JP2003020377A - 複合樹脂組成物 - Google Patents
複合樹脂組成物Info
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Abstract
膨張係数が小さく、耐薬品性、耐候性に優れる複合樹脂
組成物。 【解決手段】 粒子径が100〜300nmでゲル含有
量が50〜95%の交叉結合を有し、アクリル酸エステ
ル系ゴム質重合体の存在下、芳香族ビニル単量体とシア
ン化ビニル単量体、共重合可能な他の単量体を重合して
なるグラフト重合体20〜70部と、芳香族ビニル単量
体とシアン化ビニル単量体、共重合可能な他の単量体を
共重合してなる硬質重合体80〜30部を配合し、該硬
質重合体中のシアン化ビニル単量体が30〜50%であ
る樹脂組成物であって、該樹脂組成物のアセトン可溶分
中のシアン化ビニル単量体単位含有量と、アセトン不溶
分中のゴム質重合体を除く単量体単位の総量に占めるシ
アン化ビニル単量体単位含有量との差が5%以上である
樹脂組成物100部に、無機質又は有機質充填剤を1〜
50部配合した複合樹脂組成物。
Description
性、剛性のバランスに優れ線膨張係数が小さく、しかも
耐薬品性、耐候性に優れる複合樹脂組成物に関する。
及び耐薬品性を示すことから車両外装用途や建材用途に
多く使用されてきた。近年、車両外装用途においては、
部品装着勘合部の隙間を小さくするため上記特徴ととも
に低線膨張を示す材料が要求されている。一方、建材用
途においては、大型、薄肉成形ができるよう耐衝撃性、
流動性、剛性バランスの改良が望まれている。元来、A
SA系樹脂は、ABS系樹脂に比べ耐衝撃性と流動性の
バランスを向上させるのが極めて難しく、苦肉の策とし
てASA系樹脂に少量のポリブタジエン等のゴムを添加
する方法が取られている。これら樹脂に無機充填剤等を
添加すると著しい、衝撃強度や流動性の低下を引き起こ
していた。無機充填剤等の樹脂との相溶性を改善するた
め表面改質等の手段が取られることもあるが、未だ満足
の行く樹脂材料は見出されていないのが現状である。
課題を解決するものとして、耐衝撃性と流動性、剛性の
バランスに優れ線膨張係数が小さく、しかも耐薬品性、
耐候性に優れる複合樹脂組成物を提供することにある。
均粒子径が100〜300nmで、ゲル含有量が50〜
95重量%の交叉結合を有し、アクリル酸エステル系ゴ
ム質重合体の存在下、芳香族ビニル単量体とシアン化ビ
ニル単量体、必要に応じて共重合可能な他の単量体をグ
ラフト重合してなるグラフト重合体(A)20〜70重
量部と、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体、
必要に応じて共重合可能な他の単量体を共重合してなる
硬質重合体(B)80〜30重量部を配合してなり、該
硬質重合体中のシアン化ビニル単量体が30〜50重量
%である樹脂組成物であって、該樹脂組成物のアセトン
可溶分中に占めるシアン化ビニル単量体単位含有量(R
A)と、アセトン不溶分中の、ゴム質重合体を除く単量
体単位の総量に占めるシアン化ビニル単量体単位含有量
(GA)との差(SA=RA−GA)が5重量%以上で
ある熱可塑性樹脂組成物100重量部に、無機質充填剤
又は有機質充填剤を1〜50重量部配合してなることを
特徴とする複合樹脂組成物が提供される。
いて詳細に説明する。
意検討した結果、特定の粒子径・粒子径分布を有するゴ
ム含有グラフト重合体と、特定組成のビニル単量体から
なる硬質重合体とを特定配合することにより、従来に全
く見られなかった特異な樹脂構造を有し、無機質充填剤
又は有機質充填剤を添加しても著しい衝撃強度、流動性
の低下を生じないことを見出し、本発明を完成させた。
構造とは、可逆的な網目構造を有した樹脂組成物であ
り、また、ここでいう網目構造とは、小粒子径グラフト
ゴムが凝集及び配列により3次元の網目状態になること
をいう。マトリックスを形成する樹脂の溶融温度以上で
網目構造は自由に変化できることから熱可逆的にあると
した。
体(A)は、重量平均粒子径が100〜300nmで、
ゲル含有量が50〜95%の交叉結合を有し、アクリル
酸エステル系ゴム質重合体の存在下、芳香族ビニル単量
体とシアン化ビニル単量体、必要に応じて共重合可能な
他の単量体をグラフト重合してなるグラフト重合体であ
る。
ては、具体的にはAAS樹脂等を例示することができ、
このグラフト重合体(A)中のゴム質重合体のゴム成分
は、アクリル酸エステル、例えば、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル又はアクリル酸オクチル等と、交叉結
合させるための多官能性単量体としての、トリアリルシ
アヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリ
ルホルマール、ジアリルフマレート、エチレングリコー
ルジメタクリレート又はプロピレングリコールジメタク
リレート等であり、これらのゴム成分を、重合開始剤と
して、例えば、過硫酸塩又はクメンハイドロパーオキサ
イド−ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等
のレドックス系の重合開始剤を用い、乳化重合法によ
り、ゲル含有率が50〜95重量%で、重量平均粒子径
が100〜300nmとなるように重合して得られるゴ
ム質重合体を用いる。
ゴム質重合体の粒子径は、特定の粒子径の範囲に入る必
要があり、すなわち、ゴム質重合体の重量平均粒子径
は、100〜300nmであり、好ましくは100〜2
00nmである。100nm未満では、衝撃性の改善効
果が低く、300nmを超えると衝撃性改善効果が低い
上に、光沢の低下が起こる。
のゲル含有率は、50〜95重量%であることが必須で
ある。ゲル含有率が50重量%未満又は95重量%を超
えると衝撃強度の低下が見られ、特にゲル含有率の低い
50重量%未満では光学特性や成形収縮が悪くなる。
の含有量は、好ましくは20〜90重量%である。20
重量%未満ではグラフト率が過大となり、また90重量
%を超えるとグラフト率が低下することにより、どちら
も衝撃強度が低下し易くなる。
質重合体の製造方法、粒子径の制御方法については、特
に制限はなく、いかなる重合方法、制御方法も採用でき
る。ゴム含有グラフト重合体に使用されるゴム質重合体
の粒子径は、比較的小さいが、例えば、乳化重合法によ
り得られた極小さな粒径(例えば、80nm程度)のゴ
ム質重合体を、酸等による化学的凝集法や、ホモミキサ
ー等による物理的凝集法等の公知の粒径肥大法を用いた
り、乳化重合に長時間かけて、粒子径を育成して大きな
粒径にする方法等が挙げられる。
るゴム質重合体は、上記乳化重合を行うにあたり、電解
質成分として添加するピロリン酸ソーダの添加量を制御
することにより、得られるゴム質重合体の重量平均粒子
径を調節することもできる。すなわち、この添加量が多
いと得られるゴム質重合体の重量平均粒子径が大きく、
少ないと小さくなる。また、ゲル化率は交叉剤により調
節することができる。
質重合体は、特定の粒子径、粒子径分布に入れば、必ず
しも単峰性である必要はなく、各ゴム質重合体内におい
て多峰性であってもよいが、生産効率等の観点から、で
きるだけ単峰性が好ましい。
るゴム質重合体は、カルボン酸系乳化剤を用いた乳化重
合にて製造されたゴム質重合体であることが好ましい。
カルボン酸系乳化剤を用いることにより、粒子径の制御
等が容易に行われる共に、耐候性の向上が図られる。
法については、塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合、懸
濁重合及び乳化重合等の通常公知重合方法も採用でき
る。この際のゴム質重合体成分、芳香族ビニル単量体成
分、シアン化ビニル単量体成分及び必要に応じて用いら
れるその他の共重合可能な単量体成分の配合比には特に
制限はなく、用途に応じて各成分が適宜に配合される。
乳化重合にて製造されたゴム質重合体を攪拌翼、ジャケ
ット付き反応器内に仕込み、次にグラフト重合させるビ
ニル系単量体の全量又は一部を数回に分けて、一括又は
連続して滴下し、攪拌させながら、40〜70℃にて、
5〜60分間放置した後、更に開始剤を添加する。これ
により、添加した単量体は、ゴム質重合体に含浸し、ゴ
ム質重合体内にて重合体となる。
される芳香族ビニル単量体成分としては、例えば、スチ
レン、α−メチルスチレン、o−,m−又はp−メチル
スチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジク
ロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレ
ン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、エチルスチレン及びビニルナフタレン等が挙げられ
るが、好ましくはスチレン及びα−メチルスチレンであ
り、これらの1種又は2種以上を使用することができ
る。また、シアン化ビニル単量体成分としては、例え
ば、アクリロニトリル及びメタアクリロニトリル等を挙
げることができ、これらの1種又は2種以上を使用する
ことができる。
造においては、上記の芳香族ビニル単量体成分、シアン
化ビニル単量体成分の他に、これらと共重合可能な単量
体を本発明の目的を損なわない範囲で使用することがで
きる。このような共重合可能な単量体としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸;メ
チル(メタ)アクリレート(「(メタ)アクリレート」
は「アクリレート及びメタクリレート」を示す)、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等の
α,β−不飽和カルボン酸エステル類;無水マレイン
酸、無水イタコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸無
水物類;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−o−クロ
ロフェニルマレイミド等のα,β−不飽和ジカルボン酸
のイミド化合物類等を挙げることができ、これらの単量
体の1種又は2種以上を使用することができる。
ビニル単量体、シアン化ビニル単量体と必要に応じて用
いられる他の共重合可能な単量体を共重合してなり、硬
質重合体中のシアン化ビニル単量体含有量が30〜50
重量%である。
ニル単量体とシアン化ビニル単量体と、更に必要に応じ
て用いられる共重合可能な他の単量体は、ゴム含有重合
体にグラフトさせる単量体と同様な単量体が使用でき
る。
ン化ビニル単量体の含有量は、30〜50重量%であ
り、好ましくは35〜50重量%であり、特に好ましく
は40〜50重量%である。30重量%未満では、グラ
フト共重合体(A)との混合において、可逆的な樹脂構
造にならず、耐薬品性の効果が十分に発揮されず、50
重量%を超えると成形時に熱劣化や熱変色を起こす。
重合体(B)との混合比率は熱可塑性樹脂全重量を10
0重量部とすると、ゴム含有グラフト重合体を20〜7
0重量部配合し、好ましくは30〜70重量部、より好
ましくは30〜60重量部である。20重量部未満では
衝撃性が劣り、80重量部を超えると、光沢が悪化し易
くなる。また、ゴム含有グラフト重合体が20〜70重
量部配合されると、衝撃性と光沢の効果が発揮される。
樹脂組成物のアセトン可溶分中に占めるシアン化ビニル
単量体単位含有量(RA)と、アセトン不溶分中の、ゴ
ム質重合体を除く単量体単位の総量に占めるシアン化ビ
ニル単量体単位含有量(GA)との差(SA=RA−G
A)が5重量%以上であり、好ましくは10<SA<4
0(重量%)であり、特に好ましくは10<SA<30
(重量%)であり、最も好ましくは10<SA<25
(重量%)である。SAが5重量%未満であると耐薬品
性が低下し、40重量%以上であると、成形時に樹脂が
黄色に着色しまうという問題が発生し易い。
ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、中空ガラ
ス、炭素繊維、タルク、マイカ、金属繊維、ワラストナ
イト、カオリン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブテ
ン、酸化亜鉛ウィスカー、酸化マグネシウム、炭酸カル
シウム、チタン酸カリウムウィスカー、ロックフィラー
等が挙げられ、1種又は2種以上で使用することができ
る。これらの無機充填剤のうち、ガラス繊維や炭素繊維
の形状としては、5〜60μmの繊維径と30μm以上
の繊維長を有するものが好ましい。耐衝撃性の面からガ
ラス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維、タルク、金属繊
維及び酸化亜鉛ウィスカーが好ましい。
は、セルロース系物質等が挙げられ、木粉、紙、パル
プ、モミガラ及びバガス等の植物性物質、又はこれらの
粉砕品が挙げられる。セルロース系物質の形状として
は、粉末や繊維状等、あるゆるの形状が挙げられ、好ま
しくは粉末である。木粉としては、樹木の種類を特に限
定するものではなく、エゾマツ、トドマツ及びカラマツ
等のマツ類、ツガ、サクラ、スギ、ナラ、ヒノキ、シナ
ノキ、ブナ、ラワン及びモミ等が挙げられる。これらの
原木を裁断し製材する際に発生するノコくずやおがくず
及び細片等を粉砕したものが使用される。これらの粉末
は、通常50メッシュ以下の粉末にしたものが使用され
る。
用量は、本発明の(A)+(B)100重量部に対して
1〜50重量部であり、好ましくは1〜40重量部、更
に好ましくは1〜20重量部ある。1重量部未満では充
填剤の効果が低くなり線膨張係数が大きくなり易く、5
0重量部を超えると成形品表面外観、耐薬品性や耐衝撃
性が劣るので好ましくない。
説明するが、本発明は、これらの実施例により何らその
範囲を限定するものではない。尚、以下において、
「部」は重量部を意味するものとした。
子径は、日機装(株)製Microtrac Mode
l:9230UPAを用いて動的光散乱法より求めた。
得られる値は、重量平均(体積)粒子径と粒子径分布、
粒子径分布の累積重量分布である。
トン中に投入し、24時間放置後、遠心分離器を用い
て、この溶液を15,000rpmで30分間遠心分離
して、可溶分と不溶分とを分離し、真空乾燥器にて乾燥
させた。
占めるシアン化ビニル単量体単位含有量(RA)と、ア
セトン不溶分中の、ゴム質重合体を除く単量体単位の総
量に占めるシアン化ビニル単量体単位含有量(GA)
は、C.H.N.コーダーを用いて、各元素分析値より
算出した。
の合成 耐圧容器に以下の材料を仕込み、 半硬化牛脂ソーダ石鹸 1.5部 ピロリン酸ナトリウム 0.3部 脱イオン水 200部 窒素気流下で、80℃まで昇温し、 ブチルアクリレート 100部 過硫酸カリウム 0.3部 トリアリルシアヌレート 0.3部 を4時間に亘って滴下し、重合させた。滴下終了後、1
時間放置後、冷却して反応を終了させた。得られたラテ
ックス(Lx−1)は、固形分32.5重量%、平均粒
子径96nmであった。
アクリレートラテックス(Lx−1)100部(固形
分)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.15
部を添加した。その後、5%酢酸水溶液を30分間に亘
って連続的に、合計60部の酢酸水溶液を滴下した。酢
酸水溶液の滴下終了後に、10%水酸化ナトリウム水溶
液を10分間に亘り、連続的に滴下した。滴下終了後の
ラテックスの平均粒子径は180nmであり、塊状物は
0.05重量%であった(BLx−1)。
と反応時間を変更した以外は、実施例1と同様にしてラ
テックス(BLx−2)及び(BLx−3)を作製し
た。得られたゴム質重合体含有ラテックスの平均粒子径
はそれぞれ、265nm、380nmであった。
(A−1)の合成 実験例1にて得られたラテックス(BLx−1)を用い
て、以下の配合にてゴム含有グラフト重合体を合成し
た。
ソーダ石鹸、水酸化カリウム及びポリブチルアクリレー
ト・ラテックスを仕込み、60℃に加熱後、硫酸第一
鉄、ピロリン酸ナトリウム及び結晶ブドウ糖を添加し、
60℃に保持したままスチレン、アクリロニトリル及び
クメンハイドロパーオキサイドを2時間かけて連続添加
し、その後70℃に昇温して1時間保って反応を完結し
た。かかる反応によって得た重合体を硫酸により凝固
し、充分水洗後、乾燥してゴム含有グラフト共重合体
(A−1)を得た。
(A−2)の合成 BLx−1の代わりに、BLx−2のラテックスを用い
て、アクリロニトリル13部、スチレン27部に変更し
た以外は、合成例2と同様にして合成し、ゴム含有グラ
フト重合体(A−2)を得た。
(A−3)の合成 BLx−1の代わりに、BLx−3のラテックスを用い
て、アクリロニトリル12部、スチレン28部に変更し
た以外は、合成例2と同様にして合成し、ゴム含有グラ
フト重合体(A−3)を得た。
させた。得られたラテックス(Lx−2)は、固形分3
2.1重量%、平均粒子径75nmであった。
と反応時間を変更した以外は、実施例1と同様にしてラ
テックス(BLx−4)を作製した。得られたゴム質重
合体含有ラテックスの平均粒子径は290nmであっ
た。
(A−4)の合成 実験例3にて得られたラテックス(BLx−4)を用い
た以外は、合成例2と同様にして合成し、ゴム含有グラ
フト重合体(A−4)を得た。
ルホン酸ソーダ0.002部、ポリビニルアルコール
0.5部、アゾイソブチルニトリル0.3部と、アクリ
ロニトリル42部、スチレン58部からなるモノマー混
合物を加え、開始温度60℃として5時間加熱後、12
0℃に昇温し、4時間反応後、重合物を取り出した。転
化率は96%で、重量平均分子量は150,000であ
った。
マー混合物、t−DM1.0部を使用した以外は、合成
例5と同様にして重合を行った。得られた重合物は、転
化率:98%、重量平均分子量:90,000であっ
た。
マー混合物、t−DM0.01部を使用した以外は、合
成例5と同様にして重合を行った。得られた重合物は、
転化率:97%、重量平均分子量:151,000であ
った。
体、有機剤充填剤又は無機剤充填剤を表2に示す割合に
て、0.5部の滑剤(PRN−208)と共に混合され
た後、220℃で2軸押出機(日本製鋼(株)製:TE
X−44)にて溶融混練し、ペレット化した。ペレット
を4オンス射出成形機(日本製鋼(株)製)を用い、2
40℃にて成形を行い、必要なテストピースを作製し
た。評価結果を表2に示す。
2mmをベンディングホーム法試験治具に沿わして固定
後、試験片に薬液を塗布し、23℃の環境下で48時間
放置後、クレーズ及びクラックの発生有無を確認し、試
験治具の曲率から臨界歪み(%)を求めた;薬液として
は、 DOP(フタル酸ジオクチル) 花王(株):トイレマジックリン エステー化学(株):パワーズ を使用した。
(株)製:サンシャイン・スーパーロングライフ・ウエ
ザオメーターWEL−6XS−HCH−B)を用いて、
63±3℃、スプレー有りで耐候試験を2000時間行
い、照射後の色調変化(△E)を測定した。
の粒子径・粒子径分布を有するゴム含有グラフト重合体
と、特定組成のビニル単量体からなる硬質重合体とを特
定量配合し、かつグラフト重合体と硬質重合体とのシア
ン化ビニル単量体単位含有量の差(SA)が5以上の熱
可塑性樹脂組成物に、特定量の無機質充填剤又は有機質
充填剤を添加しても、耐衝撃性と流動性、剛性のバラン
スに優れ線膨張係数が小さく、しかも耐薬品性、耐候性
に優れる複合樹脂組成物が得られることが判った。
レン系樹脂ではできなかったほど、耐衝撃性と流動性、
剛性のバランスがとれていると共に、線膨張係数が小さ
く、耐薬品性、耐光性にも優れており、従来のスチレン
系樹脂、ゴム質重合体を含む熱可塑性樹脂組成物の欠点
を改良した画期的な、優れた成形材料である。その工業
的な実用価値は極めて大きなものがある。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量平均粒子径が100〜300nm
で、ゲル含有量が50〜95重量%の交叉結合を有し、
アクリル酸エステル系ゴム質重合体の存在下、芳香族ビ
ニル単量体とシアン化ビニル単量体、必要に応じて共重
合可能な他の単量体をグラフト重合してなるグラフト重
合体(A)20〜70重量部と、芳香族ビニル単量体と
シアン化ビニル単量体、必要に応じて共重合可能な他の
単量体を共重合してなる硬質重合体(B)80〜30重
量部を配合してなり、該硬質重合体中のシアン化ビニル
単量体が30〜50重量%である樹脂組成物であって、
該樹脂組成物のアセトン可溶分中に占めるシアン化ビニ
ル単量体単位含有量(RA)と、アセトン不溶分中の、
ゴム質重合体を除く単量体単位の総量に占めるシアン化
ビニル単量体単位含有量(GA)との差(SA=RA−
GA)が5重量%以上である熱可塑性樹脂組成物100
重量部に、無機質充填剤又は有機質充填剤を1〜50重
量部配合してなることを特徴とする複合樹脂組成物。 - 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂組成物に無機質充填剤
又は有機質充填剤を1〜40重量部配合した請求項1に
記載の複合樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記無機質充填剤がガラス繊維、ガラス
フレーク、炭素繊維、タルク、金属繊維及び酸化亜鉛ウ
ィスカーからなる群より選択される請求項1又は2に記
載の複合樹脂組成物。 - 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂組成物が可逆的な網目
構造を有する請求項1〜3のいずれかに記載の複合樹脂
組成物。
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