JPH08183895A - 生分解性ポリエステル組成物及びその成型品 - Google Patents

生分解性ポリエステル組成物及びその成型品

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JPH08183895A
JPH08183895A JP6327440A JP32744094A JPH08183895A JP H08183895 A JPH08183895 A JP H08183895A JP 6327440 A JP6327440 A JP 6327440A JP 32744094 A JP32744094 A JP 32744094A JP H08183895 A JPH08183895 A JP H08183895A
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Yasuhiro Fujii
康宏 藤井
Yoshikazu Kondo
義和 近藤
Yoshiaki Hirai
良明 平井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 【構成】本発明は、炭素数10〜40の飽和アルキル
基、炭素数10〜40の不飽和アルキル基、又は炭素数
10〜40のアルキルアリル基からなるセグメント
(B)と、脂肪族ポリエステル又は芳香族成分を有し融
点200℃以下のポリエステルからなるセグメント
(C)とからなる化合物(D)を、脂肪族ポリエステル
を主成分とする生分解性ポリエステル(A)に対し、1
〜50重量%、好ましくは3〜30%混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改良された生分解性ポ
リエステル組成物及びその成型品に関する。
【0002】
【従来の技術】生分解性又は自然環境下で分解するポリ
マーが、環境保護の見地から注目されている。脂肪族ポ
リエステルを主成分とする重合体は、分解性、溶融成型
性などに優れ、最も実用性が高いと期待されている。
【0003】一般に、分解性ポリマーは、目的や用途に
よって分解速度や寿命の異なるものが必要とされる。従
って、分解速度を広範囲に変えられるような、分解性ポ
リマーが好ましい。しかし、従来の分解性ポリマーの分
解性は限られており、より広範囲且つ自由に分解性を変
えられるものが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、脂肪族ポリエ
ステルにおいて、その結晶性や疎水性が高いほど分解性
が低い。従って、第3成分の共重合や混合により結晶性
を低下したり、親水性成分の共重合や混合によって、分
解性を高めることは比較的容易である。他方、分解性の
低減には、ポリマーの純度や結晶性の向上が有効である
が、それには限度があり、更に低分解性のものが必要と
される場合がある。また、高結晶性ポリマーは一般にも
ろく、例えば耐衝撃性が劣る傾向があり、その改良のた
め第3成分の共重合や混合により結晶性を低下させるこ
とが広く行なわれるが、結晶性の低下に伴ない分解速度
が増大する。しかし、結晶性を低下せしめたもので、な
お且つ分解性の低いポリマーが必要とされる場合も多
い。
【0005】本発明の目的は、脂肪族ポリエステルを主
成分とする生分解生ポリマーにおいて、抑制された分解
性を有する新規な組成物を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、炭素数
10〜40の飽和アルキル基、炭素数10〜40の不飽
和アルキル基、又は炭素数10〜40のアルキルアリル
基からなるセグメント(B)と、脂肪族ポリエステル又
は芳香族成分を有し融点200℃以下のポリエステルか
らなるセグメント(C)とからなる化合物(D)を、脂
肪族ポリエステルを主成分とする生分解性ポリエステル
(A)に対し、1〜50重量%、好ましくは3〜30%
混合することにより達成される。
【0007】本発明において、セグメントとは鎖状分子
を形成する1部分を言う。化合物(D)を形成するセグ
メント(B)及び(C)は、その効果を発揮するには、
共に或る程度以上の大きさが必要である。セグメント
(B)は、アルキル基又はアルキルアリル基で炭素数1
0以上の必要があり、12以上が特に好ましい。炭素数
40以上のものは製造が困難であり、又それほど大きい
セグメントは必要がない。セグメント(B)は、疎水性
成分で、成型品の表層に存在することが多く、成型品の
撥水性を高め、分解性を抑制する。
【0008】セグメント(C)は、生分解性ポリエステ
ル(A)に対し親和性(良好な混和性と接着性)を有す
るもので、成型品の内部に存在し、セグメント(B)の
脱落を防ぐアンカー(錨)効果を発揮する。良好なアン
カー効果を発揮するには、セグメント(C)は或程度大
きい分子量、例えば150以上、特に1,000 以上を持つ
ことが好ましく、分子量2,000 以上が最も好ましい。し
かしセグメント(C)が大きすぎると、溶融粘度が大き
くなり、生分解性ポリエステル(A)への混合が困難と
なるので、セグメント(C)の分子量は10万以下が好
ましく、5万以下が特に好ましく、3万以下が最も好ま
しい。
【0009】本発明において、脂肪族ポリエステルを主
成分とする生分解性ポリエステルとは、ポリヒドロキシ
ブチレート、ポリグリコール酸、ポリ乳酸などのポリヒ
ドロキシアルキレート(PHA)、ポリカプロラクト
ン、ポリピバロラクトン、などのポリラクトン(P
L)、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペー
ト、ポリヘキサンアジペート、ポリデカンアジペート、
ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポ
リヘキサンセバケート、ポリデカンセバケートなど脂肪
族ジオールと脂肪族ジカルボン酸から得られるポリアル
キレンアルキレート(PAA)、及びそれらにエステル
結合形成性又は異種の化学結合形成性の単量体や重合体
を共重合したもので、重合体中に占める脂肪族ポリエス
テル又はエステル結合を形成している脂肪族成分の占め
る重量比率が50%以上であるものを言う。例えば、ポ
リヘキサンアジペートは脂肪族成分100%であり、ポ
リエチレンイソフタレートは脂肪族成分が約28%であ
り、両者の等モル共重合物は脂肪族成分が約66%であ
る。
【0010】脂肪族以外のエステル結合形成性成分とし
ては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、スルホイソ
フタル酸、ナフタレンシカルボン酸などの芳香族ジカル
ボン酸、ヒドロキシ安息香酸などの芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸、ジエチレングリコール、、トリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ルなどのエーテルグリコールなどがあげられ、異種の化
学結合としては、例えばアミド結合、ウレタン結合、尿
素結合、カーボネート結合、エーテル結合などがあげら
れる。
【0011】本発明に用いる生分解性ポリエステル
(A)は、上記のように脂肪族ポリエステルのホモポリ
マー及びそれらに第3成分を共重合したものを包含す
る。共重合の目的は、結晶性の低下による柔軟性の増
大、衝撃強度の改良、染色性の改良、その他の改良があ
げられる。一般に共重合成分が多いほど変性度が進み、
安定性や耐熱性が劣る傾向がある。従って、共重合比率
は、改良に必要な最小限度とすることが好ましく、過大
な共重合比率はあまり用いられない。上記改良のための
共重合比率は、多くの場合0.5 〜50%、特に1〜30
%がよく用いられ、2〜20%が最も多く用いられる。
【0012】化合物(D)を形成するセグメント(C)
は、生分解性ポリエステル(A)と良好な親和性を有す
ることが必要である。最も良好な親和性は、両者が化学
的に同一構造又は極めて近似する構造や近似する成分か
らなる場合に得られる。すなわち、セグメント(C)
は、生分解性ポリマー(A)と同一又は近似するポリマ
ー又はオリゴマーが最も好ましい。ここで、ポリマーや
オリゴマーの近似性は、それを構成する構成単位又は単
量体の近似性で示すことが出来る。例えば、ポリマーや
オリゴマーを構成する単量体の50重量%以上、特に7
0%以上が同一であれば、近似性が高く、それが90%
以上であれば近似性は極めて高い。
【0013】同様に、例えばポリ乳酸、ポリグリコール
酸、ポリヒドロキシブチレートなどは化学構造か互いに
近似し、相互親和性が高い。すなわち、一般に脂肪族ポ
リエステル同志は、かなり親和性が高い。また芳香族成
分をもつポリエステルでも、結晶性が低く、融点の比較
的低いものは混和性が認められる。混和性の見地から、
セグメント(C)の融点は200℃以下が必要であり、
180℃以下が好ましい。ここでセグメント(C)の融
点は、例えば走査型示差熱量計で、セグメント(B)と
セグメント(C)の融点をそれぞれ分離したピークとし
て観測出来る場合もあるが、セグメント(B)と結合す
る前のセグメント(C)の融点で代用することが出来
る。
【0014】本発明の化合物(D)は、セグメント
(B)を形成する化合物と、セグメント(C)を形成す
る化合物を化学的に結合して製造することが出来る。す
なわち、セグメント(B)を形成する化合物として、分
子末端に水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ
基などの官能基を持つものを用い、その末端からセグメ
ント(C)を形成する化合物を合成(重合)することが
出来る。同様に分子末端に官能基を持つセグメント
(B)と、同じく末端に官能基を持つセグメント(C)
とを反応させて一体化することも出来る。同様に両者の
末端官能基に反応性の、例えば2官能又は多官能化合物
を反応させ、セグメント(B)とセグメント(C)とを
結合してもよい。このような多官能性の化合物として、
例えばジアミン、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、
ジカルボン酸塩化物、ジイソシアネートなどがあげられ
る。同様にアルデヒド類が2つの水酸基と反応してアセ
タール結合を形成する現象を利用することが出来る。
【0015】従ってセグメント(B)とセグメント
(C)とを結合する化学結合は、エステル結合、アミド
結合、尿素結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボ
ネート結合、アセタール結合、その他任意の結合とする
ことが出来る。
【0016】化合物(D)としては、セグメント(B)
1個とセグメント(C)1個がB・Cの形に結合された
もの、セグメント(B)2個とセグメント(C)1個と
がB・C・Bの形に結合されたもの、セグメント(B)
1個とセグメント(C)2個がC・B・Cの形で結合さ
れたものなどが好ましいが、B・Cの形のものが最も好
ましい。セグメント(B)が成型品の表層に配置し、セ
グメント(C)が内部に配置するために最も効果的であ
るからである。
【0017】同様に化合物(D)は、生分解性ポリエス
テル(A)と相互反応性を持たぬか、反応性が低いこと
が望ましい。相互に反応(共重合)すると、セグメント
(B)の表層配置効率が低下するからである。この見地
からは、化合物(D)は、未反応の水酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基などを持たぬことが望ましい。従って、
化合物(D)の製造法としては、1つの官能基を持つセ
グメント(B)と、1つの官能基を持つセグメント
(C)とを反応させることが好ましい。同様に、1つの
反応基を持つセグメント(B)(例えば高級アルコー
ル)と、2つの反応基を持つセグメント(C)(例えば
両末端に官能基を持つ脂肪族ポリエステル)とを1/1
で結合した後、残った1つの末端官能基を1官能性の化
合物、例えばモノアルコール、モノカルボン酸、モノカ
ルボン酸塩化物、モノカルボン酸無水物、モノアミン、
モノイソシアネートなどと反応させて封鎖し、好ましい
安定な化合物(D)を得ることが出来る。
【0018】セグメント(B)を形成する有用な化合物
としては、炭素数10〜40の飽和又は不飽和カルボン
酸、炭素数10〜40の飽和又は不飽和脂肪族アルコー
ル、炭素数10〜40の脂肪族アミン、炭素数10〜4
0のアルキルアリル基を持つアルコール、カルボン酸又
はアミンなどがあげられる。容易且つ安価に入手可能な
ものとしては、デシルアルコール、ラウリルアルコー
ル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、リノレ
イルアルコール、オレイルアルコール、ラウリン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、ソノレイン
酸、オレイン酸、不飽和脂肪酸又はアルコールを二量体
化したものなどが好ましい。
【0019】化合物(D)は、生分解性ポリエステル
(A)の重合から成型までの間、好ましくは重合工程後
期、重合終了後又は成型前に、生分解性ポリエステル
(A)に混合される。混合は、溶融状態で機械的攪拌で
行なうことが出来る。ポリマーを溶融送液する配管内や
紡糸口金、製膜口金内に設けた多段の静止混合器で混合
することも有用である。生分解性ポリマー(A)と化合
物(D)を共に粉末化し、粉末状で混合した後溶融又は
溶剤に溶解し、成型、紡糸、製膜することも出来る。
成型時又は成型後、化合物(D)の少なくとも1部は成
型品(繊維、フィルムなどを含む)の表面に浸出し、セ
グメント(B)は成型品の表面又は外層に配置し、セグ
メント(C)はそれよりも内部に配置されていく。セグ
メント(B)の表面浸出は、温度によって加速される傾
向が認められる。
【0020】表面に浸出したセグメント(B)の量が充
分にあれば撥水性の薄膜構造が形成され、成型品に優れ
た撥水性が付与され、成型品の分解性が抑制される。一
般に化合物(D)の混合率が高いほど分解抑制効果が強
められるが、あまり化合物(D)の混合率が高いと成型
品の物性の劣化を生じる。従って化合物(D)の混合率
は1〜50重量%の範囲に限定され、3〜30%が好ま
しく、特に5〜20%が好ましい。セグメント(B)の
少なくとも一部、好ましくは10%以上、最も好ましく
は20%以上が成型品の表面又は外層に存在することが
望ましい。そのためには、生分解性ポリエステル(A)
の中を、化合物(D)が比較的容易に拡散することが好
ましく、従って化合物(D)の分子量は5万以下が好ま
しく、3万以下、特に1万以下が最も好ましい。また成
型品を加熱して、化合物(D)の拡散や、セグメント
(B)の表面への浸出を促進することが出来る。
【0021】
【作用】上記のように、本発明組成物の分解を抑制する
のは、セグメント(B)である。組成物中のセグメント
(B)の重量比率が大きいほど、分解抑制効果が大き
い。組成物中のセグメント(B)の重量比率は0.1 〜5
%が好ましく、0.3 〜4%が特に好ましく、0.5 〜3%
が最も広く用いられる。
【0022】なお、本発明において、部及び%は特に断
らない限り重量部、重量%である。脂肪族成分を主成分
とするポリエステルの分子量は、試料のクロロホルム0.
1 %溶液のGPC(ポリスチレン標準試料で較正)分析
で高分子物(分子量500以下を除く)の分散の重量平
均値とする。
【0023】
【実施例】
[実施例1]光学純度99%以上のL−ラクチドに対し
て8モル%のステアリルアルコール、重合触媒として0.
1 %のオクチル酸錫を混合し、窒素雰囲気中190℃で
16分間攪拌重合し、その後圧力5Kg/cm2 下で末端封
鎖剤として無水酢酸を3.3 %添加し、5分間攪拌反応さ
せた後、冷却、固化、粉末化して樹脂状粉末P1を得
た。粉末P1を、塩酸(35%水溶液)0.1%を含む
アセトンで25℃、30分間処理し、更にアセトン洗浄
を3回繰返し、粉末状樹脂D1を得た。樹脂D1は、ス
テアリル基をセグメント(B)とし、分子量約1,600 の
ポリ乳酸で末端が酢酸で封鎖されたものをセグメント
(C)とし、両者がエステル結合で結合されたものであ
る。
【0024】光学純度99%以上のL−ラクチドに対
し、重合触媒として0.1 %のオクチル酸錫、酸化防止剤
としてチバガイギー社のイルガノツクス1010を0.1 %を
混合し、互いに噛み合うスクリュウ型の送液素子群と、
互いに噛み合う2フライト型(長円形)攪拌素子群から
なる2軸溶融混練機で、190℃で18分間溶融重合し
た。2軸混練機の最終ベント孔から樹脂D1を重合物に
対して6%供給し、3分間溶融攪拌し、口金より押出
し、冷却、切断してチップC1を得た。チップC1を窒
素雰囲気中、圧力3Kg/cm2 、温度120℃で8時間加
熱した後、徐々に圧力を低下し、大気圧下140℃、2
0時間、更に1Torrの真空中140℃で8時間加熱して
固相重合し、ポリマーP1を得た。ポリマーP1のステ
アリル基含有率は約0.8 %である。
【0025】一方、比較のため、ポリマーP1と同様に
して、但し、重合後樹脂D1を混合しないで得たものを
ポリマーP2とする。
【0026】ポリマーP1を200℃のスクリュウ押出
機で溶融し、孔径0.2mm 、温度195℃のオリフィスよ
り紡出し、空気中で冷却後オイリングして800m/min
の速度で巻取り、次に延伸温度80℃で3.6 倍延伸し、
緊張下120℃で熱処理して、繊度150デニール/4
8フィラメントの延伸糸Y1を得た。糸Y1の強度は5.
3g/d、伸度27%、分子量12万8千であった。
【0027】同様に、ポリマーP2から得たものを延伸
糸Y2とする。糸Y2の強度は5.3g/d、伸度28%、分
子量13万3千であった。
【0028】延伸糸Y1及びY2を土壌中に埋没し、2
年間の強度の変化を調査した。強度が初期強度の1/2
になる時間を求めた。結果を表1に示す。表1に見るよ
うに、本発明による延伸糸Y1の分解性が抑制されてい
るのが明らかである。
【0029】
【表1】 [実施例2]光学純度99%以上のL−ラクチドに対し
て、分子量8,600 のポリエチレングリコール2.5 %、重
合触媒オクチル酸錫0.1 %、及び酸化防止剤イルガノツ
クス1010を0.1 %混合し、以下実施例1のポリマーP1
と同様に分解抑制剤D1を6%混合した後チップ化、固
相重合を行ない、ポリマーP3を得た。同様にして、但
し分解抑制剤D1を添加しないで得たものを、ポリマー
P4とする。
【0030】ポリマーP3、P4を用い、実施例1の延
伸糸Y1、Y2と同様にして得た延伸糸を夫々Y3、Y
4とする。延伸糸Y3、Y4の土壌中に埋没時の強度の
半減期を表2に示す。表2に見るように、本発明の延伸
糸Y3が抑制された分解性を有することが明らかであ
る。
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明によって、脂肪族ポリエステルを
主成分とする生分解性ポリマーの分解性を効果的且つか
なり任意に抑制することが出来、より広範囲な用途に利
用可能となった。本発明を最も効果的に応用すれば、撥
水成分(高級アルキル基など)の大部分が成型品の表面
に存在するために撥水効果が高く、それが内部に混入す
ることによる結晶性の阻害などを最小限とすることが出
来る。また、撥水成分(セグメント(B))は、母体ポ
リマー内部に存在し、母体ポリマーと親和性(接着性)
の高い成分(セグメント(C))と化学的に結合されて
いるので、摩擦や洗濯などによる脱落が少なく、その撥
水効果の信頼性と耐久性が高い。
【0033】また、成型品の表層に高級アルキル基等に
よって、成型品の摩擦係数が低下し、製品の摩耗を防い
だり、滑らかな触感を与える。
【0034】これらの効果は、分解抑制剤(化合物
(D))の添加率を変えることにより、かなり広範囲且
つ自由に変えることが出来る。
【0035】本発明の組成物は、フィルム、シート、繊
維、編物、織物、不織布、紙、ロープ、網、各種容器、
包装材料、機械部品、家具及び建築部品、各種装置部
品、及び押出法や射出法によって得られる各種成型品に
用いることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 康宏 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所三条工場内 (72)発明者 近藤 義和 山口県防府市国衙2丁目5番31号 (72)発明者 平井 良明 大阪府大阪市都島区友渕町1丁目6番1− 306号

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族ポリエステルを主成分とする生分
    解性ポリエステル(A)に対し、 炭素原子数10〜40の飽和アルキル基を有するセグ
    メント、炭素原子数10〜40の不飽和アルキル基を有
    するセグメント、炭素原子数10〜40のアルキルアリ
    ル基を有するセグメントの群から選ばれたセグメント
    (B)と、 脂肪族ポリエステルセグメント、芳香族成分を有する
    融点200℃以下のポリエステルセグメントの群から選
    ばれたセグメント(C)とが結合された化合物(D)
    を、1〜50重量%混合したことを特徴とする分解性が
    抑制された生分解性ポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】 生分解性ポリエステル(A)が、ポリ乳
    酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸、そ
    の他のポリヒドロキシアルキレート、ポリカプロラクト
    ン、ポリピバロラクトン、その他の脂肪族ポリラクト
    ン、脂肪族グリコールと脂肪族ジカルボン酸とを重合し
    て得られる脂肪族ポリエステル、及びそれらのポリエス
    テルに第3成分を30重量%以下共重合した共重合ポリ
    エステルの群から選ばれたものである請求項1記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】 セグメント(B)が、デシルアルコー
    ル、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリ
    ルアルコール、リノレイルアルコール、オレイルアルコ
    ール、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノ
    ール酸、ソノレイン酸、オレイン酸、不飽和脂肪酸又は
    アルコールを二量体化したもののいずれかからなり、組
    成物全体の重量に対して0.1〜5%占めることを特徴
    とする請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 セグメント(C)が、ポリ乳酸、ポリヒ
    ドロキシブチレート、ポリグリコール酸、その他のポリ
    ヒドロキシアルキレート、ポリカプロラクトン、ポリピ
    バロラクトン、その他の脂肪族ポリラクトン、脂肪族グ
    リコールと脂肪族ジカルボン酸とを重合して得られる脂
    肪族ポリエステル、及びそれらのポリエステルに第3成
    分を30重量%以下共重合した共重合ポリエステルの群
    から選ばれたものであり、且つセグメント(C)の分子
    量が300〜30,000である請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 セグメント(C)が、 脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂肪族ラクトン、脂肪族
    グリコール、脂肪族ジカルボン酸の群から選ばれた少な
    くとも1種のエステル結合形成性単量体(E)と、 テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン
    酸、ヒドロキシ安息香酸、スルホイソフタル酸、スルホ
    イソフタル酸金属塩の群から選ばれた少なくとも1種の
    単量体(F)とを共重合したもので、分子量300〜3
    0,000、且つ融点が180℃以下である請求項1記載の
    組成物。
  6. 【請求項6】 セグメント(B)とセグメント(C)と
    が、エステル結合、アミド結合、尿素結合、ウレタン結
    合、エーテル結合及びカーボネート結合の群から選ばれ
    た少なくとも1種の化学結合によって結合されて化合物
    (D)を形成している請求項1〜4記載の組成物。
  7. 【請求項7】 化合物(D)が、セグメント(B)1個
    とセグメント(C)1個とが結合されてなり、且つ生分
    解性ポリエステルに対し反応性の官能基を有しない分子
    である請求項5記載の組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の組成物からなる、フィル
    ム、シート、繊維、編物、織物、不織布、紙、ロープ、
    網、容器、機械部品、家具及び建築部品、各種装置部
    品、及び各種成型品。
  9. 【請求項9】 化合物(D)が混合された成型品におい
    て、化合物(D)の少なくとも1部が、それを形成する
    セグメント(B)が成型品の表面又は外層に存在し、セ
    グメント(C)がそれよりも内部に存在するように分子
    配置している請求項7記載の成型品。
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