JPH0717983A - 5−アリルペンタジエン酸シリコン誘導体、紫外線吸収剤及びそれを配合した皮膚外用剤 - Google Patents

5−アリルペンタジエン酸シリコン誘導体、紫外線吸収剤及びそれを配合した皮膚外用剤

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JPH0717983A
JPH0717983A JP18892193A JP18892193A JPH0717983A JP H0717983 A JPH0717983 A JP H0717983A JP 18892193 A JP18892193 A JP 18892193A JP 18892193 A JP18892193 A JP 18892193A JP H0717983 A JPH0717983 A JP H0717983A
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allylpentadienoic
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JP18892193A
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Tomomi Okazaki
具視 岡崎
Yasushi Matsushita
裕史 松下
Mikiko Katou
三紀子 加藤
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式化1(但し、Aは化2で表される置換
基)で表される5−アリルペンタジエン酸シリコン誘導
体、紫外線吸収剤及びその一種又は二種以上を含有する
皮膚外用剤。 【化1】 【化2】 【効果】 本発明の5−アリルペンタジエン酸シリコン
誘導体は、室温で油状で、非極性油に対して高い溶解性
を示し、優れた耐水性及びUV−A吸収能を有する。よ
って、前記誘導体を配合することにより紫外線防御効
果、耐水性、使用感及び製品安定性に優れた皮膚外用剤
を得ることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は5−アリルペンタジエン
酸シリコン誘導体及び皮膚外用剤、特にUV−A領域に
吸収能を有する物質及び皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光線に含まれる紫外線は、皮膚科学
的には320nm〜400nmの長波長紫外線(UV−
A)、290nm〜320nmの中波長紫外線(UV−
B)、及び290nm以下の短波長紫外線(UV−C)
に分類される。このうち、UV−Cは地表に達するまで
にオゾン層のよってほとんど吸収されてしまうため、地
上に届く紫外線の大部分はUV−A及びUV−Bであ
る。UV−A及びUV−Bはヒトの皮膚に対して様々な
影響を及ぼすが、最も顕著に現れるのが日焼け現象であ
る。UV−Bによる日焼けは一般にsunburnと呼
ばれ、皮膚に紅斑や水泡を形成するなどの炎症症状を引
き起こすのに対し、UV−Aによる日焼けは一般にsu
ntanと呼ばれる皮膚の褐色化であり、皮膚の弾力性
の低下及びシワの発生を促して急激な老化現象をもたら
す。また、UV−Aは紅斑反応の開始を促進することが
知られているが、ある種の患者に対してはこの紅斑反応
を増強することがあり、これによって光毒性あるいは光
アレルギー反応を引起こすことがある。
【0003】このような紫外線による有害作用を防止す
るために、目的に応じた紫外線吸収剤を適切に選んで使
用することが有効であり、これまで様々な紫外線吸収剤
が開発されてきた。しかしながら、UV−A吸収剤はU
V−B吸収剤に比してその数が非常に少なく、例えば、
ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ベ
ンゾトリアゾール誘導体等が知られているに過ぎない。
一方、皮膚外用剤において紫外線吸収剤の効果を持続さ
せるためには、汗や水浴によって容易に流れ落ちしな
い、耐水性に優れた皮膚外用剤とすることが重要であ
る。このため、近年、流動パラフィン、スクワラン、シ
リコーン油等の非極性油が紫外線防止用化粧料等の皮膚
外用剤の基剤として広く使用されるようになってきた。
これらの基剤は、耐水性機能はもちろんであるが、のび
の良さ、さっぱり感、べとつかない等優れた使用感によ
るところも大きい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、既存の
UV−A吸収剤は、非極性油に対する溶解性が著しく低
く、皮膚外用剤、特に近年汎用されている非極性油を基
剤とした皮膚外用剤においてはその使用量が制限され、
UV−A吸収剤の持つ機能が十分に発揮されないという
問題点があった。また、一般に濃色の結晶であり、製品
中での低温による結晶化や、衣類等への着色等の問題点
も有していた。本発明は前記従来技術の課題に鑑みなさ
れたものであり、その目的は、非極性油に対して高い溶
解性を示すと共に、優れたUV−A吸収能を有する物質
及びそれを配合した皮膚外用剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、5−アリルペ
ンタジエン酸シリコン誘導体に優れたUV−A吸収能と
使用性が存在することを見出し、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明に係る5−アリルペンタジエン
酸シリコン誘導体は、下記の一般式化3で表される。
【化3】 (式中、Aは下記の一般式化2で表される置換基、Bは
メチル基又は置換基A、r及びsはそれぞれ0〜20の
整数であり、但し、sが0の場合は2つの置換基Bのう
ち少なくとも1つは置換基Aである。)
【化4】 (式中、R1は水素原子、C1〜C4のアルキル基又はC1
〜C8のアルコキシル基、R2は水素原子又はC1〜C4
アルキル基、R3は水素原子又はC1〜C4のアルキル
基、mは1〜4の整数である。) そして、本発明に係る紫外線吸収剤は、前記5−アリル
ペンタジエン酸シリコン誘導体の一種又は二種以上から
なり、また、本発明に係る皮膚外用剤は、前記5−アリ
ルペンタジエン酸シリコン誘導体の一種又は二種以上を
含有することを特徴とする。
【0006】以下に本発明の構成について詳細に説明す
る。前記一般式化3において、置換基Aは前記一般式化
4で表され、R1は水素原子、C1〜C4のアルキル基又
はC1〜C8のアルコキシル基であり、アルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が
挙げられる。また、アルコキシル基としては、例えば、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキ
シ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、
ペンチロキシ基、ネオペンチロキシ基、2−エチルブト
キシ基、2−エチルヘキシロキシ基等が挙げられる。そ
して、R2及びR3はそれぞれ水素原子又はC1〜C4のア
ルキル基であり、アルキル基の例としては、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。また、mは
1〜4の整数を表す。
【0007】次に、化3中、Bはメチル基又は前記置換
基Aであり、また、r及びsはそれぞれ0〜20の整数
であるが、sが0の場合には2つの置換基Bのうち少な
くとも1つは置換基Aでなくてはならない。すなわち、
一般式化3において、常に置換基Aは一つ以上存在す
る。本発明の5−アリルペンタジエン酸シリコン誘導体
は、一般的エステル化反応により容易に製造することが
できる。例えば、下記一般式化5で表されるシリコンア
ルコール誘導体をヒドロシリル化反応により製造した
後、一般式化7で表される5−アリルペンタジエン酸ハ
ロゲニドと塩基を触媒としてエステル化を行う方法が挙
げられる。前記ヒドロシリル化反応は、特開昭60−1
08431、特開昭60−210632、又は特開平1
−5071等に開示されているように、通常白金族金
属、白金族金属化合物又はその錯化合物を触媒とする一
般的ヒドロシリル化法により、目的とする一般式化5の
シリコンアルコール誘導体を製造することができる。
【0008】
【化5】 (式中、Dは下記の一般式化6で表される置換基、Eは
メチル基又は置換基D、r及びsはそれぞれ0〜20の
整数であり、但し、sが0の場合は2つの置換基Eのう
ち少なくとも1つは置換基Dである。)
【化6】 (式中、R3及びmは前記一般式化4と同じである。)
【化7】 (式中、R1及びR2は前記一般式化4と同じであり、G
はハロゲン原子を表す。)
【0009】本発明の5−アリルペンタジエン酸シリコ
ン誘導体は、何れも320nm以上のUV−A領域に強
い吸収を有しており、また、非極性油に対する溶解性が
非常に高ことから、UV−A吸収剤として皮膚外用剤、
特に非極性油剤を基剤とした皮膚外用剤に高濃度に配合
することができ、紫外線防御効果、耐水性及び使用感に
優れた皮膚外用剤を得ることが可能である。本発明の皮
膚外用剤に用いる基剤としては、前記5−アリルペンタ
ジエン酸シリコン誘導体が溶解するものであれば問題は
ないが、特に流動パラフィンや、スクワラン、シリコー
ン系油剤等の非極性油を用いると、のびが良い、さっぱ
り感がある、べとつかない等の優れた使用感と、水や汗
に流されにくいという耐水性を得ることができる。前記
基剤として用いられるシリコーン系油剤は特に限定され
ないが、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルポリ
シロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の
鎖状ポリシロキサンや、デカメチルシクロポリシロキサ
ン、ドデカメチルシクロポリシロキサン、テトラメチル
ハイドロジェンシクロポリシロキサン等の環状ポリシロ
キサン、ポリエーテル、脂肪酸変性ポリシロキサン、高
級アルコール変性ポリシロキサン、アミノ酸変性ポリシ
ロキサン等が挙げられる。尚、本発明の皮膚外用剤の剤
型は任意であり、例えば、パウダー状、クリーム状、ペ
ースト状、スティック状、液状、スプレー状、ファンデ
ーション等何れでもよく、また、乳化剤を用いて乳化物
としてもよい。
【0010】本発明の皮膚外用剤における5−アリルペ
ンタジエン酸シリコン誘導体の配合量は特に限定され
ず、どの程度の紫外線吸収効果が要求されるかによって
異なるが、一般的には皮膚外用剤に対して0.1〜20
重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。また、
本発明の5−アリルペンタジエン酸シリコン誘導体は、
単独で用いても充分にその効果を発揮するが、必要に応
じて他のUV−A吸収剤又はUV−B吸収剤と併用する
ことも可能である。実際、日焼け止め化粧料等では、U
V−A吸収剤とともにUV−B吸収剤も配合されること
が多い。UV−B吸収剤としては、例えば、p-ジメチル
アミノ安息香酸2-エチルヘキシルエステルのようなp-ア
ミノ安息香酸誘導体、p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキ
シルエステルのようなp-メトキシケイ皮酸誘導体、サリ
チル酸誘導体、ベンジリデンカンファー誘導体、ウロカ
ニン酸又はその誘導体、あるいは二酸化チタン、酸化亜
鉛等の無機顔料等が挙げられる。また、本発明の皮膚外
用剤は、前記成分の他に通常医薬品や化粧料等に用いら
れる成分、例えば、油分、潤滑油、酸化防止剤、界面活
性剤、防腐剤、金属封鎖剤、香料、水、アルコール、増
粘剤、薬剤等を本発明の効果を損わない範囲で適宜配合
することができる。
【0011】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。尚、以下の説明において、特に指定がない限り配合
量は全て重量%である。 〔5−アリルペンタジエン酸シリコン誘導体の製造〕下
記の化合物1〜3の製造方法について説明する。 化合物1;5-p-メトキシフェニルペンタ-2,4-ジエン酸
3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキシ)-2-メ
チルプロピルエステル
【化8】 化合物2;5-フェニルペンタ-2,4-ジエン酸 3-(1,1,1,
3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキシ)-2-メチルプロピ
ルエステル
【化9】 化合物3;5-p-メトキシフェニル-4-メチルペンタ-2,4-
ジエン酸 3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキ
シ)-2-メチルプロピルエステル
【化10】
【0012】製造例1(化合物1の製造) 5-p-メトキシフェニルペンタ-2,4-ジエン酸12.7
g、チオニルクロライド14.8g、ベンゼン50ml
の混合液を2時間環流後、減圧下に溶媒及び過剰のチオ
ニルクロライドを完全に留去した。残渣にベンゼン50
mlを加えて溶解し、3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチル
トリシロキシ)-2-メチルプロパノール18.4gとピ
リジン50mlの混合液を室温下、攪拌しながらに滴下
した。滴下終了後、70〜80℃で2時間反応を行い、
反応液を氷水500mlに注入した。水相から分離した
ベンゼン層を、3N−塩酸で洗浄後、5%炭酸水素ナト
リウム水溶液で洗浄し、乾燥させた。溶媒を減圧下に留
去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%
酢酸エチル−ヘキサン混液で溶出)で分離精製して淡黄
色油状の目的物13.7gを得た。尚、得られた目的物
の最大吸収波長(λmax)及びマススペクトルデータは
次の通りであった。 λmax(エタノール) 345nm(ε=38,5
00) マススペクトルM+m/e 480
【0013】製造例2(化合物2の製造) 5-フェニルペンタ-2,4-ジエン酸6.3g、チオニルク
ロライド8.6g、ベンゼン50mlの混合液を70〜
80℃で3時間環流後、減圧下に溶媒及び過剰のチオニ
ルクロライドを完全に留去した。残渣にベンゼン50m
lを加えて溶解し、3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルト
リシロキシ)-2-メチルプロパノール10.7gとピリ
ジン30mlの混合液を室温下、攪拌しながらに滴下し
た。滴下終了後、60℃で3時間反応を行い、以下前記
製造例1と同様に処理を行って淡黄色油状の目的物5.
8gを得た。尚、得られた目的物の最大吸収波長(λma
x)及びマススペクトルデータは次の通りであった。 λmax(エタノール) 335nm(ε=37,0
00) マススペクトルM+m/e 450
【0014】製造例3(化合物3の製造) 5-p-メトキシフェニル-4-メチルペンタ-2,4-ジエン酸
2.1g、チオニルクロライド2.4g、ベンゼン30
mlの混合液を1時間環流後、減圧下に溶媒及び過剰の
チオニルクロライドを完全に留去した。残渣にベンゼン
30mlを加えて溶解し、3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメ
チルトリシロキシ)-2-メチルプロパノール2.9gと
ピリジン10mlの混合液を室温下、攪拌しながらに滴
下した。滴下終了後、60〜70℃で3時間反応を行
い、不溶物を濾去して濾液を減圧濃縮した。この残渣に
エチルエーテル50mlを加え、精製水で洗浄した後、
エーテルを留去して、シリカゲルクロマトグラフィー
(10%酢酸エチル−ヘキサン混液で溶出)で分離精製
して無色油状の目的物1.7gを得た。尚、得られた目
的物の最大吸収波長(λmax)及びマススペクトルデー
タは次の通りであった。 λmax(エタノール) 324nm(ε=35,8
00) マススペクトルM+m/e 494
【0015】〔非極性油に対する溶解性〕本発明の5−
アリルペンタジエン酸シリコン誘導体として前記化合物
1〜3と、比較例として2-ヒドロキシ-4-メトキシベン
ゾフェノン(比較化合物a)及び2-ヒドロキシ-5-メチ
ルフェニルベンゾトリアゾール(比較化合物b)を用
い、室温(25℃)におけるシリコーン系油剤及びスク
ワランに対する溶解性を比較した。尚、シリコーン系油
剤としてはシリコーンKF56及びシリコーンKF96
(何れも10cs、信越化学工業(株)製)を用いた。
その結果、表1に示すように、化合物1〜3の5−アリ
ルペンタジエン酸シリコン誘導体は何れも室温で油状で
あり、何れの非極性油に対しても50%以上溶解するの
に対し、比較化合物aの2-ヒドロキシ-4-メトキシベン
ゾフェノン及び比較化合物bの2-ヒドロキシ-5-メチル
フェニルベンゾトリアゾールは何れも室温で固体であ
り、非極性油に対する溶解性が低く、何れの場合におい
ても結晶を析出した。
【0016】以上のように、本発明に係る5−アリルペ
ンタジエン酸シリコン誘導体は、非極性油に対して優れ
た溶解性を有し、従来の紫外線吸収剤で問題となってい
た結晶析出等の問題のない紫外線吸収剤であることが明
らかとなった。
【0017】
【表1】 ──────────────────────────────────── 溶 解 性※ 試 料 性 状 シリコンKF56 シリコンKF96 スクワラン 30% 50% 30% 50% 30% 50% ──────────────────────────────────── 化合物1 淡黄色油状 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 化合物2 淡黄色油状 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 化合物3 無色油状 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ──────────────────────────────────── 比較化合物a 淡黄色結晶 × × × × × × 比較化合物b 淡黄色結晶 × × × × × × ──────────────────────────────────── ※各試料を非極性油に30又は50w/w%溶解させた時
の外観: ○・・・完全溶解、×・・・溶解せず(結晶析出)
【0018】〔耐水性試験〕本発明の5−アリルペンタ
ジエン酸シリコン誘導体の耐水性を次のようにして調べ
た。 〈試料液の調製〉試料には、前記化合物1及び2の5−
アリルペンタジエン酸シリコン誘導体と、比較例として
p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシルエステル
(比較化合物c)を用いた。各試料3gを各々97gの
シリコーンKF56に溶解し、試料液とした。 〈試験方法〉男性パネル10名の下腕部内側全面を石鹸
で十分洗浄し乾燥した後、試料液0.5gを下腕部内側
全面に塗布する。その後、塗布部3cm2をアセトニト
リル20mlを用いて抽出し、その抽出液の吸光度を分
光光度計にて測定した(この値を吸光度Aとする)。抽
出後、洗濯機(松下電気製NA−400)を渦巻強に設
定し、30±2℃に調整した水を毎分10l放出し続け
る状態で、前記抽出後の下腕部を洗濯水槽中に2分間浸
漬した。その後、ドライヤーにて乾燥し、洗浄前と同様
にアセトニトリルで抽出し、測定した吸光度をBとし
た。次式により試料の残存率を計算し、水洗に対する各
試料の耐水性を評価した。 残存率(%)=(吸光度B/吸光度A)×100
【0019】〈結果〉表2に示すように、比較化合物c
のp-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシルエステル
は平均残存率が83%と水洗いによって流れ落ちていた
のに対し、化合物1及び2の5−アリルペンタジエン酸
シリコン誘導体は何れも平均残存率97%以上と殆どが
残存していた。以上のことから、本発明に係る5−アリ
ルペンタジエン酸シリコン誘導体は従来の紫外線吸収剤
より耐水性に優れており、汗や、水浴等で容易に流れ落
ちることがなく、紫外線吸収効果が持続することが明ら
かとなった。
【表2】 ────────────────────────────────── パネル 水洗いに対する残存率(%) 化合物1 化合物2 比較化合物c ────────────────────────────────── 1 97.5 98.9 82.3 2 95.6 101.3 80.6 3 97.7 98.5 84.5 4 97.5 99.4 79.8 5 96.6 99.5 80.3 6 98.8 98.9 83.8 7 95.8 99.3 89.2 8 96.9 99.8 80.4 9 97.3 98.9 83.9 10 96.5 99.4 85.1 ────────────────────────────────── 平 均 97.0 99.4 83.0 ──────────────────────────────────
【0020】〔紫外線防御効果試験〕配合例1(日焼け止めオイル) 本発明の5−アリルペンタジエン酸シリコン誘導体の日
焼け止め効果について、実際に人体パネルを用いて、次
のようにして調べた。 〈日焼け止めオイルの調製〉試料として、前記化合物2
の5−アリルペンタジエン酸シリコン誘導体を用い、下
記の処方で各成分を十分に溶解後、濾過して日焼け止め
オイルを調製した(配合例1)。また、比較例として、
前記化合物2の代りにp-ジメチルアミノ安息香酸2-エチ
ルヘキシルエステルを用いた日焼け止めオイル(日焼け
止めオイルに対する総配合量は6.0重量%となる)も
同様に調製した。 デカメチルシクロペンタシロキサン 47.0wt% ジメチルポリシロキサン(10cs/25℃) 20.0 メチルフェニルポリシロキサン(20cs/25℃) 22.0 シリコーン樹脂 5.0 p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシルエステル 3.0 試料 3.0
【0021】〈試験方法〉配合例1及び比較例の日焼け
止めオイルを、パネル10名の体の左右半々にそれぞれ
塗布し、実際に海浜での日焼けの程度について以下の基
準に従って評価した。 ○・・・殆ど日焼け症状が認められなかった △・・・軽度の日焼け症状が認められた ×・・・強度の日焼け症状が認められた 〈結果〉表3に示すように、配合例1のオイルを塗布し
た場合、80%のパネラーは日焼けが殆ど認められなか
ったとし、残りの20%のパネラーについては軽度の日
焼け症状が認められたに過ぎず、重度の日焼け症状が認
められたパネラーはいなかった。これに対し、比較例の
オイルでは90%のパネラーが重度又は軽度の日焼け症
状を訴え、40%のパネラーに重度の日焼け症状が認め
られた。また、配合例1の日焼け止めオイル塗布部では
皮膚トラブルは全く見られなかったが、比較例の塗布部
では皮膚のひきつり、かゆみ、発疹といったトラブルが
生じた。
【0022】以上のことから、本発明の5−アリルペン
タジエン酸シリコン誘導体を配合した皮膚外用剤は優れ
た紫外線防御効果を有し、紫外線による日焼け及び皮膚
トラブルを防止することが明らかとなった。
【表3】 ─────────────────────────────── パネル 日焼けの評価 配合例1 比較例 ─────────────────────────────── A ○ × B ○ △ C ○ × D ○ △ E ○ × F ○ △ G △ ○ H △ △ I ○ × J ○ △ ──────────────────────────────── 皮膚トラブル なし ひきつり 3件 件数 かゆみ 2件 発疹 1件 ────────────────────────────────── 以下の配合例2〜7の皮膚外用剤を調製し、前記配合例
1と同様にして紫外線防御効果試験を行ったところ、何
れも優れた効果を有し、日焼けや皮膚トラブルを防止す
るものであった。
【0023】配合例2(W/Oクリーム) 下記の処方に従って、W/Oクリームを調製した。調製
方法は、油相部及び水相部を各々加熱溶解して70℃に
保ち、油相部に水相部を添加して乳化機により十分に乳
化した。乳化後、かき混ぜながら35℃以下まで冷却
し、容器に流し込んで放冷し固めて、W/Oクリームを
得た。 〈油相部〉 オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.5wt% ジメチルポリシロキサン(100cs) 5.0 ジメチルポリシロキサン(2,500,000cs) 3.0 流動パラフィン 5.0 ポリエーテル変性シリコーン 6.0 p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシルエステル 5.0 化合物1 4.0 香料 0.2 〈水相部〉 精製水 43.1 L-グルタミン酸ナトリウム 3.0 1,3-ブチレングリコール 5.0 防腐剤 0.2
【0024】配合例3(O/Wクリーム) 下記の処方に従って、O/Wクリームを調製した。調製
方法は、油相部及び水相部を各々70℃で加熱溶解し、
油相部を水相部に添加して、乳化機により十分に乳化し
た。乳化物を熱交換器にて30℃まで冷却後、容器に充
填してO/Wクリームを得た。 〈油相部〉 デカメチルシクロペンタシロキサン 8.0wt% 流動パラフィン 3.0 イソプロピルミリステート 2.0 ワセリン 4.0 セタノール 4.0 ステアリン酸 3.0 グリセリルモノイソステアレート 3.0 p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシルエステル 3.0 化合物2 1.0 防腐剤 0.2 香料 0.2 〈水相部〉 グリセリン 10.0 プロピレングリコール 5.0 ヒアルロン酸 0.01 水酸化カリウム 0.2 精製水 53.39
【0025】配合例4(ローション) 下記の処方に従って、前記配合例3と同様の方法でロー
ションを調製した。 〈油相部〉 ジメチルポリシロキサン(5cs) 10.0wt% メチルフェニルポリシロキサン(20cs) 7.0 ステアリン酸 1.0 p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシルエステル 5.0 化合物3 10.0 防腐剤 0.2 香料 0.2 〈水相部〉 グリセリン 5.0 モンモリロナイト 0.5 水酸化カリウム 0.2 精製水 60.9
【0026】配合例5(両用ファンデーション) 下記の処方に従って、両用ファンデーションを調製し
た。調製方法は、A部をヘンシェルミキサーで混合し、
これにB部を加熱溶解したものを添加混合した後粉砕
し、これを中皿に成形して、両用ファンデーションを得
た。 〈A部〉 シリコーン処理酸化チタン 9.5wt% シリコーン処理マイカ 40.0 シリコーン処理タルク 20.45 シリコーン処理酸化鉄 7.5 球状ナイロンパウダー 10.0 〈B部〉 トリメチロールプロパントリイソステアレート 5.0 スクワラン 3.0 ビーワックス 2.0 化合物1 0.5 ソルビタントリオレエート 1.0 ビタミンE 0.05 防腐剤 0.5 香料 0.5
【0027】配合例6(スティック状化粧料) 下記の処方に従って、スティック状化粧料を調製した。
調製方法は、A部をヘンシェルミキサーで混合し、これ
にB部を加熱溶解したものを添加してさらに混合粉砕し
する。次に、C部を溶解したものを添加後十分混合し、
スティック状に成形した。 〈A部〉 酸化チタン 10.0wt% 酸化亜鉛 7.0 マイカ 16.0 赤色酸化鉄 1.5 黄色酸化鉄 1.5 黒色酸化鉄 1.0 〈B部〉 ジメチルポリシロキサン(20cs) 29.4 トリメチロールプロパン-トリ-2-エチルヘキサノエート 8.0 流動パラフィン 7.0 p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシルエステル 5.0 化合物3 3.0 ソルビタンセスキオレエート 1.0 酸化防止剤 0.1 〈C部〉 マイクロクリスタリンワックス 2.0 セレシン 1.0 固形パラフィン 6.0 香料 0.5
【0028】配合例7(化粧下地クリーム) 下記の処方に従って、化粧下地クリームを調製した。調
製方法は、油相部及び水相部を各々70℃で加熱溶解
し、油相部に水相部を添加して乳化分散後、冷却して、
化粧下地クリームを得た。 〈油相部〉 ジメチルポリシロキサン(2cs) 19.0wt% グリセリルトリイソステアレート 10.0 アイソパーG 5.0 ソルビタンセスキオレエート 1.0 ポリシロキサンエチレン変性オルガノポリシロキサン 3.0 p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシルエステル 1.0 化合物3 1.0 酸化防止剤 適 量 香料 適 量 〈水相部〉 1,3-ブチレングリコール 5.0 微粒子酸化チタン 10.0 防腐剤 適 量 精製水 残 余
【0029】
【発明の効果】本発明に係る5−アリルペンタジエン酸
シリコン誘導体は、室温で油状であり、非極性油に対し
て高い溶解性を示すとともに、優れた耐水性及びUV−
A吸収能を有する。よって、前記誘導体はUV−A吸収
剤として各種皮膚外用剤、特に、非極性油を基剤とする
皮膚外用剤に配合することができ、紫外線防御効果、耐
水性、使用感及び製品安定性に優れた皮膚外用剤を得る
ことが可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式化1で表される5−アリル
    ペンタジエン酸シリコン誘導体。 【化1】 (式中、Aは下記の一般式化2で表される置換基、Bは
    メチル基又は置換基A、r及びsはそれぞれ0〜20の
    整数であり、但し、sが0の場合は2つの置換基Bのう
    ち少なくとも1つは置換基Aである。) 【化2】 (式中、R1は水素原子、C1〜C4のアルキル基又はC1
    〜C8のアルコキシル基、R2は水素原子又はC1〜C4
    アルキル基、R3は水素原子又はC1〜C4のアルキル
    基、mは1〜4の整数である)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の5−アリルペンタジエン
    酸シリコン誘導体の一種又は二種以上からなることを特
    徴とする紫外線吸収剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の5−アリルペンタジエン
    酸シリコン誘導体の一種又は二種以上を含有することを
    特徴とする皮膚外用剤。
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