JPH05247063A - ジベンゾイルメタンシリコ−ン誘導体及びそれを配合した皮膚外用剤 - Google Patents

ジベンゾイルメタンシリコ−ン誘導体及びそれを配合した皮膚外用剤

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JPH05247063A
JPH05247063A JP27733991A JP27733991A JPH05247063A JP H05247063 A JPH05247063 A JP H05247063A JP 27733991 A JP27733991 A JP 27733991A JP 27733991 A JP27733991 A JP 27733991A JP H05247063 A JPH05247063 A JP H05247063A
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JP
Japan
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silicone
dibenzoylmethane
derivative
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JP27733991A
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English (en)
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Tomomi Okazaki
具視 岡崎
Kenichi Umishio
健一 海塩
Keiichi Uehara
計一 植原
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式化1で表わされる単位を少なくと
も1個もつシロキサンであって、該シロキサン中に存在
し得る他の単位が一般式O4-r/2SiR5 rであることを
特徴とするジベンゾイルメタンシリコーン誘導体及びそ
れを配合した皮膚外用剤。 【化1】 (但し、R1、R2は水酸基、炭素数1〜8のアルキル
基、炭素数1〜8のアルコキシ基、R3は少なくとも2
個の炭素原子を有する二価のアルキレン基、又はオキシ
アルキレン基、R4,R5は炭素数1〜4のアルキル基、
フェニル基又はトリメチルシロキシ基、m,nは0〜3
の整数、pは0又は1、q,rは0〜3の整数を表わ
す。) 【効果】 優れたUV−A吸収能、及びシリコーン系基
剤相溶性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジベンゾイルメタンシリ
コーン誘導体及びそれを配合した皮膚外用剤、特にUV
−A領域の紫外線吸収能の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光線に含まれる紫外線は、皮膚科学
的には400nm〜320nmの長波長紫外線(UV−
A)、320nm〜290nmの中波長紫外線(UV−
B)、290nm以下の短波長紫外線(UV−C)に分類
される。このうち、290nm以下の波長の紫外線は、オ
ゾン層によって吸収され、地表に到達しない。地表に届
く紫外線は、人間の皮膚に様々な影響を及ぼす。地上に
まで達する紫外線の内で、UV−Bは皮膚の紅斑や水泡
を形成し、メラニン形成も促進する。一方、UV−Aは
皮膚の褐色化を惹起し、皮膚の弾力性の低下及びシワの
発生を促進し急激な老化をもたらす。また、紅斑反応の
開始を促進し、あるいはある種の患者に対してはこの反
応を増強し、更に光毒性あるいは光アレルギー反応の原
因とさえなり得る。このようなUV−Aの有害性から皮
膚を保護するために、各種紫外線吸収剤が開発されてき
た。
【0003】既存のUV−A域紫外線吸収剤としては、
ジベンゾイルメタン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体
などが利用され、皮膚外用剤に配合されてきた。一方、
近年紫外線吸収剤が配合される皮膚外用剤には、その効
果を持続される必要上、汗や水浴によって容易に流れ落
ちしない耐水性に優れたジメチルシロキサンなどのシリ
コーン系基剤が広く使用されるようになってきた。これ
らのシリコーン系基剤の採用は、耐水性機能はもちろ
ん、のびの良さ、さっぱり感、べとつかない等の使用性
の利点によるところも大きい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記既存の
UV−A域の紫外線吸収剤は、シリコーン系基剤に対す
る相溶性が著しく低い。このため、シリコーン系基剤を
用いた場合には使用量が極く少量に限られ、UV−A吸
収剤のもつ機能が十分に発揮されないという欠点があっ
た。本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたもので
あり、その目的はシリコーン系基剤に溶解すると共に、
UV−A領域の紫外線を遮蔽する物質及びそれを配合し
た皮膚外用剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明者らが鋭意検討した結果、ジベンゾイルメタン
シリコーン誘導体が優れたUV−A吸収性及び使用性を
有することを見出し、本発明を完成するに至った。すな
わち、請求項1記載のジベンゾイルメタンシリコーン誘
導体は、下記一般式化2で表わされる単位を少なくとも
1個もつシロキサンであって、該シロキサン中に存在し
得る他の単位が一般式O4-r/2SiR5 rであることを特
徴とする。
【0006】
【化2】 (但し、R1、R2は水酸基、炭素数1〜8のアルキル
基、炭素数1〜8のアルコキシ基、R3は少なくとも2
個の炭素原子を有する二価のアルキレン基、又はオキシ
アルキレン基、R4,R5は炭素数1〜4のアルキル基、
フェニル基又はトリメチルシロキシ基、m,nは0〜3
の整数、pは0又は1、q,rは0〜3の整数を表わ
す。)請求項2記載の皮膚外用剤は前記化2のジベンゾ
イルメタンシリコーン誘導体を一種または二種以上を含
むことを特徴とする。
【0007】以下、本発明の構成をさらに詳細に説明す
る。本発明にかかるジベンゾイルメタンシリコーン誘導
体は前記化2で表わされる単位と、一般式O4-r/2Si
5 rで表わされる単位から構成されるものである。前記
化2中、R1,R2の例として水酸基、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブ
チル基、t−ブチル基、n−アミル基、イソアミル基、n
−ヘキシル基、2−エチルブチル基、n−オクチル基、
2−エチルヘキシル基等のアルキル基、メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ
基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−アミロキシ
基、イソアミロキシ基、n−ヘキシロキシ基、2−エチ
ルブトキシ基、n−ペンチロキシ基、n−オクチロキシ
基、2−エチルヘキシロキシ基等のアルコキシ基が挙げ
られる。なお、R1,R2はそれぞれ同一でも異なっても
よい。
【0008】R3の例としては、−CH2CH2−、−C
2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−C
H(CH3)CH2CH2−、−CH2CH2CH(CH3
−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2OCH2
CH2−、ヘキシレン、シクロヘキシレン、デシレン基
等が挙げられるが、炭素数2〜4のアルキレン基が好ま
しい。
【0009】R4の例としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル
基、t−ブチル基、フェニル基、トリメチルシロキシ基
等が挙げられるが、原料の入手のしやすさ等の理由から
メチル基又はその一部がフェニル基であること又はトリ
メチルシロキシ基であることが好ましい。また、m,n
は置換基の数を表わし0〜3の整数である。pは0又は
1、qはR4の置換基数を表わし、0〜3の整数であ
る。
【0010】一般式O4-r/2SiR5 rで表わされるシロ
キサン単位において、R5はメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基、フェニル基、トリメチルシロキシ基等が挙
げられるが、メチル基又はその一部がフェニル基である
こと、あるいはトリメチルシロキシ基であることが好ま
しい。rはR5の置換基数を示し、0〜3の整数であ
る。
【0011】本発明のジベンゾイルメタンシリコーン誘
導体は、分子量により室温で液体ないし樹脂状の固体の
ものがあり、いずれも波長340〜400nmのUV−A
領域に最大吸収を示し、UV−A吸収剤として利用する
ことができる。本発明のジベンゾイルメタンシリコーン
誘導体は、下記の二段階反応、すなわち第一段階クライ
ゼン縮合反応(下記化3)、及び第二段階ヒドロシリル
化反応(下記化4)により合成することができる。 第一段階クライゼン縮合反応
【化3】 第二段階ヒドロシリル化反応
【化4】
【0012】なお、前記反応式において、R1、R2、R
4、R5、m、n、p、q、rは前記化2により定義され
たものであり、Aは炭素数1〜5のアルキル基、Bは水
素原子、炭素数1〜8の低級アルキル基、eは0〜8の
整数を表わす。第一段階のクライゼン縮合反応は、R,Ha
verら「Organic Reactions」第8巻、p.59、John W
iley and Sons Inc.,New York 1954に記載されてい
る。
【0013】すなわち、置換アセトフェノン又は
と、置換安息香酸アルキルエステル又はを塩基の存
在下で例えばアルカリアルコレート、水酸化物又はアミ
ド化合物及び、トルエン、イソプロピルエーテル、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタ
ン、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミドの
ような溶媒中、室温から沸点の間で反応を行ない、ジベ
ンゾイルメタン誘導体を得ることができる。
【0014】第二段階反応のヒドロシリル化反応は、通
常白金族金属、白金族金属の化合物、或いは該金属の錯
化合物により促進されることが知られている(特開昭6
0−108431、特開昭60−210632、特開平
1−50711等参照)ジベンゾイルメタン誘導体
と、分子内に少なくとも一つのSiH基を含有するポリ
シロキサンとの反応も、通常の触媒、例えば炭素に担
持された白金、塩化白金酸、アセチルアセトン白金錯
体、不飽和化合物類との白金錯体、ロジウム化合物及び
白金化合物の錯体で反応が促進される。
【0015】この反応は大気圧下、溶媒例えばトルエ
ン、キシレン、ヘプタン、テトラヒドロフラン、テトラ
クロルエチレン中で、50℃ないし溶媒の沸点以下でS
i−H基がなくなるまで反応を継続すると、目的とする
ジベンゾイルメタンシリコーン誘導体が得られる。
【0016】なお、このようにして製造されるジベンゾ
イルメタンシリコーン誘導体として、次のような化合物
を得ることができる。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】 一方、本発明にかかる皮膚外用剤の基剤は、前記ジベン
ゾイルメタンシリコーン誘導体が溶解するものであれば
いずれでも良いが、特にシリコーン油系基剤を用いる
と、のびの良さ、さっぱり感、べとつかない等の使用感
に優れ、しかも高度の耐水性、及び汗や水に流れにくい
等の機能を得ることができる。
【0017】本発明にかかる皮膚外用剤にシリコーン系
基剤を用いる場合、そのシリコーン系基剤は特に限定さ
れないが、例えばジメチルポリシロキサン、メチルポリ
シロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなど
の鎖状ポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ド
デカメチルポリシロキサン、テトラメチルハイドロジェ
ンポリシロキサンなどの環状ポリシロキサン、ポリエー
テル、脂肪酸変性ポリシロキサン、高級アルコール変性
ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサンなどが用い
得る。
【0018】なお、本発明の皮膚外用剤には、通常化粧
料などに用いられる他の成分、例えば油分、潤滑油、酸
化防止剤、界面活性剤、防腐剤、金属封鎖剤、香料、
水、アルコール、増粘剤などを必要に応じて適宜配合す
ることができる。また、本発明の皮膚外用剤の剤形は任
意であり、パウダー状、クリーム状、ペースト状、スチ
ック状、液状、スプレー状、ファンデーションなどいず
れでもよく、乳化剤を用いて乳化してもよい。
【0019】本発明のジベンゾイルメタンシリコーン誘
導体は、単独で用いても十分に効果を発揮するが、必要
に応じて他のUV−B吸収剤、例えばエスカロール50
7(バンダイク社製)のようなp−アミノ安息香酸誘導
体、ネオヘリオパン(ハーマンアンドライマー社製)の
ようなp−メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、
ベンジリデンカンファー誘導体、ウロカニン酸またはそ
の誘導体、あるいは二酸化チタン、酸化亜鉛などの無機
顔料の外、更にUV−A吸収剤と併用することも可能で
ある。
【0020】また、本発明における化合物の配合量は、
上記の剤形によって、またどの程度の紫外線保護作用を
要求するかによっても異なるが、一般には0.1〜20
重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。
【0021】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。また、配合量は特に指定のない限り重量
%で示す。ジベンゾイルメタンシリコーン誘導体の性状及び溶解性
試験 本発明に用いるジベンゾイルメタンシリコーン誘導体の
例として前記化合物1,5,7,8,11,14,1
7、及び比較化合物として2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン(比較化合物1)、4−イソプロピル
ジベンゾイルメタン(比較化合物2)の溶解性を、シリ
コーン系油剤であるシリコーンKF96(10cs)、
シリコーンKF96(300cs 信越化学社製)及びス
クワランで試験した。
【0022】各化合物の室温(25℃)での溶解度(w/
w)を表1に示した。25℃で完全に透明に溶解するもの
について○印、若干でも白濁するものについては×印で
示した。
【表1】 ──────────────────────────────────── 性状 溶解性 シリコンKF96(10cs) シリコンKF96(300cs) スクワラン 10% 50% 10% 50% 10% 50% ──────────────────────────────────── 化合物1 淡黄色油状 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 化合物5 淡黄色油状 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 化合物7 淡黄色油状 ○ ○ ○ ○ ○ × 化合物8 淡黄色油状 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 化合物11 淡黄色油状 ○ ○ ○ × ○ × 化合物14 淡黄色油状 ○ ○ ○ × ○ × 化合物17 淡黄色油状 ○ ○ ○ × ○ × ──────────────────────────────────── 比較化合物1 淡黄色固体 × × × × × × 比較化合物2 淡黄色固体 × × × × × × ──────────────────────────────────── 以上の結果、本発明にかかる化合物はいずれも優れたシ
リコーン系基剤溶解性を有することが理解される。
【0023】耐水性試験 男性パネル10名の下腕部内側全面を石鹸を用いて充分
に洗浄し乾燥した後、試料液0.5gを下腕部内側全面
に塗擦する。その後、塗擦部3cm2をアセトニトリル2
0mlを用いて抽出し、その溶液の吸光度を分光光度計に
て測定する(これを吸光度Aとする)。抽出後、洗濯機
(松下電機製NA−400)を渦巻強に設定し、水温を
30±2℃に調整した水を毎分10l放水し続ける。こ
の洗濯機に下腕部を2分間浸漬した後、ドライヤー乾燥
して上記と同様にアセトニトリルで抽出する。この溶液
の吸光度をBとする。耐水性の評価は次式により計算し
て皮膚上の残存率で示した。 残存率の計算 残存率(%)=(吸光度B/吸光度A)×100
【0024】なお、試料液は、本発明のシリコーン誘導
体2,8,11,15,19及び比較化合物としてエス
カロール507を選び、各々3gを97gのスクワラン
に溶解して調整した。次の表2に残存率を示す。
【表2】 ──────────────────────────────────── 試 料 液 パネル No.2 No.8 No.11 No.15 No.19 比較例 ──────────────────────────────────── A 99.1 99.3 98.9 101.3 97.4 82.3 B 102.5 99.1 99.9 98.6 95.7 80.6 C 98.6 99.5 99.3 99.9 97.8 84.5 D 98.9 99.9 98.9 98.8 98.3 79.8 E 101.2 101.5 99.8 99.9 96.7 80.3 F 99.5 99.8 98.9 99.8 96.5 83.8 G 102.7 102.5 101.3 101.3 98.9 89.2 H 99.9 101.2 98.6 102.5 98.3 80.4 I 98.5 97.6 99.3 97.8 95.7 83.9 J 99.9 99.1 99.3 99.8 96.9 85.1 ──────────────────────────────────── 平均 100.1 99.9 99.4 100.0 97.2 83.0 ──────────────────────────────────── この結果より、本発明にかかるジベンゾイルメタンシリ
コーン誘導体は、従来の紫外線吸収剤エスカロール50
7より耐水性に優れており、汗、水浴等により容易に流
れ落ちるものではないことが明かとされた。
【0025】実施例1 化合物7の製造 クライゼン縮合反応により得た4−アリロキシジベンゾ
イルメタン(淡黄色結晶、mp.59〜60℃)5.6
g(0.02モル)、1,1,1,3,5,5,5−ヘ
プタメチルトリシロキサン4.8g(0.022モル)
をトルエン40mlに溶解し、ヘキサクロロ白金(IV)酸
六水和物1mgを加えて攪拌下に100℃で5時間反応さ
せた。反応終了後、トルエンを減圧留去し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで分離(3v/v%酢酸
エチル−ヘキサン混液で溶出)して淡黄色固体の目的物
4.2gを得た。収率は41.8%であった。 融点(mp)30℃ IR(KBr):1040cm-1 λmax(エタノール)355nm(ε=33600) 分子イオンm/e502
【0026】実施例2 化合物28の製造 下記化合物28(化13)の製造を次のように行なっ
た。
【化13】 クライゼン縮合により得た3−アリール−4−プロポキ
シジベンゾイルメタン(淡黄色油状、屈折率η20 D1.
6532)3.2g(0.01モル)、1,1,1,
3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン2.42
g(0.011モル)トルエン15mlの溶液に、テトラ
メチルジビニルジシロキサン白金錯体トルエン溶液(白
金含量4w/w%)0.03gを添加し、5時間還流し
た。反応終了後トルエンを減圧留去し、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(3v/v%酢酸エチル−ヘキサン
混液で溶出)で分離精製して、4.6gの淡黄色油状の
目的物を得た。収率は85.2%であった。 屈折率η20 D:1.5534 IR(film):1040cm-1 λmax(エタノール)357.5nm(ε=33700) 分子イオンm/e544
【0027】実施例3 化合物29(化14)の製造 下記化合物29(化14)の製造を次のように行なっ
た。クライゼン縮合により得た3−アリール−4−プロ
ポキシ−4’−メチルジベンゾイルメタン4.0g
(0.012モル)、1,1,1,3,5,5,5−ペ
ンタメチルジシロキサン1.94g(0.013モ
ル)、トルエン15ml、テトラメチルジビニルジシロキ
サン白金錯体トルエン溶液(白金含量4w/w%)0.0
3gを用いて、前記実施例2と同様に反応を行ない、淡
黄色油状の目的物5.0gを得た。 収率は86.8%であった。 屈折率η20 D:1.5755 IR(film):1050cm-1 λmax(エタノール)360nm(ε=36300) 分子イオンm/e484 以下、本発明にかかる皮膚外用剤の具体的な配合例につ
いて説明する。
【0028】実施例4 日焼け止化粧料(油状タイプ) (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 47.0% (2)ジメチルポリシロキサン(10cs/25℃) 12.0 (3)メチルフェニルポリシロキサン(20cs/25℃) 13.0 (4)シリコーン樹脂 5.0 (5)エスカロール507 3.0 (6)ジベンゾイルメタンシリコーン誘導体(化合物11) 20.0 <製法>(1)〜(6)を混合し、十分に溶解した後濾過して
製品とする。 <日焼け止め効果>この実施例4にかかる日焼け止化粧
料、及び化合物11のジベンゾイルメタンシリコーン誘
導体(成分(6))を全量エスカロール507に置換した
比較例(エスカロール507配合量5.0%)を用いて
日焼け止効果を試験した。
【0029】すなわち、海浜での実使用テストにおい
て、2つのサンプルをパネル10名の体半分ずつ塗布し
分け、日焼け具合のアンケート調査及び皮膚トラブルの
調査を行なった。その結果を表3に示す。
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例4の 比較例の サンプル塗布部 サンプル塗布部 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− パネルA ○ △ B ○ ○ C ○ ○ D ○ × E △ × F △ × G △ △ H ○ △ I ○ × J ○ × −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 皮膚トラブル件数 なし ひりつき3件 かゆみ 3件 発疹 1件 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 日焼けの程度の評価基準 強い日焼け症状が認められた … × 日焼け症状が認められた … △ 日焼け症状は殆ど認められなかった… ○
【0030】これらの結果よりジベンゾイルメタンシリ
コーン誘導体を配合した皮膚外用剤は、従来の紫外線吸
収剤(エスカロール507)を配合した皮膚外用剤より
紫外線防御効果が高く、皮膚トラブルのない安全性が高
いものであることが明かとされた。実施例5 日焼け止化粧料(W/Oクリーム) (1)オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.5% (2)ジメチルポリシロキサン(100cs) 5.0 (3)ジメチルポリシロキサン(2,500,000cs) 3.0 (4)流動パラフィン 5.0 (5)ポリエーテル変性シリコーン 6.0 (6)エスカロール507 5.0 (7)ジベンゾイルメタンシリコーン誘導体(化合物8) 4.0 (8)精製水 43.1 (9)L−グルタミン酸ナトリウム 3.0 (10)1,3−ブチレングリコール 5.0 (11)防腐剤 0.2 (12)香料 0.2 <製法>(1)〜(7)、(12)を混合し、加熱溶解して70℃
に保ち油相部とする。別に(8)〜(11)を加熱溶解して7
0℃に保ち、水相部とする。この油相部に水相部を添加
して、乳化機により十分に乳化する。乳化後かき混ぜな
がら冷却し、35℃以下になったら容器に流し込み、放
冷し固める。
【0031】実施例6 日焼け止化粧料(O/Wクリーム) (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 8.0% (2)流動パラフィン 3.0 (3)イソプロピルミリステート 2.0 (4)ワセリン 4.0 (5)セタノール 4.0 (6)ステアリン酸 3.0 (7)グリセリルモノイソステアレート 3.0 (8)ネオヘリオパンAV 3.0 (9)ジベンゾイルメタンシリコーン誘導体(化合物10) 1.0 (10)防腐剤 0.2 (11)香料 0.2 (12)グリセリン 10.0 (13)プロピレングリコール 5.0 (14)ヒアルロン酸 0.01 (15)水酸化カリウム 0.2 (16)精製水 53.39 <製法>(1)〜(11)を70℃で加熱攪拌して油相部とす
る。(12)〜(16)を70℃に加熱し完全溶解した後水相部
とする。油相部を水相部に添加し乳化機にて乳化する。
乳化物を熱交換器にて30℃まで冷却した後、充填して
製品を得る。
【0032】実施例7 日焼け止ローション (1)ジメチルポリシロキサン(5cs) 10.0% (2)メチルフェニルポリシロキサン(20cs) 7.0 (3)ステアリン酸 1.0 (4)エスカロール507 5.0 (5)ジベンゾイルメタンシリコーン誘導体(化合物15) 10.0 (6)防腐剤 0.2 (7)香料 0.2 (8)グリセリン 5.0 (9)モンモリロナイト 0.5 (10)水酸化カリウム 0.2 (11)精製水 60.9 <製法>(1)〜(7)を70℃で加熱攪拌して油相部とす
る。(8)〜(11)を70℃に加熱溶解し水相部とする。油
相部を水相部中に添加し、乳化機にて乳化する。乳化物
を熱交換器にて30℃まで冷却した後に容器に充填し、
日焼け止ローションを得る。
【0033】実施例8 日焼け止両用ファンデーション (1)シリコーン処理酸化チタン 9.5% (2)シリコーン処理マイカ 40.0 (3)シリコーン処理タルク 20.45 (4)シリコーン処理酸化鉄 7.5 (5)球状ナイロンパウダー 10.0 (6)トリメチロールプロパントリイソステアレート 5.0 (7)スクワラン 3.0 (8)ビースワックス 2.0 (9)ジベンゾイルメタンシリコーン誘導体(化合物19) 0.5 (10)ソルビタントリオレート 1.0 (11)防腐剤 0.5 (12)ビタミンE 0.05 (13)香料 0.5 <製法>(1)〜(5)をヘンシェルミキサーで混合し、これ
に(6)〜(13)を加熱溶解混合したものを添加混合した後
粉砕し、これを中皿に成形し日焼け止両用ファンデーシ
ョンを得た。
【0034】実施例9 日焼け止スチック化粧料 (1)酸化チタン 10.0% (2)酸化亜鉛 7.0 (3)マイカ 16.0 (4)赤色酸化鉄 1.5 (5)黄色酸化鉄 1.5 (6)黒色酸化鉄 1.0 (7)ジメチルポリシロキサン(20cs) 29.4 (8)トリメチロールプロパン−トリ−2−エチルヘキサノエート 8.0 (9)流動パラフィン 7.0 (10)マイクロクリスタリンワックス 2.0 (11)セレシン 1.0 (12)固形パラフィン 6.0 (13)エスカロール507 5.0 (14)ジベンゾイルメタンシリコーン誘導体(化合物23) 3.0 (15)香料 0.5 (16)酸化防止剤 0.1 (17)ソルビタンセスキオレート 1.0 <製法>(1)〜(6)をヘンシェルミキサーで混合し、(7)
〜(9)、(13)、(14)、(16)、(17)を加熱攪拌溶解したも
のに加え混合する。次に(10)〜(12)、(15)を溶解したも
のを上記混合物に添加し、十分混合した後スチック状に
成形する。
【0035】実施例10 日焼け止化粧下地 (1)ジメチルポリシロキサン(2cs) 19.0% (2)グリセリルトリイソステアレート 10.0 (3)アイソパーG 5.0 (4)ソルビタンセスキオレート 1.0 (5)ポリシロキサンエチレン変性オルガノポリシロキサン 3.0 (6)精製水 45.0 (7)1,3−ブチレングリコール 5.0 (8)微粒子酸化チタン 10.0 (9)パルソールMCX(GIVAUDAN社製) 1.0 (10)ジベンゾイルメタンシリコーン誘導体(化合物25) 1.0 (11)防腐剤 適 量 (12)酸化防止剤 適 量 (13)香料 適 量 <製法>(1)〜(5)、(9)、(10)、(12)、(13)を70℃で
攪拌溶解し、これにあらかじめ70℃に加熱溶解した
(6)〜(8)、(11)を添加し、乳化分散後冷却して目的の日
焼け止化粧下地を得た。
【0036】以上説明したように本発明にかかる皮膚外
用剤は、UV−A領域の紫外線を吸収し、耐水性に優れ
ており、基剤や他の配合成分を自由に選ぶことができ
る。また、日焼け止化粧料として炎天下等の苛酷な条件
下に放置した場合においても安定性に優れているという
利点を有する。また、のびがよく、さっぱり感があるべ
とつかない等の極めて優れた使用性、かつ汗や水に流れ
にくくUV−A吸収の効果が長く持続するという利点を
有している。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかるジベ
ンゾイルメタンシリコーン誘導体によれば、優れたUV
−A吸収能、及びシリコーン系基剤相溶性を有する。ま
た、それを配合した皮膚外用剤はシリコーン系基剤に対
しても配合可能で優れた使用性を発揮することができ
る。
【化14】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1で表わされる単位を少な
    くとも1個もつシロキサンであって、該シロキサン中に
    存在し得る他の単位が一般式O4-r/2SiR5 rであるこ
    とを特徴とするジベンゾイルメタンシリコーン誘導体。 【化1】 (但し、R1、R2は水酸基、炭素数1〜8のアルキル
    基、炭素数1〜8のアルコキシ基、 R3は少なくとも2個の炭素原子を有する二価のアルキ
    レン基、又はオキシアルキレン基、 R4,R5は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基又は
    トリメチルシロキシ基、 m,nは0〜3の整数、pは0又は1、q,rは0〜3
    の整数を表わす。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のジベンゾイルメタンシリ
    コーン誘導体を一種または二種以上を含むことを特徴と
    する皮膚外用剤。
JP27733991A 1990-10-01 1991-09-27 ジベンゾイルメタンシリコ−ン誘導体及びそれを配合した皮膚外用剤 Withdrawn JPH05247063A (ja)

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JP2-263295 1990-10-01

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007126426A (ja) * 2005-10-06 2007-05-24 Shiseido Co Ltd 日焼け止め化粧料
WO2012128131A1 (ja) 2011-03-23 2012-09-27 株式会社Ihi 紫外線吸収剤及びこれを用いた化粧料

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JP2007126426A (ja) * 2005-10-06 2007-05-24 Shiseido Co Ltd 日焼け止め化粧料
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