JPH07189141A - ゴム物品補強用スチールコード及びその製造方法と空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム物品補強用スチールコード及びその製造方法と空気入りタイヤ

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JPH07189141A
JPH07189141A JP5328737A JP32873793A JPH07189141A JP H07189141 A JPH07189141 A JP H07189141A JP 5328737 A JP5328737 A JP 5328737A JP 32873793 A JP32873793 A JP 32873793A JP H07189141 A JPH07189141 A JP H07189141A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特にタイヤのベルト材に線径の太いフィラメ
ントを用いたり断面楕円形状のフィラメントを用いるこ
となしに、その面内曲げ剛性が高くかつ面外曲げ剛性の
低い特性を与えることのできる、コード断面で交差する
2方向において曲げ剛性が大きく異なるスチールコード
を提供する。 【構成】 3本以上のスチールフィラメントを撚り合わ
せた、ストランドの複数本を相互に接触させて同一平面
上に並べた束に、ラッピングフィラメントを螺旋状に巻
回して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、空気入りタイヤや工
業用ベルト等のゴム物品の補強材として使用される、ス
チールコードに関し、特に曲げ剛性の有利な向上をはか
ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の走行時における、操縦性や安定
性の向上には、一定入力の操舵に対して、車両進行方向
と直交する向きに発生する、コーナリングフォースを大
きくすることが有利である。このコーナリングフォース
を大きくするには、タイヤの転動時にタイヤの接地域で
発生する、トレッド陸部の横すべり変形を大きくする必
要がある。この横すべり変形量は、トレッド陸部を支え
るタイヤベルト部のコーナリングフォースによる変形、
すなわち図1(a) に示すベルトプライに、同図(b) に示
す、ベルト層の面内または面に沿って起こる変形(以
下、面内曲げ変形という)に影響される。すなわち、大
きなコーナリングフォースを発生するには、ベルト部の
面内曲げ変形を抑制することが好ましく、従って面内曲
げ変形に抗する能力(以下、面内曲げ剛性という)の高
いことが要求される。
【0003】また、タイヤトレッドと路面との接地性を
向上するには、路面の多少の凹凸に対しても接地面積を
確保することが有効であり、これには図1(c) に示す、
ベルト面と直交する向きに生じる変形に抗する能力(以
下、面外曲げ剛性という)の低いことが要求される。
【0004】従って、タイヤのベルト部に求められる曲
げ剛性は、面内および面外の異なる向きでの曲げ剛性を
それぞれ適正化する必要があり、これらの曲げ剛性はベ
ルトの補強を司るスチールコードの性能に影響される。
すなわち、曲げ剛性の高いスチールコードを用いるこ
と、あるいはスチールコードのベルトへの打ち込み本数
を多くすることによって、ベルトの曲げ剛性を大きくす
ることができる。
【0005】一方、タイヤのベルトに用いられるスチー
ルコードとしては、例えば図2(a)に示す1×5構造の
単撚りコード、あるいは同図(b) に示す2+6の層撚り
構造のものが一般的であり、これらコードの曲げ剛性を
高くするにはコードを構成するフィラメントを太くする
手法が有効である。
【0006】しかしながら、上記従来のコードの構造
は、その軸を中心とする回転体と考えられ、コードの軸
と交差するいずれの向きにおいても構造がほぼ均等であ
るために、フィラメントの増径による剛性の上昇は面内
曲げ剛性および面外曲げ剛性のいずれにも作用する。す
なわち、従来のコード構造では、面内曲げ剛性を高める
一方で面外曲げ剛性を低くすることは二律背反の関係に
あり、この両立をはかることはベルト補強用コードの長
年の課題であった。
【0007】この課題を解決する方途としては、コード
の曲げ剛性が曲げられる方向により異なる、次のような
コードが提案されている。その一つは、図3(a) に示す
ような、断面形状が楕円になるフィラメント単線または
同図(b) に示すような、断面楕円形状のフィラメントを
撚り合わせたコードがあるが、断面楕円形状を保ちなが
ら高い減面率で伸線加工することが難かしいため、高い
引張り強さを得ることができないところに問題がある。
さらに、へん平化フィラメントで撚り合わせたコード
は、各々のフィラメントの楕円における長(短)軸方向
を揃えながら撚ることが困難であることも問題になる。
【0008】また、図3(c) に示すような、単撚り構造
のコードをへん平化したコードを用いたり、または同図
(d) に示すような、層撚り構造のコードにおけるコアの
ストランドを2本用いることによってコード断面を楕円
形状にしたコードでは、コードを構成するフィラメント
の型付け形状がフィラメントの配置によって異なってく
る。すなわち、螺旋状に型付けされたフィラメントの曲
率がフィラメントの長さ方向で異なるため、コードを曲
げたとき曲げに追従して起こるフィラメントの移動が起
こりにくくなり、コード断面の長軸方向の曲げ剛性ばか
りでなく、その直角方向(コード断面の短軸方向)の曲
げ剛性も高くなってしまう。
【0009】さらに、図3(e) に示す、4本のフィラメ
ントを並列に添わせて、その周囲を螺旋状のフィラメン
トでラッピングしたコードは、コードの曲がる方向によ
って剛性が大きく異なる性質を付与できるが、このよう
なコードではフィラメントの並列状態を維持し、さらに
並列方向の曲げ剛性を高めるために、ラッピングフィラ
メントの締付けを強くする必要があるが、すると線接触
するフィラメント間の圧力が高くなり、繰り返し曲げ入
力を受けたときの疲労性が著しく低下する不利が生じ
る。しかも、フィラメントの並列状態を保ちつつラッピ
ングフィラメントの締付け力を増加させることは技術的
に困難である。
【0010】一方、特公昭49−47416 号公報には、S撚
りおよびZ撚りの2本の金属線をその長さ方向に添い合
わせて、かつその外周に別の線条体を巻付けてなる金属
コードが提案されている。このコードは生産性を向上さ
せかつゴムとの接着性を改善するために、断面形状に突
出した部分を形成したものである。このコードは2本撚
り金属線を組み合わせたコードであるため、コード長さ
方向で断面形状がへん平でない部分を有し、コード長さ
方向の曲げ剛性が不連続になるから、疲労性に大きな問
題を残す。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明の目
的は、特にタイヤのベルト材に線径の太いフィラメント
を用いたり断面楕円形状のフィラメントを用いることな
しに、その面内曲げ剛性が高くかつ面外曲げ剛性の低い
特性を与えることのできる、コード断面で交差する2方
向において曲げ剛性が大きく異なるスチールコードを提
供することにある。
【0012】すなわち、この発明は、3本以上のスチー
ルフィラメントを撚り合わせた、ストランドの複数本を
相互に接触させて同一平面上に並べた束に、ラッピング
フィラメントを螺旋状に巻回して成るゴム物品補強用ス
チールコードである。ここに、ストランドが同一構造で
あることおよびストランドの撚り方向が隣接相互間で逆
向きであることが、実施に当たり有利である。
【0013】上記のスチールコードは、3本以上のスチ
ールフィラメントを撚り合わせて得たストランドの複数
本を並列に引き揃えたのち、これらストランドの周囲に
ラッピングフィラメントを螺旋状に巻付けて束ねるに当
たり、各ストランドに、そのストランドの強力の1/100
〜1/3 の張力を与えながらラッピングフィラメントの巻
付けを行うことを特徴とする方法によって、得ることが
できる。ここに、ストランドに付与する張力の各ストラ
ンド間での差が、ストランドに付与する張力の平均値の
10%以内であることが、実施に当たり有利である。
【0014】また、この発明は、1対のビード部間でト
ロイド状に延びるラジアル配列コードのプライからなる
カーカスを骨格とし、このカーカス上に、少なくとも1
層のベルト層をそなえる空気入りラジアルタイヤであっ
て、該ベルト層に、上記のスチールコードを、そのスト
ランドがベルトの幅方向に並列する配置で適用して成る
空気入りラジアルタイヤである。
【0015】さて図4(a) 〜(e) に、この発明に従うゴ
ム物品補強用スチールコードの断面について示す。図に
おいて、1は各コードを構成する、3本以上のスチール
フィラメント2を撚り合わせたストランドであり、複数
本のストランド1を相互に接触させて同一平面上に並べ
た束とし、この束にラッピングフィラメント3を螺旋状
に巻回して成る。
【0016】なお、各コードのストランド1は、3本以
上のスチールフィラメント2を撚り合わせたものであれ
ば、その構造は特に限定されず、すなわち、同図(a) 〜
(c)に示す1×3や1×5の単撚り構造、同図(d) に示
す2+6の層撚り構造、または同図(e) に示す3×4の
複撚り構造、などが適合する。
【0017】また、各コードにおけるストランドの撚り
方向も任意でよく、図示例においては、その(c) がスト
ランド間で撚り方向が同じであり、その他の例は、いず
れも隣接するストランド間での撚り方向を逆にしたもの
である。
【0018】上記の規制に従って得られたコードは、コ
ード断面において交差する2方向における曲げ剛性が大
きく異なるため、このコードをベルトに適用したタイヤ
においては、そのコーナリングフォースを増加すること
ができる。
【0019】また、この発明のスチールコードを製造す
るには、3本以上のフィラメントを撚り合わせて得たス
トランドの複数本を並列に引き揃えたのち、これをラッ
ピングフィラメントを螺旋状に巻付けて束ねることで得
られる。ここで、ラッピングフィラメントを螺旋状に巻
付けるに当たり、例えば各ストランドを巻出しリールか
ら巻出す速度を調節して、各ストランドに、その強力の
1/100 〜1/3 の張力を与えなが巻付けを行うことが肝要
である。ここで、各ストランドに付加される張力の差
は、ストランドに付加する張力の平均値の10%以内に抑
制することが好ましい。
【0020】なお、ストランドおよびラッピングフィラ
メントの撚りピッチは特に限定する必要はないが、以下
の理由によって、ストランドは 3.0〜30.0mmおよびラッ
ピングフィラメントは 2.0〜15.0mmとすることが好まし
い。すなわち、ストランドは撚りピッチが3.0mm 未満で
はコード製造時に断線が起こり易くなって生産性が低下
し、一方30.0mmをこえるとストランドの真直性などの撚
り性状が劣化する。また、ラッピングフィラメントは撚
りピッチが2.0mm 未満ではストランドを同一平面上に並
べることが難しく、一方15.0mmをこえると真直性などの
コード性状が悪化する。
【0021】
【作用】この発明は、2本以上のストランドを並列に添
い合わせ、かつその周囲にラッピングフィラメントを巻
付けて、ストランド間での接触箇所に高い拘束力を付与
することによって、ストランド単独の組み合わせでは得
ることのできない、ストランドの並列方向での高い曲げ
剛性を獲得したことを特徴とする。
【0022】ここで、ストランドを構成するフィラメン
トの本数を3本以上にしたのは、2本ではコード断面の
外周が円形から大きく外れるために、ストランドを添い
合わせて成るスチールコードの断面が、コード軸方向で
一定せずに、楕円断面形状とならない部分が発生し、所
期した曲げ剛性が得られないためである。
【0023】また、ストランド束の外周にラッピングフ
ィラメントを螺旋状に巻付けたのは、複数本のストラン
ドの接触による強い拘束を維持するためである。すなわ
ち、ラッピングフィラメントでの拘束がないと、ストラ
ンドは相互に接触して拘束しないため、ストランドの並
列方向に曲げた場合、ストランド内の曲げ応力分布がス
トランド単独の場合と同じになり、曲げ剛性を高めるこ
とができない。これに対して、ラッピングフィラメント
で拘束することによって、隣接するストランドの接触箇
所での拘束を強めて高い曲げ剛性を得ることができる。
【0024】さらに、隣接するストランド間でその撚り
方向を逆にして隣接ストランドを構成するフィラメント
同士を噛み合わせることで、上記拘束効果をより確実な
ものとすることができる。なお、隣接するストランド間
の撚り方向が同一であっても、上記フィラメント同士の
噛み込みは若干ではあるが発生し、例えば単線を並列さ
せたコードに比べて拘束効果を期待できる。
【0025】一方、この発明に従うコードの製造は、ラ
ッピングフィラメントの巻付け機の入出側で、各ストラ
ンドを固定することで、ストランドを同一平面内に並列
に添わせた状態でラッピングフィラメントの巻付けを行
うことができる。さらに、ラッピング処理後に矯正ロー
ラーを通過させてラッピングフィラメントを型付けする
ことによって、ストランドの並列状態をより強固にする
ことが可能である。
【0026】ここで、ラッピングフィラメントの巻付け
の際に各ストランドに与える張力を、そのストランドの
強力の1/100 〜1/3 としたのは、1/100 未満ではコード
に緩みが発生し同一平面上での並列が実現できないから
であり、一方1/3 をこえるとコードの断線が起こりやす
い上、型付けローラー等による傷が発生しやすくなるか
らである。また、ストランドに付与する張力の各ストラ
ンド間での差が、ストランドに付与する張力の平均値の
10%以内にしたのは、10%をこえるとコードの真直性が
低下するからである。
【0027】さらに、この発明に従うコードを空気入り
タイヤのベルトに、ベルトの幅方向にコードを構成する
ストランドが並列する配置で適用することによって、ベ
ルトにおける面内曲げ剛性を高めて、タイヤのコーナリ
ング時の変形を抑えることができる。一方で、ベルトの
面外曲げ剛性は低くくなるため、路面の凹凸に対する接
地性が向上する。従って、タイヤ全体の性能が向上し、
特に操縦安定性に優れたタイヤが得られる。
【0028】
【実施例】
実施例1 C:0.70〜0.85wt%を含む高炭素鋼による、0.15〜0.35
mmの各フィラメントを使用して、図2、3および4に従
う各種構造のスチールコードを、表1に示す仕様の下に
試作した。すなわち、各スチールコードを構成するフィ
ラメントは所定の線径と抗張力にするため、原材料とし
て線径5.5 mmの高炭素鋼線材を用い,熱処理と伸線処理
を施して得たフィラメントを用いて、単撚り、層撚りま
たは複撚りのストランドを作成し、引き続きそれらのス
トランドを2本以上添い合わせてラッピングフィラメン
トで巻付けて発明コードとした。この発明コードの製造
は、ラッピングフィラメントの巻付けに際して、その巻
付け処理の前後において、複数本の添い合わせたストラ
ンドをガイドローラで案内させることで複数本のコード
を安定して同一平面上で並列に添わせ、さらにガイドロ
ールを通過した、ラッピングフィラメント巻付け後のコ
ードは、千鳥足状に配列されたローラー群からなる矯正
装置を通過させて、複数本のストランドをより安定に並
列に添わせた。
【0029】なお、複数本のコードを添い合わせるに
は、上記ローラー以外にもガイドピースもしくはダイス
を用いても同様に行うことができる。さらに、ガイドロ
ーラー、矯正ローラーまたはプーリー及びキャプスタン
等のストランドの案内具に平溝のものを用いることで、
並列配置状態のより安定したコードを得ることができ
る。
【0030】また、従来例としては単一のコードを、そ
して比較例としては従来のへん平加工したコードおよび
コアが2本組み合わされた層撚りコードを、それぞれ作
製した。
【0031】作製した各コードは、ゴムで被覆埋設させ
て複合体とした後に加硫加工を施し、その曲げ剛性を評
価するために、長さ:100 mm、幅:10mmおよび厚さ:3
mmの試験片の中央に1本のコードが位置するように採取
した。そして、1種類のコードに対してコードの断面に
おける長軸の向きが、試験片の幅方向および厚み方向と
なる、2種類の試験片を作製した。
【0032】かくして得られた試験を3点曲げ試験に供
し、上記2種類の試験片を用いることでコード断面の直
交する2方向の曲げ剛性を測定した。ここで、3点曲げ
試験は、図5に示すように、試験片を80mm間隔で2点支
持した中央部で1mm/min の速度で曲げを付与し、曲げ
荷重−曲げたわみ曲線における初期傾き値を求めて曲げ
剛性とした。また、コードの曲げ剛性の異方性は、コー
ド断面の長軸方向の曲げ剛性とそれと直角方向の曲げ剛
性の比をもって評価し、その数値が高いものほど良好な
結果であり、具体的には2.5 以上を良好とした。
【0033】表1に評価結果を、作成したコード素線径
および撚構造等とともに併記するように、従来または比
較のコードに較べて高い曲げ剛性が得られ、その異方性
も大きくなった。
【0034】
【表1】
【0035】実施例2 次に、実施例1で作製したスチールコードを、ベルトに
適用した、サイズ195/65R14のタイヤを試作した。す
なわち、図6に構造を示すタイヤにおいて、そのカーカ
ス4のクラウン部のタイヤ径方向外側に配置した、2層
のベルト層5に、各スチールコードを適用した。なお、
図中6はベルト層内のスチールコード、7はトレッドを
示す。ベルト層5は、図7に示すように、カーカス4上
に、タイヤの赤道面に対してスチールコードが左20°の
角度で傾斜する向きで第1ベルト5aを配置し、さらにそ
の上にタイヤの赤道面に対してスチールコードが右20°
の角度で傾斜する向きで第2ベルト5bを配置して成る。
各ベルトにおける、コードの打ち込み数は、コードの種
類に関わらずにベルトの総強力が一定になるように適宜
調整した。
【0036】かくして得られたタイヤについて、車両の
操縦安定性能を左右するコーナリングフォースを測定し
た。コーナリングフォースの測定は、規定リムに装着後
に内圧2.0 kgf/cm2 を充填後に荷重:520 kgを負荷し、
フラットベルト式コーナリング特性試験機を用いて、速
度50km/hおよびスリップ角±2°におけるコーナリング
フォースを測定し、測定値を平均化して評価した結果を
表2に示す。評価は、従来例(コード構造:1×5×0.
23mm)でのコーナリングフォース測定値を100としたと
きの指数で示した。表2に示すように、この発明に従う
コードをベルトに適用したタイヤは、コーナリングフォ
ースが大きく、またその効果は、コードの曲げ剛性の異
方性が大きいほど顕著であった。
【0037】
【表2】
【0038】また、同様に試作したタイヤを乗用車に装
着し、テストコースにおける操縦安定性をドライバーに
よってフィーリング評価した結果を、表2に併記した。
この評価も、従来例(コード構造:1×5×0.23mm)で
の評価結果を100 としたときの指数で示す。表2の結果
から明らかなように、この発明に従うコードをベルトに
適用したタイヤは、実車でのフィーリング評価において
も良好な結果となった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のコード
は、その曲げ剛性が高い異方性を有するため、例えばタ
イヤのベルトに用いた場合、面外曲げ剛性を増加させる
ことなく面内曲げ剛性を高めることができ、タイヤ走行
時のグリップ力を低下させることなく操縦安定性を高め
ることができ、工業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】タイヤのベルトにおける曲げ剛性を説明する模
式図である。
【図2】従来のコード構造を示した図である。
【図3】従来のコード構造を示した図である。
【図4】この発明のコード構造を示した図である。
【図5】曲げ剛性の評価法の説明図である。
【図6】この発明のタイヤ構造を示した図である。
【図7】ベルト構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ストランド 2 フィラメント 3 ラッピングフィラメント 4 カーカス 5 ベルト層 5a 第1ベルト 5b 第2ベルト 6 スチールコード 7 トレッド
フロントページの続き (72)発明者 文堂 元則 東京都東村山市萩山町2−16−17−312

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3本以上のスチールフィラメントを撚り
    合わせた、ストランドの複数本を相互に接触させて同一
    平面上に並べた束に、ラッピングフィラメントを螺旋状
    に巻回して成るゴム物品補強用スチールコード。
  2. 【請求項2】 ストランドが同一構造である請求項1記
    載のスチールコード。
  3. 【請求項3】 ストランドの撚り方向が隣接相互間で逆
    である請求項1または2記載のスチールコード。
  4. 【請求項4】 3本以上のスチールフィラメントを撚り
    合わせて得たストランドの複数本を並列に引き揃えたの
    ち、これらストランドの周囲にラッピングフィラメント
    を螺旋状に巻付けて束ねるに当たり、各ストランドに、
    そのストランドの強力の1/100 〜1/3 の張力を与えなが
    らラッピングフィラメントの巻付けを行うことを特徴と
    するゴム物品補強用スチールコードの製造方法。
  5. 【請求項5】 ストランドに付与する張力の各ストラン
    ド間での差が、ストランドに付与する張力の平均値の10
    %以内である請求項4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 1対のビード部間でトロイド状に延びる
    ラジアル配列コードのプライからなるカーカスを骨格と
    し、このカーカス上に、少なくとも1層のベルト層をそ
    なえる空気入りラジアルタイヤであって、該ベルト層
    に、請求項1に記載のスチールコードを、そのストラン
    ドがベルトの幅方向に並列する配置で適用して成る空気
    入りラジアルタイヤ。
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