JPH07194331A - 食品粉末および/または食品ペーストを混入してなる豆腐の製造方法および豆腐 - Google Patents

食品粉末および/または食品ペーストを混入してなる豆腐の製造方法および豆腐

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JPH07194331A
JPH07194331A JP5353598A JP35359893A JPH07194331A JP H07194331 A JPH07194331 A JP H07194331A JP 5353598 A JP5353598 A JP 5353598A JP 35359893 A JP35359893 A JP 35359893A JP H07194331 A JPH07194331 A JP H07194331A
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food
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JP5353598A
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English (en)
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Nobumitsu Takagi
延光 高木
Takamasa Nagai
孝昌 永井
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RAIKUSU TAKAGI KK
Original Assignee
RAIKUSU TAKAGI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 豆乳に高栄養素等の食品粉末および/または
食品ペーストを均一混入してなる風味、食感、栄養価等
に優れた豆腐の製造方法とその豆腐を提供すること、な
らびに、豆乳に高栄養素等の食品粉末および/または食
品ペーストを均一混入してなる冷凍、レトルト加工、フ
リーズドライ加工に適し長期保存可能な風味、食感、栄
養価等に優れた豆腐の製造方法とその豆腐を提供するこ
と。 【構成】 以下(1)ないし(3)の溶液のいずれかに
高速攪拌処理を施して均一混合液を作成し、ついで該混
合液に脱気処理を施し、その後、凝固剤添加、容器への
充填、加熱処理、冷却を施す。 (1)豆乳に食品粉末および/または食品ペーストを加
えてなる溶液。 (2)豆乳に、食品粉末および/または食品ペースト、
デキストリンおよび/または澱粉を加えてなる溶液。 (3)豆乳に、食品粉末および/または食品ペースト、
デキストリンおよび/または澱粉、増粘多糖類を加えて
なる溶液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高栄養素等の食品を
含みかつ多様化する嗜好等に対応できる味、食感、風味
等を有する豆腐の製造方法ならびに豆腐に関する。さら
に詳しくは、この発明は、食品粉末および/または食品
ペーストを混入してなる通常豆腐、冷凍、レトルト加工
用ないしフリーズドライ加工用の豆腐の製造方法および
豆腐に関するものである。
【0002】
【従来の技術】豆腐は高蛋白食品であって、健康食品と
して有用であること等から、そのままあるいは様々な形
態に調理され食されている。ただ、豆腐は、ビタミン等
の栄養素が不足していること、および食生活、嗜好が多
様化し、変化してきていること等から、これ等に対応す
べく、豆腐にビタミン等の栄養素を含んだ野菜等の粉末
またはペーストを加えること等が行われている。
【0003】野菜等の粉末またはペースト等を混入した
豆腐を製造するには、豆乳にこれらを均一に混入させる
必要がある。しかし、豆乳の比重と野菜等の粉末または
ペーストの比重が異なることから、これらを豆乳に均一
に混入することは困難であった。すなわち、混ぜ合わせ
た後に野菜等の粉末またはペーストが表面に浮き上がっ
てきたり、製品中に粉末のダマが残ったり、ペーストの
局所的遍在等が生じたりし、豆腐の風味と、混入する野
菜等の味、食感、風味、色彩等が調和せず製品として十
分満足のゆく豆腐を製造することができなかった。
【0004】また、豆腐は、豆腐の性質を損なうことな
く長期の保存をすることが困難であって、そのため流通
形態が制限されたり利用範囲が限定されていた。食品の
長期保存方法としては一般に、冷凍方法、レトルト加工
方法、フリーズドライ加工方法等があるが、これ等の長
期保存方法を豆腐に適用しても満足のゆく結果が必ずし
も得られていない。すなわち、普通の豆腐を冷凍する
と、豆腐内部の離水した水が豆腐の気泡に浸入して凍結
するため解凍後の食感等が損なわれること、また豆腐の
蛋白質が変性し高野豆腐状になってしまうことから、解
凍後も冷凍以前の状態近くまで戻る豆腐を得ることは困
難であった。近年、冷凍豆腐として市販されているもの
もあるが、解凍後の食感はゼリーに近いものであった
り、固くなったりして、冷凍による長期保存が可能で、
解凍後においても豆腐本来の物性および食感等を維持す
る豆腐を得ることは困難であった。また、豆腐をレトル
ト加工すると、加熱によって豆腐中の気泡が膨張して気
泡孔やひび割れを生じ形状崩れを起こしたり、豆腐中の
蛋白質が熱変性、熱分解し、豆腐から水分が流出したり
水溶性蛋白質が流出したりして味、食感、風味、色彩、
見栄え、形状が悪くなってしまい豆腐を良好にレトルト
加工することが困難であった。そして、豆腐をフリーズ
ドライ加工した乾燥豆腐も、これを湯戻しした時、添加
物の味が表面に出易く、小さいサイズの豆腐なら気には
ならないが、大きなサイズの豆腐では食感的に満足でき
るものとはなっていない。
【0005】この発明の発明者は、鋭意研究を重ねた結
果、既に、冷凍、レトルト加工、フリーズドライ加工に
適し長期保存可能な豆腐について、発明を完成するに至
っている(特願平4−267494号、特願平4−31
3560号参照)。特願平4−267494号の発明
は、冷凍、レトルト加工に適した豆腐に関するものであ
って、豆乳に、デキストリンおよび/または澱粉を加え
てなる混合溶液に脱気処理を施すことを主な内容とする
ものである。特願平4−313560号の発明は、冷
凍、レトルト加工、フリーズドライ加工に適した豆腐に
関するものであって、豆乳に増粘多糖類を加えてなる溶
液に、澱粉を混合し、ついで該混合液に脱気処理を施す
ことを主な内容とするものである。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな従来技術の欠点を解決するために創案されたもので
あり、上記の発明を基にして、豆乳に高栄養素等の食品
粉末および/または食品ペーストを均一混入してなる風
味、食感、栄養価等に優れた豆腐の製造方法とその豆腐
を提供すること、ならびに、豆乳に高栄養素等の食品粉
末および/または食品ペーストを均一混入してなる冷
凍、レトルト加工、フリーズドライ加工に適し長期保存
可能な風味、食感、栄養価等に優れた豆腐の製造方法と
その豆腐を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】
(1)この発明の食品粉末および/または食品ペースト
を均一混入してなる風味、食感、栄養価等に優れた豆腐
の製造方法は、豆乳に食品粉末および/または食品ペー
ストを加えてなる溶液に高速攪拌処理を施して均一混合
液を作成し、ついで該混合液に脱気処理を施し、その
後、凝固剤添加、容器への充填、加熱処理、冷却を施す
ものである。
【0008】豆乳と食品粉末および/または食品ペース
トとの混合は、20℃以下に冷却されたBrix10〜
13の豆乳100重量部に対し、0.1〜1重量部の食
品粉末および/または1〜10重量部の食品ペーストを
加えることで行なわれるのが好ましい。また、高速攪拌
処理は、高速カッターによって1,750〜3,500
r.p.mの攪拌速度で行われるのが好ましい。ただ
し、これ以上の攪拌速度であればさらに均一に混合でき
るものと予測されるが、現状の高速カッターの攪拌速度
を越えることから確認はできていない。
【0009】そして、この発明の食品粉末および/また
は食品ペーストを均一混入してなる風味、食感、栄養価
等に優れた豆腐は、豆乳に食品粉末および/または食品
ペーストを加えてなる溶液に高速攪拌、脱気、凝固剤添
加、容器への充填、加熱、冷却が施されたものである。
【0010】(2)この発明の食品粉末および/または
食品ペーストを均一混入してなる冷凍、レトルト加工に
適し長期保存可能な風味、食感、栄養価等に優れた豆腐
の製造方法は、豆乳に、食品粉末および/または食品ペ
ースト、デキストリンおよび/または澱粉を加えてなる
溶液に高速攪拌処理を施して均一混合液を作成し、つい
で該混合液に脱気処理を施し、その後、凝固剤添加、容
器への充填、加熱処理、冷却を施すものである。
【0011】豆乳と食品粉末および/または食品ペース
ト、デキストリンおよび/または澱粉との混合は、20
℃以下に冷却されたBrix10〜13の豆乳100重
量部に対し、0.1〜1重量部の食品粉末および/また
は1〜10重量部の食品ペースト、1〜15重量部のデ
キストリンおよび/または澱粉を加えることで行われる
のが好ましい。また、高速攪拌処理は、高速カッターに
よって1,750〜3,500r.p.mの攪拌速度で
行われるのが好ましい。
【0012】そして、この発明の食品粉末および/また
は食品ペーストを均一混入してなる冷凍、レトルト加工
に適し長期保存可能な風味、食感、栄養価等に優れた豆
腐は、豆乳に、食品粉末および/または食品ペースト、
デキストリンおよび/または澱粉を加えてなる溶液に高
速攪拌、脱気、凝固剤添加、容器への充填、加熱、冷却
が施されたものである。
【0013】(3)この発明の食品粉末および/または
食品ペーストを均一混入してなる冷凍、レトルト加工、
フリーズドライ加工に適し長期保存可能な風味、食感、
栄養価等に優れた豆腐の製造方法は、豆乳に、食品粉末
および/または食品ペースト、デキストリンおよび/ま
たは澱粉、増粘多糖類を加えてなる溶液に高速攪拌処理
を施して均一混合液を作成し、ついで該混合液に脱気処
理を施し、その後、凝固剤添加、容器への充填、加熱処
理、冷却を施すものである。
【0014】豆乳と食品粉末および/または食品ペース
ト、デキストリンおよび/または澱粉、増粘多糖類との
混合は、20℃以下に冷却されたBrix10〜13の
豆乳100重量部に対し、0.1〜1重量部の食品粉末
および/または1〜10重量部の食品ペースト、1〜1
5重量部のデキストリンおよび/または澱粉、0.1〜
1.3重量部の増粘多糖類を加えることで行われるのが
好ましい。また、高速攪拌処理は、高速カッターによっ
て1,750〜3,500r.p.mの攪拌速度で行わ
れるのが好ましい。
【0015】そして、この発明の食品粉末および/また
は食品ペーストを均一混入してなる冷凍、レトルト加
工、フリーズドライ加工に適し長期保存可能な風味、食
感、栄養価等に優れた豆腐は、豆乳に、食品粉末および
/または食品ペースト、デキストリンおよび/または澱
粉、増粘多糖類を加えてなる溶液に高速攪拌、脱気、凝
固剤添加、容器への充填、加熱、冷却が施されたもので
ある。
【0016】以下、この発明についてさらに詳細に説明
する。
【0017】まず、この発明で使用可能な材料について
述べる。使用可能な豆乳に特別な制限はなく、通常の方
法によって得られたものならどのようなものでもよい。
例えば、丸大豆100kgを水に15時間浸漬した後水
切りし、加水しながら磨砕し呉汁を得た。得られた呉汁
を100℃で5分間加熱した後濾過しオカラを除去して
得た豆乳を用いることができる。なお、豆乳固形分が少
ないと豆腐の味が低下することがあり、また豆乳固形分
が多すぎると豆腐が凝固不足となることがあることか
ら、豆乳の濃度はBrix10〜13程度が好ましい。
もちろん、Brix10〜13以外の豆乳が一切使用で
きないわけではない。
【0018】食品ペーストとは天然野菜及び果物等の食
品を臼等で磨砕したものおよびそれを濃縮したものであ
り、食品粉末とは天然野菜及び果物等をペースト化した
後、フリーズドライまたは減圧乾燥等の方法によって乾
燥、粉末化し、水分率が極めて低い状態にあるものをい
う。
【0019】使用可能な澱粉には特に制限はなく、穀
類、芋類等を原料とする澱粉を使用することができる
が、澱粉の原料、使用量によって最終製品の味に強く影
響を与えるため、タピオカ澱粉を主として他の澱粉を併
用することが好ましい。
【0020】増粘多糖類とは、β−1,3−グルコシド
結合を主体とする加熱凝固性多糖類であり、例えば特公
昭48ー32674号公報に記載のアルカリゲネス・フ
ェカリス・バール・ミクソゲネス菌株10C3Kの異変
株NTK−u(IFO 13140)、アグロバクテリ
ム・ラジオバクター(IFO 13127)およびその
異変株U−19(IFO 13126)により生産され
る多糖類がある。
【0021】凝固剤としては、豆乳の凝固剤として通常
使用されているもの、すなわち、硫酸カルシウムや塩化
カルシウムのようなカルシウム塩、塩化マグネシウム、
にがり、グルコノデルタラクトン等、を使用することが
できる。
【0022】次にこれらの材料を使用した豆腐の製造方
法について説明する。
【0023】(I)この発明の食品粉末および/または
食品ペーストを均一混入してなる豆腐の製造方法は、以
下の工程からなる。
【0024】<豆乳製造工程>前述した通常の方法によ
ってBrix10〜13程度の豆乳を製造する。
【0025】<豆乳冷却工程>上記工程によって得られ
た豆乳を冷却装置に導いて20℃以下、好ましくは5℃
前後に冷却する。この冷却は後工程で使用する凝固剤の
種類によっても異なるが塩化マグネシウムの場合10℃
以下が必要条件であり、その他の凝固剤では20℃以下
でもよい。これは凝固剤の種類によって凝固反応速度が
異なるためであり、最終製品の出来上がりと密接な関係
がある。
【0026】<攪拌工程>上記工程で冷却された豆乳1
00重量部に対し、食品粉末の場合は0.1〜1重量
部、食品ペーストの場合は1〜10重量部を加え攪拌装
置によって高速攪伴し豆乳と食品粉末および/または食
品ペーストを均一に攪拌する。食品粉末の場合は、乾燥
状態であり、大量に使用すると豆腐の味が損なわれるた
め水分率を考慮して豆乳に加えることが必要であり、最
終製品への含有率が、生状態に換算して3〜20%程度
となるように調整することが望ましい。ペーストの場合
も同様であり、その水分率を勘案して最終製品への含有
率が3〜20%程度に調整することが望ましい。使用目
的によりそれ以下またはそれ以上の含有率とすることが
できるのはもちろんである。また、豆乳に食品粉末、食
品ペーストをそれぞれ単独に攪拌する場合だけに限られ
ず、必要に応じ食品粉末と食品ペーストとを同時に攪拌
することができるものである。
【0027】高速攪伴は、高速カッターを用い1,70
0r.p.m以上の攪拌速度で行うことが好ましく、
1,750r.p.m〜3,500r.p.mの攪拌速
度範囲で行うのが望ましい。高速カッターによる高速攪
拌に限らずその他の適当な攪拌装置が利用できることは
もちろんである。
【0028】高速攪拌時の温度は、前工程の豆乳温度、
環境温度等によって適宜決定される。高速攪拌時間は、
2〜5分が好ましい。
【0029】この高速攪拌により食品粉末および/また
は食品ペーストを豆乳に均一に混入することができる。
【0030】<脱気工程>上記攪拌工程で得られた豆乳
を真空脱気装置に導いて脱気処理し豆乳中の気泡を除去
する。脱気処理は既存の真空脱気装置を用いて行うもの
である。この際の減圧度は、0.05〜0.30気圧程
度であり、処理時間は、5〜30分程度である。
【0031】<凝固剤添加混合工程>脱気処理された豆
乳に前述の凝固剤を添加混合する。その添加量も通常添
加されている分量、すなわち、豆乳100重量部に対し
0.05〜0.5重量部を添加する。なお、凝固剤添加
混合は上記脱気工程時に行ってもよいものである。
【0032】<充填、密封包装工程>凝固剤を添加混合
された豆乳を、所定量ずつポリエチレンまたはその他の
耐熱性容器に充填し、容器を密封包装する。
【0033】<加熱凝固、殺菌工程>容器に密封された
豆乳を温水または熱水中、あるいは蒸気で加熱し凝固、
殺菌する。温水または熱水中での加熱凝固、殺菌は、常
法に従うものであって、凝固剤の種類、使用量等により
相違するが、80〜98℃、30〜60分間維持して行
う。
【0034】<冷却工程>上記加熱凝固、殺菌工程を経
た豆腐を、冷却槽で室温以下に冷却し、製品を得る。
【0035】このような工程を経ることにより、豆乳に
食品粉末および/または食品ペーストが均一に混入さ
れ、また豆乳より気泡が除去された、ダマ等のない、
味、食感、風味、色彩、見栄え等において満足できる豆
腐が得られる。
【0036】(II)この発明の食品粉末および/また
は食品ペーストを均一混入してなる冷凍、レトルト加工
に適し長期保存可能な風味、食感、栄養価等に優れた豆
腐の製造方法は、以下の工程からなる。
【0037】<豆乳製造工程>、<豆乳冷却工程>は、
前述(I)と同一なため説明を省略する。
【0038】<攪拌工程>豆乳100重量部に対し、食
品粉末の場合は0.1〜1重量部、食品ペーストの場合
は1〜10部、デキストリンまたは澱粉1〜15重量部
(好ましくは3〜12重量部)を加え前述(I)の攪拌
工程と同様に高速攪伴し、豆乳と食品粉末および/また
は食品ペースト、デキストリンおよび/または澱粉を均
一に混合する。
【0039】ここで加えるデキストリンおよび/または
澱粉は豆腐中で糊液を形成するものと思われる。豆腐を
冷凍すると、通常の豆腐ならば、豆腐内部の離水した水
が豆腐の気泡に浸入し、豆腐の蛋白質の冷凍変性と相俟
って、高野豆腐状になるものと思われるが、デキストリ
ンおよび/または澱粉が形成する糊液が、高野豆腐状に
なることを防ぐものと考えられる。従って、デキストリ
ンおよび/または澱粉の量があまり少ないと冷凍工程で
の豆腐蛋白質の冷凍変性等を防止できず高野豆腐状にな
り解凍後食感が悪くなる、またあまり多すぎてもデキス
トリンおよび/または澱粉の影響が強くですぎ豆腐の食
感が悪くなる。また、豆腐をレトルト加工すると、通常
の豆腐では、高温加圧殺菌処理により豆腐中の気泡が膨
張して気泡孔やひび割れを生じ形崩れしたり、豆腐中の
蛋白質が熱変性、または熱分解し、豆腐から水分および
水溶性蛋白質が流出してしまい固形分の多い豆腐になっ
たり、味、風味が低下したり、食感が悪くなったりする
が、デキストリンおよび/または澱粉が形成する糊液よ
って豆腐中の水、および水溶性蛋白質が豆腐外へ流出す
るのを防ぐことができるものと考えられる。また、デキ
ストリンおよび/または澱粉の量があまり少ないとレト
ルト加工工程での高温加圧処理で豆腐中の蛋白質が熱変
性、熱分解し、豆腐から水分および蛋白質が流出してし
まい固形分の多い豆腐になったり、味、風味が低下した
り、食感が悪くなったする。またあまり多すぎてもデキ
ストリンおよび/または澱粉の影響が強くですぎ豆腐の
食感が悪くなる。なお、デキストリンおよび/または澱
粉は、予め、少量の添加用豆乳に溶解させたものを高速
攪拌時に豆乳に加えるようにしてもよい。
【0040】高速攪伴は、高速カッターを用い1,70
0r.p.m以上の攪拌速度で行うことが好ましく、
1,750r.p.m〜3,500r.p.mの攪拌速
度範囲で行うのが望ましい。高速カッターによる高速攪
拌に限らずその他の適当な攪拌装置が利用できることは
もちろんである。
【0041】高速攪拌時の温度は、前工程の豆乳温度、
環境温度等によって適宜決定される。攪拌時間は、2〜
5分が好ましい。
【0042】この高速攪拌により食品粉末および/また
は食品ペースト、デキストリンおよび/または澱粉を豆
乳に均一に混入することができる。
【0043】<脱気工程>、<凝固剤添加混合工程>、
<充填、密封包装工程>、<加熱凝固、殺菌工程>、<
冷却工程>は、前述(I)と同一なため、説明を省略す
る。
【0044】このような工程を経ることにより、豆乳に
食品粉末および/または食品ペースト、デキストリンお
よび/または澱粉が均一に混入され、また豆乳より気泡
が除去された、ダマ等のない、味、食感、風味、色彩、
見栄え等において満足できる豆腐が得られる。この豆腐
をそのまま食に供することもできるが、冷凍、レトルト
加工する場合は、以下の工程を経るものである。
【0045】<冷凍工程>通常の食品冷凍と同様、−2
0℃以下の温度で1〜15時間冷凍処理を行う。なお、
冷凍機の種類により10分以下で冷凍することも可能で
ある。
【0046】冷凍された豆腐には、気泡孔やひび割れが
生じておらず、解凍後も冷凍前に比べ、味、食感、風
味、色彩、見栄え、形状において何等遜色のない豆腐を
得ることができる。
【0047】これは、この発明では、高速攪拌すること
で、豆乳と食品粉末および/または食品ペースト、デキ
ストリンおよび/または澱粉を均一に混入させ、脱気す
ることで、豆乳より気泡を除去させ、その後凝固させて
豆腐としている。そのため冷凍しても、豆腐内部の離水
した水が豆腐の気泡に浸入することがなく、また、デキ
ストリンおよび/または澱粉が糊液を形成することで、
高野豆腐状になることを防止することができるものと考
えられる。
【0048】<レトルト加工工程>通常のレトルト食品
の製造と同様F0値4以上になるよう高温加圧殺菌処理
を行う。
【0049】レトルト加工された豆腐には、気泡孔やひ
び割れが生じておらず、処理前に比べ、味、食感、風
味、色彩、見栄え、形状において何等遜色のない豆腐を
得ることができる。
【0050】これは、上記冷凍と同様、この発明では、
高速攪拌することで、豆乳と食品粉末および/または食
品ペースト、デキストリンおよび/または澱粉を均一に
混入させ、脱気することで、豆乳より気泡を除去させ、
その後凝固させて豆腐としている。そのためレトルト加
工しても、気泡が膨張して気泡孔やひび割れを生じるこ
とがなく、また、デキストリンおよび/または澱粉が糊
液を形成することで、豆腐中の水、および水溶性蛋白質
が豆腐外へ流出するのを防ぐことができ、味、食感、風
味、色彩、見栄え、形状が低下しないものと考えられ
る。
【0051】(III)この発明の食品粉末および/ま
たは食品ペーストを均一に混入してなる冷凍、レトルト
加工、フリーズドライ加工に適し長期保存可能な風味、
食感、栄養価等に優れた豆腐の製造方法は、以下の工程
からなる。
【0052】<豆乳製造工程>、<豆乳冷却工程>は、
前述(I)と同一なため説明を省略する。
【0053】<攪拌工程>豆乳100重量部に対し、食
品粉末の場合は0.1〜1重量部、食品ペーストの場合
は1〜10部、デキストリンまたは澱粉1〜15重量部
(好ましくは3〜12重量部)、増粘多糖類0.1〜
1.3重量部を加え前述(I)の攪拌工程と同様に高速
攪伴し豆乳と、食品粉末および/または食品ペースト、
デキストリンおよび/または澱粉、増粘多糖類を均一に
混合する。
【0054】デキストリンおよび/または澱粉を加える
根拠については、前述(II)に記載したため省略す
る。
【0055】増粘多糖類は、豆乳中でゲル化し豆乳を凝
固させる働きをする。そして、このゲル化による凝固
は、疎水結合によるものであり、増粘多糖類がゲル化す
ることと、デキストリンおよび/または澱粉が糊液を形
成することとは、後の冷凍、フリーズドライ加工、レト
ルト加工において、複合的に作用しあうものと思われ
る。すなわち、冷凍時またはフリーズドライ時における
豆腐内部の離水、および豆腐の蛋白質の冷凍変性が回避
されるものと考えられ、また、レトルト加工時において
豆腐中の水、および水溶性蛋白質が豆腐外へ流出するの
を防ぐことができるものと考えられる。
【0056】攪拌工程は、均一混合を容易にするため、
前もって(a)増粘多糖類を一次膨潤液の形に調整して
おくか、または(b)増粘多糖類を懸濁液の形に調整し
ておくことが好ましい。
【0057】(a)増粘多糖類を一次膨潤液の形に調整
しておく場合は、以下のような方法が採用できる。すな
わち、40℃の温水200重量部に増粘多糖類10重量
部の割合で高速カッターに入れ高速攪拌し、一次膨潤液
を調整する。一次膨潤液は必ずしも温水200重量部に
対し増粘多糖類10重量部である必要はなく、これに増
粘多糖類を少しづつ加えて20重量部以上の一次膨潤液
を調整してもよい。ただし、26重量部以上になると粘
度が高くなりすぎるきらいがあるため20重量部程度ま
でに調整しておくのが望ましい。この一次膨潤液を所定
量計量したものと、デキストリンおよび/または澱粉、
食品粉末および/または食品ペーストとを、豆乳に加え
高速攪拌する。一次膨潤液の所定量を豆乳に加える際、
増粘多糖類の固形分量を計算し所定の重量部になるよう
に計量する必要がある。
【0058】(b)増粘多糖類を懸濁液の形に調整して
おく場合は、以下のような方法が採用できる。すなわ
ち、通常温度の水200重量部に増粘多糖類10重量部
の割合で懸濁液を調整する。その懸濁液の増粘多糖類の
固形分量を計算し所定の重量部になるように計量したも
のを、豆乳冷却工程前の70℃程度の温豆乳に加え高速
攪拌する。その後、これに、氷、デキストリンおよび/
または澱粉を加え、豆乳温度が20℃以下になるように
し、さらに高速攪拌する。
【0059】増粘多糖類による凝固作用は増粘多糖類の
ゲル化強度によって変動し、これによって豆腐の固さが
変化する。使用する増粘多糖類の種類にもよるが、増粘
多糖類の配合比を0.1重量部未満とすると凝固が不十
分となり、製品としての豆腐が軟らかくなりすぎること
がある。また、増粘多糖類の配合比が、1.3重量部を
越えると、豆腐が硬くなりすぎる場合がある。
【0060】高速攪伴は、高速カッターを用い1,70
0r.p.m以上の攪拌速度で行うことが好ましく、
1,750r.p.m〜3,500r.p.mの攪拌速
度範囲で行うのが望ましい。高速カッターによる高速攪
拌に限らずその他の適当な攪拌装置が利用できることは
もちろんである。攪拌時間は、2〜5分が好ましい。
【0061】この高速攪拌により食品粉末および/また
は食品ペースト、デキストリンおよび/または澱粉、増
粘多糖類を豆乳に均一に混入することができる。
【0062】<脱気工程>、<凝固剤添加混合工程>、
<充填、密封包装工程>、<加熱凝固、殺菌工程>、<
冷却工程>は、前述(I)と同一なため説明を省略す
る。
【0063】このような工程を経ることにより、豆乳に
食品粉末および/または食品ペースト、デキストリンお
よび/または澱粉、増粘多糖類が均一に混入され、また
豆乳より気泡が除去された、ダマ等のない、味、食感、
風味、色彩、見栄え等において満足できる豆腐が得られ
る。この豆腐をそのまま食に供することもできるが、冷
凍、フリーズドライ加工、レトルト加工する場合は、以
下の工程を経るものである。
【0064】<冷凍工程>通常の食品冷凍と同様、−2
0℃以下の温度で1〜15時間冷凍処理を行う。なお、
冷凍機の種類により10分以下で冷凍することも可能で
ある。
【0065】冷凍された豆腐には、気泡孔やひび割れが
生じておらず、解凍後も冷凍前に比べ、味、食感、風
味、色彩、見栄え、形状において何等遜色のない豆腐を
得ることができる。
【0066】これは、この発明では、高速攪拌すること
で、豆乳と食品粉末および/または食品ペースト、デキ
ストリンおよび/または澱粉、増粘多糖類を均一に混入
させ、脱気することで、豆乳より気泡を除去させ、その
後凝固させて豆腐としている。そのため冷凍しても、豆
腐内部の離水した水が豆腐の気泡に浸入することがな
く、また、デキストリンおよび/または澱粉が糊液を形
成し、増粘多糖類がゲルを形成し、これらが複合的に作
用しあうことで、高野豆腐状になることを防止すること
ができるものと考えられる。
【0067】<フリーズドライ加工>通常のフリーズド
ライと同様、豆腐を所定の大きさにカットした後フリー
ズドライ用釜に入れ真空下で60℃以下の温度で20〜
21時間フリーズドライ加工を行う。
【0068】フリーズドライされた豆腐は、湯戻し後
も、気泡孔やひび割れが生じておらず、フリーズドライ
加工前に比べ、味、食感、風味、色彩、見栄え、形状に
おいて何等遜色のない豆腐を得ることができる。
【0069】これは、この発明では、高速攪拌すること
で、豆乳と食品粉末および/または食品ペースト、デキ
ストリンおよび/または澱粉、増粘多糖類を均一に混入
させ、脱気することで、豆乳より気泡を除去させ、その
後凝固させて豆腐としている。そのためフリーズドライ
加工しても、豆腐内部の離水した水が豆腐の気泡に浸入
することがなく、また、デキストリンおよび/または澱
粉が糊液を形成し、増粘多糖類がゲルを形成しこれらが
複合的に作用しあうことで、高野豆腐状になることを防
止することができるものと考えられる。
【0070】<レトルト加工工程>通常のレトルト食品
の製造と同様F0値4以上になるよう高温加圧殺菌処理
を行う。
【0071】レトルト加工された豆腐には、気泡孔やひ
び割れが生じておらず、処理前に比べ、味、食感、風
味、色彩、見栄え、形状において何等遜色のない豆腐を
得ることができる。
【0072】これは、上記冷凍と同様、この発明では、
高速攪拌することで、豆乳と食品粉末および/または食
品ペースト、デキストリンおよび/または澱粉、増粘多
糖類を均一に混入させ、脱気することで、豆乳より気泡
を除去させ、その後凝固させて豆腐としている。そのた
めレトルト加工しても、気泡が膨張して気泡孔やひび割
れを生じることがなく、また、デキストリンおよび/ま
たは澱粉が糊液を形成し、増粘多糖類がゲルを形成し、
これらが複合的に作用し合うことで、豆腐中の水、およ
び水溶性蛋白質が豆腐外へ流出するのを防ぐことがで
き、味、食感、風味、色彩、見栄え、形状が低下しない
ものと考えられる。
【0073】
【実施例】以下に好適な実施例をあげてこの発明をさら
に詳細に説明する。
【0074】(実施例 1)丸大豆100kgを水に1
5時間浸漬した後水切りし、加水しながら磨砕し呉汁を
得、これを100℃で5分間加熱した後濾過してBri
x12.5の豆乳を得た。この豆乳を冷却装置によって
9℃に冷却した後、豆乳100重量部に対しモロヘイヤ
の粉末0.3重量部を加え高速攪伴機(愛工舎製、カッ
ターミキサーS200)にて3,500r.p.m、約
2分間高速攪伴した。その後真空脱気装置により0.1
2気圧の減圧下にて15分間脱気処理を施した。この豆
乳に豆腐用凝固剤(赤穂化成製塩田にがり)0.2重量
部を混合し、プラスチック製の耐熱容器に充填した後、
密封包装し、次いで85℃の温水中で50分間保持して
凝固させると同時に殺菌し、その後冷水で冷却して豆腐
を得た。こうして得られた豆腐は、粉末がダマになるこ
ともなく色も均一で、味、食感、風味、見栄え等におい
て十分満足できる豆腐であった。さらに、栄養価分析の
結果によれば本来豆腐に含まれていないビタミンA、C
も含まれており、モロヘイヤに含まれているこれ等栄養
物が豆腐に均一に混入されていることが知見し得た。
【0075】(実施例 2)1と同様な方法で得られた
Brix12.5の豆乳を9℃に冷却した後、豆乳10
0重量部に対しキャロットの濃縮ペースト2重量部を加
え高速攪伴機(愛工舎製、カッターミキサーS200)
にて2,500r.p.m、約2分間高速攪伴した。そ
の後真空脱気装置により0.12気圧の減圧下にて15
分間脱気処理を施した。この豆乳に豆腐用凝固剤(赤穂
化成製塩田にがり)0.2重量部を混合し、プラスチッ
ク製の耐熱容器に充填した後、密封包装し、次いで85
℃の温水中で50分間保持して凝固させると同時に殺菌
し、その後冷水で冷却して豆腐を得た。こうして得られ
た豆腐はペーストの局所的遍在等が生じることもなく色
も均一で、味、食感、風味、見栄え等において十分に満
足のゆくものであった。
【0076】(実施例 3)1と同様な方法で得られた
Brix12.5の豆乳を9℃に冷却した後、豆乳10
0重量部に対し、澱粉5.9重量部、モロヘイヤ粉末
0.3重量部を加え高速攪伴機(愛工舎製、カッターミ
キサーS200)にて3,500r.p.m、約3分間
高速攪伴した。その後真空脱気装置により0.12気圧
の減圧下にて15分間脱気処理を施した。この豆乳に豆
腐用凝固剤(藤沢薬品工業(株)製グルコノデルタラク
トン)0.2重量部を混合し、プラスチック製の耐熱容
器に充填した後、密封包装し、次いで85℃の温水中で
45分間保持して凝固させると同時に殺菌し、その後冷
水で冷却して豆腐を得た。こうして得られた豆腐は実施
例1の豆腐と同様に粉末がダマになることもなく色も均
一で、味、食感、風味、見栄え等において十分に満足の
ゆくものであった。
【0077】つぎに、こうして得られた豆腐を15mm
角にカットした後、−20℃で5時間冷凍処理をした。
冷凍処理をして得られた豆腐は、気泡孔やひび割れが生
じておらず、これを熱水にて解凍したところ、冷凍前に
比べ、味、食感、風味、色彩、見栄え、形状において遜
色が無く十分満足のゆくものであった。
【0078】また、この豆腐を4つに分割し、1ケ65
g程度の大きさにして小麦粉を配合した衣を付け−25
℃で10時間冷凍した。この冷凍豆腐を冷凍状態のまま
170℃〜180℃に熱した油中に入れ10分間程油渫
した。その油渫した豆腐にたれをかけて食してみたとこ
ろ通常の揚げ出し豆腐と比較して遜色のないものであっ
た。
【0079】さらに、この豆腐200gをレトルトパウ
チの袋(縦18cm、横14cm)の中に入れ、水10
0ccを充填包装した。これを高温高圧処理機内で12
1℃、ゲージ圧1.5kg/cm2で12分間高温加熱
加圧殺菌処理した。上記レトルトパウチ食品を袋から取
り出してみたところ気泡孔及びひび割れもなく原型を崩
すことなく、また、加熱による褐変も認められず、味、
食感、風味、見栄え等においても十分満足のゆくもので
あった。
【0080】なお、澱粉の代わりにデキストリンを用い
た場合、及び澱粉とデキストリンの混合物を用いた場合
について同様な豆腐の製造を行い、冷凍加工、レトルト
加工を施した結果も十分に満足のゆくものが得られた。
【0081】(実施例 4)1と同様な方法で得られた
Brix12.5の豆乳を9℃に冷却した後、豆乳10
0重量部に対し、澱粉4重量部、キャロットペースト2
重量部、ゲル化強度約940の増粘多糖類(武田薬品工
業(株)製、商品名カードラン)0.7重量部を加え高
速攪伴機(愛工舎製、カッターミキサーS200)にて
3,500r.p.m、約5分間高速攪伴した。その後
真空脱気装置により0.12気圧の減圧下にて15分間
脱気処理を施した。この豆乳に豆腐用凝固剤(藤沢薬品
工業(株)製、グルコノデルタラクトン)0.2重量部
を混合し、プラスチック製の耐熱容器に充填した後、密
封包装し、次いで96℃の熱水中で60分間保持して凝
固処理させると同時に殺菌し、その後冷水で冷却して豆
腐を得た。こうして得られた豆腐はペーストの局所的遍
在等が生じることもなく色も均一で、味、食感、風味、
見栄え等において十分に満足のゆくものであった。
【0082】つぎに、こうして得られた豆腐を15mm
角にカットした後、フリーズドライ用釜に入れ真空下6
0℃で21時間フリーズドライ加工を施した。その後、
約1分間90℃の熱水中で湯戻しして食したところ、フ
リーズドライ加工前に比べ、遜色が無く十分満足のゆく
ものであった。
【0083】さらに、上記の如くフリーズドライ加工す
る代わりに、この豆腐を実施例3と同様の冷凍処理、レ
トルト加工を施し、解凍等し食したところ、いずれも十
分満足のゆくものであった。
【0084】(実施例 5)1と同様な方法で得られた
Brix12.5の豆乳を9℃に冷却した後、豆乳10
0重量部に対し、モロヘイヤ粉末0.3重量部、ゲル化
強度約940の増粘多糖類(武田薬品工業(株)製、商
品名カードラン)0.51重量部、澱粉1.1重量部を
加え高速攪伴機(愛工舎製、カッターミキサーS20
0)にて3,500r.p.m、約5分間高速攪伴し
た。その後真空脱気装置により0.12気圧の減圧下に
て15分間脱気処理を施した。この豆乳に豆腐用凝固剤
(藤沢薬品工業(株)製、グルコノデルタラクトン)
0.2重量部を混合し、プラスチック製の耐熱容器に充
填した後、密封包装し、次いで96℃の熱水中で60分
間保持して凝固処理させると同時に殺菌し、その後冷水
で冷却して豆腐を得た。こうして得られた豆腐は粉末が
ダマになることもなく色も均一で、味、食感、風味、見
栄え等において十分に満足のゆくものであった。
【0085】つぎに、この豆腐を実施例4と同様のフリ
ーズドライ加工、冷凍処理、レトルト加工を施し、解凍
等し食したところ、いずれも十分満足のゆくものであっ
た。
【0086】(実施例 6)1と同様な方法で得られた
Brix12.5の豆乳を9℃に冷却した後、豆乳10
0重量部に対し、澱粉4重量部、キャロットペースト2
重量部、ゲル化強度約940の増粘多糖類(武田薬品工
業(株)製、商品名カードラン)の一次膨潤液(前述の
(III)<攪拌工程>の(a)参照)14重量部を加
え高速攪伴機(愛工舎製、カッターミキサーS200)
にて3,500r.p.m、約3分間高速攪伴した。そ
の後真空脱気装置により0.12気圧の減圧下にて15
分間脱気処理を施した。この豆乳に豆腐用凝固剤(藤沢
薬品工業(株)製、グルコノデルタラクトン)0.2重
量部を混合し、プラスチック製の耐熱容器に充填した
後、密封包装し、次いで96℃の熱水中で60分間保持
して凝固処理させると同時に殺菌し、その後冷水で冷却
して豆腐を得た。こうして得られた豆腐はペーストの局
所的遍在等が生じることもなく色も均一で、味、食感、
風味、見栄え等において十分に満足のゆくものであっ
た。
【0087】つぎに、この豆腐を実施例4と同様のフリ
ーズドライ加工、冷凍処理、レトルト加工を施し、解凍
等し食したところ、いずれも十分満足のゆくものであっ
た。
【0088】(実施例 7)1と同様な方法で得られた
Brix12.5の豆乳を9℃に冷却した後、豆乳10
0重量部に対し、モロヘイヤ粉末0.3重量部、ゲル化
強度約940の増粘多糖類(武田薬品工業(株)製、商
品名カードラン)の一次膨潤液(前述の(III)<攪
拌工程>の(a)参照)10重量部、澱粉1.1重量部
を加え高速攪伴機(愛工舎製、カッターミキサーS20
0)にて3,500r.p.m、約3分間高速攪伴し
た。その後真空脱気装置により0.12気圧の減圧下に
て15分間脱気処理を施した。この豆乳に豆腐用凝固剤
(藤沢薬品工業(株)製、グルコノデルタラクトン)
0.2重量部を混合し、プラスチック製の耐熱容器に充
填した後、密封包装し、次いで96℃の熱水中で60分
間保持して凝固処理させると同時に殺菌し、その後冷水
で冷却して豆腐を得た。こうして得られた豆腐は粉末が
ダマになることもなく色も均一で、味、食感、風味、見
栄え等において十分に満足のゆくものであった。
【0089】つぎに、この豆腐を実施例4と同様のフリ
ーズドライ加工、冷凍処理、レトルト加工を施し、解凍
等し食したところ、いずれも十分満足のゆくものであっ
た。
【0090】なお、澱粉の代わりにデキストリンを用い
た場合、及び澱粉とデキストリンの混合物を用いた場合
について同様な豆腐の製造を行い、冷凍加工、レトルト
加工、フリーズドライ加工を施した結果も十分に満足の
ゆくものが得られた。
【0091】
【発明の効果】この発明は、以上詳しく説明したように
構成されているので、以下に記載されるような効果を奏
する。
【0092】高栄養素等の食品粉末および/または食品
ペーストが均一混入された栄養価的に優れ、しかも、
味、食感、風味、色彩、見栄え等において十分満足のゆ
く豆腐を製造することができ、食生活、嗜好の多様化、
変化に十分対応することのできる豆腐を提供することが
できる。
【0093】冷凍、レトルト加工、フリーズドライ加工
等を施した後、解凍等の処理によっても冷凍、レトルト
加工、フリーズドライ加工等を施す前の状態と遜色のな
い状態に戻すことのできる長期保存が可能であって、か
つ、高栄養素等の食品粉末および/または食品ペースト
が均一混入された栄養価的に優れ、しかも、味、食感、
風味、色彩、見栄え等において十分満足のゆく豆腐を製
造することができる。従って、長期保存可能化に伴う流
通、保管、貯蔵、取扱い等が容易になり、食生活、嗜好
の多様化、変化にさらに十分対応することのできる豆腐
を提供することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 豆乳に食品粉末および/または食品ペー
    ストを加えてなる溶液に高速攪拌処理を施して均一混合
    液を作成し、ついで該混合液に脱気処理を施し、その
    後、凝固剤添加、容器への充填、加熱処理、冷却を施す
    ことを特徴とする豆腐の製造方法。
  2. 【請求項2】 20℃以下に冷却されたBrix10〜
    13の豆乳100重量部に対し、0.1〜1重量部の食
    品粉末および/または1〜10重量部の食品ペーストを
    加えることを特徴とする請求項1記載の豆腐の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 豆乳に、食品粉末および/または食品ペ
    ースト、デキストリンおよび/または澱粉を加えてなる
    溶液に高速攪拌処理を施して均一混合液を作成し、つい
    で該混合液に脱気処理を施し、その後、凝固剤添加、容
    器への充填、加熱処理、冷却を施すことを特徴とする冷
    凍用またはレトルト加工用豆腐の製造方法。
  4. 【請求項4】 20℃以下に冷却されたBrix10〜
    13の豆乳100重量部に対し、0.1〜1重量部の食
    品粉末および/または1〜10重量部の食品ペースト、
    1〜15重量部のデキストリンおよび/または澱粉を加
    えることを特徴とする請求項3記載の冷凍用またはレト
    ルト加工用豆腐の製造方法。
  5. 【請求項5】 豆乳に、食品粉末および/または食品ペ
    ースト、デキストリンおよび/または澱粉、増粘多糖類
    を加えてなる溶液に高速攪拌処理を施して均一混合液を
    作成し、ついで該混合液に脱気処理を施し、その後、凝
    固剤添加、容器への充填、加熱処理、冷却を施すことを
    特徴とする冷凍用、レトルト加工用またはフリーズドラ
    イ加工用豆腐の製造方法。
  6. 【請求項6】 20℃以下に冷却されたBrix10〜
    13の豆乳100重量部に対し、0.1〜1重量部の食
    品粉末および/または1〜10重量部の食品ペースト、
    1〜15重量部のデキストリンおよび/または澱粉、
    0.1〜1.3重量部の増粘多糖類を加えることを特徴
    とする請求項5記載の冷凍用、レトルト加工用またはフ
    リーズドライ加工用豆腐の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5または6記載
    の高速攪拌処理が、高速カッターによる1,750〜
    3,500r.p.mの攪拌速度で行われることを特徴
    とする豆腐の製造方法。
  8. 【請求項8】 豆乳に食品粉末および/または食品ペー
    ストを加えてなる溶液に高速攪拌、脱気、凝固剤添加、
    容器への充填、加熱、冷却が施されたことを特徴とする
    豆腐。
  9. 【請求項9】 豆乳に、食品粉末および/または食品ペ
    ースト、デキストリンおよび/または澱粉を加えてなる
    溶液に高速攪拌、脱気、凝固剤添加、容器への充填、加
    熱、冷却が施されたことを特徴とする冷凍用またはレト
    ルト加工用豆腐。
  10. 【請求項10】 豆乳に、食品粉末および/または食品
    ペースト、デキストリンおよび/または澱粉、増粘多糖
    類を加えてなる溶液に高速攪拌、脱気、凝固剤添加、容
    器への充填、加熱、冷却が施されたことを特徴とする冷
    凍用、レトルト加工用またはフリーズドライ加工用豆
    腐。
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