃にて1時間インキュベートし、
次に65℃にて1.5時間ホスファターゼを不活性化する。
溶液を150mM NaClに調整し、そして次に、10mM Tris・H
Cl(pH7.5),150mM NaCl,1mM EDTAによりあらかじめ平
衡化しておいたDE52(ワットマン)陰イオン交換カラム
(100μl容積)に適用する。同じ緩衝液で洗浄した
後、DNAを400μlの1.5M NaCl,10mM Tris・HCl(pH7.
5),1mM EDTAにより溶出し、そしてエタノールで沈澱せ
しめる。大6.85kb BamHI断片を、1.2%アガロースゲル
上Tris−ボレート−EDTA緩衝液(pH8.3)中で、小断片
から分離する。
b)534bp PHO5プロモーター断片の単離 6μgのプラスミドp31/R(ヨーロッパ特許出願100,56
1)を制限エンドヌクレアーゼEcoRI及びBamHIにより消
化する。得られた3個のDNA断片を1.2%アガロースゲル
上Tris−ボレート−EDTA緩衝液(pH8.3)中で分離す
る。534bpのBamHI−EcoRI断片を単離する。このものは
転写開始部位を含むPHO5プロモーターを含有する。
c)ヒルジンをコードする配列を有する206bp DNA断片
の単離 9μgのプラスミドpML310(例13cを参照のこと)を、
制限酵素BamHI及びEcoRIで消化する。得られた2個のDN
A断片を1.2%アガロースゲル上Tris−ボレート−EDTA緩
衝液(pH8.3)中で分離する。206bpのEcoRI−BamHI断片
を単離する。
d)DNA断片の連結 上記a)〜c)に記載した3種類のDNA断片を、電気溶
出によりアガロースゲルブロックから得、DE52(ワット
マン)陰イオン交換体上で精製し、エタノールで沈澱せ
しめ、そして水に再懸濁する。
0.1pmol(0.45μg)の6.85kb BamHIベクター断片、0.3
pmol(0.1μg)の534bp BamHI−EcoRI PHO5プロモータ
ー断片、及び0.25pmol(34μg)の206bp EcoRI−BamHI
断片(pML310)を15μlの60mM Tris・HCl(pH7.5),10
mM MgCl2,10mM DTT,1mM ATPの溶液中で、600ユニットの
T4DNAリガーゼ(ビオラブス)を用いて15℃にて16時間
連結する。
24個の形質転換されたampRコロニーを別々に100μg/ml
のアンピシリンを含むLB培地中で培養する。プラスミド
DNAをHolmes等(32)の方法により単離し、そしてHindI
II/EcoRIを用いる2重消化により分析する。約600bpの
長さのEcoRI−HindIII断片の生成が、このクローンに関
して、ベクター上の転写停止シグナルに対して正しい方
向にPHO5プロモーター・ヒルジンDNA断片が存在するこ
とを示す。期待通り、約50%のクローンが正しい向きの
挿入部を有する。これらのクローンの1つをpJDB207R/P
HO5−HIRと称する。
e)サッカロミセス・セレビシエーGRF18の形質転換 サッカロミセス・セレビシエーGRF18株(α,his 3−
11,his 3−15,leu 2−3,Leu 2−112,canR)を、H
innen等(12)の方法に従って、プラスミドpJDB207R/PH
O5−HIRにより形質転換する。形質転換された酵母細胞
の選択を、ロイシンを含有しない酵母最少培地を用いて
寒天プレート上で行う。形質転換された酵母コロニーを
単離し、そしてサッカロミセス・セレビシエーGRF18/pJ
DB207R/PHO5−HIRと名命する。
f)S.セレビシエーGRF18/pJDB207R/PHO5−HIRの培養 S.セレビシエーGRF18/pJDB207R/PHO5−HIRを、20mlの酵
母最少培地(2%グルコース及び20mg/l、L−ヒスチジ
ンを添加したアミノ酸不含ディフコイーストニトロゲン
ベース)中で、30℃にて攪拌し、そして3×107細胞/ml
の細胞濃度まで培養する。細胞を0.9%NaCl中で洗浄
し、そして次にこれを用いて低Pi−最少培地の50ml培養
物に接種する。低Pi最少培地はディフコニトロゲンベー
ス培地(アミノ酸不含)の組成に対応して調製される
が、(NH4)2SO4,2%グルコース及び1g/l L−ヒスチジン
の代りに0.03g/lのKH2PO4,1g/lのKCl、及び10g/lのL−
アスパラギンを含有する。培養物に4×106細胞/mlの細
胞濃度に接種し、そして30℃,200rpmにて24時間攪拌す
る。
g)S.セレビシエーGRF18/pJDB207R/PHO5−HIRの発酵か
らの生成物混合物の分析 細胞(例29fを参照のこと)を単法に従って(例えばヨ
ーロッパ特許出願No.100,561を参照のこと)破壊する。
1.5%酢酸で処理した上清液を遠心分離し、そして2mlの
透明溶液を“スピードバグ濃縮器上高真空中で乾燥す
る。サンプルをそれぞれ100μlの水に溶解し、そしてH
PLC分析(例26aと同じ条件)にかける。各画分のスロン
ビン阻害を試験する。12.8分間の保持時間を有する画分
は89.6%のスロンビン阻害を示す。アミノ酸組成によれ
ばこの画分はデサルフェートヒルジンである。
例30競争的ラジオイムノアッセイによるヒルジンの測定
のためのモノクロ−ナル抗−ヒルジン抗体を含む試験キ
ット a)モノクローナル抗−ヒルジン抗体の製造 A)マウスの免疫 凍結乾燥形の純ヒルジン(3mg)を少量の0.1%酢酸に溶
解し、そしてリン酸緩衝化塩化ナトリウム溶液により3m
lにする。pHを7.2に調整する。この抗原溶液の部分を同
量の完全フロインドアジュバント、又はリン酸緩衝化塩
化ナトリウム溶液と混合する。
雌性Balb/cマウス(8週齢、スイス、シセルンの動物フ
ァームから入手)に、緩衝化塩化ナトリウム溶液中100
μgのヒルジンの溶液を静脈内注射する。4日後に脾臓
を取り出し融合に使用する。
B)ハイブリドーマの製造及び抗体試験 ハイブリドーマ細胞の製造は、得られた脾臓細胞を骨髄
腫セルラインX63−Ag.8.6.5.3(文献26)と融合せしめ
ることにより得る。108個の脾臓細胞及び107個の骨髄腫
細胞を使用する。融合は(27)に記載されている方法に
より行う。
ハイブリドーマ上清液中の抗−ヒルジン活性の決定をラ
ジオイムノアッセイにより行う〔RIA(28)〕。
C)腹水からの抗−ヒルジン抗体の単離及び精製 Balb/cマウスを0.4mlのプリスタン(カールロス)によ
り腹腔内処理する。1週間後、2〜5×106個のクロー
ン化ハイブリドーマ細胞を腹腔内注射する。各マウスか
ら腹水を繰り返し採取し、そして−80℃で凍結する。蓄
積された液を解凍し、そして4℃,16,000rpmにて30分間
遠心分離する。脂肪を吸引去し、そして0.9容量の飽
和硫酸アンモニウム溶液を0℃にて攪拌しながら残りの
破片不含液にゆっくりと滴加する。得られた粗免疫グロ
ブリン画分を、製造者の指示に従って、0.1mM Tris・HC
l(pH8.2)を用いながらセファクリルG2000(ファルマ
シア)に通す。活性画分を一緒にし、そしてアミコンXM
50フィルター(アミコン)を用いて濃縮する。
b)競争的ラジオイムノアッセイ用試験キット 例30aCに従って製造された抗−ヒルジン抗体の溶液を、
リン酸緩衝化塩化ナトリウム溶液(PBS溶液)により、1
00μl当り1μgの濃度に稀釈する。100μlの溶液
を、小プラスチックチューブ中又はプラスチックミクロ
タイタープレート上で37℃にて2時間インキュベート
し、抗体を非特異的にプラスチック表面に吸着せしめ
る。プラスチック表面上でまだ遊離している活性部位を
飽和するために、ウシ血清アルブミン溶液(BSA溶液)
により後処理を行う。
BSA中サンプル又は標準溶液の一連の稀釈物に公知の方
法(29)により125ヨウ素により放射性ラベルされそし
て50μl当り10,000cpmの活性を有するヒルジンの溶液5
0μlずつを加え、そしてプラスチック表面上で37℃に
て2時間、そして次に4℃にて12時間インキュベートす
る。小チューブ又はミクロタイタープレートをリン酸緩
衝化塩化ナトリウム溶液で洗浄し、そして放射能を測定
する。サンプル溶液中のヒルジンの濃度を、標準溶液に
より決定した換算曲線により決定する。
上記のラジオイムノアッセイ用試験キットはつぎのもの
を含む。
・1〜10mg/mlの濃度の例30aCからの抗−ヒルジン抗体
の溶液2ml。
・リン酸緩衝化塩化ナトリウム溶液(PBS溶液)100ml。
・PBS溶液中0.3%ウシ血清アルブミン及び0.1%ナトリ
ウムアジド溶液(BSA溶液)100ml。
・200,000cpm/mlの活性を有する放射性ヒルジンの溶液2
ml。
・100ng/mlヒルジンを含有する標準溶液2ml。
・1mlのプラスチック製の小チューブ又はミクロタイタ
ープレート。
例31非経腸的投与用の、デサルフェートヒルジンを含有
する医薬製剤 例27のデサルフェートヒルジン化合物を含有する溶液を
0.9%NaCl溶液に対して透析する。次に、同じNaCl溶液
で稀釈することによって溶液の濃度を0.2mg/ml又は2mg/
mlに調整する。これらの溶液を限外過(0.22μm孔の
メンブレンを使用)により無菌化する。
この無菌化溶液は、例えば静脈内投与のために直接使用
することができる。例27のデサルフェートヒルジン化合
物の混合物を含有する非経腸的に投与可能な溶液を同様
にして製造することができる。
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【図面の簡単な説明】
第1図はF1−DNAを含むプラスミドpML300の造成を示
す。 第2図はF2−DNAを含むプラスミドpML305の造成を示
す。 第3図は発現用ベクターpHRi148の造成を示す。 第4図は発現プラスミドpML310の造成を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:865) (72)発明者 ハンス リンク スイス国,4125 リーヘン,レベンシユト ラーセ 10 (72)発明者 バルター メルキ スイス国,4313 メーリン,ブレメンスタ ルシユトラーセ 30 (72)発明者 マルクス ガーハルト グルター スイス国,4146 ホツホバルド,ネテンベ ルグベク(番地なし) (72)発明者 ベルント メイハク スイス国,4312 マグデン,ヘーエンベク 9 (56)参考文献 特開 昭60−136597(JP,A) 特開 昭61−501609(JP,A) FEBS LETTERS,1984〔165〕 P.180−183

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の式: Val Val Tyr Thr Asp Cys Thr Glu Ser Gly Gln Asn Le
    u Cys Leu Cys Glu Gly Ser Asn Val Cys Gly Gln Gly
    Asn Lys Cys Ile Leu Gly Ser Asp Gly Glu Lys Asn Gl
    n Cys Val Thr Gly Glu Gly Thr Pro Lys Pro Gln Ser
    His Asn Asp Gly Asp Phe Glu Glu Ile Pro Glu Glu Ty
    r Leu Gln で示されるデスルファトヒルジン又はその塩の製造方法
    であって、前記デスルファトヒルジンをコードするDNA
    に直接連結された発現制御配列を含む発現プラスミドに
    より形質転換された細菌宿主又は酵母宿主を、資化性炭
    素源及び窒素源を含む液体栄養培地中で培養し、そして
    該デスルファトヒルジンを単離し、そして所望により、
    得られた塩を遊離化合物に転換し又は遊離化合物を塩に
    転換する、ことを含んで成る方法。
  2. 【請求項2】前記形質転換された宿主が大腸菌(Escher
    ichia coli)、サッカロミセス・セレビシエ(Sacchar
    omyces cerevisiae)又はバシルス・ズブチリス(Baci
    llus subtilis)の株である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記形質転換された宿主が大腸菌の株であ
    る、請求項2に記載の方法。
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