JP3681826B2 - 単極形リニア直流モータ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、各種OA機器、各種光学機器および各種測定機器等において、振動および推力変動を嫌う各種移動部の駆動の用に供され、脈動の無い推力の発生、大推力化、小型化、軽量化、ロング・ストローク化および全ストロークに対する推力変動の減少を可能とする単極形リニア直流モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の単極形リニア直流モータの構造および動作を、図1に示す断面図と、図2に示す推力特性図とにより説明する。
【0003】
一般に、単極形リニア直流モータは、脈動を伴わ無い推力を発生し得る唯一のリニア・モータであり、可動子の軽量化を可能とする優れた応答性を有するリニア・モータであり、各種位置検出装置を装着してサーボ制御することにより推力および速度の広範囲の制御と、停止位置の高精度の制御とを可能とし、振動および推力変動を嫌う負荷と、広範囲の速度での運転を必要とする負荷とに対応し得る唯一のリニア・アクチュエータである。
【0004】
図1に示す従来の単極形リニア直流モータは、二つの閉磁路31、32を形成し、空間21の矢印A方向の端部から矢印B方向の端部までの範囲に同方向の磁界を形成する固定子1と、固定子1の一部に所定の間隙を隔て巻装される第1の巻線12よりなる可動子11とにより構成される。
【0005】
固定子1は、所定の距離を隔て相対して配置される平板状をなす第1のヨーク2および平板状をなす第2のヨーク3と、第1のヨーク2および第2のヨーク3の矢印A方向の端部を機械的かつ磁気的に接続する第3のヨーク4aと、第1のヨーク2および第2のヨーク3の矢印B方向の端部を機械的かつ磁気的に接続する第3のヨーク4bと、第2のヨーク3の第1のヨーク2への相対面にS極の極性を有する磁極面が固着される平板状をなす第1の永久磁石25とを主に構成され、第1のヨーク2、第2のヨーク3および第1の永久磁石25のそれぞれの相対面と、第3のヨーク4aおよび第3のヨーク4bのそれぞれの相対面とは空間21を構成する。
【0006】
固定子1は、第1の永久磁石25のN極の極性を有する磁極面の矢印A方向の端部から中央部までの範囲より、空間21の矢印A方向の端部から中央部までの範囲、第1のヨーク2の矢印A方向の端部から中央部までの範囲、第3のヨーク4aおよび第2のヨーク3の矢印A方向の端部から中央部までの範囲を介して第1の永久磁石25の矢印A方向の端部から中央部までのS極の極性を有する磁極面に至る第1の閉磁路31を形成し、第1の永久磁石25のN極の極性を有する磁極面の矢印B方向の端部から中央部までの範囲より、空間21の矢印B方向の端部から中央部までの範囲、第1のヨーク2の矢印B方向の端部から中央部までの範囲、第3のヨーク4bおよび第2のヨーク3の矢印B方向の端部から中央部までの範囲を介して第1の永久磁石25の矢印B方向の端部から中央部までのS極の極性を有する磁極面に至る第2の閉磁路32を形成する。
【0007】
固定子1は、第1の永久磁石25のN極の極性を有する磁極面から第1のヨーク2の第1の永久磁石25への相対面に向かう磁界を空間21内に形成する。
【0008】
可動子11は、第1のヨーク2の周囲に所定の間隙を隔て巻装される第1の巻線12を主に構成され、空間21内を矢印A方向および矢印B方向に自由に移動し得る構造に配置され、第1の巻線12に図示の方向に所定の電流を流すことにより所定の推力をもって矢印B方向に移動し、第1の巻線12に図示と異なる方向に所定の電流を流すことにより所定の推力をもって矢印A方向に移動する。
【0009】
図2は、図1に示す従来の単極形リニア直流モータのストロークx[mm]を100[mm]に設定した際の推力特性図である。
【0010】
曲線Aは第1の巻線12にI[A]の電流を流した際の推力特性であり、曲線Bは第1の巻線12に2×I[A]の電流を流した際の推力特性であり、曲線Cは第1の巻線12に3×I[A]の電流を流した際の推力特性である。
【0011】
一般に、従来の単極形リニア直流モータの推力は、第1の巻線12に鎖交する第1の閉磁路31を流れる磁束あるいは第1の巻線12に鎖交する第2の閉磁路32を流れる磁束と、即ち、空間21内の第1の閉磁路31が形成される範囲の磁界あるいは空間21内の第2の閉磁路32が形成される範囲の磁界と、第1の巻線12の巻数と、第1の巻線12に流れる電流とに比例して増加する。
【0012】
即ち、従来の単極形リニア直流モータの大推力化は、第1の巻線12に鎖交する磁束の増加、第1の巻線12の巻数の増加あるいは第1の巻線12に流れる電流の増加により可能になる。
【0013】
一般に、第1の巻線12に鎖交する磁束の増加は、第1の永久磁石25の体積の増加により図られ、固定子1の大型化、大重量化および高価格化等の問題点を有し、第1の巻線12の巻数の増加は、可動子11の大型化、大重量化、応答性の悪化およびストロークの減少等の問題点を有するため、従来の単極形リニア直流モータの大推力化は、第1の巻線12に流れる電流の増加により対処されている。
【0014】
第1の巻線12に流れる電流の増加は、第1の巻線12の周囲に発生する磁界の傾斜を大きくし、固定子1が空間21内に形成する磁界の分布に傾斜を与え、図2に示す推力特性の曲線Bおよび曲線Cに示す様に、全ストロークに対する推力変動を大きくするという問題点を有するものである。
【0015】
従来の単極形リニア直流モータのロング・ストローク化は、第1の永久磁石25の体積の増加と、第1のヨーク2、第2のヨーク3、第3のヨーク4aおよび第3のヨーク4bの断面積の増加とにより可能になる。しかし、固定子1の大型化、大重量化、高価格化および漏洩磁束の増加等の問題点を有し、漏洩磁束の増加に伴い第1の巻線12を鎖交する磁束が減少し、推力が減少するという問題点を有するものである。
【0016】
更にストロークを長く設定した際、固定子1の形成する第1の閉磁路31および第2の閉磁路32が固定子1の両端部へ集中し、空間21内の中央部における磁界を減少させ、第1の巻線に鎖交する磁束を減少させる。即ち、可動子11が空間21の中央部に位置した際、推力が極めて小さくなるという問題点を有するものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、従来の単極形リニア直流モータのロング・ストローク化と、全ストロークに対する推力変動の減少と、大推力化とを共に実現することが困難である点である。
【0018】
【課題を解決するための手段】
従来の単極形リニア直流モータに、固定子1が構成する空間21の中央部から一方の端部までの範囲を構成する固定子1の構成部材に第2の巻線を巻装し、固定子1が構成する空間21の中央部から他方の端部までの範囲を構成する固定子1の構成部材に第3の巻線を巻装し、第1のヨーク2および第2のヨーク3の両端部に永久磁石を主に構成される起磁力発生部材をそれぞれ装着することを最も主要な特徴とし、ロング・ストローク化、全ストロークに対する推力変動の減少および大推力化という目的を極めて簡単に実現した。
【0019】
【実施例】
次に、図3および図6ないし図12に示す実施例と、図4および図5に示す推力特性図とに基づいて、本発明の単極形リニア直流モータの構造および動作を説明する。
【0020】
図3は、本発明の単極形リニア直流モータの第1の実施例の構造説明を目的とした断面図である。
【0021】
本発明の単極形リニア直流モータの固定子1は、所定の距離を隔て相対して配置される平板状をなす第1のヨーク2および平板状をなす第2のヨーク3と、第2のヨーク3の第1のヨーク2への相対面に装着される第1の起磁力発生部材15と、第1のヨーク2および第2のヨーク3のそれぞれの矢印A方向の端部に装着される第2の起磁力発生部材16と、第1のヨーク2および第2のヨーク3のそれぞれの矢印B方向の端部に装着される第3の起磁力発生部材17と、空間21の中央部から矢印A方向の端部までの範囲を構成する第1のヨーク2に巻装される第2の巻線7と、空間21の中央部から矢印B方向の端部までの範囲を構成する第1のヨーク2に巻装される第3の巻線8とを主に構成される。
【0022】
尚、空間21は、第1のヨーク2、第2の巻線7、第3の巻線8、第2のヨーク3および第1の起磁力発生部材15のそれぞれの相対面と、第2の起磁力発生部材16および第3の起磁力発生部材17のそれぞれの相対面とにより構成される。
【0023】
第1の起磁力発生部材15は、第1の永久磁石25により構成され、第2のヨーク3の第1のヨーク2への相対面にS極の極性を有する磁極面が固着される。第2の起磁力発生部材16は、第2の永久磁石26により構成され、第1のヨーク2の第2のヨーク3への相対面にS極の極性を有する磁極面が固着され、第2のヨーク3の第1のヨーク2への相対面にN極の極性を有する磁極面が固着される。第3の起磁力発生部材17は、第3の永久磁石27により構成され、第1のヨーク2の第2のヨーク3への相対面にS極の極性を有する磁極面が固着され、第2のヨーク3の第1のヨーク2への相対面にN極の極性を有する磁極面が固着される。
【0024】
固定子1は、第1の永久磁石25のN極の極性を有する磁極面の矢印A方向の端部から中央部までの範囲より、空間21の矢印A方向の端部から中央部までの範囲、第2の巻線7の空間21を構成する部分および第1のヨーク2の矢印A方向の端部から中央部までの範囲を介して、第2の永久磁石26のS極の極性を有する磁極面に至り、第2の永久磁石26のN極の極性を有する磁極面から、第2のヨーク3の矢印A方向の端部から中央部までの範囲を介して、第1の永久磁石25のS極の極性を有する磁極面の矢印A方向の端部から中央部までの範囲に至る第1の閉磁路31を形成し、第1の永久磁石25のN極の極性を有する磁極面の矢印B方向の端部から中央部までの範囲より、空間21の矢印B方向の端部から中央部までの範囲、第3の巻線8の空間21を構成する部分および第1のヨーク2の矢印B方向の端部から中央部までの範囲を介して、第3の永久磁石27のS極の極性を有する磁極面に至り、第3の永久磁石27のN極の極性を有する磁極面から、第2のヨーク3の矢印B方向の端部から中央部までの範囲を介して、第1の永久磁石25のS極の極性を有する磁極面の矢印B方向の端部から中央部までの範囲に至る第2の閉磁路32を形成する。
【0025】
固定子1は、第1の永久磁石25のN極の極性を有する磁極面から第1のヨーク2の第1の永久磁石25への相対面に向かう磁界を空間21内に形成する。
【0026】
本発明の単極形リニア直流モータの可動子11は、第1のヨーク2と、第2の巻線7あるいは第3の巻線8との周囲に所定の間隙を隔て巻装される第1の巻線12を主に構成され、空間21内を矢印A方向および矢印B方向に自由に移動し得る構造に配置される。
【0027】
可動子11は、第1の巻線12、第2の巻線7および第3の巻線8に図示の方向にそれぞれ所定の電流を流すことにより、第1の閉磁路31を流れる磁束あるいは第2の閉磁路32を流れる磁束と、即ち、空間21内の第1の閉磁路31が形成される範囲の磁界あるいは空間21内の第2の閉磁路32が形成される範囲の磁界と、第1の巻線12の巻数と、第1の巻線12を流れる電流とに比例して増加する所定の推力をもって矢印B方向に移動し、第1の巻線12、第2の巻線7および第3の巻線8に図示と異なる方向にそれぞれ所定の電流を流すことにより所定の推力をもって矢印A方向に移動する。
【0028】
図4は、図3に示す本発明の単極形リニア直流モータの推力特性図であり、曲線Eはストロークx[mm]を100[mm]に設定した際の推力特性を示し、点線で示す曲線Dは可動子11を構成する第1の巻線12のみに図示の方向に所定の電流を流した際の推力特性を示し、曲線Aおよび曲線Cは図2に示す従来の単極形リニア直流モータの推力特性図の曲線Aおよび曲線Cを示す。
【0029】
図5は、図3に示す本発明の単極形リニア直流モータの推力特性図であり、曲線Gはストロークx[mm]を1000[mm]に設定した際の推力特性を示し、点線で示す曲線Fは可動子11を構成する第1の巻線12のみに図示の方向に所定の電流を流した際の推力特性を示す。
【0030】
曲線Gは、固定子の軽量化を目的として第1のヨーク2および第2のヨーク3の断面積を可能な範囲で小さく設定した際の推力特性を示し、第1のヨーク2および第2のヨーク3の断面積を大きく設定することにより、中央平坦部が長くなり、両端部の傾斜部の長さが短くなる。即ち、第1のヨーク2および第2のヨーク3の断面積に比例して全ストロークに対する推力変動は減少する。
【0031】
本発明の単極形リニア直流モータは、従来の単極形リニア直流モータの固定子1に第2の起磁力発生部材16および第3の起磁力発生部材17を装着し、固定子1の構成部材に第2の巻線7および第3の巻線8を巻装し、可動子1を構成する第1の巻線12と、固定子2を構成する第2の巻線7および第3の巻線8とに図示の方向に所定の電流を流すことにより、従来の単極形リニア直流モータのロング・ストローク化および全ストロークに対する推力変動の減少を可能とするものであり、可動子11を構成する第1の巻線12に流す電流の増加により大推力化を図り、固定子の小型化、軽量化および低価格化を実現するものである。
【0032】
図6は、本発明の単極形リニア直流モータの第2の実施例の構造説明を目的とした断面図である。
【0033】
本発明の単極形リニア直流モータの固定子1は、図3に示す実施例と同様に、第1のヨーク2、第2のヨーク3、第2の巻線7、第3の巻線8、第1の起磁力発生部部材15、第2の起磁力発生部部材16および第3の起磁力発生部部材17を主に構成され、図示の方向に第1の閉磁路31と第2の閉磁路32とを形成し、第1の永久磁石25のN極の極性を有する磁極面から第1のヨーク2の第1の永久磁石25への相対面に向かう磁界を空間21内に形成する。
【0034】
第1の起磁力発生部材15は第1の永久磁石25により構成され、第2の起磁力発生部材16は第2の永久磁石26により構成され、第3の起磁力発生部材17は第3の永久磁石27により構成され、それぞれ図3に示す実施例と同様に配置される。
【0035】
本発明の単極形リニア直流モータの可動子11は、第2のヨーク3と第1の永久磁石25との周囲に所定の間隙を隔て巻装される第1の巻線12を主に構成され、空間21内を矢印A方向および矢印B方向に自由に移動し得る構造に配置される。
【0036】
可動子11は、第1の巻線12、第2の巻線7および第3の巻線8に図示の方向にそれぞれ所定の電流を流すことにより、第1の閉磁路31を流れる磁束あるいは第2の閉磁路32を流れる磁束と、即ち、空間21内の第1の閉磁路31が形成される範囲の磁界あるいは空間21内の第2の閉磁路32が形成される範囲の磁界と、第1の巻線12の巻数と、第1の巻線12を流れる電流とに比例して増加する所定の推力をもって矢印B方向に移動し、第1の巻線12、第2の巻線7および第3の巻線8に図示と異なる方向にそれぞれ所定の電流を流すことにより所定の推力をもって矢印A方向に移動する。
【0037】
図7は、本発明の単極形リニア直流モータの第3の実施例の構造説明を目的とした断面図である。
【0038】
本発明の単極形リニア直流モータの固定子1は、所定の距離を隔て相対して配置される平板状をなす第1のヨーク2および平板状をなす第2のヨーク3と、第2のヨーク3の第1のヨーク2への相対面に装着される第1の起磁力発生部材15と、第1のヨーク2および第2のヨーク3のそれぞれの矢印A方向の端部に装着される第2の起磁力発生部材16と、第1のヨーク2および第2のヨーク3のそれぞれの矢印B方向の端部に装着される第3の起磁力発生部材17と、空間21の中央部から矢印A方向の端部までの範囲を構成する第2のヨーク3および第1の起磁力発生部材15に巻装される第2の巻線7と、空間21の中央部から矢印B方向の端部までの範囲を構成する第2のヨーク3および第1の起磁力発生部材15に巻装される第3の巻線8とを主に構成される。
【0039】
尚、空間21は、第1のヨーク2、第2の巻線7、第3の巻線8、第2のヨーク3および第1の起磁力発生部材15のそれぞれの相対面と、第2の起磁力発生部材16および第3の起磁力発生部材17のそれぞれの相対面とにより構成される。
【0040】
第1の起磁力発生部材15は、第1の永久磁石25により構成され、第2のヨーク3の第1のヨーク2への相対面にN極の極性を有する磁極面が固着される。第2の起磁力発生部材16は、第2の永久磁石26により構成され、第1のヨーク2の第2のヨーク3への相対面にN極の極性を有する磁極面が固着され、第2のヨーク3の第1のヨーク2への相対面にS極の極性を有する磁極面が固着される。第3の起磁力発生部材17は、第3の永久磁石27により構成され、第1のヨーク2の第2のヨーク3への相対面にN極の極性を有する磁極面が固着され、第2のヨーク3の第1のヨーク2への相対面にS極の極性を有する磁極面が固着される。
【0041】
固定子1は、第1の永久磁石25のN極の極性を有する磁極面の矢印A方向の端部から中央部までの範囲より、第2のヨーク3の矢印A方向の端部から中央部までの範囲を介して、第2の永久磁石26のS極の極性を有する磁極面に至り、第2の永久磁石26のN極の極性を有する磁極面から、第1のヨーク2の矢印A方向の端部から中央部までの範囲、空間21の矢印A方向の端部から中央部までの範囲および第2の巻線7の空間21を構成する部分を介して、第1の永久磁石25のS極の極性を有する磁極面の矢印A方向の端部から中央部までの範囲に至る第1の閉磁路31を形成し、第1の永久磁石25のN極の極性を有する磁極面の矢印B方向の端部から中央部までの範囲より、第2のヨーク3の矢印B方向の端部から中央部までの範囲を介して、第3の永久磁石27のS極の極性を有する磁極面に至り、第3の永久磁石27のN極の極性を有する磁極面から、第1のヨーク2の矢印B方向の端部から中央部までの範囲、空間21の矢印B方向の端部から中央部までの範囲および第3の巻線8の空間21を構成する部分を介して、第1の永久磁石25のS極の極性を有する磁極面の矢印B方向の端部から中央部までの範囲に至る第2の閉磁路32を形成する。
【0042】
固定子1は、第1のヨーク2の第1の永久磁石25への相対面から第1の永久磁石25のS極の極性を有する磁極面に向かう磁界を空間21内に形成する。
【0043】
本発明の単極形リニア直流モータの可動子11は、第1のヨーク2の周囲に所定の間隙を隔て巻装される第1の巻線12を主に構成され、空間21内を矢印A方向および矢印B方向に自由に移動し得る構造に配置される。
【0044】
可動子11は、第1の巻線12、第2の巻線7および第3の巻線8に図示の方向にそれぞれ所定の電流を流すことにより、第1の閉磁路31を流れる磁束あるいは第2の閉磁路32を流れる磁束と、即ち、空間21内の第1の閉磁路31が形成される範囲の磁界あるいは空間21内の第2の閉磁路32が形成される範囲の磁界と、第1の巻線12の巻数と、第1の巻線12を流れる電流とに比例して増加する所定の推力をもって矢印B方向に移動し、第1の巻線12、第2の巻線7および第3の巻線8に図示と異なる方向にそれぞれ所定の電流を流すことにより所定の推力をもって矢印A方向に移動する。
【0045】
図8は、本発明の単極形リニア直流モータの第4の実施例の構造説明を目的とした断面図である。
【0046】
本発明の単極形リニア直流モータの固定子1は、図7に示す実施例と同様に、第1のヨーク2、第2のヨーク3、第2の巻線7、第3の巻線8、第1の起磁力発生部部材15、第2の起磁力発生部部材16および第3の起磁力発生部部材17を主に構成され、図示の方向に第1の閉磁路31と第2の閉磁路32とを形成し、第1のヨーク2の第1の永久磁石25への相対面から第1の永久磁石25のS極の極性を有する磁極面に向かう磁界を空間21内に形成する。
【0047】
第1の起磁力発生部材15は第1の永久磁石25により構成され、第2の起磁力発生部材16は第2の永久磁石26により構成され、第3の起磁力発生部材17は第3の永久磁石27により構成され、それぞれ図7に示す実施例と同様に配置される。
【0048】
本発明の単極形リニア直流モータの可動子11は、第2のヨーク3と、第1の永久磁石25と、第2の巻線7あるいは第3の巻線8との周囲に所定の間隙を隔て巻装される第1の巻線12を主に構成され、空間21内を矢印A方向および矢印B方向に自由に移動し得る構造に配置される。
【0049】
可動子11は、第1の巻線12、第2の巻線7および第3の巻線8に図示の方向にそれぞれ所定の電流を流すことにより、第1の閉磁路31を流れる磁束あるいは第2の閉磁路32を流れる磁束と、即ち、空間21内の第1の閉磁路31が形成される範囲の磁界あるいは空間21内の第2の閉磁路32が形成される範囲の磁界と、第1の巻線12の巻数と、第1の巻線12を流れる電流とに比例して増加する所定の推力をもって矢印B方向に移動し、第1の巻線12、第2の巻線7および第3の巻線8に図示と異なる方向にそれぞれ所定の電流を流すことにより所定の推力をもって矢印A方向に移動する。
【0050】
図9は、本発明の単極形リニア直流モータの第5の実施例の構造説明を目的とした断面図である。
【0051】
本発明の単極形リニア直流モータの固定子1は、所定の距離を隔て相対して配置される平板状をなす第1のヨーク2および平板状をなす第2のヨーク3と、第2のヨーク3の第1のヨーク2への相対面に装着される第1の起磁力発生部材15と、第1のヨーク2および第2のヨーク3のそれぞれの矢印A方向の端部に装着される第2の起磁力発生部材16と、第1のヨーク2および第2のヨーク3のそれぞれの矢印B方向の端部に装着される第3の起磁力発生部材17と、空間21の中央部から矢印A方向の端部までの範囲を構成する第1のヨーク2に巻装される第2の巻線7と、空間21の中央部から矢印B方向の端部までの範囲を構成する第1のヨーク2に巻装される第3の巻線8とを主に構成される。
【0052】
尚、空間21は、第1のヨーク2、第2の巻線7、第3の巻線8、第2のヨーク3および第1の起磁力発生部材15のそれぞれの相対面と、第2の起磁力発生部材16および第3の起磁力発生部材17のそれぞれの相対面とにより構成される。
【0053】
第1の起磁力発生部材15は、第1の永久磁石25a、25b、25c、25d、25e、25f、25gにより構成され、第2のヨーク3の第1のヨーク2への相対面に所定の距離を隔て列設して配置され、それぞれのS極の極性を有する磁極面が固着される。
【0054】
第2の起磁力発生部材16は、第2の永久磁石26と、第2の永久磁石26のS極の極性を有する磁極面に固着される第3のヨーク35aと、第2の永久磁石26のN極の極性を有する磁極面に固着される第3のヨーク35bとにより構成され、第1のヨーク2の第2のヨーク3への相対面に第3のヨーク35aが固着され、第2のヨーク3の第1のヨーク2への相対面に第3のヨーク35bが固着される様に、第1のヨーク2および第2のヨーク3の矢印A方向の端部に装着される。
【0055】
第3の起磁力発生部材17は、第3の永久磁石27と、第3の永久磁石27のS極の極性を有する磁極面に固着される第4のヨーク36aと、第3の永久磁石27のN極の極性を有する磁極面に固着される第4のヨーク36bとにより構成され、第1のヨーク2の第2のヨーク3への相対面に第4のヨーク36aが固着され、第2のヨーク3の第1のヨーク2への相対面に第4のヨーク36bが固着される様に、第1のヨーク2および第2のヨーク3の矢印B方向の端部に装着される。
【0056】
固定子1は、第1の起磁力発生部材15のN極の極性を有する磁極面の矢印A方向の端部から中央部までの範囲より、空間21の矢印A方向の端部から中央部までの範囲、第2の巻線7の空間21を構成する部分、第1のヨーク2の矢印A方向の端部から中央部までの範囲および第3のヨーク35aを介して、第2の永久磁石26のS極の極性を有する磁極面に至り、第2の永久磁石26のN極の極性を有する磁極面から、第3のヨーク35bおよび第2のヨーク3の矢印A方向の端部から中央部までの範囲を介して、第1の起磁力発生部材15のS極の極性を有する磁極面の矢印A方向の端部から中央部までの範囲に至る第1の閉磁路31を形成し、第1の起磁力発生部材15のN極の極性を有する磁極面の矢印B方向の端部から中央部までの範囲より、空間21の矢印B方向の端部から中央部までの範囲、第3の巻線8の空間21を構成する部分、第1のヨーク2の矢印B方向の端部から中央部までの範囲および第4のヨーク36aを介して、第3の永久磁石27のS極の極性を有する磁極面に至り、第3の永久磁石27のN極の極性を有する磁極面から、第4のヨーク36bおよび第2のヨーク3の矢印B方向の端部から中央部までの範囲を介して、第1の起磁力発生部材15のS極の極性を有する磁極面の矢印B方向の端部から中央部までの範囲に至る第2の閉磁路32を形成する。
【0057】
固定子1は、第1の起磁力発生部材15のN極の極性を有する磁極面から第1のヨーク2の第1の起磁力発生部材15への相対面に向かう磁界を空間21内に形成する。
【0058】
本発明の単極形リニア直流モータの可動子11は、第1のヨーク2と、第2の巻線7あるいは第3の巻線8との周囲に所定の間隙を隔て巻装される第1の巻線12を主に構成され、空間21内を矢印A方向および矢印B方向に自由に移動し得る構造に配置される。
【0059】
可動子11は、第1の巻線12、第2の巻線7および第3の巻線8に図示の方向にそれぞれ所定の電流を流すことにより、第1の閉磁路31を流れる磁束あるいは第2の閉磁路32を流れる磁束と、即ち、空間21内の第1の閉磁路31が形成される範囲の磁界あるいは空間21内の第2の閉磁路32が形成される範囲の磁界と、第1の巻線12の巻数と、第1の巻線12を流れる電流とに比例して増加する所定の推力をもって矢印B方向に移動し、第1の巻線12、第2の巻線7および第3の巻線8に図示と異なる方向にそれぞれ所定の電流を流すことにより所定の推力をもって矢印A方向に移動する。
【0060】
図10は、本発明の単極形リニア直流モータの第6の実施例の構造説明を目的とした断面図である。
【0061】
本発明の単極形リニア直流モータの固定子1は、平板状をなす第1のヨーク2と、第1のヨーク2にそれぞれ所定の距離を隔て相対して配置される平板状をなす第2のヨーク3a、3bと、第2のヨーク3aの第1のヨーク2への相対面に装着される第1の起磁力発生部材15aと、第2のヨーク3bの第1のヨーク2への相対面に装着される第1の起磁力発生部材15bと、第1のヨーク2および第2のヨーク3aのそれぞれの矢印A方向の端部に装着される第2の起磁力発生部材16aと、第1のヨーク2および第2のヨーク3bのそれぞれの矢印A方向の端部に装着される第2の起磁力発生部材16bと、第1のヨーク2および第2のヨーク3aのそれぞれの矢印B方向の端部に装着される第3の起磁力発生部材17aと、第1のヨーク2および第2のヨーク3bのそれぞれの矢印B方向の端部に装着される第3の起磁力発生部材17bと、空間21aおよび空間21bの中央部から矢印A方向の端部までの範囲を構成する第1のヨーク2に巻装される第2の巻線7と、空間21aおよび空間21bの中央部から矢印B方向の端部までの範囲を構成する第1のヨーク2に巻装される第3の巻線8とを主に構成される。
【0062】
尚、空間21aは、第1のヨーク2、第2の巻線7、第3の巻線8、第2のヨーク3aおよび第1の起磁力発生部材15aのそれぞれの相対面と、第2の起磁力発生部材16aおよび第3の起磁力発生部材17aのそれぞれの相対面とにより構成され、空間21bは、第1のヨーク2、第2の巻線7、第3の巻線8、第2のヨーク3bおよび第1の起磁力発生部材15bのそれぞれの相対面と、第2の起磁力発生部材16bおよび第3の起磁力発生部材17bのそれぞれの相対面とにより構成される。
【0063】
第1の起磁力発生部材15aは、第1の永久磁石25aにより構成され、第2のヨーク3aの第1のヨーク2への相対面にS極の極性を有する磁極面が固着される。第1の起磁力発生部材15bは、第1の永久磁石25bにより構成され、第2のヨーク3bの第1のヨーク2への相対面にS極の極性を有する磁極面が固着される。
【0064】
第2の起磁力発生部材16aは、第2の永久磁石26aにより構成され、第1のヨーク2の第2のヨーク3aへの相対面にS極の極性を有する磁極面が固着され、第2のヨーク3aの第1のヨーク2への相対面にN極の極性を有する磁極面が固着される。第2の起磁力発生部材16bは、第2の永久磁石26bにより構成され、第1のヨーク2の第2のヨーク3bへの相対面にS極の極性を有する磁極面が固着され、第2のヨーク3bの第1のヨーク2への相対面にN極の極性を有する磁極面が固着される。
【0065】
第3の起磁力発生部材17aは、第3の永久磁石27aにより構成され、第1のヨーク2の第2のヨーク3aへの相対面にS極の極性を有する磁極面が固着され、第2のヨーク3aの第1のヨーク2への相対面にN極の極性を有する磁極面が固着される。第3の起磁力発生部材17bは、第3の永久磁石27bにより構成され、第1のヨーク2の第2のヨーク3bへの相対面にS極の極性を有する磁極面が固着され、第2のヨーク3bの第1のヨーク2への相対面にN極の極性を有する磁極面が固着される。
【0066】
固定子1は、図3に示す実施例と同様に、第1の閉磁路31a、31bおよび第2の閉磁路32a、32bを形成し、第1の永久磁石25aのN極の極性を有する磁極面から第1のヨーク2の第1の永久磁石25aへの相対面に向かう磁界を空間21a内に形成し、第1の永久磁石25bのN極の極性を有する磁極面から第1のヨーク2の第1の永久磁石25bへの相対面に向かう磁界を空間21b内に形成する。
【0067】
本発明の単極形リニア直流モータの可動子11は、第1のヨーク2と、第2の巻線7あるいは第3の巻線8との周囲に所定の間隙を隔て巻装される第1の巻線12を主に構成され、空間21a内および空間21b内を矢印A方向および矢印B方向に自由に移動し得る構造に配置される。
【0068】
可動子11は、第1の巻線12、第2の巻線7および第3の巻線8に図示の方向にそれぞれ所定の電流を流すことにより、第1の閉磁路31aを流れる磁束あるいは第2の閉磁路32aを流れる磁束と、即ち、空間21a内の第1の閉磁路31aが形成される範囲の磁界あるいは空間21a内の第2の閉磁路32aが形成される範囲の磁界と、第1の閉磁路31bを流れる磁束あるいは第2の閉磁路32bを流れる磁束と、即ち、空間21b内の第1の閉磁路31bが形成される範囲の磁界あるいは空間21b内の第2の閉磁路32bが形成される範囲の磁界と、第1の巻線12の巻数と、第1の巻線12を流れる電流とに比例して増加する所定の推力をもって矢印B方向に移動し、第1の巻線12、第2の巻線7および第3の巻線8に図示と異なる方向にそれぞれ所定の電流を流すことにより所定の推力をもって矢印A方向に移動する。
【0069】
図11および図12は、本発明の単極形リニア直流モータの第7の実施例の構造説明を目的とした断面図である。
【0070】
本発明の単極形リニア直流モータの固定子1は、所定の距離を隔て同軸円筒状に配置される円筒状をなす第1のヨーク2および円筒状をなす第2のヨーク3と、第2のヨーク3の第1のヨーク2への相対面に同軸円筒状に装着される円筒状をなす第1の起磁力発生部材15と、第1のヨーク2および第2のヨーク3のそれぞれの矢印A方向の端部に装着される円筒状をなす第2の起磁力発生部材16と、第1のヨーク2および第2のヨーク3のそれぞれの矢印B方向の端部に装着される円筒状をなす第3の起磁力発生部材17と、空間21の中央部から矢印A方向の端部までの範囲を構成する第2のヨーク3および第1の起磁力発生部材15に巻装される第2の巻線7と、空間21の中央部から矢印B方向の端部までの範囲を構成する第2のヨーク3および第1の起磁力発生部材15に巻装される第3の巻線8とを主に構成される。
【0071】
尚、空間21は、第2のヨーク3、第1の起磁力発生部材15、第2の巻線7、第3の巻線8および第1のヨーク2のそれぞれの相対面と、第2の起磁力発生部材16および第3の起磁力発生部材17のそれぞれの相対面とにより構成される。
【0072】
第1の起磁力発生部材15は、円筒状をなす第1の永久磁石25a、25b、25c、25d、25e、25f、25gと、円筒状をなすスペーサ37a、37b、37c、37d、37e、37fとを交互に列設して円筒状に構成される。第1の起磁力発生部材15の内側円筒面は、第1の永久磁石25a、25b、25c、25d、25e、25f、25gのS極の極性を有する磁極面と、スペーサ37a、37b、37c、37d、37e、37fの内側円筒面とにより構成され、第2のヨーク3の外側円筒面に固着される。
【0073】
第2の起磁力発生部材16は、円筒状をなす第2の永久磁石26により構成される。第2の起磁力発生部材16の内側円筒面は、第2の永久磁石26のN極の極性を有する磁極面により構成され、第2のヨーク3の矢印A方向の端部の外側円筒面に固着される。第2の起磁力発生部材16の外側円筒面は、第2の永久磁石26のS極の極性を有する磁極面により構成され、第1のヨーク2の矢印A方向の端部の内側円筒面に固着される。
【0074】
第3の起磁力発生部材17は、円筒状をなす第3の永久磁石27により構成される。第3の起磁力発生部材17の内側円筒面は、第3の永久磁石27のN極の極性を有する磁極面により構成され、第2のヨーク3の矢印B方向の端部の外側円筒面に固着される。第3の起磁力発生部材17の外側円筒面は、第3の永久磁石27のS極の極性を有する磁極面により構成され、第1のヨーク2の矢印B方向の端部の内側円筒面に固着される。
【0075】
固定子1は、第1の起磁力発生部材15のN極の極性を有する磁極面の矢印A方向の端部から中央部までの範囲より、第2の巻線7、空間21の矢印A方向の端部から中央部までの範囲および第1のヨーク2の矢印A方向の端部から中央部までの範囲を介して、第2の永久磁石26のS極の極性を有する磁極面に至り、第2の永久磁石26のN極の極性を有する磁極面から、第2のヨーク3の矢印A方向の端部から中央部までの範囲を介して、第1の起磁力発生部材のS極の極性を有する磁極面の矢印A方向の端部から中央部までの範囲に至る第1の閉磁路31を形成し、第1の起磁力発生部材15のN極の極性を有する磁極面の矢印B方向の端部から中央部までの範囲より、第3の巻線8、空間21の矢印B方向の端部から中央部までの範囲および第1のヨーク2の矢印B方向の端部から中央部までの範囲を介して、第3の永久磁石27のS極の極性を有する磁極面に至り、第3の永久磁石27のN極の極性を有する磁極面から、第2のヨーク3の矢印B方向の端部から中央部までの範囲を介して、第1の起磁力発生部材のS極の極性を有する磁極面の矢印B方向の端部から中央部までの範囲に至る第2の閉磁路32を形成する。
【0076】
固定子1は、第1の起磁力発生部材15のN極の極性を有する磁極面から第1のヨーク2の第1の起磁力発生部材15への相対面に向かう磁界を空間21内に形成する。
【0077】
本発明の単極形リニア直流モータの可動子11は、第2のヨーク3と、第1の起磁力発生部材15と、第2の巻線7あるいは第3の巻線8との周囲に所定の間隙を隔て巻装される第1の巻線12を主に構成され、空間21内を矢印A方向および矢印B方向に自由に移動し得る構造に配置される。
【0078】
可動子11は、第1の巻線12、第2の巻線7および第3の巻線8に図示の方向にそれぞれ所定の電流を流すことにより、第1の閉磁路31を流れる磁束あるいは第2の閉磁路32を流れる磁束と、即ち、空間21内の第1の閉磁路31が形成される範囲の磁界あるいは空間21内の第2の閉磁路32が形成される範囲の磁界と、第1の巻線12の巻数と、第1の巻線12を流れる電流とに比例して増加する所定の推力をもって矢印B方向に移動し、第1の巻線12、第2の巻線7および第3の巻線8に図示と異なる方向にそれぞれ所定の電流を流すことにより所定の推力をもって矢印A方向に移動する。
【0079】
可動子11には、可動子11に作用する推力を外部に伝達する目的をもって推力伝達部材23が装着され、固定子1を構成する第1のヨーク2には、可動子11および推力伝達部材23が全ストローク円滑に移動し得る構造を有する開口22が設けられる。
【0080】
図8および図11に示す本発明の単極形リニア直流モータは、第2のヨーク3に第1の起磁力発生部材15、第2の巻線7、第3の巻線8および第1の巻線12を装着することにより、薄型化および小型化を可能とするものであり、各種装置等への搭載および設置を容易にするものである。
【0081】
図9および図11に示す本発明の単極形リニア直流モータは、第1の起磁力発生部材15の低価格化および漏洩磁束の減少と、ロング・ストローク化とを可能とするものであり、第1の永久磁石25a、25b、25c、25d、25e、25f、25gの製造、着磁および第2のヨーク3への装着を容易にするものである。
【0082】
図10に示す本発明の単極形リニア直流モータは、大推力化を目的としたものであり、図6ないし図9に示す本発明の単極形リニア直流モータにおいても同様に構成し得るものである。
【0083】
図7に示す本発明の単極形リニア直流モータは、可動子11の小型化および軽量化と、可動子11の小型化および軽量化に伴う応答性の向上とを可能とするものである。
【0084】
一般に、本発明の単極形リニア直流モータは、従来の単極形リニア直流モータの大推力化、ロング・ストローク化および全ストロークに対する推力変動の減少を共に実現させるために、第2の巻線7の巻数および巻線抵抗等の巻線仕様と、第3の巻線8の巻数および巻線抵抗等の巻線仕様とを同一に構成し、第2の巻線7および第3の巻線8に同じ大きさの電流を流して運転される。
【0085】
本発明の単極形リニア直流モータにおいて、第2の巻線7の巻線仕様と第3の巻線8の巻線仕様とが同一に構成される際、第2の巻線7と第3の巻線8とを並列に接続し、同一電源より電力を供給することが可能となり、サーボ制御にて運転する際、第2の巻線7、第3の巻線8、および第1の巻線12をそれぞれ並列に接続し、同一電源より電力を供給することによりサーボ制御回路の低価格化が可能となる。
【0086】
しかし、第2の巻線7および第3の巻線8の非通電時における、可動子11が空間21、21a、22aの一方の端部から中央部まで移動する際の推力の変化の割合と、可動子11が空間21、21a、22aの中央部から他方の端部まで移動する際の推力の変化の割合とが大きく異なる場合には、第2の巻線7に流れる電流の大きさと第3の巻線8に流れる電流の大きさとを、それぞれ変化させることにより、推力変動の減少を向上させることが可能になり、更に、その使用目的にあわせた推力特性を容易に設定し得るものである。
【0087】
通常、第2の巻線7および第3の巻線8は、製造および組立の簡略化を目的として、それぞれ複数の巻線を所定数並列あるいは直列に接続して構成される。第1の巻線12、第2の巻線7および第3の巻線8は、小型化および軽量化を目的として、自己融着線によりボビンレス構造に構成される。
【0088】
スキャナー装置は、満足し得る性能が得られてい無い唯一のOA機器であり、その原因は脈動の無い直線運動と超低速度運動とを共に実現することが困難である点である。移動部の超低速度移動および超高速度復帰を必要とするスキャナー装置において、脈動の無い推力の発生と広範囲の速度制御とが可能な単極形リニア直流モータは移動部の駆動に最適なモータであるが、ロング・ストローク化が困難であり移動部の駆動源としての使用が不可能であった。しかし、脈動の無い推力の発生、ロング・ストローク化および広範囲の速度制御を可能とする本発明の単極形リニア直流モータによりスキャナー装置の高性能化が可能となる。
【0089】
プロッター装置は、性能の向上が要望されているOA機器であり、移動部の繰り返し停止精度の向上が最も要望されている。移動部の高速移動および高精度の停止精度を必要とするプロッター装置において、脈動の無い推力の発生と高精度の位置制御および高速度運転とが可能な単極形リニア直流モータは移動部の駆動に最適なモータであるが、ロング・ストローク化が困難であり移動部の駆動源としての使用が不可能であった。しかし、脈動の無い推力の発生、ロング・ストローク化および高速度運転を可能とする本発明の単極形リニア直流モータにより、プロッター装置の高性能化が可能となる。
【0090】
スキャナー装置と同様に、脈動の無い推力での移動部の超低速度移動および超高速度復帰を必要とするカラーコピー装置においても、本発明の単極形リニア直流モータにより、高性能化が可能となる。
【0091】
本発明の単極形リニア直流モータは、従来の単極形リニア直流モータでは価格的に実用化が困難であった1[m]を越えるロング・ストローク化を可能とするものであり、脈動の無い推力の発生と高精度の位置制御を可能とする特徴から、従来困難とされていた各種光学機器、各種医療機器、各種検査装置等の振動を嫌う移動部の単極形リニア直流モータによる駆動が可能となる。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の単極形リニア直流モータは、従来の単極形リニア直流モータの大推力化、ロング・ストローク化および全ストロークに対する推力変動の減少を共に実現することを可能とするものである。大推力化は可動子11を構成する第1の巻線12の大電流化により図られ、大推力化に伴い可動子11の小型化および軽量化が可能となり、可動子11の小型化に伴いストロークが増加し、可動子11の軽量化に伴い応答性が向上する効果がある。更に、可動子11の小型化に伴い第1の起磁力発生部材15、15a、15bを構成する第1の永久磁石25、25a〜25gのパーミアンス係数の増加が可能となり、パーミアンス係数の増加に伴い第1の永久磁石25、25a〜25gの体積の減少が可能になり、第1の永久磁石25、25a〜25gの体積の減少に伴い固定子1の小型化および軽量化が可能となる。ロング・ストローク化および全ストロークに対する推力変動の減少は、第2の巻線7および第3の巻線8を固定子1の一部に巻装することにより図られ、固定子1の小型化、軽量化および低価格化が可能となり、従来の単極形リニア直流モータでは価格的に実用化が困難であった1[m]を越えるロング・ストローク化を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の単極形リニア直流モータの断面図である。
【図2】図1に示す従来の単極形リニア直流モータの推力特性図である。
【図3】本発明の単極形リニア直流モータの第1の実施例の断面図である。
【図4】本発明の単極形リニア直流モータの推力特性図である。
【図5】本発明の単極形リニア直流モータの推力特性図である。
【図6】本発明の単極形リニア直流モータの第2の実施例の断面図である。
【図7】本発明の単極形リニア直流モータの第3の実施例の断面図である。
【図8】本発明の単極形リニア直流モータの第4の実施例の断面図である。
【図9】本発明の単極形リニア直流モータの第5の実施例の断面図である。
【図10】本発明の単極形リニア直流モータの第6の実施例の断面図である。
【図11】本発明の単極形リニア直流モータの第7の実施例の断面図である。
【図12】本発明の単極形リニア直流モータの第7の実施例の他の断面図である。
【符号の説明】
1 固定子
2 第1のヨーク
3、3a、3b 第2のヨーク
4a、4b 第3のヨーク
7 第2の巻線
8 第3の巻線
11 可動子
12 第1の巻線
15、15a、15b 第1の起磁力発生部材
16、16a、16b 第2の起磁力発生部材
17、17a、17b 第3の起磁力発生部材
21、21a、21b 空間
22 開口
23 推力伝達部材
25、25a〜25g 第1の永久磁石
26、26a、26b 第2の永久磁石
27、27a、27b 第3の永久磁石
31、31a、31b 第1の閉磁路
32、32a、32b 第2の閉磁路
35a、35b 第3のヨーク
36a、36b 第4のヨーク
37a〜27f スペーサ

Claims (1)

  1. 第1のヨーク及び第2のヨークを所定の距離を隔て相対して配置し、その相対面に少なくとも二つの閉磁路を形成し、第1の巻線を有する可動子を備えた単極形リニア直流モータにおいて、
    第1のヨーク又は第2のヨークの相対する面の可動子の移動範囲に固着されかつ相対面方向に着磁された永久磁石と、第1のヨーク及び第2のヨークの両端部に固着され、相対面方向に着磁された永久磁石と、第1のヨークの中央部から端部までの範囲に巻装される第2の巻線と、第1のヨークの中央部から他の一方の端部までの範囲に巻装される第3の巻線とから構成され、第1乃至第3の巻線に所定の電流を流すことによって可動子を移動させることを特徴とする単極形リニア直流モータ。
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