JPH06228167A - 有機シリコーン誘導体およびそれを含む皮膚外用剤 - Google Patents

有機シリコーン誘導体およびそれを含む皮膚外用剤

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JPH06228167A
JPH06228167A JP3267193A JP3267193A JPH06228167A JP H06228167 A JPH06228167 A JP H06228167A JP 3267193 A JP3267193 A JP 3267193A JP 3267193 A JP3267193 A JP 3267193A JP H06228167 A JPH06228167 A JP H06228167A
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JP
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skin
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JP3267193A
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Tomomi Okazaki
具視 岡崎
Mikiko Katou
三紀子 加藤
Yasushi Matsushita
裕史 松下
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式化1及び2で表わされる部分構造
式を有し、Aと、BまたはB’で結合してなる有機シリ
コーン誘導体およびそれを含む皮膚外用剤。 【化1】 【化2】 (但し、Rは炭素数1〜4の低級アルコキシ基又は炭素
数1〜4のジアルキルアミノ基を表わし、Rがアルコキ
シ基の時、mは1〜3、nは1、ジアルキルアミノ基の
時はmは1でnは0である。rは0〜3、sは0又は1
を表わす。A、B、B’は部分構造式間の結合位置を示
し、AとBにより結合している場合にはB’はメチル基
を、AとB’により結合している場合にはBはメチル基
を示し、AがB、B’に同時に結合する事はない) 【効果】 優れたUV−B吸収能、及びシリコーン系基
剤相溶性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコーン油に溶解
し、耐水および耐油性に優れ、かつUV−B領域の波長
の紫外線吸収特性を有する新規な有機シリコーン誘導体
を配合することを特徴とし、日焼け止め効果、優れた使
用性、化粧持ちを高める効果を有する新規な皮膚外用剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光線に含まれる紫外線は、皮膚科学
的には320〜400nmの長波長紫外線(UV−
B)、290〜320nmの中波長紫外線(UV−
B)、290nm以下の短波長紫外線(UV−C)に分
類される。このうち290nm以下の紫外線はオゾン層
によって吸収され、地表に到達しない。地表に届く紫外
線は、人間の皮膚に様々な影響を及ぼす。特にUV−B
は皮膚の紅斑や水泡を形成し、メラニン形成も促進し色
素沈着を生ずる等の変化をもたらす。従ってUV−Bか
ら皮膚を保護することは皮膚の老化促進を予防しシミ、
ソバカスの発生憎悪を防ぐ意味において極めて重要であ
り、これまで種々のUV−B吸収剤が開発されてきた。
【0003】既存のUV−B吸収剤としては、PABA
誘導体、桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、カンファー
誘導体、ウロカニン酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体な
どが知られている。一方、紫外線吸収剤の配合されるサ
ンケア化粧品は暑い夏に使用されるために、汗、あるい
は水浴によって容易に流れ落ちてしまうためその効果が
持続しないという欠点を有していた。そのため、近年で
は外用剤基剤としてシリコーン系基剤が広く使用されて
いる。これはシリコーン系基剤の持つ耐水性の他に、伸
びの良さ、さっぱり感、べとつかない等の使用性の利点
によるところも大きい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記既存の
UV−B吸収剤は、シリコーン系基剤に対する相溶性が
著しく低いために、シリコーン系基剤の有用性が十分に
発揮できず、また前記UV−B吸収剤は耐水性にも劣る
という欠点があった。本発明はこのような課題に鑑みな
されたものであり、その目的はシリコーン基剤に溶解す
るとともに、それ自身撥水性に富み、容易に水、汗によ
り流れ落ちる事なく、またUV−B領域の紫外線から皮
膚を保護する物質及びそれを配合した皮膚外用剤を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明者らが鋭意検討した結果、下記一般式化3、化
4で表わされる部分構造式を有する有機シリコーン誘導
体がこの目的を達成することを見出し、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本出願の請求項1記載の有機シ
リコーン誘導体は、一般式化3、化4で表わされる部分
構造式を有し、Aと、BまたはB’で結合してなる有機
シリコーン誘導体である。
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】(但しRは炭素数1〜4の低級アルコキシ
基又は炭素数1〜4のジアルキルアミノ基を表わし、R
がアルコキシ基の時mは1〜3nは1ジアルキルアミノ
基の時mは1でありnは0である。rは0〜3、sは0
又は1を表わす。A、B、B’は部分構造式間の結合位
置を示し、AとBにより結合している場合にはB’はメ
チル基を、AとBにより結合している場合にはB’はメ
チル基を示し、AがB、B’に同時に結合する事はな
い)
【0009】請求項2記載の皮膚外用剤は上記シリコー
ン誘導体の一種または二種以上を含むことを特徴とする
皮膚外用剤である。以下本発明をさらに詳細に説明す
る。
【0010】前記一般式化3中、Rは炭素数1〜4の低
級アルコキシ基または炭素数1〜4のジアルキルアミノ
基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキ
シ基の様なアルコキシ基、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブ
チルアミノ基などが挙げられる。本発明の有機シリコー
ン誘導体は、例えば下記反応式化5又は反応式化6によ
り容易に合成する事ができる。
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】本発明の有機シリコーン誘導体はいずれも
同様の反応により合成することが可能である。前記反応
式化5において、化合物(II)はグリセロールα、α’
−ジアリルエーテルに反応式化6の化合物(IV)をヒド
ロシリル化反応により付加する事により容易に製造する
ことができる。化合物(III )と(IV)との反応も同様
のヒドロシリル化反応であり製造は容易である。このヒ
ドロシリル化反応は、通常の触媒、例えば炭素に担持さ
れた白金、塩化白金酸、アセチルアセトン白金錯体、ロ
ジウム化合物及び白金化合物の錯体で反応が進行され
る。この反応は大気圧下、溶媒例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、テトラ
クロルエチレン等を用いて、50℃ないし溶媒の沸点以
下でSiH基のなくなるまで反応を継続すると、目的と
する化合物が得られる。
【0014】また反応式化5の化合物(I)はカルボン
酸を無水溶媒中チオニルクロライドを用いて反応させる
一般的合成方法により得る事は容易である。さらに、反
応式化6の化合物(III)も、酸クロライドとグリセロー
ルα、α’−ジアリルエーテルとの塩基性触媒による一
般的エステル化反応により得る事ができる。本発明の有
機シリコーン誘導体は室温液体で、撥水性が高く耐水性
に優れており、また非極性油例えば流動パラフィン、ス
クワラン、シリコーン油等との相溶性も良く安全性の高
いUV−B吸収剤として用いることができる。
【0015】本発明にかかる皮膚外用剤の基剤は本発明
有機シリコーン誘導体が溶解するものであればいずれで
もよいが、特に非極性油例えば流動パラフィン、スクワ
ラン、シリコーン油などの基剤を用いると、のびの良
さ、さっぱり感、べとつかない等の使用感に優れ、しか
も高度の耐水性および汗や水に流れにくい等の機能を得
る事ができる。
【0016】本発明にかかる皮膚外用剤にシリコーン基
剤を用いる場合、そのシリコーン系基剤は特に限定され
ないが、例えばジメチルポリシロキサン、メチルポリシ
ロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどの
鎖状ポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデ
カメチルポリシロキサン、テトラメチルハイドロジェン
ポリシロキサンなどの環状ポリシロキサン、ポリエーテ
ル、脂肪酸変性ポリシロキサン、高級アルコール変性ポ
リシロキサン、アミノ変性ポリシロキサンなどが用い得
る。
【0017】なお、本発明の皮膚外用剤には、通常化粧
料などに用いられる他の成分、例えば油分、粉末、酸化
防止剤、界面活性剤、防腐剤、金属封鎖剤、香料、水、
アルコール、増粘剤などを必要に応じて適宜配合するこ
とができる。また、本発明の皮膚外用剤の剤形は任意で
あり、パウダー状、クリーム状、ペースト状、スチック
状、液状、スプレー状、ファンデーションなどいずれで
もよく、乳化剤を用いて乳化してもよい。
【0018】本発明の有機シリコーン誘導体は、単独で
用いても十分に効果を発揮するが、必要に応じて他のU
V−B吸収剤、例えばP−ジメチルアミノ安息香酸2−
エチルヘキシルエステルの様なP−アミノ安息香酸誘導
体、P−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステルの
ようなP−メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、
ウロカニン酸誘導体、あるいはUV−A吸収剤、例えば
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベ
ンゾフェノン誘導体、4−t−ブチル−4’−メトキシ
ジベンゾイルメタンなどのジベンゾイルメタン誘導体な
ど、また二酸化チタン、酸化亜鉛などの無機顔料と併用
する事も可能である。また、本発明における化合物の配
合量は、前記の剤形によって、またどの程度の紫外線保
護作用を要求するかによっても異なるが、一般には0.1
〜20重量%、好ましくは0.5 〜10重量%である。以下、
実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本
発明はこれにより限定されるものではない。
【0019】
【実施例】
【0020】実施例1、一般式化7の製造
【0021】
【化7】
【0022】グリセロールα、α’−ジアリールエーテ
ル15gをトルエン50mlに溶かし、ヘキサクロロ白
金(IV)酸六水和物1mgを添加し、90°〜100℃
で攪拌しながら1、1、1、3、3−ペンタメチルジシ
ロキサン12.9gを滴下した。更に同温度で7時間反応を
継続した後、温度を80°〜90℃に下げ、活性炭1g
を添加して15分攪拌した。活性炭を除去し、トルエン
を減圧留去した後、残渣を減圧蒸留してシロキサン付加
物を11g得た(bp.160°〜163℃/2mmH
g)。この付加物9.6g、P−メトキシ桂皮酸クロラ
イド5.2g、ベンゼン30mlの溶液にピリジン10
mlを攪拌下に滴下し、60℃で2時間加熱した。反応
終了後、氷水200mlに注入してジエチルエーテルで
抽出した。エーテル溶液を2N−塩酸、続いて5%炭酸
水素ナトリウム水溶液で洗浄したのち無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。乾燥剤を除去し減圧下に溶媒留去した残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%酢酸
エチル−ヘキサン混液で溶出)で分離精製して、目的の
化合物8.4gを無色液体として得た。
【0023】粘度(25℃) 101.6cs λma
x 310nm(ε=27000) マススペクトルM+ m/e 628 図1に10ppm の濃度(溶媒エタノール)におけるUV
スペクトルを示した。
【0024】実施例2、一般式化8の製造
【0025】
【化8】
【0026】グリセロールα,α’−ジアルキルエーテ
ル17.2g、1、1、1、3、5、5、5−ヘプタメチル
トリシロキサン44g、テトラメチルジビニルジシロキ
サン白金錯体トルエン溶液(白金含量4w/w%含有)
0.1g、トルエン50mlを用いて実施例1と同様に
反応を行った。減圧蒸留により精製して付加物25gを
得た(bp172〜178℃/2mmHg)。この付加
物25g、P−メトキシ桂皮酸クロイド11gを無水ベ
ンゼン50mlに溶かし、ピリジン50mlを攪拌下に
滴下した後80℃で3時間加熱した。この溶液にジエチ
ルエーテル300mlを加え、2N−塩酸、続いて3%
炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(5%酢酸エチル−ヘキサン混
液で溶出)で分離精製して、目的の化合物20gを無色
液体として得た。
【0027】粘度(25℃) 119.3cs λma
x 310nm(ε=27100) マススペクトル M+ m/e 776 図2に10ppm 濃度(溶媒エタノール)におけるUVス
ペクトルを示した。
【0028】実施例3 一般式化9の製造
【0029】
【化9】
【0030】実施例2と同様にして得たグリセロール
α,α’−ジアリルエーテルシロキサン付加物6.7
g、ジメチルアミノ安息香酸クロライド6.7gをベン
ゼン20mlに溶かし、ピリジン10mlを攪拌下に滴
下した後60℃で2時間加熱した。反応終了後、減圧下
に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(10%酢酸エチル−ヘキサン混液で溶出)で分
離精製して無色液体の目的化合物5.5gを得た。
【0031】粘度(25℃)80.9cs λmax
310nm(ε=30500) マススペクトル M+ m/e 763 図3に10ppm 濃度(溶媒エタノール)におけるUVス
ペクトルを示した。
【0032】<本発明の有機シリコーン誘導体の性状> (溶解性)本発明に用いる有機シリコーン誘導体の例と
して下記化合物化7〜化9、及び比較化合物として4−
メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル(比較化合
物化10)、P−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘ
キシルエステル(比較化合物化11)の溶解性をシリコ
ーン系基剤であるジメチルポリシロキサン(100c
s,300cs)で試験した。
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】各化合物の室温(25℃)での溶解度(W
/W)を表1に示した。25℃で完全に透明に溶解する
ものについて○印で示した。
【0039】
【表1】 ───────────────────────────────── ジメチルポリシロキサン ───────────────── 100cs(50%) 300cs(20%) ───────────────────────────────── 化 合 物 化7 無色液状 ○ ○ 化 合 物 化8 無色液状 ○ ○ 化 合 物 化9 無色液状 ○ ○ 比較化合物 化10 無色液状 白濁 白濁 比較化合物 化11 無色液状 白濁 白濁 ───────────────────────────────── 以上の結果、本発明にかかる化合物はいずれも優れたシ
リコーン油溶解性を有することが理解される。
【0040】(撥水性)撥水性の評価として、本発明の
有機シリコーン誘導体化7〜化9及び比較化合物化1
0、化11の薄膜上でのイオン交換水との接触角を測定
した。3cm×6cmの 硬質塩化ビニル板上に、本発
明化合物化7〜化9並びに比較化合物化10、化11を
一定量塗布し均一な薄膜を形成した後、イオン交換水を
一滴滴下して、膜上に形成される水滴との接触角を25
℃においてFACE自動接解角計(CA−Z型、協和界
面科学社製)を用いて測定した。測定は5回行い、その
平均値を表2に示した。なお接触角が大きいほどその撥
水性は大きく、従って、耐水性も大きいと言える。
【0041】
【表2】 ───────────────────────────────── 接 触 角(θ) ───────────────────────────────── 化合物 化7 92.2° 化合物 化8 93.0° 化合物 化9 92.9° 比較化合物 化10 77.0° 比較化合物 化11 68.3° ─────────────────────────────────
【0042】以上の結果、本発明の化合物はいずれも現
在使用されている紫外線吸収剤である比較化合物化1
0、化11より格段に大きな接触角を有している事が理
解される。外用剤として利用する場合、汗、水浴などに
より容易に流れ落ちる事は効果の持続の点から大きな問
題であり、この点で本発明の化合物は非常に優れている
と言える。
【0043】 実施例4 日焼け止化粧料(油状タイプ) (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 47.0% (2)ジメチルポリシロキサン(10cs/25℃) 20.0 (3)メチルフェニルポリシロキサン(20cs/25℃) 18.0 (4)シリコーン樹脂 10.0 (5)本発明化合物 化8 5.0 <製法>(1)〜(5)を混合し、十分に溶解した後濾
過して製品とする。 <日焼け止め効果>この実施例4にかかる日焼け止化粧
料及び化合物化8(成分(5))を全量P−ジメチルア
ミノ安息香酸2−エチルヘキシルエステルに置換した比
較例を用いて日焼け止効果を試験した。すなわち、海浜
での実使用テストにおいて、2つのサンプルをパネル1
0名の体半分ずつ塗布し分け、日焼け具合のアンケート
調査及び皮膚トラブルの調査を行った。その結果を表3
に示す。
【0044】
【表3】 ───────────────────────────────── 実施例4の 比較例の サンプル塗布部 サンプル塗布部 ───────────────────────────────── パネルA ○ × B ○ △ C ○ × D ○ △ E ○ △ F ○ △ G △ ○ H △ △ I ○ × J ○ △ ──────────────────────────────── 皮膚トラブル件数 なし ひりつき2件 かゆみ 5件 発 疹 1件 ────────────────────────────────
【0045】日焼けの程度の評価基準 強い日焼け症状が認められた ... × 日焼け症状が認められた ... △ 日焼け症状は殆ど認められなかった ... ○
【0046】これらの結果より本発明有機シリコーン誘
導体を配合した皮膚外用剤は、従来の紫外線吸収剤(P
−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルエステ
ル)を配合した皮膚外用剤より紫外線防御効果が高く、
皮膚トラブルのない安全性が高いものであることが明ら
かとされた。
【0047】 実施例5 日焼け止化粧料(W/Oクリーム) (1)オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.5% (2)ジメチルポリシロキサン(100cs) 5.0 (3)ジメチルポリシロキサン(2,500,000cs) 3.0 (4)流動パラフィン 5.0 (5)ポリエーテル変性シリコーン 6.0 (6)本発明化合物 化9 9.0 (7)精製水 43.1 (8)L−グルタミン酸ナトリウム 3.0 (9)1,3−ブチレングリコール 5.0 (10)防腐剤 0.2 (11)香 料 0.2 <製法>(1)〜(6)、(11)を混合し、加熱溶解
して70℃に保ち油相部とする。別に(7)〜(10)を
加熱溶解して70℃に保ち、水相部とする。この油相部
に水相部を添加して、乳化機により十分に乳化する。乳
化後かき混ぜながら冷却し、35℃以下になったら容器
に流し込み、放冷し固める。
【0048】 実施例6 日焼け止化粧料(O/Wクリーム) (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 8.0% (2)流動パラフィン 3.0 (3)イソプロピルミリステート 2.0 (4)ワセリン 4.0 (5)セタノール 4.0 (6)ステアリン酸 3.0 (7)グリセリルモノイソステアレート 3.0 (8)本発明化合物 化9 3.0 (9)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 1.0 (10) 防腐剤 0.2 (11)香 料 0.2 (12)グリセリン 10.0 (13)プロピレングリコール 5.0 (14)ヒアルロン酸ナトリウム 0.01 (15)水酸化カリウム 0.2 (16)精製水 53.39 <製法>(1)〜(11)を70℃で加熱攪拌して油相部
とする。(12)〜(16)を70℃に加熱完全溶解した後
水相部とする。油相部を水相部に添加し乳化機にて乳化
する。乳化物を熱交換器にて30℃まで冷却した後、充
填して製品を得る。
【0049】 実施例7 日焼け止ローション (1)ジメチルポリシロキサン(5cs) 10.0% (2)メチルフェニルポリシロキサン(20cs) 7.0 (3)ステアリン酸 1.0 (4)本発明化合物 化7 10.0 (5)4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 5.0 (6)防腐剤 0.2 (7)香 料 0.2 (8)グリセリン 5.0 (9)モンモリロナイト 0.5 (10)水酸化カリウム 0.2 (11)精製水 60.9 <製法>(1)〜(7)を70℃で加熱攪拌して油相部
とする。(8)〜(11)を70℃に加熱溶解し水相部と
する。油相部を水相部中に添加し、乳化機にて乳化す
る。乳化物を熱交換器にて30℃まで冷却した後に容器
に充填し、日焼け止ローションを得る。
【0050】 実施例8 日焼け止両用ファンデーション (1)シリコーン処理酸化チタン 9.5% (2)シリコーン処理マイカ 40.0 (3)シリコーン処理タルク 20.45 (4)シリコーン処理酸化鉄 7.5 (5)球状ナイロンパウダー 10.0 (6)トリメチロールプロパントリイソステアレート 5.0 (7)スクワラン 3.0 (8)ビーワックス 2.0 (9)本発明化合物 化9 0.5 (10)ソルビタントリオレート 1.0 (11)防腐剤 0.5 (12)ビタミンE 0.05 (13)香 料 0.5 <製法>(1)〜(5)をヘンシェルミキサーで混合
し、これに(6)〜(13)を加熱溶解混合したものを添
加混合した後粉砕し、これを中皿に成形し日焼け止両用
ファンデーションを得た。
【0051】 実施例9 日焼け止スチック化粧料 (1)酸化チタン 10.0% (2)酸化亜鉛 7.0 (3)マイカ 16.0 (4)赤色酸化鉄 1.5 (5)黄色酸化鉄 1.5 (6)黒色酸化鉄 1.0 (7)ジメチルポリシロキサン(20cs) 29.4 (8)トリメチロールプロパン−トリ−2−エチルヘキサノエート 8.0 (9)流動パラフィン 7.0 (10)マイクロクリスタリンワックス 2.0 (11)セレシン 1.0 (12)固形パラフィン 6.0 (13)本発明化合物 化8 5.0 (14)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 3.0 (15)香 料 0.5 (16)酸化防止剤 0.1 (17)ソルビタンセスキオレート 1.0 <製法>(1)〜(6)をヘンシェルミキサーで混合
し、(7)〜(9)、(13)、(14)、(16)、(17)
を加熱攪拌溶解したものに加え混合する。次に(10)〜
(12)、(15)を溶解したものを上記混合物に添加し、
十分混合した後スチック状に成形する。
【0052】 実施例10 日焼け止化粧下地 (1)ジメチルポリシロキサン(2cs) 19.0% (2)グリセリルトリイソステアレート 10.0 (3)アイソパーG 5.0 (4)ソルビタンセスキオレート 1.0 (5)ポリシロキサンエチレン変性オルガノポリシロキサン 3.0 (6)精製水 45.0 (7)1,3−ブチレングリコール 5.0 (8)微粒子酸化チタン 10.0 (9)P−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 1.0 (10)本発明化合物 化8 1.0 (11)防腐剤 適 量 (12)酸化防止剤 適 量 (13)香 料 適 量 <製法>(1)〜(5)、(9)、(10)、(12)、
(13)を70℃で攪拌溶解し、これにあらかじめ70℃
に加熱溶解した(6)〜(8)、(11)を添加し、乳化
分散後冷却して目的の日焼け止化粧下地を得た。以上説
明したように本発明にかかる皮膚外用剤は、UV−B領
域の紫外線を吸収し、耐水性に優れており、基剤や他の
配合成分を自由に選ぶことができる。また、日焼け止化
粧料として炎天下等の苛酷な条件下に放置した場合にお
いても安定性に優れているという利点を有する。また、
のびがよく、さっぱり感があるべとつかない等の極めて
優れた使用性、かつ汗や水に流れにくくUV−B吸収の
効果が長く持続するという利点を有している。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる有機
シリコーン誘導体によれば、優れたUV−B吸収能、及
び撥水性、シリコーン系基剤への相溶性を有する。ま
た、それを配合した皮膚外用剤はシリコーン系基剤に対
しても配合可能で優れた使用性を発揮することができ
る。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1にかかる化合物化7の紫外線
吸収スペクトル図である。
【図2】本発明の実施例2にかかる化合物化8の紫外線
吸収スペクトル図である。
【図3】本発明の実施例3にかかる化合物化9の紫外線
吸収スペクトル図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1及び2で表わされる部分
    構造式を有し、Aと、BまたはB’で結合してなる有機
    シリコーン誘導体。 【化1】 【化2】 (但し、Rは炭素数1〜4の低級アルコキシ基又は炭素
    数1〜4のジアルキルアミノ基を表わし、Rがアルコキ
    シ基の時、mは1〜3、nは1、ジアルキルアミノ基の
    時はmは1でnは0である。rは0〜3、sは0又は1
    を表わす。A、B、B’は部分構造式間の結合位置を示
    し、AとBにより結合している場合にはB’はメチル基
    を、AとB’により結合している場合にはBはメチル基
    を示し、AがB、B’に同時に結合する事はない)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の有機シリコーン誘導体の
    一種又は二種以上を含むことを特徴とする皮膚外用剤。
JP3267193A 1993-01-28 1993-01-28 有機シリコーン誘導体およびそれを含む皮膚外用剤 Withdrawn JPH06228167A (ja)

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