JP2004315666A - ターポリン用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】使用済みのターポリンについて、その廃棄処理が容易であり、基布との貼り合せ加工が容易に行い得るターポリン用の生分解性樹脂フィルムを提供すること。
【解決手段】脂肪酸ポリエステル樹脂および芳香族脂肪族ポリエステル樹脂に、多価アルコール脂肪酸エステルが添加されていることを特徴とするターポリン用生分解性樹脂フィルムであり、好ましくは、少なくとも2層からなるフィルムであって、一層が芳香族脂肪族ポリエステル樹脂からなり、一方の層が脂肪族ポリエステル樹脂からなり、脂肪酸ポリエステル樹脂に多価アルコール脂肪酸エステルが添加されていることを特徴とするターポリン用生分解性樹脂フィルムである。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基布に貼り合わせるターポリン用の樹脂フィルムに関し、特に生分解性樹脂を用いたターポリン用の樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、基布の表面に樹脂フィルムを積層したターポリンが、例えば、可撓性コンテナー等の物流資材、工事用被覆シート、養生シート等の土木建築資材、自動車の幌、テント、水槽等の工事用資材等に好適に使用されてきている。この種のターポリンとしては、従来から、ポリエステルからなる繊維編織布を基布として、その少なくとも片面に塩化ビニル系樹脂、特に軟質塩化ビニル系樹脂フィルムを積層したものが多く使用されている。
【0003】
しかしながら、軟質塩化ビニル系樹脂フィルムを基布に積層したターポリンにあっては、例えば、高周波ウエルダー加工により製造した可撓性コンテナーにおいては、軟質塩化ビニル系樹脂中に添加した可塑剤が、コンテナー中の内容物へ移行する問題が指摘されていた。
【0004】
したがって、かかる問題点のないターポリンとして、エチレン系共重合体、特に、エチレンビニルアセテート(EVA)をターポリン用フィルムとして積層したものが登場してきた。このエチレン系共重合体のターポリンは、低温時の耐寒性もよく、ポリ塩化ビニル系樹脂のターポリンと比較すると、可塑剤を含まず、液状成分の溶出もなく、安全性の面で優れたものであるが、材料の特性上、高温時の強度については問題が指摘されている。特に、ウエルダー接着部の強度については、問題が多く、例えば高温の材料(例えば、樹脂成分)をターポリン内に充填する際に、該樹脂の自重により破袋するといった問題があった。
【0005】
そのため、安全性を損なうことなく高温時のウエルダー接着強度の強いターポリンとして、エチレン系共重合体に特定のポリオレフィン系樹脂を添加したものをシート化し基布に積層したターポリンが提案されている(特許文献1)。またさらに、基布表面にエチレン系重合体が積層され、柔軟性、耐摩擦性に優れ、高周波ウエルダー加工性に優れるターポリンとして、エチレン−α−オレフィン共重合体とエチレン−アシル基含有エチレン性不飽和化合物共重合体とからなる樹脂組成物をシート化したターポリンも提案されている(特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−104683号公報
【特許文献2】
特開2002−120344号公報
【0007】
ところで、これらのターポリンにあっては、使用済み後は回収され、埋め立て処分されていることが多い。しかしながら、近年に至っては、そのような埋め立て処分が可能な場所が逼迫しており、回収した大量のターポリンを処分することが困難な状況となっている。そこで焼却処分をすることが考えられるが、地球温暖化が問題とされている昨今では、使用済みのターポリンを大量に焼却処分することには問題がある。
【0008】
そこで、回収後リサイクル使用することも考えられるが、ターポリンとして基布に積層された樹脂フィルムは、基布であるポリエステルの繊維編からなる織布に粘着積層されていることから、樹脂フィルムだけを剥離して分別回収することは困難なものとなっている。
【0009】
そのため、最近では埋め立てることによって土中の微生物により分解する、生分解性のターポリンの開発検討が進められてきつつあるが、これまでターポリンとして要求される特性を兼ね備えた生分解性のターポリンは登場してきていない。これは、生分解性樹脂は、フィルムとした場合に硬質あるいは半硬質のものがほとんどであり、フィルムとした場合には金属接着性が高く、基布との積層によるターポリン加工する際に加熱ドラム(ローラ)に粘着しやすいため、熱による加工ができない点に原因があるものといえる。
【0010】
そこで本発明者等は、その点を解決するべく種々検討した結果、ターポリン用の生分解性樹脂フィルムを形成させる場合に、生分解性樹脂として脂肪族ポリエステル樹脂および芳香族脂肪族ポリエステル樹脂を使用し、かかる生分解性樹脂に多価アルコール脂肪酸エステルを滑剤として配合することにより、金属ドラムへの粘着を防止し得、基布との積層が好適に行い得ることを見出し、その結果、生分解性樹脂をターポリン用のフィルムとして形成し得ることを確認し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、使用済みのターポリンについて、その廃棄処理が容易となり、耐熱性を有し、基布との張り合わせ時に金属ドラムへの粘着がない、柔軟性に優れたターポリン用の生分解性樹脂フィルムを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明は、以下のものである。
(1)脂肪酸ポリエステル樹脂および芳香族脂肪族ポリエステル樹脂に、多価アルコール脂肪酸エステルが添加されていることを特徴とするターポリン用生分解性樹脂フィルム。
(2)少なくとも2層からなるフィルムであって、一層が芳香族脂肪族ポリエステル樹脂からなり、一方の層が脂肪族ポリエステル樹脂からなり、脂肪酸ポリエステル樹脂に多価アルコール脂肪酸エステルが添加されていることを特徴とする前記(1)に記載のターポリン用生分解性樹脂フィルム。
(3)多価アルコール脂肪酸エステルが、樹脂分100重量部に対して0.1〜10重量部添加されていることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のターポリン用生分解性樹脂フィルム。
(4) 芳香族脂肪族ポリエステル樹脂が、ポリブチレンアジペートテレフタレートであることを特徴とする前記(1)、(2)または(3)に記載のターポリン用生分解性樹脂フィルム。
(5)前記(1)ないし(4)に記載のターポリン用生分解性樹脂フィルムを基布と一体化したターポリンであって、基布が生分解性樹脂からなる繊維を使用していることを特徴とするターポリン。
【0013】
すなわち本発明は、ターポリン用の樹脂フィルムとして生分解性樹脂を使用したフィルムを提供した点に特徴を有するものである。したがって、ターポリンが使用済みとなり廃棄処分される場合には、例えば基布として生分解性の基布を使用した場合には、ターポリンそのもの自体を土中へ埋め込むことにより、土中の微生物によりターポリンが生分解されて、環境中に残らないでその廃棄処分を行える特徴を有する。
また、生分解性の基布を使用しない場合であっても、その焼却処分を行う場合には、ターポリン自体の燃焼カロリーを抑えることができ、その上有害ガスが発生しないで焼却処理をし得る特徴を有するのである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明が提供するターポリン用樹脂フィルムは、単層フィルムあるいは少なくとも2層からなる複層の積層フィルムとして構成されるものである。
【0015】
かかるターポリン用樹脂フィルムを構成する生分解性樹脂としては、種々の生分解性樹脂をあげることができる。そのなかでも本発明においては、芳香族脂肪族ポリエステル樹脂および脂肪族ポリエステル樹脂からなる生分解性樹脂を使用するのがよい。そのような生分解性樹脂である芳香族脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリブチレンサクシネートアジペートテレフタレートまたはポリテトラメチレンアジペートテレフタレートをあげることができる。
【0016】
また脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ブタンジオール・コハク酸・カプロラクトンの共重合体またはブタンジオール・コハク酸・乳酸の共重合体等をあげることができる。
これらの生分解性樹脂にあっては、それぞれその一種あるいは複数種を混合して使用することができる。
【0017】
ところで、ターポリン用の樹脂フィルムは、基布と積層され、ターポリンとして加工される。この場合のターポリンとしての積層加工は、一般にはラミネート加工により行われるが、生分解性樹脂フィルムは金属接着性が高く、ラミネート加工する際に加熱ドラム(ローラ)に粘着し易く、基布との貼り合わせが困難なものである。しかしながら、生分解性樹脂成分に加え、多価アルコール脂肪酸エステルを滑剤として添加することにより、金属ドラムとフィルムとの粘着を回避し、ラミネート加工により基布との貼り合わせが確実に行い得るのである。
【0018】
このような多価アルコール脂肪酸エステルを構成する多価アルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘキサントリオールなどである。また、脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノレン酸、モンタン酸、アジピン酸、クエン酸などをあげることができる。
【0019】
この多価アルコール脂肪酸エステルの配合量は、ターポリン用樹脂フィルムを構成する樹脂成分100重量部に対して0.1〜10重量部程度である。0.1重量部未満であると基布とのラミネート接着時にロールに粘着し加工することができない。また10重量部を超えると、フィルム表面にブルームしてしまい好ましいものではない。
【0020】
ところでターポリンとしては、その表面に積層された樹脂フィルムが軟らかい風合い(柔軟性)となることが要求される場合がある。また、一般に、本発明で使用する生分解性樹脂としての芳香族脂肪族ポリエステル樹脂または脂肪族ポリエステル樹脂にあっては、芳香族脂肪族ポリエステル樹脂の方が脂肪族ポリエステル樹脂よりも風合いが軟らかい傾向にある。したがって、柔らかな風合いを有するターポリンとする場合には、この芳香族脂肪族ポリエステル樹脂を樹脂成分としたターポリン用の樹脂フィルムとするのがよい。
【0021】
しかしながら、芳香族脂肪族ポリエステル樹脂は、金属ドラムへの粘着が生じやすく、多価アルコール脂肪酸エステルを大量に配合しなければ金属ドラムへの粘着を防ぐことはできないものであるが、このような大量の多価アルコール脂肪酸エステルの配合は、ブルーミングを生じ、好ましいものではない。したがって、そのような場合には、2層または3層の複層構造のターポリン用樹脂フィルムとし、フィルム加熱時にドラムに接する側(外層)として金属接着性の少ない生分解性樹脂である脂肪族ポリエステル樹脂からなる層を設け、その上に風合いの軟らかな生分解性樹脂である芳香族脂肪族ポリエステル樹脂からなる層(内層)を積層した積層構造のターポリン用の生分解樹脂フィルムとするのがよい。
【0022】
この複層フィルム構造とする場合においては、外層となる脂肪族ポリエステル樹脂には、芳香族脂肪族ポリエステル樹脂を混合することもでき、その場合、脂肪族ポリエステル樹脂:芳香族脂肪族ポリエステル樹脂=100:70:30とすることができる。また、内層となる芳香族脂肪族ポリエステル樹脂に脂肪族ポリエステル樹脂を配合することもできるが、脂肪族ポリエステル樹脂が多くなると、風合いの面で好ましものではなく、複層構造にするべき効果が無いものとなる。
【0023】
このような内層フィルムを構成する芳香族脂肪族ポリエステル樹脂のなかでも、ポリブチレンアジペートテレフタレートは、他の芳香族脂肪族ポリエステル樹脂あるいは脂肪族ポリエステル樹脂に比較した場合に最も軟らかいものである。したがって、柔らかな風合いを有するターポリンとする場合には、この芳香族脂肪族ポリエステル樹脂として、特にポリブチレンアジペートテレフタレートを樹脂成分として使用するのが好ましい。
【0024】
なお、この場合の積層フィルムにあっては、その層厚は、ターポリンとしての風合い(柔軟性)を確保するために、内層となる芳香族脂肪族ポリエステル樹脂フィルム層の厚みが外層となる脂肪族ポリエステル樹脂フィルム層の厚みより大きなものであるのが好ましく、脂肪族ポリエステル樹脂成分に多価アルコール脂肪酸エステルを添加しておくことにより、ラミネート加工時の金属ドラムとの粘着を回避することができるのである。
【0025】
具体的には、ターポリン用フィルムとして複層積層構造を有する場合においては、例えば外層/内層の2層構造を有する場合の層比は1/2〜1/15程度であり、外層/内層/外層の3層構造を有する場合の層比は1/2/1〜1/30/1程度とするのがよい。外層(基布側への接着層)を厚くするとフィルム自体が硬くなり、全体の風合いが軟らかいものではなくなり、また薄くし過ぎると基布とのラミネート加工時にフィルムが溶融し、内層が表面にでて、加熱ロールに粘着してしまい、好ましいものではない。
【0026】
一方、風合いを特に重要とされないターポリン用フィルムとしては、単層フィルム構造を採用することができる。この単層フィルム構造とする場合には、金属接着性の少ない生分解性樹脂である脂肪族ポリエステル樹脂を使用し、そこに多価アルコール脂肪酸エステルを配合することにより金属ドラムとフィルムとの粘着を回避し、ラミネート加工により基布との貼り合わせを確実に行い得るのである。なお、脂肪族ポリエステル樹脂には芳香族脂肪族ポリエステル樹脂を混合することもでき、その配合比率としては、脂肪族ポリエステル樹脂:芳香族脂肪族ポリエステル樹脂=100:0〜70:30程度である。芳香族脂肪族ポリエステル樹脂の配合量がそれ以上になると、風合いの面では向上するが、多価アルコール脂肪酸エステルを添加してもラミネート作業性の面で問題となり、好ましいものではない。
【0027】
本発明が提供するターポリン用の生分解性樹脂フィルムを形成する樹脂成分には、目的とする物性を損なわない範囲で、その他の添加剤を適宜配合することができる。そのような添加剤としては、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、分散剤、離型剤、着色剤、難燃剤、無機充填剤等を挙げることができる。
【0028】
一方、本発明が提供するターポリン用の樹脂フィルムが積層されてターポリンを構成する基布としては、従来からこの種の基布として使用されているものをあげることができる。例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアクリル繊維等の合成繊維、あるいは木綿、麻等の天然繊維の平織、綾織、朱子織等の織布、あるいは編布等をあげることができる。
【0029】
本発明が提供するターポリン用の樹脂フィルムは、特に生分解性の樹脂フィルムであることより、基布自体も生分解性の基布であるのが好ましい。そのような生分解性の基布としては、例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ブタンジオール・コハク酸・カプロラクトンの共重合体、あるいはブタンジオール・コハク酸・乳酸の共重合体からなる繊維による織布、さらには、例えば特開2000−226734号公報に記載の複合繊維、混繊糸からなる織編物等をあげることができる。
【0030】
本発明が提供するターポリン用の生分解性樹脂フィルムを形成するには、生分解性樹脂、さらに必要に応じて他の樹脂や添加剤と共に、タンブラーブレンダー、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等により均一に混合した後、一軸または二軸押出機、ロール、バンバリームキサー、ニーダー、ブレンダー等により溶融混練することにより樹脂組成として調製し、一般的に使用されている溶融押出成形法(例えば、インフレーション法、Tダイ法)、カレンダー成形法で行うことができる。また生分解性樹脂フィルムとしての厚みは0.05〜0.5mm程度をするのがよい。
【0031】
本発明が提供するターポリン用の生分解性樹脂フィルムは、基布と積層され、ターポリンとして加工される。本発明が提供するターポリン用の樹脂フィルムと基布との積層は、種々の方法があるが、一般的にはラミネート加工により行うのが好ましい。特に本発明のターポリン用フィルムは、生分解性樹脂成分に多価アルコール脂肪酸エステルを添加したことにより金属ドラムへの粘着性がなく、ラミネート加工により好適に製造することができるのである。
【0032】
なお、本発明のターポリンは、必要に応じて裁断し、高周波ウエルダー加工等をして、所望の形状として、種々の用途に好適に用いられる。
【0033】
【実施例】
以下に本発明を、具体的実施例ならびに比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0034】
実施例1〜8:
下記表1に記載の配合(重量部)による樹脂組成物を、Tダイで0.1mm厚を有する複層フィルムに成形した。
成形して得たフィルムを用いて、直径1mの加熱ドラムを使用し、100℃にてフィルムを加熱し、ポリ乳酸からなる織布にラミネート加工し、目的とするターポリンを作製した。
製造されたターポリンについて、その表面の風合い、ラミネート加工時の作業性を評価し、その結果をあわせて表中に示した。
【0035】
【表1】
Figure 2004315666
【0036】
*1:PBAT:ポリブチレンアジペートテレフタレート
*2:PBS:ポリブチレンサクシネート
*3:PCL:ポリカプロラクトン
*4:PLA:ポリ乳酸
*5:MEG:モンタン酸エチレングリコールエステル
【0037】
*6:風合いの評価は、ターポリン表面の手触りにより判定し、以下の基準に従った。
○:軟らかいものである。
×:硬いものである。
【0038】
*7:ラミネート作業性の評価は、以下の基準に従った。
○:問題なくい加工できた。
×:ロールに粘着してしまい、加工できなかった。
【0039】
比較例1〜5:
下記表2に記載の配合(重量部)による樹脂組成物を、Tダイで0.1mm厚を有する複層フィルムに成形した。
成形して得たフィルムを用いて、直径1mの加熱ドラムを使用し、100℃にてフィルムを加熱し、ポリ乳酸からなる織布にラミネート加工し、目的とするターポリンを作製した。
製造されたターポリンについて、その表面の風合い、ラミネート加工時の作業性を評価し、その結果をあわせて表中に示した。
【0040】
【表2】
Figure 2004315666
【0041】
*1〜*7:表1と同様である。
注1:ブルームが発生した。
【0042】
実施例7〜10/比較例6〜8
下記表3に記載の配合(重量部)による樹脂組成物を、Tダイで0.1mm厚を有する単層フィルムに成形した。
成形して得たフィルムを用いて、直径1mの加熱ドラムを使用し、100℃にてフィルムを加熱し、ポリ乳酸からなる織布にラミネート加工し、目的とするターポリンを作製した。
製造されたターポリンについて、その表面の風合い、ラミネート加工時の作業性を評価し、その結果をあわせて表中に示した。
【0043】
【表3】
Figure 2004315666
*1〜*6:表1と同様である。
【0044】
以上の実施例、比較例を対比してみると、本発明が提供する2層または3層の複層フィルムにした場合のターポリン用の生分解性樹脂フィルムは、例えば、その風合いが軟らかなものであり、良好なターポリンが得られていることが判明する。また、そのラミネート加工時の作業性も、多価アルコール脂肪酸エステルを添加することにより、比較例のターポリン加工時の作業性と比較し、優れたものであることが判明する。
また、単層フィルムとした場合は、風合いを特に重要とされない用途に用いることができ、ラミネート加工性に問題がないものとすることが可能となる。
【0045】
【発明の効果】
以上記載のように、本発明は、ターポリン用の樹脂フィルムとして、基布との張り合わせ加工を容易に行うことができる生分解性樹脂を使用したフィルムを提供する点で全く新規なものである。したがって、ターポリンが使用済みとなり廃棄処分される場合には、例えば基布として生分解性の基布を使用した場合には、ターポリンそのものが生分解性の性質を有しているものであることから、ターポリンを土中へ埋め込むことにより、土中の微生物により生分解され、環境に影響を与えない廃棄処分を行える利点を有している。
【0046】
また、生分解性の基布を使用しない場合であっても、その焼却処分を行う場合には、ターポリン自体の燃焼カロリーは、これまで使用されてきた塩化ビニル系樹脂フィルムに比較して少ないものであり、その上有害ガスが発生しないで焼却処理をし得る利点を有する。
【0047】
また、生分解性樹脂を種々組合せることにより、風合い軟らかい、柔軟性を有するターポリンを製造し得る利点を有している。

Claims (5)

  1. 脂肪酸ポリエステル樹脂および芳香族脂肪族ポリエステル樹脂に、多価アルコール脂肪酸エステルが添加されていることを特徴とするターポリン用生分解性樹脂フィルム。
  2. 少なくとも2層からなるフィルムであって、一層が芳香族脂肪族ポリエステル樹脂からなり、一方の層が脂肪族ポリエステル樹脂からなり、脂肪酸ポリエステル樹脂に多価アルコール脂肪酸エステルが添加されていることを特徴とする請求項1に記載のターポリン用生分解性樹脂フィルム。
  3. 多価アルコール脂肪酸エステルが、樹脂分100重量部に対して0.1〜10重量部添加されていることを特徴とする請求項1または2に記載のターポリン用生分解性樹脂フィルム。
  4. 芳香族脂肪族ポリエステル樹脂が、ポリブチレンアジペートテレフタレートであることを特徴とする請求項1、2または3に記載のターポリン用生分解性樹脂フィルム。
  5. 請求項1ないし4に記載のターポリン用生分解性樹脂フィルムを基布と一体化したターポリンであって、基布が生分解性樹脂からなる繊維を使用していることを特徴とするターポリン。
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