JP3394347B2 - 生分解性ポリエステル組成物及びその成型品 - Google Patents

生分解性ポリエステル組成物及びその成型品

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JP3394347B2 JP32744194A JP32744194A JP3394347B2 JP 3394347 B2 JP3394347 B2 JP 3394347B2 JP 32744194 A JP32744194 A JP 32744194A JP 32744194 A JP32744194 A JP 32744194A JP 3394347 B2 JP3394347 B2 JP 3394347B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改良された生分解性ポ
リエステル組成物及びその成型品に関する。
【0002】
【従来の技術】生分解性又は自然環境下で分解するポリ
マーが、環境保護の見地から注目されている。脂肪族ポ
リエステルを主成分とする重合体は、分解性、溶融成型
性などに優れ、最も実用性が高いと期待されている。
【0003】一般に、分解性ポリマーは、目的や用途に
よって分解速度や寿命の異なるものが必要とされる。従
って、分解速度を広範囲に変えられるような、分解性ポ
リマーが好ましい。しかし、従来の分解性ポリマーの分
解性は限られており、より広範囲且つ自由に分解性を変
えられるものが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、脂肪族ポリエ
ステルにおいて、その結晶性や疎水性が高いほど分解性
が低い。従って、第3成分の共重合や混合により結晶性
を低下したり、親水性成分の共重合や混合によって、分
解性を高めることは比較的容易である。他方、分解性の
低減には、ポリマーの純度や結晶性の向上が有効である
が、それには限度があり、更に低分解性のものが必要と
される場合がある。また、高結晶性ポリマーは一般にも
ろく、例えば耐衝撃性が劣る傾向があり、その改良のた
め第3成分の共重合や混合により結晶性を低下させるこ
とが広く行なわれるが、結晶性の低下に伴ない分解速度
が増大する。しかし、結晶性を低下せしめたもので、な
お且つ分解性の低いポリマーが必要とされる場合も多
い。
【0005】本発明の目的は、脂肪族ポリエステルを主
成分とする生分解生ポリマーにおいて、抑制された分解
性を有する新規な組成物を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は請求項1
に記載する生分解性ポリエステル組成物によって達成さ
れる。
【0007】本発明において、セグメントとは鎖状分子
を形成する1部分を言う。化合物(C)を構成するセグ
メント(A)及び(B)は、その効果を発揮するには、
共に或程度以上の大きさが必要である。セグメント
(A)は、分子量300〜10,000のシリコン化合物で、
特に分子量500〜8,000 が好ましく、800〜6,000
が最も好ましい。セグメント(A)は、疎水性成分で、
成型品の表層に存在せしめることにより、成型品の撥水
性を高め、分解性を抑制する。
【0008】セグメント(B)は、母体(マトリクス)
である生分解性ポリエステル(D)に対し親和性(良好
な混和性と接着性)を有するもので、母体ポリマーに混
合又は接着して、セグメント(A)の脱落を防ぐアンカ
ー(錨)効果を発揮する。良好なアンカー効果を発揮す
るには、セグメント(B)は分子量300以上が必要で
あるが、あまり大きいと母体中での拡散・移動性が低下
し、表層への浸出効果が劣る傾向がある。アンカー効果
と拡散性の双方を満足するためには、セグメント(B)
の分子量は300〜19,700である必要があり、500〜
15,000が好ましく、700〜10,000が最も好ましい。
【0009】シリコン化合物と脂肪族ポリエステルのブ
ロック共重合体は、特開平3−157422号公報に既
に開示されている。しかし該公報に示された共重合物
は、医療用特に生体吸収性材料として、可撓性、柔軟性
を改良するためのものであり、ポリ乳酸を主成分とする
汎用の分解性ポリエステル(D)に混合して、繊維、フ
ィルム、成型品の分解性を抑制する本発明の目的・構成
要件とは全く別のものである。
【0010】上記公報の「発明の効果」の項には、「本
発明により提供される変性ポリエステル組成物および共
重合体はいずれも、既存のPGA、PLA、PGLAと
よく混合するので、これらの改質、特に柔軟性の付与、
溶解性の向上に利用することが出来る」と記されている
が、シリコン化合物セグメントを表層に浸出せしめ、分
解を抑制する本発明の目的効果を示唆する記載は全く見
られない。シリコン化合物セグメントが効果的に表面又
は表層に浸出するためには、前記のように化合物(C)
の分子量が20,000以下とかなり小さいことが必要であ
り、500〜15,000が好ましい。一方、上記公開公報の
実施例では、例示されている共重合物の分子量は最小で
も38,000で、多くは分子量数万〜21万程度のものが好
ましい例としてあげられ、それらはすべて本発明の目的
には不適当である。
【0011】一般に、良好な繊維、フィルムその他の成
型品を得るためには、生分解性脂肪族ポリマー(D)の
分子量は5万以上が必要であり、8万〜50万が好まし
く、10万〜30万が最も広く用いられる。従って分解
抑制剤(添加剤)である化合物(C)の分子量は、母体
ポリマーであるポリマー(D)の分子量1/2以下であ
り、好ましくは1/5以下、特に1/10〜1/100
であることが好ましい。分解抑制剤としては、表面進出
効率が高く、出来るだけ少量の添加量で分解性を充分抑
制出来、且つ母体ポリマーの分解性以外の物性をあまり
変化させないことが必要で、そのために化合物(C)の
セグメント(A)、セグメント(B)、分子量及び混合
率を上記の範囲のもの、特に好ましい範囲のものとする
ことが望まれる。
【0012】本発明において、脂肪族ポリエステルを主
成分とする生分解性ポリエステル(D)とは、ポリ乳酸
などのポリヒドロキシアルキレート(PHA)及びこれ
にエステル結合形成性又は異種の化学結合形成性の単量
体や重合体を共重合したもので、重合体中に占める脂肪
族ポリエステル又はエステル結合を形成している脂肪族
成分の占める重量比率が50%以上であるものを言う。
【0013】脂肪族以外のエステル結合形成性成分とし
ては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、スルホイソ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカル
ボン酸、ヒドロキシ安息香酸などの芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ールなどのエーテルグリコールなどがあげられ、異種の
化学結合としては、例えばアミド結合、ウレタン結合、
尿素結合、カーボネート結合、エーテル結合などがあげ
られる。
【0014】本発明に用いる生分解性ポリエステル
(D)は、上記のように脂肪族ポリエステルのホモポリ
マー及びそれらに第3成分を共重合したものを包含す
る。共重合の目的は、結晶性の低下による柔軟性の増
大、衝撃強度の改良、染色性の改良、その他の改良があ
げられる。一般に共重合成分が多いほど変性度が進み、
安定性や耐熱性が劣る傾向がある。従って共重合比率
は、改良に必要な最小限度とすることが好ましく、過大
な共重合比率はあまり用いられない。上記改良のための
共重合比率は、多くの場合0.5 〜50%、特に1〜30
%がよく用いられ、2〜20%が最も多く用いられる。
【0015】化合物(C)を形成するセグメント(B)
は、生分解性ポリエステル(D)と良好な親和性を有す
ることが必要である。最も良好な親和性は、両者が化学
的に同一構造又は極めて近似する構造や近似する成分か
らなる場合に得られる。すなわち、セグメント(B)
は、生分解性ポリマー(D)と同一又は近似するポリマ
ー又はオリゴマーが最も好ましい。ここで、ポリマーや
オリゴマーの近似性は、それを構成する構成単位又は単
量体の近似性で示すことが出来る。例えば、ポリマーや
オリゴマーを構成する単量体の50重量%以上、特に7
0%以上が同一であれば、近似性が高く、それが90%
以上であれば近似性は極めて高い。
【0016】同様に、例えばポリ乳酸、ポリグリコール
酸、ポリヒドロキシブチレートなどは化学構造が互いに
近似し、相互親和性が高い。すなわち、一般に脂肪族ポ
リエステル同志は、かなり親和性が高い。また芳香族成
分をもつポリエステルでも、結晶性が低く、融点の比較
的低いものは混和性が認められる。混和性の見地から、
セグメント(B)の融点は200℃以下が必要であり、
180℃以下が好ましい。ここでセグメント(B)の融
点は、例えば走査型示差熱量計で、セグメント(A)と
セグメント(B)の融点をそれぞれ分離したピークとし
て観測出来る場合もあるが、セグメント(A)と結合す
る前のセグメント(B)の融点で代用することが出来
る。
【0017】本発明の化合物(C)は、セグメント
(A)を形成する化合物と、セグメント(B)を形成す
る化合物とを化学的に結合して製造することが出来る。
すなわち、セグメント(A)を形成する化合物として、
分子末端に水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキ
シ基などの官能基を持つものを用い、その末端からセグ
メント(B)を形成する化合物を合成(重合)すること
が出来る。同様に分子末端に官能基を持つセグメント
(A)と、同じく末端に官能基を持つセグメント(B)
とを反応させて一体化することも出来る。同様に両者の
末端官能基に反応性の、例えば2官能又は多官能化合物
を反応させ、セグメント(A)とセグメント(B)とを
結合してもよい。このような2官能性の化合物として、
例えばジアミン、グリコール、ジカルボン酸、ジカルボ
ン酸無水物、ジカルボン酸塩化物、ジイソシアネートな
どがあげられる。同様にアルデヒド類が、2つの水酸基
と反応してアセタール結合を形成する現象を利用するこ
とが出来る。
【0018】従ってセグメント(A)とセグメント
(B)とを結合する化学結合は、エステル結合、アミド
結合、尿素結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボ
ネート結合、アセタール結合、その他任意の結合とする
ことが出来る。
【0019】化合物(C)としては、セグメント(A)
1個とセグメント(B)1個がA・Bの型に結合された
もの、セグメント(A)2個とセグメント(B)1個と
がA・B・A型に結合されたもの、セグメント(A)1
個とセグメント(B)2個がB・A・B型に結合された
ものなどが好ましいが、A・B型が最も好ましい。セグ
メント(A)が成型品の表層に配置し、セグメント
(B)がそれよりも、内部に配置するために最も効果的
であるからである。
【0020】同様に化合物(C)は、生分解性ポリエス
テル(D)と相互反応性を持たぬか、反応性が低いこと
が望ましい。相互に反応(共重合)すると、セグメント
(A)の表層配置効率が低下するからである。この見地
からは、化合物(C)は、未反応の水酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基などを持たぬことが望ましい。従って、
化合物(C)の製造法としては、1つの官能基を持つセ
グメント(A)と、1つの官能基を持つセグメント
(B)とを反応させることが好ましい。同様に、1つの
反応基を持つセグメント(A)(例えば末端に水酸基を
持つシリコン化合物)と、2つの反応基を持つセグメン
ト(B)(例えば両末端に官能基を持つ脂肪族ポリエス
テル)とを1/1で結合した後、残った1つの末端官能
基を1官能性の化合物、例えばモノアルコール、モノカ
ルボン酸、モノカルボン酸塩化物、モノカルボン酸無水
物、モノアミン、モノイソシアネートなどと反応させて
封鎖し、好ましい安定な化合物(C)を得ることが出来
る。
【0021】化合物(C)の中のセグメント(A)の重
量比率は、2〜50%の範囲が必要であり、特に3〜4
0%が好ましく、5〜30%が最も好ましい。セグメン
ト(A)の比率が大きすぎると、セグメント(B)のア
ンカー効果が不足する。他方、セグメント(A)の比率
が小さすぎると、組成物への化合物(C)の混合率が大
きくなりすぎ好ましくない。比較的少量の添加率で済
み、しかも表層への移行性が高く、且つ充分なアンカー
効果を持つためには、セグメント(A)の重量比率は上
記の範囲が好ましく、その分子量も前記の範囲が好まし
い。
【0022】セグメント(A)を形成するのは、ポリオ
ルガノシロキサン又は変性ポリオルガノシロキサンであ
る。ポリオルガノシロキサンは、アルキル基、フエニル
基などの有機基を持つシリコン化合物で、例えばポリジ
メチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリ
ジエチルシロキサン、ポリジフエニルシロキサンなどが
あげられるが、特にジメチルシロキサンは応用範囲が広
く、本発明に最も適している。
【0023】変性ポリオルガノシロキサンは、ポリオル
ガノシロキサンの水素、アルキル基、フエニル基などの
1部が、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ヒドロキシ
アルキル基、エーテル結合を有する基などで置換された
ものである。変性ポリオルガノシロキサンセグメント
は、母体ポリマー(D)と反応性がなく、しかも親和性
も低いことが好ましく、水酸基、アミノ基、ヒドロキシ
アルキル基、エーテル結合などをあまり多量に持たぬも
のが好ましい。
【0024】化合物(C)は、生分解性ポリエステル
(D)の重合から成型までの間、好ましくは重合工程後
期、重合終了後、成型前又は成型中に、生分解性ポリエ
ステル(D)に混合される。混合は、溶融状態で機械的
攪拌で行なうことが出来る。ポリマーを溶融送液する配
管内や紡糸口金、製膜口金内に設けた多段の静止混合器
で混合することも有用である。生分解性ポリマー(D)
と化合物(C)を共に粉末化し、粉末状で混合した後溶
融又は溶剤に溶解し、成型、紡糸、製膜することも出来
る。
【0025】成型時又は成型後、化合物(C)の少なく
とも1部は成型品(繊維、フィルムなどを含む)の表面
に浸出し、セグメント(A)は成型品の表面又は外層に
配置し、セグメント(B)はそれよりも内部に配置され
ていく。セグメント(A)の表面浸出は、温度によって
加速される傾向が認められる。例えば、成型品を母体ポ
リマー(D)のガラス転移点以上、融点以下の温度に加
熱して、化合物(C)の表面への移動を促進することが
出来る。
【0026】表面に浸出したセグメント(A)の量が充
分にあれば撥水性の薄膜構造が形成され、成型品に優れ
た撥水性が付与され、成型品の分解性が効果的に抑制さ
れる。一般に化合物(C)の混合率が高いほど分解抑制
効果が強められるが、あまり化合物(C)の混合率が高
いと成型品の物性の劣化を生じる。従って化合物(C)
の混合率は1〜50重量%の範囲に限定され、2〜30
%が好ましく、特に3〜20%が好ましい。セグメント
(A)の少なくとも一部、好ましくは10%以上、最も
好ましくは20%以上が成型品の表面又は外層に存在す
ることが望ましい。
【0027】
【作用】上記のように、本発明組成物の分解を抑制する
のは、セグメント(A)である。組成物中のセグメント
(A)の重量比率が大きいほど、分解抑制効果が大き
い。組成物中のセグメント(A)の重量比率は0.1 〜5
%が好ましく、0.3 〜4%が特に好ましく、0.5 〜3%
が最も広く用いられる。
【0028】本発明において、部及び%は特に断らない
限り重量部、重量%である。脂肪族ポリエステルを主成
分とするポリエステルの分子量は、試料のクロロホルム
0.1%溶液のGPC(ポリスチレン標準試料で較正)分
析で高分子物(分子量500以下を除く)の分散の重量
平均値とする。
【0029】
【実施例】
[実施例1]一方の末端がメチル基で、他端に水酸基を
持つ分子量900のポリジメチルシロキサンを、光学純
度99%以上のL−ラクチドと重量比1:8で混合し、
更にラクチドに対し重合触媒として0.1 %のオクチル酸
錫、酸化防止剤チバガイギー社イルガノツクス1010を0.
1 %混合し、窒素雰囲気中185℃で90分間、攪拌し
つつ反応させ、その後圧力1Kg/cm2 下で塩化ベンゾイ
ルをラクチドに対して2.5 %混合し20分間攪拌反応さ
せた後、冷却、固化、粉砕して樹脂状粉末P1を得た。
粉末P1をメチルエチルケントに常温で1時間浸漬する
洗浄を3回繰返して未反応のラクチドを除去、乾燥し
て、粉末状樹脂C1を得た。樹脂C1は分子量900の
ジメチルシロキサンをセグメント(A)とし、末端をフ
エニル基で封鎖した分子量約6,500 のポリ乳酸をセグメ
ント(B)とし、両者がエステル結合されており、分子
量約7,400 、セグメント(A)の含有率約12%であ
る。
【0030】両末端が水酸基である分子量9,000 のポリ
ジメチルシロキサンとL−ラクチドを重量比1:8で混
合し、更にラクチドに対して0.1 %のオクチル酸錫、0.
1 %のイルガノツクス0.1 %を混合し、窒素雰囲気中1
85℃で100分間攪拌しつつ反応させ、以下樹脂C1
と同様に冷却、固化、粉砕、洗浄、乾燥して樹脂C2を
得た。樹脂C2の分子量は約70,000ポリジメチルシロキ
サンの含有率は約13%である。
【0031】光学純度99%以上のL−ラクチドに対
し、0.1 %のオクチル酸錫、0.1 %のイルガノツクスを
混合し、互いに噛み合うスクリユウ型の送液素子群と、
互いに噛み合う2フライト型(長円形)攪拌素子群から
なる2軸混練機で、190℃で20分間重合した。混練
機の最終のベント孔から溶融した樹脂C1を重合物に対
し4.2 %供給し、ケニツクス型素子を90個内蔵する円
筒形の静止混合器を通過させて混合し、口金より押出
し、冷却、切断してチップCP1を得た。チップCP1
を窒素雰囲気中圧力3Kg/cm2 、温度120℃で8時間
加熱し、次に徐々に圧力を低下し大気圧下140℃、2
0時間、更に1Torrの真空中140℃で8時間加熱して
固有重合し、ポリマーFP1を得た。ポリマーFP1の
分子量は約16万であり、シリコン成分(セグメント
(A))の含有率は約0.5 %である。
【0032】ポリマーFP1とほヾ同様にして、但し樹
脂C1の代りに樹脂C2を3.8 %混合して得たものをポ
リマーFP2とする。ポリマーFP2のシリコン化合物
含有率は0.5 %であり、分子量は約17万であった。同
じく、ポリマーFP1とほヾ同様にして、但し樹脂C1
の代りに両末端がメチル基で分子量900のジメチルシ
ロキサンを0.5 %混合して得たものをポリマーFP3と
する。ポリマーFP3の分子量は約17万、シリコン成
分含有量は0.5 %である。
【0033】同じく、ポリマーFP1とほヾ同様にし
て、但し樹脂C1を混合しないで得たものをポリマーF
P4とする。ポリマーFP4の分子量は約17万で、シ
リコン成分含有量は0%である。
【0034】ポリマーFP1を、200℃のスクリユウ
押出機で溶融し、孔径0.2mm 、温度195℃のオリフィ
スより紡出し、空気中で冷却後オイリングして800m/
minの速度で巻取り、次に温度80℃で3.8 倍に延伸
し、緊張下120℃で熱処理して、繊度150デニール
/48フィラメントの延伸糸Y1を得た。糸Y1の強度
は5.5g/d、伸度は28%であった。
【0035】延伸糸Y1と同様にして、但しポリマーF
P2から得た延伸糸を延伸糸Y2とし、同じくポリマー
FP3、FP4から得たものを夫々延伸糸Y3、Y4と
する。延伸糸Y2〜Y4の強度は夫々5.3g/d、3.5g/d、
5.5g/d、伸度は夫々29%、19%、31%であった。
延伸糸Y3の強度及び伸度が低いのは、シリコン化合物
の均一な混合が困難であるためと考えられる。
【0036】延伸糸Y1〜Y4を土壌中に埋没し、2年
間の強度の変化を調査し、強度が初期値の1/2になる
時間を求めた。その結果を表1に示す。表1に見るよう
に、本発明による延伸糸Y1は、シリコン化合物を含ま
ぬ延伸糸Y4にくらべて、分解性が効果的に抑制されて
いる。これらに対し、比較例の延伸糸Y2では、シリコ
ン化合物への表面への浸出が少なく分解抑制効果が低
い。同じく比較例である延伸糸Y2は、シリコンの分散
不良及び脱落により分解抑制効果が低い。
【0037】
【表1】 [実施例2]光学純度99%以上のL−ラクチドに対し
て、両末端が水酸基で分子量9,000のポリヘキサンアジ
ペート3%、オクチル酸錫0.1 %、イルガノツクス1010
を0.1 %混合し、以下実施例1のポリマーFP1と同様
に溶融重合後、分解抑制剤として、分子量900のポリ
ジメチルシロキサンと、分子量8,000 のポリヘキサンア
ジペートがモル比1/1で結合され、末端を酢酸でエス
テル化して封鎖したものを5%混合し、以下チップ化、
固相重合、紡糸、延伸して延伸糸Y5を得た。延伸糸Y
5の強度は5.3g/dであり、シリコン成分の含有率は0.5
%である。
【0038】延伸糸Y5と同様にして、但し分解抑制剤
として実施例1の樹脂C2を3.8 %混合して得たものを
延伸糸Y6とする。延伸糸Y6の強度は4.9g/d、シリコ
ン成分含有率は0.5 %である。延伸糸Y5と同様にし
て、但し分解抑制剤として両末端がメルル基で分子量9
00のポリジメチルシロキサンを0.5 %混合して得たも
のを延伸糸Y7とする。延伸糸Y7の強度は3.4g/d、シ
リコン成分含有率は0.5%である。同じく延伸糸Y5と
同様にして、但し分解抑制剤を混合しないで得たものを
延伸糸Y8とする。延伸糸Y8の強度は5.3g/d、シリコ
ン成分含有率は0%である。
【0039】上記延伸糸Y5〜Y8の土中における強度
半減期を調査した結果を表2に示す。表2に示されるよ
うに、本発明の延伸糸Y5が最も効果的に分解が抑制さ
れている。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明によって、生分解性ポリマーの分
解性を効果的且つかなり任意に抑制することが出来、よ
り広範囲な用途に利用可能となった。本発明を最も効果
的に応用すれば、撥水成分(シリコンセグメント)の多
くが成型品の表面に存在するために撥水効果が高く、そ
れが内部に混入することによる結晶性の阻害などを最小
限とすることが出来る。また、撥水成分(セグメント
(B))は、母体ポリマー内部に存在し、母体ポリマー
と親和性(接着性)の高い成分(セグメント(C))と
化学的に結合されているので、摩擦や洗濯などによる脱
落が少なく、その撥水効果の信頼性と耐久性が高い。
【0042】また、成型品の表層にシリコン成分が存在
するために、成型品の摩擦係数が低下し、製品の摩耗を
防いだり滑らかな触感を与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小関 英一 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式 会社 島津製作所 三条工場内 (72)発明者 藤井 康宏 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式 会社 島津製作所 三条工場内 (72)発明者 近藤 義和 山口県防府市国衙2丁目5番31号 (72)発明者 平井 良明 大阪府大阪市都島区友渕町1丁目6番1 −306号 (56)参考文献 特開 平3−157422(JP,A) 特開 昭59−207922(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 C08L 67/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオルガノシロキサンセグメント、及び
    ポリオルガノシロキサン成分が50重量%以上である変
    性ポリオルガノシロキサンセグメントの群から選ばれた
    分子量300〜10,000のセグメント(A)と、脂肪族ポリ
    エステルセグメント、芳香族成分を有し融点200℃以下
    のポリエステルセグメントの群から選ばれたセグメント
    (B)とが結合されてなり、分子量20,000以下で且つセ
    グメント(A)の占める重量が2〜50%である化合物
    (C)が、ポリ乳酸を主成分とする生分解性ポリエステ
    ル(D)の中に、セグメント(A)の占める重量が全重
    量の0.1 〜5%となるように混合されている抑制された
    分解性を有する生分解性ポリエステル組成物であって、
    セグメント(B)が、脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂
    肪族ラクトン、脂肪族グリコールの群から選ばれた少な
    くとも1種のエステル結合形成性単量体(E)と、テレ
    フタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレン
    ジカルボン酸、スルホイソフタル酸、及びスルホイソフ
    タル酸金属塩の群から選ばれた少なくとも1種の単量体
    (F)とを共重合したもので、分子量500〜15,000、且
    つ融点が180℃以下である生分解性ポリエステル組成
    物。
  2. 【請求項2】化合物(C)が、セグメント(A)1個と
    セグメント(B)1個とが結合されてなり、且つ生分解
    性ポリエステル(D)に対し反応性の官能基を有しない
    分子よりなる、請求項1に記載された組成物。
  3. 【請求項3】請求項1〜2のいずれかに記載された組成
    物からなる、次の種類から選択される成型品。フィル
    ム、シート、繊維、編物、織物、不織布、紙、ロープ、
    網、容器、包装材料、機械部品、家具及び建築部品、各
    種装置部品、または各種成型品。
  4. 【請求項4】化合物(C)の少なくとも1部が、それを
    形成するセグメント(A)が成型品の表層又は外層に存
    在し、セグメント(B)がそれよりも内部に存在するよ
    うに分子配置している、請求項3記載の成型品。
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