JPH0994075A - 冷凍耐性を有する豆腐及びその製造方法 - Google Patents

冷凍耐性を有する豆腐及びその製造方法

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JPH0994075A
JPH0994075A JP7251597A JP25159795A JPH0994075A JP H0994075 A JPH0994075 A JP H0994075A JP 7251597 A JP7251597 A JP 7251597A JP 25159795 A JP25159795 A JP 25159795A JP H0994075 A JPH0994075 A JP H0994075A
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JP
Japan
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tofu
starch
mixed
whey protein
solution
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JP7251597A
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Shuichi Oki
修一 大木
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Nisshin Seito KK
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Nisshin Seito KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍後、解凍したとき、温かい状態で食べて
も、冷たい状態で食べても、豆腐本来のテクスチュアを
良好に再現できる冷凍耐性を有する豆腐とその製造手段
を提供する。 【解決手段】 豆乳と澱粉と豆腐用凝固剤とを混合成分
として含む豆腐において、前記混合成分に対し、更に乳
清蛋白を含める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍後解凍したと
きに、豆腐本来のテクスチュアを良好に再現できる冷凍
耐性を有する豆腐とその製造方法に関する。なお、テク
スチュアとは、食感のことであり、食べたときの、硬
さ、舌ざわり、噛んだ感じ、粘り気、喉越し、等の感触
をいう。
【0002】
【従来の技術】通常、豆腐は冷凍して、或いは常温で、
保存されたり流通されたりしている。この豆腐は蛋白質
が豊富に含まれており栄養価が高いが、水分が多い為に
保存性が低い。そこで、この保存性を改善する為に冷凍
状態で保存することが検討されてきたが、周知の通り、
豆腐を冷凍すると、豆腐特有のカード状の組織が変成を
受け、所謂「す」が入った状態、即ち、スポンジ状にな
り、これを解凍すると、離水が起きてしまうので、豆腐
本来のテクスチュアが失われて、「凍り豆腐」のよう
な、ざらついたテクスチュアとなる。
【0003】このような豆腐を冷凍し解凍したときのテ
クスチュアの劣化を抑制するための技術が種々開示され
ている。
【0004】例えば、特開平5−316984号公報に
は、豆乳類液に、豆乳凝固剤の他に、ゲル化剤並びに糖
類系処理剤を混合し、この糖類系処理剤を糖類系熱凝固
剤と澱粉との少なくとも何れかで構成する技術が開示さ
れている。また、特開平6−153840号公報には、
豆乳48〜65重量部と、増粘多糖類0.1〜2.5重
量部との混合物を高速撹拌後50℃〜72℃に保持して
膨潤させて1次膨潤液とし、該1次膨潤液に澱粉0.1
〜7重量部を加えて冷却条件下で撹拌し、豆乳膨潤液と
した後、該豆乳膨潤液を脱気処理し、更に、該豆乳膨潤
液を加熱して凝固させる技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術による豆
腐は、何れも、冷凍処理をした結果の組織がスポンジ状
になり難く、従って、解凍時の離水も殆んど無い。然
し、テクスチュアに関しては、必ずしも満足のゆくもの
ではなかった。即ち、ボイル解凍直後等によって、未だ
豆腐が温かい時は、多少ゼリー様のテクスチュアを感じ
させる豆腐様の食感を有しているが、冷奴のように、冷
たく冷やして食べる場合には、そのテクスチュアは、温
かい時とは全く異なり、豆腐というよりは菓子の「うい
ろう」に近い固いゼリー様に変化してしまう。
【0006】本発明は、冷凍後解凍した時、温かい状態
で食べても、冷たい状態で食べても、豆腐本来のテクス
チュアを良好に再現できる冷凍耐性を有する豆腐を開発
することを技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この技術的課題を解決す
るため、本発明では、豆乳と澱粉と豆腐用凝固剤とを混
合成分として含む豆腐において、前記混合成分として、
更に乳清蛋白を含むことを特徴とする冷凍耐性を有する
豆腐を提供しようとするものである。
【0008】好ましい実施例においては、前記豆乳10
0重量部に対し、澱粉0.5〜6重量部、豆腐用凝固剤
0.2〜0.8重量部を配合するとともに、前記乳清蛋
白を0.1〜2重量部配合したことを特徴としている。
【0009】更に、本発明では、(1)豆乳に澱粉を添
加するステップと、(2)前記澱粉を添加した豆乳を撹
拌し加熱して、前記澱粉を豆乳に溶解させて混合溶液を
造るステップと、(3)前記混合溶液を冷却するステッ
プと、(4)前記冷却した混合溶液に乳清蛋白を添加混
合し、これらを撹拌して均質化するステップと、(5)
前記均質化された溶液を脱気処理するステップと、
(6)前記脱気処理した溶液に対し、豆腐用凝固剤を混
合するステップと、(7)前記豆腐用凝固剤を混合した
溶液を加熱凝固して、豆腐を形成するステップと、
(8)前記加熱凝固した豆腐を冷却するステップと、か
らなることを特徴とする冷凍耐性を有する豆腐の製造方
法を提供するものである。
【0010】好ましい実施例においては、上記ステップ
(1)において、ワキシスターチ系の化工澱粉とともに
消泡剤を添加し、これを、上記ステップ(2)におい
て、澱粉の糊化温度まで加熱し、これを、上記ステップ
(3)において、乳清蛋白の熱凝固温度以下まで冷却
し、この状態で、上記ステップ(4)において、可溶性
線状乳清蛋白質濃縮物を添加することを特徴としてい
る。
【0011】
【作用】豆乳は豆腐の主成分であり、この豆乳に混合す
る澱粉は、豆腐を冷凍するときの変性防止と解凍時の離
水防止の為に用いられる。凝固剤は、豆乳を凝固させて
豆腐を形成する為に用いられる。
【0012】乳清蛋白は、澱粉添加による豆腐の糊っぽ
いテクスチュアを、豆腐らしい弾力のあるテクスチュア
に改善する。また乳清蛋白のゲルは、温度状態に関わら
ず安定しているため、豆腐を一旦冷凍した後解凍した場
合に、豆腐本来のテクスチュアを良好に維持し再現す
る。従って、冷凍後解凍して食べる場合に、温かい状態
で食べても、冷たい状態で食べても、同じようなテクス
チュアで食べることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明について、その実施例に基づき
更に詳しく説明する。
【0014】本発明において使用可能な豆乳には特別な
限定はなく、大豆から、公知の方法、例えば、煮取法や
生絞り法などで製造されたものが使用可能である。ま
た、粉末大豆蛋白と、水から調製した豆乳も使用するこ
とができる。なお、豆乳中の大豆固形分が少ないと、豆
腐の風味が弱く、反対に大豆固形分が多すぎると、豆腐
の凝固が不安定になることがある。このため、通常、豆
乳の大豆固形分濃度は、8〜12%程度が好ましいが、
この濃度範囲に限定される訳ではない。
【0015】澱粉は豆腐の冷凍変性防止と、離水防止の
為に使用される。豆腐の製造過程で澱粉が糊化する際
に、澱粉が水分を奪って保水することにより自由水が減
少するので、豆腐を冷凍しても氷結晶の成長が抑制さ
れ、豆腐の蛋白質の冷凍変性と解凍時の離水が起き難く
なるものと考えられる。使用できる澱粉には特に限定は
ないが、馬鈴薯、甘藷、玉蜀黍、ワキシコーン、米、
麦、並びにタピオカなどから得られる澱粉や、それらを
物理的或いは化学的に処理した、所謂化工澱粉やデキス
トリン類を含む。澱粉を選択することによつて、絹ごし
豆腐様や木綿豆腐様など、テクスチュアを変化させるこ
とが可能である。使用する澱粉の種類にもよるが、澱粉
の配合比は、豆乳100重量部に対して0.5〜6重量
部程度が好ましい。少なすぎると、冷凍変性や離水を充
分に防止することができないし、逆に多すぎるとテクス
チュアが糊っぽくなったり、風味に澱粉臭を感じさせた
りして好ましくないからである。
【0016】本発明で使用される乳清蛋白は、乳清蛋白
濃縮物(Whey Protein Concentrate:WPC)のうち、
その水溶液が加熱されるとゲル化する性質をもった未変
成WPCである。未変成WPCの製造法の一例を述べ
る。まず、脱脂乳を72℃で35秒間殺菌後、酸により
カゼインを沈澱させて除去し、ホエイを得る。次にホエ
イを55℃に加熱後、遠心分離機にかけてカゼイン微粒
子を除く。これを47℃とし、限外濾過装置にかけて、
乳糖及び無機物を除き、WPC水溶液を得る。更に60
℃に加熱し、45℃で減圧濃縮後、入口温度180℃で
噴霧乾燥すれば、粉末状の未変成WPCが得られる。こ
のようにして得られる未変成WPCを構成する主たる蛋
白は、ラクトグロブリン、ラクトアルブミン、血清アル
ブミン、免疫グロブリンであり、それらは球状構造をも
っている。更に、本発明で使用される乳清蛋白には、上
記の方法などで製造される未変成WPCを改質して、球
状蛋白を可溶性線状凝集体としたもの(SoIubIe Linear
Agregated Milk Wheyproteins: SLAWP)も含まれ
る。乳清蛋白は、豆乳が加熱擬個するときに、同時にゲ
ル化凝固するため、澱粉添加により或る程度は避けられ
ない豆腐の糊っぽいテクスチュアを、弾力のある本来の
テクスチュアに改善する。また、乳清蛋白のゲルは、高
温でも低温でも安定しているので、豆腐を冷凍保存後、
解凍して食べる場合、温かい状態で食べても、冷たい状
態で食べても、同じようなテクスチュアで食べることが
できる。
【0017】即ち、乳清蛋白を配合することにより、冷
凍後、解凍したとき、温かい状態で食べても、冷たい状
態で食べても、豆腐本来のテクスチユアを良好に再現で
きる冷凍耐性を有する豆腐を製造することが可能になっ
た。乳清蛋白の配合比は、豆乳100重量部に対して、
0.1〜2重量部程度が適当である。乳清蛋白の配合比
が少なすぎると、上記のような効果が期待できないし、
また、多すぎると、テクスチュアが固くなり過ぎて、豆
腐とは異なるものになってしまう。
【0018】豆腐用凝固剤とは、硫酸カルシウム、硫酸
マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、グ
ルコノデルタラクトン、苦汁、或いはすまし粉など、豆
乳を凝固させる性質を有する添加剤であって、単独で、
或いは2種以上を組合せて使用できる。また、豆腐用凝
固剤として、必要に応じてPH調製剤や食品素材(例え
ば、澱粉、デキストリン、乳糖)などを配合した、上記
の添加剤を主剤とする豆腐用凝固剤製剤も使用すること
が出来る。豆腐用凝固剤の配合比は、その種類にもよる
が、豆乳100重量部に対して、慨ね0.2〜0.8重
量部である。
【0019】次に本発明による冷凍耐性を有する豆腐の
製造方法について、図1のフロチャートを参照して説明
する。なお、以下の説明は代表例であり、本発明はここ
で述べる製造方法のみに限定されず、配合する原材料、
或いは使用出来る製造設備などに応じて、適宜、手順や
条件を変更することができる。
【0020】まずステップS1において、豆乳に澱粉を
添加し、均一に分散混合させる。この時の豆乳の品温
は、澱粉の糊化温度より低い方が良い。糊化温度以上で
澱粉を添加すると、澱粉が急激に糊化するため、均一に
分散混合させることが困難になるからである。従って、
澱粉添加時の豆乳の品温の上限は、凡そ60〜65℃が
適当であるが、澱粉が可溶性澱粉の場合には、その上限
は25〜30℃程度がよい。
【0021】次いで、ステップS2において、撹拌混合
しながら澱粉の糊化温度まで昇温し、澱粉を完全に糊化
させ豆乳に溶解する。通常は80℃位まで昇温すればよ
い。なお、澱粉を豆乳に添加し、糊化溶解させる本工程
においては、直接全量の豆乳に澱粉を添加するのではな
く、予め、一部の豆乳を用いて澱粉を糊化溶解処理して
おき、この処理液に残りの豆乳を加える方法を採ること
もできる。
【0022】また、後の工程での脱気処理の作用効果を
高める為に、消泡剤を同時に混合してもよい。
【0023】次に、ステップS3において、この澱粉溶
解豆乳を、30〜40℃まで冷却する。これは、次に混
合する乳清蛋白の熱凝固を避けるためである。このよう
に冷却した状態で乳清蛋白を添加して撹拌しながら、均
一に分散溶解させる(ステップS4)。この場合、澱粉
と乳清蛋白の溶解操作により、豆乳には気泡が混入して
いるので、この状態で豆腐用凝固剤を添加して凝固させ
ると、スポンジ状組織をもった豆腐が出来てしまい、そ
れは豆腐として好ましいことではない。そこで、ステッ
プS5において、乳清蛋白を均一に分散溶解した後で、
脱気処理を施す。この処理をすることによって、凝固さ
せたとき、滑らかな組織をもった豆腐が得られる。脱気
処理は、真空脱気装置を用いて実施すればよいが、特
に、加熱、冷却可能なジャケット付きの真空撹拌装置
は、一連の分散溶解処理と脱気処理とを同じ装置内で実
施出来るので都合がよい。
【0024】消泡剤は粘度を低下させる作用があるた
め、これを、前述のように、ステップS1において予め
添加しておくと、脱気処理を効率的に実施することがで
きる。消泡剤は、豆乳に澱粉を添加するときに同時に添
加すればよいが、豆乳製造時に既に充分な量が添加され
ている場合には、更に添加する必要はない。使用できる
消泡剤は、一般に豆腐製造用に使用されているものでよ
く、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、シリコーン樹
脂、レシチンなどを単独で、若しくは2種またはそれ以
上を組合せて使うことができる。或いは、豆腐製造用消
泡剤製剤として販売されているものを使用してもよい。
【0025】このように、必要に応じて脱気処理をした
澱粉・乳清蛋白溶解豆乳に対し、豆腐用凝固剤を添加混
合する(ステップS6)。更に、凝固用容器に充填後、
加熱凝固させて豆腐とする(ステップS7)。豆腐用凝
固剤を添加するときの澱粉・乳清蛋白溶解豆乳の品温
は、凝固反応を遅延させて、凝固用容器への充填操作中
に凝固することを防止するため、5〜20℃に冷却して
おくとよい。凝固用容器への充填操作中に凝固すること
を防止する為に、5〜20℃に冷却しておくとよい。凝
固用容器の材質は、加熱処理に耐えるものであればよ
く、通常は、プラスチックかステンレススチール、或い
はアルミニウムであって、その形態は、通常、箱状、或
いはカップ状であるが、チューブ状でも差し支えない。
加熱凝固処理を熱水中に完全に水没させて実施する場合
には、充填後に凝固用容器は密封されるが、完全には水
没させずに実施する場合には、必ずしも密封する必要は
ない。蒸して凝固させる場合にも、充填後凝固用容器は
必ずしも密封される必要はない。なお、凝固用容器とし
て、可食性材質のもの、例えばソーセージ用ケーシング
や、湯葉なども利用することが出来る。加熱凝固処理を
熱水中で実施する場合、その熱水の温度は、80〜95
℃が適当であり、蒸し処理をして凝固させる場合には、
蒸し装置内の雰囲気温度は95〜100℃とすることが
好ましい。
【0026】このようにして耐冷凍性豆腐を製造するこ
とができるが、豆腐用凝固剤を添加する前に、調味料や
具材を添加すると、耐冷凍性味付き豆腐や耐冷凍性具入
り豆腐も製造することが出来る。具材は、食用可能のも
のであればよく、その形と大きさにも制限はない。例え
ば、具材は塊状、粒状、ペースト状、液状等の形態で添
加することができる。
【0027】凝固処理をすることにより得られた豆腐
は、ステップS8において、通常、5〜10℃に冷却し
てから、凝固用容器から取り出し、製品として所望のサ
イズにカットされる。続いてステップS9において、こ
のように食料品として製品化された豆腐を冷凍処理す
る。この場合、流通上の都合等から、凝固用容器ごと冷
凍処理してもよい。なお、可食性材質の凝固用容器を使
用して凝固させた豆腐は、その容器から取り出すことな
く、そのまま冷凍処理することができる。冷凍処理は、
公知の方法、例えば、冷風を循環させるエアブラスト凍
結方式、含水アルコール等を不凍液として使用するブラ
イン浸漬凍結法や、液化窒素噴霧方式等で実施すること
ができる。何れにしても、冷凍処理は、通常−18℃以
下で実施される。
【0028】以下に、本発明の冷凍耐性を有する豆腐を
実際に製造した具体的な例を示す。
【0029】(実施例1)公知の方法で製造した大豆固
形分濃度10%の豆乳470g(品温、10℃)に対し
て、グリセリン脂肪酸エステルを主成分とする豆腐製造
用消泡剤製剤1.5gと、澱粉としてワキシスターチ系
の化工澱粉10gとを添加し、撹拌しながら湯浴中で、
品温が80℃に達するまで加熱することによつて、豆乳
に澱粉を糊化溶解混合するとともに消泡剤も溶解混合し
た。
【0030】次に、この溶液を氷水中で品温30℃まで
冷却してから、乳清蛋白として固形分10%の液状の可
溶性線状乳清蛋白質濃縮物(商標、ジェネシスA、株式
会社第一化成製)30gを添加後、T.K.ホモミキサ
ー(特殊機化工業株式会社製)により、6,000R.
P.M.で2分間混合均質化処理をし、更に真空脱気装
置によって、2cmHgの減圧下で5分間脱気処理し
た。次いで、この処理液に、グルコノデルタラクトン
と、塩化マグネシウムを主成分とする豆腐用凝固剤製剤
3gとを水25gに溶解したものを混合して、これをプ
ラスチック容器に充填、容器を密封してから、85〜9
0℃の熱水中で60分間加熱凝固処理して豆腐とした
後、氷水中で品温10℃まで冷却した。
【0031】このようにして得られた豆腐をプラスチッ
ク容器から取り出して、15mm×15mm×15mm
の直方体にカットし、−20℃で24時間冷凍した後
で、沸騰水中でボイル解凍して、目視観察及び試食した
ところ、豆腐の組織は、スポンジ状になるなどの冷凍解
凍変成はしておらず、冷凍前と略同様の木綿豆腐様のテ
クスチュアであった。
【0032】(実施例2)乳清蛋白として固形分10%
の液状の可溶性線状乳清蛋白質濃縮物(商標、ジェネシ
スA、株式会社第一化成製)40g、澱粉として、ワキ
シ澱粉23gを使用した以外は、実施例1と全く同じ製
法で豆腐を調製し、同様に冷凍解凍して目視観察及び試
食したところ、豆腐の組織は変成しておらず、冷凍前と
略同様の絹ごし豆腐様のテクスチュアを呈していた。
【0033】(実施例3)実施例1で使用したものと同
じ豆乳を500g、乳清蛋白として粉末状の可溶性線状
乳清蛋白質濃縮物(商標、ジェネシスHD、株式会社第
一化成製)3gを使用した以外は、実施例1と全く同じ
製法で豆腐を調製し、同様に冷凍解凍してから目視観察
及び試食したところ、実施例1と同様の結果を得た。
【0034】(実施例4)乳清蛋白として、粉末状の未
変成乳清蛋白(商標、サンラクトN−5、太陽化学株式
会社製)3gを使用した以外は、実施例3と全く同じ製
法で豆腐を調製し、同様に冷凍解凍してから目視観察及
び試食したところ、実施例3と同様の結果を得た。
【0035】(実施例5) 乳清蛋白として食塩存在下
での熱凝固性が高い粉末状の未変成乳清蛋白(商標、ス
ーパーラクトNo6、太陽化学株式会社製)3gを使用
した以外は、実施例3と全く同じ製法で豆腐を調製し、
同様に冷凍解凍してから目視観察及び試食したところ、
実施例3と同様の結果を得た。
【0036】次に、上記各実施例の冷凍豆腐について行
なったテクスチュアの官能評価の結果について述べる。
【0037】上記実施例1〜5で得られた冷凍豆腐の夫
々について、ボイル解凍直後の温かい豆腐と、ボイル解
凍してから庫温5℃の冷蔵庫に15時間保存して、充分
に冷やした豆腐とのテクスチュアの差を官能検査によっ
て評価した。
【0038】(検査方法)上記温かい豆腐と、冷やした
豆腐とを一組にして試料とし、15人のパネラーに試食
させて両者のテクスチュアの差について官能評価した。
【0039】評点は、「差がない」を4点、「差が小さ
い」を3点、「明らかに差がある」を2点、「かけ離れ
ている」を1点として評価し、その人数と、平均評価を
表に記載した。なお、平均評価点は、下記の式により算
出した(小数第2位以下を四捨五入した)。
【0040】 平均評価点=(1/N)ΣiXi (i=1〜4) ただし、Nはパネラー数(=15)、iは評価点、Xi
はiという評価点を与えたパネラーの人数である。また
Σはiについての和の数学記号であり、表記の都合上、
上式のように表わしてある。
【0041】比較対照として、既存の冷凍豆腐を評価し
た。対照とした既存の冷凍豆腐の配合組成は以下のとお
りである。
【0042】 豆乳 86.9% 澱粉 1.3% ゼラチン 1.3% 凝固剤 0.9% 水 9.6% 合計 100 % 以上の評価条件で、解凍済の冷凍豆腐について、温かい
状態で食べた場合と冷たい状態で食べた場合とのテクス
チュアの差に関する官能評価を行ない、その結果を以下
の表1に示す。表中の比較例は、上記対照とした既存の
冷凍豆腐である。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の豆腐は、
冷凍耐性を有しているので、冷凍保存後に解凍しても、
その組織がスポンジ状に編成されることなく豆腐特有の
食感を維持できることは勿論のこと、従来の技術では不
可能であった、解凍して食する豆腐の品温に依らず、冷
たくても温かくてもテクスチュアが変わらない、全く新
規な豆腐を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る冷凍耐性を有する豆腐
の製造方法を示すフロチャートである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 豆乳と澱粉と豆腐用凝固剤とを混合成分
    として含む豆腐において、前記混合成分として、更に乳
    清蛋白を含めたことを特徴とする冷凍耐性を有する豆
    腐。
  2. 【請求項2】 豆乳100重量部に対し、澱粉0.5〜
    6重量部、豆腐用凝固剤0.2〜0.8重量部を配合す
    るとともに、乳清蛋白を0.1〜2重量部配合したこと
    を特徴とする冷凍耐性を有する豆腐。
  3. 【請求項3】 (1)豆乳に澱粉を添加するステップ
    と、 (2)前記澱粉を添加した豆乳を撹拌し加熱して、前記
    澱粉を豆乳に溶解させて混合溶液を造るステップと、 (3)前記混合溶液を冷却するステップと、 (4)前記冷却した混合溶液に対し、可溶性線状乳清蛋
    白質濃縮物を添加し、これらを撹拌して均質化し、澱粉
    の糊化温度まで加熱するステップと、 (5)前記均質化された溶液を脱気処理するステップ
    と、 (6)前記脱気処理した溶液に対し、豆腐用凝固剤を混
    合するステップと、 (7)前記豆腐用凝固剤を混合した溶液を加熱凝固し
    て、豆腐を形成するステップと、 (8)前記加熱凝固した豆腐を冷却するステップとから
    なることを特徴とする冷凍耐性を有する豆腐の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 (1)豆乳に対し、ワキシスターチ系の
    化工澱粉とともに消泡剤を添加するステップと、 (2)前記澱粉を添加した豆乳を撹拌し、澱粉の糊化温
    度まで加熱して、前記澱粉を豆乳に溶解させて混合溶液
    を造るステップと、 (3)前記混合溶液を乳清蛋白の熱凝固温度以下まで冷
    却するステップと、 (4)前記状態において、冷却した混合溶液に可溶性線
    状乳清蛋白質濃縮物を添加混合し、これらを撹拌して均
    質化するステップと、 (5)前記均質化された溶液を脱気処理するステップ
    と、 (6)前記脱気処理した溶液に対し、豆腐用凝固剤を混
    合するステップと、 (7)前記豆腐用凝固剤を混合した溶液を加熱凝固し
    て、豆腐を形成するステップと、 (8)前記加熱凝固した豆腐を冷却するステップとから
    なることを特徴とする冷凍耐性を有する豆腐の製造方
    法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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