JPH07173676A - 錫又は錫−鉛合金めっき材の表面処理方法 - Google Patents

錫又は錫−鉛合金めっき材の表面処理方法

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JPH07173676A
JPH07173676A JP32181893A JP32181893A JPH07173676A JP H07173676 A JPH07173676 A JP H07173676A JP 32181893 A JP32181893 A JP 32181893A JP 32181893 A JP32181893 A JP 32181893A JP H07173676 A JPH07173676 A JP H07173676A
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JP
Japan
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tin
surface treatment
plated
anode
alkyl
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JP32181893A
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English (en)
Inventor
Atsushi Kodama
篤志 児玉
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Nikko Kinzoku KK
Original Assignee
Nikko Kinzoku KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 錫あるいは錫−鉛合金めっき材のはんだ付
け性の経時劣化を抑制し、耐食性にも優れる該めっき材
の表面処理方法の提供。 【構成】 インヒビターとして特定のベンゾトリアゾ
ール系化合物、特定のメルカプトベンゾチアゾール系化
合物、特定のトリアジン系化合物からなる群から選ばれ
た1種もしくは2種以上含有する表面処理水溶液中で錫
又は錫−鉛合金めっき材を陽極として電解する表面処理
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、錫又は錫−鉛合金めっ
き材の表面処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】銅合金などの表面に、金、銀、ロジウ
ム、ニッケル、錫、および錫/鉛合金めっきなどの表面
処理を施しためっき材は、電子機器用部品であるコネク
ターなどの材料として用いられている。特に錫および錫
−鉛合金めっきは低価格であり、また、軟らかい金属で
あるが、酸化皮膜は硬く剥がれ易いため挿抜により新し
い金属表面が得られ、接点がガスタイトとなるため、耐
環境性が高く民生機器を中心に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、錫あるいは錫
−鉛合金めっきした材料のはんだ付け性は、経時劣化を
起こすことが知られているが、従来はこの経時劣化を抑
える方法がなかった。また、耐食性が低く、腐食性雰囲
気下では白錆等が発生し、外観及びその他の特性に悪影
響があった。
【0004】本発明はこのような問題点を解決する表面
処理方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明者等が研究を行った結果、以下に示す表面処
理方法を発明するに至った。すなわち、本発明は、(1)
金属材料に錫又は錫−鉛合金を電気めっきした材料を処
理する表面処理方法において、インヒビターとして下記
一般式(1) で示されるベンゾトリアゾール系化合物、下
記一般式(2) で示されるメルカプトベンゾチアゾール系
化合物、及び下記一般式(3) で示されるトリアジン系化
合物からなる群から選ばれた1種もしくは2種以上を含
有する表面処理水溶液中で前記材料を陽極として電解す
ることを特徴とする表面処理方法。
【0006】
【化4】
【0007】(式中、R1は水素、アルキル、置換アル
キルを表わし、R2はアルカリ金属、水素、アルキル、
置換アルキルを表わす)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R3はアルカリ金属又は水素を表
わす)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、R4は−SH、アルキル基かアリ
ール基で置換されたアミノ基、又はアルキル置換イミダ
ゾリルアルキル、R5、R6は−NH2、−SH又は−S
M(Mはアルカリ金属を表わす)を表わす)、(2) 陽極
が金属材料に錫または錫−鉛合金をめっきした材料を加
工したものであることを特徴とする前記(1) に記載の表
面処理方法である。
【0012】本発明の表面処理方法に使用する表面処理
水溶液の必須成分であるインヒビターは以下に示される
化合物、すなわち、ベンゾトリアゾール系化合物、メル
カプトベンゾチアゾール系化合物、トリアジン系化合物
のなかから1種もしくは2種以上選択され、処理水溶液
に添加され、はんだ付け性劣化防止及び耐食性向上に寄
与する。
【0013】本発明に使用されるベンゾトリアゾール系
化合物は一般式(1)
【0014】
【化7】
【0015】(式中、R1は水素、アルキル、置換アル
キルを表わし、R2はアルカリ金属、水素、アルキル、
置換アルキルを表わす)で表わされる。この一般式(1)
で表わされる化合物のうち好ましいものを挙げると、例
えば、ベンゾトリアゾール(R1、R2ともに水素)、1
−メチルベンゾトリアゾール(R1が水素、R2がメチ
ル)、トリルトリアゾール(R1がメチル、R2が水
素)、1−(N,N−ジオクチルアミノメチル)ベンゾ
トリアゾール(R1が水素、R2がN,N−ジオクチルア
ミノメチル)などである。
【0016】本発明に使用されるメルカプトベンゾチア
ゾール系化合物は一般式(2)
【0017】
【化8】
【0018】(式中R3はアルカリ金属又は水素を表わ
す)で表わされる。この一般式(2) で表わされる化合物
のうち好ましいものを挙げると、例えば、メルカプトベ
ンゾチアゾール、メルカプトベンゾチアゾールのナトリ
ウム塩、メルカプトベンゾチアゾールのカリウム塩など
がある。溶媒が水の場合にはRがアルカリ金属であるこ
とが好ましい。
【0019】トリアジン系化合物は一般式(3)
【0020】
【化9】
【0021】(式中R4は−SH、アルキル基かアリー
ル基で置換されたアミノ基、又はアルキル置換イミダゾ
リルアルキル、R5、R6は−NH2、−SH又は−SM
(Mはアルカリ金属を表わす)を表わす)で表わされ
る。この一般式(3) で表わされる化合物のうち好ましい
ものを挙げると、例えば以下のものがある。
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】あるいはこれらのNa又はKなどのアルカ
リ金属塩、
【0025】
【化12】
【0026】である。一般式(3)においてR5、R6
−SMである場合にはトリアジン系化合物の水への溶解
が容易となる。
【0027】インヒビター添加量は、0.001〜1w
t%の範囲であり、0.001wt%未満ではんだ付け
性劣化防止効果が得られず、1wt%を超えると接触抵
抗への悪影響が認められる。
【0028】さらに本発明の表面処理液は、はんだ付け
性劣化防止効果を向上させるために、非イオン系界面活
性剤を含有できる。非イオン系界面活性剤は、上記のイ
ンヒビターの作用力を高める効果があり、非イオン系界
面活性剤として好ましいものを具体的に例示すれば、た
とえば、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオ
レイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック
ポリマー、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル等を
挙げることができる。これらの界面活性剤濃度は0.0
1〜2wt%が好ましい。
【0029】表面処理は、めっき品を処理液中に浸漬さ
せ、材料を陽極として極間に直流またはパルス電流を流
して行う。めっき品を陽極にすることにより、溶液中の
インヒビターはめっき品の表面に吸着し、はんだ付け性
の劣化を防止する。電解時の極間電圧は1〜5Vの範囲
であり、極間電圧1V未満でははんだ付け性劣化防止効
果が得られず、5Vを越えるとめっき皮膜の溶解が多く
なり表面処理の効果が得られない。電流密度は0.1A
/m2以上であり、0.1A/m2未満でははんだ付け性
劣化防止効果が得られない。表面処理時間は1〜10秒
が好ましい。
【0030】しかし、本発明において、めっき品の形状
が板・条、プレス部品であるを問わず、めっき直後すな
わち連続ラインであれば、そのラインの中で処理するこ
とが、表面処理の各種機能を高める効果が高いことを見
いだした。
【0031】さらに、めっき品をプレスなどの加工後に
本発明の表面処理方法で表面処理することも有効であ
る。めっき後表面処理した金属材料であっても、その後
のプレス加工で付着したプレス油を洗浄する工程におい
て、表面処理の機能の多くは喪失する。そこで再度の表
面処理が有効となる。
【0032】なお、本発明における、めっき母材となる
金属材料は、銅及び、黄銅、りん青銅、チタン銅等の各
種銅合金、鉄、ステンレス鋼、高ニッケル合金等の各種
鉄系合金であり、適宜選択でき、何等制限されない。下
地めっきについては、銅、ニッケル等を適宜でき、何等
制限されない。錫または錫−鉛合金めっきは、酸性浴、
アルカリ性浴からの無光沢めっき、光沢めっき、リフロ
ーめっきを包含するものである。
【0033】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0034】黄銅(C2600)の厚み0.25mmの
板をリール・ツウ・リールの連続電気めっきラインに通
して電気めっきを施した。めっきラインにおいては、脱
脂、酸洗浄後、1.5μm の厚みで錫又ははんだ(90
%Sn−10%Pb又は60%Sn−40%Pb)めっ
きを施し、各種表面処理液中で極間電圧2V、電流密度
0.6A/m2で3秒間表面処理を施した。こうして表
面処理したものを供試材とした。これらの供試材のはん
だ付け性は、155℃、16時間のエージング(JIS
C 0050)を行った後に平衡法(JIS C 0
053)で評価した。また供試材の耐食性は、塩水噴霧
試験(JIS Z 2731,48時間)後の試料外観
で評価した。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】注1)ただし、表中表面処理液の略号は以
下のとおりである。
【0037】A−1 ベンゾトリアゾール A−2 メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩 A−3 2,4−ジアミノ−6−[2´−ウンデシルイ
ミダゾリル(1´)]−エチル−1,3,5−トリアジ
ン A−4 1,3,5−トリアジンチオールのNa塩 B−1 ポリオキシエチレンナフチルエーテル 注2)試験の判定基準 エージング後のはんだ付け性 ◎:はんだ濡れ時間が1.5秒未満 ○:はんだ濡れ時間が1.5秒以上2秒未満 ×:はんだ濡れ時間が2秒以上 塩水噴霧試験後の外観 ◎:白錆と曇りがない ○:白錆はないが、曇りがある ×:白錆あり
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により表面
処理された錫または錫−鉛合金めっき材は、はんだ付け
性の劣化が少なく、優れた耐食性を有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料に錫又は錫−鉛合金をめっきし
    た材料の表面処理方法において、インヒビターとして下
    記一般式(1) で示されるベンゾトリアゾール系化合物、
    下記一般式(2) で示されるメルカプトベンゾチアゾール
    系化合物、及び下記一般式(3) で示されるトリアジン系
    化合物からなる群から選ばれた1種もしくは2種以上を
    含有する表面処理液中で前記材料を陽極として電解する
    ことを特徴とする表面処理方法。 【化1】 (式中、R1は水素、アルキル、置換アルキルを表わ
    し、R2はアルカリ金属、水素、アルキル、置換アルキ
    ルを表わす) 【化2】 (式中、R3はアルカリ金属又は水素を表わす) 【化3】 (式中、R4は−SH、アルキル基かアリール基で置換
    されたアミノ基、又はアルキル置換イミダゾリルアルキ
    ル、R5、R6は−NH2、−SH又は−SM(Mはアル
    カリ金属を表わす)を表わす)
  2. 【請求項2】 インヒビターの濃度が0.001〜1w
    t%であることを特徴とする請求項1記載の表面処理方
    法。
  3. 【請求項3】 電解を極間電圧1〜5V、電流密度0.
    1A/m2以上で実施する請求項1又は2に記載の表面
    処理方法。
  4. 【請求項4】 陽極が金属材料に錫または錫−鉛合金を
    めっきした材料を加工したものであることを特徴とす
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012201942A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Jx Nippon Mining & Metals Corp Sn又はSn合金めっき材及びその製造方法
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CN109208049A (zh) * 2018-11-08 2019-01-15 天津亿鑫通金属表面处理有限公司 一种镀层色泽均匀的不锈钢连续电镀工艺

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KR20170016843A (ko) 2014-06-11 2017-02-14 우에무라 고교 가부시키가이샤 주석 전기 도금욕 및 주석 도금 피막
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