JPH0720083U - 可動コイル形リニア直流モータ - Google Patents

可動コイル形リニア直流モータ

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JPH0720083U
JPH0720083U JP5362293U JP5362293U JPH0720083U JP H0720083 U JPH0720083 U JP H0720083U JP 5362293 U JP5362293 U JP 5362293U JP 5362293 U JP5362293 U JP 5362293U JP H0720083 U JPH0720083 U JP H0720083U
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yoke
magnetic flux
motor
winding
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優一 森木
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優一 森木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 可動子の一部に平板状永久磁石を装着するこ
とで、長ストローク化、大推力化および推力のリニアリ
ティーの向上を容易に実現したのもであり、小型化、軽
量化および低価格化を可能とする。 【構成】 所定の間隔を隔て対向する平板状を成すセン
タ・ヨーク7およびバック・ヨーク4と、バック・ヨー
ク4に固着される平板状の永久磁石6と、サイド・ヨー
ク8a、8bとにより構成される固定子と、巻線5、巻
枠16および平板状を成す永久磁石19より成り、空間
20内に、間隙15を隔てセンタ・ヨーク7を貫通さ
せ、間隙14を隔て対向するセンタ・ヨーク7と永久磁
石6とのそれぞれの対向面が形成する空間13内を、矢
印A方向あるいは矢印B方向に円滑に移動し得る構造を
成す可動子とにより構成され、永久磁石6と永久磁石1
9との対向面は、それぞれ異なる極性を有する磁極面と
成るように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ハンドリング装置、キャッチング装置、検査装置(各種コンタクト プローブ類)、光学装置(各種ミラー類、各種レンズ類)、検出装置(各種セン サ類)、記録装置(各種ペン類)、記憶装置(各種磁気ヘッド類)および各種ス キャニング装置等の、全体あるいは一部の比較的長ストロークの駆動の用に供さ れる可動コイル形リニア直流モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、可動コイル形リニア直流モータは、他の形式のリニア直流モータに対し て、薄型および長ストロークを目的として使用されるものである。
【0003】 従来の可動コイル形リニア直流モータを、図1ないし図3に示す一例に基づい て説明する。
【0004】 図1は、通常、単極片側式可動コイル形リニア直流モータと称される従来の可 動コイル形リニア直流モータの斜視図である。図2は、構造説明を目的とした図 1のC−C’断面図である。図3は、磁気回路の構成説明を目的とした図1のC −C’断面図である。
【0005】 従来の可動コイル形リニア直流モータは、磁気回路を形成する固定子2と、巻 線5および巻枠16により構成される可動子3とを主に構成される。
【0006】 固定子2は、所定の間隔を隔て対向するそれぞれ所定の厚さを有する平板状を 成すセンタ・ヨーク7およびバック・ヨーク4と、バック・ヨーク4のセンタ・ ヨーク7への対向面に所定の極性を有する磁極面が固着される所定の厚さを有す る平板状を成す永久磁石6と、センタ・ヨーク7とバック・ヨーク4との両端部 をそれぞれ磁気的かつ機械的に接続するサイド・ヨーク8aおよびサイド・ヨー ク8bとにより構成される。可動子3は、間隙14を隔て対向するセンタ・ヨー ク7と永久磁石6とのそれぞれの対向面が形成する空間13内を、間隙15を隔 てセンタ・ヨーク7を貫通させ、軸受装置10を介して矢印A方向あるいは矢印 B方向に円滑に移動し得る構造に構成される。軸受装置10は、バック・ヨーク 4の一部に固着される固定部11と、巻枠16の一部に固着される可動部12と により構成される。
【0007】 図3は、図1および図2に示す従来の可動コイル形リニア直流モータの磁気回 路内を流れる磁束Φaおよび磁束Φbを示すものである。固定子2と可動子3と の間には、図示の極性を有する永久磁石6の一方の磁極面より巻線5、センタ・ ヨーク7、サイド・ヨーク8a、バック・ヨーク4および永久磁石6の他方の磁 極面へと磁束Φaが矢印の方向に流れ一つの閉磁路を形成し、永久磁石6の一方 の磁極面より巻線5、センタ・ヨーク7、サイド・ヨーク8b、バック・ヨーク 4および永久磁石6の他方の磁極面へと磁束Φbが矢印の方向に流れ一つの閉磁 路を形成する。
【0008】 巻線5に図示の方向に所定の大きさを有する電流を流すと可動子3は、Bil 則に従い矢印A方向に移動し、巻線5に前記電流と異なる方向に所定の大きさを 有する電流を流すと可動子3は、矢印B方向に移動する。
【0009】 図1および図2に示す従来の可動コイル形リニア直流モータは、図3に示すよ うに、永久磁石6の矢印A方向の端部において磁束Φaの一部は、永久磁石6の 一方の磁極面よりセンタ・ヨーク7を通らずに永久磁石6の他方の磁極面に到達 し、永久磁石6の矢印B方向の端部において磁束Φbの一部は、永久磁石6の一 方の磁極面よりセンタ・ヨーク7を通らずに永久磁石6の他方の磁極面に到達し 、それぞれ巻線5に鎖交しない漏洩磁束と成る。即ち、巻線5の矢印A方向の端 部が永久磁石6の矢印A方向の端部に位置した際、および巻線5の矢印B方向の 端部が永久磁石6の矢印B方向の端部に位置した際に、巻線5を鎖交する磁束Φ aあるいは磁束Φbが減少することであり、全ストロークに対する始動位置およ び全ストローク移動位置の推力が減少することを意味するものである。
【0010】 一般に、図1および図2に示す構造を有する従来の可動コイル形リニア直流モ ータにあっては、長ストローク化と、大きな負荷の高速度運転および等速度運転 を目的とした大推力化と、全ストロークに対する推力のリニアリティーの向上と が要求されている。
【0011】 図1ないし図3に示す従来の可動コイル形リニア直流モータの推力を増加させ る手段としては、次の方法がある。 (1)巻線5に鎖交する磁束Φaおよび磁束Φbを大きくする方法。即ち、磁 束密度を大きくする方法。 (2)巻線5の巻数を増加させる方法。 (3)巻線5に流れる電流の値をを大きくする方法。
【0012】 磁束Φaおよび磁束Φbを大きくする方法は、永久磁石6の体積を大きくする ことであり、永久磁石6の質量を増加させる。永久磁石6の磁極間の長さを長く して、センタ・ヨーク7と永久磁石6との間の空隙14の長さと永久磁石6の磁 極間の長さとの比で現されるパーミアンス係数を大きくしても、永久磁石の特性 により磁束密度の大きな増加は期待できない。
【0013】 推力の増加を目的として巻線5の巻数を増加させると、センタ・ヨーク7と永 久磁石6との間の空隙の長さが長くなり、前記パーミアンス係数が小さくなり磁 束密度が減少し、推力増加のための効果は小さくなる。
【0014】 巻線5の素線の径を細くして巻数を増加させると、巻線5の電気抵抗値の増加 に伴うジュール熱の発生が増加し、電流値を低下させねば成らず、推力の増加は 困難と成る。
【0015】 前記理由から、従来の可動コイル形リニア直流モータは、巻線5に流す電流の 値を大きくして推力を増加させている。しかし、図3に示すように、巻線5に図 示の方向に電流を流すと巻線5の周囲には図示の方向に磁束Φcoが発生し、全 ストロークにわたる磁気勾配を磁束Φaおよび磁束Φbに与えるため、可動子3 が矢印B方向の始動位置より矢印A方向の全ストローク移動位置へ移動するに従 い推力は減少する。同様に、巻線5に逆方向の電流を流すと巻線5の周囲には逆 方向に磁束Φcoが発生し、可動子3が矢印A方向の始動位置より矢印B方向の 全ストローク移動位置へ移動するに従い推力は減少する。この現象は、電流の値 を大きくするに従い顕著に現れ、推力のリニアリティーを極端に悪くするもので ある。
【0016】
【考案が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、推力の増加と推力のリニアリティーの向上とが困 難である点である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本考案の可動コイル形リニア直流モータは、前記問題点を解決するために、固 定子2を構成するセンタ・ヨーク7と永久磁石6との対向面が形成する空間内に 位置する可動子3の一部に平板状をなす永久磁石を装着し、推力の増加と推力の リニアリティーの向上を実現した。
【0018】
【実施例】
図4ないし図9に基づいて本考案の可動コイル形リニア直流モータの一実施例 を説明する。
【0019】 図4は、本考案の可動コイル形リニア直流モータの第1の実施例を示す斜視断 面図である。図5は、構造説明を目的とした図4のD−D’断面図である。図6 は、磁気回路の構成説明を目的とした図4のD−D’断面図である。図7は、磁 気回路の構成説明を目的とした図4のD−D’断面図である。
【0020】 本考案の可動コイル形リニア直流モータは、磁気回路を形成する固定子2と、 磁気回路の一部を鎖交する巻線5および永久磁石19より成り、内側に固定子2 の一部を収納し得る空間20を有する可動子3とを主に構成される。
【0021】 固定子2は、所定の間隔を隔て対向するそれぞれ所定の厚さを有する平板状を 成すセンタ・ヨーク7およびバック・ヨーク4と、バック・ヨーク4のセンタ・ ヨーク7への対向面に所定の極性を有する磁極面が固着される所定の厚さを有す る平板状を成す永久磁石6と、センタ・ヨーク7とバック・ヨーク4との両端部 をそれぞれ磁気的かつ機械的に接続するサイド・ヨーク8aおよびサイド・ヨー ク8bとにより構成される。
【0022】 可動子3は、巻線5、巻枠16および所定の厚さを有する平板状を成す永久磁 石19より成り、巻枠16の一部と永久磁石19とのそれぞれの対向面が可動子 3の内側に形成する空間20内に、前記対向面に対してそれぞれ間隙15を隔て センタ・ヨーク7を貫通させ、間隙14を隔て対向するセンタ・ヨーク7と永久 磁石6とのそれぞれの対向面が形成する空間13内を、軸受装置10を介して矢 印A方向あるいは矢印B方向に移動し得る構造に構成される。
【0023】 軸受装置10は、軸17a、軸17b、軸受18aおよび軸受18bにより構 成され、軸17aは巻枠16の一部に装着された軸受18aを貫通し、両端部を サイド・ヨーク8aおよびサイド・ヨーク8bに固着され、軸17bは巻枠16 の一部に装着された軸受18bを貫通し、両端部をサイド・ヨーク8aおよびサ イド・ヨーク8bに固着される。
【0024】 固定子2を構成する永久磁石6は、所定の極性を有する磁極面が、センタ・ヨ ーク7に間隙14を介して対向するするようにバック・ヨーク4に固着され、可 動子3を構成する永久磁石19は、所定の極性を有する磁極面が、永久磁石6に 巻線5の一部および巻枠16の一部を介して対向するように巻枠16の一部に固 着される。永久磁石6と永久磁石19との対向面は、それぞれ異なる極性を有す る磁極面と成るように構成される。
【0025】 図6は、図4および図5に示す本考案の可動コイル形リニア直流モータの磁気 回路内を流れる磁束Φa+Φcaおよび磁束Φb+Φcaを示すものである。但 し、磁束Φaは、永久磁石6の矢印A方向の半分より発生される磁束を、磁束Φ bは、永久磁石6の矢印B方向の半分より発生される磁束を、磁束Φcaは、永 久磁石19より発生される磁束を、磁束Φa+Φcaは磁束Φaに磁束Φcaが 重畳された際の磁束を、磁束Φb+Φcaは磁束Φbに磁束Φcaが重畳された 際の磁束をそれぞれ示すものである。
【0026】 固定子2と可動子3との間には、永久磁石6の一方の磁極面より巻線5、永久 磁石19、センタ・ヨーク7、サイド・ヨーク8a、バック・ヨーク4、および 永久磁石6の他方の磁極面へと磁束Φa+Φcaが矢印の方向に流れ閉磁路を形 成し、永久磁石6の一方の磁極面より巻線5、永久磁石19、センタ・ヨーク7 、サイド・ヨーク8b、バック・ヨーク4、および永久磁石6の他方の磁極面へ と磁束Φb+Φcが矢印の方向に流れ閉磁路を形成する。
【0027】 巻線5に図示の方向に所定の大きさを有する電流を流すと可動子3は、Bil 則に従い矢印A方向に移動し、巻線5に前記電流と異なる方向に所定の大きさを 有する電流を流すと可動子3は、矢印B方向に移動する。
【0028】 図4に示す本考案の可動コイル形リニア直流モータは、図6に示すように、巻 線5が永久磁石6の矢印A方向の端部あるいは永久磁石6の矢印B方向の端部に 位置しない際、永久磁石6の矢印A方向の端部において磁束Φaの一部は、永久 磁石6の一方の磁極面よりセンタ・ヨーク7を通らずに永久磁石6の他方の磁極 面に到達し、永久磁石6の矢印B方向の端部において磁束Φbの一部は、永久磁 石6の一方の磁極面よりセンタ・ヨーク7を通らずに永久磁石6の他方の磁極面 に到達して、それぞれ巻線5に鎖交しない漏洩磁束と成る。
【0029】 しかし、図7に示すように、巻線5の矢印A方向の端部が永久磁石6の矢印A 方向の端部に位置した際、永久磁石6の矢印A方向の端部において磁束Φaの漏 洩磁束の一部は永久磁石19に吸引され、巻線5の矢印B方向の端部が永久磁石 6の矢印B方向の端部に位置した際、永久磁石6の矢印B方向の端部において磁 束Φaの漏洩磁束の一部は永久磁石19に吸引される。即ち、図1および図2に 示す従来の可動コイル形リニア直流モータに対して、全ストロークに対する始動 位置および全ストローク移動位置の推力の減少が少なく成ることを意味するもの である。
【0030】 図8および図9は、本考案の可動コイル形リニア直流モータの第2の実施例を 示すものである。図8は、構造説明を目的とした断面図である。図9は、磁気回 路の構成説明を目的とした断面図である。
【0031】 本考案の可動コイル形リニア直流モータは、一般に単極両側式可動コイル形リ ニア直流モータと称されるもので、磁気回路を形成する固定子2と、磁気回路の 一部を鎖交する巻線5、永久磁石19aおよび永久磁石19bより成り、内側に 固定子2の一部を収納し得る空間20を有する可動子3とを主に構成される。
【0032】 固定子2は、所定の厚さを有する平板状を成すセンタ・ヨーク7と、センタ・ ヨーク7の相反する面にそれぞれ所定の間隔を隔てて対向する所定の厚さを有す る平板状を成すバック・ヨーク4a、4bと、センタ・ヨーク7およびバック・ ヨーク4a、4bの両端部をそれぞれ磁気的かつ機械的に接続するサイド・ヨー ク8a、8bと、バック・ヨーク4a、4bのセンタ・ヨーク7への対向面にそ れぞれ所定の極性を有する磁極面が固着される所定の厚さを有する平板状を成す 永久磁石6a、6bとにより構成される。
【0033】 可動子3は、巻線5、巻枠16および所定の厚さを有する平板状を成す二つの 永久磁石19a、19bにより成り、永久磁石19aと永久磁石19bとのそれ ぞれの対向面が可動子3の内側に形成する空間20内に、前記対向面に対してそ れぞれ間隙15を隔てセンタ・ヨーク7を貫通させ、間隙14を隔て対向するセ ンタ・ヨーク7と永久磁石6aとのそれぞれの対向面が形成する空間13a内と 、間隙14を隔て対向するセンタ・ヨーク7と永久磁石6bとのそれぞれの対向 面が形成する空間13b内とを、矢印A方向あるいは矢印B方向に移動し得る構 造に構成され、永久磁石19aの磁極面と相対する永久磁石6aの磁極面とは、 それぞれ相反する極性を有するように構成され、永久磁石19bの磁極面と相対 する永久磁石6bの磁極面とは、それぞれ相反する極性を有するように構成され る。
【0034】 永久磁石6aは、所定の極性を有する磁極面が、センタ・ヨーク7に間隙14 を介して対向するするようにバック・ヨーク4aに固着され、永久磁石6bは、 所定の極性を有する磁極面が、センタ・ヨーク7に間隙14を介して対向するす るようにバック・ヨーク4bに固着される。永久磁石19aは、所定の極性を有 する磁極面が、永久磁石6aに巻線5の一部を介して対向するように巻枠16の 一部に固着され、永久磁石19bは、所定の極性を有する磁極面が、永久磁石6 bに巻線5の一部を介して対向するように巻枠16の一部に固着される。永久磁 石6aと永久磁石6bとのセンタ・ヨーク7への対向面は、それぞれ同じ極性を 有する磁極面と成るように構成され、永久磁石6aと永久磁石19aとの対向面 および永久磁石6bと永久磁石19bとの対向面は、それぞれ異なる極性を有す る磁極面と成るように構成される。
【0035】 図9は、図8に示す本考案の可動コイル形リニア直流モータの磁気回路内を流 れる磁束Φaa+Φca、磁束Φab+Φca、磁束Φba+Φcbおよび磁束 Φbb+Φcbを示すものである。但し、磁束Φaaは、永久磁石6aの矢印A 方向の半分より発生される磁束を、磁束Φabは、永久磁石6aの矢印B方向の 半分より発生される磁束を、磁束Φbaは、永久磁石6bの矢印A方向の半分よ り発生される磁束を、磁束Φbbは、永久磁石6bの矢印B方向の半分より発生 される磁束を、磁束Φcaは、永久磁石19aより発生される磁束を、磁束Φc bは、永久磁石19bより発生される磁束を、磁束Φaa+Φcaは磁束Φaa に磁束Φcaが重畳された際の磁束を、磁束Φab+Φcaは磁束Φabに磁束 Φcaが重畳された際の磁束を、磁束Φba+Φcbは磁束Φbaに磁束Φcb が重畳された際の磁束を、磁束Φbb+Φcbは磁束Φbbに磁束Φcbが重畳 された際の磁束をそれぞれ示すものである。
【0036】 図8に示す本考案の可動コイル形リニア直流モータは、巻線5が永久磁石6a 、6bの矢印A方向の端部あるいは矢印B方向の端部に位置しない際、永久磁石 6aの矢印A方向の端部において磁束Φaaの一部は永久磁石6aの一方の面よ りセンタ・ヨーク7を通らずに永久磁石6aの他方の面に到達し、巻線5に鎖交 しない漏洩磁束と成る。同様に、磁束Φabの一部、磁束Φbaの一部および磁 束Φbbの一部も、巻線5に鎖交しない漏洩磁束と成る。
【0037】 しかし、巻線5の矢印A方向の端部が永久磁石6a、6bの矢印A方向の端部 に位置した際、永久磁石6aの矢印A方向の端部において磁束Φaaの漏洩磁束 の一部は永久磁石19aに吸引され、永久磁石6bの矢印A方向の端部において 磁束Φbaの漏洩磁束の一部は永久磁石19bに吸引される。巻線5の矢印B方 向の端部が永久磁石6a、6bの矢印B方向の端部に位置した際、永久磁石6a の矢印B方向の端部において磁束Φabの漏洩磁束の一部は永久磁石19aに吸 引され、永久磁石6bの矢印B方向の端部において磁束Φbbの漏洩磁束の一部 は永久磁石19bに吸引される。即ち、図1および図2に示す従来の可動コイル 形リニア直流モータに対して、全ストロークに対する始動位置および全ストロー ク移動位置の推力の減少が少なく成ることを意味するものである。
【0038】 図1ないし図9に示す可動コイル形リニア直流モータにおいて、センタ・ヨー ク7、バック・ヨーク4、4a、4bおよびサイド・ヨーク8a、8bは、電磁 軟鉄、構造用圧延鋼あるいは炭素鋼等の磁性を有する金属により形成され、サイ ド・ヨーク8a、8bは、センタ・ヨーク7あるいはバック・ヨーク4、4a、 4bと一体に構成され得るものである。
【0039】 通常、巻線5は、巻枠16に所定の径を有する素線を所定数巻いて形成される が、小型軽量化を図る際には、自己融着線により内部に永久磁石19あるいは永 久磁石19a、19bを収納し、更に、センタ・ヨーク7を間隙15を介して収 納し得る矩形状断面を成す空間20を有するように形成される。
【0040】 前述のように、本考案の可動コイル形リニア直流モータは、可動子3の矢印A 方向の端部が永久磁石6あるいは永久磁石6a、6bの矢印A方向の端部に位置 した際に漏洩磁束が減少し、可動子3の矢印B方向の端部が永久磁石6あるいは 永久磁石6a、6bの矢印B方向の端部に位置した際に漏洩磁束が減少するので 、全ストロークに対する始動時および全ストローク移動終了時の推力が増加する 。即ち、全ストロークに対する推力のリニアリティーの向上を意味するものであ る。
【0041】 更に、図4ないし図7に示す本考案の可動コイル形リニア直流モータにおいて は、巻線5に鎖交する永久磁石6からの磁束Φa、Φbに、永久磁石19からの 磁束Φcaが重畳されるため、空間13の巻線5の位置する部分の磁束密度が増 加し推力が増加する。図8および図9に示す本考案の可動コイル形リニア直流モ ータにおいては、巻線5に鎖交する永久磁石6aからの磁束Φaa、Φabに、 永久磁石19aからの磁束Φcaが重畳され、巻線5に鎖交する永久磁石6bか らの磁束Φba、Φbbに、永久磁石19bからの磁束cbが重畳されるため、 空間13a、13bの巻線5の位置する部分の磁束密度が増加し、推力が増加す る。
【0042】 推力の増加は、同じ大きさの推力を有する従来の可動コイル形リニア直流モー タに対して、巻線5に流す電流の値を減少させることが可能と成り、巻線5の周 囲に発生する磁束Φcoを減少させ、可動子の始動位置より全ストローク移動位 置への移動に伴う推力の減少割合を少なくさせる。即ち、推力のリニアリティー を向上させるものである。
【0043】 図1に示す従来の可動コイル形リニア直流モータにおいて、推力の増加を目的 として、永久磁石6の磁極間の長さを、図4に示す本考案の可動コイル形リニア 直流モータの永久磁石6と永久磁石19を合わせた程度の厚さにして、センタ・ ヨーク7と永久磁石6との間の空隙14の長さと永久磁石6の磁極間の長さとの 比で現されるパーミアンス係数を大きくしても、永久磁石の特性により磁束密度 の大きな増加は期待できない。永久磁石を希土類永久磁石により形成した際には 、従来の可動コイル形リニア直流モータの推力は、本考案の可動コイル形リニア 直流モータの推力に対して2/3程度と成る。
【0044】
【考案の効果】
以上説明したように本考案の可動コイル形リニア直流モータは、従来の構造で は、製作が困難であった長ストロークおよび大推力の可動コイル形リニア直流モ ータの製作を可能とし、更に、推力のリニアリティーの向上を実現させ、所定の 大きさ以上の推力を有するリニア直流モータの製作にあたっては、小型化、軽量 化および低価格化を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の可動コイル形リニア直流モータの一実施
例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す従来の可動コイル形リニア直流モー
タの構造説明を目的としたC−C’断面図である。
【図3】図1に示す従来の可動コイル形リニア直流モー
タの磁気回路の構成説明を目的としたC−C’断面図で
ある。
【図4】本考案の可動コイル形リニア直流モータの第1
の実施例を示す斜視断面図である。
【図5】図4に示す本考案の永久磁石可動形リニア直流
モータの構造説明を目的としたD−D’断面図である。
【図6】図4に示す本考案の永久磁石可動形リニア直流
モータの磁気回路の構成説明を目的としたD−D’断面
図である。
【図7】図4に示す本考案の永久磁石可動形リニア直流
モータの磁気回路の構成説明を目的としたD−D’断面
図である。
【図8】本考案の永久磁石可動形リニア直流モータの第
2の実施例の構造説明を目的とした断面図である。
【図9】図4に示す本考案の永久磁石可動形リニア直流
モータの磁気回路の構成説明を目的とした断面図であ
る。
【符号の説明】
2 固定子 3 可動子 4 バック・ヨーク 4a バック・ヨーク 4b バック・ヨーク 5 巻線 6 永久磁石 6a 永久磁石 6b 永久磁石 7 センタ・ヨーク 8a サイド・ヨーク 8b サイド・ヨーク 10 軸受装置 11 固定部 12 可動部 13 空間 13a 空間 13b 空間 14 間隙 15 間隙 16 巻枠 19 永久磁石 19a 永久磁石 19b 永久磁石 20 空間

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隔を隔て対向するそれぞれ平板
    状を成すセンタ・ヨークおよびバック・ヨークと、該セ
    ンタ・ヨークおよび該バック・ヨークの両端部をそれぞ
    れ磁気的かつ機械的に接続する複数のサイド・ヨーク
    と、前記バック・ヨークの前記センタ・ヨークへの対向
    面に所定の極性を有する磁極面が固着される平板状を成
    す永久磁石とにより成る固定子と、該永久磁石と前記セ
    ンタ・ヨークとのそれぞれの対向面が形成する空間内
    を、前記センタ・ヨークを貫通させ円滑に移動し得る構
    造を有する巻線より成る可動子とを主に構成されるコイ
    ル可動形リニア直流モータにおいて、前記空間内に位置
    する該可動子の一部に平板状を成す永久磁石を装着し、
    該永久磁石の磁極面と相対する前記固定子の永久磁石の
    磁極面とをそれぞれ相反する極性を有するように構成す
    ることを特徴とする可動コイル形リニア直流モータ。
  2. 【請求項2】 平板状を成すセンタ・ヨークと、該セン
    タ・ヨークの相反する面にそれぞれ所定の間隔を隔て対
    向する平板状を成す二つのバック・ヨークと、該二つの
    バック・ヨークおよび前記センタ・ヨークの両端部をそ
    れぞれ磁気的かつ機械的に接続する複数のサイド・ヨー
    クと、前記二つのバック・ヨークの前記センタ・ヨーク
    への対向面にそれぞれ所定の極性を有する磁極面が固着
    される二つの平板状を成す永久磁石とにより成る固定子
    と、前記センタ・ヨークと前記二つの永久磁石とのそれ
    ぞれの対向面が形成する二つの空間内を、前記センタ・
    ヨークを貫通させ円滑に移動し得る構造を有する巻線よ
    り成る可動子とを主に構成されるコイル可動形リニア直
    流モータにおいて、前記二つの空間内にそれぞれ位置す
    る前記可動子の一部に、平板状を成す二つの永久磁石を
    それぞれ装着し、該二つの永久磁石のそれぞれの磁極面
    と相対する前記固定子の二つの永久磁石のそれぞれの磁
    極面とを、相反する極性を有するようにそれぞれ構成す
    ることを特徴とする可動コイル形リニア直流モータ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107332425A (zh) * 2017-08-18 2017-11-07 郑州润华智能设备有限公司 一种永磁式往复推拉直驱装置及使用该直驱装置的电机
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JP2020043630A (ja) * 2018-09-06 2020-03-19 エミック株式会社 振動試験装置及びその制御方法

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