JPH07203931A - 含水食品の脱水方法 - Google Patents
含水食品の脱水方法Info
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- JPH07203931A JPH07203931A JP628794A JP628794A JPH07203931A JP H07203931 A JPH07203931 A JP H07203931A JP 628794 A JP628794 A JP 628794A JP 628794 A JP628794 A JP 628794A JP H07203931 A JPH07203931 A JP H07203931A
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- Pending
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- Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)
- Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 極めて簡単に低コストで効率よく脱水するこ
とができる含水食品の脱水方法。 【構成】 予め袋状または筒状に形成した透水性セロハ
ン紙1の内部に含水食品2を入れ、該セロハン紙の開口
部3を折り返すか、紐、輪ゴムなどで閉じ、該セロハン
紙の外表面に粉状または粒状の食用糖類からなる脱水材
4を散布、塗布などにより直接接触させてなる。
とができる含水食品の脱水方法。 【構成】 予め袋状または筒状に形成した透水性セロハ
ン紙1の内部に含水食品2を入れ、該セロハン紙の開口
部3を折り返すか、紐、輪ゴムなどで閉じ、該セロハン
紙の外表面に粉状または粒状の食用糖類からなる脱水材
4を散布、塗布などにより直接接触させてなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含水食品、特に魚、肉、
貝類、野菜などの生鮮食品に含まれている水分、特に遊
離水を浸透圧を利用して除去する脱水方法に関するもの
である。
貝類、野菜などの生鮮食品に含まれている水分、特に遊
離水を浸透圧を利用して除去する脱水方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】上記の方法としては半透膜と食塩を主た
る脱水材として使用した脱水方法が、例えば特開昭56
−124369、特開平3−58740、特開平4−5
1881等で公知となっている。しかしながら、これら
公知の方法では脱水中に多量の食塩が半透膜を透過して
食品側に移行するため、脱水された食品が塩分の濃い食
品となってしまうと言った問題がある。
る脱水材として使用した脱水方法が、例えば特開昭56
−124369、特開平3−58740、特開平4−5
1881等で公知となっている。しかしながら、これら
公知の方法では脱水中に多量の食塩が半透膜を透過して
食品側に移行するため、脱水された食品が塩分の濃い食
品となってしまうと言った問題がある。
【0003】また簡便な方法として、セロハン紙で魚を
包被し、その外側全体を食塩/灰、食塩/砂等の粉状の
脱水材に接触させて魚を乾燥する文化干しと言う方法が
古くから行われている。この文化干しは上記の問題以外
に、多量の脱水材を用いるためコスト高となるだけでな
く、吸水しても脱水材はほとんど溶解することなく粉状
の状態を維持するので接触効率が低く、そのため吸水効
率も低いものとなっている。
包被し、その外側全体を食塩/灰、食塩/砂等の粉状の
脱水材に接触させて魚を乾燥する文化干しと言う方法が
古くから行われている。この文化干しは上記の問題以外
に、多量の脱水材を用いるためコスト高となるだけでな
く、吸水しても脱水材はほとんど溶解することなく粉状
の状態を維持するので接触効率が低く、そのため吸水効
率も低いものとなっている。
【0004】脱水材として食塩以外の浸透圧の高い物質
を半透膜と組み合わせて使用した例として、半透膜と蔗
糖/高分子吸水材を組み合わせたもの(特公昭58−5
8124)、半透膜と食用糖類/親水性アルコール/高
分子吸水材を組み合わせたもの(特公平1−2281
6)、半透膜と食用糖類/水溶性糊料を組み合わせたも
の(特公平4−33491)などがある。しかしなが
ら、これらはいずれも半透膜の間に浸透圧の高い液体を
密封した構造のものを使用するため、コスト高となる。
を半透膜と組み合わせて使用した例として、半透膜と蔗
糖/高分子吸水材を組み合わせたもの(特公昭58−5
8124)、半透膜と食用糖類/親水性アルコール/高
分子吸水材を組み合わせたもの(特公平1−2281
6)、半透膜と食用糖類/水溶性糊料を組み合わせたも
の(特公平4−33491)などがある。しかしなが
ら、これらはいずれも半透膜の間に浸透圧の高い液体を
密封した構造のものを使用するため、コスト高となる。
【0005】また、粉状または粒状の食用糖類をセロハ
ン紙のような半透膜と吸水性多孔シートとの間に挾持積
層してなるドリップ吸収用シートを含水食品に被覆して
食品中の遊離水を脱水吸収する方法も特開平4ー714
43で提案されている。
ン紙のような半透膜と吸水性多孔シートとの間に挾持積
層してなるドリップ吸収用シートを含水食品に被覆して
食品中の遊離水を脱水吸収する方法も特開平4ー714
43で提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法で使用されるシートは3層構造となるため比較的肉厚
で、食品の表面に密着して配設することが困難で、しか
もコスト高なものとなる。
法で使用されるシートは3層構造となるため比較的肉厚
で、食品の表面に密着して配設することが困難で、しか
もコスト高なものとなる。
【0007】本発明は上記のような問題点を解決するも
ので、その目的は極めて簡単に低コストで効率よく脱水
することができる含水食品の脱水方法を提供するにあ
る。
ので、その目的は極めて簡単に低コストで効率よく脱水
することができる含水食品の脱水方法を提供するにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明に係る含水食品の脱水方法では、予め袋状また
は筒状に形成した透水性セロハン紙の内部に含水食品を
入れ、該セロハン紙の開口部を折り返すか、紐、輪ゴム
などで閉じ、該セロハン紙の外表面に粉状または粒状の
食用糖類からなる脱水材を散布、塗布などにより直接接
触させてなるのである。
め本発明に係る含水食品の脱水方法では、予め袋状また
は筒状に形成した透水性セロハン紙の内部に含水食品を
入れ、該セロハン紙の開口部を折り返すか、紐、輪ゴム
などで閉じ、該セロハン紙の外表面に粉状または粒状の
食用糖類からなる脱水材を散布、塗布などにより直接接
触させてなるのである。
【0009】また、本発明の他の方法ではセロハン紙を
二つ折りにしてその間に含水食品を挾持し、折り曲げた
該セロハン紙の三方開口辺部を折り曲げなどによって閉
じ、該セロハン紙の外表面に粉状または粒状の食用糖類
からなる脱水材を散布、塗布などにより直接接触させて
なるのである。
二つ折りにしてその間に含水食品を挾持し、折り曲げた
該セロハン紙の三方開口辺部を折り曲げなどによって閉
じ、該セロハン紙の外表面に粉状または粒状の食用糖類
からなる脱水材を散布、塗布などにより直接接触させて
なるのである。
【0010】
【作用】含水食品中の水分が透水性セロハン紙を透過し
て外部に浸出して粉状または粒状の食用糖類からなる脱
水材を溶解しても、この脱水材はセロハン紙の開口部か
らその内部に入ることはなく、一方溶解された脱水材は
セロハン紙に沿って流動可能となるため、当初は粉状ま
たは粒状の食用糖類が存在していなかった含水食品の表
面にも溶解された食用糖類が存在することになり、その
部分から更に含水食品中の水分が脱水されることとな
る。
て外部に浸出して粉状または粒状の食用糖類からなる脱
水材を溶解しても、この脱水材はセロハン紙の開口部か
らその内部に入ることはなく、一方溶解された脱水材は
セロハン紙に沿って流動可能となるため、当初は粉状ま
たは粒状の食用糖類が存在していなかった含水食品の表
面にも溶解された食用糖類が存在することになり、その
部分から更に含水食品中の水分が脱水されることとな
る。
【0011】
【実施例】本発明に係る含水食品の脱水方法では透水性
セロハン紙と脱水材とを用い、このセロハン紙の外表面
に脱水材として粉状または粒状の食用糖類を散布、塗布
などにより直接接触させてなるのである。
セロハン紙と脱水材とを用い、このセロハン紙の外表面
に脱水材として粉状または粒状の食用糖類を散布、塗布
などにより直接接触させてなるのである。
【0012】透水性セロハン紙で含水食品を包被するた
め、セロハン紙を予め横長の袋状または筒状に形成す
る。この袋状または筒状の形成のためには紙加工の切
断、接着技術及び設備をそのまま利用することができ、
接着剤をセロハン紙にパートコートし、フィルムを重ね
合わせて加圧接着する。接着剤としては、段ボール工業
において使用されているコーンスターチ(澱粉系)、ポ
バール系、酢酸ビニル系、またはポリウレタン系の接着
剤などが好適である。
め、セロハン紙を予め横長の袋状または筒状に形成す
る。この袋状または筒状の形成のためには紙加工の切
断、接着技術及び設備をそのまま利用することができ、
接着剤をセロハン紙にパートコートし、フィルムを重ね
合わせて加圧接着する。接着剤としては、段ボール工業
において使用されているコーンスターチ(澱粉系)、ポ
バール系、酢酸ビニル系、またはポリウレタン系の接着
剤などが好適である。
【0013】図1には透水性セロハン紙1を袋状に形成
した例を示し、図2には透水性セロハン紙1を筒状に形
成した例を示している。そしてこれらの内部に生鮮食
品、例えば魚2を入れ、その開口部3を閉じている。こ
の開口部は密閉する必要はなく、要は、後述する脱水材
4が吸水・溶解して液状になったときに、その液が開口
部から内部に入らないようにされておればよい。従っ
て、上記開口部を折り畳むだけでも良いし、折り畳んだ
後にクリップ等の挾持具を用いても良いし、または紐、
輪ゴム等で縛るだけでも良い。
した例を示し、図2には透水性セロハン紙1を筒状に形
成した例を示している。そしてこれらの内部に生鮮食
品、例えば魚2を入れ、その開口部3を閉じている。こ
の開口部は密閉する必要はなく、要は、後述する脱水材
4が吸水・溶解して液状になったときに、その液が開口
部から内部に入らないようにされておればよい。従っ
て、上記開口部を折り畳むだけでも良いし、折り畳んだ
後にクリップ等の挾持具を用いても良いし、または紐、
輪ゴム等で縛るだけでも良い。
【0014】図3には本発明の他の例として透水性セロ
ハン紙1を二つ折りにしてその間に含水食品2を挾持
し、折り曲げたセロハン紙の三方開口辺部3を折り曲げ
て脱水材4が内部に入らないようにしている。
ハン紙1を二つ折りにしてその間に含水食品2を挾持
し、折り曲げたセロハン紙の三方開口辺部3を折り曲げ
て脱水材4が内部に入らないようにしている。
【0015】透水性セロハン紙としては秤量30g/m
2 (PT−300)から50g/m2 (PT−500)
のものが簡単に入手できて好適である。
2 (PT−300)から50g/m2 (PT−500)
のものが簡単に入手できて好適である。
【0016】脱水材に用いる粉粒状の食用糖類として
は、蔗糖、粉飴(麦芽糖)、果糖、ブドウ糖などを単独
または混合して使用できる。また、脱水材としては食用
糖類のみを使用する場合の他、粉粒状の吸水性無機塩類
を混合して用いることができる。この無機塩類として
は、食塩の他に食品添加物として使用されている塩化マ
グネシウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭
酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム等が
使用できる。この場合、Na+ 、Cl+ ,NH4 +、K
+ 等の一価イオンはセロハン紙を透過する性質があるの
で、塩類の混合比は全体の50%以下に抑える必要があ
る。塩類の混合比がこれ以上となると、食品中における
塩分の量が多くなり、食品が塩辛いものとなってしま
う。一方、糖類は吸水力(浸透圧)はそれほど高くない
が、セロハン紙をほとんど透過しないので、濃度を上げ
ても問題はない。使用する目的に応じて、セロハン紙の
厚み(脱水速度と脱水材の移行の割合を支配する)、糖
と塩の混合比、食品に対する脱水材の使用量を適宜組み
合わせる。
は、蔗糖、粉飴(麦芽糖)、果糖、ブドウ糖などを単独
または混合して使用できる。また、脱水材としては食用
糖類のみを使用する場合の他、粉粒状の吸水性無機塩類
を混合して用いることができる。この無機塩類として
は、食塩の他に食品添加物として使用されている塩化マ
グネシウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭
酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム等が
使用できる。この場合、Na+ 、Cl+ ,NH4 +、K
+ 等の一価イオンはセロハン紙を透過する性質があるの
で、塩類の混合比は全体の50%以下に抑える必要があ
る。塩類の混合比がこれ以上となると、食品中における
塩分の量が多くなり、食品が塩辛いものとなってしま
う。一方、糖類は吸水力(浸透圧)はそれほど高くない
が、セロハン紙をほとんど透過しないので、濃度を上げ
ても問題はない。使用する目的に応じて、セロハン紙の
厚み(脱水速度と脱水材の移行の割合を支配する)、糖
と塩の混合比、食品に対する脱水材の使用量を適宜組み
合わせる。
【0017】脱水材として、どこでも入手できる蔗糖
(砂糖)と食塩の浸透圧(吸水力)の関係を図4に示
す。図4より明らかなように、砂糖の浸透圧は20%水
溶液で0℃の時20kg/cm2 であり、通常の生鮮食
品の浸透圧が10kg/cm2 以下であることを考慮す
ると、食品中の水分の10%を除去すると仮定すれば、
1kgの食品に対して、1kg×0.1×0.2=20
g(2%)の砂糖で十分吸水できる。
(砂糖)と食塩の浸透圧(吸水力)の関係を図4に示
す。図4より明らかなように、砂糖の浸透圧は20%水
溶液で0℃の時20kg/cm2 であり、通常の生鮮食
品の浸透圧が10kg/cm2 以下であることを考慮す
ると、食品中の水分の10%を除去すると仮定すれば、
1kgの食品に対して、1kg×0.1×0.2=20
g(2%)の砂糖で十分吸水できる。
【0018】本発明の方法では食品を入れたセロハン紙
と食品とを軽く密着させた後、セロハン紙の開口部を折
り曲げ等によって閉じ、セロハン紙の上に脱水材(糖、
または糖と塩を均一に混合したもの)を均一に散布、塗
布などにより直接接触させる。この際、脱水材の量はセ
ロハンを透過して脱水された水によって完全に溶解され
るかまたは一部固体として残る程度とすることが好まし
く、食品の重量に対して2〜40%の範囲がよい。2%
未満では均一に散布することが難しく、40%以上では
その吸水力を十分使いきることができず不経済である。
と食品とを軽く密着させた後、セロハン紙の開口部を折
り曲げ等によって閉じ、セロハン紙の上に脱水材(糖、
または糖と塩を均一に混合したもの)を均一に散布、塗
布などにより直接接触させる。この際、脱水材の量はセ
ロハンを透過して脱水された水によって完全に溶解され
るかまたは一部固体として残る程度とすることが好まし
く、食品の重量に対して2〜40%の範囲がよい。2%
未満では均一に散布することが難しく、40%以上では
その吸水力を十分使いきることができず不経済である。
【0019】脱水の機構としては、セロハン紙1を通し
て脱水材が浸透圧の差による力で、食品中の余分な水分
を吸収し、脱水材が溶解するとともにセロハン紙の表面
に沿って流動し、余分な脱水材の溶液は下に流れ落ち、
食品の下部からも食品中の余分な水分を吸収し、食品全
体から均一に脱水することができる。
て脱水材が浸透圧の差による力で、食品中の余分な水分
を吸収し、脱水材が溶解するとともにセロハン紙の表面
に沿って流動し、余分な脱水材の溶液は下に流れ落ち、
食品の下部からも食品中の余分な水分を吸収し、食品全
体から均一に脱水することができる。
【0020】脱水が進行している間はセロハン紙と食品
が密着して剥がれない場合があるが、この場合にはセロ
ハン紙に付着している脱水材を流水で洗い流し、2〜3
分放置すれば簡単に剥がすことができる。
が密着して剥がれない場合があるが、この場合にはセロ
ハン紙に付着している脱水材を流水で洗い流し、2〜3
分放置すれば簡単に剥がすことができる。
【0021】使用後のセロハン紙は洗浄して乾燥すれば
再使用でき、廃棄しても簡単に微生物で分解するので、
環境汚染の心配はない。また、糖や塩の水溶液は下水に
流しても問題がなく、場合によっては回収して調味料と
して使用することも可能である。
再使用でき、廃棄しても簡単に微生物で分解するので、
環境汚染の心配はない。また、糖や塩の水溶液は下水に
流しても問題がなく、場合によっては回収して調味料と
して使用することも可能である。
【0022】実施例1 鮮魚の鰯5匹を手開きし(350g)、洗浄後セロハン
紙(PT−300)の袋に身を上にして入れ、240×
180mmのバット上に置き、袋の開口部を上に折り返
した。その上から砂糖100gを振りかけ、5℃の冷蔵
庫に14時間保管した。脱水後の鰯の重量は290g
(17%減少)であり、セロハン紙に身が付着したが、
セロハン紙の外側を流水で洗って簡単に取り出すことが
できた。味覚は砂糖の甘味もなく、鰯特有の臭みもなく
美味であった。脱水材は固形分が残っており、余力を残
していた。
紙(PT−300)の袋に身を上にして入れ、240×
180mmのバット上に置き、袋の開口部を上に折り返
した。その上から砂糖100gを振りかけ、5℃の冷蔵
庫に14時間保管した。脱水後の鰯の重量は290g
(17%減少)であり、セロハン紙に身が付着したが、
セロハン紙の外側を流水で洗って簡単に取り出すことが
できた。味覚は砂糖の甘味もなく、鰯特有の臭みもなく
美味であった。脱水材は固形分が残っており、余力を残
していた。
【0023】実施例2 半解凍マグロサク(262g)をセロハン紙(PT−5
00)製筒(幅125×長さ250mm)に入れ、手で
空気を押し出し、筒の開口部を輪ゴムで閉じ、トレイ内
に横にしておき、筒の上部に砂糖26gを均一に振りか
け、冷蔵庫に24時間保管した。結果は次の通りであっ
た。 重量減少 23g(8.8%) 色 鮮紅色で上側の表面が濃くなっている。 切り口 表面は硬め、内部はねっとりとしている。 味 生臭みと水っぽさがなく美味。 尚、振りかけた砂糖はほとんど溶解して、一部はトレイ
の底部に流れ落ちていたが、未だ十分吸水力が残ってい
る状態であった。
00)製筒(幅125×長さ250mm)に入れ、手で
空気を押し出し、筒の開口部を輪ゴムで閉じ、トレイ内
に横にしておき、筒の上部に砂糖26gを均一に振りか
け、冷蔵庫に24時間保管した。結果は次の通りであっ
た。 重量減少 23g(8.8%) 色 鮮紅色で上側の表面が濃くなっている。 切り口 表面は硬め、内部はねっとりとしている。 味 生臭みと水っぽさがなく美味。 尚、振りかけた砂糖はほとんど溶解して、一部はトレイ
の底部に流れ落ちていたが、未だ十分吸水力が残ってい
る状態であった。
【0024】実施例3 冷凍のホタテ貝柱(通称「玉冷」)237gをセロハン
紙(PT−500)製筒(125×250mm)に入
れ、手で空気を押し出し、筒の開口部を輪ゴムで止めた
(ただし、凍っているため密着が悪く、中に空気が可成
り残る)。袋の上から砂糖を54g均一になるように振
りかけ、冷蔵庫に24時間放置した。結果は次の通りで
あった。 重量減少 37g(13.6%) 色 透明感有り。 形状 可成り収縮した状態で、上部が多少硬くな
っているが、全体がしっかりしている。 味 水っぽさがなく美味。 尚、振りかけた砂糖は全体の1/3程度が固形状で残
り、未だ十分な吸水能力を持っていた。
紙(PT−500)製筒(125×250mm)に入
れ、手で空気を押し出し、筒の開口部を輪ゴムで止めた
(ただし、凍っているため密着が悪く、中に空気が可成
り残る)。袋の上から砂糖を54g均一になるように振
りかけ、冷蔵庫に24時間放置した。結果は次の通りで
あった。 重量減少 37g(13.6%) 色 透明感有り。 形状 可成り収縮した状態で、上部が多少硬くな
っているが、全体がしっかりしている。 味 水っぽさがなく美味。 尚、振りかけた砂糖は全体の1/3程度が固形状で残
り、未だ十分な吸水能力を持っていた。
【0025】実施例4 キュウリの皮半分を剥き、3〜5mm厚みに輪切りに
し、410gをセロハン紙(PT−300)の袋に入
れ、袋の開口部を上に折り曲げ、これを200×270
mmのトレイに入れた。セロハン紙の袋の上に砂糖50
gと食塩50gの混合物を均一に振りかけ、室温(15
〜20℃)で20時間放置した。脱水後の重量は260
g(36%減少)であり、塩分濃度6.5%と塩味が強
いが、美味であった。尚、キュウリ特有の香りは可成り
減少していた。脱水材は完全に透明な溶液状となってい
たが、未だ脱水力は残っていた。
し、410gをセロハン紙(PT−300)の袋に入
れ、袋の開口部を上に折り曲げ、これを200×270
mmのトレイに入れた。セロハン紙の袋の上に砂糖50
gと食塩50gの混合物を均一に振りかけ、室温(15
〜20℃)で20時間放置した。脱水後の重量は260
g(36%減少)であり、塩分濃度6.5%と塩味が強
いが、美味であった。尚、キュウリ特有の香りは可成り
減少していた。脱水材は完全に透明な溶液状となってい
たが、未だ脱水力は残っていた。
【0026】実施例5 大根の皮を剥き、2mm角×50mmに細断した160
gを2つ折りしたセロハン紙(PT−300)の間に挟
んで125×175mmのトレイの底に載せ、セロハン
紙の3方の開口部を上方に折り返した。軽く手で内部の
空気を抜いてセロハン紙の上に粉飴(参松工業株式会社
製SLD−25)27gと食塩5gの混合物を均一に散
布した。これを冷蔵庫において5℃で12時間保管し
た。その結果は次の通りである。 重量 110g(脱水率31.3%) 形状 浅漬け状態 味 甘味と塩味が適度にあり、良好。 尚、脱水材は完全に溶解状態となっていた。 実施例6 ステーキ用牛肉210g(約50×100×20mm)
を2つ折りした透水性セロハン(PT−300)の間に
挟み3方を上方に折り返した後、トレイの底に脱水材5
g(食塩40%と砂糖60%)を散布した上にセロハン
紙に挾んだ肉を載せ、更にセロハン紙の上から5gの脱
水材を振りかけ、冷蔵庫内で6時間放置した。結果は次
の通りであった。 重量 203g(脱水率3.3%) 色 鮮紅色 焼き上り 表面に焼きむらなく均一 味 美味 尚、脱水材は上部、底部とも完全に溶解していた。
gを2つ折りしたセロハン紙(PT−300)の間に挟
んで125×175mmのトレイの底に載せ、セロハン
紙の3方の開口部を上方に折り返した。軽く手で内部の
空気を抜いてセロハン紙の上に粉飴(参松工業株式会社
製SLD−25)27gと食塩5gの混合物を均一に散
布した。これを冷蔵庫において5℃で12時間保管し
た。その結果は次の通りである。 重量 110g(脱水率31.3%) 形状 浅漬け状態 味 甘味と塩味が適度にあり、良好。 尚、脱水材は完全に溶解状態となっていた。 実施例6 ステーキ用牛肉210g(約50×100×20mm)
を2つ折りした透水性セロハン(PT−300)の間に
挟み3方を上方に折り返した後、トレイの底に脱水材5
g(食塩40%と砂糖60%)を散布した上にセロハン
紙に挾んだ肉を載せ、更にセロハン紙の上から5gの脱
水材を振りかけ、冷蔵庫内で6時間放置した。結果は次
の通りであった。 重量 203g(脱水率3.3%) 色 鮮紅色 焼き上り 表面に焼きむらなく均一 味 美味 尚、脱水材は上部、底部とも完全に溶解していた。
【0027】実施例7 新鮮な豚のもも肉(長さ約100mm、径約80mm)
513gをセロハン紙(PT−500)の筒に入れ、内
部の空気を手で押し出した後、両端を紐で緊縛した。ト
レイの中に脱水材(砂糖90%、食塩10%、黒コショ
ウ粉少々)を100g入れ、その上に上記のセロハン紙
包みの豚肉を置き、その上から上記脱水材50gを振り
かけ、冷蔵庫内(5℃)で14日間放置した。結果は次
の通りである。 重量 403g(脱水率21.4%) 肉食(断面) 薄いピンク 食塩濃度 1.3% 水分活性 0.942 味覚 薄い塩味の生ハム、良好。 尚、脱水材の一部は固形状であり、まだ十分な吸水力を
有していた。
513gをセロハン紙(PT−500)の筒に入れ、内
部の空気を手で押し出した後、両端を紐で緊縛した。ト
レイの中に脱水材(砂糖90%、食塩10%、黒コショ
ウ粉少々)を100g入れ、その上に上記のセロハン紙
包みの豚肉を置き、その上から上記脱水材50gを振り
かけ、冷蔵庫内(5℃)で14日間放置した。結果は次
の通りである。 重量 403g(脱水率21.4%) 肉食(断面) 薄いピンク 食塩濃度 1.3% 水分活性 0.942 味覚 薄い塩味の生ハム、良好。 尚、脱水材の一部は固形状であり、まだ十分な吸水力を
有していた。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明の方法では、以下の
種々の効果を奏することができる。 セロハン紙と砂糖、食塩などの脱水材を用いるだけで
良いため極めて安価に実施できる。 予め袋状または筒状に形成された透水性セロハン紙を
用いることにより極めて容易に実施することができる。 セロハン紙の開口部は折り返すか、紐、輪ゴムなどを
用いて閉じるだけで内部に脱水材が入らないようにする
ことができるため、その使用が極めて簡単である。 脱水材を散布、塗布などによりセロハン外表面に直接
接触させるようにしたため、内部の食品から浸出した水
分によって脱水材が溶解すると、その脱水材がセロハン
紙の表面に沿って流動し、当初脱水材が存在しなかった
セロハン紙の外表面からも食品の水分を脱水することが
できる。 脱水材は食用糖類を主成分とするため、内部の食品の
味覚を大きく変えることはない。 セロハン紙は使用後に紙と同様に焼却することができ
無公害である。 脱水材は粉状または粒状であるからセロハン紙の開口
部を液密に閉じる必要がない。 セロハン紙は薄い紙であるため内部の食品との密着性
がよく、脱水効率を上げることができる。
種々の効果を奏することができる。 セロハン紙と砂糖、食塩などの脱水材を用いるだけで
良いため極めて安価に実施できる。 予め袋状または筒状に形成された透水性セロハン紙を
用いることにより極めて容易に実施することができる。 セロハン紙の開口部は折り返すか、紐、輪ゴムなどを
用いて閉じるだけで内部に脱水材が入らないようにする
ことができるため、その使用が極めて簡単である。 脱水材を散布、塗布などによりセロハン外表面に直接
接触させるようにしたため、内部の食品から浸出した水
分によって脱水材が溶解すると、その脱水材がセロハン
紙の表面に沿って流動し、当初脱水材が存在しなかった
セロハン紙の外表面からも食品の水分を脱水することが
できる。 脱水材は食用糖類を主成分とするため、内部の食品の
味覚を大きく変えることはない。 セロハン紙は使用後に紙と同様に焼却することができ
無公害である。 脱水材は粉状または粒状であるからセロハン紙の開口
部を液密に閉じる必要がない。 セロハン紙は薄い紙であるため内部の食品との密着性
がよく、脱水効率を上げることができる。
【図1】本願発明の袋状中空体を用いて食品を脱水する
方法を示す説明図である。
方法を示す説明図である。
【図2】本願発明の筒状中空体を用いて食品を脱水する
方法を示す説明図である。
方法を示す説明図である。
【図3】本願発明のセロハン紙を二つ折りにしてその間
に含水食品を挾持することによって食品を脱水する方法
を示す説明図である。
に含水食品を挾持することによって食品を脱水する方法
を示す説明図である。
【図4】蔗糖と食塩の浸透圧の関係を示すグラフであ
る。
る。
【符号の説明】 1 透水性セロハン紙 2 食品 3 開口部 4 脱水材
Claims (4)
- 【請求項1】 予め袋状または筒状に形成した透水性セ
ロハン紙の内部に含水食品を入れ、該セロハン紙の開口
部を折り返すか、紐、輪ゴムなどで閉じ、該セロハン紙
の外表面に粉状または粒状の食用糖類からなる脱水材を
散布、塗布などにより直接接触させてなることを特徴と
する含水食品の脱水方法。 - 【請求項2】 セロハン紙を二つ折りにしてその間に含
水食品を挾持し、折り曲げた該セロハン紙の三方開口辺
部を折り曲げなどによって閉じ、該セロハン紙の外表面
に粉状または粒状の食用糖類からなる脱水材を散布、塗
布などにより直接接触させてなることを特徴とする含水
食品の脱水方法。 - 【請求項3】 前記脱水材が前記食用糖類以外に粉粒状
吸水性無機塩類を含む混合物であり、その糖類/塩類の
比が100/0から50/50であることを特徴とする
請求項1または2に記載の含水食品の脱水方法。 - 【請求項4】 前記脱水材の使用量が食品に対して重量
比で2%〜40%であることを特徴とする請求項1乃至
3の何れか1項に記載の含水食品の脱水方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP628794A JPH07203931A (ja) | 1994-01-25 | 1994-01-25 | 含水食品の脱水方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP628794A JPH07203931A (ja) | 1994-01-25 | 1994-01-25 | 含水食品の脱水方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07203931A true JPH07203931A (ja) | 1995-08-08 |
Family
ID=11634182
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP628794A Pending JPH07203931A (ja) | 1994-01-25 | 1994-01-25 | 含水食品の脱水方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07203931A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007029011A (ja) * | 2005-07-27 | 2007-02-08 | Nippon Shokuhin Kk | 魚介類生ハム様食品の製造方法 |
JP2016158574A (ja) * | 2015-03-02 | 2016-09-05 | 合同会社マルカネ | 加工食品製造方法、加工食品および材料の調味処理体 |
-
1994
- 1994-01-25 JP JP628794A patent/JPH07203931A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007029011A (ja) * | 2005-07-27 | 2007-02-08 | Nippon Shokuhin Kk | 魚介類生ハム様食品の製造方法 |
JP2016158574A (ja) * | 2015-03-02 | 2016-09-05 | 合同会社マルカネ | 加工食品製造方法、加工食品および材料の調味処理体 |
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