JPH0717912A - シンナミリデンマロネート誘導体、紫外線吸収剤及びそれを配合した皮膚外用剤 - Google Patents

シンナミリデンマロネート誘導体、紫外線吸収剤及びそれを配合した皮膚外用剤

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JPH0717912A
JPH0717912A JP18891993A JP18891993A JPH0717912A JP H0717912 A JPH0717912 A JP H0717912A JP 18891993 A JP18891993 A JP 18891993A JP 18891993 A JP18891993 A JP 18891993A JP H0717912 A JPH0717912 A JP H0717912A
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JP18891993A
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Tomomi Okazaki
具視 岡崎
Yasushi Matsushita
裕史 松下
Mikiko Katou
三紀子 加藤
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の一般式化1で表されるシンナミリデン
マロネート誘導体、紫外線吸収剤、及びその一種又は二
種以上を含有する皮膚外用剤。 【化1】 【効果】 優れたUV−A吸収能と、非極性油やアルコ
ールに対する高い溶解性を有し、UV−A吸収剤として
各種皮膚外用剤に配合可能で、紫外線防御効果、耐水
性、使用感に優れた皮膚外用剤が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシンナミリデンマロネー
ト誘導体及び皮膚外用剤、特にUV−A領域の紫外線吸
収剤能を有する物質及び皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光線に含まれる紫外線は、皮膚科学
的には320nm〜400nmの長波長紫外線(UV−
A)、290nm〜320nmの中波長紫外線(UV−
B)、及び290nm以下の短波長紫外線(UV−C)
に分類される。このうち、UV−Cは地表に達するまで
にオゾン層のよってほとんど吸収されてしまうため、地
上に届く紫外線の大部分はUV−A及びUV−Bであ
る。UV−A及びUV−Bはヒトの皮膚に対して様々な
影響を及ぼすが、最も顕著に現れるのが日焼け現象であ
る。
【0003】UV−Bによる日焼けは一般にsunbu
rnと呼ばれ、主として皮膚に紅斑や水泡を形成するな
どの炎症症状を引き起こすのに対し、UV−Aによる日
焼けは一般にsuntanと呼ばれる皮膚の褐色化であ
り、皮膚の弾力性の低下及びシワの発生を促して急激な
老化現象をもたらす。また、UV−Aは紅斑反応の開始
を促進することが知られているが、ある種の患者に対し
てはこの紅斑反応を増強することがあり、これによって
光毒性あるいは光アレルギー反応を引起こすことがあ
る。
【0004】このような紫外線による有害作用を防止す
るために、目的に応じた紫外線吸収剤を適切に選んで使
用することが有効であり、これまで様々な紫外線吸収剤
が開発されてきた。しかしながら、UV−A吸収剤はU
V−B吸収剤に比してその数が非常に少なく、例えば、
ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ベ
ンゾトリアゾール誘導体等が知られているに過ぎない。
【0005】一方、皮膚外用剤において紫外線吸収剤の
効果を持続させるためには、汗や水浴によって容易に流
れ落ちしない、耐水性に優れた皮膚外用剤とすることが
重要である。このため、近年、流動パラフィン、スクワ
ラン、シリコーン油等の非極性油が紫外線防止用化粧料
等の皮膚外用剤の基剤として広く使用されるようになっ
てきた。これらの基剤は、耐水性機能はもちろんである
が、のびの良さ、さっぱり感、べとつかない等優れた使
用感によるところも大きい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、既存の
UV−A吸収剤は、非極性油に対する溶解性が著しく低
いことから、皮膚外用剤、特に近年汎用されている非極
性油を基剤とした皮膚外用剤においてはその使用量が制
限され、UV−A吸収剤の持つ機能が十分に発揮されな
いという問題点があった。また、一般に濃色の結晶であ
り、製品中での低温による結晶化、衣類等への着色とい
う問題点も有していた。本発明は前記従来技術の課題に
鑑みなされたものであり、その目的は、非極性油基剤に
対して高い溶解性を示すUV−A吸収剤及びそれを配合
した皮膚外用剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ある種のシン
ナミリデンマロネート誘導体がUV−A吸収能及び使用
性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明に係るシンナミリデンマロネート
誘導体及び紫外線吸収剤は、下記の一般式化2で表され
る。
【化2】 (式中、R1は水素原子、メチレンジオキシ基及びC1
8のアルキル基又はアルコキシル基、R2は水素原子又
はC1〜C4のアルキル基、R3はC3〜C8のアルキル
基、フェニル基又はベンジル基、nは1〜3の整数を表
す。)そして、本発明に係る皮膚外用剤は、前記シンナ
ミリデンマロネート誘導体の一種又は二種以上を含有す
ることを特徴とする。
【0008】以下に本発明の構成について詳細に説明す
る。本発明に係るシンナミリデンマロネート誘導体は、
活性メチル又は活性メチレン基とカルボニル基との縮合
反応、例えば、日本化学会編「実験化学講座」18
巻、”有機化合物の反応II”(1958、丸善)p.8
1〜303に記載の方法で容易に製造することができ
る。具体的には、下記の化3で表される方法や、化4で
表されるような方法が挙げられる。何れの方法において
も反応条件は前記文献に記載の条件、例えば、メタノー
ル、エタノール等の低級アルコール、酢酸等の低級脂肪
酸又はその無水物、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化
水素、水等の溶媒あるいはこれらの混合溶媒中、又は無
溶媒中で、ピリジン、ピペリジン等の有機塩基、酢酸ア
ンモニウムのような有機酸塩、金属アルコキシド、水酸
化ナトリウム等の無機塩基、グリシン等のアミノ酸、塩
化亜鉛等のルイス酸等を触媒として用い、−15℃〜溶
媒の沸点の間の温度で1時間〜5日間反応を行えば良
い。
【化3】
【化4】 (但し、何れにおいてもR1、R2及びR3の定義は前記
化2と同一である。)
【0009】前記一般式化2で表される本発明のシンナ
ミリデンマロネート誘導体において、R1は水素原子、
メチレンジオキシ基、炭素数1〜8のアルキル基又はア
ルコキシル基を表し、直鎖状又は分岐状の何れでも良
い。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、
ヘキシル基、2−エチルブチル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられ、前記アルコ
キシル基の例としては、前記アルキル基に対応するアル
コキシル基等が挙げられる。また、メチレンジオキシ環
を有していても良い。
【0010】そして、nは1〜3の整数であり、芳香環
における前記R1の置換基数を表している。R2は水素原
子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、直鎖状でも分
岐状でもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブ
チル基等が挙げられる。
【0011】R3は炭素数3〜8の直鎖状又は分岐状の
アルキル基又はフェニル基あるいはベンジル基を表し、
このようなアルキル基の例としては、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、
ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチル
ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシ
ル基等が挙げられるが、分岐状であることが好ましい。
【0012】尚、シンナミリデンマロネート誘導体につ
いて、特開昭61−12612及び米国特許46134
99に紫外線吸収剤として用いられることが記載されて
おり、特開昭61−12612にはシンナミリデンマロ
ン酸ジメチルエステル及びジエチルエステルが、また、
米国特許4613499にはp-メトキシシンナミリデン
マロン酸ジメチルエステル及びジエチルエステルが開示
されている。
【0013】しかしながら、これらのシンナミリデンマ
ロン酸エステルはシリコーン系油剤等の非極性基剤や、
ローション等に多用されるエタノール等に対して溶解性
が低く、UV−A吸収能も若干低いため、高い紫外線防
御効果を得ようとすれば配合量を多くしなければなら
ず、配合量が多すぎると前記吸収剤が析出するという欠
点がある。また、系中で容易に加水分解されてしまうた
め、安定性が悪いという問題点も有していた。
【0014】本発明のシンナミリデンマロネート誘導体
は前記のようにR3が炭素数3〜8のエステル体とする
ことで、このようなシンナミリデンマロネート誘導体が
有していた問題点を解消したものである。すなわち、本
発明のシンナミリデンマロネート誘導体は、何れも32
0nm以上のUV−A領域に最大吸収を有し、皮膚外用
剤の基剤となる非極性油やアルコールに対する溶解性が
非常に高いことから、UV−A吸収剤として各種皮膚外
用剤に高濃度に配合することができる。特に、本発明の
シンナミリデンマロネート誘導体を非極性油剤を基剤と
した皮膚外用剤に配合すれば、紫外線防御効果、耐水性
及び使用感に優れた皮膚外用剤を得ることが可能であ
る。また、系中での安定性も改善されたものである。
【0015】本発明の皮膚外用剤に用いる基剤として
は、前記シンナミリデンマロネート誘導体が溶解するも
のであれば問題はないが、特に流動パラフィンや、スク
ワラン、シリコーン系油剤等の非極性油を用いると、の
びが良い、さっぱり感がある、べとつかない等の優れた
使用感と、水や汗に流されにくいという耐水性を得るこ
とができる。
【0016】前記基剤として用いられるシリコーン系油
剤は特に限定されないが、例えば、ジメチルポリシロキ
サン、メチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポ
リシロキサン等の鎖状ポリシロキサンや、デカメチルシ
クロポリシロキサン、ドデカメチルシクロポリシロキサ
ン、テトラメチルハイドロジェンシクロポリシロキサン
等の環状ポリシロキサン、ポリエーテル、脂肪酸変性ポ
リシロキサン、高級アルコール変性ポリシロキサン、ア
ミノ酸変性ポリシロキサン等が挙げられる。
【0017】尚、本発明の皮膚外用剤の剤型は任意であ
り、例えば、パウダー状、クリーム状、ペースト状、ス
ティック状、液状、スプレー状、ファンデーション等何
れでもよく、また、乳化剤を用いて乳化物としてもよ
い。本発明の皮膚外用剤におけるシンナミリデンマロネ
ート誘導体の配合量は特に限定されず、どの程度の紫外
線吸収効果が要求されるかによって異なるが、一般的に
は皮膚外用剤に対して0.1〜20重量%、好ましくは
0.5〜10重量%である。
【0018】また、本発明のシンナミリデンマロネート
誘導体は、単独で用いても充分にその効果を発揮する
が、必要に応じて他のUV−A吸収剤又はUV−B吸収
剤と併用することも可能である。実際、日焼け止め化粧
料等では、UV−A吸収剤とともにUV−B吸収剤も配
合されることが多い。UV−A吸収剤としては、ベンゾ
フェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ベンゾト
リアゾール誘導体等が挙げられる。また、UV−B吸収
剤としては、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチ
ルヘキシルエステルのようなp-アミノ安息香酸誘導体、
p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシルエステルのような
p-メトキシケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンジ
リデンカンファー誘導体、ウロカニン酸又はその誘導
体、あるいは二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機顔料等が
挙げられる。
【0019】また、本発明の皮膚外用剤は、前記成分の
他に通常医薬品や化粧料等に用いられる成分、例えば、
油分、潤滑油、酸化防止剤、界面活性剤、防腐剤、金属
封鎖剤、香料、水、アルコール、増粘剤、薬剤等を本発
明の効果を損わない範囲で適宜配合することができる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。尚、以下の説明において、特に指定がない限り配合
量は全て重量%である。 〔シンナミリデンマロネート誘導体の製造〕下記の化合
物1及び2の製造方法について説明する。 化合物1:シンナミリデンマロン酸ジイソプロピルエス
テル 化合物2:p-メトキシシンナミリデンマロン酸ジイソプ
ロピルエステル
【0021】製造例1(化合物1の製造) シンナムアルデヒド13.2g、マロン酸ジイソプロピ
ル18.8gを無水ベンゼン40mlに溶かし、ピペリ
ジン0.5mlを加えて計算量の反応水が留去するまで
6時間環流した。反応終了後、有機層を2N-塩酸、続
いて水でよく洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、
ベンゼンを減圧留去した。残渣を減圧蒸留にてb.p.1
69−178℃(2mmHg)の部分を集め、エチルア
ルコールより再結晶して精製し、無色固体の目的物2
0.4gを得た。尚、得られた目的物の最大吸収波長
(λmax)、マススペクトルデータ及び融点は次の通り
であった。 λmax(エタノール) 323nm(ε=37,4
00) マススペクトルM+m/e 302 m.p. 55−56℃
【0022】製造例2(化合物2の製造) p-メトキシシンナムアルデヒド25.5g、マロン酸ジ
イソプロピル29.6gを無水ベンゼン90mlの混合
物に、ピペリジン0.75mlを加え、生成水留去下に
9時間環流した。反応終了後、ベンゼン100mlを加
え、2N-塩酸、続いて水でよく洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥させた後、ベンゼンを減圧留去した。残渣をヘ
キサン150mlから、続いてエタノールで再結晶して
精製し、淡黄色固体の目的物36.0gを得た。尚、得
られた目的物の最大吸収波長(λmax)、マススペクト
ルデータ及び融点は次の通りであった。 λmax(エタノール) 350nm(ε=37,2
00) マススペクトルM+m/e 332 m.p. 61−62℃
【0023】〔紫外線吸収効果〕前記化合物1及び2の
シンナミリデンマロネート誘導体と、比較例として2-ヒ
ドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(比較化合物a)
を用いて、その紫外線吸収効果を測定した。測定方法
は、各化合物の10ppm濃度エタノール溶液を調製
し、石英セル(1×1cm)を用いて、日本分光(株)製
UVIDEC−610型分光光度計にて吸光度を測定し
た。尚、用いたエタノールは、純度99.5%(試薬特
級)である。
【0024】その結果、表1に示すように、何れの被験
化合物もUV−A領域に最大吸収波長が存在するが、そ
の最大吸収波長における吸光度を比較すると、同じ濃度
でも化合物1及び2は比較化合物aの約2.5倍以上で
あった。この結果、本発明のシンナミリデンマロネート
誘導体は比較化合物に比して格段に紫外線吸収効果が高
く、これを配合することによって日焼け防止効果の高い
皮膚外用剤が得られることが明らかとなった。
【表1】 ────────────────────────────────── 波 長 吸 光 度 (nm) 化合物1 化合物2 比較化合物a ────────────────────────────────── 300 0.80 0.25 0.39 310 1.08 0.40 0.35 320 1.24 0.59 0.40 330 1.16 0.84 0.42 340 0.83 1.04 0.34 350 0.44 1.12 0.20 360 0.18 1.04 0.11 370 0.06 0.80 0.03 380 0.02 0.52 0.00 ────────────────────────────────── 〔溶解性〕本発明のシンナミリデンマロネート誘導体と
して前記化合物1及び2と、比較例として前記比較化合
物aの2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン及び前
記米国特許4613499に記載のp-メトキシシンナミ
リデンマロン酸ジエチルエステル(比較化合物b)を用
い、シリコーン系油剤であるKF56(10cs、信越
化学工業(株)製)及び99.5%エチルアルコールに対
する溶解性を調べた。
【0025】その結果、表2に示すように、化合物1及
び2のシンナミリデンマロネート誘導体は、何れの溶媒
に対しても良好に溶解するのに対し、比較化合物aの2-
ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン及び比較化合物
bのp-メトキシシンナミリデンマロン酸ジエチルエステ
ルは何れの溶媒に対しても溶解性が極めて低く、結晶が
析出した。以上のように、本発明に係るシンナミリデン
マロネート誘導体は、比較化合物に比して格段に溶解性
の向上が認められた。
【表2】 ──────────────────────────────────── 溶 解 性※ 試料 性状 シリコンKF56 99.5%エタノール 2% 15% 3% 20% ──────────────────────────────────── 化合物1 無色固体 ○ ○ ○ ○ 化合物2 淡黄色固体 ○ ○ ○ ○ ──────────────────────────────────── 比較化合物a 淡黄色結晶 × × ○ × 比較化合物b 淡黄色結晶 × × × × ──────────────────────────────────── ※各試料を各溶媒に溶解させた時の外観: ○・・・完全溶解、×・・・溶解せず(結晶析出)
【0026】〔紫外線防御効果試験〕配合例1(日焼け止めオイル) 本発明のシンナミリデンマロネート誘導体の紫外線防御
効果について、実際に人体パネルを用いて、次のように
して調べた。 〈日焼け止めオイルの調製〉前記化合物2のシンナミリ
デンマロネート誘導体を用い、下記の処方で各成分を十
分に溶解後、濾過して日焼け止めオイルを調製した(配
合例1)。また、比較例として、前記化合物2の代りに
p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシルエステルを
用いた日焼け止めオイル(日焼け止めオイルに対する総
配合量は5.0重量%となる)も同様に調製した。 デカメチルシクロペンタシロキサン 47.0wt% ジメチルポリシロキサン(10cs/25℃) 20.0 メチルフェニルポリシロキサン(20cs/25℃) 22.0 シリコーン樹脂 5.0 p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシルエステル 3.0 化合物2 2.0
【0027】〈試験方法〉配合例1及び比較例の日焼け
止めオイルを、パネル10名の体の左右半々にそれぞれ
塗布し、実際に海浜での日焼けの程度について以下の基
準に従って評価した。 ○・・・殆ど日焼け症状が認められなかった △・・・軽度の日焼け症状が認められた ×・・・強度の日焼け症状が認められた 〈結果〉表3に示すように、配合例1のオイルを塗布し
た場合、70%のパネラーは日焼けが殆ど認められなか
ったとし、残りの30%のパネラーについては軽度の日
焼け症状が認められたに過ぎず、重度の日焼け症状が認
められたパネラーはいなかった。これに対し、比較例の
オイルでは80%のパネラーが重度又は軽度の日焼け症
状を訴え、20%のパネラーに重度の日焼け症状が認め
られた。また、配合例1の日焼け止めオイル塗布部では
皮膚トラブルは全く見られなかったが、比較例の塗布部
では皮膚のひきつり、かゆみ、発疹といったトラブルが
生じた。
【0028】以上のことから、本発明のシンナミリデン
マロネート誘導体を配合した皮膚外用剤は優れた紫外線
防御効果を有し、紫外線による日焼け及び皮膚トラブル
を防止することが明らかとなった。
【表3】 ─────────────────────────────── パネル 日焼けの評価 配合例1 比較例 ─────────────────────────────── A ○ ○ B ○ △ C △ × D ○ △ E △ △ F ○ △ G ○ ○ H ○ △ I ○ △ J △ × ──────────────────────────────── 皮膚トラブル なし ひきつり 3件 件数 かゆみ 2件 発疹 1件 ──────────────────────────────── 以下の配合例2〜7の皮膚外用剤を調製し、前記配合例
1と同様にして紫外線防御効果を試験したところ、何れ
も優れた効果を有し、日焼け及び皮膚トラブルを防止す
るものであった。
【0029】配合例2(W/Oクリーム) 下記の処方に従って、W/Oクリームを調製した。調製
方法は、油相部及び水相部を各々加熱溶解して70℃に
保ち、油相部に水相部を添加して乳化機により十分に乳
化した。乳化後、かき混ぜながら35℃以下まで冷却
し、容器に流し込んで放冷し固めて、W/Oクリームを
得た。 〈油相部〉 オクタメチルシクロテトラシロキサン 10.5wt% ジメチルポリシロキサン(100cs) 5.0 ジメチルポリシロキサン(2,500,000cs) 3.0 流動パラフィン 15.0 ポリエーテル変性シリコーン 6.0 p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシルエステル 5.0 シンナミリデンマロン酸ジイソプロピルエステル 4.0 香料 0.2 〈水相部〉 精製水 43.1 L-グルタミン酸ナトリウム 3.0 1,3-ブチレングリコール 5.0 防腐剤 0.2
【0030】配合例3(O/Wクリーム) 下記の処方に従って、O/Wクリームを調製した。調製
方法は、油相部及び水相部を各々70℃で加熱溶解し、
油相部を水相部に添加して、乳化機により十分に乳化し
た。乳化物を熱交換器にて30℃まで冷却後、容器に充
填してO/Wクリームを得た。 〈油相部〉 デカメチルシクロペンタシロキサン 3.0wt% 流動パラフィン 8.0 イソプロピルミリステート 2.0 ワセリン 4.0 セタノール 4.0 ステアリン酸 3.0 グリセリルモノイソステアレート 3.0 p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシルエステル 3.0 p-メトキシシンナミリデンマロン酸ジイソプロピルエステル 1.0 防腐剤 0.2 香料 0.2 〈水相部〉 グリセリン 10.0 プロピレングリコール 5.0 ヒアルロン酸 0.01 水酸化カリウム 0.2 精製水 53.39
【0031】配合例4(ローション) 下記の処方に従って、前記実施例6と同様の方法でロー
ションを調製した。 〈油相部〉 ジメチルポリシロキサン(5cs) 10.0wt% メチルフェニルポリシロキサン(20cs) 7.0 ステアリン酸 1.0 p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシルエステル 5.0 p-メトキシシンナミリデンマロン酸ジベンジル 10.0 防腐剤 0.2 香料 0.2 〈水相部〉 グリセリン 5.0 モンモリロナイト 0.5 水酸化カリウム 0.2 精製水 60.9
【0032】配合例5(両用ファンデーション) 下記の処方に従って、両用ファンデーションを調製し
た。調製方法は、A部をヘンシェルミキサーで混合し、
これにB部を加熱溶解したものを添加混合した後粉砕
し、これを中皿に成形して、両用ファンデーションを得
た。 〈A部〉 シリコーン処理酸化チタン 9.5wt% シリコーン処理マイカ 40.0 シリコーン処理タルク 20.45 シリコーン処理酸化鉄 7.5 球状ナイロンパウダー 10.0 〈B部〉 トリメチロールプロパントリイソステアレート 5.0 スクワラン 3.0 ビーワックス 2.0 シンナミリデンマロン酸ジ-n-ブチルエステル 0.5 ソルビタントリオレエート 1.0 ビタミンE 0.05 防腐剤 0.5 香料 0.5
【0033】配合例6(スティック状化粧料) 下記の処方に従って、スティック状化粧料を調製した。
調製方法は、A部をヘンシェルミキサーで混合し、これ
にB部を加熱溶解したものを添加してさらに混合粉砕し
する。次に、C部を溶解したものを添加後十分混合し、
スティック状に成形した。 〈A部〉 酸化チタン 10.0wt% 酸化亜鉛 7.0 マイカ 16.0 赤色酸化鉄 1.5 黄色酸化鉄 1.5 黒色酸化鉄 1.0 〈B部〉 ジメチルポリシロキサン(20cs) 29.4 トリメチロールプロパン-トリ-2-エチルヘキサノエート 8.0 流動パラフィン 7.0 p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシルエステル 5.0 p-メトキシシンナミリデンマロン酸ジー2ーエチルヘキシルエステル 3.0 ソルビタンセスキオレエート 1.0 酸化防止剤 0.1 〈C部〉 マイクロクリスタリンワックス 2.0 セレシン 1.0 固形パラフィン 6.0 香料 0.5
【0034】配合例7(化粧下地クリーム) 下記の処方に従って、化粧下地クリームを調製した。調
製方法は、油相部及び水相部を各々70℃で加熱溶解
し、油相部に水相部を添加して乳化分散後、冷却して、
化粧下地クリームを得た。 〈油相部〉 スクワラン 19.0wt% グリセリルトリイソステアレート 10.0 アイソパーG 5.0 ソルビタンセスキオレエート 1.0 ポリシロキサンエチレン変性オルガノポリシロキサン 3.0 p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシルエステル 1.0 p-メトキシシンナミリデンマロン酸ジイソプロピルエステル 1.0 酸化防止剤 適 量 香料 適 量 〈水相部〉 1,3-ブチレングリコール 5.0 微粒子酸化チタン 10.0 防腐剤 適 量 精製水 残 余
【0035】
【発明の効果】本発明に係るシンナミリデンマロネート
誘導体は、UV−A吸収能に優れ、また、非極性油やア
ルコールに対して高い溶解性を示す。よって、前記シン
ナミリデンマロネート誘導体はUV−A吸収剤として各
種皮膚外用剤に配合することができ、特に、非極性油を
基剤とする皮膚外用剤に配合することによって、紫外線
防御効果、耐水性及び使用感に優れた皮膚外用剤を得る
ことが可能である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/22 ADA 9454−4C C09K 3/00 104 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式化1で表されるシンナミリ
    デンマロネート誘導体。 【化1】 (式中、R1は水素原子、メチレンジオキシ基及びC1
    8のアルキル基又はアルコキシル基、R2は水素原子又
    はC1〜C4のアルキル基、R3はC3〜C8のアルキル
    基、フェニル基又はベンジル基、nは1〜3の整数を表
    す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシンナミリデンマロネー
    ト誘導体の一種又は二種以上からなることを特徴とする
    紫外線吸収剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のシンナミリデンマロネー
    ト誘導体の一種又は二種以上を含有することを特徴とす
    る皮膚外用剤。
JP18891993A 1993-06-30 1993-06-30 シンナミリデンマロネート誘導体、紫外線吸収剤及びそれを配合した皮膚外用剤 Withdrawn JPH0717912A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1008586A1 (de) * 1998-12-11 2000-06-14 Basf Aktiengesellschaft Oligomere Diarylbutadiene

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1008586A1 (de) * 1998-12-11 2000-06-14 Basf Aktiengesellschaft Oligomere Diarylbutadiene
US6436373B1 (en) 1998-12-11 2002-08-20 Basf Aktiengesellschaft Oligomeric diarylbutadienes

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