JPH0559069A - 有機ケイ素化合物及び化粧料 - Google Patents

有機ケイ素化合物及び化粧料

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JPH0559069A
JPH0559069A JP24492291A JP24492291A JPH0559069A JP H0559069 A JPH0559069 A JP H0559069A JP 24492291 A JP24492291 A JP 24492291A JP 24492291 A JP24492291 A JP 24492291A JP H0559069 A JPH0559069 A JP H0559069A
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JP
Japan
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formula
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organosilicon compound
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Application number
JP24492291A
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English (en)
Inventor
Teruki Ikeda
輝喜 池田
Koji Sakuta
晃司 作田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 シリコーンオイル等への溶解性に優れている
上、紫外線吸収効果が高く、化粧料等へ有効に配合でき
る有機ケイ素化合物を得る。 【構成】 下記一般式(1)で示される有機ケイ素化合
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコーンオイル等へ
の溶解性に優れている上、紫外線吸収効果に優れた有機
ケイ素化合物及びこれを配合した化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
紫外線による皮膚への悪影響が問題とされている。この
紫外線は、波長が400〜320nmの長波長紫外線
(UV−A波と呼ばれる)、320〜290nmの中波
長紫外線(UV−B)、290nm以下の短波長紫外線
(UV−C)とに分けられている。この中でUV−C波
はオゾン層で吸収されるため、地上に到達する紫外線と
しては、UV−A波及びUV−B波が問題となる。ここ
で、UV−B波は日焼け炎症(サンバーン)の原因とな
り、一定量以上の光量が皮膚に照射されると紅斑や水泡
を形成したり、メラニン色素の沈着を生じる等の変化を
もたらす。また、UV−A波は皮膚への浸透性が高く、
シミ、ソバカス等の増加の原因となることが知られてい
る。
【0003】一方、これらUV−A及びUV−B波の皮
膚等への到達を防止することを目的として各種の紫外線
吸収剤が提案されており、例えばベンゾフェノン類、ア
ミノ安息香酸類、ケイ皮酸エステル類、ベンゾトリアゾ
ール類、ジベンゾイルメタン類等の化合物が知られてい
る。しかし、これら紫外線吸収剤はいずれも各種油剤へ
の分散性、溶解性に乏しいため、化粧料等への配合量に
限界があり、過剰に配合すると析出してしまうなどの問
題があった。
【0004】そこで、上記欠点を改善するため、例えば
ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾフェノン骨格を有す
る化合物にアルコキシシリル基を導入し、これとクロル
シラン又はアルコキシシランとを共加水分解することに
より、かかる骨格をポリシロキサンの分子中に組み込ん
だもの(特開昭57−21391号、同57−2143
2号、同58−10591号、同58−213075
号、同61−111360号、同62−187740号
公報記載)、更にはアルコキシシリル基を含まないタイ
プのポリシロキサン誘導体(特開昭63−230681
号、特公昭52−50074号公報)などが提案されて
いる。
【0005】しかしながら、これら化合物も紫外線の吸
収波長、吸光度、安定性、皮膚への刺激性、油剤への溶
解性等の点を十分に満足し得るものとは言い難く、これ
らの特性を全て満足し得、化粧料等へ好適に配合できる
有機ケイ素化合物の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
事情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で
示される新規な有機ケイ素化合物が優れた特性を有する
ことを見い出した。
【0007】
【化2】
【0008】この場合、上記(1)式の有機ケイ素化合
物は、下記一般式(4)で示される末端に二重結合を有
するアルケニロキシ基含有のアセトフェノン化合物と下
記一般式(5)で示されるエステル類とを塩基性条件下
で縮合させることにより得られる下記一般式(6)で示
される末端に二重結合を有するアルケニロキシ基を含有
するβ−ジケトン骨格含有化合物、あるいは下記一般式
(7)で示される末端に二重結合を有するアセト酢酸エ
ステル類と下記一般式(8)で示される酸ハロゲン化物
とを塩基性条件下で反応させることにより得られる下記
一般式(9)で示される末端に二重結合を有するβ−ケ
トエステル骨格含有化合物と、下記一般式(10)で示
されるオルガノハイドロジェンシラン又は下記一般式
(11)で示されるオルガノハイドロジェンシロキサン
とを付加反応させることにより合成することができるも
のである。
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】
【0011】
【化5】
【0012】本発明の上記(1)式の有機ケイ素化合物
は、ポリシロキサン分子中にβ−ジケトン骨格を有する
有機基を導入したことにより、UV−A及びUV−B波
領域の紫外線吸収性に優れている上、化粧品用油剤等と
して使用されるエステル油、炭化水素油、シリコーン油
などへの溶解性に優れ、広範囲に配合でき、しかも加水
分解性のアルコキシ基等を含まないため安定性が良く、
かつ、皮膚刺激性が低く安全性も高いこと、それ故、紫
外線吸収剤として化粧品等へ好適に配合できることを知
見し、本発明をなすに至ったものである。
【0013】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の有機ケイ素化合物は、下記一般式(1)で示される
ものである。
【0014】
【化6】
【0015】ここで、(1)式中のR1は同種又は異種
の置換又は非置換の炭素原子数1〜30の1価のアルキ
ル基、アリール基又はアラルキル基であり、例えばメチ
ル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,
ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,デシ
ル基等のアルキル基、シクロペンチル基,シクロヘキシ
ル基等の環状アルキル基、フェニル基,トリル基等のア
リール基、ベンジル基,フェネチル基等のアラルキル基
やこれらの基の水素原子をハロゲン原子等で置換したト
リフロロプロピル基,ヘプタデカフロロデシル基,クロ
ロプロピル基,クロロフェニル基等のハロゲン化アルキ
ル基、ハロゲン化アリール基などを挙げることができ
る。これらの中では炭素原子数1〜10のアルキル基又
はフェニル基が特に好適である。
【0016】また、R2は下記一般式(2)又は(3)
で示される有機基である。
【0017】
【化7】
【0018】ここで、(2)式中のR3は置換又は非置
換の炭素原子数1〜10のアルキル基であり、例えばメ
チル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基
等が挙げられる。更に、R4は水素原子、ヒドロキシ
基、炭素数1〜10のアルキル基又はアルコキシ基であ
り、具体的には水素原子、ヒドロキシ基のほか、メチル
基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘ
キシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,デシル
基等のアルキル基、メトキシ基,エトキシ基,プロポキ
シ基等のアルコキシ基を挙げることができる。また、c
は0〜4の整数、dは0又は1、eは0〜5の整数、n
は2〜6の整数である。
【0019】このような(1)式の有機ケイ素化合物と
して具体的には、下記構造の化合物を例示することがで
きる。
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】上記(1)式の有機ケイ素化合物は、下記
一般式(4)で示される末端に二重結合を有するアルケ
ニロキシ基含有のアセトフェノン化合物と下記一般式
(5)で示されるエステル類とを塩基性条件下で縮合さ
せることにより得られる下記一般式(6)で示される末
端に二重結合を有するアルケニロキシ基を含有するβ−
ジケトン骨格含有化合物、あるいは下記一般式(7)で
示される末端に二重結合を有するアセト酢酸エステル類
と下記一般式(8)で示される酸ハロゲン化物とを塩基
性条件下で反応させることにより得られる下記一般式
(9)で示される末端に二重結合を有するβ−ケトエス
テル骨格含有化合物と、下記一般式(10)で示される
オルガノハイドロジェンシラン又は下記一般式(11)
で示されるオルガノハイドロジェンシロキサンとを付加
反応させることにより合成することができる。
【0023】
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】この場合、(4)式の化合物としては例え
ば4−アリロキシアセトフェノン,2−アリロキシアセ
トフェノン等が、また(5)式の化合物としては例えば
酢酸エチル,イソ酪酸メチル,メチルトリメチルアセテ
ート等が挙げられる。(4)式の化合物と(5)式の化
合物との反応は、両化合物をモル比で1:1〜1:2
0、好ましくは1:5〜1:10の割合で混合し、ナト
リウムメトキシド等を添加して塩基性条件下、60〜1
20℃で1〜4時間程度反応させることが好ましい。反
応終了後は、硫酸等の酸で中和後、有機溶媒抽出、水洗
等の処理を行ない、蒸留することが好ましい。
【0027】このようにして得られる上記(6)式の末
端に二重結合を有するアルケニロキシ基を含有するβ−
ジケトン骨格含有化合物として具体的には、4−(p−
アリロキシフェニル)−2,4−ブタジオン、2−メチ
ル−5−(p−アリロキシフェニル)−3,5−ペンタ
ジオン、2,2−メチル−4−(p−アリロキシフェニ
ル)−3,5−ペンタジオン等が例示される。
【0028】また、(7)式の化合物としては例えばア
セト酢酸アリル、アセト酢酸メタリル等が挙げられ、
(8)式の化合物としては例えば3,4,5−トリメト
キシ塩化ベンゾイル等が挙げられる。(7)式の化合物
と(8)式の化合物との反応は、両化合物をモル比で
1:1〜1:5の割合で混合し、水酸化ナトリウム水溶
液等を添加して塩基性条件下、10〜5℃で1〜4時間
程度反応させることが好ましい。反応終了後は塩化アン
モニウムを加え、有機層を分離、水洗することにより、
目的化合物を得ることができる。
【0029】このようにして得られる上記(9)式の末
端に二重結合を有するβ−ケトエステル骨格含有化合物
として具体的には、下記化合物等が例示される。
【0030】
【化13】
【0031】次いで、上記末端に二重結合を含有する化
合物とオルガノハイドロジェンシラン又はシロキサンと
の反応は、両化合物をモル比で1:1〜1:5、好まし
くは1:1〜1:2の割合で混合し、塩化白金酸等の付
加反応触媒の存在下、80〜140℃で1〜8時間反応
させることが好ましい。反応終了後は、通常の方法で蒸
留することにより、目的とする(1)式の有機ケイ素化
合物を得ることができる。
【0032】本発明の上記(1)式の有機ケイ素化合物
は紫外線吸収剤として化粧料に配合することができる。
ここで、化粧料の剤型は特に制限されず、例えば油性又
は固形ファンデーション、日焼け止めクリーム又は乳
液、ヘアクリーム、口紅、アイシャドー、マスカラ等の
種々の剤型に適用可能である。
【0033】また、(1)式の有機ケイ素化合物の配合
量は、化粧料全体の0.1〜30重量%、特に1〜10
重量%とすることが望ましく、0.1重量%未満では満
足な紫外線防止効果が得られない場合があり、30重量
%を超えると化粧料の処方組みが困難になる場合があ
る。
【0034】本発明の化粧料には、(1)式の有機ケイ
素化合物以外に剤型に応じてその他の任意成分を配合す
ることができる。任意成分としては、ファンデーション
の場合は例えばカオリン、酸化チタン、マイカ、セリナ
イト、タルク、着色顔料、各種シリコーン油、界面活性
剤、防腐剤等が挙げられる。
【0035】
【発明の効果】本発明の(1)式の有機ケイ素化合物
は、UV−A及びUV−B波紫外線の吸収性に優れてい
る上、化粧料用油剤への溶解性に優れ、しかも安定性及
び安全性が高く、特に紫外線吸収剤として化粧料に好適
に配合することができる。また、本発明の(1)式の有
機ケイ素化合物を配合した化粧料は、優れた紫外線吸収
性を有するもので、使用者のニーズを十分満足できるも
のである。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。
【0037】[実施例1]反応器中に4−アリロキシア
セトフェノン(88g)と酢酸エチル(352g)を仕
込み、内温を70℃に加熱した。ここに、28%−ナト
リウムメトキシドのメタノール溶液(116g)を滴下
して反応させ、更に2時間還流させた。室温まで冷却し
て水(200ml)を加え、氷冷下10%硫酸320g
を滴下した。トルエン200mlを加え、有機層を分離
し、水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順で洗浄
した。減圧下で蒸留し(1mmHg,138〜141
℃)、4−(p−アリロキシフェニル)−2,4−ブタ
ンジオン60gを得た。
【0038】次に、この4−(p−アリロキシフェニ
ル)−2,4−ブタンジオン(22g)と下記式(A)
で示されるオルガノハイドロジェンシロキサン(37
g)とトルエン30gを反応器に仕込み、塩化白金酸
0.5重量%のトルエン溶液(0.02g)を加え、2
時間還流させた。
【0039】
【化14】
【0040】還流終了後、減圧下で蒸留することにより
(1mmHg,190〜205℃)、目的物である下記
式で示される有機ケイ素化合物を得た。なお、外観は黄
色透明の液状であり、25℃における粘度が32csで
あった。図1に紫外線吸収スペクトル、また、図2に赤
外線吸収スペクトルを示した。
【0041】
【化15】
【0042】[実施例2]実施例1で得られた4−(p
−アリロキシフェニル)−2,4−ブタンジオン(65
g)、下記式(B)で示されるオルガノハイドロジェン
シロキサン(80g)とトルエン(100g)を反応器
に仕込み、塩化白金酸0.5重量%のトルエン溶液
(0.1g)を加え、2時間還流させた。
【0043】
【化16】
【0044】還流終了後、減圧下で蒸留することにより
(1mmHg,190〜194℃)、目的物である下記
式で示される有機ケイ素化合物57gを得た。図3に紫
外線吸収スペクトル、また、図4に赤外線吸収スペクト
ルを示した。
【0045】
【化17】
【0046】[実施例3]反応器中に4−アリロキシア
セトフェノン(70g)とイソ酪酸メチル(326g)
を仕込み、内温を85℃に加熱した。ここで、28%−
ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(93g)を徐
々に滴下した。この際、メタノールを留去しながら行な
った。滴下終了後、さらに1時間撹拌し室温まで放冷し
た。水(200ml)を加え、氷冷下10%硫酸265
gを滴下した。トルエン(200ml)を加えて有機層
を分離し、水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順
で洗浄した。減圧下で溶媒及び未反応のイソ酪酸メチル
等を除去したところ、赤褐色液状の2−メチル−5−
(p−アリロキシフェニル)−3,5−ペンタンジオン
68gが得られた。
【0047】次に、この2−メチル−5−(p−アリロ
キシフェニル)3,5−ペンタンジオン(68g)と上
記(B)式のオルガノハイドロジェンシロキサン(73
g)とトルエン80gを反応器に仕込み、塩化白金酸
0.5重量%のトルエン溶液(0.07g)を加え、6
時間還流させた。減圧下で蒸留することにより(1.5
mmHg,190〜196℃)、目的物である下記式で
示される有機ケイ素化合物47gを得た。図5に紫外線
吸収スペクトル、また図6に赤外線吸収スペクトルを示
した。
【0048】
【化18】
【0049】[実施例4]実施例3と同様にして合成し
た2−メチル−5−(p−アリロキシフェニル)−3,
5−ペンタンジオン(19g)と上記(A)式のオルガ
ノハイドロジェンシロキサン(33g)とトルエン(4
0g)を反応器に仕込み、塩化白金酸0.5重量%のト
ルエン溶液(0.02g)を加え、4時間還流させた。
減圧下で蒸留することにより(1mmHg,200〜2
08℃)、目的物である下記式で示される有機ケイ素化
合物18gを得た。図7に紫外線吸収スペクトル、また
図8に赤外線吸収スペクトルを示した。
【0050】
【化19】
【0051】[実施例5]反応器中に4−アリロキシア
セトフェノン(11g)とメチルトリメチルアセテート
(56g)を仕込み、内温を100℃に加熱した。これ
に28%−ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(1
5g)を徐々に滴下した。この際、メタノールを留去し
ながら行なった。滴下終了後、さらに1時間撹拌し、室
温まで放冷した。水(50ml)を加え、氷冷下10%
硫酸(41g)を滴下した。トルエン(100ml)を
加えて有機層を分離し、水、5%炭酸水素ナトリウム水
溶液、水の順で洗浄した。減圧下で溶媒及び未反応のメ
チルトリメチルアセテート等を除去し、赤褐色液状の
2,2−メチル−4−(p−アリロキシフェニル)−
3,5−ペンタンジオン13gを得た。
【0052】次に、この2,2−メチル−4−(p−ア
リロキシフェニル)−3,5−ペンタンジオン(13
g)と上記(B)式のオルガノハイドロジェンシロキサ
ン(22g)とトルエン(30g)を反応器に仕込み、
塩化白金酸0.5重量%のトルエン溶液(0.01g)
を加え、3時間還流させた。減圧下で蒸留することによ
り(1mmHg,200〜220℃)、目的物である下
記式で示される有機ケイ素化合物4gを得た。図9に紫
外線吸収スペクトル、また、図10に赤外線吸収スペク
トルを示した。
【0053】
【化20】
【0054】[実施例6]反応器にアセト酢酸アリル
(57g)と水(133g)とトルエン(55g)を仕
込み、内温を5℃以下に保ちながら33%水酸化ナトリ
ウム水溶液(17ml)を滴下した。更に、内温を10
℃以下に保ちながら33%水酸化ナトリウム水溶液(7
2ml)と3,4,5−トリメトキシ塩化ベンゾイル
(101g)の25%トルエン溶液を同時滴下した。滴
下終了後、35℃で2時間反応させた。水層を分離し、
塩化アンモニウム39gを加え、一夜撹拌した後、有機
層を分離し、水洗した。減圧下で溶媒を除去し、下記式
で示される有機化合物37gを得た。
【0055】
【化21】
【0056】次に、この有機化合物(29g)と上記
(B)式のオルガノハイドロジェンシロキサン(33
g)とトルエン100gを反応器に仕込み、塩化白金酸
0.5重量%のトルエン溶液(0.05g)を加え、5
時間還流させた。減圧下150℃で1時間加熱して、溶
媒及び未反応のオルガノハイドロジェンシロキサンを除
去し、目的物である下記式で示される有機ケイ素化合物
20gを得た。図11に紫外線吸収スペクトル、また図
12に赤外線吸収スペクトルを示した。
【0057】
【化22】
【0058】上記実施例1〜6で得られた有機ケイ素化
合物を表1に示す化粧品用として用いられる各種油剤へ
室温下で各々10重量%溶解させ、その溶解性を下記基
準で評価した。結果を表1に併記する。 ○:均一溶解 △:白濁 ×:分離
【0059】
【表1】 1)25℃における粘度6cs 2)25℃における粘度100cs 3)信越化学工業株式会社KF−56
【0060】表1の結果より、本発明に係る有機ケイ素
化合物はシリコーン油、エステル油、炭化水素油等への
溶解性に優れていることが確認された。
【0061】次に、上記実施例で得られた有機ケイ素化
合物を配合した化粧品の処方例を示す。
【0062】[処方例1]油性ファンデーション (A)成分 カオリン 20.0重量% 酸化チタン 12.0重量% セリナイト 8.0重量% 着色顔料 適量 (B)成分 カルナウバワックス 4.0重量% ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度50cs) 5.0重量% 実施例1で得られた有機ケイ素化合物 8.0重量% オクタメチルシクロテトラシロキサン 42.0重量% ソルビタンセスキオレート 1.0重量% (C) 成分 香料 適量 上記(B)成分を70℃にて撹拌し、溶解して均一化し
た後、(A)成分を加えて撹拌分散し冷却した。得られ
た混合物を三本ロールミルで3回混練りし、更に(C)
成分を加えて油性ファンデーションを得た。得られた油
性ファンデーションは、紫外線吸収性及び耐水性に優れ
ると共に、伸展性に富むさっぱりとした使用感を持つも
のであった。
【0063】[処方例2]固形ファンデーション (A)成分 酸化チタン 20.0重量% マイカ 36.0重量% セリナイト 10.0重量% タルク 10.0重量% 着色顔料 適量 (B)成分 ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度50cs) 12.5重量% 実施例2で得られた有機ケイ素化合物 10.0重量% 親油性モノオレイン酸グリセリン 1.5重量% パラオキシ安息香酸メチル 適量 香料 適量 上記(A)成分を2本ロールミルで粉砕した後、更に均
一溶解した(B)成分を添加して撹拌混合した。得られ
た混合物を3本ロールミルを用いて3回混練りを行な
い、固形ファンデーションを得た。得られた固形ファン
デーションは、紫外線吸収性及び耐水性に優れる上、さ
っぱりとした使用感を持つものであった。
【0064】[処方例3]日焼け止めクリーム (A)成分 オクタメチルシクロテトラシロキサン 40.0重量% 実施例3で得られた有機ケイ素化合物 20.0重量% トリメチルシロキシポリシリケート 25.0重量% 流動パラフィン 10.0重量% カルナウバワックス 5.0重量% (B)成分 香料 適量 上記(A)成分を80℃にて撹拌し、均一溶解させて放
冷した後、(B)成分を添加して日焼け止めクリームを
得た。得られた日焼け止めクリームは、紫外線吸収性及
び耐水性に優れる上、さっぱりとした使用感を持つもの
であった。
【0065】[処方例4]日焼け止め乳液 (A)成分 デカメチルシクロペンタシロキサン 7.0重量% 実施例4で得られた有機ケイ素化合物 3.0重量% ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度350cs) 2.0重量% ステアリン酸 2.0重量% 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1.0重量% セタノール 1.0重量% (B)成分 精製水 72.5重量% トリエタノールアミン 1.0重量% プロピレングリコール 3.0重量% 酸化チタン 5.0重量% ベントナイト 0.5重量% パラオキシ安息香酸メチル 適量 (C)成分 香料 適量 上記(A)成分を80℃にて撹拌溶解した後、更に、
(B)成分を80℃にて撹拌して得られた均一分散液を
撹拌しながら徐々に投入して放冷した後、(C)成分を
添加混合して日焼け止め乳液を得た。得られた日焼け止
め乳液はさっぱりとした使用感を持つものであった。
【0066】[処方例5]ヘアクリーム (A)成分 メチルフェニルポリシロキサン(25℃における粘度20cs)17.0重量% 実施例5で得られたケイ素化合物 3.0重量% 椿油 10.0重量% サラシミツロウ 5.0重量% 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 3.0重量% モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO) 3.0重量% 還元ラノリン 1.5重量% マイクロクリスタリンワックス 2.0重量% パラオキシ安息香酸メチル 適量 (B)成分 精製水 51.0重量% ホウ砂 0.5重量% グリセリン 3.0重量% カルボキシビニルモノマ− 0.2重量% (C)成分 香料 適量 上記(A)成分を80℃にて撹拌溶解した後、更に撹拌
しながら、80℃で加熱溶解した(B)成分を添加混合
して60℃に冷却した。得られた溶液に、更に(C)成
分を添加混合した後30℃に冷却してヘアクリームを得
た。得られたヘアクリームは、紫外線吸収性に優れる
上、さっぱりとした使用感を持つものであった。
【0067】[処方例6]ステイック型口紅 (A)成分 メチルフェニルポリシロキサン(25℃における粘度20cs)46.5重量% 実施例6で得られた有機ケイ素化合物 10.0重量% 還元ラノリン 20.0重量% カウナウバワックス 4.5重量% キャンデリラワックス 9.0重量% セレシンワックス 2.5重量% サラシミツロウ 1.5重量% カカオ脂 4.0重量% ショ糖脂肪酸エステル 2.0重量% 酸化防止剤 適量 (B)成分 アラントイン 適量 赤色3号アルミニウムレーキ 適量 (C)成分 香料 適量 上記(A)成分を85℃で撹拌溶解した後、一部を採取
し(B)成分を添加混合して3本ロールミルにて3回混
練りを行ない、カラーペーストを得た。
【0068】(A)成分の残部に、上記カラーペースト
を添加混合した後、ディスパーミキサーにより均一分散
し、次いで(C)成分を添加した後、型入れを行ない、
急冷してスティック型口紅を得た。得られたスティック
型口紅は、紫外線吸収性及び耐水性に優れる上、艶のあ
るさっぱりとした使用感を持つものであった。
【0069】[処方例7]アイシャドー (A)成分 パール剤 10.0重量% 青色群青 5.0重量% (B)成分 ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度20cs) 28.0重量% オクタメチルシクロテトラシロキサン 42.0重量% 実施例2で得られた有機ケイ素化合物 5.0重量% 還元ラノリン 5.0重量% マイクロクリスタリンワックス 5.0重量% (C)成分 香料 適量 上記(B)成分を80℃にて撹拌溶解した後、撹拌しな
がら(A)成分を添加分散させた。放冷した後、(C)
成分を加えて得られた混合物を3本ロールミルにて3回
混練りを行ない、クリーム状のアイシャドーを得た。得
られたアイシャドーは、紫外線吸収性及び耐水性に優れ
る上、さっぱりとした使用感を持つものであった。
【0070】[処方例8]マスカラ (A)成分 イソパラフィン 20.0重量% オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.0重量% 実施例3で得られた有機ケイ素化合物 7.0重量% ステアリン酸アルミニウム 1.0重量% (B)成分 ベントナイト 15.0重量% メチルフェニルポリシロキサン 7.0重量% (25℃における粘度20cs) キャンデリラワックス 10.0重量% 水素添加モリブデン 5.0重量% パラオキシ安息香酸メチル 適量 (C)成分 カオリン 5.0重量% 黒酸化鉄 5.0重量% 上記(A)成分を80℃で撹拌してゲル状溶液とした
後、更に撹拌しながら80℃で撹拌均一分散した(B)
成分を添加して均一分散させ、冷却した後(C)成分を
添加混合した。更に3本ロールミルで3回混練りを行な
いマスカラを得た。得られたマスカラは、紫外線吸収性
及び耐水性に優れる上、さっぱりと使用感を持つもので
あった。
【0071】以上の処方例から、本発明の有機ケイ素化
合物が化粧品の配合剤として極めて優れていることが実
証された。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた有機ケイ素化合物の紫外線
吸収スペクトルである。
【図2】実施例1で得られた有機ケイ素化合物の赤外線
吸収スペクトルである。
【図3】実施例2で得られた有機ケイ素化合物の紫外線
吸収スペクトルである。
【図4】実施例2で得られた有機ケイ素化合物の赤外線
吸収スペクトルである。
【図5】実施例3で得られた有機ケイ素化合物の紫外線
吸収スペクトルである。
【図6】実施例3で得られた有機ケイ素化合物の赤外線
吸収スペクトルである。
【図7】実施例4で得られた有機ケイ素化合物の紫外線
吸収スペクトルである。
【図8】実施例4で得られた有機ケイ素化合物の赤外線
吸収スペクトルである。
【図9】実施例5で得られた有機ケイ素化合物の紫外線
吸収スペクトルである。
【図10】実施例5で得られた有機ケイ素化合物の赤外
線吸収スペクトルである。
【図11】実施例6で得られた有機ケイ素化合物の紫外
線吸収スペクトルである。
【図12】実施例6で得られた有機ケイ素化合物の赤外
線吸収スペクトルである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される有機ケイ素
    化合物。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の有機ケイ素化合物を配
    合してなる化粧料。
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WO2007040171A1 (ja) * 2005-10-05 2007-04-12 Shiseido Company, Ltd. 日焼け止め化粧料

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