JPH0720082U - 永久磁石可動形リニア直流モータ - Google Patents

永久磁石可動形リニア直流モータ

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JPH0720082U
JPH0720082U JP5439193U JP5439193U JPH0720082U JP H0720082 U JPH0720082 U JP H0720082U JP 5439193 U JP5439193 U JP 5439193U JP 5439193 U JP5439193 U JP 5439193U JP H0720082 U JPH0720082 U JP H0720082U
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yoke
winding
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magnetic pole
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優一 森木
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優一 森木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定子の一部に平板状永久磁石を装着するこ
とで、長ストローク化、大推力化および推力のリニアリ
ティーの向上を容易に実現したのもであり、小型化、軽
量化および低価格化を可能とする。 【構成】 平板状を成す第1の永久磁石6aのN極の極
性を有する磁極面を一つの平面に固着し、周囲に第1の
巻線5aを装着した平板状を成す第1のヨーク4aと、
平板状を成す第2のヨーク4bと、第1のヨーク4aお
よび第2のヨーク4bを所定の間隔を隔て対向させ、第
1のヨーク4aおよび第2のヨーク4bの両端部を磁気
的かつ機械的に接続する第3のヨーク10aおよび第3
のヨーク10bとにより構成される固定子と、第1の巻
線5aと第2のヨーク4bとのそれぞれの対向面が形成
する空間13内に、N極の極性を有する磁極面が第1の
巻線5aの一部を介して第1の永久磁石6aの磁極面に
対向し、S極の極性を有する磁極面が第2のヨーク4b
に対向するように配設される平板状を成す第3の永久磁
石6cにより構成される可動子とにより構成される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ハンドリング装置、キャッチング装置、検査装置(各種コンタクト プローブ類)、光学装置(各種ミラー類、各種レンズ類)、検出装置(各種セン サ類)、記録装置(各種ペン類)、記憶装置(各種磁気ヘッド類)および各種ス キャニング装置等の全体あるいは一部の比較的長ストロークの駆動の用に供され る永久磁石可動形リニア直流モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、永久磁石可動形リニア直流モータは、他の形式のリニア直流モータに対 して、長ストロークを目的として使用され、得に可動コイル形リニア直流モータ に対しては、給電線の接続や引回し等の問題が不要となる利点を有するものであ る。
【0003】 従来の永久磁石可動形リニア直流モータを、図1および図2に示す一例に基づ いて説明する。
【0004】 図1は、従来の永久磁石可動形リニア直流モータの構造説明を目的とした断面 図である。永久磁石可動形リニア直流モータは、第1のヨーク4a、第1の巻線 5a、第2のヨーク4b、第2の巻線5b、第3のヨーク10aおよび第3のヨ ーク10bより成る固定子2と、永久磁石6より成る可動子3とを主に構成され る。周囲に第1の巻線5aを装着した平板状を成す第1のヨーク4aと周囲に第 2の巻線5bを装着した平板状を成す第2のヨーク4bとを、所定の間隔を隔て 対向させ、それぞれの対向面が形成する空間13内を図に示す方向に均一に着磁 された平行六面体を成す永久磁石6が、所定の間隙14をもって矢印A方向ある いは矢印B方向に移動し得る構造に構成され、第1のヨーク4aおよび第2のヨ ーク4bの両端部は、第3のヨーク10aおよび第3のヨーク10bによりそれ ぞれ磁気的かつ機械的に固着される。
【0005】 固定子2と可動子3との間には、永久磁石6の一方の磁極面より第1の巻線5 a、第1のヨーク4a、第3のヨーク10a、第2のヨーク4b、第2の巻線5 bおよび永久磁石6の他方の磁極面へと磁束Φaが矢印の方向に流れ一つの閉磁 路が形成され、更に、永久磁石6の一方の磁極面より第1の巻線5a、第1のヨ ーク4a、第3のヨーク10b、第2のヨーク4b、第2の巻線5bおよび永久 磁石6の他方の磁極面へと磁束Φbが矢印の方向に流れ一つの閉磁路が形成され る。
【0006】 図2は、図1に示す従来の永久磁石可動形リニア直流モータの磁気回路の構成 説明を目的としたC−C’断面図であり、固定子2と可動子3との間には、永久 磁石6の一方の磁極面より第1の巻線5a、第1のヨーク4a、空間13内に位 置しない第1の巻線5aの一部、空間13内に位置しない第2の巻線5bの一部 、第2のヨーク4b、第2の巻線5bおよび永久磁石6の他方の磁極面へと磁束 Φcが矢印の方向に流れ一つの閉磁路を形成し、更に、永久磁石6の一方の磁極 面より第1の巻線5a、第1のヨーク4a、空間13内に位置しない第1の巻線 5aの一部、空間13内に位置しない第2の巻線5bの一部、第2のヨーク4b 、第2の巻線5bおよび永久磁石6の他方の磁極面へと磁束Φdが矢印の方向に 流れ一つの閉磁路を形成する。
【0007】 第1の巻線5aおよび第2の巻線5bに、図示の方向に所定の大きさを有する 電流を流すとBil則に従い可動子3は、矢印A方向に移動し、第1の巻線5a および第2の巻線5bにそれぞれ前記電流と異なる方向に所定の大きさを有する 電流を流すと可動子3は、矢印B方向に移動する。
【0008】 一般に、図1および図2に示す構造を有する従来の永久磁石可動形リニア直流 モータにあっては、長ストローク化と、大きな負荷の高速度運転および等速度運 転を目的とした大推力化とが要求されている。
【0009】 しかし、図1および図2に示す構造を有する従来の永久磁石可動形リニア直流 モータにおいて、図1および図2に示すように磁束Φa、磁束Φb、磁束Φcお よび磁束Φdの一部は、空間13内に位置する第1の巻線5aあるいは空間13 内に位置する第2の巻線5bを鎖交せずに閉磁路を形成し、磁束Φa、磁束Φb 、磁束Φcおよび磁束Φdの他の一部は、第1の巻線5aあるいは第2の巻線5 bに一度鎖交し、可動子3に逆方向の推力を与える方向に再度鎖交するため、大 きな推力を得ることが困難である。
【0010】 図1および図2に示す従来の永久磁石可動形リニア直流モータの推力を増加さ せる手段としては、次の方法がある。 (1)第1の巻線5aおよび第2の巻線5bに鎖交する磁束Φa、磁束Φb、 磁束Φcおよび磁束Φdを大きくする方法。 (2)第1のヨーク4aと永久磁石6との間の空隙の磁束密度および第2のヨ ーク4bと永久磁石6との間の空隙の磁束密度を大きくする方法。 (3)第1の巻線5aおよび第2の巻線5bの巻数を増加させる方法。 (4)第1の巻線5aおよび第2の巻線5bに流れる電流の値をを大きくする 方法。
【0011】 磁束Φa、磁束Φb、磁束Φcおよび磁束Φdを大きくする方法と、前記空隙 の磁束密度を大きくする方法とは、永久磁石6の体積を大きくすることであり、 可動子3の質量を増加させ、更に、固定子2の質量をも増加させるものである。 永久磁石6の磁極間の長さを長くして、第1のヨーク4aと永久磁石6あるいは 第2のヨーク4bと永久磁石6との間の空隙の長さと、永久磁石6の磁極間の長 さとの比で現されるパーミアンス係数を大きくしても、永久磁石の特性により磁 束密度の大きな増加は期待できない。
【0012】 推力の増加を目的として第1の巻線5aの巻数および第2の巻線5bの巻数を 増加させると、第1のヨーク4aと永久磁石6あるいは第2のヨーク4bと永久 磁石6との間の空隙の長さが長くなり、前記パーミアンス係数が小さくなり磁束 密度が減少し、推力増加のための効果は小さくなる。
【0013】 第1の巻線5aおよび第2の巻線5bの素線の径を細くして巻数を増加させる と、第1の巻線5aおよび第2の巻線5bの電気抵抗値の増加に伴うジュール熱 の発生が増加し、電流値を低下させねば成らず、推力の増加は困難と成る。
【0014】 前記理由から、従来の永久磁石可動形リニア直流モータは、第1の巻線5aお よび第2の巻線5bに流す電流の値を大きくして推力を増加させている。しかし 、電流の増加に伴いない前記ジュール熱が増加し、永久磁石の磁気特性が低下す るため、連続運転に対しての推力の増加は困難と成る。更に、第1の巻線5aお よび第2の巻線5bの周囲に発生する磁束の増加に伴い推力のリニアリティーが 悪くなる。
【0015】
【考案が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、推力を増加させることが困難である点である。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本考案の永久磁石可動形リニア直流モータは、前記問題点を解決するために、 可動子を構成する平板状を成す永久磁石と対向する固定子の一部に、それぞれの 対向面が異なる極性を有する磁極面と成るように、平板状を成す永久磁石を固着 する構造に構成している。
【0017】
【作用】
本考案の永久磁石可動形リニア直流モータにおいて、可動子を構成する平板状 を成す永久磁石に所定の間隔を隔て対向する固定子を構成するヨークの対向面に 平板状をなす永久磁石を固着することにより、図1および図2に示す従来の永久 磁石可動形リニア直流モータの第1の巻線5aおよび第2の巻線5bに鎖交する 磁束Φa、磁束Φb、磁束Φcおよび磁束Φdを大きくし、更に、磁束Φa、磁 束Φb、磁束Φcおよび磁束Φdの漏洩成分を極端に減少させ、従来の永久磁石 可動形リニア直流モータのように電流を増加することなく、推力を増加すること が可能と成る。
【0018】
【実施例】
図3ないし図9に基づいて本考案の永久磁石可動形リニア直流モータの一実施 例を説明する。
【0019】 図3ないし図7は、本考案の永久磁石可動形リニア直流モータの第1の実施例 を示すものである。図3は構造説明を目的とした断面図であり、図4は図3のD −D’断面図である。図5は磁束の構成説明を目的とした断面図であり、図6は 図5のD−D’断面図である。図7は可動子の位置に対する磁束の構成説明を目 的とした断面図である。
【0020】 本考案の永久磁石可動形リニア直流モータは、第1のヨーク4a、第1の永久 磁石6a、第1の巻線5a、第2のヨーク4b、第2の永久磁石6b、第2の巻 線5b、第3のヨーク10aおよび第3のヨーク10bより成る固定子2と、第 3の永久磁石6cより成る可動子3とを主に構成される。
【0021】 固定子2は、平板状を成す第1の永久磁石6aのN極の極性を有する磁極面を 一つの平面に固着し、周囲に第1の巻線5aを装着した平板状を成す第1のヨー ク4aと、平板状を成す第2の永久磁石6bのS極の極性を有する磁極面を一つ の平面に固着し、周囲に第2の巻線5bを装着した平板状を成す第2のヨーク4 bと、第1の永久磁石6aと第2の永久磁石6bとの対向する磁極面が、それぞ れ異なる極性を有するように所定の間隔を隔て対向させ、第1のヨーク4aおよ び第2のヨーク4bの両端部を磁気的かつ機械的に接続する第3のヨーク10a および第3のヨーク10bとにより構成され、可動子3は、第1の巻線5aと第 2の巻線5bとのそれぞれの対向面が形成する空間13内に、N極の極性を有す る磁極面が第1の永久磁石6aの磁極面に対向し、S極の極性を有する磁極面が 第2の永久磁石6bの磁極面に対向するように配設される平板状を成す第3の永 久磁石6cにより構成される。
【0022】 可動子3は、固定子2の形成する空間13内を所定の間隙14をもって 第1 の巻線5aおよび第2の巻線5bに、図示の方向に所定の大きさを有する電流を 流すとBil則に従い矢印A方向に移動し、第1の巻線5aおよび第2の巻線5 bにそれぞれ前記電流と異なる方向に所定の大きさを有する電流を流すと矢印B 方向に移動する。
【0023】 図5に示すように、固定子2には、第2の永久磁石6bの一方の磁極面より第 2の巻線5b、第3の永久磁石6c、第1の巻線5a、第1の永久磁石6a、第 1のヨーク4a、第3のヨーク10a、第2のヨーク4bおよび第2の永久磁石 6bの他方の磁極面へと磁束Φa+Φcaが矢印の方向に流れ一つの閉磁路を形 成し、更に、第2の永久磁石6bの一方の磁極面より第2の巻線5b、第3の永 久磁石6c、第1の巻線5a、第1の永久磁石6a、第1のヨーク4a、第3の ヨーク10b、第2のヨーク4bおよび第2の永久磁石6bの他方の磁極面へと 磁束Φb+Φcbが矢印の方向に流れ一つの閉磁路を形成する。
【0024】 但し、磁束Φaは第1の永久磁石6aおよび第2の永久磁石6bの矢印A方向 の半分より発生される磁束を、磁束Φbは第1の永久磁石6aおよび第2の永久 磁石6bの矢印B方向の半分より発生される磁束を、磁束Φcaは第3の永久磁 石6cの矢印A方向の半分より発生される磁束を、磁束Φcbは第3の永久磁石 6cの矢印B方向の半分より発生される磁束を、磁束Φa+Φcaは磁束Φaに 磁束Φcaが重畳された際の磁束を、磁束Φb+Φcbは磁束Φbに磁束Φcb が重畳された際の磁束をそれぞれ示すものである。
【0025】 図1および図2に示す従来の永久磁石可動形リニア直流モータと同様に、図5 において、第1の永久磁石6aおよび第2の永久磁石6bの磁束Φaおよび磁束 Φbの一部と、第3の永久磁石6cの磁束Φcaおよび磁束Φcbの一部とは、 第1の巻線5aおよび第2の巻線5bに鎖交せず、推力の発生には関与しない漏 洩磁束と成る。
【0026】 更に、図6において、第1の永久磁石6aおよび第2の永久磁石6bの磁束Φ a+Φbの一部と、第3の永久磁石6cの磁束Φca+磁束Φcbの一部とは、 第1の巻線5aおよび第2の巻線5bに鎖交せず、推力の発生には関与しない漏 洩磁束と成る。
【0027】 但し、可動子3を構成する第3の永久磁石6cの磁束Φcaおよび磁束Φcb は、相対する第2の永久磁石6bより第1の永久磁石6bに向かって磁束Φa+ Φcaおよび磁束Φb+Φcbを形成するので、前記漏洩磁束は極めて小さなも のと成る。
【0028】 図7は、可動子のA方向の端部が第1の巻線5aおよび第2の巻線5bのA方 向の端部に位置した際の磁束の構成と、可動子のB方向の端部が第1の巻線5a および第2の巻線5bのB方向の端部に位置した際の磁束の構成とを示すもので ある。
【0029】 第1の巻線5aおよび第2の巻線5bには、磁束Φa+Φca+Φcbあるい は磁束Φb+Φca+Φcbが鎖交し、磁束Φa、磁束Φb、磁束Φcaおよび 磁束Φcbの一部は、第1の巻線5aおよび第2の巻線5bには鎖交せず、漏洩 磁束と成るが前記理由により極めて小さなものと成る
【0030】 図8および図9は、本考案の永久磁石可動形リニア直流モータの第2の実施例 を示すものである。図8は構造説明を目的とした断面図であり、図9は磁束の構 成説明を目的とした断面図である。
【0031】 永久磁石可動形リニア直流モータは、第1のヨーク4a、第1の永久磁石6a 、第1の巻線5a、第2のヨーク4b、第3のヨーク10aおよび第3のヨーク 10bより成る固定子2と、第3の永久磁石6cより成る可動子3とを主に構成 される。
【0032】 固定子2は、平板状を成す第1の永久磁石6aのN極の極性を有する磁極面を 一つの平面に固着し、周囲に第1の巻線5aを装着した平板状を成す第1のヨー ク4aと、平板状を成す第2のヨーク4bと、第1のヨーク4aおよび第2のヨ ーク4bを所定の間隔を隔て対向させ、第1のヨーク4aおよび第2のヨーク4 bの両端部を磁気的かつ機械的に接続する第3のヨーク10aおよび第3のヨー ク10bとにより構成され、可動子3は、第1の巻線5aと第2のヨーク4bと のそれぞれの対向面が形成する空間13内に、N極の極性を有する磁極面が第1 の巻線5aの一部を介して第1の永久磁石6aの磁極面に対向し、S極の極性を 有する磁極面が第2のヨーク4bに対向するように配設される平板状を成す第3 の永久磁石6cにより構成される。
【0033】 可動子3は、固定子2の形成する空間13内を所定の間隙14をもって 第1 の巻線5aに、図示の方向に所定の大きさを有する電流を流すとBil則に従い 矢印A方向に移動し、第1の巻線5aに前記電流と異なる方向に所定の大きさを 有する電流を流すと矢印B方向に移動する。
【0034】 図9に示すように、固定子2には、第1の永久磁石6aの一方の磁極面より第 1のヨーク4a、第3のヨーク10a、第2のヨーク4b、第3の永久磁石6c 、第1の巻線5aおよび第1の永久磁石6aの他方の磁極面へと磁束Φa+Φc aが矢印の方向に流れ一つの閉磁路を形成し、更に、第1の永久磁石6aの一方 の磁極面より第1のヨーク4a、第3のヨーク10b、第2のヨーク4b、第3 の永久磁石6c、第1の巻線5aおよび第1の永久磁石6aの他方の磁極面へと 磁束Φb+Φcbが矢印の方向に流れ一つの閉磁路を形成する。
【0035】 但し、磁束Φaは第1の永久磁石6aの矢印A方向の半分より発生される磁束 を、磁束Φbは第1の永久磁石6aの矢印B方向の半分より発生される磁束を、 磁束Φcaは第3の永久磁石6cの矢印A方向の半分より発生される磁束を、磁 束Φcbは第3の永久磁石6cの矢印B方向の半分より発生される磁束を、磁束 Φa+Φcaは磁束Φaに磁束Φcaが重畳された際の磁束を、磁束Φb+Φc bは磁束Φbに磁束Φcbが重畳された際の磁束をそれぞれ示すものである。
【0036】 図1および図2に示す従来の永久磁石可動形リニア直流モータと同様に、図9 においても第1の永久磁石6aの磁束Φaおよび磁束Φbの一部と、第3の永久 磁石6cの磁束Φcaおよび磁束Φcbの一部とは、第1の巻線5aに鎖交せず 、推力の発生には関与しない漏洩磁束と成る。
【0037】 図1ないし図9に示す可動コイル形リニア直流モータにおいて、第1のヨーク 4a、第2のヨーク4b、第3のヨーク10aおよび第3のヨーク10bは、電 磁軟鉄、構造用圧延鋼あるいは炭素鋼等の磁性を有する金属により形成され、第 3のヨーク10aおよび第3のヨーク10bは、第1のヨーク4aあるいは第2 のヨーク4bと一体に構成され得るものである。
【0038】 通常、第1の巻線5aおよび第2の巻線5bは、巻枠に所定の径を有する素線 を所定数巻いて形成されるが、小型軽量化を図る際には、自己融着線により内部 に第1の永久磁石6aおよび第1のヨーク4aを収納し得る矩形状断面を成す空 間を有するように形成され、長ストロークにたいしては、複数の巻線を積層して 対処する。
【0039】 本考案の永久磁石可動形リニア直流モータは、第1の巻線5aおよび第2の巻 線5bに鎖交する第3の永久磁石6cからの磁束Φcaおよび磁束Φcbに、第 1の永久磁石6aあるいは第1の永久磁石6aおよび第2の永久磁石6bからの 磁束Φaおよび磁束Φbが重畳され、第3の永久磁石6cからの磁束Φcaおよ び磁束Φcbの漏洩磁束が減少するため、空間13の第1の巻線5aあるいは第 2の巻線5bに位置する部分の磁束密度が増加し、推力が増加する。
【0040】 従来の可動コイル形リニア直流モータにおいて、推力の増加を目的として、永 久磁石6の磁極間の長さを、本考案の可動コイル形リニア直流モータの第1の永 久磁石6aと第2の永久磁石6bと第3の永久磁石6cとを合わせた以上の厚さ にして、第1のヨーク4aと第3の永久磁石6cとの間の離隔距離あるいは第2 のヨーク4bと第3の永久磁石6cとの間の離隔距離と、第3の永久磁石6cの 磁極間の長さとの比で現されるパーミアンス係数を大きくしても、永久磁石の特 性により磁束密度の大きな増加は期待できず、永久磁石6からの漏洩磁束が増大 するため、従来の永久磁石可動形リニア直流モータの推力は、本考案の永久磁石 可動形リニア直流モータの推力に対して極めて小さく成る。
【0041】
【考案の効果】
以上説明したように本考案の永久磁石可動形リニア直流モータは、従来の構造 では製作が困難であった長ストロークおよび大推力の永久磁石可動形リニア直流 モータの製作を可能とし、更に、推力のリニアリティーの向上を実現させ、所定 の大きさ以上の推力を有するリニア直流モータの製作にあたっては、小型化、軽 量化および低価格化を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の永久磁石可動形リニア直流モータの一実
施例を示す構造説明を目的とした断面図である。
【図2】図1に示す従来の永久磁石可動形リニア直流モ
ータの磁気回路の構成説明を目的としたC−C’断面図
である。
【図3】本考案の永久磁石可動形リニア直流モータの第
1の実施例を示す構造説明を目的とした断面図である。
【図4】図3に示す本考案の永久磁石可動形リニア直流
モータの構造説明を目的としたD−D’断面図である。
【図5】図3に示す本考案の永久磁石可動形リニア直流
モータの磁束の構成説明を目的とした断面図である。
【図6】図3に示す本考案の永久磁石可動形リニア直流
モータの磁束の構成説明を目的としたD−D’断面図で
ある。
【図7】図3に示す本考案の永久磁石可動形リニア直流
モータの磁束の構成説明を目的とした断面図である。
【図8】本考案の永久磁石可動形リニア直流モータの第
2の実施例の構造説明を目的とした断面図である。
【図9】図8に示す本考案の永久磁石可動形リニア直流
モータの磁束の構成説明を目的とした断面図である。
【符号の説明】
2 固定子 3 可動子 4a 第1のヨーク 4b 第2のヨーク 5a 第1の巻線 5b 第2の巻線 6 永久磁石 6a 第1の永久磁石 6b 第2の永久磁石 6c 第3の永久磁石 10a 第3のヨーク 10b 第3のヨーク 13 空間 14 間隙

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つ以上の平板状を成す第1
    の永久磁石の同一の極性を有する磁極面を一つの平面に
    固着し、周囲に巻線を装着した平板状を成す第1のヨー
    クと、少なくとも一つ以上の平板状を成す第2の永久磁
    石の同一の極性を有する磁極面を一つの平面に固着し、
    周囲に巻線を装着した平板状を成す第2のヨークとを、
    前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石との対向する
    磁極面がそれぞれ異なる極性を有するように所定の間隔
    を隔て対向させ、前記第1のヨークと前記第2のヨーク
    との両端部をそれぞれ複数の第3のヨークにより磁気的
    に接続し、前記間隔の形成する空間内を円滑に移動し得
    る構造を有する平板状を成す第3の永久磁石の、前記第
    1の永久磁石の磁極面と前記第2の磁極面とにそれぞれ
    所定の間隙を隔て対向する磁極面を、前記第1の永久磁
    石の磁極面の有する極性および前記第2の永久磁石の磁
    極面の有する極性に対して、それぞれ異なる極性を有す
    るように構成することを特徴とする永久磁石可動形リニ
    ア直流モータ。
  2. 【請求項2】 少なくとも一つ以上の平板状を成す第1
    の永久磁石の同一の極性を有する磁極面を一つの平面に
    固着し、周囲に巻線を装着した平板状を成す第1のヨー
    クと、平板状を成す第2のヨークとを所定の間隔を隔て
    対向させ、前記第1のヨークと前記第2のヨークとの両
    端部をそれぞれ複数の第3のヨークにより磁気的に接続
    し、前記間隔の形成する空間内を円滑に移動し得る構造
    を有する平板状を成す第3の永久磁石の、前記第1の永
    久磁石の磁極面に所定の間隙を隔て対向する磁極面を、
    前記第1の永久磁石の磁極面の有する極性と異なる極性
    を有するように構成することを特徴とする永久磁石可動
    形リニア直流モータ。
JP5439193U 1993-09-14 1993-09-14 永久磁石可動形リニア直流モータ Pending JPH0720082U (ja)

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