JP3423472B2 - 生分解性ポリエステル組成物及びその成型品 - Google Patents
生分解性ポリエステル組成物及びその成型品Info
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Description
リエステル組成物及びその成型品に関する。
マーが、環境保護の見地から注目されている。脂肪族ポ
リエステルを主成分とする重合体は、分解性、溶融成型
性などに優れ、最も実用性が高いと期待されている。
よって分解速度や寿命の異なるものが必要とされる。従
って、分解速度を広範囲に変えられるような、分解性ポ
リマーが好ましい。しかし、従来の脂肪族ポリエステル
の分解性や力学的性質は限られており、より広範囲且つ
自由に分解性や物理学的性質を変えられるものが望まれ
ている。
ステルにおいて、その結晶性や疎水性が高いほど分解性
が低い。従って、第3成分の共重合や混合により、結晶
性を低下したり、親水性成分の共重合や混合によって、
分解性を高めることは比較的容易である。他方、分解性
の低減には、ポリマーの純度や結晶性の向上が有効であ
るが、それには限度があり、更に低分解性のものが必要
とされる場合がある。また、高結晶性ポリマーは一般に
もろく、例えば耐衝撃性が劣る傾向があり、その改良の
ため第3成分の共重合や混合により、結晶性を低下させ
ることが広く行なわれるが、結晶性の低下に伴ない分解
速度が増大する。しかし、結晶性を低下せしめたもの
で、なお且つ分解性の低いポリマーが必要とされる場合
も多い。
成分とする生分解性ポリマーにおいて、抑制された分解
性や改良された物理学的性質を有する新規な組成物を提
供するにある。
的は、ポリオルガノシロキサン又は/及び変性ポリオル
ガノシロキサンからなり分子量1万を越えるセグメント
(A)1個以上と、芳香族ジカルボン酸及び鎖状ジオー
ルを主成分とし分子量300以上で融点200℃以下の
ポリエステルセグメント(B)1個以上が結合されてな
り、且つセグメント(A)の占める重量が2〜50%で
ある改質剤(C)を、脂肪族ポリエステルを主成分とす
る重合体(D)の中に、セグメント(A)の占める重量
が全重量の0.05〜10%となるように、混合することに
よって達成される。ここでセグメントとは、ポリマー分
子の1部分をいう。
るシロキサンで、例えばポリジアルキルシロキサン、ポ
リアルキルアリールシロキサン、ポリジアリールシロキ
サンその他のポリ有機シロキサンである。これらのポリ
有機シロキサンは、脂肪族ポリエステルに混合すると混
合物の分解性を抑制する作用があることを、本発明者等
は見出し本発明を完成した。
シロキサンに他の成分、例えばエーテル結合、エステル
結合などを有する基や異種成分、例えばハロゲン原子を
有する基などを導入したものであり、且つオルガノシロ
キサン成分が50重量%以上のもので、ポリオルガノシ
ロキサンとほぼ同等の作用を有する。
カルボン酸で、例えばフタル酸、イソフタル酸、5−ス
ルホイソフタル酸及びその金属(Na,Kなど)塩、テ
レフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが、本発明に
好ましく用いられる。
ルで脂肪族ジオール、両末端に水酸基をもつポリアルキ
レンエーテル及びそのオリゴマー、及び両末端に水酸基
をもつポリアルキレンカーボネート及びそのオリゴマー
を包含する。脂肪族ジオールとしては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオー
ル、ドデカンジオールなど、炭素数2〜20のジオール
が特に好ましい。ポリアルキレンエーテルとしては、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リブチレンエーテル、それらの共重合体及びそれらのオ
リゴマー、例えば重合度2〜10程度のものが好まし
い。ポリアルキレンカーボネートとしては、ポリプロピ
レンカーボネート、ポリブチレンカーボネート、ポリヘ
キサンカーボネート、ポリオクタンカーボネートなど炭
素数2〜20のアルキル基、特に炭素数4〜12のアル
キル基をもつポリカーボネート及びその共重合体やオリ
ゴマーが好ましい。
ポリマー(D)は、脂肪族ポリエステルを主成分とする
もの、すなわちその50重量%以上が脂肪族ポリエステ
ルからなる重合体で、各種脂肪族ポリエステルのホモポ
リマー、共重合物及びそれらに他の成分、例えば芳香族
ポリエステル成分などが、50重量%以下共重合されて
いるものを包含する。
ポリグリコール酸、ポリヒドロキシブチレートなどのポ
リヒドロキシアルキレート、ポリε−カプロラクトン、
ポリバレロラクトンなどのポリラクトン、ポリエチレン
サクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリブチ
レンサクシネート、ポリヘキサンサクシネート、ポリエ
チレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブ
チレンアジペート、ポリヘキサンアジペート、ポリエチ
レンセバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチ
レンセバケート、ポリヘキサンセバケートなどのポリア
ルキレンアルキレート、特に炭素数2〜20のアルキル
基をもつものが特に好ましく、又それらを成分とする共
重合物も同様に好ましく用いられる。共重合の目的は、
高結晶性のものの結晶性を低下させ、融点の低下、成型
性、柔軟性、耐衝撃性などを向上させる場合や、逆に低
結晶性や低融点のものに高融点成分、例えば高結晶性成
分や芳香族成分を導入して、融点や耐熱性を向上させる
など、様々である。耐熱性を向上させるために、分岐構
造や架橋を導入したり、アミド結合、ウレタン結合、ウ
レア結合など、エステル結合以外の化学結合を導入する
ことも出来る。しかし、良好な生分解性のためには、脂
肪族ポリエステル成分は50重量%以上の必要があり、
特に70%以上が好ましい。
されないが、得られる成型品に実用上充分な耐熱性を与
える見地からは、例えば融点又は軟化点は100℃以上
が好ましく、130℃以上が特に好ましい。耐熱性の観
点からは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリヒドロキ
シブチレート及びそれらを主成分とする融点130〜1
80℃の共重合ポリエステルが、特に好ましい。更に、
上記シリコン成分を有する改質剤(C)との親和性の見
地から、改質剤(C)の成分である芳香族ジカルボン酸
と鎖状ジオールを成分とするポリエステルセグメントを
有するものが好ましい。例えば、ポリ乳酸、ポリグリコ
ール酸、ポリヒドロキシブチレートなどに、芳香族ジカ
ルボン酸と鎖状ジオールを成分とするポリエステルセグ
メントが3〜30%程度ブロック共重合されているもの
は、特に好ましい。母体ポリマー(D)の分子量は、5
万以上が好ましく、8万〜50万が良く用いられ、10
万〜30万が最も広く用いられる。
互親和性すなわち混和性と接着性は、混合の容易性、混
合物の安定性、耐久性、信頼性の点から、出来るだけ高
いことが望まれる。両者の親和性が低いと、均一に混合
することが困難で、混合後も時間と共に分離することも
あり得る。
に対して親和性が低く、安定且つ均一に混合することが
困難である。しかし、ポリシロキサン又は変性ポリシロ
キサンからなるセグメント(A)と、芳香族ジカルボン
酸及び鎖状ジオールを主成分とするポリエステルセグメ
ント(B)とが結合された改質剤(C)は、脂肪族ポリ
エステルを主成分とする重合体(D)に対し充分な親和
性を有し、容易、均一且つ安定に混合することが出来
る。この親和性は、芳香族ジカルボン酸及び鎖状ジオー
ルを主成分とするポリエステルセグメント(B)に由来
する。この親和性は、母体ポリマー(D)中に共重合成
分として、芳香族ジカルボン酸及び鎖状ジオールを主成
分とするポリエステルセグメントを導入することによ
り、一層高めることが出来る。
互親和性は、両者を構成する芳香族ジカルボン酸及び鎖
状ジオールが互いに近似性が高いほど優れる。両者の親
和性は、同一の芳香族ジカルボン酸及び同一の鎖状ジオ
ールを共有する場合最も高い。芳香族ジカルボン酸及び
鎖状ジオールのどちらか一方を共有する場合が、それに
次いで優れた親和性を与える。構成成分が同一でなくて
も、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオールなどのように炭素数の近い(差が4以下、特
に2以下の)もの同志は相互親和性が高い。同様に構成
成分としてフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸も、
相互に親和性が高い。同様に、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタン
ジオールも相互親和性が高い。同じく、分子の大きさか
ら、アジピン酸とイソフタル酸及びテレフタル酸は近似
性があり、親和性がある。いずれにせよ、改質剤(C)
のポリエステルセグメントの構成成分と、母体ポリマー
(D)の共重合成分(セグメント)との双方に、相互親
和性の高いものを選択して組合せることにより、シリコ
ン成分を含む改質剤(C)を、容易且つ均一に母体ポリ
マー(D)中に混合、分散し、優れた撥水効果、分解抑
制効果、可塑効果、透明性などを発揮させることが出来
る。
合物のセグメント(A)と、芳香族ジカルボン酸及び鎖
状ジオールを主成分とするポリエステルセグメント
(B)とが結合されたものである。芳香族ジカルボン酸
とジオールからなるポリエステルには、高い融点を有す
るものがあり、本発明の目的に好適でない場合がある。
例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレートなどは融点が2
00℃を越え、本発明の目的には不適である。本発明の
目的には、芳香族成分を含むポリエステル(セグメント
B)の融点は200℃以下である必要があり、180℃
以下が特に好ましい。
ジオールとのポリエステルでも、分子鎖の長い、例えば
2つの水酸基の間の原子数が5以上、特に6以上のジオ
ールの使用や、側鎖をもつジオールの使用により、又は
複数種のジカルボン酸や複数種のジオールを用い共重合
体にして結晶性を低下させることにより、融点を本発明
に好適な200℃以下とすることが出来る。ここでセグ
メントの融点は、セグメントを構成するポリマー又はオ
リゴマーの融点と同一と見なすものとする。他方、(オ
ルソ)フタル酸やイソフタル酸のように対称性の低い構
造を持つものを用いると、そのポリエステルは低結晶性
又は非晶性となり、低い融点を示したり、融点が認めら
れないことも多く、本発明の目的に好ましい。
又は変性ポリオルガノシロキサンセグメントの分子量
は、シリコン化合物の特長ある効果を発揮するために、
1万を越えることが必要であり、好ましくは12,000〜10
0,000 程度、特に15,000 〜50,000程度のものが広く使
われる。改質剤(C)中のポリオルガノシロキサン及び
変性ポリオルガノシロキサン成分の量は、目的に応じて
2〜50%の範囲で選べばよいが、3〜40重量%が好
ましいことが多く、5〜30%が最も好ましいことが多
い。同様に改質剤(C)中の芳香族ジカルボン酸と鎖状
ジオールから得られるポリエステルセグメント(C)の
分子量は、300以上が必要であり、好ましくは800
〜100,000 程度、特に2,000 〜50,000が好ましい。
して安定に長時間その効果を発揮するためには、20,000
を越えることが必要であり、3万〜30万が特に好まし
い。改質剤(C)の分子量が小さいと、組成物中での移
動性が大きく、可塑効果や、表面浸出による撥水効果が
高いが、長期の安定性や耐久性の見地から好ましくな
い。
ノシロキサンとしては、ポリジアルキルシロキサン、ポ
リアルキルアリールシロキサン、ポリジアリールシロキ
サンなどの直鎖構造を有するもの、側鎖を有するものな
どが応用可能であるが、高密度に架橋して流動性の乏し
いものは本発明の目的には好ましくない。好ましい例と
しては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルエチルシ
ロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジフエニルシ
ロキサンなどがあげられるが、ポリジメチルシロキサン
が応用範囲が広く最も好ましい。
合率は、特に限定されないが、シリコン化合物の効果を
発揮するには、全組成物中のポリオルガノシロキサンセ
グメント及び変性ポリオルガノシロキサンセグメントの
合計重量が、0.05〜10%となることが必要であり、特
に0.1 〜5%が好ましく、0.3 〜3%が最も好ましいこ
とが多い。組成物の物性をあまり変化させないで、撥水
性を与えたり、分解性を抑制する目的には、シリコン含
有率の比較的高い、例えばポリオルガノシロキサン含有
率10〜50%程度の改質剤(C)を、母体ポリマー
(D)中へ比較的少量、例えば混合率2〜20%程度混
合すれば、良い結果が得られることが多い。一方、大巾
な可塑効果や柔軟性を得る目的のためには、比較的シリ
コン成分の少ない、例えばシリコン成分含有率2〜10
%程度の改質剤(C)を、比較的大量に、例えば20〜
50%混合すれば、よい結果が得られることが多い。こ
のように本発明に従って、母体ポリマー(D)の組成、
改質剤(C)の組成及び混合率を変えることにより、非
常に変化に富む多様なポリ乳酸組成物を得ることが出
来、広範な用途に応用することが出来る。
は側鎖に水酸基を有するポリオルガノシロキサンと、ジ
カルボン酸及び鎖状ジオールからなるポリエステル重合
原料と混合、攪拌しつつ、通常のポリエステルと同様に
加熱溶融重合してもよく、溶剤中で重合してもよい。シ
リコン化合物は、ポリエステル原料と混和性が低いが、
強力に攪拌したり、界面活性剤を使用してもよい。ま
た、少なくとも1つの水酸基を有するポリオルガノシロ
キサンと、少なくとも1つの水酸基を有するジカルボン
酸及び鎖状ジオールから得られたポリエステルとに、ジ
カルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸ハロゲ
ン化物、ジイソシアネートなどの多官能性化合物やカー
ボネートを反応させて、1個以上のポリオルガノシロキ
サンセグメント(A)と1個以上のジカルボン酸及び鎖
状ジオールから得られるポリエステルセグメント(B)
とが結合された化合物、すなわち改質剤(C)を製造す
ることが出来る。改質剤(C)の主成分は、上記のよう
にポリオルガノシロキサンセグメント(A)及び、芳香
族ジカルボン酸及び鎖状ジオールからなるポリエステル
セグメント(B)であるが、その他に副次的成分として
第3成分を含んでいてよい。副次的成分の例としては、
脂肪族成分その他のエステル結合形成成分、各種アミド
結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合な
どの形成成分があげられる。
合は、一般に、母体ポリマー(D)の重合工程の末期又
は重合後、成型工程の前又は成型工程中で行なわれる。
重合原料への混合や重合工程での混合も不可能ではない
が、その場合、母体ポリマー(D)と改質剤が反応(共
重合)して好ましくない結果を来すことがある。共重合
を防ぐには、改質剤の分子末端の水酸基やカルボキシル
基を、単官能性化合物と反応させて封鎖することが好ま
しい。勿論、改質剤を重合後混合する場合でも、改質剤
の末端を封鎖しておくと、組成物の安定性、耐久性、信
頼性が高まり好ましい。
合は、溶融状態で或いは溶液状態で、機械的攪拌や静止
混合器によって行なうことが出来る。機械的攪拌は、各
種攪拌機、スクリュー押出機、2軸〜多軸混練機、ニー
ダー、ギアポンプなどを応用することが出来る。静的混
合器は、流れの分割と複合(合流)を多段的に繰返すも
ので、例えば本発明者らが特公昭47−15526、同
47−15527、同47−15528、同47−15
533などに開示したもの、及び特開昭47−3416
6に開示されたものなどがあげられる。機械的攪拌と静
止混合器を併用することも出来る。
を主成分とする重合体(D)及びシリコン成分を有する
改質剤(C)の他に、副次的に他の成分を添加してもよ
い。副次的添加剤の例としては、安定剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、顔料、着色料、各種無機粒子、各種フィ
ラー、撥水剤、親水剤、界面活性剤、離型剤、可塑剤、
生理活性物質、防腐剤、抗菌剤、発泡剤、その他類似の
ものがあげられる。
は特記しない限り重量部、重量%で示す。乳酸を主成分
とする重合体の分子量は、試料のクロロホルム0.1 %溶
液のGPC分析で、分子量500以下を除く高分子物の
分散の、重量平均値である。
000 、両末端に水酸基をもつポリエステル30部、両末
端に水酸基を持つ分子量15,000 のポリジメチルシロキ
サン3部、ビスヒドロキシエチルイソフタレート5部、
3酸化アンチモン0.01部を混合し、窒素雰囲気中220
℃で2時間攪拌、反応させた後、徐々に減圧しつつ昇温
し、240℃、0.5 Torrで2時間反応させてポリマーP
1を得た。ポリマーP1は、ポリヘキサンイソフタレー
トとポリジメチルシロキサンとのブロック共重合体で、
平均分子量約38,000、シリコン成分含有率約8.1 %、非
晶性である。
両末端に水酸基を有する平均分子量13,000 のポリヘキ
サンイソフタレート7部、オクチル酸錫0.2 部、直径0.
1 μmの酸化チタン粒子0.5 部を混合し、互いに噛み合
うスクリュウ型の送液素子群と、互いに噛み合う長円形
(2フライト型)の攪拌素子群からなる2軸混練機で、
190℃20分間、連続重合した。混練機の最後のベン
ト孔より溶融したポリマーP1を重合系に対し8.6 %添
加、混合し、更にケニックス型素子を90個内蔵する円
筒形の静止混合器を通過させて混合した後、口金より押
出し、冷却、切断してチップC1を得た。チップC1を
窒素中圧力3kg/cm2 、温度120℃で8時間加熱し、
次に常圧で140℃、24時間、更に真空下1Torr、1
40℃で8時間加熱してチップC2を得た。チップ2の
分子量は166,000 、シリコン成分含有率は0.7 %であ
る。
ーP1を添加しないで得たものをチップC3とする。チ
ップC3の分子量は163,000 、シリコン成分含有率は0
%である。
ーP1の代りに、分子量6,000 のポリジメチルシロキサ
ンを0.7 %添加して得たものをチップC4とする。チッ
プC4の分子量は164,000 、シリコン成分含有率は0.7
%である。なおこのシリコン化合物はポリエステルと親
和性が低く、0.5 %以上混合するとむらを生じ易い。ポ
リマーC2を210℃のスクリュウ押出機で溶融し、孔
径0.25mm、温度195℃のオリフィスより紡出し、空気
中で冷却後オイリングして800m/min の速度で巻取
り、温度82℃で3.8 倍に延伸し、緊張下120℃で熱
処理して延伸糸Y2を得た。糸Y2の強度は5.1 g/
d、伸度は29%であった。
から得た延伸糸をY3とし、同じくチップC4から得た
延伸糸をY4とする。
ケ月の間の強度の変化を調査し、強度が初期値の1/2
になる時間を求めた。その結果を表1に示す。表1に見
るように、本発明の繊維は、比較例に較べて分解性が抑
制されている。シリコン化合物を混合した比較例(Y
4)は、シリコンの分散不良及び脱落により、分解抑制
効果が低い。
が水酸基、分子量4,000 のポリエステル30部、ビスヒ
ドロキシエチルイソフタレート5部、両末端が水酸基で
分子量12,000 のポリジメチルシロキサン6部、3酸化
アンチモン0.01部を溶融混合し、以下実施例1のポリマ
ーP1と同様にして、ポリ−ビスエチレンエーテルイソ
フタレートとシリコン成分との共重合ポリマーP2を得
た。ポリマーP2の分子量は29,000、シリコン成分含有
率は約16%である。
但しポリL−乳酸に共重合成分として、両末端が水酸基
で分子量4,000 のポリ−ビスエチレンエーテルイソフタ
レートを6%加え、重合末期に上記シリコン成分含有ポ
リマーP2を7%混合して得たものを、チップC5とす
る。チップC5の分子量は167,000 、シリコン成分含有
率は1.1 %である。
−乳酸に共重合成分を加えないで得たホモポリマーの重
合末期に、上記シリコン含有ポリマーP2を7%混合し
て得たものを、チップC6とする。チップC6の分子量
は170,000 、シリコン成分含有率は1.1 %であった。
て、但しシリコン成分含有ポリマーP2を添加しないで
得た、未変性ポリL−乳酸からなるものを、チップC7
とする。チップC7の分子量は175,000 である。
同様にして、紡糸、延伸、熱処理して得た延伸糸をY
5、Y6、Y7とする。各延伸糸の土壌中埋没時の強度
半減期を表2に示す。表に見るように本発明の延伸糸Y
5、Y6は、比較例Y7よりも分解性が抑制されてい
る。なお、延伸糸Y5及びY7は光沢や透明性に優れる
が、延伸糸Y6はやゝ透明性が劣る。これはY6では、
改質剤と母体ポリマーとの親和性が劣るためと考えられ
る。
主成分とする生分解性ポリマーの分解性や物理学的性質
を効果的且つかなり自由に制御することが出来、より広
範な用途に利用可能となった。
物であり、しかも母体ポリマーと親和性が高いために、
本発明組成物は長期間安定であり、高い信頼性が必要と
される用途に特に好ましい。
抑制する効果と同時に、成型品に可塑効果をも与え、製
品の柔軟性、耐衝撃性を改良する。またシリコン化合物
特有の摩擦係数の低さに由来して、製品の摩擦係数が低
く、柔軟で滑らかな触感を与え、摩耗を防ぐ効果があ
る。
布、紙、ロープ、網、フィルム、シート、チューブ、
板、棒、容器、発泡体、各種部品その他の成型品に好適
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリオルガノシロキサン又は/及び変性
ポリオルガノシロキサンからなる分子量1万を越えるセ
グメント(A)1個以上と、芳香族ジカルボン酸及び鎖
状分子(以下鎖状と記す)ジオールを主成分とし分子量
300以上、融点200℃以下のポリエステルセグメン
ト(B)1個以上とが結合されてなり、セグメント
(A)の占める重量が2〜50%であり、且つ分子量が
2万を越える化合物(以下改質剤と記す)(C)が、脂
肪族ポリエステルを主成分とする重合体(D)の中に、
セグメント(A)の占める重量が全重量の0.05〜10%と
なるように混合されていることを特徴とする、改良され
たポリエステル組成物。 - 【請求項2】 ポリオルガノシロキサンがジメチルシロ
キサンである、請求項1記載の組成物。 - 【請求項3】 脂肪族ポリエステルを主成分とする重合
体(D)が、改質剤(C)を構成するセグメント(B)
と同一又は近似するセグメントを構成成分として含んで
いる、請求項1〜2記載のいずれかに記載の組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3記載のいずれかに記載の組
成物よりなる成型品。
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JP08049795A JP3423472B2 (ja) | 1995-04-05 | 1995-04-05 | 生分解性ポリエステル組成物及びその成型品 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08277326A JPH08277326A (ja) | 1996-10-22 |
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JP08049795A Expired - Lifetime JP3423472B2 (ja) | 1995-04-05 | 1995-04-05 | 生分解性ポリエステル組成物及びその成型品 |
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JP (1) | JP3423472B2 (ja) |
-
1995
- 1995-04-05 JP JP08049795A patent/JP3423472B2/ja not_active Expired - Lifetime
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