JPH0718167A - 可塑剤及びポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

可塑剤及びポリエステル系樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0718167A
JPH0718167A JP16142793A JP16142793A JPH0718167A JP H0718167 A JPH0718167 A JP H0718167A JP 16142793 A JP16142793 A JP 16142793A JP 16142793 A JP16142793 A JP 16142793A JP H0718167 A JPH0718167 A JP H0718167A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
polyester
plasticizer
aliphatic
ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16142793A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Komehana
伸晃 米花
Kazunari Kamemoto
和成 亀本
Naoki Yokoyama
直樹 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihachi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Daihachi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihachi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Daihachi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP16142793A priority Critical patent/JPH0718167A/ja
Publication of JPH0718167A publication Critical patent/JPH0718167A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】(1)(A)炭素数2〜20の脂肪族多塩基酸
若しくはそのエステル形成性誘導体:炭素数8〜20の
芳香族多塩基酸若しくはそのエステル形成性誘導体がモ
ル比で1:0.1〜1:2.0である多塩基酸と(B)
炭素数2〜12の脂肪族多価アルコールとを縮重合した
ものを、(C)炭素数1〜18の一塩基酸若しくはその
エステル形成性誘導体及び/又は炭素数1〜18の一価
アルコールで末端エステル化したポリエステルからなる
ポリエステル系樹脂用可塑剤、並びに、 (2)ポリエステル系樹脂100重量部に対して、上記
可塑剤1〜30重量部を含有してなるポリエステル系樹
脂組成物。 【効果】本発明可塑剤は、耐熱性に優れるため低揮発性
で低熱分解性であり、ポリエステル系樹脂との相溶性に
優れ、ポリエステル系樹脂組成物成形品のブリードアウ
トも殆どなく、該樹脂に柔軟性を効果的に付与すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なポリエステル系樹
脂用可塑剤及びこれを含有するポリエステル系樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】ポリアルキレンテレフタレー
ト等のポリエステル系樹脂は、機械的性質、耐熱性、電
気特性、耐候性等に優れることから、電気・電子部品、
自動車部品等の成形材料用として広く使用されている。
また、該樹脂は、ガスバリア性や保香性にも優れること
から食品包装用等のフィルムやシート等への適用が試み
られている。 一方、ポリエステル系樹脂は、樹脂が硬
いという欠点があるため、上記各用途特にフィルムやシ
ート等への適用に際しては、樹脂に柔軟性を付与するた
め可塑剤を添加する必要がある。かかる可塑剤に要求さ
れる特性としては、該樹脂との相溶性に優れること、成
形品表面へのにじみ出し(ブリードアウト)がないこと
の他、該樹脂の成形温度が通常200〜300℃程度と
高いため耐熱性に優れること(低揮発性で低熱分解性で
あること)が要求される。
【0003】従来、ポリエステル系樹脂に使用されてい
る可塑剤としては、フタル酸エステル系、脂肪酸エステ
ル系、トリメリット酸エステル系等のモノメリックな可
塑剤が挙げられる。しかし、これらモノメリックな可塑
剤には、耐熱性及び相溶性が不十分であるという欠点が
ある。
【0004】モノメリックな可塑剤のかかる欠点を改善
する目的で、末端アセチル化されたポリ1,3−ブタン
ジオールアジペート等の脂肪族ポリエステル系可塑剤
(特開平3−263456号)や末端エステル化ポリ
1,4−ブタンジオールテレフタレートである芳香族ポ
リエステル系可塑剤(特開平4−120163号)等の
ポリメリックな可塑剤が提案されている。しかし、脂肪
族ポリエステル系可塑剤の場合、耐熱性は若干改善され
るものの十分ではなく、又ポリエステル系樹脂との相溶
性も不十分でブリードアウトも生じ易いという欠点があ
る。また、芳香族ポリエステル系可塑剤の場合、樹脂へ
の柔軟性の付与が不十分であるという大きな欠点があ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の欠点を解消すべく、特にポリメリックな可塑剤につ
いて鋭意研究を重ねた結果、脂肪族多塩基酸及び芳香族
多塩基酸と多価アルコールとを縮重合したものを末端エ
ステル化したポリエステルである脂肪族−芳香族ポリエ
ステル系可塑剤が耐熱性に優れ、ポリエステル系樹脂と
の相溶性に優れ、ブリードアウトも殆どなく、該樹脂に
柔軟性を効果的に付与できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0006】即ち本発明は、 (1)(A)炭素数2〜20の脂肪族多塩基酸若しくは
そのエステル形成性誘導体:炭素数8〜20の芳香族多
塩基酸若しくはそのエステル形成性誘導体がモル比で
1:0.1〜1:2.0である多塩基酸と(B)炭素数
2〜12の脂肪族多価アルコールとを縮重合したもの
を、(C)炭素数1〜18の一塩基酸若しくはそのエス
テル形成性誘導体及び/又は炭素数1〜18の一価アル
コールで末端エステル化したポリエステルからなるポリ
エステル系樹脂用可塑剤、並びに、 (2)ポリエステル系樹脂100重量部に対して、上記
可塑剤1〜30重量部を含有してなるポリエステル系樹
脂組成物に係る。
【0007】本発明の可塑剤における(A)成分の炭素
数2〜20の脂肪族多塩基酸としては、例えばシュウ
酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、
スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジ
酸、テトラデカンジ酸、ヘキサデカンジ酸、オクタデカ
ンジ酸等の脂肪族二塩基酸を好ましく使用できる。ま
た、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸等
の脂肪族三塩基酸、ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族
四塩基酸等を適宜併用できる。また、これら脂肪族多塩
基酸のエステル形成性誘導体としては、これら多塩基酸
の低級アルキルエステル、酸ハライド、酸無水物等を挙
げることができる。これらの脂肪族多塩基酸若しくはそ
のエステル形成性誘導体は、一種単独で又は二種以上を
混合して使用することができる。
【0008】(A)成分の炭素数8〜20の芳香族多塩
基酸としては、例えばオルソフタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン、ナ
トリウムスルホイソフタル酸等の芳香族二塩基酸を好ま
しく使用できる。また、トリメシン酸、トリメリット酸
等の芳香族三塩基酸、ピロメリット酸等の芳香族四塩基
酸等を適宜併用できる。また、これら芳香族多塩基酸の
エステル形成性誘導体としては、これら多塩基酸の低級
アルキルエステル、酸ハライド、酸無水物等を挙げるこ
とができる。これらの芳香族多塩基酸若しくはそのエス
テル形成性誘導体は、一種単独で又は二種以上を混合し
て使用することができる。
【0009】(B)成分の脂肪族多価アルコールとして
は、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレング
リコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコー
ル等の脂肪族二価アルコールを好ましく使用できる。ま
た、グリセリン、トリメチロールプロパン等の脂肪族三
価アルコール、ペンタエリスリトール等の脂肪族四価ア
ルコール等を適宜併用できる。これらの脂肪族多価アル
コールは、一種単独で又は二種以上を混合して使用する
ことができる。
【0010】(C)成分の炭素数1〜18の一塩基酸と
しては、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カ
プロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、トルイル酸、イソ
ノナン酸、安息香酸、ドデカン酸、ジメチル安息香酸等
を好ましく使用できる。また、これら一塩基酸のエステ
ル形成性誘導体としては、これら一塩基酸の低級アルキ
ルエステル、酸ハライド、酸無水物等を挙げることがで
きる。これらの一塩基酸又はそのエステル形成性誘導体
は、一種単独で又は二種以上を混合して使用することが
できる。
【0011】(C)成分の炭素数1〜18の一価アルコ
ールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソ
ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2
−エチルヘキサノール、n−ドデカノール、テトラデカ
ノール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール等
を好ましく使用できる。これらの一価アルコールは、一
種単独で又は二種以上を混合して使用することができ
る。
【0012】本発明のポリエステル系樹脂用可塑剤であ
る末端エステル化ポリエステルは、上記(A)成分と
(B)成分とを縮重合したものを、(C)成分で末端エ
ステル化することにより調製される。この際の縮重合反
応及び末端エステル化反応は、それ自体公知の方法によ
り、行なうことができる。
【0013】より具体的には、例えば、(A)成分と
(B)成分とを触媒の存在下又は非存在下に脱水エステ
ル化反応又はエステル交換反応せしめ、更に縮重合反応
を進行させて末端がヒドロキシ基又は/及びカルボキシ
ル基のポリエステルとし、これを(C)成分で末端エス
テル化反応する方法により、調製できる。この場合、
(A)成分と(B)成分との反応と同時に(C)成分を
反応させても良いし、(A)成分と(B)成分との反応
終了後に(C)成分を反応させても良い。上記反応にお
ける触媒としては、例えばテトラブチルチタネート、テ
トライソプロピルチタネート等のテトラアルキルチタネ
ート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズラウレー
ト等のスズ化合物、酢酸鉛等の鉛化合物を挙げることが
できる。また、上記反応では、反応溶媒として(B)成
分の多価アルコールを過剰に用いても良いし、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の溶媒を使用しても良い。ま
た、上記反応は、特に限定されないが、通常、100〜
250℃程度で4〜15時間程度反応した後、更に減圧
下170〜250℃程度で4〜15時間程度反応させる
ことにより、行なうことができる。
【0014】また、例えば、(A)成分及び(C)成分
として酸ハライドを用い、(B)成分の多価アルコール
と共に、通常の条件下、縮重合反応及び末端エステル化
反応する方法によって調製することもできる。
【0015】ここで、本発明においては、(A)成分
中、炭素数2〜20の脂肪族多塩基酸若しくはそのエス
テル形成性誘導体:炭素数8〜20の芳香族多塩基酸若
しくはそのエステル形成性誘導体は、モル比で1:0.
1〜1:2.0であり、好ましくは1:0.2〜1:
0.5である。この使用割合が1:0.1未満即ち芳香
族多塩基酸が少なくなり過ぎるとポリエステル系樹脂と
の相溶性が低下し、ブリードアウトや耐熱性の低下を来
すという欠点を生じ、又1:2.0を越えた場合即ち芳
香族多塩基酸が多くなり過ぎると柔軟性付与効果が低下
するという欠点を生じる。
【0016】かくして得られる本発明の脂肪族−芳香族
ポリエステル系可塑剤である末端エステル化ポリエステ
ルの数平均分子量は、500〜5000程度、好ましく
は700〜3000程度であるのが適当である。500
未満では耐熱性が低下し、更にポリエステル系樹脂に配
合して成形品とした場合にブリードアウトを生じる傾向
にあり、又5000を越えるとポリエステル系樹脂への
柔軟性付与が不十分となる傾向にあるので、いずれも好
ましくない。
【0017】本発明のポリエステル系樹脂組成物は、ポ
リエステル系樹脂100重量部に対して、上記本発明可
塑剤1〜30重量部、好ましくは3〜20重量部を含有
してなる樹脂組成物であり、各成分を常法に従い適宜配
合して調製することができる。可塑剤の配合量が1重量
部未満では柔軟性の付与が十分でなく、又30重量部以
上ではブリードアウトを生じる傾向にあるのでいずれも
好ましくない。
【0018】ここで、上記ポリエステル系樹脂は、多塩
基酸又はそのエステル形成性誘導体と多価アルコールと
を縮重合して得られるものである。
【0019】当該多塩基酸成分としては、例えばテレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニルジカルボン酸等の芳香族二塩基酸、アジピン酸、
セバシン酸等の脂肪族二塩基酸、その他の多塩基酸を挙
げることができる。また、多価アルコールとしては、例
えば、エチレングリコール、1,4−ブチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等
の脂肪族ジオール、ビスフェノールA、ハイドロキノン
等の芳香族ジオール、その他の多価アルコールを挙げる
ことができる。本発明において、ポリエステル系樹脂と
して好ましいものは、多塩基成分がテレフタル酸を主成
分とするものであり、多価アルコール成分がエチレング
リコール、1,4−ブチレングリコール等のアルキレン
グリコールである、ポリアルキレンテレフタレートであ
る。
【0020】本発明のポリエステル系樹脂組成物には、
本発明可塑剤の他に、必要に応じて、例えば酸化防止
剤、光安定剤、他の可塑剤、滑剤等の各種添加剤を適宜
配合しても良い。
【0021】本発明のポリエステル系樹脂組成物を成形
品とする場合には、常法に従えばよく、一般的には、ペ
レット状、パウダー状等のポリエステル系樹脂、本発明
可塑剤及び必要に応じてその他の添加剤をドライブレン
ドし、これを該樹脂の融点以上300℃程度以下、好ま
しくは230〜280℃程度で溶融混練して均質化した
後、ストランド状に押し出し、次いで所望の長さに切断
して粒子状とし、これを乾燥後成形機ホッパーに投入
し、成形に供することができる。
【0022】
【発明の効果】本発明の脂肪族−芳香族ポリエステル系
可塑剤は、従来の可塑剤に比して、耐熱性に優れるため
低揮発性で低熱分解性であり、ポリエステル系樹脂との
相溶性に優れ、ポリエステル系樹脂組成物成形品のブリ
ードアウトも殆どなく、該樹脂に柔軟性を効果的に付与
することができる。
【0023】かかる可塑剤を配合した本発明ポリエステ
ル系樹脂組成物は、溶融時の流動性(成形加工性)や成
形品表面の外観に優れることから、電気・電子部品、建
材部品、自動車部品、パイプ、容器等の各種成形品に広
く利用できるのは勿論、特に柔軟性を必要とするフィル
ムやシート等の分野に好適に使用できる。
【0024】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明する。但し、本発明は、これら各例に
より、限定されるものではない。
【0025】実施例1 反応による留出物を除去するための冷却管の付いた50
0ml四っ口コルベンに、ジメチルアジペート196
g、ジメチルイソフタレート73g(ジメチルアジペー
ト:ジメチルイソフタレート(モル比)=1:0.3
3)、1,3−ブタンジオール135g、2−エチルヘ
キサノール65g及びテトラブチルチタネート0.05
gを入れ、窒素置換をした後、撹拌下に230℃まで昇
温し同温度で4時間反応させ、ほぼ理論量のメタノール
(96g)を留去した。次に、未反応及び過剰の1,3
−ブタンジオール22gを減圧留去しつつ、同温度で更
に4時間縮重合反応を続け、本発明の脂肪族−芳香族ポ
リエステル系可塑剤である末端2−エチルヘキシル化ポ
リ1,3−ブタンジオールアジペートイソフタレート3
50gを得た。
【0026】このものは、常温で淡黄色の粘稠液体であ
った。また、GPC分析による数平均分子量(ポリスチ
レン換算)は、1300であった。
【0027】実施例2 実施例1において、ジメチルアジペートの使用量を21
7g、ジメチルイソフタレートの使用量を75g(ジメ
チルアジペート:ジメチルイソフタレート(モル比)=
1:0.33)、1,3−ブタンジオールの使用量を1
50gとした以外は、実施例1と同様にして、本発明の
脂肪族−芳香族ポリエステル系可塑剤である末端2−エ
チルヘキシル化ポリ1,3−ブタンジオールアジペート
イソフタレート375gを得た。
【0028】このものは、常温で淡黄色の粘稠液体であ
った。また、GPC分析による数平均分子量(ポリスチ
レン換算)は、1500であった。
【0029】実施例3 反応による留出物を除去するための冷却管の付いた50
0ml四っ口コルベンに、アジピン酸183g、イソフ
タル酸69g(アジピン酸:イソフタル酸(モル比)=
1:0.33)、1,3−ブタンジオール198g及び
テトラブチルチタネート0.05gを入れ、実施例1と
同様にして、生成水60gを留去した。次に、実施例1
と同様にして、未反応及び過剰の1,3−ブタンジオー
ル33gを減圧留去しつつ、縮重合反応を続けた。冷却
後、末端ヒドロキシル基をアセチル化するため無水酢酸
41gを添加し、100℃で2時間反応させた後、生成
した酢酸20g及び過剰の無水酢酸7gを留去し、本発
明の脂肪族−芳香族ポリエステル系可塑剤である末端ア
セチル化ポリ1,3−ブタンジオールアジペートイソフ
タレート370gを得た。
【0030】このものは、常温で淡黄色の粘稠液体であ
った。また、GPC分析による数平均分子量(ポリスチ
レン換算)は、2200であった。
【0031】比較例1 反応による留出物を除去するための冷却管の付いた50
0ml四っ口コルベンに、ジメチルアジペート287
g、1,3−ブタンジオール151g、2−エチルヘキ
サノール65g及びテトラブチルチタネート0.05g
を入れ、実施例1と同様にして、生成メタノール106
gを留去した。次に、実施例1と同様にして、未反応及
び過剰の1,3−ブタンジオール25gを減圧留去しつ
つ、縮重合反応を続け、比較の脂肪族ポリエステル系可
塑剤である末端2−エチルヘキシル化ポリ1,3−ブタ
ンジオールアジペート373gを得た。
【0032】このものは、常温で淡黄色の粘稠液体であ
った。また、GPC分析による数平均分子量(ポリスチ
レン換算)は、1500であった。
【0033】比較例2 反応による留出物を除去するための冷却管の付いた50
0ml四っ口コルベンに、アジピン酸243g、1,3
−ブタンジオール198g及びテトラブチルチタネート
0.05gを入れ、実施例1と同様にして、生成水60
gを留去した。次に、実施例1と同様にして、未反応及
び過剰の1,3−ブタンジオール33gを減圧留去しつ
つ、縮重合反応を続けた。冷却後、末端をアセチル化す
るため、無水酢酸41gを添加し、100℃で2時間反
応させた後、生成した酢酸20g及び過剰の無水酢酸7
gを留去し、比較の脂肪族ポリエステル系可塑剤である
末端アセチル化ポリ1,3−ブタンジオールアジペート
362gを得た。
【0034】このものは、常温で淡黄色の粘稠液体であ
った。また、GPC分析による数平均分子量(ポリスチ
レン換算)は、2200であった。
【0035】比較例3 反応による留出物を除去するための冷却管の付いた50
0ml四っ口コルベンに、テレフタル酸249g、1,
4−ブタンジオール189g及びテトラブチルチタネー
ト0.05gを入れ、実施例1と同様にして、生成水5
4gを留去した。次に、実施例1と同様にして、未反応
及び過剰の1,4−ブタンジオール32gを減圧留去し
つつ、縮重合反応を続けた。冷却後、末端をアセチル化
するため、無水酢酸61gを添加し、100℃で2時間
反応させた後、生成した酢酸30g及び過剰の無水酢酸
10gを留去し、比較の芳香族ポリエステル系可塑剤で
ある末端アセチル化ポリ1,4−ブタンジオールテレフ
タレート370gを得た。
【0036】このものは、常温で白色の固体であった。
また、GPC分析による数平均分子量(ポリスチレン換
算)は、1500であった。
【0037】比較例4 比較例1で得た脂肪族ポリエステル系可塑剤である末端
2−エチルヘキシル化ポリ1,3−ブタンジオールアジ
ペートと、比較例3で得た芳香族ポリエステル系可塑剤
である末端アセチル化ポリ1,4−ブタンジオールテレ
フタレートとを、重量比1:1で加熱溶融し、均一に混
合して比較の可塑剤を得た。
【0038】可塑剤の加熱残存率の測定 実施例1〜3及び比較例1〜4の各可塑剤を260℃で
1時間加熱後の残存率(%)を、熱重量分析(TG)に
より測定した。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】この結果より、比較例1及び2の脂肪族ポ
リエステル系可塑剤は耐熱性が比較的低く揮発によるヒ
ートロスが比較的大きいのに対して、本発明の脂肪族−
芳香族ポリエステル系可塑剤は耐熱性に優れヒートロス
が非常に少ないことが判る。 実施例4〜6及び比較例5〜9 120℃で5時間乾燥したポリブチレンテレフタレート
樹脂(オルソクロロフェノール溶液中35℃で測定した
極限粘度は1.05)100重量部に、実施例1〜3で
得た本発明の各可塑剤10重量部を予備混練し、この混
合物を押出機に入れバレル(シリンダー)温度250℃
にて溶融混合し、ダイスから吐出されるストランドを冷
却、切断して、本発明ポリエステル系樹脂組成物である
実施例4〜6の成形用ペレットを得た。
【0041】比較のため、可塑剤を添加しないもの及び
比較例1〜4で得た比較の各可塑剤を10重量部添加し
たものについても、同様にして、比較のポリエステル系
樹脂組成物である比較例5〜9の成形用ペレットを得
た。
【0042】次いで、上記各成形用ペレットを用いて溶
融流動性を測定すると共に、シリンダー温度240℃、
金型温度60℃、射出圧力1000Kg/cm2 にて試験片
を成形し、弾性率、成形後の外観、ブリードアウトを調
べた。試験方法は、次の通りである。
【0043】溶融流動性(g/10分):ASTM D−
1238−90aに準じて、230℃、荷重2.16Kg
f で溶融流動性(MFR)を測定した。
【0044】弾性率(Kg/cm2 ):ASTM D−63
8−89に準じて、引張速度10mm/分での引張弾性率
を測定した。
【0045】成形後の外観:試験片表面へのにじみ出し
を、目視で調べた。○は良好、△はやや不良、×は不
良、を夫々示す。
【0046】ブリードアウト:試験片を140℃で3時
間オーブンで加熱した後の表面を、目視で調べた。○は
良好、△はやや不良、×は不良、を夫々示す。
【0047】試験結果を、表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】この結果より、本発明の脂肪族−芳香族ポ
リエステル系可塑剤を用いたポリエステル系樹脂組成物
は、可塑剤と樹脂との相溶性に優れ、成形品表面へのに
じみ出し、ブリードアウト等がなく、又弾性率が可塑剤
を添加しない場合(比較例5)の約1/2 となり柔軟性を
効果的に付与できることが明らかである。
【0050】一方、従来の脂肪族ポリエステル系可塑剤
の場合(比較例6、7)は、可塑剤と樹脂との相溶性が
不十分で、成形品表面へのにじみ出し、ブリードアウト
等が見られ、又柔軟性の付与も不十分である。また、従
来の芳香族ポリエステル系可塑剤の場合(比較例8)
は、可塑剤と樹脂との相溶性は良いが、柔軟性の付与が
極めて不十分である。また、従来の脂肪族ポリエステル
系可塑剤と芳香族ポリエステル系可塑剤を単に混合した
場合(比較例9)も、可塑剤と樹脂との相溶性が不十分
で、成形品表面へのにじみ出し、ブリードアウト等が見
られ、又柔軟性の付与も不十分である。
【0051】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)炭素数2〜20の脂肪族多塩基酸若
    しくはそのエステル形成性誘導体:炭素数8〜20の芳
    香族多塩基酸若しくはそのエステル形成性誘導体がモル
    比で1:0.1〜1:2.0である多塩基酸と(B)炭
    素数2〜12の脂肪族多価アルコールとを縮重合したも
    のを、(C)炭素数1〜18の一塩基酸若しくはそのエ
    ステル形成性誘導体及び/又は炭素数1〜18の一価ア
    ルコールで末端エステル化したポリエステルからなるポ
    リエステル系樹脂用可塑剤。
  2. 【請求項2】炭素数8〜20の芳香族多塩基酸が、オル
    ソフタル酸、イソフタル酸若しくはテレフタル酸である
    請求項1に記載の可塑剤。
  3. 【請求項3】ポリエステルの数平均分子量が、500〜
    5000である請求項1に記載の可塑剤。
  4. 【請求項4】ポリエステル系樹脂100重量部に対し
    て、請求項1に記載の可塑剤1〜30重量部を含有して
    なるポリエステル系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】ポリエステル系樹脂が、ポリアルキレンテ
    レフタレートである請求項4に記載の組成物。
JP16142793A 1993-06-30 1993-06-30 可塑剤及びポリエステル系樹脂組成物 Pending JPH0718167A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16142793A JPH0718167A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 可塑剤及びポリエステル系樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16142793A JPH0718167A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 可塑剤及びポリエステル系樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0718167A true JPH0718167A (ja) 1995-01-20

Family

ID=15734905

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16142793A Pending JPH0718167A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 可塑剤及びポリエステル系樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0718167A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08183895A (ja) * 1994-12-28 1996-07-16 Shimadzu Corp 生分解性ポリエステル組成物及びその成型品
JP2002097261A (ja) * 2000-07-17 2002-04-02 Toray Ind Inc ポリエステルフィルム
JP2004315666A (ja) * 2003-04-16 2004-11-11 Achilles Corp ターポリン用フィルム
JP2009155454A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Fujifilm Corp ポリマーフィルム、それを用いた位相差フィルム、偏光板、および液晶表示装置
JP2010535926A (ja) * 2007-08-15 2010-11-25 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 改善された流動性および良好な機械的特性を有するポリエスエル混合物

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08183895A (ja) * 1994-12-28 1996-07-16 Shimadzu Corp 生分解性ポリエステル組成物及びその成型品
JP2002097261A (ja) * 2000-07-17 2002-04-02 Toray Ind Inc ポリエステルフィルム
JP2004315666A (ja) * 2003-04-16 2004-11-11 Achilles Corp ターポリン用フィルム
JP2010535926A (ja) * 2007-08-15 2010-11-25 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 改善された流動性および良好な機械的特性を有するポリエスエル混合物
JP2009155454A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Fujifilm Corp ポリマーフィルム、それを用いた位相差フィルム、偏光板、および液晶表示装置
US9512295B2 (en) 2007-12-26 2016-12-06 Fujifilm Corporation Polymer film, and phase difference film, polarizing plate and liquid crystal display device using the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5662279B2 (ja) 可塑化ポリエステルから製造されたフィルム
JP2011529990A (ja) コポリエーテルエステル組成物およびそれから作製された物品
KR20040026614A (ko) 폴리에스테르 수지의 제조방법
CA2450808A1 (en) Polyester compositions
EP0180970B1 (en) Polyester block copolymer composition
KR101372581B1 (ko) 내가수분해성 및 생분해성 지방족/방향족 코폴리에스테르수지 조성물
JPS63213550A (ja) コポリエステルーカーボネート樹脂とポリエステル樹脂の改良された色特性を示すブレンド
EP2716711B1 (en) Hydrolysis resistant and biodegradable aliphatic-aromatic copolyester resin composition
US4131595A (en) Thermoplastic moulding compositions
KR101532435B1 (ko) 락트산 공중합체 및 그 제조방법
US4207230A (en) Block copolyesters which crystallize rapidly
EP0020693B1 (en) Copolyesters of polybutylene terephthalate
KR101801702B1 (ko) 내충격성 및 내열성이 우수한 폴리유산 수지 및 공중합 폴리에스테르 수지 블렌드 및 이를 이용한 성형제품
US4542203A (en) Method for producing branched aromatic polyesters
JPH0718167A (ja) 可塑剤及びポリエステル系樹脂組成物
JP2002532593A (ja) 帯電防止性及び高明澄度を有するコポリエステル
TWI696645B (zh) 末端改質聚對苯二甲酸丁二酯樹脂、含有其之熱可塑性樹脂組成物及成形品
KR101801705B1 (ko) 내충격성 및 내열성이 우수한 폴리유산 수지 및 공중합 폴리에스테르 수지 블렌드 및 이를 이용한 성형제품
WO2004067639A1 (ja) 樹脂用可塑剤及び樹脂組成物
JP3409424B2 (ja) ポリエステル樹脂用エステル系可塑剤及びそれを含む樹脂組成物
JPS60208325A (ja) ポリエステルの製造方法
JP3644153B2 (ja) ポリエステル組成物、その製造方法およびフィルム
JP3678284B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP2665074B2 (ja) ポリエステルの製造方法
JPH09255856A (ja) 結晶化促進剤及びそれを含む樹脂組成物