JPH0717144Y2 - コンデンサ電極端子成形用ポンチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電解コンデンサ又はペーパーコンデンサなど
に用いられる電極リードを兼ねたコンデンサ電極端子を
加圧成形するためのポンチに関するものである。

〔従来の技術〕 一般に、電解コンデンサにおいて用いられているコンデ
ンサエレメントに連結される電極端子は、アルミニウム
線材から偏平電極部とタブとを備え、該アルミニウムタ
ブに細いリード線（CP線）を溶接したものを用いること
が知られていて、その作業には人手を要し、きわめて非
能率的となっており、しかも溶接部の種々の形状によっ
て溶接不良となるばかりかリード線の曲がりや偏心によ
る結合で品質不良となるため、各部をポンチで断面円形
の電極材料から偏平電極部を備えたコンデンサ電極端子
に加圧成形することが試みられている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、この従来のポンチではアルミニウム線部分を
断面円形部分を残して偏平電極部に圧延したのち、偏平
電極部の周辺部の不要部分をカット線で切除し、さらに
この偏平電極部を化学処理したエッチング加工を施して
使用するもので、その表面積も十分満足できるものでな
いためコンデンサの直流容量も大きくできなく限界があ
ると共に、このアルミ電解用電極端子に箔を巻く時にア
ルミ箔がスベル欠点があり、巻くスピードがおそく生産
性も上げられないし、アルミ箔も余計に必要となってコ
スト高となるし、プレス成形時の素材のずれ発生で所定
の製品とならなかったり、する不便があった。またこの
アルミ電解用電極端子を腐蝕して表面を粗すことが中性
洗剤又は化学的処理で行われると、事後処理が必要で例
えば中性洗剤を使用して表面を粗すには高温（約90℃）
で長時間処理が必要で、生産性が極めて悪いし、環境・
公害上での問題も生じコスト高となる欠点があり、コン
デンサ電極端子を化学処理などの事後処理に供するのは
きわめて煩雑さがあって、生産管理上問題があり、さら
に品質保証の再検査する必要が生じて一層煩雑化するな
どの欠点があった。

本考案は、これら従来の諸欠点を適確に排除しようとす
るもので、化学的処理の必要もなく、粗面によるすべり
止めの作用が偏平電極部の表面に梨地模様ででき、生産
性を大幅に高められ、かつ電極部の表面積を大きくして
容量の増大と電極として使用するアルミ箔をも大幅に減
少できてコスト削減化を容易にすると共に、電極端子の
成形並びに寸法精度の維持を適確にし、不良品の発生を
も少なくし品質管理も大幅に向上でき生産性をも良好に
できるコンデンサ用電極端子を成形できるポンチを構成
簡単で安価な量産タイプで提供することを目的としたも
のである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、断面円形の電極材料から電極リード部にテー
パー部を介して偏平電極部を備えたコンデンサ電極端子
を加圧成形するポンチにおいて、ポンチプレス面に前記
偏平電極部の形縁取り用のカッタ部を持った凹面部と、
該凹面部の一端側に半錐状凹部とを備え、これら凹面部
及び半錐状凹部の表面上に梨地模様の粗面を設けたこと
を特徴とするコンデンサ電極端子成形用ポンチである。

〔作用〕

本考案での電解コンデンサ用電極端子を成形するのに断
面円形の電極材料から偏平電極部を備えた端子に加圧成
形する際、或いは予め加圧成形したコンデンサ電極端子
を一対の上下ポンチのプレス面間に介在させてポンチを
圧接するとポンチプレス面にある凹面部と凹面部の一端
側にある半錐状凹部との粗面が電極材料に喰い込んでコ
ンデンサ電極端子表面に梨地模様を形成することができ
る。

〔実施例〕

本考案の実施例を電解コンデンサ用電極端子を成形する
ためのポンチの第１〜４図で説明すると、断面円形の電
極材料から偏平電極部１と、該偏平電極部１に連なるテ
ーパー部２を介して円筒状の電極リード部３とを一体化
してコンデンサ電極端子４に加圧成形するポンチ５にお
いて、ポンチプレス面に前記偏平電極部１の形縁取り用
のカッタ部６を持った凹面部７と、該凹面部７の一端側
に前記テーパー部２を形押し成形する半錐状凹部８とを
備え、これらカッタ部６を含む偏平電極成形用凹面部７
及びテーパー部成形用の半錐状凹部８の表面上に梨地模
様の粗面９を設けたコンデンサ電極端子成形用ポンチと
してある。

この場合、ポンチ５としては上下ポンチの一対で対称形
のプレス面を有しているものを用いるのがよく、コンデ
ンサ電極端子４の表裏両側面に梨地模様の粗面９、例え
ば十点平均粗さR₂として10〜100μｍ、好ましくは20〜5
0μｍの粗面加工が放電加工によってできるようにして
あり、また前記凹面部７の周辺にあるカッタ部６は斜面
で尖鋭端縁で偏平電極部１の形縁取りによる不要部分の
カットができるか或いは封じ込んで所定寸法形状にプレ
ス成形できるようにしてある。

また、偏平電極部１に連続する円錐状部２と円筒状の電
極リード部３とリード線11とが順次一体化された状態で
接続してコンデンサ電極端子４が構成されているアルミ
電解用電極をリード線つきで成形できるポンチ５として
ある。

なお、前記カッタ部６は半錐状凹部８のある一端側と反
対側の他端側は円弧状に連続してあるが、角形に連続し
たり、或いは切り離した平行縁端となるカッタ部６とす
ることも選んでできる。この場合、不要部分のはみ出し
を防ぐことが配慮される。

さらに、断面円形の電極材料は、前記偏平電極部１を形
成する面積又はそれ以上の大きさに所定厚みに圧延され
るが、前記円筒状の電極リード部３に外周に沿った巾の
一対の両サイド線と、これに直交する中央線とで同時又
は別々にカットする切断工程で偏平電極部１を成形して
もよく、不要部分が生じないプレス成形の場合にはポン
チ５の凹面部内に封じ込むことで済む。さらに、リード
線11は必要に応じ、有底管状体の接触部材として用い電
極リード部３に嵌装して溶接又はカシメで締着接合する
こともできる。

そして、前記コンデンサ電極端子４としたものでは、偏
平電極部１に連なるテーパー部２を介して円筒状の電極
リード部３を一体成形したコンデンサ電極端子４であっ
て、この偏平電極部１及びテーパー部２の表面に梨地模
様粗面を内面に有する成形用ポンチでプレス成形される
微細な凹凸からなる梨地模様10を備えており、該偏平電
極部１がコンデンサエレメント、例えば陽極電極箔と陰
極電極箔との間に隔離紙，スペーサその他のセパレータ
を挿入して巻回したコンデンサ素子としたり、このサン
ドウィッチ構造体、その他必要なコンデンサ容量に適合
した電解コンデンサ素子となる構成のものに接続されて
用いられるものである。

〔考案の効果〕

本考案は、ポンチプレス面に前記偏平電極部の形縁取り
用のカッタ部を持った凹面部と、該凹面部の一端側に半
錐状凹部とを備え、これら凹面部及び半錐状凹部の表面
上に梨地模様の粗面を設けたことにより、テーパー部に
連続する偏平電極部からなるコンデンサ電極端子の粗面
形成と、形縁取りカットおよび据込みとテーパー部のあ
る外観成形とが同時にでき従来法に比べて生産性を大幅
に向上し、化学的処理の必要もなく大幅なコストダウン
も可能にすると共に、プレス成型時には粗面によるすべ
り止めの作用で偏平電極部の表面に梨地模様の形成を適
確にでき、かつ電極部の表面積を大きくして容量の増大
と電極として使用するアルミ箔をも大幅に減少できてコ
スト削減化を容易にすると共に、電極端子の成形並びに
寸法精度の維持を適確にし、不良品の発生をも少なくし
品質管理も大幅に向上でき生産性をも良好にできるほ
か、一体成形で組立不良に基づく品質低下もなく、かつ
電極端子部分の材質に制限がないので特性変更が自由に
できると共に、その加工手数を著しく簡素化し、製品も
均一化され仕上良好で品質のよい電極端子とし製作損失
も少なく取扱い簡易である効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は加工使用状態の
分離斜視図、第２図は一部の詳細拡大斜視図、第３図は
加圧状態の縦断面図、第４図は第３図Ｉ−Ｉ線における
分離状態の縦断面図、第５図は成形済のコンデンサ電極
端子の平面図、第６図は第５図II-IIにおける縦断面図
である。 １……偏平電極部、２……テーパー部、３……電極リー
ド、４……コンデンサ電極端子、５……ポンチ、６……
カッタ部、７……凹面部、８……半錐状凹部、９……粗
面、10……梨地模様、11……リード線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】断面円形の電極材料から電極リード部３に
   テーパー部２を介して偏平電極部１を備えたコンデンサ
   電極端子４を加圧成形するポンチ５において、ポンチプ
   レス面に前記偏平電極部１の形縁取り用のカッタ部６を
   持った凹面部７と、該凹面部７の一端側に半錐状凹部８
   とを備え、これら凹面部７及び半錐状凹部８の表面上に
   梨地模様の粗面９を設けたことを特徴とするコンデンサ
   電極端子成形用ポンチ。