JPH07196882A - 合成樹脂製品 - Google Patents

合成樹脂製品

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JPH07196882A
JPH07196882A JP24994A JP24994A JPH07196882A JP H07196882 A JPH07196882 A JP H07196882A JP 24994 A JP24994 A JP 24994A JP 24994 A JP24994 A JP 24994A JP H07196882 A JPH07196882 A JP H07196882A
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methacrylic
polymer
resin
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methyl methacrylate
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Kenzo Murata
賢三 村田
Yoshio Tadokoro
義雄 田所
Yoshiki Matsumoto
歓喜 松本
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】熱溶着法により2個以上の樹脂成形体を接合し
てなる合成樹脂製品において、少なくとも1個の樹脂成
形体が、メタアクリル系樹脂20〜99重量%と下記
(a)〜(e)で規定されるメタアクリル系二層構造重
合体1〜80重量%との混合物からなるメタアクリル系
樹脂組成物で構成される合成樹脂製品。(a)メタアク
リル酸メチル単位(MMA)を主成分とする粘度平均分
子量(Mv)50万〜500万の重合体、または多官能
単量体0.1〜10重量%を含むMMA単位を主成分と
する重合体からなる内層。(b)MMA単位を主成分と
するMv5万〜30万の重合体からなる外層。(c)内
層と外層との重量比が、1:9〜9:1。(d)ガラス
転位温度が、50〜120℃。(e)平均粒径が、20
0〜5000Å。 【効果】接合部の信頼性が高く、デザインの自由度が大
きく、さらに低コスト化が可能で、生産工程においてア
ニール処理が不要。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の樹脂組成物から
形成される樹脂成形体を少なくとも1個含む2個以上の
樹脂成形体を熱溶着法により接合してなる合成樹脂製品
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車用のランプケース、計
器ハウジング、各種の屋外用の照明カバーや表示装置カ
バーなどは、透光性、耐候性に優れたメタアクリル樹脂
製カバーと、光源や計器類を組み付けたABS樹脂また
はポリプロピレン樹脂製ボックスとを接着剤で接合した
り、機械的に接合したりしたものが知られている。しか
しながら、これらの製品は、溶剤や温度・湿度等の変化
に対して弱いため、自動車部品や屋外用の照明カバーに
使用するには耐久性が不十分であった。
【0003】そこで最近、接合部の信頼性が高く、デザ
インの自由度が大きく、さらに低コスト化が可能な2種
以上の樹脂成形体を熱溶着法により接合した上記カバー
類の使用が試みられているが、通常のメタアクリル系樹
脂で形成された成形品同士、またはこれと他の樹脂から
形成される成形体とを熱溶着法により接合することによ
り製造された合成樹脂製品は、接合部に歪みが生じ、そ
の結果、白化、クラック、マイクロクレーズ等のいわゆ
るクレージングが発生するという問題があった。接合部
における歪みの発生を防止する方法としては、アニール
処理が知られているが、アニール処理は80℃前後の高
温を保つ必要があるうえに、その処理に数時間〜数十時
間を要するため、工業生産においては効率面、およびコ
スト面で問題があった。また、樹脂材料面からもクレー
ジングの発生を抑制する、いわゆる耐クレージング性の
向上が試みられているが、樹脂成形体同士を熱溶着法で
接合した後、アニール処理を施すことなく使用し得る合
成樹脂製品は開発されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
接合部の信頼性が高く、デザインの自由度が大きく、さ
らに低コスト化が可能な熱溶着法により2種以上の樹脂
成形体を接合した樹脂製品であって、工業生産において
は、コスト面で問題があるアニール処理を施すことなく
使用し得る合成樹脂製品を開発すべく鋭意検討を重ねた
結果、本発明を完成させるに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、熱溶
着法により2個以上の樹脂成形体を接合してなる合成樹
脂製品において、少なくとも1個の樹脂成形体が、メタ
アクリル系樹脂20〜99重量%と下記(a)〜(e)
で規定されるメタアクリル系二層構造重合体1〜80重
量%との混合物からなるメタアクリル系樹脂組成物で構
成されることを特徴とする合成樹脂製品を提供するもの
である。 (a)メタアクリル酸メチル単位を主成分とする単量体
を重合して得られる粘度平均分子量50万〜500万の
重合体、または一分子中に炭素−炭素二重結合を2個以
上有する多官能単量体0.1〜10重量%を含むメタア
クリル酸メチル単位を主成分とする単量体を重合して得
られる重合体からなる内層。 (b)メタアクリル酸メチル単位を主成分とする単量体
を重合して得られる粘度平均分子量5万〜30万の重合
体からなる外層。 (c)内層と外層との重量比が、1:9〜9:1。 (d)ガラス転位温度が、50〜120℃。 (e)平均粒径が、200〜5000Å。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の合成樹脂製品は、熱溶着法により2個以上の樹脂
成形体を接合してなるものであり、そのうち少なくとも
1個の樹脂成形体は、メタアクリル系樹脂とメタアクリ
ル系二層構造重合体との混合物からなるメタアクリル系
樹脂組成物で構成されており、例えば、メタアクリル系
樹脂組成物からなる樹脂成形体同士の接合体、メタアク
リル系樹脂組成物からなる樹脂成形体とABS樹脂成形
体やポリプロピレン樹脂成形体などの他の熱可塑性樹脂
からなる成形体との接合体などを挙げることができる。
【0007】まず、メタアクリル系樹脂について説明す
る。メタアクリル系樹脂を構成する単量体としては、メ
タアクリル酸メチル単量体、またはメタアクリル酸メチ
ル単量体と共重合可能な他の単量体との混合物などが挙
げられる。
【0008】メタアクリル酸メチル単量体と共重合可能
な他の単量体としては、アルキル基の炭素数が1〜8の
アクリル酸アルキルエステル、スチレンに代表される芳
香族ビニル単量体、アクリロニトリル、アルキル基の炭
素数が2〜8のメタアクリル酸アルキルエステルなどが
挙げられる。単量体成分として、メタアクリル酸メチル
単量体とこのような他の単量体の混合物として使用する
場合、メタアクリル酸メチルの使用割合は、通常、70
重量%以上である。
【0009】メタアクリル系樹脂は、上記の単量体、ま
たは単量体混合物を、周知の方法、例えば乳化重合、懸
濁重合、塊状重合などで、バッチまたは連続方式により
製造することができる。
【0010】また、メタアクリル系樹脂は、耐衝撃強度
を向上させる目的で、メタアクリル系樹脂にアクリル系
ゴムまたはブタジエン系ゴムを含有せしめたゴム変性メ
タアクリル系樹脂として用いることも有効である。
【0011】アクリル系ゴムとしては、従来、数多くの
種類が知られているが、例えば、アクリル酸アルキルエ
ステルとスチレンまたはスチレン誘導体、及び一分子中
に炭素一炭素二重結合を二個以上有する多官能単量体と
を共重合して得られる架橋弾性体、該架橋弾性体にさら
にメタアクリル酸メチルを主成分とする単量体をグラフ
ト重合させて得られたもの、あるいは、特公昭55-27576
号公報、特開昭55-94917号公報、特公昭59-36645号公報
などに開示されているごとき、アクリル酸アルキルエス
テルとスチレンまたはスチレン誘導体、及び上記多官能
単量体からなる層と、メタアクリル酸メチルを主成分と
する層とを多段階的に重合して得られたものなどが挙げ
られる。
【0012】また、ブタジエン系ゴムとしては、例え
ば、ポリブタジエンにメタアクリル酸メチルやアクリル
酸アルキルエステル、またはスチレンをグラフト共重合
したもの、あるいは、特公昭55-27576号公報に開示され
ている様に、ブタジエンを含む単量体を重合した層とメ
タアクリル酸メチルを主成分とする層とを多段階的に重
合して得られたものなどが挙げられる。
【0013】ゴム変性メタアクリル樹脂中のゴム成分の
含有量は、通常、60重量%未満、好ましくは50重量
%未満である。耐衝撃強度をより向上させるためには、
通常、3重量%以上、好ましくは5重量%以上配合され
る。ゴム成分の含有量が、60重量%を超えると、耐熱
性、剛性度などの機械的性質が低下する場合がある。
【0014】該ゴム変性メタアクリル系樹脂は、ゴム成
分をメタアクリル系樹脂に、溶融混合したり、または、
ゴム成分の存在下に、メタアクリル酸メチル単量体と共
重合可能な単量体との混合物を重合することにより得る
ことができる。
【0015】次に、メタアクリル系二層構造重合体につ
いて説明する。メタアクリル系二層構造重合体は、核と
なる内層と、外層からなり、内層としては、次に示す
またはの構成のものが挙げられる。 メタアクリル酸メチル単位を主成分とする単量体を重
合して得られる粘度平均分子量が50万〜500万、好
ましくは200万〜500万の重合体から構成されるも
の。 一分子中に炭素−炭素二重結合を2個以上有する多官
能単量体0.1〜10重量%を含むメタアクリル酸メチ
ル単位を主成分とする単量体を重合して得られる重合体
から構成されるもの。
【0016】内層を構成する単量体としては、メタア
クリル酸メチル単量体、およびメタアクリル酸メチル単
量体と共重合可能な、例えば、前記したような他の単量
体等の単量体などが挙げられる。主成分であるメタアク
リル酸メチル単量体が、全体の約60重量%以上含まれ
ていることが好ましい。
【0017】内層は、上記単量体を重合して得られ、
その粘度平均分子量は、通常、50万〜500万、好ま
しくは200万〜500万である。50万未満では、耐
クレージング性の向上が認められない場合があり、50
0万を超えると、耐クレージング性は問題ないが、重合
速度が低下する場合がある。なお、粘度平均分子量を調
整するため、必要に応じて、メルカプタン等の周知の重
合度調節剤を用いてもよい。
【0018】内層を構成する単量体としては、上記内
層に記載のものの他に、一分子中に炭素−炭素二重結
合を2個以上有する多官能単量体などが挙げられる。内
層は、これらの単量体を重合することにより得られる
架橋重合体からなる。ここで多官能単量体としては、エ
チレングリコールジメタクリレート、エチレングリコー
ルジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタ
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジビニ
ルベンゼントリアリルシアヌレート、アリルシンナメー
ト、アリルメタクリレート、ケイヒ酸アリル、アリルソ
ルベート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート等が
挙げられ、好ましくは、アリルメタクリレート、ケイヒ
酸アリル、1,3−ブチレングリコールジメタクリレー
ト等が挙げられる。多官能単量体は、内層を構成する
単量体全体に対して、通常、0.1〜10重量%含まれ
ており、0.1重量%未満、および10重量%を超えて
添加すると耐クレージング性の向上が認められない場合
がある。
【0019】上記2種類の内層は、いずれも耐クレージ
ング性の向上は良好であるが、粘度平均分子量が50万
〜500万、好ましくは200万〜500万である架橋
していない高分子重合体からなるものがより好ましい。
【0020】外層は、上記内層の外側にメタアクリル酸
メチルを主成分とする単量体を重合してなり、メタアク
リル系樹脂とメタアクリル系二層構造重合体との相溶性
を高め、応力等によるクレーズの発生や、機械的強度の
低下を防ぐ効果を有する。外層を構成する単量体として
は、メタアクリル酸メチル単量体、およびメタアクリル
酸メチル単量体と共重合可能な、例えば、前記したよう
な他の単量体等の単量体などが挙げられる。主成分であ
るメタアクリル酸メチル単量体が約70重量%以上含ま
れていることが好ましい。
【0021】外層は、上記単量体を重合して得られ、そ
の粘度平均分子量は、5万〜30万、好ましくは7万〜
20万である。粘度平均分子量が、5万未満では、耐ク
レージング性の向上が認められない場合があり、500
万を超えると、耐クレージング性には問題ないが、流動
性が低下し、成形加工性が不十分となる場合がある。な
お、粘度平均分子量を調整するため、必要に応じて、メ
ルカプタン等の周知の重合度調節剤を用いてもよい。
【0022】外層は、単一層でもよいし、二層以上の複
層で構成されてもよい。複層の場合は、例えば、上記し
た外層のさらに外側に、外層より粘度平均分子量が小さ
い重合体を配した構造のものなどが好ましい。
【0023】内層と外層との量比は1:9〜9:1であ
る。内層が外層の10%未満になると、耐クレージング
性が十分でないだけでなく、流動性が下がり成形加工性
が低下する場合があり、また逆に外層が内層の10%未
満になると、応力によりクレーズが生じるなど機械的強
度の低下を引き起こす場合がある。
【0024】メタアクリル系二層構造重合体のガラス転
移温度は、機械的性質および耐熱性を維持する上で高い
ほど好ましく、通常、50〜120℃、好ましくは80
〜120℃である。ガラス転移温度は、構成単量体のう
ちメタアクリル酸メチルの含量が多い程高くなるため、
メタアクリル酸メチル単量体と共重合可能な他のエチレ
ン系不飽和単量体の種類、含量を上記範囲内で調整する
ことにより変えることが可能である。
【0025】メタアクリル系二層構造重合体の粒子径
は、200〜5000Å、好ましくは、1000〜45
00Åの範囲である。粒子径が、200Åより小さい
と、メタアクリル樹脂組成物の流動性が低下する場合が
あり、5000Åより大きいと、成形品表面での肌荒れ
現象が起こる場合がある。
【0026】メタアクリル系二層構造重合体は、例え
ば、周知の乳化重合による逐次二段階重合法により、最
初に核となる内層を重合し、続いて、内層存在下に外層
の成分を重合する乳化重合により容易に製造することが
できる。
【0027】重合開始剤は、通常、用いられているもの
であれば特に限定されることはなく、例えば、過硫酸
塩、過硝酸塩等の無機系重合開始剤、またはそれらと亜
硫酸塩の如き還元剤との組み合わせたレドックス系重合
開始剤、有機ヒドロパーオキサイド−第一鉄塩、有機ヒ
ドロパーオキサイド−ソジウムホルムアルデヒドスルホ
キシレート等のレドックス系重合開始剤、ベンゾイルパ
ーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の重合開
始剤などを使用することができる。
【0028】乳化剤も、通常、用いられているものであ
れば特に限定されることはなく、例えば、長鎖アルキル
カルボン酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩などを使用することができ
る。
【0029】メタアクリル系二層構造重合体の粒子径
は、乳化剤の濃度など乳化条件により調整することが可
能であるが、乳化剤は過剰に使用すると二層構造の形成
を阻害する場合もあり、適宜調整して使用することが好
ましい。
【0030】粒子径の測定は、重合終了時のラテックス
状態での顕微鏡観察法、吸光度法、静的光散乱法、動的
光散乱法、遠心沈降法等の既知の方法により測定するこ
とが可能である。
【0031】メタアクリル系二層構造重合体の重合温度
は、通常、30〜120℃程度である。
【0032】メタアクリル系樹脂とメタアクリル系二層
構造重合体との混合比は、通常、メタアクリル系樹脂2
0〜99重量%に対して、メタアクリル系二層構造重合
体1〜80重量%であり、好ましくは、メタアクリル系
樹脂50〜95重量%に対して、メタアクリル系二層構
造重合体5〜50重量%である。該二層構造重合体が1
重量%未満の場合は、耐クレージング性の改良効果が低
い場合があり、80重量%を超える場合は、流動性が低
下し、加工性が低下する場合がある。
【0033】メタアクリル系樹脂とメタアクリル系二層
構造重合体とを混合する方法としては、均一に混合でき
れば特に制限はなく、通常、樹脂の混合に用いられる方
法が全て適用できる。
【0034】例えば、 (1) ゴム成分を含有してもよいメタアクリル系樹脂のペ
レットや粉末とメタアクリル系二層構造重合体とを、ま
たはメタアクリル系樹脂ペレットや粉末、好ましくは粉
粒体と、変性用ゴム成分及びメタアクリル系二層構造重
合体とを、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサーなどで
混合した後、ミキシングロール、スクリュー型押出機な
どを用いて、150〜300℃で溶融混合する (2) メタアクリル系樹脂を構成する単量体またはそのシ
ロップ中に、メタアクリル系二層構造重合体を分散させ
る (3) 変性用ゴム成分ゴムのラテックスに、メタアクリル
系二層構造体のラテックスをブレンドした後、樹脂分を
分離、その樹脂分とメタアクリル系樹脂とを溶融混合す
る方法、または前記2種類のラテックスとメタアクリル
系樹脂のラテックスをブレンドした後、樹脂分を分離す
ることにより混合する などの方法が挙げられる。なお、上記混合の際には、必
要に応じて、安定剤、滑剤、可塑剤、染顔料、充填剤等
を添加してもよい。
【0035】メタアクリル系樹脂とメタアクリル系二層
構造重合体との混合物は、塊状重合、懸濁重合などの方
法により重合して樹脂成形体とすることができる。
【0036】樹脂成形体同士の接合は、熱溶着法により
実施され、該熱溶着法としては、例えば、熱板融着法、
熱風溶着法、高周波誘導加熱溶着法、超音波溶着法、フ
リクション溶着法、バイブレーション溶着法、スピン溶
着法などが挙げられる。
【0037】
【発明の効果】メタアクリル系樹脂組成物から構成され
る樹脂成形品を少なくとも1個含む2個以上の樹脂成形
品を熱溶着法により接合することにより、接合部の信頼
性が高く、デザインの自由度が大きく、さらに低コスト
化が可能で、生産工程においてアニール処理が不要とな
る合成樹脂製品を提供することが可能となる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により、詳細に説明す
るが、本発明が実施例により限定されるものでないこと
は言うまでもない。実施例中に用いる略号は下記の如く
である。 メタアクリル酸メチル: MMA アクリル酸エチル: EA アクリル酸ノルマルブチル: BA メタアクリル酸アリル: AMA スチレン: ST クメンハイドロパーオキサイド: CHP ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ: NaDD
BS
【0039】実施例で示す物性の測定法は以下の通りで
ある。 ・粘度平均分子量Mvは、JIS Z8803の方法に
より測定した溶液粘度より下記の式により求めた。 ηSP/C=〔η〕(1÷0. 4〔η〕・C) 〔η〕=4. 8×10-5(Mv)0.8 ただし、ηSP/C :還元粘度(dl/g) 〔η〕 :固有粘度 C :溶液濃度(g/dl) Mv :粘度平均分子量 ・耐クレージング性は、熱溶着した製品の接合部をエタ
ノールを浸けたガーゼで3回ワイピングし、その後自然
乾燥1時間、40℃、1時間の熱風乾燥をした後肉眼で
白化、クラックあるいはマイクロクレーズの有無を検査
する工程を1サイクルとして、該工程を5回繰り返し評
価した。 ・流動性(MI)は、ASTMーD1238の方法によ
り、230℃、3.8kgの荷重、10分で測定した。
(g/10分) ・粒径は超微粒子粘度分析計(日機装株式会社 BIー
90S)を用いて測定した。 ・ガラス転移点温度は、示差走査熱量計(精工電子工業
社製DS−10)を、用いて測定した。 ・加工装置としては、ベント型スクリュー型押出機は、
田辺プラスチック機械(株)製30mm押出機を用い、
射出成形機は、(株)ファナック製オートショット15
0D(型締め力150ton)を用いた。
【0040】実施例1 (a)メタアクリル系二層構造重合体の製造 ガラス製の5リットルの冷却機付き反応容器内に、イオ
ン交換水1740g、NaDDBS 30g、ロンガリ
ット 0. 6gを仕込み、窒素気流下で撹拌後、CHP
0. 1%を溶解させたMMA 366g、EA 15
gを仕込んだ。つづいて撹拌しながら70℃に昇温し、
45分撹拌を続けた後、CHPを0. 1%溶解させたM
MA 1080g、EA 45gの混合物を100分間
にわたって添加した。添加終了後、更に60分撹拌を続
け内層の重合を完了した。このラテックスのごく少量を
抜き出し、水分を蒸発させ、樹脂分を乾固させた後、溶
液粘度を測定し内層の粘度平均分子量を求めたところ
1, 900, 000であった。
【0041】引き続きCHPを0. 1%とラウリルメル
カプタンを0. 4%溶解させたMMA360g、EA1
5gの混合物を60分間にわたって添加した。添加終了
後更に60分撹拌を続け外層の重合を完了した。
【0042】この重合体の粒子径を測定したところ1,
500Åであった。得られたラテックスを0. 5%塩化
アルミニウム水溶液に投入して重合体を凝集させた。こ
れを温水にて5回洗浄後、乾燥して、二層構造重合体と
した。得られた二層構造重合体のガラス転移温度は、1
04℃であった。
【0043】なお、前記外層を形成させる前記混合物を
別途内層が無いこと以外は同一の条件にて重合させた。
得られた重合体の粘度平均分子量は、110, 000で
あった。
【0044】(b)メタアクリル樹脂組成物の製造 通常の懸濁重合して得られるメタアクリル酸メチル単位
96重量%とアクリル酸エチル単位4重量%からなる分
子量80, 000のメタアクリル樹脂粉粒体と、上記
(a)で得られた二層構造重合体とを表1に示す割合で
ヘンシェルミキサーにより混合したのち、ベント付きス
クリュー型押出機を用いてシリンダー温度220〜27
0℃で溶融混合しペレット化した。
【0045】(c)樹脂成形体の製造 (b)で得られたペレットを80℃で5時間乾燥した
後、射出成形機により260℃の温度で図1に示す形状
の成形体を成形した。接合する相手材は、ABS樹脂
(住友ダウ(株)クララスチックMH)で成形体と同
一形状の成形体である。
【0046】(d)樹脂製品の製造 (c)で得られた成形体の接合部を370℃のホット
プレート上で加熱溶融後、同様にして別の180℃のホ
ットプレート上で加熱溶融した成形体の接合部同士を
4〜5kg/cm2 の圧力で圧着して樹脂製品とし、耐
クレージング性を評価した。
【0047】実施例2、3 実施例1(b)のメタアクリル樹脂組成物の製造におい
て、該メタアクリル樹脂粉粒体と該メタアクリル系二層
構造重合体とを表1に示す割合で用いた以外は実施例1
と同様に行った。結果を表1に示す。
【0048】実施例4 実施例1と同様にして粘度平均分子量1, 900, 00
0の内層を得、これに引き続きCHPを0. 1%とラウ
リルメルカプタンを0. 6%溶解させたMMA360
g,EA 15gの混合物を60分間にわたって添加し
た。添加終了後更に60分間撹拌を続け、外層の重合を
完了した。
【0049】この重合体の粒子径を測定したところ1,
500Åであった。得られたラテックスを0. 5%塩化
アルミニウム水溶液に投入して重合体を凝集させた。こ
れを温水にて5回洗浄後、乾燥して、メタアクリル系二
層構造重合体とした。得られたメタアクリル系二層構造
重合体のガラス転移温度は、103℃であった。
【0050】なお、前記外層を形成させる前記混合物を
別途内層が無いこと以外は同一の条件にて重合させた。
得られた重合体の粘度平均分子量は、80, 000であ
った。
【0051】上記のようにして得たメタアクリル系二層
構造重合体を実施例1におけるメタアクリル系二層構造
重合体に代えて用いる以外は実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
【0052】実施例5 ガラス製の5リットルの冷却機付き反応容器内に、イオ
ン交換水1740g、NaDDBS 30g、ロンガリ
ット 0. 6gを仕込み、窒素気流下で撹拌後、CHP
0. 1%を溶解させたMMA 358g、EA 15
gと、AMA7. 5gを仕込んだ。つづいて撹拌しなが
ら70℃に昇温し、45分撹拌を続け内層の重合を完了
した。
【0053】引き続きCHPを0. 1%溶解させたMM
A 1430g、EA 55gの混合物を60分間にわ
たって添加した。添加終了後更に60分撹拌を続け外層
の重合を完了した。
【0054】この重合体の粒子径を測定したところ1,
380Åであった。得られたラテックスを0. 5%塩化
アルミニウム水溶液に投入して重合体を凝集させた。こ
れを温水にて5回洗浄後、乾燥して、メタアクリル系二
層構造重合体とした。得られたメタアクリル系二層構造
重合体のガラス転移温度は、104℃であった。
【0055】実施例1におけるメタアクリル系二層構造
重合体に代えて、上記のメタアクリル系二層構造重合体
を用いる以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に
示す。
【0056】実施例6、7 実施例5において、該メタアクリル樹脂粉粒体と該メタ
アクリル系二層構造重合体とを表1に示す割合で用いた
以外は実施例5と同様に行った。結果を表1に示す。
【0057】実施例8 (a)アクリル系ゴムの製造 特公昭55−57576号の実施例に記載の方法に準拠
して三層構造からなるアクリル系ゴムを製造した。ガラ
ス製の5リットルの反応容器に、イオン交換水1700
g、炭酸ナトリウム 0. 7g、過硫酸ナトリウム
0. 3gを仕込み、窒素気流下で撹拌後、ペレックスO
T−P(花王製界面活性剤)4. 46g、イオン交換水
150g、MMA 510gとAMA 0. 3gを仕
込んだ後75℃に昇温し150分間撹拌を続けた。
【0058】続いてBA 689g、ST 162g、
AMA 17gの混合物と過硫酸ナトリウム 0. 85
g、ペレックスOT−P 7. 4gとイオン交換水 5
0gの混合物を別の入口から90分間にわたり添加し、
さらに90分間重合を続けた。重合を完了後、さらに、
MMA 326g、EA 14gの混合物と過硫酸ナト
リウム 0. 34gを溶解させたイオン交換水 30g
を別の入口から30分間にわたって添加した。添加終了
後更に60分間保持し重合を完了した。本重合体の粒子
径は3800Åであった。得られたラテックスを0. 5
%塩化アルミニウム水溶液に投入して重合体を凝集させ
た。これを温水にて5回洗浄後、乾燥してアクリルゴム
を得た。
【0059】(b)ゴム変性メタアクリル樹脂の製造 実施例1の(b)で用いたのと同じメタアクリル樹脂粉
粒体と上記(a)で得られたアクリルゴムとを、60:
10の重量割合でヘンシェルミキサーにより混合した
後、ベント付きスクリュー型押出機を用いてシリンダー
温度220〜270℃で溶融混合し、ペレット化した。
【0060】(c)メタアクリル樹脂組成物の製造 上記(b)で得られたゴム変性メタアクリル樹脂70重
量部と、実施例1の(a)で得られたメタアクリル系二
層構造重合体30重量部をヘンシェルミキサーにより混
合した後、ベント付きスクリュー型押出機を用いてシリ
ンダー温度220〜270℃で溶融混合しペレット化し
た。このペレットを、実施例1の(c)(d)と同様に
して樹脂製品を作り耐クレージング性を評価した。結果
を表1に示す。
【0061】実施例9 (a)メタアクリル樹脂組成物の製造 実施例8の(b)で得られたゴム変性メタアクリル樹脂
70重量部と、実施例5の(a)で得られたメタアクリ
ル系二層構造重合体30重量部をヘンシェルミキサーに
より混合した後、ベント付きスクリュー型押出機を用い
てシリンダー温度220〜270℃で溶融混合しペレッ
ト化した。このペレットを、実施例1の(c)(d)と
同様にして樹脂製品を作り耐溶剤性を評価した。結果を
〔表1〕に示す。
【0062】比較例1 実施例1(b)で用いたメタアクリル樹脂粉粒体のみ
を、実施例1と同様に行い評価した。結果を表1に示
す。
【0063】比較例2 実施例8(b)のゴム変性アクリル樹脂の製造におい
て、メタアクリル樹脂粉粒体とアクリルゴムとの混合割
合を80:20とし、本発明のメタアクリル系二層構造
重合体を含まない樹脂組成物とした以外は、実施例8と
同様に行った。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】成形体の説明図である。
【図2】合成樹脂製品の説明図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱溶着法により2個以上の樹脂成形体を接
    合してなる合成樹脂製品において、少なくとも1個の樹
    脂成形体が、メタアクリル系樹脂20〜99重量%と下
    記(a)〜(e)で規定されるメタアクリル系二層構造
    重合体1〜80重量%との混合物からなるメタアクリル
    系樹脂組成物で構成されることを特徴とする合成樹脂製
    品。 (a)メタアクリル酸メチル単位を主成分とする単量体
    を重合して得られる粘度平均分子量50万〜500万の
    重合体、または一分子中に炭素−炭素二重結合を2個以
    上有する多官能単量体0.1〜10重量%を含むメタア
    クリル酸メチル単位を主成分とする単量体を重合して得
    られる重合体からなる内層。 (b)メタアクリル酸メチル単位を主成分とする単量体
    を重合して得られる粘度平均分子量5万〜30万の重合
    体からなる外層。 (c)内層と外層との重量比が、1:9〜9:1。 (d)ガラス転位温度が、50〜120℃。 (e)平均粒径が、200〜5000Å。
  2. 【請求項2】メタアクリル系二層構造重合体が、下記
    (a)〜(e)で規定される請求項1記載の合成樹脂製
    品。 (a)メタアクリル酸メチル単位を主成分とする単量体
    を重合して得られる粘度平均分子量200万〜500万
    の重合体からなる内層。 (b)メタアクリル酸メチル単位を主成分とする単量体
    を重合して得られる粘度平均分子量7万〜20万の重合
    体からなる外層。 (c)内層と外層との重量比が、1:9〜9:1。 (d)ガラス転位温度が、80〜120℃。 (e)平均粒径が、1000〜4500Å。
  3. 【請求項3】メタアクリル系樹脂が、メタアクリル酸メ
    チル70重量%以上、およびこれと共重合可能な他の単
    量体からなる共重合体である請求項1または2記載の合
    成樹脂製品。
  4. 【請求項4】メタアクリル系樹脂が、アクリル系ゴムま
    たはブタジエン系ゴムを含むゴム変性メタアクリル系樹
    脂である請求項1または2記載の合成樹脂製品。
  5. 【請求項5】メタアクリル系樹脂組成物が、メタアクリ
    ル系樹脂50〜95重量%とメタアクリル系二層構造重
    合体5〜50重量%との混合物からなる請求項1または
    2記載の合成樹脂製品。
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